JP4262624B2 - 臓器圧排器具 - Google Patents
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Description
ところで、内視鏡下外科手術を対象とした場合、この種の器具に求められる基本的な機能として、小さな切開創(20mm以下が望ましい)やトロッカー(最大12mm鉗子が挿入可能な程度の内径)から体腔内部に挿入可能な細径器具であることと、手術視野の確保の観点から、体腔内挿入後は、対象物を幅広く安全に圧排できる、ある程度大きな圧排面積を有する器具であることの相反する条件を備えていることが必要となる。
一つには、圧排部が扇型に拡開するものであり、例えば特許文献1のような、複数枚の扁平板を重ね合わせた構成で、可動して扇型を形成する開閉部と、ロット部と、把持部からなり、把持部を握ることで開閉部が開き扇型を形成する構造を有し、腹腔内への挿入時は開閉部を閉じて、ロット部とほぼ同じ外径とすることでトロッカーなどからの挿入が可能であり、挿入後は拡開して隙間をもたない扇型となり、臓器を圧排することができるとした医療用圧排鈎が開示されている。
また、体腔内で広角に拡開されるフレーム部と該フレーム間に張られたシート状の圧排面より構成する、例えば特許文献2のような、体腔内に挿入される筒体と、臓器を圧排するための前記筒体内に収容された圧排部材と、該圧排部材に取り付けられた圧排部材を体腔内に押し出すための棒材により構成し、前記圧排部材は、弾性に抗して窄った状態で前記筒体に収容されおり、体腔内への押し出しにより、拡開した状態に弾性的に復元する拡開部材と、前記拡開部材間に張り渡された柔軟材からなり、該拡開部材が拡開した状態で圧排面を形成する臓器圧排器具が開示されている。また、このタイプの器具として、本案発明者らにより提案された特許文献3のような、ゴム弾性薄膜の面状シート及び該面状シートの辺縁周囲を固着して囲繞するフレームとによりなる圧排部と、該圧排部に延設される把持部より構成し、該フレームに超弾性合金または形状記憶合金を用いることにより、圧排部が体腔内挿入時にはトロッカーあるいは小切開創より挿入可能な径に細径化可能で、かつ体腔内部では広い圧排面積を有する元の形状へ復元する機能を有したレトラクターが開示されている。
また、特許文献3の器具についても、細径のトロッカー、あるいは極小の切開創を通して体腔内部に挿入する場合は、同様な問題が生じており、特に幅方向への拡がりについて、以上のどの従来例においても満足できるものがなかった。
この作用により、体腔内挿入時は、圧排部が比較的細径の弾性ワイヤーの集合体であり、また弾性ワイヤーの弾性により更に細径にまとめて抑制することも可能であることから、複数のワイヤー群であっても外径はそれほど大きくなることがなく、一方、体腔内での拡開時は、軸方向への長さに比例して幅方向の大きさも大きく形成される構造となるため、幅方向に大きな圧排部が必要な場合も、軸方向の長さを伸ばせばよく、対応して挿入のための外径を大きくする必要がないことから、小さな挿入部から挿入可能な器具であっても、幅方向にも十分な拡開が可能となる。
また弾性ワイヤーを複数用いることにより、弾性ワイヤーは線であっても集合して全体として面のような圧排形態となることから、腸のような可動性の柔軟臓器であっても圧排部からのはみ出しは使用上に問題のない程度の最小限のものとすることができる。尚、本構成の構造上、弾性ワイヤー間の隙間を少なくするには弾性ワイヤーの数を増やせば良いが、この増加は圧排部の外径の増加にもつながるため、状況に応じバランスの取れた条件が選択される。また、隙間を完全に排除するには、後記する伸縮性を有する圧排シートあるいは、圧排袋を用いれば良いが、この場合も圧排部の外径の増加につながるため、状況に応じて適切な条件を選択すれば良い。
これらの作用効果により、本発明が課題とした、細径のトロッカーあるいは極小の切開創といった小さな挿入孔からの体腔内部へのアプローチが可能であって、かつ体腔内部で拡開する圧排部が、腸などの柔軟で大きな圧排面積を必要とする臓器であっても、十分に圧排制御を可能とする、特に幅方向に大きさを確保することのできる圧排器具を提供することができる。
一方、弾性ワイヤーを長軸な液滴状に湾曲形成し、両端部を把持部に固接し、湾曲端部を前記軸体に貫通させ保持し、複数の弾性ワイヤーと軸体との保持部を、該軸体の軸方向に適当な間隔を開け、各々の弾性ワイヤーがほぼ同一平面となるように平行に設けた構成とした器具では、前記したとおり閉じた状態で弾性ワイヤーが長軸な液滴状となっているため、細径の挿入孔からの体腔内への挿入のさいには全体を押しつぶして挿入する必要があり、前記の器具と比較すると大きな挿入孔が必要となる。しかし、軸体と弾性ワイヤーの接続部の加工は、軸体に設けた孔に弾性ワイヤーを貫通させるのみとなり、また、軸体に平行な孔を設けておけば、弾性ワイヤーを拡開したさいに自然に同一平面が形成されるなど製造が容易といった優位点がある。
更に、この傾斜の角度を自在に設定できる可変可能な機能を設けると、様々な方向への圧排が可能になり圧排操作の自由度を広げることがでる。また、把持部を自在に可変することで術者の妨げになる位置から該把持部を排除することも可能となる。
尚、本構成の器具の適用は、比較的切開創の大きな内視鏡下外科手術あるいは開腹手術であって、体腔内の組織により圧排器具が自己保持される場合に限られる。
また、この体表装着部が把持部の周面を軸方向に自在に摺動可能で、かつ所望の位置に固定可能なものであると、器具の体腔内への挿入深さを自在に設定することができ、様々な状況において一つの器具が使用でき、また、常に最適位置での適切な圧排ができることから、より確実で、使用勝手のよい器具とすることができる。
図1は、本発明の実施形態の一例の臓器圧排器具を示す全体の構成図で、拡開前の自然の状態(閉じた状態)を示しており、管状の把持部1と、該把持部1の内部に、先端を把持部1より突出させて設けた軸体2と、長軸な液滴状に湾曲形成し、両端部を前記把持部先端14に、湾曲先端部を前記軸体2突出部のワイヤー保持部24に貫通させて接続した複数の弾性ワイヤー3と、前記把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段(11、12、13、および23)とにより基本構成している。
把持部1は、管状(パイプ状)の金属あるいは樹脂より形成され、先端部14は後記する配置で複数の弾性ワイヤー3の端部を溶接あるいは接着により固接しており、側面には、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段となるスリット11、係止ミゾ12、13(係止手段は後記する)を設けて構成している。また、気腹手術に対応して、把持部1の先端内部に、気腹ガスの器具からの漏洩を防止するため、把持部1内面と軸棒21の隙間を気密的に埋める、ゴム弾性樹脂などからなるリング状の逆止弁19を設け、把持部1を先端キャップ18と2分割にして、前記逆止弁19を先端キャップ18内に収容し、把持部1の余の部分と挟持して保持している。尚、気腹手術を対応としない場合には逆止弁19は不要となる。
軸体2は、金属あるいは樹脂の棒状体よりなる軸棒21と、該軸棒21の基端部に接続され操作部となる軸体基22より構成し、軸棒21は、前記把持部1から突出したワイヤー保持部24に、後記する配置で複数の弾性ワイヤー3の湾曲端部を保持しており、また、軸体基21には前記したスリット11および係止ミゾ12,13に摺動、係止されて、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段となる係止コマ23(係止手段は後記する)を設けて構成している。
弾性ワイヤー3は、超弾性合金を中間部で2つ折りに湾曲形成し、両端部を前記把持部先端部14に固接し、一方、湾曲端部は前記軸棒21のワイヤー保持部24に保持させて、基側から先端側へ徐々に長さを長く設定した複数(本例においては5本)のワイヤーを設けて構成している。
この構成により、把持部1を固定して、軸体基部22を引っ張ると、把持部1内を軸体2が相対的に摺動し、各々の弾性ワイヤー3が弾性に抗して幅方向に拡開され、軸体基部22を離すと弾性ワイヤー3の弾性により元の自然な状態(閉じた状態)に戻る構成となっている。
一方、軸体2への取り付け部位は、軸棒21の先端側に先端部より弾性ワイヤー3の本数(本例においては、5本)に対応して、軸方向への同一直線状にほぼ等間隔に前記軸棒21を貫通するワイヤー保持孔25を設け、該ワイヤー保持孔25に基部側から先端側(25aから25e)に徐々に長さを長く設けた弾性ワイヤー3を貫通させて保持している。これにより、図1のような、把持部先端14を基点として、該軸棒21の基部側から先端側に徐々に軸方向および幅方向に長さを増し周囲面積を大きくする、ほぼ相似する複数の長軸な液滴型の圧排部を有する器具が形成される。
尚、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段は本手段に特定するものではなく、いかなる公知の手段も適用とすることができる。
圧排袋31は、柔軟で伸縮性に富んだ風船様の袋体であって、ゴム質の樹脂よりなり、端部を把持部1に固定させ、軸棒21の一部および弾性ワイヤー3により形成される圧排部全体に被せ被覆して構成されている。
圧排部を閉じた状態(A)で弾性ワイヤー3にほぼ密着させ被覆装着された圧排袋31は、把持部1と軸体2との相対的な可動により、圧排部が拡開される形状変化に伴って、該伸縮性により該圧排部(弾性ワイヤー3)の形状に沿って形状変化して、拡開時(B)には、弾性ワイヤー3にほぼ密着された状態を維持して拡開された形状を形成している。これにより圧排面を完全な連続した面とすることができる。
尚、圧排袋31はシート状でもメッシュ状でも良く、また、袋体ではなく、何らかの手段により弾性ワイヤー3の一部あるいは全部に張り渡されるシート状またはメッシュ状の圧排シートであっても良いが、圧排部の形状変化に沿って形状が変化可能な伸縮性を備えた材質よりなることが条件となる。
把持部1は、管状(パイプ状)の金属あるいは樹脂より形成され、先端部14は前記図2に示した配置で、複数の弾性ワイヤー3の端部を溶接あるいは接着により固接しており、後端部は、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段として、後記する係止用突起板4の受けとなる係止部42としている。また、前記の実施の形態と同様に、気腹手術に対応して、把持部1の先端内部に、把持部1内面と軸棒21の隙間を気密的に埋める、逆止弁19を設け、把持部1を先端キャップ18と2分割にして、前記逆止弁19を先端キャップ18内に収容し、軸体1の余の部分と挟持して保持している。
軸体2は、金属あるいは樹脂の棒状体よりなる軸棒21と、該軸棒21の基端部に接続した軸体基22より構成し、軸棒21は、把持部1から突出したワイヤー固接部26に、前記図2に示した配置で、軸棒21の軸に対称に複数の弾性ワイヤー3の一方端部を溶接あるいは接着により固接しており、また、軸棒21中途には、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段となる係止用突起板4を設けて構成している。尚、係止用突起板4については、前記図4で説明済みであるため説明を省くが、突起板受け孔41は特に設けず、把持部1の後端部の面(係止部)42により係止する構成とした。
弾性ワイヤー3は、超弾性合金を僅かに湾曲形状に形成し、一方端部を前記把持部先端部14に固接し、他方端部を前記軸棒21のワイヤー固接部26に固接しているが、基側から先端側へ徐々に長さを長く設定した複数(本例においては5本2組)の弾性ワイヤー3を軸棒21の軸に左右対称に、また、拡開したさいに、圧排部(弾性ワイヤー3群)がほぼ同一平面を形成するように、前記癖付けした湾曲方向を各々拡開方向に揃えて構成している。
この構成により、前述した実施の形態に比較して、自然状態においてより細径な圧排部とすることができる。
尚、拡開時や体腔内への挿入時の状態は前述の実施例とほぼ同様の形態となるため説明を省略する。
尚、傾斜手段の構成は、本例に限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができる。
本例の圧排部と把持部1の傾斜を可変可能とする手段は、把持部1を、なるべく圧排部に近い部分で2分し、該分割部の双方の端部を重ねて接合し、該接合部が形成する角度が自在に設定可能となるように、把持部1の軸に対称な両側面の重ね部に各々対応するネジ穴61を設けて、該ネジ穴61に嵌合されるネジ6を緩めると自在に角度が可変可能で、ネジ6を強く締めると角度が固定される構造としている。
そして、本例においては、把持部1の外径を細径にする意味で、2分した把持部1の外径を同一としており、該把持部1の接合面の肉厚を、一方側は内面を削いだ形状とし、他方側は外面を削いだ形状として、互いが接合され合致する形状としている。また、ネジ6の取り付け部も平面となるように削いで形成している。
また、把持部1傾斜部内部を可動する軸体2は、前記同様に連結ワイヤー5を用い、傾斜部でも自在に可動可能としており、また、この場合、気腹手術のための気腹を維持する逆止弁19は、可変手段と圧排部の間に設定する必要がある。
尚、角度の可変手段は、本例に限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができる。
また、第二の把持部の分離例(B)は、前記同様、把持部1をなるべく先端に近い部分で2分割し、一方端部にL型ミゾ74を、他端部に前記L型ミゾ74に係合する突起75を設けて、該ミゾに沿って突起を75摺動させ分離手段としている。尚、係止手段については、前記第一の分離例と同様となる。
一方、軸体の分離手段(C)は、前記把持部1の分離手段を形成した位置に対応して、軸体2を2分割し、一方端部に雌ネジ72を、他端部に前記雌ネジ72に係合する雄ネジ73を設けて分離手段としている。
尚、これらの分離手段は、本例に限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができる。
体表装着部8は、前記把持部1に設けられ、体表面に気密的に装着、保持可能なものであればどのような手段も用いることができるが、本例においては、柔軟性樹脂のシリコンゴムよりなる、放射状に傾斜した扁平なスカート状の吸着盤81を使用したものを例示した。該吸着盤81は、把持部1に取り付けられ、該把持部1の軸方向に摺動可能で、かつシリコンゴムの摩擦力により任意の位置に保持される。一方、体表部には吸盤により気密的に装着、保持される。
また、より確実に前記吸着盤81を把持部1と固定する手段として、該吸着盤81の外周囲に固定バンド9を設けている。該固定バンド9は、板バネ材を端部で交差し、環状としたばね材91の両端部につまみ92を設けたホースバンド等として汎用される構造として形成され、つまみ92を双方より摘むことでバネの反発力に抗してばね材91の円周内径を広げ、吸着盤81の把持部1への締め付けを緩め摺動が可能となり、該つまみ82を離すことでバネの復元力によりばね材91が吸着盤81を締め付け、吸着盤81を把持部1に確実に固定する構成となっている。この構成により、対象部位や状況に応じて体表装着部8の把持部1軸方向(体腔深度)への位置の設定がつまみ92を摘み移動させるだけの容易な操作で可能となる。
尚、この摺動、固定のための手段としては、本例の他に、例えばネジ等によるものでも良い。
Aは、ネジ82により切開創にねじ込み、腹壁にその凹凸により気密的に装着するもので、必要に応じて、つば821を設け体表への接触部としても良い。
Bは、バルーン83によるもので、下バルーン832を体腔内に挿入し、体表部の上バルーン831と腹壁を挟み込み気密的に装着する。尚、この場合は、上バルーン831をプレート部材などに代替するとコスト的に有利となる。
Cは、プレート84によるもので、プレート84の下面に粘着剤85が貼付されており、該粘着剤により体表に気密的に装着する。
Dは、前記同様プレート84によるもので、プレート84を体表に設置後、スリットを有するなどしてプレート84全周囲に貼付可能な粘着テープ86をプレート84体表面に貼付して気密的に装着する。
尚、装着手段は、これらに限定されるものではなく、プレートなどを糸により縫合する手段や全く別の手段であっても良い。
11. スリット
12.13.係止ミゾ
14. ワイヤー固接部(把持部先端)
15. ワイヤー固接孔
18. 先端キャップ
19. 逆止弁
2. 軸体
21. 軸棒
22. 軸体基
23. 係止コマ
24. ワイヤー保持部
25・ ワイヤー保持孔
26. ワイヤー固接部
3. 弾性ワイヤー
31. 圧排袋
4. 係止用突起板
41. 突起板受け孔
5. 連結ワイヤー
6. 締付けネジ
61. ネジ穴
62. 逆止弁
7. 雌ネジ(把持部用)
71. 雄ネジ(把持部用)
72. 雌ネジ(軸体用)
73. 雄ネジ(軸体用)
74. L型ミゾ
75. 突起
8. 体表装着部
81. 吸着盤
82. 体壁固定ネジ
83. バルーン
84. プレート
85. 粘着剤
86. 粘着テープ
9. 固定バンド
91. ばね材
92. つまみ
Claims (11)
- 管状の把持部と、
該把持部より突出して設け、該把持部の内腔を軸方向に可動する棒状の軸体と、
前記把持部の先端と、前記軸体の突出部に各々の両端部を固接する複数の弾性ワイヤーと、
前記把持部と前記軸体との可動を規制する係止手段とにより構成し、
前記複数の弾性ワイヤーの前記軸体との固接部は、該軸体の外周面に該軸体の軸対称に仮想する軸方向への2本の直線の同一線上双方に適当な間隔を有して形成し、該固接部に基側から先端側へ徐々に長さを長く設定した弾性ワイヤーを該軸に左右対称に固定し、前記把持部と前記軸体を相対的に可動させ、前記係止手段により可動を規制することにより、前記弾性ワイヤーが閉じた状態から、外方のほぼ同一平面状に拡開されることを特徴とした臓器圧排器具。 - 前記弾性ワイヤーは、前記把持部および軸体に固接されるさい、拡開方向に予め湾曲されて形成される請求項1の臓器圧排器具。
- 管状の把持部と、
該把持部より突出して設け、該把持部の内腔を軸方向に可動する棒状の軸体と、
長軸な液滴状に湾曲形成し、両端部を前記把持部の先端に固接し、湾曲端部を前記軸体の突出部に貫通させ保持した複数の弾性ワイヤーと、
前記把持部と前記軸体との可動を規制する係止手段とにより構成し、
前記複数の弾性ワイヤーの前記軸体との保持部は、該軸体の軸方向への同一直線上に適当な間隔で該軸体を貫通するワイヤー保持孔を設けて形成し、該保持部に基部側から先端側に徐々に長さを長く設定した弾性ワイヤーを貫通させて保持し、前記把持部と前記軸体を相対的に可動させ、前記係止手段により可動を規制することにより、前記弾性ワイヤーが長軸な液滴形状から、外方のほぼ同一平面状に拡開されることを特徴とした臓器圧排器具。 - 前記弾性ワイヤーは超弾性合金、または形状記憶合金よりなる請求項1乃至3の臓器圧排器具。
- 前記軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部の表面に、シート状またはメッシュ状に形成された伸縮性を有する圧排シートを張り渡して備えるか、あるいは、前記拡開部に、シート状またはメッシュ状に形成された伸縮性を有する圧排袋を被覆して備える請求項1乃至4の臓器圧排器具。
- 前記把持部の一部と、軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部は、把持部および軸体の軸線に対して傾斜して形成される請求項1乃至5の臓器圧排器具。
- 前記把持部の一部と、軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部は、把持部および軸体の軸線に対して傾斜の角度を可変可能な請求項1乃至6の臓器圧排器具。
- 前記把持部の一部と、軸体の一部、弾性ワイヤーおよび係止手段により形成される拡開部は、拡開を維持した状態で、前記把持部の中途部および軸体の中途部から分離される請求項1乃至5の臓器圧排器具。
- 前記把持部に、体表装着部を設け、該体表装着部により単独で体表に保持されることを特徴とした請求項1乃至7の臓器圧排器具。
- 前記体表装着部は前記把持部の周面を軸方向に自在に摺動可能で、かつ所望の位置に固定可能な請求項9の臓器圧排器具。
- 前記体表装着部は、吸着盤、ネジや凹凸、バルーン、あるいは粘着剤等を備えたプレートのいずれかの体表固定手段よりなり、切開創を含めた体表に気密固定される請求項9乃至10の臓器圧排器具。
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