JP4262624B2 - 臓器圧排器具 - Google Patents

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Description

本発明は、特に内視鏡下外科手術において、施術対象臓器を適正視野に移動したり、手術野の妨げとなる臓器を圧排したりして、手術中の視野を確保するための臓器圧排器具に関する。
近年では、多くの外科手術に侵襲性の低い内視鏡下外科手術が適用されてきている。しかし、開腹手術と比較して手術空間に制約があることや、思い通りに視野の方向が変えられないことなどにより、最適視野を確保するのが難しいといった欠点が指摘されており、これが内視鏡下外科手術を難しいものとする一因となっている。そこで、この術中視野の問題を緩和するための器具が、本発明が対象とする内視鏡下外科手術用の圧排器具(レトラクター)で、術中に手術視野を妨げる臓器を圧排したり、牽引したりして、この視野を確保することに主に用いられている。
ところで、内視鏡下外科手術を対象とした場合、この種の器具に求められる基本的な機能として、小さな切開創(20mm以下が望ましい)やトロッカー(最大12mm鉗子が挿入可能な程度の内径)から体腔内部に挿入可能な細径器具であることと、手術視野の確保の観点から、体腔内挿入後は、対象物を幅広く安全に圧排できる、ある程度大きな圧排面積を有する器具であることの相反する条件を備えていることが必要となる。
そして、上記条件を満たすべく従来からいくつかの器具が提案されている。
一つには、圧排部が扇型に拡開するものであり、例えば特許文献1のような、複数枚の扁平板を重ね合わせた構成で、可動して扇型を形成する開閉部と、ロット部と、把持部からなり、把持部を握ることで開閉部が開き扇型を形成する構造を有し、腹腔内への挿入時は開閉部を閉じて、ロット部とほぼ同じ外径とすることでトロッカーなどからの挿入が可能であり、挿入後は拡開して隙間をもたない扇型となり、臓器を圧排することができるとした医療用圧排鈎が開示されている。
また、体腔内で広角に拡開されるフレーム部と該フレーム間に張られたシート状の圧排面より構成する、例えば特許文献2のような、体腔内に挿入される筒体と、臓器を圧排するための前記筒体内に収容された圧排部材と、該圧排部材に取り付けられた圧排部材を体腔内に押し出すための棒材により構成し、前記圧排部材は、弾性に抗して窄った状態で前記筒体に収容されおり、体腔内への押し出しにより、拡開した状態に弾性的に復元する拡開部材と、前記拡開部材間に張り渡された柔軟材からなり、該拡開部材が拡開した状態で圧排面を形成する臓器圧排器具が開示されている。また、このタイプの器具として、本案発明者らにより提案された特許文献3のような、ゴム弾性薄膜の面状シート及び該面状シートの辺縁周囲を固着して囲繞するフレームとによりなる圧排部と、該圧排部に延設される把持部より構成し、該フレームに超弾性合金または形状記憶合金を用いることにより、圧排部が体腔内挿入時にはトロッカーあるいは小切開創より挿入可能な径に細径化可能で、かつ体腔内部では広い圧排面積を有する元の形状へ復元する機能を有したレトラクターが開示されている。
特開平6−154152号公報 特開2002−360582号公報 特開2003−164459号公報
しかし、従来の特許文献1のような扇型の圧排器具は、扁平のプレート複数を積重ねた構成であるため、これを、トロッカーを通じて体腔内部に挿入する場合、プレートの面積および積層枚数はトロッカーの内径により規制されるため限界があり、特に細径のトロッカーを用いるさいは、該トロッカーの内径に適合させ、プレート面積を小さく、プレート枚数を少なくする必要が生じることから、拡開したさい十分な圧排面積を確保できない可能性があり、腸のような柔軟で大面積の圧排が必要となる臓器については、このような厳しい条件の下では適応することが困難となることが懸念される。また、拡開機構を設ける必要があるなど構造が複雑で、拡開部の加工等にコストがかかるため製品が高価なものとなっているといった問題がある。
一方、広角に拡開されるフレーム部と該フレーム間に張られたシート状の圧排面より構成する特許文献2のような圧排器具では、拡開されるフレームと圧排面となるシートをコンパクトにまとめ筒体内部に収容する必要があり、前記した従来例のものと同様に、該筒体の内径との関係により圧排面となるシートの大きさは規制され、特に細径のトロッカーを用いるさいは、該トロッカーの内径に適合させてシート面積を小さくしたり、薄くしたりする必要が生じることから、拡開したさい十分な圧排面積を確保できない可能性があり、また、これを避けるために無理に大きいシート面積を確保して筒体内に強制的に収容したり、シートを薄いものとしたりすると、シートが破損する恐れがあり、また圧排のための強度不足が懸念されることから好ましいものとはならない。
また、特許文献3の器具についても、細径のトロッカー、あるいは極小の切開創を通して体腔内部に挿入する場合は、同様な問題が生じており、特に幅方向への拡がりについて、以上のどの従来例においても満足できるものがなかった。
そこで本発明の臓器圧排器具は、細径のトロッカーあるいは極小の切開創といった小さな挿入孔から体腔内部へのアプローチが可能であって、かつ体腔内部で拡開する圧排部が、腸などの柔軟で大きな圧排面積を必要とする臓器であっても、十分に圧排制御可能な、特に幅方向への大きさを確保することのできる圧排器具の提供を課題とした。
前記課題を解決するため本発明の臓器圧排器具は、管状の把持部と、該把持部より突出して設け、該把持部の管内部を軸方向に可動する棒状の軸体と、前記把持部の先端と前記軸体の突出部に各々両端部を固接する複数の弾性ワイヤーと、前記把持部と前記軸体との可動を規制する係止手段とにより構成しており、前記複数の弾性ワイヤーと前記把持部との固接部を例えば、把持部先端部に設け、一方、前記複数の弾性ワイヤーと前記軸体との固接部を、該軸体の外周面に仮想される、軸体の軸に対称な2本の直線の双方の線上に適当な間隔をあけて配置し、該固接部に基側から先端側へ徐々に長さを長く設定した弾性ワイヤーを該軸に左右対称に固定し、前記把持部と前記軸体を相対的に可動させ(把持部先端部と、軸体先端部を相対的に近接させる)、前記係止手段により可動を規制することにより、前記弾性ワイヤーが閉じた状態から、外方幅方向にほぼ同一平面状に拡開されるように構成した。
前記した複数の弾性ワイヤーと前記軸体との固接部は、軸体のほぼ先端部および複数の中途部に、該軸体を軸として左右両方向対称な位置に設定して、拡開したさいに幅方向に左右対称となるほぼ同一平面形状を形成するように配置すると良く、また、前記弾性ワイヤーは、前記把持部および軸体に固接されるさい、拡開方向に予め湾曲した癖付けを施し、同一方向に拡開されるように予め設定しておくと、拡開したさいに全体を同一平面状とすることができ好ましい。
また、別の構成として、管状の把持部と、該把持部より突出して設け、該把持部の内部を軸方向に可動する棒状の軸体と、長軸な液滴状に湾曲形成し、両端部を前記把持部の先端に固接し、湾曲端部を前記軸体の突出部に貫通させ保持した複数の弾性ワイヤーと、前記把持部と前記軸体との可動を規制する係止手段とにより構成しており、前記複数の弾性ワイヤーの前記軸体との保持部は、該軸体の軸方向への同一直線上に適当な間隔で該軸体を貫通するワイヤー保持孔を設けて形成し、該保持部に基部側から先端側に徐々に長さを長く設定した弾性ワイヤーを貫通させて保持し、前記把持部と前記軸体を相対的に可動させ(把持部先端部と、軸体先端部を相対的に近接させる)、前記係止手段により可動を規制することにより、前記弾性ワイヤーが長軸な液滴形状から、外方幅方向にほぼ同一平面状に拡開されるように構成した。
前記弾性ワイヤーは、弾性、形状保持性に優れる、超弾性合金、または形状記憶合金より構成することが特に好ましい。
また、前記軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部には、その表面の一部あるいは全体に亘り、シート状またはメッシュ状に形成した伸縮性を有する圧排シートを張り渡して備えるか、あるいは、表面全体を被うように、シート状またはメッシュ状に形成した伸縮性を有する圧排袋を被覆して備えると一層好ましい。
また、前記把持部の弾性ワイヤーを接続した部分を含む一部と、軸体の拡開時に把持部より突出した部分を含む一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部(圧排面)は、前記拡開部に含まれない把持部および軸体の軸線に対して傾斜して形成されても良く、また、この傾斜の角度を自在に設定できる可変可能な機能を設けても良い。
更に、前記した把持部の一部および係止手段により形成される拡開された圧排部は、該拡開を維持した状態で、前記把持部の中途部および軸体の中途部から分離される機能を設けても良い。
加えて、前記把持部に体表装着部として、吸着盤、ネジや凹凸、バルーン、あるいは粘着剤等を備えたプレートのいずれかの体表固定手段を設け、該体表装着部により単独で切開創を含めた体表に気密固定されるような構成としても良く、また、この体表装着部は前記把持部の周面を軸方向に自在に摺動可能で、かつ所望の位置に固定可能なものであっても良い。
本構成の圧排器具によれば、弾性ワイヤーが把持部と軸体双方に固接あるいは保持されており、また、該弾性ワイヤーと軸体との接続部が、該軸体の軸方向に適当に間隔をあけて複数を設けられている、すなわち、前記軸体の基部より先端部に徐々に距離(長さ)を長くした弾性ワイヤーが接続された形態となっていることから、この器具の把持部と軸体を相対的に可動させ、該把持部の先端部と軸体の先端部を近づけることで、弾性ワイヤーが弾性に抗して外方に湾曲し拡開され、この状態で係止手段により固定して圧排部の拡開を維持すると、該圧排部は、棒状の軸体を中心に両幅方向に拡開された、把持部先端を基点として、該軸体の基部側から先端側に徐々に軸方向および幅方向に長さを増して周囲面積を大きくする、ほぼ相似する複数の扁平な液滴型あるいは変形楕円形型を形成する弾性ワイヤーの連続体として形成される。
この作用により、体腔内挿入時は、圧排部が比較的細径の弾性ワイヤーの集合体であり、また弾性ワイヤーの弾性により更に細径にまとめて抑制することも可能であることから、複数のワイヤー群であっても外径はそれほど大きくなることがなく、一方、体腔内での拡開時は、軸方向への長さに比例して幅方向の大きさも大きく形成される構造となるため、幅方向に大きな圧排部が必要な場合も、軸方向の長さを伸ばせばよく、対応して挿入のための外径を大きくする必要がないことから、小さな挿入部から挿入可能な器具であっても、幅方向にも十分な拡開が可能となる。
また弾性ワイヤーを複数用いることにより、弾性ワイヤーは線であっても集合して全体として面のような圧排形態となることから、腸のような可動性の柔軟臓器であっても圧排部からのはみ出しは使用上に問題のない程度の最小限のものとすることができる。尚、本構成の構造上、弾性ワイヤー間の隙間を少なくするには弾性ワイヤーの数を増やせば良いが、この増加は圧排部の外径の増加にもつながるため、状況に応じバランスの取れた条件が選択される。また、隙間を完全に排除するには、後記する伸縮性を有する圧排シートあるいは、圧排袋を用いれば良いが、この場合も圧排部の外径の増加につながるため、状況に応じて適切な条件を選択すれば良い。
これらの作用効果により、本発明が課題とした、細径のトロッカーあるいは極小の切開創といった小さな挿入孔からの体腔内部へのアプローチが可能であって、かつ体腔内部で拡開する圧排部が、腸などの柔軟で大きな圧排面積を必要とする臓器であっても、十分に圧排制御を可能とする、特に幅方向に大きさを確保することのできる圧排器具を提供することができる。
ここで、本解決手段に示した2つの主な構成を比較すると、先ず、弾性ワイヤーの一方端部を把持部に他端部を軸体に固接し、複数の弾性ワイヤーと軸体との固接部を、該軸体の外周面に仮想される、軸体の軸に対称な2本の軸方向への直線の双方の線上に適当な間隔をあけて設けた構成とした器具では、後記する後者のものと比較すると、閉じた状態において膨らみが少なく、挿入時の圧排部の外径をより細く形成することが可能となる。反面、細径の軸体に該弾性ワイヤーを固接する加工など製造が面倒となり、また両幅方向に拡開する弾性ワイヤーが各々独立しているため、このままでは、拡開したさいの拡開方向が不安定となり全体として同一平面を形成しないことが予想されることから、前述したように、弾性ワイヤーを把持部および軸体に固接するさい、該弾性ワイヤーに、拡開方向に予め湾曲した癖付けを施すなどして、全ての弾性ワイヤーが同一方向に拡開する機能を備えておく必要がある。しかし、これらのマイナス点がクリアされれば、本発明の課題に答えられる理想的な器具とすることができる。
一方、弾性ワイヤーを長軸な液滴状に湾曲形成し、両端部を把持部に固接し、湾曲端部を前記軸体に貫通させ保持し、複数の弾性ワイヤーと軸体との保持部を、該軸体の軸方向に適当な間隔を開け、各々の弾性ワイヤーがほぼ同一平面となるように平行に設けた構成とした器具では、前記したとおり閉じた状態で弾性ワイヤーが長軸な液滴状となっているため、細径の挿入孔からの体腔内への挿入のさいには全体を押しつぶして挿入する必要があり、前記の器具と比較すると大きな挿入孔が必要となる。しかし、軸体と弾性ワイヤーの接続部の加工は、軸体に設けた孔に弾性ワイヤーを貫通させるのみとなり、また、軸体に平行な孔を設けておけば、弾性ワイヤーを拡開したさいに自然に同一平面が形成されるなど製造が容易といった優位点がある。
また、前記弾性ワイヤーとして、超弾性合金や形状記憶合金を使用すると、弾性や形状記憶効果に加え剛性が高いため、前記した形状変化が可能であると同時に、線状のワイヤーであっても、軸体と共に確実に臓器の圧排が可能であり、前述した拡開、圧排機能を高いレベルで獲得することができる。
また、前記軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部に、伸縮性を有する圧排シートを張り渡すか、あるいは、伸縮性を有する圧排袋を被覆して備えると、弾性ワイヤー間の隙間が無くなり、腸のような可動性の柔軟臓器であっても、圧排中に臓器が弾性ワイヤーの隙間に入り込むことを防止することができ、このような場合、万一に想定される、ワイヤー間に臓器を挟みこみ、血流を阻害することで、組織を壊死させるような可能性を完全に排除することができる。また、前記した通り、この場合は圧排部の外径が大きくなることは避けられないが、伸縮性を有する材料を選択することにより、この外径の増加を少なく抑えることができる。
また、圧排面を把持部および軸体の軸線に対して傾斜して形成すると、直線的な器具による水平的な圧排と比較して、圧排方向(圧排のための押付けの力の方向(軸線方向))と圧排対象臓器との角度がより垂直に近くなるため、強く確実に圧排することが可能で、また圧排する場所によっては、圧排面を有効に使用することができる場合や視野が広くとれる場合も期待できる。
更に、この傾斜の角度を自在に設定できる可変可能な機能を設けると、様々な方向への圧排が可能になり圧排操作の自由度を広げることがでる。また、把持部を自在に可変することで術者の妨げになる位置から該把持部を排除することも可能となる。
更に、拡開された圧排部を、該拡開を維持した状態で、前記把持部の中途部および軸体の中途部から分離される機能を設けると、弾性ワイヤーの弾性を利用した自己保持力により、この圧排部を体腔内部の組織を利用して適当位置に固定しておくことができるため、体腔内に一度セットしてしまうと、圧排部のみを分離して手術中体腔内にそのまま放置しておくことが可能となり、手術中術者の邪魔になる把持部や、それを把持する手が切開創周辺から排除されることにより、切開創部分の視野やスペースが開放される。
尚、本構成の器具の適用は、比較的切開創の大きな内視鏡下外科手術あるいは開腹手術であって、体腔内の組織により圧排器具が自己保持される場合に限られる。
加えて、前記把持部に体表装着部として、吸着盤などの体表固定手段を設け、該体表装着部により単独で切開創を含めた体表に気密固定されるような構成とすると、術中を通して圧排器具が単独で体表面に気密的に保持されるため、気腹ガスの漏洩防止、及び体表固定のための他の器具が不要となり、従来、共用していた比較的高価な器具であるトロッカーなどとの併用の必要がなくなる。また、該トロッカーとの併用が不要となることにより、圧排器具の体腔内への挿入は、常に、小さな切開創からとなり、トロッカーを通じて挿入する場合と比較して、挿入通路(切開創)が大きくて柔軟であることから、挿入が容易となる。
また、この体表装着部が把持部の周面を軸方向に自在に摺動可能で、かつ所望の位置に固定可能なものであると、器具の体腔内への挿入深さを自在に設定することができ、様々な状況において一つの器具が使用でき、また、常に最適位置での適切な圧排ができることから、より確実で、使用勝手のよい器具とすることができる。
以下、本発明の実施の形態につき図面を参考にしながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例の臓器圧排器具を示す全体の構成図で、拡開前の自然の状態(閉じた状態)を示しており、管状の把持部1と、該把持部1の内部に、先端を把持部1より突出させて設けた軸体2と、長軸な液滴状に湾曲形成し、両端部を前記把持部先端14に、湾曲先端部を前記軸体2突出部のワイヤー保持部24に貫通させて接続した複数の弾性ワイヤー3と、前記把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段(11、12、13、および23)とにより基本構成している。
把持部1は、管状(パイプ状)の金属あるいは樹脂より形成され、先端部14は後記する配置で複数の弾性ワイヤー3の端部を溶接あるいは接着により固接しており、側面には、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段となるスリット11、係止ミゾ12、13(係止手段は後記する)を設けて構成している。また、気腹手術に対応して、把持部1の先端内部に、気腹ガスの器具からの漏洩を防止するため、把持部1内面と軸棒21の隙間を気密的に埋める、ゴム弾性樹脂などからなるリング状の逆止弁19を設け、把持部1を先端キャップ18と2分割にして、前記逆止弁19を先端キャップ18内に収容し、把持部1の余の部分と挟持して保持している。尚、気腹手術を対応としない場合には逆止弁19は不要となる。
軸体2は、金属あるいは樹脂の棒状体よりなる軸棒21と、該軸棒21の基端部に接続され操作部となる軸体基22より構成し、軸棒21は、前記把持部1から突出したワイヤー保持部24に、後記する配置で複数の弾性ワイヤー3の湾曲端部を保持しており、また、軸体基21には前記したスリット11および係止ミゾ12,13に摺動、係止されて、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段となる係止コマ23(係止手段は後記する)を設けて構成している。
弾性ワイヤー3は、超弾性合金を中間部で2つ折りに湾曲形成し、両端部を前記把持部先端部14に固接し、一方、湾曲端部は前記軸棒21のワイヤー保持部24に保持させて、基側から先端側へ徐々に長さを長く設定した複数(本例においては5本)のワイヤーを設けて構成している。
この構成により、把持部1を固定して、軸体基部22を引っ張ると、把持部1内を軸体2が相対的に摺動し、各々の弾性ワイヤー3が弾性に抗して幅方向に拡開され、軸体基部22を離すと弾性ワイヤー3の弾性により元の自然な状態(閉じた状態)に戻る構成となっている。
図2は、前記形態の弾性ワイヤーの把持部(A)および軸体(B)への取付け部位の配置を示す図で、把持部1への取り付け部位は、把持部先端14の同一円周上の直径を示す線c−cに対称な位置に弾性ワイヤー3の本数(本例においては、5本)に対応してワイヤー固接孔15を設け、該ワイヤー固接孔15に各々の弾性ワイヤー3の両端部を線対称となる位置(図の15aと15a、中略、15eと15e)に挿入して溶接あるいは接着により固接している。
一方、軸体2への取り付け部位は、軸棒21の先端側に先端部より弾性ワイヤー3の本数(本例においては、5本)に対応して、軸方向への同一直線状にほぼ等間隔に前記軸棒21を貫通するワイヤー保持孔25を設け、該ワイヤー保持孔25に基部側から先端側(25aから25e)に徐々に長さを長く設けた弾性ワイヤー3を貫通させて保持している。これにより、図1のような、把持部先端14を基点として、該軸棒21の基部側から先端側に徐々に軸方向および幅方向に長さを増し周囲面積を大きくする、ほぼ相似する複数の長軸な液滴型の圧排部を有する器具が形成される。
図3は、前記形態の把持部と軸体との可動を規制する係止手段を示す説明図で、Aが圧排部を閉じた通常状態の係止部、Bが圧排部を拡開させた状態の係止部を示している。本係止手段は、前記した通り、把持部1に設けるスリット11、係止ミゾ12、13及び軸体基22に設ける係止コマ23により基本構成され、使用前の通常時は、前記係止コマ23が、把持部1の先端側の係止ミゾ12に保持されており、この状態から圧排部を拡開するには、把持部1を把持固定し、軸体2を僅かに回動して、係止コマ23を係止ミゾ12より外し、その状態で、軸体2を引っ張り、係止コマ23をスリット11に沿って摺動し、続いて僅かに回動させて基端側の係止ミゾ13に係合させると、把持部1と軸体2との可動が規制され前記弾性ワイヤー3が拡開した状態に維持しておくことができる。尚、スリット11と係止ミゾ12、13の設置位置を、係止コマ23が係止ミゾ12、13の位置にあるときに、弾性ワイヤー3が自然な平面状態をとり、スリット11可動中は、弾性ワイヤー3が僅かに捩れた状態となるように設定すると、使用中に弾性ワイヤー3の復元力により係止が外れる心配がない。また、係止をより確実にするため、係止ミゾ13の係止口17は径を小さめに形成し、係止コマ23を挿入するさいは、該係止口17を僅かに押し広げて入れるような構成としている。更に、スリット11の後端部には、製造時に軸体基22の係止コマ23が、把持部1に挿着可能なようにスリット11に連通する切り込み16を設けている。
尚、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段は本手段に特定するものではなく、いかなる公知の手段も適用とすることができる。
また、別の拡開を維持するための係止手段としては例えば、図4に示すようなものが考えられる。尚、図4の例は、把持部の先端部に係止手段を設けた例で、弾性ワイヤーを省略してものを示し、Aは把持部1と軸体2が係止されていない拡開前の係止部、Bは係止され圧排部が拡開されたさいの係止部を示している。本例の係止手段は、軸体2の軸対象の位置に弾性板により、先端側に突起した係止部を有し、後端側が傾斜した形状に形成される係止用突起板4を溶接等で設け、一方、把持部1には、前記係止用突起板4に対応する位置に突起板受け孔41を設け、該把持部1を把持固定して軸体2を引っ張ると、係止突起板4は弾性および挿入側の傾斜形状により、把持部内部を挿通可能な径に潰れて挿入され、突起板受け孔41で復元力により元の形状に戻り、該突起板受け孔41の縁に係止突起板4の突起した係止部が係合して拡開を保持することができる。また、拡開を解除するさいは、係止突起板4の突起部を両側より押すことにより、弾性ワイヤー3の弾性復元力により自然に元の状態に戻る。
図5は、前記形態の臓器圧排器具の圧排部が拡開された状態を示す全体構成図を示し、前記した通り把持部1を把持固定し、軸体2を引っ張り、係止コマ23を係止ミゾ13に係合すると、弾性ワイヤー3が弾性に抗して外方幅方向に湾曲し拡開された維持される。本状態の圧排部は、軸棒21を中心軸に両側に左右対称でほぼ同一平面上に拡開された、把持部先端を基点として、基部側から先端側に徐々に軸方向および幅方向に長さを増して周囲面積を大きくする、ほぼ相似する複数(本例においては、5つ)の扁平な液滴型を形成する弾性ワイヤーの連続体として形成される。本構成によると、前記した通り、幅方向に大きな圧排部を形成したい場合でも、軸方向に弾性ワイヤー3を伸ばせばよいため、器具の細径を維持したまま幅方向に大きな圧排部が必要な場合に最適な器具となっている。
図6は、前記実施の形態の器具を体腔内に挿入するさいの、圧排部を潰した状態を示す仮想図を示している。本形態の器具を小切開創、あるいはトロッカーの内腔を通じて体腔内に挿入するには、自然状態で長軸な液滴状を形成している弾性ワイヤー3を前記体腔挿入孔より挿入可能な径にする必要がある。そのため、前記軸体基22に設ける係止コマ23を先端側の係止ミゾ12から僅かに回動してスリット11上に外した状態で、弾性ワイヤー3群を握り潰すと、該弾性ワイヤー3の弾性により幅方向への膨らみが軸方向の長さに変換されるため圧排部(弾性ワイヤー3群)が細径化される。尚、図では圧排部全体が細径化した形状に表されているが、使用上は、体腔挿入通路に接する部分のみが細径かしていれば足り、特定の形状をなしているものではない。
図7は、前記実施の形態の器具の圧排部に、該圧排部を被覆する伸縮性の圧排袋を装着した器具の圧排部で、Aが閉じた状態、Bが拡開時を示している。尚、図においては、圧排袋内部の構成を点線で示している。
圧排袋31は、柔軟で伸縮性に富んだ風船様の袋体であって、ゴム質の樹脂よりなり、端部を把持部1に固定させ、軸棒21の一部および弾性ワイヤー3により形成される圧排部全体に被せ被覆して構成されている。
圧排部を閉じた状態(A)で弾性ワイヤー3にほぼ密着させ被覆装着された圧排袋31は、把持部1と軸体2との相対的な可動により、圧排部が拡開される形状変化に伴って、該伸縮性により該圧排部(弾性ワイヤー3)の形状に沿って形状変化して、拡開時(B)には、弾性ワイヤー3にほぼ密着された状態を維持して拡開された形状を形成している。これにより圧排面を完全な連続した面とすることができる。
尚、圧排袋31はシート状でもメッシュ状でも良く、また、袋体ではなく、何らかの手段により弾性ワイヤー3の一部あるいは全部に張り渡されるシート状またはメッシュ状の圧排シートであっても良いが、圧排部の形状変化に沿って形状が変化可能な伸縮性を備えた材質よりなることが条件となる。
図8は、本発明の別の実施の形態を示す全体構成図で、拡開前の自然の状態(閉じた状態)を示しており、本形態の圧排器具は、管状の把持部1と、該把持部1の内部に、先端を把持部1より突出させて設けた軸体2と、外方(拡開方向)に僅かに湾曲して形成し、一方の端部を前記把持部先端14に、他端部を軸体2突出部のワイヤー固接部26に固接した複数の弾性ワイヤー3と、前記把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段4により基本構成している。
把持部1は、管状(パイプ状)の金属あるいは樹脂より形成され、先端部14は前記図2に示した配置で、複数の弾性ワイヤー3の端部を溶接あるいは接着により固接しており、後端部は、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段として、後記する係止用突起板4の受けとなる係止部42としている。また、前記の実施の形態と同様に、気腹手術に対応して、把持部1の先端内部に、把持部1内面と軸棒21の隙間を気密的に埋める、逆止弁19を設け、把持部1を先端キャップ18と2分割にして、前記逆止弁19を先端キャップ18内に収容し、軸体1の余の部分と挟持して保持している。
軸体2は、金属あるいは樹脂の棒状体よりなる軸棒21と、該軸棒21の基端部に接続した軸体基22より構成し、軸棒21は、把持部1から突出したワイヤー固接部26に、前記図2に示した配置で、軸棒21の軸に対称に複数の弾性ワイヤー3の一方端部を溶接あるいは接着により固接しており、また、軸棒21中途には、把持部1と前記軸体2との可動を規制する係止手段となる係止用突起板4を設けて構成している。尚、係止用突起板4については、前記図4で説明済みであるため説明を省くが、突起板受け孔41は特に設けず、把持部1の後端部の面(係止部)42により係止する構成とした。
弾性ワイヤー3は、超弾性合金を僅かに湾曲形状に形成し、一方端部を前記把持部先端部14に固接し、他方端部を前記軸棒21のワイヤー固接部26に固接しているが、基側から先端側へ徐々に長さを長く設定した複数(本例においては5本2組)の弾性ワイヤー3を軸棒21の軸に左右対称に、また、拡開したさいに、圧排部(弾性ワイヤー3群)がほぼ同一平面を形成するように、前記癖付けした湾曲方向を各々拡開方向に揃えて構成している。
この構成により、前述した実施の形態に比較して、自然状態においてより細径な圧排部とすることができる。
尚、拡開時や体腔内への挿入時の状態は前述の実施例とほぼ同様の形態となるため説明を省略する。
図9は、本発明の圧排部が把持部の軸線に対して傾斜している器具の要部を示す説明図で、把持部1の先端部が所望角度に傾斜されており、該把持部1の内面を摺動する軸体2は、傾斜部の曲がり内部を可動可能なように2分割され、中間となる、傾斜部を可動する部位を剛性および弾性を有する超弾性合金等よりなる連結ワイヤー5で繋いで構成している。
尚、傾斜手段の構成は、本例に限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができる。
図10は、本発明の圧排部と把持部との傾斜を可変可能な器具の要部を示す説明図で、Aが側面の外観図、Bが上面からの断面図を示している。尚、断面図のネジ部は理解しやすいように断面として表していない。
本例の圧排部と把持部1の傾斜を可変可能とする手段は、把持部1を、なるべく圧排部に近い部分で2分し、該分割部の双方の端部を重ねて接合し、該接合部が形成する角度が自在に設定可能となるように、把持部1の軸に対称な両側面の重ね部に各々対応するネジ穴61を設けて、該ネジ穴61に嵌合されるネジ6を緩めると自在に角度が可変可能で、ネジ6を強く締めると角度が固定される構造としている。
そして、本例においては、把持部1の外径を細径にする意味で、2分した把持部1の外径を同一としており、該把持部1の接合面の肉厚を、一方側は内面を削いだ形状とし、他方側は外面を削いだ形状として、互いが接合され合致する形状としている。また、ネジ6の取り付け部も平面となるように削いで形成している。
また、把持部1傾斜部内部を可動する軸体2は、前記同様に連結ワイヤー5を用い、傾斜部でも自在に可動可能としており、また、この場合、気腹手術のための気腹を維持する逆止弁19は、可変手段と圧排部の間に設定する必要がある。
尚、角度の可変手段は、本例に限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができる。
図11は、本発明の圧排部を把持部および軸体の余の部分から分離可能な器具の要部を示す説明図で、AおよびBが把持部の分離例を示し、Cが軸体の分離例を示している。第一の把持部の分離例(A)は、把持部1を、なるべく先端に近い部分で2分割し、一方端部に雌ネジ7を、他端部に前記雌ネジ7に係合する雄ネジ71を設けて分離手段としている。尚、この場合は、把持部1の先端部に該把持部1と軸体2との可動を規制する係止手段を設ける必要があり、例えば、前記図4で示した係止用突起板4および突起板受け孔41による係止手段が採用される。
また、第二の把持部の分離例(B)は、前記同様、把持部1をなるべく先端に近い部分で2分割し、一方端部にL型ミゾ74を、他端部に前記L型ミゾ74に係合する突起75を設けて、該ミゾに沿って突起を75摺動させ分離手段としている。尚、係止手段については、前記第一の分離例と同様となる。
一方、軸体の分離手段(C)は、前記把持部1の分離手段を形成した位置に対応して、軸体2を2分割し、一方端部に雌ネジ72を、他端部に前記雌ネジ72に係合する雄ネジ73を設けて分離手段としている。
尚、これらの分離手段は、本例に限定されるものではなく、公知のあらゆる手段を用いることができる。
図12は、本発明の把持部に設ける体表装着部の一例を示す構成図で、体表装着部を把持部の軸方向に摺動可能、かつ所望位置で固定可能とするための手段の一例として、固定バンドを取り付けたものを示し、図13はこの固定バンドの構造で、Aが上面図、Bが正面図を示している。
体表装着部8は、前記把持部1に設けられ、体表面に気密的に装着、保持可能なものであればどのような手段も用いることができるが、本例においては、柔軟性樹脂のシリコンゴムよりなる、放射状に傾斜した扁平なスカート状の吸着盤81を使用したものを例示した。該吸着盤81は、把持部1に取り付けられ、該把持部1の軸方向に摺動可能で、かつシリコンゴムの摩擦力により任意の位置に保持される。一方、体表部には吸盤により気密的に装着、保持される。
また、より確実に前記吸着盤81を把持部1と固定する手段として、該吸着盤81の外周囲に固定バンド9を設けている。該固定バンド9は、板バネ材を端部で交差し、環状としたばね材91の両端部につまみ92を設けたホースバンド等として汎用される構造として形成され、つまみ92を双方より摘むことでバネの反発力に抗してばね材91の円周内径を広げ、吸着盤81の把持部1への締め付けを緩め摺動が可能となり、該つまみ82を離すことでバネの復元力によりばね材91が吸着盤81を締め付け、吸着盤81を把持部1に確実に固定する構成となっている。この構成により、対象部位や状況に応じて体表装着部8の把持部1軸方向(体腔深度)への位置の設定がつまみ92を摘み移動させるだけの容易な操作で可能となる。
尚、この摺動、固定のための手段としては、本例の他に、例えばネジ等によるものでも良い。
図14は、前記実施の形態とは別の体表装着部の例を示している。
Aは、ネジ82により切開創にねじ込み、腹壁にその凹凸により気密的に装着するもので、必要に応じて、つば821を設け体表への接触部としても良い。
Bは、バルーン83によるもので、下バルーン832を体腔内に挿入し、体表部の上バルーン831と腹壁を挟み込み気密的に装着する。尚、この場合は、上バルーン831をプレート部材などに代替するとコスト的に有利となる。
Cは、プレート84によるもので、プレート84の下面に粘着剤85が貼付されており、該粘着剤により体表に気密的に装着する。
Dは、前記同様プレート84によるもので、プレート84を体表に設置後、スリットを有するなどしてプレート84全周囲に貼付可能な粘着テープ86をプレート84体表面に貼付して気密的に装着する。
尚、装着手段は、これらに限定されるものではなく、プレートなどを糸により縫合する手段や全く別の手段であっても良い。
本発明の実施の形態を示す全体構成図(閉じた状態) 前記実施の形態の弾性ワイヤーの取付け部位を示す配置説明図 前記実施の形態の拡開状態を保持する係止手段を示す説明図 本発明の別の形態の拡開状態を保持する係止手段を示す説明図 前記実施の形態の圧排部を拡開した状態を示す全体構成図 前記実施の形態の体腔内挿入のさい、圧排部を潰した状態を示す仮想構成図 本発明の圧排部に伸縮性の圧排袋を被覆した器具の圧排部を示す構成図 本発明の別の実施の形態を示す全体構成図(閉じた状態) 本発明の圧排部が傾斜した器具の一例の要部を示す説明図 本発明の圧排部の傾斜を可変可能な器具の一例の要部を示す説明図 本発明の圧排部を分離可能な器具の例の要部を示す説明図 本発明の把持部に設ける体表装着部の一例を示す構成図 前記体表装着部の摺動、固定のための一例の固定バンドを示す構成図 体表装着部の他の例を示す模式図
符号の説明
1. 把持部
11. スリット
12.13.係止ミゾ
14. ワイヤー固接部(把持部先端)
15. ワイヤー固接孔
18. 先端キャップ
19. 逆止弁
2. 軸体
21. 軸棒
22. 軸体基
23. 係止コマ
24. ワイヤー保持部
25・ ワイヤー保持孔
26. ワイヤー固接部
3. 弾性ワイヤー
31. 圧排袋
4. 係止用突起板
41. 突起板受け孔
5. 連結ワイヤー
6. 締付けネジ
61. ネジ穴
62. 逆止弁
7. 雌ネジ(把持部用)
71. 雄ネジ(把持部用)
72. 雌ネジ(軸体用)
73. 雄ネジ(軸体用)
74. L型ミゾ
75. 突起
8. 体表装着部
81. 吸着盤
82. 体壁固定ネジ
83. バルーン
84. プレート
85. 粘着剤
86. 粘着テープ
9. 固定バンド
91. ばね材
92. つまみ

Claims (11)

  1. 管状の把持部と、
    該把持部より突出して設け、該把持部の内腔を軸方向に可動する棒状の軸体と、
    前記把持部の先端と、前記軸体の突出部に各々の両端部を固接する複数の弾性ワイヤーと、
    前記把持部と前記軸体との可動を規制する係止手段とにより構成し、
    前記複数の弾性ワイヤーの前記軸体との固接部は、該軸体の外周面に該軸体の軸対称に仮想する軸方向への2本の直線の同一線上双方に適当な間隔を有して形成し、該固接部に基側から先端側へ徐々に長さを長く設定した弾性ワイヤーを該軸に左右対称に固定し、前記把持部と前記軸体を相対的に可動させ、前記係止手段により可動を規制することにより、前記弾性ワイヤーが閉じた状態から、外方のほぼ同一平面状に拡開されることを特徴とした臓器圧排器具。
  2. 前記弾性ワイヤーは、前記把持部および軸体に固接されるさい、拡開方向に予め湾曲されて形成される請求項1の臓器圧排器具。
  3. 管状の把持部と、
    該把持部より突出して設け、該把持部の内腔を軸方向に可動する棒状の軸体と、
    長軸な液滴状に湾曲形成し、両端部を前記把持部の先端に固接し、湾曲端部を前記軸体の突出部に貫通させ保持した複数の弾性ワイヤーと、
    前記把持部と前記軸体との可動を規制する係止手段とにより構成し、
    前記複数の弾性ワイヤーの前記軸体との保持部は、該軸体の軸方向への同一直線上に適当な間隔で該軸体を貫通するワイヤー保持孔を設けて形成し、該保持部に基部側から先端側に徐々に長さを長く設定した弾性ワイヤーを貫通させて保持し、前記把持部と前記軸体を相対的に可動させ、前記係止手段により可動を規制することにより、前記弾性ワイヤーが長軸な液滴形状から、外方のほぼ同一平面状に拡開されることを特徴とした臓器圧排器具。
  4. 前記弾性ワイヤーは超弾性合金、または形状記憶合金よりなる請求項1乃至の臓器圧排器具。
  5. 前記軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部の表面に、シート状またはメッシュ状に形成された伸縮性を有する圧排シートを張り渡して備えるか、あるいは、前記拡開部に、シート状またはメッシュ状に形成された伸縮性を有する圧排袋を被覆して備える請求項1乃至の臓器圧排器具。
  6. 前記把持部の一部と、軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部は、把持部および軸体の軸線に対して傾斜して形成される請求項1乃至の臓器圧排器具。
  7. 前記把持部の一部と、軸体の一部および弾性ワイヤーにより形成される拡開部は、把持部および軸体の軸線に対して傾斜の角度を可変可能な請求項1乃至の臓器圧排器具。
  8. 前記把持部の一部と、軸体の一部、弾性ワイヤーおよび係止手段により形成される拡開部は、拡開を維持した状態で、前記把持部の中途部および軸体の中途部から分離される請求項1乃至の臓器圧排器具。
  9. 前記把持部に、体表装着部を設け、該体表装着部により単独で体表に保持されることを特徴とした請求項1乃至の臓器圧排器具。
  10. 前記体表装着部は前記把持部の周面を軸方向に自在に摺動可能で、かつ所望の位置に固定可能な請求項の臓器圧排器具。
  11. 前記体表装着部は、吸着盤、ネジや凹凸、バルーン、あるいは粘着剤等を備えたプレートのいずれかの体表固定手段よりなり、切開創を含めた体表に気密固定される請求項乃至10の臓器圧排器具。
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