近年、低侵襲外科手術の方法として内視鏡外科手術が広く実施されている。内視鏡下手術は内視鏡から見た映像を画面で見ながら遠隔操作で手術を行う方法である。
実際に手術を行う術者は、内視鏡で映し出された映像を画面で見ながら複数の鉗子等の処置具を操作して遠隔操作で手術を行うため、開腹手術と違い術者が実際に臓器及び患部を手で直接触ることはできない。このため、処置は慎重に行う必要があり、特に大腸や胃の手術の手術時間は長時間におよび、術者のストレスがかなり大きくなる。このため、最終的に大きな標本を摘出することが想定される場合、小切開をおくことを前提として、気腹下での処置と小切開口から臓器を取りだしての処置とを簡単に移行できるように小切開口を簡単に気密に塞ぐことができる装置が開示されている(例えば特許文献1)。
これは、2枚の円盤に糸を通した簡単な装置で、気密板と呼ばれる可とう性のある材料で作られた円盤を腹腔内に挿入し、固定板と呼ばれる剛性があり、糸固定用のスリットの入った円盤との間に腹壁を挟み込んで糸固定を行うことで小切開口が塞がり再気腹を行うことができる。この装置を使用することにより、気腹下で摘出臓器周囲の剥離などの処置を十分に行った後、臓器を取出す場所に3〜5cm程度の小切開をおき、その小切開口から対象臓器を体外に取りだして病変部の切離、摘出、縫合を術者の目で直接見て、術者の手で直接手術を行う。その後臓器を腹腔内へ戻し、再度気腹下の状態にする必要がある場合、従来、糸で一時的に縫合したり、複数の鉗子で小切開部を塞いだりしていたが、糸で縫合すると再度体外の処置を行いたい場合に糸を取り去る必要があり、鉗子で塞ぐ場合、組織の損傷の危険が生じていた。そこで、この装置を使用することで前述のとおり簡単に気腹下の状態に移ることができ、また、更に小切開口を通しての処置を行いたい場合は気腹を落として本装置を取り外すことで容易に移行できる。しかし、「再気腹しているときはその部位からトロッカーを通した鉗子操作が行えない」「癌部位の摘出の際、腹壁の切開創が保護されていないため、癌細胞の創感染が懸念される」等の問題点があった。
また、使用する鉗子類の種類を選ばず腹腔内から気腹ガスがリークするのを防止することが可能な弁及び弁付トラカール外套管が開示されている(例えば特許文献2)。この弁は2枚のリングの間に柔軟な筒状部材を付設し、2枚のリングを逆方向に捻ることで外径の異なった鉗子や術者の腕を挿入し、体内の処置を行うことが可能であり、この弁を開くことで臓器を体外に取りだして処置を行うことも可能である。しかし、この方式では鉗子等が弁によって絞られながら固定されるため、前進後退がしにくい欠点がある。また、腕を挿入した場合は特に前後運動によって腕の太さが変わるため場合により気密が保持しにくくなり、弁の絞りを調節する必要がある。
更に、柔軟で内面と開口端があるエンクロージャーで、開口端には腹壁固定及び気密を守るための展開手段を持ち、エンクロージャーの内部にアクセスするための少なくとも一つのアクセスオープニングがあり、腹腔内あるいはエンクロージャーの内部で外科手術を行うことが可能である装置が開示されている(例えば特許文献3)。この装置は従来、腹腔鏡、胸腔鏡手術に使用されているような硬性のトラカールではなく、柔軟なシート材で構成されており、腹壁の切開口にあった形状に変形可能な展開手段を切開口から挿入して腹腔内で展開させ、気腹用の炭酸ガスが腹腔内からエンクロージャー内部へ流入してエンクロージャーが膨脹し、展開手段は腹壁との気密を守る。更にエンクロージャー外周表面にアクセスオープニングを複数取り付ければ複数の鉗子が挿入でき、創部直下の観察
も行え、創縁も保護される。しかし、エンクロージャーは基本的に球状であり、外周表面に取り付けられた各々のアクセスオープニングまでの距離は、設定時に決定され固定されてしまうため、複数の処置具を挿入している際、1本の処置具を大きく動かすと他の処置具も引きずられて動いてしまったり、また、腹壁の切開口が鉗子などの処置具に対して大きく操作時の腹壁での支点がないため鉗子操作が煩雑になるという欠点があった。
アウタースリーブと2つのシール手段を持つ構造で、小切開口を通して腹腔内に入り、2つのシール手段を使ってアウタースリーブ内に気密な空間を構成する装置が開示されている(例えば特許文献4)。この装置は装置内を通して体内に術者の手及び腕を挿入した際、気腹をした状態で体内臓器の処置を行うことができ、また、第三のシール手段を使えば、腕を抜いた状態でもスリーブ及び体内の気密を保つことができる。しかし、この装置は術者が体内の臓器を体外に引き出して処置したい際、スリーブ部分を患者の体表に被せてあるドレープに接着する構造であり、接着部より上側を分離できる状態になっていないため、ドレープを切り取り装置全体を一旦取り出すか、スリーブ部分を切り取らないと体外に臓器を取り出して処置することができない。装置を取り出せば腹壁に癌組織が付着する恐れがあり、また、スリーブ部分を切り取れば、体外での処置が終わった後で再度気腹を行い腹腔内で観察、処置することができない。
基本的には同様な構造で、スリーブと腹壁固定部を分離し、スリーブの遠位端のリングと、腹壁固定部のリングをスナップして固定する装置等が開示されている(例えば特許文献5)。この装置はスリーブと腹壁固定部を分離できるため、スリーブ部分を取り外して、腹壁固定部を腹壁に残したまま体内の臓器を体外に引き出して処置できるため、切開口に癌組織が付着することもなく、処置が終わった後、臓器を体内に戻して再度スリーブを固定して気腹下で観察、処置を行うことができる。しかし、スリーブと腹壁固定具のリングをスナップで全周にわたってはめ合わせることは難しく、はめ合わせの不十分な箇所があった場合は、気密を保持できなくなる。また、もし、スリーブを通して処置具を操作するとこの装置も腹壁の切開口が鉗子などの処置具に対して大きく操作時の腹壁での支点がないため鉗子操作が煩雑になるという欠点があった。
体内外にわたって一繋がりのドーナツ型のバルーンを膨脹させることで内腔を閉じて手や鉗子挿入時および抜去時の腹腔内の気密を保つ装置が開示されている(例えば特許文献6)。この装置は構造が単純で組み立ても簡単であるので手術時間を短縮できる。しかし、この装置では気腹を解除して体外に臓器を取り出して処置を行いたい場合、バルーンを収縮させなければならず、同時に創部が閉じてしまうために新たに開創器具を用いなければならないという欠点があった。
スリーブを腹壁の上下からリング状部材で固定し、通常のシール弁と弾性薄膜でつくったスリット状の開口を有する弁の2つの弁を有することで、手の挿入時および非挿入時の気密性を高めた装置が開示されている(例えば特許文献7)。この装置は手および鉗子の非挿入時にスリット状の弁が腹腔圧によって折り返し部分からなる接触面が互いに押し付けられるように膨脹することにより気密を保持するため、手の挿入時に弁を開いてしまえば弾性薄膜の弾性力以上の力は発生しないため、腕を締め付ける力は非常に小さくて済み、長時間の使用において術者のストレスが軽減される。しかし、この装置では気腹を解除して体外に臓器を取り出して処置を行いたい場合や創部から直視下で処置を行いたい場合に、特にスリット状の弁が邪魔になってしまう欠点があり、また、スリーブを通して処置具を操作するとこの装置も腹壁の切開口が鉗子などの処置具に対して大きく、また、操作時の腹壁での支点がないため鉗子操作が煩雑になるという欠点があった。
腹壁の切開口周辺部の外側と内側からしっかり挟んで固定されるポートと、そのポートに取り付ける蓋により内腔を閉じて手や鉗子挿入時および抜去時の腹腔内の気密を保つ装置が開示されている(例えば特許文献8)。この装置は構造が単純で組み立ても簡単であるので手術時間を短縮できる。しかし、この装置では切開口の大きさや腹壁の厚さに柔軟に対応できないという欠点があった。
ネジ山の付いたテーパー形状の環状部材を腹壁にねじ込んで固定し、着脱可能な可とう性のエンベロープを取り付け、手や鉗子挿入時および抜去時の腹腔内の気密を保つ装置が開示されている(例えば特許文献9)。この装置は環状部材を創部にねじ込むだけで容易に腹腔内へのアクセスポートを設置でき、環状部材が鉗子の支点となりうるため鉗子操作が容易に行える。しかし、環状部材を創部にねじ込んで用いるために創部を痛める恐れがあり、また、腹壁の厚さと切開口の大きさに対して柔軟に対応できないという欠点があった。
特開平10−151135号公報
特開平10−108868号公報
USP5480410号
USP5640977号
USP5813409号
USP5366478号
特開平11−99156号公報
USP5741298号
USP5653705号
以下、図面により本発明を具体的に説明する。図1aは本発明の一実施例となる医療用処置用具の外観図を示しており、図1bはその断面図、図2aは本発明の一実施例となる医療用処置用具の外観図を示しており、図2bはその断面図、図3aは本発明の一実施例となる医療用処置用具の外観図を示しており、図3bはその断面図、図4aは本発明の一実施例となる医療用処置用具の外観図を示しており、図4bはその断面図、図5aは本発明の一実施例となる医療用処置用具の外観図を示しており、図5bはその断面図、図6は本発明の一実施例となる医療用処置用具の外観図、図7は本発明の一実施例となる医療用処置用具の外観図、図8a、b、c、dは本発明の医療用処置用具の第1の固定部材と処置具挿入用ポートを着脱する構造を示す外観図である。
また、図9は本発明の一実施例となる医療用処置用具の構成を示す断面図、図10は本発明の一実施例となる医療用処置用具の構成を示す断面図、図11は本発明の一実施例となる医療用処置用具の第1の固定部材と固定部材間隔調整部材の嵌合時の断面図、図12は本発明の一実施例となる医療用処置用具の処置具挿入用ポートと第1の固定部材と固定部材間隔調整部材の嵌合時の断面図である。
さらに、図13は本発明の一実施例となる医療用処置用具の処置具挿入用ポート取付前の正面図を示しており、図14はその断面図、図15a、bは本発明の一実施例となる医療用処置用具の張力調整部材の断面図を示しており、図16は本発明の一実施例となる医療用処置用具の処置具挿入用ポート取付前の正面図を示しており、図17はその断面図、図18は本発明の一実施例となる医療用処置用具の処置具挿入用ポート取付後の正面図を示しており、図19はその断面図、図20a、bは本発明の一実施例となる医療用処置用具の処置具挿入用ポートの構造を示す断面図である。
本発明による医療用処置用具は、筒状部材(1)(51)(73)、第1の気密部材(2)(52)(98)、第2の気密部材(3)(53)(99)、固定部材(4)(81)、第1の固定部材(5)(55)(74)、第2の固定部材(6)(56)(75)、処置具挿入用ポート(54)(78)(96)、固定部材間隔調整部材(57)(77)、スリット(58)、固定用糸(59)、突起部(60)、固定部材間隔調整用シート(61)、固定用穴(62)、ネジ(63)、シールリング(64)、つめ(65)(67)(70)、受け部(66)、つめ挿入部(68)(71)、クランプ(69)、つめ挿入部シール部材(72)、間隔固定部材(76)(79)、シート(80)、支持部材(82)(93)、張力調整部材(83)(94)、ポート取付部材(84)、張力調整部材本体(85)、歯付支持部材(86)、爪歯車(87)、係止歯(88)、バネ(89)、係止解除レバー(90)(95)、ネジ付支持部材(91)、調整ネジ(92)、隔膜(97)らの構成要素が組み合わされて形成される。
構造を簡単に説明すると、図1〜図3や図4〜図7のように近位端に1つ以上の入口、遠位端に1つの出口をもち、遠位端は図1のように1つの固定部材(4)(81)により腹壁に固定されたり、図2〜図7のように第1の固定部材(5)(55)、第2の固定部材(6)(56)の2つの固定部材で腹壁を挟み込むように位置される。固定部材には創壁を保護するための筒状部材(1)(51)が取り付けられるが、筒状部材の取り付け方法は図1のように固定部材が1つの場合は固定部材(4)に取り付け、図2〜図7のように固定部材が2つの場合は、図2、図3、図4のように第2の固定部材に取り付けて第1の固定部材を移動させて間隔を調整したり、図5のように第1の固定部材に取り付けて第2の固定部材を包み込むように筒状部材を位置させ第2の固定部材を移動させて間隔を調整したり、図6、図7のように第1の固定部材、第2の固定部材の両方に取り付けて、固定糸(59)や固定部材間隔調整用シート(61)を引っ張って間隔を調整し、固定糸(59)を第1の固定部材(55)に付設したスリット(58)にはめ込んだり、固定部材間隔調整用シート(61)に付設されている固定用穴(62)を第1の固定部材に付設した突起部(60)にはめ込んだりして固定する。
近位端の入口には鉗子等を挿入していない際に気密を保つために第1の気密部材(2)(52)が配置され先端をキャップ等で閉じたり、内部にフラップ弁やダックビル弁等の弁部材を付設しても良い。更に、鉗子等を挿入している際に気密を保つために第2の気密部材(3)(53)が配置され円形の穴の開いたシール弁等を付設しても良い。また、これらは図4〜図7のように処置具挿入用ポート(54)に内蔵させて配置しても良い。更に、図4〜図7は気腹下の処置と腹腔外での処置を適宜容易に移行できるように、第1の固定部材(55)と処置具挿入用ポートの取り付けを図8a、b、c、dに示すような方法をとっても良い。
また、図9、10のように、筒状部材(73)には近位端には第1の固定部材(74)、遠位端には第2の固定部材(75)が取り付けられ、円筒面上には1つ以上の間隔固定部材(76)(79)が取り付けられている。固定部材間隔調整部材(77)は任意の間隔固定部材(76)(79)を保持し第1の固定部材(74)に装着可能である。処置具挿入用ポート(78)は第1の固定部材(74)または固定部材間隔調整部材(77)に装着可能で、気腹ガスの漏れを防ぐ構造としてもよい。
さらに、図13、14、18、19のように、シート(80)の中央に臓器取り出し用の開口部を持ち、シートの開口部の内縁に沿って固定部材(81)を取り付け、シートの外縁にシートに任意の張力を与えることができる支持部材(82)と張力調整部材(83)を取付けてあり、シートを挟んで互いに気密に嵌合する処置具挿入用ポート(96)とポート取付部材(84)を持ち、処置具挿入用ポート(96)には気腹ガスの漏れを防ぐ処置具挿入用ポート(96)が装着されているような構造としてもよい。
筒状部材(1)(51)(73)は肉厚0.1〜3mmの薄肉の円筒形状の部材であり、通常、インフレーション成形や、押出成形、熱溶着等のシート加工等により作製されるが特に限定されない。筒状部材(1)(51)(73)の大きさは処置を行う部位、目的によって異なるが、腹腔鏡補助下大腸切除術に使用される場合外径3〜10cmの大きさとなる。また、使用時、遠位端を切開口へ挿入・固定して炭酸ガスによる膨脹状態の中で筒状部材(1)(51)(73)内を内視鏡や鉗子等の処置具が頻繁に出入りし、また、第1の固定部材(5)(55)や第2の固定部材(56)が内部で移動するため、邪魔にならないような、嵩張らず、適度に柔軟で、更に、処置具等が当たっても切れたり割れたり裂けたり摺れたりし難い材質を選ぶのが良く、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレ
タン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、SEBS樹脂、シリコーンゴム、天然ゴムのような材質が好ましい。
気密部材は第1の気密部材(2)(52)(98)と第2の気密部材(3)(53)(99)からなるタイプとトロカールを刺入する隔膜(97)からなるタイプが考えられる。
第1の気密部材(2)(52)(98)は鉗子等を挿入していない時に気密を保つために設置するものであり、近位端の先端をキャップ等で閉じたり、内部にフラップタイプの弁やダックビルタイプの弁等の弁部材を付設しても良い。第1の固定部材(55)との着脱を行う場合、処置具挿入用ポート(54)(78)(96)を使用してその中に内蔵させても良い。キャップ等で閉じる場合は近位端入口に嵌合部材を取り付け、それとの凹凸で嵌合させたり、ネジによって固定しても良い。キャップは通常射出成形などで成形され、その材質は塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂など若干硬質の樹脂かシリコーンゴム、天然ゴム、NBR等の合成ゴムなどが使用される。
フラップタイプの弁は通常、腹腔鏡外科手術などで使用されるトラカールに内蔵されているような硬質の成型品とバネ部材を組み合わせた物でも、シリコーンゴムのような弾性部材をフラップ形状に成形、加工して使用しても良い。フラップタイプの弁は体外側に開くことはなく、体内側にのみに動くので、処置具等が挿入されていない時は体内側の陽圧によりフラップが体外方向に押されて閉じる構造である。フラップタイプの弁は射出成形や圧縮成形などで成形され、その材質は塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂、シリコーンゴムなどが使用される。ダックビルタイプの弁も同様に射出成形や圧縮成形で成形され、主としてシリコーンゴムなどの弾性材料で作成される。
第2の気密部材(3)(53)(99)は鉗子等を挿入している際に気密を保つために配置され、円形の穴の開いたシール弁等を付設しても良い。シール弁は射出成形、圧縮成形、シート加工等により作製され、近位端入口や処置具挿入用ポート(54)(78)(96)に熱溶着または接着される。シール弁の厚さは0.1〜3mm程度が適当である。これは、0.1mm未満では炭酸ガスの圧力により弁が変形され易くなり、3mmを超えると鉗子等の処置具を挿入する際の摩擦抵抗が大きくなり、挿入が困難となるためである。内径は処置具等の外径に合わせ、0.5mm〜30mmが適当である。シール弁の材質は、可とう性を有するものが望ましく例えば天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、SEBS樹脂などが適当である。
隔膜(97)はトロカールを刺入することが可能で、その状態での気密性を確保する。隔膜(97)の厚さは0.1〜3mmが好ましい。これは、0.1mm未満では炭酸ガスの圧力により弁が変形され易くなり、3mmを超えると鉗子等の処置具を挿入する際の摩擦抵抗が大きくなり、挿入が困難となるためである。内径は処置具等の外径に合わせ、0.5mm〜30mmが好ましい。隔膜(97)の材質は、可とう性を有するものが望ましく例えば天然ゴム、シリコーンゴム、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、SEBS樹脂等が適当である。
固定部材(4)(81)は筒状部材(1)の遠位端側に付設して形成されるか、シート(80)の開口部の内縁に沿って付設して形成される。通常、射出成形、圧縮成形または押出成形チューブの加工によって作製され、筒状部材(1)もしくはシート(80)に包まれ、密着して熱溶着または接着固定されか、固定部材表面に密着して熱溶着または接着固定される。内外径は処置を行う部位や挿入箇所となる小切開口の大きさ及び、挿入する処置具の大きさによるため限定されないが、腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、約2〜8cmの小切開に対して内径約3〜11cm、外径約6〜12cmに設定することが適当である。固定部材(4)(81)の材質は塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂、SEBS樹脂、シリ
コーンゴム等や、ステンレス鋼などの金属が使用される。
第1の固定部材(5)(55)(74)は筒状部材(1)(51)(73)の内周を移動させるように固定させずに設置される場合と、筒状部材(1)(51)(73)の近位端側に付設して設置される場合がある。通常、射出成形、圧縮成形または押出成形チューブの加工によって作製され、筒状部材(1)(73)に付設される場合は、筒状部材(1)(73)に包まれ、密着して熱溶着または接着固定されか、固定部材表面に密着して熱溶着または接着固定される。内外径は処置を行う部位や挿入箇所となる小切開口の大きさ及び、挿入する処置具の大きさによるため限定されないが、腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、約2〜8cmの小切開に対して内径約3〜12cm、外径約6〜15cmに設定することが適当である。第1の固定部材(5)(55)(74)の材質は塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、SEBS樹脂、シリコーンゴム等や、ステンレス鋼などの金属が使用される。
第2の固定部材(6)(56)(75)は筒状部材(1)(51)(73)の周囲(または外周)を移動させるように固定させずに設置される場合と、筒状部材(1)(51)(73)の遠位端側に付設して設置される場合がある。通常、射出成形、圧縮成形または押出成形チューブの加工によって作製され、筒状部材(1)(73)に付設される場合は、筒状部材(1)(73)に包まれ、密着して熱溶着または接着固定されか、固定部材表面に密着して熱溶着または接着固定される。内外径は処置を行う部位や挿入箇所となる小切開口の大きさ及び、挿入する処置具の大きさによるため限定されないが、腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、約2〜8cmの小切開に対して内径約3〜12cm、外径約6〜15cmに設定することが適当である。第2の固定部材(6)(56)(75)の材質は
塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、SEBS樹脂、シリコーンゴム等が使用される。
処置具挿入用ポート(54)(78)は通常射出成形により成形され、第1の固定部材(55)(74)に取り付けられ、気密部材が付設または内蔵されている。第1の固定部材との取り付け方法は図8、図12に示すような構造に形成される。図8aは第1の固定部材(55)とネジ(63)により固定され、図8bは第1の固定部材(55)に凸状の受け部(66)を設け、処置具挿入用ポート(54)のつめ(65)と嵌合され、図8cは第1の固定部材(55)に凹状のつめ挿入部(68)を設け、処置具挿入用ポート(54)のつめ(67)を挿入して回転させると、つめ(67)の形状が図のように傾斜を有しているため締め付け固定される。また、図8dは第1の固定部材(55)につめ挿入部(71)を第1の固定部材を貫通しないように形成するか、図のようにつめ挿入部シール部材(72)を気密に取り付けて、処置具挿入用ポート(54)のクランプ(69)のつめ(70)を挿入して固定し、取り外すときはクランプ(69)の手元側をつまむと取り外しができるようにも形成できる。
また、処置具挿入用ポート(96)は図18、19のようにポート取付部材(84)とシート(80)を挟んで気密に嵌合する。処置具挿入用ポート(96)は図20aのように開口部のない隔膜(97)を取り付け、隔膜(97)にトロッカーを刺入して用いるタイプや、図20bのように第1の気密部材(98)と第2の気密部材(99)を付設したタイプが考えられる。また、処置具挿入用ポート(96)はポート取付部材(84)との嵌合部分と弁部分で気密に嵌合する2つの部品に分けてもよい。いずれの方法もシールリング(64)等の手段により気腹ガスが漏れないようにすると良い。処置具挿入用ポート(54)(78)(96)の材質は塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂など若干硬質の樹脂であれば良い。また、シールリング(64)の材質はシリコーンゴムやニトリルゴム等のゴム系のもので良い。
第1の固定部材(5)(55)(74)と第2の固定部材(6)(56)(75)の間隔を調整する手段としては、図4、5のように、いずれかの固定部材を筒状部材(1)の内部で動かして間隔を調整して、固定部材間隔調整部材(57)で、筒状部材(1)を挟み込むようにして固定する方法や、図6のように、第2の固定部材(56)に取り付けた固定用糸(59)を引っ張り上げて間隔を調整し、固定用糸(59)を第1の固定部材(55)に付設したスリット(58)にはめ込んで固定する方法や、図7のように、第2の固定部材(56)に取り付けた固定部材間隔調整用シート(61)に付設された固定用穴(62)に第1の固定部材(55)に付設した突起部(60)をはめ込んで固定するか、第2の固定部材に取り付けた固定部材間隔調整用シートを第1の固定部材と固定部材間隔調整部材で挟んで固定する方法がある。または、図9〜11のように第1の固定部材(74)を引っ張り上げて適当な位置で間隔固定部材(76)(79)を固定部材間隔調整部材(77)に引っかけて固定する。
固定部材間隔調整部材(57)(77)は通常、射出成形によって作製され、内周に筒状部材(51)を通し、第1の固定部材(55)との間で筒状部材(51)を挟み込んで気密を守るように設置されている。内外径は処置を行う部位や挿入箇所となる小切開口の大きさ及び挿入する処置具の大きさによるため、限定されないが、腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、約2〜8cmの小切開に対して、内径約3〜10cm、外径約6〜15cmに設定することが適当である。固定部材間隔調整部材(57)(77)の材質は、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、シリコーンゴム等や、ステンレス鋼などの金属が使用される。
固定部材間隔調整シート(61)は、肉厚0.1〜5mmの薄肉のシート部材であり、シート成形に穴開け加工を加えたり、圧縮成形等により作製されるが特に限定されない。固定部材間隔調整シート(61)の大きさは、処置を行う部位、目的によって異なるが、幅約20〜30mm、長さ10〜15cm程度に成形される。柔軟であるが切れたり、裂けたりし難い材料を選ぶこと選ぶのが良く、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、SEBS樹脂、シリコーンゴム、天然ゴムの様な材質が好ましい。
間隔固定部材(76)(79)は筒状部材(73)の外側に1つ以上取り付けられ、固定部材間隔調整部材(77)に脱着可能で、筒状部材(73)に対して縦方向の張力を加えた状態を保持するために用いられる。図9のように1つ以上のリング状の間隔固定部材(76)を任意のピッチで筒状部材(73)上に並べたタイプや、図10のように任意のピッチのコイル状の間隔固定部材(79)を筒状部材(73)上に付設したタイプなどがある。特にコイル状の間隔固定部材(79)では創の大きさに合わせてコイルに捻りを加えることで筒状部材(73)の径を自在に操ることができる。通常、射出成形、圧縮成形または押出成形物の加工によって作製される。筒状部材(73)の外表面に熱溶着または接着固定により取付けるのがよいが特に限定されない。
内外径は処置を行う部位や挿入箇所となる小切開口の大きさ及び、挿入する処置具の大きさによるため限定されないが、腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、約2〜8cmの小切開に対して内径約3〜12cm、外径約4〜15cmに設定することが好ましい。また、間隔固定部材の断面積は0.5〜20mm2程度が好ましい。間隔固定部材(76)間もしくは間隔固定部材(79)のピッチは0
.2cm〜2cmが好ましい。材質は硬質で弾力に富んだものがよく、通常ステンレス鋼などの金属が使用されるが、特に厳密なバネ弾性係数を必要とはしないので、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂等のプラスチック材料でもよい。
シート(80)は肉厚0.1〜3mmの平面またはテーパーのかかった円筒形状であり、通常、押出成形またはインフレーション成形等により作製されるが特に限定されない。シート(80)の大きさは処置を行う部位、目的によって異なるが、腹腔鏡補助下大腸切除術に使用される場合、外径が10〜30cm、開口径が3〜10cmとなり、また、使用時、内視鏡や鉗子等の処置具が頻繁に出入りするため、嵩張らず、適度に柔軟で、更に、処置具等が当たっても切れたり裂けたりし難い材質を選ぶのが良く、例えば、軟質塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、SEBS樹脂、シリコーンゴム、天然ゴム等の材質が好ましい。
支持部材(82)はシート(80)にドーナツ状に包まれ、シート(80)の熱溶着または接着固定により取付けられて、シート(80)外縁を支持するか、新たに別の部材を用いて両部材間をつないでもよい。支持部材(82)は直径を3〜30cmの間で調整可能なのがよく、支持部材の幅もしくは径は0.5mm〜2cmが好ましい。また、支持部材(82)の表面は張力調整部材(83)に固定されやすいように歯付支持部材(86)やネジ付支持部材(91)に見られるような加工を施してもよい。この時の歯やネジのピッチは0.5mm〜1cmが好ましい。
通常、支持部材(82)、歯付支持部材(86)、ネジ付支持部材(91)は射出成形、圧縮成形または押出成形物の加工によって作製される。材質は硬質で弾力に富んだものがよく、通常ステンレス鋼などの金属が使用されるが、特に厳密なバネ弾性係数を必要とはしないので、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ABS樹脂等のプラスチック材料でもよい。
張力調整部材(83)は支持部材(82)の片端に取り付けられる。また、張力調整部材(83)は支持部材(82)の外周を調整し、任意の位置で固定、解除が可能である。張力調整部材本体(85)の長さは長寸で2〜10cm程度、短寸で5mm〜4cm程度で、厚さは5mm〜2cmと術中に邪魔にならないようにできるだけ薄い方がよい。支持部材(82)の外周を調整する方法は、図15aのように爪歯車(87)を回して歯付支持部材(86)を任意の位置で係止歯(88)を用いてバネ(89)の応力により係止させ、係止解除レバー(90)により解除してもよい。また、図15bのようにネジ付支持部材(91)を調整ネジ(92)により固定してもよい。張力調整部材本体(85)は通常、射出成形によって作製される。張力調整部材本体(85)の材質は塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂等の硬質樹脂かステンレス鋼等の金属が使用できる。
また、図16、17のように支持部材(93)は張力調整部材(94)を介して井桁に組んでもよい。このとき、支持部材の表面は図16のような歯をつけ、図15aで示したようなラチェット機構で支持部材同士を任意の位置で固定、解除してもよい。なお、シート(80)と支持部材(93)は新たに別の部材を用いて接続するのが好ましい。支持部材(93)は一辺を3〜30cmの間で調整可能なのがよく、支持部材の幅もしくは径は0.5mm〜2cmが好ましい。
係止解除レバー(90)は長さは1〜10cm、厚さは2mm〜2cmが好ましい。爪歯車(87)は直径5mm〜3cm、厚さは2mm〜2cmが好ましい。係止歯(88)の幅は2mm〜2cmが好ましい。調整ネジ(92)は外径1〜3cm、内径2〜5mm、長さが2mm〜3cmが好ましい。バネ(89)は図15aのように板状物を折り曲げたような形状でもよいが普通の支持部材バネでもよく、張力調整部材本体(85)に収まる大きさであればよい。爪歯車(87)、係止歯(88)、バネ(89)、係止解除レバー(90)、調整ネジ(92)は通常、射出成形によって作製される。これらの材質は硬質で変形しにくい材料がよく、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂等の硬質樹脂かステンレス鋼等の金属が使用できる。
ポート取付部材(84)は図18、19のように処置具挿入用ポート(96)をシート(80)上に固定するために設置し、気腹時に腹腔内の気密を確保するためのものであり、処置具挿入用ポート(96)との着脱を行う場合、互いの凹凸やネジによって固定しても良い。通常射出成形などで成形される。内外径は処置を行う部位や挿入箇所となる小切開口の大きさ及び、挿入する処置具の大きさによって決められ、腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、約2〜8cmの小切開に対して内径約3〜9cm、外径約4〜12cmに設定することが適当である。高さは処置の際に邪魔にならないように0.1〜1cmが適当である。その材質は塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂等の硬質樹脂かシリコーンゴム、天然ゴム、NBR等の合成ゴムが使用される。
次に本発明の第2の発明による医療用処置用具の実際の BR>g用方法について図4を用いて解説し、本発明の効果を明確にする。腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、まず、複数本のトロッカーを腹部に挿入し、臓器摘出予想部位に約3〜5cm程度の小切開を置いて、本発明の第2の固定部材(56)を腹腔内に挿入し、第1の固定部材(55)を筒状部材(51)内で移動させて図4bのように腹壁の幅に調節する。固定部材間隔調整部材(57)により、第1の固定部材との間に筒状部材(51)を挟み込んで気密に固定する。
トロッカー及び本発明の処置具挿入用ポートより腹腔鏡、処置具を挿入して大腸の剥離、リンパ節の郭清、血管の処理などの処置を腹腔鏡下で行い、十分な受動ができた後、本発明の処置具挿入用ポート(54)を取り外して大腸を体外へ取り出し、直視下で患部付近の大腸の切離・縫合等を行った後、体内へ大腸を戻す。再度本発明の処置具挿入用ポート(54)を第1の固定部材に取り付け、再気腹を行い、腹腔内を十分に観察する。再度、体外での処置が必要な場合は気腹を落とし、処置具挿入用ポート(54)を取り外して処置を行う。第1の発明の使用方法については固定部材間隔の調整作業がない他は第2の発明と同様である。
次に本発明の第3の発明による医療用処置用具の実際の使用方法について図13、14、18、19を用いて説明し、本発明の効果を明確にする。腹腔鏡補助下大腸切除術を行う場合、まず、複数本のトロッカーを腹部に挿入し、臓器摘出予想部位に約3〜5cm程度の小切開を置く。図13、14のようにその小切開を囲むように本発明のポート取付部材(84)を置き、ポート取付部材(84)を通して固定部材(81)を腹腔内に挿入し、張力調整部材(83)を用いて支持部材(82)の径を大きくし、シート外縁に向かって任意の張力を加えて開口部を広げ、腹壁の幅に調節する。この時、シートは外縁に向かって引っ張られているので、従来のようにシートにしわがよって開口部の内側にせり出したりして処置時の邪魔になったりしない。
次に図18、19のように処置具挿入用ポート(96)をシート(80)を挟んでポート取付部材(84)に気密に固定する。処置具挿入用ポート(96)よりトロッカー等を刺入し、そこから腹腔鏡、処置具を挿入して大腸の剥離、リンパ節の郭清、血管の処理などの処置を腹腔鏡下で行い、十分な受動ができた後、処置具挿入用ポート(96)を取り外して大腸を体外へ取り出し、直視下で患部付近の大腸の切離・縫合等を行った後、体内へ大腸を戻す。再度、処置具挿入用ポート(96)をポート取付部材(84)に取り付け、再気腹を行い、腹腔内を十分に観察する。再度、体外での処置が必要な場合は気腹を落とし、処置具挿入用ポート(96)を取り外して処置を行う。
これにより、「簡単に気腹下処置と腹腔外処置との切り替えができる」「気腹下での処置を行う場合には本発明からも鉗子操作が行える」「癌部位の摘出の際に腹壁の切開創が保護され、癌細胞の創感染の問題がない」等の効果が得られた。さらに、図9、10のような構造とすることによって「固定部材間隔調整後も筒状部材の弛みは間隔固定部材の間に蛇腹状に折り畳まれるため、術中の視野を妨げない」「筒状部材を全周にわたり均等に引っ張れるので固定部材間のずれが少なく気密を保持しやすい」「間隔固定部材の張力と筒状部材に与えられた張力により開創する」等の効果が、図13、14、16、17のような構造にすることで、「シート全周にわたって均等に引っ張れるので固定部材間のずれが少なく気密を保持しやすい」「固定部材間隔調整後もシートに弛みが生じないため、術中の視野を妨げない」「シートに与えられた張力により開創する」等の効果が得られた。