JP5762599B2 - 医療用処置具の挿入器具 - Google Patents
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そして、この手術に適用可能な器具としては、対向配置した体表側リング及び可撓性の体腔内側リングに筒状の弾性部材の両端部を拡張させて固定する、切開創を開いた状態に保持する保持具本体と、該保持具本体の体表側リングに接合手段を介して着脱自在に取り付けられる複数の弁や連通孔を備えた多弁(孔)プレートとからなる切開創保持器具(特許文献1)や、前記同様に切開創を開いた状態に保持する保持具(外套管等の本体部)の上リングの表面に、柔軟で屈曲自在な筒状ポートを複数装着してなる医療用処理具の挿入ポート(特許文献2)、あるいは、複数のカニューレを保持する構成要素を弾性のドーム状基部を備えるように形成される腹腔鏡ポートアセンブリ(特許文献3)が提案されている。
しかし、例えば、結腸手術など術野が広範囲にわたる手術では、術野の移動に伴い、術者が位置を変える必要が生じることがあり、また、移動した術野に器具を行き届かせるため、無理な状況での操作が必要となり、器具同士が交差するなど干渉して上手く操作できない場合や、無理な体勢での操作から不都合が生じる懸念がある。また、これらを避けるため、または、器具が術部に届かない場合には、処置器具を挿入するポートを入れ替える必要が生じるなど、操作が面倒になる懸念がある。
・前記医療用処置具のポートには体腔内の気密を維持するアタッチメント、あるいは、弁を備える。
・前記プレート部材は周縁部に平坦な部分を形成する。
更に、プレート部材を接続する体表側リング、あるいは、第二の筒状シートのプレート部材との接続部を上下段の2段構造として、中間にプレート部材を配置する構成とすると、回動自在でかつ所望の位置で固定する機能をもつ器具を容易に製造することができる。
また、ポート部に弁を備えることにより体腔内にガスを充填しての気腹手術への適用が可能となる。
更に、プレート部材を球面状の湾曲形状に形成すると、ポートに処置器具を挿着したさいに体表に対して斜め方向に挿入されることになるため、真上からのアプローチに比較して操作性を向上させることができ、また、体腔内での処置器具の可動域を広げることができる。
図1は本発明の第一の実施の形態を示す構成図で、図2はその断面図、図3は上面図を示している。
本実施の形態の医療用処置具の挿入器具は、手術のさいに切開創より体腔内に挿入される体腔側リング1と該体腔側リング1と対向配置され体表に位置させる体表側リング2と、前記体腔側リング1と体表側リング2に両端部を接続し、切開創を覆って体腔側から体表側に位置される筒状シート3より構成され、前記体腔側リング1と体表側リング2により切開創(体壁)を挟持し、筒状シート3により切開創を開いた状態に保持する開創手段と、該開創手段の体表側リング2に取り付け、体腔内への医療用処置具や内視鏡の挿入口となる複数の挿入ポート42を設けたプレート部材4とにより構成される。
サイズは手術のさいの切開の大きさにより選択され、切開創より無理なく挿入可能で、かつ十分な開創状態の得られるサイズのものが選ばれる。尚、本実施の形態においては、通常の結腸手術の切開創20〜40mmに適用するものとして、直径70mm、リング幅4mmの円形断面のリングを用いた。
サイズは、筒状シート3の接続の利便性から前記体腔側リング1とほぼ同等な大きさに形成され、本実施の形態においては、上段、下段リング21、22ともに、直径70mm、リング幅5mm、リングの高さ5mm、上段、下段リング21、22の隙間2mmに形成した。
そして、前述の通り、筒状シート3の下側端部31で前記体腔側リング1に僅かに拡張した状態で被覆し接着、あるいは、溶着により接続され、一方、シート上側端部32は、前記体表側リング2の側面周囲を僅かに拡張した状態で被覆し、上端で上段リング21、後記するプレート部材4を挟んで下段リング22を、各々の凹み溝211、221にOリング5を取り付けて体表側リング2と筒状シート3を固定して形成した。
開創手段へのプレート部材4の接続を、前記上段リング21と、下段リング22で挟持する構成としたことにより、前記機能を備えた器具を容易に製造することができることに加え、上段リング21、下段リング22、プレート部材4の外周囲が筒状シート3により気密されて固定されることで、前記回動が可能となると共に、術中の体腔内の気密を維持することができる。尚、より確実に体腔内の気密を維持するために、上段リング21に固定用のOリング5とは別に、上段リング21の下部に気密維持用のOリングを備えるなどしても良い。
本形態は、前記第一の実施の形態の開創手段とプレート部材4との間に、処置器具の体表に対する角度方向への自由度を高め、体腔内の広範囲の術野をカバー可能とするために第二の筒状シート6(以下、弾性シート)を設けた器具で、体腔側リング1、筒状シート3、及び、プレート部材4は前記第一の実施の形態と同様なものを同様に使用すれば良いため説明を省略する。
そして、該弾性シート6の上側端部61は、プレート部材4との接続のため、前記第一の実施の形態の体表側リング2と同様に形成されたプレート接続リング7にOリング5を用いて、前記第一の実施の形態と同様な手段で接続される。詳しくは、プレート接続リング7は、上段に位置する上側リング71と下段に位置する下側リング72の2層構造とし、該上側リング71と下側リング72との隙間73にプレート部材4の周縁部41を挟持して、プレート接続リング7及びプレート部材4の周縁部41の外周囲全体を、弾性シート6の上側端部61を拡張して覆って取り付け、上側リング71、及び、下側リング72に備える凹み溝にOリング5を取り付けて固定して接続した。尚、プレート部材4は、上側及び下側リング71、72と僅かに隙間(余裕)を持たせて配置され、該上側及び下側リング71、72間でプレート部材4が回動自在になるように、かつ、回動を止めた状態では、前記上側及び下側リング71、72や弾性シート6の上端部61との接触抵抗により所望の位置で留め置くことができるものとして形成される。
11. 超弾性合金
12. 保護チューブ
2. 体表側リング
21. 上段リング
22. 下段リング
23. 隙間
25. 体表側リング(ネジ付き)
3. 筒状シート
31. 上側端部
32. 下側端部
4. 湾曲プレート
41. プレート周縁部
42. ポート
421.12mmポート
422.5mmポート
43. アタッチメント
5. Oリング
6. 弾性シート
61. 上側端部
62. 下側端部
7. プレート接続リング
71. 上側リング
72. 下側リング
73. 隙間
8. 体表側リング接続リング
Claims (4)
- 切開創より挿入され体腔内に位置させる可撓性の体腔側リングと、該体腔側リングと対向配置して体表側に位置させる体表側リングと、両端部を各々体腔側リング及び体表側リングに接続し体腔内から体表側に位置させる筒状のシートとを備え、切開創に挿着して切開創を開いた状態に保持する開創手段と、
該開創手段の上部に配置され、体外から体腔内への医療用処置具及び内視鏡の挿入口となる複数のポートを備えたプレート部材とにより構成し、
該プレート部材は、硬質な樹脂により上方側に突起したドーム状の湾曲面として形成され、プレートの中心部(頂部)には内視鏡が挿入可能なポートを、頂部と外周囲のほぼ中間の湾曲面には医療用処置器具を挿入する複数のポートを備え、前記開創手段に対して円周方向に回動自在で、かつ、所望の位置で固定可能に形成したことを特徴とする医療用処置具の挿入器具。 - 前記開創手段とプレート部材との間に、両端部を各々開創手段との接続部及びプレート部材との接続部とした第二の筒状シートを設けて構成し、前記プレート部材が前記第二の筒状シートのプレート部材との接続部に摺動して円周方向に回動する請求項1の医療用処置具の挿入器具。
- 前記医療用処置具及び内視鏡のポートには体腔内の気密を維持するアタッチメント、あるいは、弁を備える請求項1乃至2のいずれかの医療用処置具の挿入器具。
- 前記プレート部材は周縁部を平坦に形成した請求項1乃至3のいずれかの医療用処置具の挿入器具。
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