JP2002028163A

JP2002028163A - 切開創保持具

Info

Publication number: JP2002028163A
Application number: JP2000215822A
Authority: JP
Inventors: Masaru Maruyama; 勝丸山; Michihiko Tamai; 亨彦玉井
Original assignee: HAKKO MEDICAL KK
Current assignee: HAKKO MEDICAL KK
Priority date: 2000-07-17
Filing date: 2000-07-17
Publication date: 2002-01-29

Abstract

(57)【要約】【課題】１つの切開創から様々な手技を可能とし、手
術中の作業性の向上および患者の負担の低減を図ること
ができる切開創保持具を提供する。【解決手段】切開創を開いた状態に保持する保持具本
体１に、接合手段１４，２４を介してプレート部材２，
３，４，５を着脱自在に取り付けて構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は手術中切開創に装着
して切開創を開いた状態に保持する切開創保持具に関
し、特に、１つの切開創から様々な手技を可能とし、手
術時の作業性の向上および患者の負担の低減を図った切
開創保持具に関する。

【０００２】

【従来の技術】切開手術において、手術中術部の視野を
確保したり手技を円滑にするため、切開創保持具（レト
ラクタ）を切開創に装着して切開創を開いた状態に保持
することが一般的に行われている。

【０００３】切開創保持具には、従来より種々のものが
使用されているが、その中にシート状の弾性部材を切開
創に直接接触させて創縁の保護と切開創の開放状態の保
持を行うものがある。

【０００４】この種の切開創保持具として、例えば、特
開昭５６−１３６５３８号公報に開示されるものがあ
る。この切開創保持具は、膨張可能な断面凹状の可撓性
閉ループ部材、あるいは上下２つの膨張部を有する閉ル
ープ部材によって構成され、これらを切開創に挿入し、
流体の注入によって膨張させることにより、切開創を凹
部あるいは２つの膨張部の間で被覆した状態で切開創を
拡開して開放状態に保持する。

【０００５】ところで、近年になって、手術における低
侵襲性を標榜し、内視鏡下外科手術が一般的に行われる
ようになった。この内視鏡下外科手術の場合、手術器具
を挿入するための連通路を確保すると共に体腔内に手技
の空間を確保するため、体腔内に不活性ガスを充填する
必要がある。このため、切開創から不活性ガスが漏れる
のを防止することが要求されている。

【０００６】しかし、上記の切開創保持具によると、体
腔内の気密性を保てないため、上記内視鏡下外科手術に
使用することができなかった。

【０００７】一方、上記内視鏡下外科手術にも使用可能
な従来の切開創保持具として、例えば、特許第２９５７
１３４号に開示されるものがある。この切開創保持具
は、所定の開口面積の開口を有した第１の筒状の弾性部
材と、第１の筒状の弾性部材の両端がそれぞれ固定さ
れ、それぞれ反対方向に回転させることにより第１の弾
性部材の開口を開口状態から閉塞状態にする一対のリン
グと、一対のリングの一方に一端を固定され、切開創に
挿入される第２の筒状の弾性部材と、第２の筒状の弾性
部材の他端に設けられ、第２の筒状の弾性部材の他端を
拡開して第２の筒状の弾性部材を腹部切開孔に密着させ
るリング状弾性部材から構成されている。

【０００８】この切開創保持具によると、一対のリング
をそれぞれ反対方向に回転させることにより第１の筒状
の弾性部材の開口を開口状態から閉塞状態にするため、
体腔内の気密性が保て、切開創から不活性ガスが漏れる
のを防止することができる。また、切開創を介して体腔
内に器具や手を挿入する際、第１の筒状の弾性部材が器
具や手に密着するため、切開創から不活性ガスが漏れる
のを最小限に抑えることができる。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の切開創
保持具によると、特開昭５６−１３６５３８号公報に開
示されるものも特許第２９５７１３４号に開示されるも
のも、それぞれ単一の機能しか有していないため、適用
可能な手技の範囲に限りがある。すなわち、特開昭５６
−１３６５３８号公報に開示される切開創保持具は、レ
トラクタとしての機能しかないため、小切開手術や比較
的大きな器具や手を挿入する吊り上げ法、更には切除し
た臓器の取り出し等の手技の適用が可能であるが、気腹
法等の体腔内の気密性が要求される内視鏡下外科手術に
おける手技の適用は不可能である。また、特許第２９５
７１３４号に開示される切開創保持具は、気腹法等の内
視鏡下外科手術において１つの器具や手を挿入する手技
の適用は可能であるが、切除した臓器の取り出し等の手
技の適用は好ましくない。このため、手術中、手技の変
更がある度に切開創保持具の切開創への付け替えを行わ
なければならず、手術中の作業性が低下すると共に患者
への負担も大きくなるという問題がある。また、特許第
２９５７１３４号に開示される切開創保持具は、弁が１
つのため、２つ以上の器具を同時に挿入する場合、挿入
する器具の数に応じた数の切開創を設けなければなら
ず、このときにも患者の負担が大きくなるという問題が
ある。

【００１０】従って、本発明の目的は１つの切開創から
様々な手技を可能とし、手術中の作業性の向上および患
者の負担の低減を図ることができる切開創保持具を提供
することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の目的を達
成するため、手術中切開創に装着して切開創を開いた状
態に保持する切開創保持具において、対向配置した体表
側リングおよび可撓性の体腔内挿入側リングに筒状の弾
性部材の両端部を拡張させて固定することにより鼓型に
形成され、前記筒状の弾性部材が前記切開創の外部から
内部に位置すると共に前記可撓性の体腔内挿入側リング
が前記切開創の内部に位置して前記切開創に係止するこ
とにより前記切開創を開いた状態に保持する保持具本体
と、前記保持具本体の前記体表側リングに接合手段を介
して着脱自在に取り付けられたプレート部材より構成さ
れた切開創保持具を提供するものである。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下、本発明の切開創保持具を添
付図面を参照しながら詳細に説明する。

【００１３】図１は本発明の第１の実施の形態に係る切
開創保持具を示す。この切開創保持具は、切開創に挿入
されることにより切開創に係止して切開創を開いた状態
に保持する保持具本体１と、保持具本体１の上部に必要
に応じて着脱自在に取り付けられるプレート部材として
の弁プレート２より構成されている。プレート部材は、
後述するが、弁プレート２の他に多弁プレート，多孔プ
レート，および閉塞プレートがあり、手技に応じて選択
された１つが保持具本体１に取り付けられる。

【００１４】保持具本体１は、同軸に対向配置された体
表側リング１１および可撓性の体腔内挿入側リング１２
と、体表側リング１１および体腔内挿入側リング１２に
端部がそれぞれ拡張されて取り付けられることにより偏
平な鼓状に形成された筒状の弾性部材１３より構成され
ている。

【００１５】体表側リング１１は、筒状の弾性部材１３
の取付部の上部に所定の内径の接合部１１Ａを有し、接
合部１１Ａはその内周面に後述する弁プレート２の突起
が係合する複数（本実施の形態では、３個）の鈎状の係
合溝１４を等間隔に有している。係合溝１４は、周方向
に形成された係合部１４Ａとこの係合部１４Ａの一端か
ら接合部１１Ａの周縁にかけて形成された切欠部１４Ｂ
からなり、係合部１４Ａと切欠部１４Ｂの境界部に弁プ
レート２の突起の抜けを防止する抜け止め突起１６を有
している。

【００１６】弁プレート２は、同軸に対向配置される操
作側リング２１および本体装着側リング２２と、操作側
リング２１および本体装着側リング２２に端部がそれぞ
れ取り付けられた筒状の弾性部材２３より構成され、操
作側リング２１および本体装着側リング２２を相対的に
反対方向へ回転させると、筒状の弾性部材２３の筒部
（開口）が閉塞あるいは開通するようになっている。

【００１７】操作側リング２１および本体装着側リング
２２は、対向する面に互いに係合可能な鋸歯状凹凸２５
（操作側リング２１の鋸歯状凹凸は内部にあるため視認
できない）をそれぞれ有しており、両者の係合により操
作側リング２１の反時計方向への回転が規制されるよう
になっている。

【００１８】本体装着側リング２２は、体表側リング１
１の接合部１１Ａの内径と略等しい外径の接合部２２Ａ
を下部に有し、接合部２２Ａはその外周面に体表側リン
グ１１の係合溝１４に係合する複数（本実施の形態では
３個）の突起２４を等間隔に有している。

【００１９】図２（ａ），（ｂ）は保持具本体１を示
し、（ａ）はその上面を、（ｂ）はその部分断面側面を
それぞれ示す。保持具本体１は、例えば、樹脂等によっ
て形成され、接合部１１Ａの下部の外周面に筒状の弾性
部材１３の端部を保持する凹部１１Ｂが形成されている
と共に、内周面に段差部１１Ｃと複数の鈎状の係合溝１
４が形成された体表側リング１１と、例えば、Ｔｉ−Ｎ
ｉ系の超弾性合金等の金属線よりなる芯材１８の外周上
に、筒状の弾性部材１３を保護する樹脂製保護チューブ
１９を被覆したものをリング状に形成してなる体腔内挿
入側リング１２と、体表側リング１１および体腔内挿入
側リング１２に端部がそれぞれ拡張されて取り付けられ
た柔軟なシリコーンの薄膜よりなる筒状の弾性部材１３
と、体表側リング１１の段差部１１Ｃ上に設けられた弾
性部材よりなるＯリング１７より構成されている。

【００２０】筒状の弾性部材１３は、一方の端部が体表
側リング１１の凹部１１Ｂに拡張された状態で填め込み
固定されていると共に、他方の端部が体腔内挿入側リン
グ１２に拡張された状態で一巻きされて接着されて固定
された構成を有している。なお、筒状の弾性部材１３の
一方の端部を体表側リング１１の凹部１１Ｂに填め込ん
だ後、固定用リングを取り付けると更に確実に固定する
ことができる。

【００２１】また、体表側リング１１，体腔内挿入側リ
ング１２および筒状の弾性部材１３の外径は、切開創の
大きさや手技により適宜選択されるが、本発明の適用を
考慮すると、体腔内挿入側リング１２の外径の４０〜８
０％程度とするのが望ましい。また各部に材質は、機能
を満足するものであれば良いが、医療用であり、直接切
開創と接触することを考慮して毒性のない生体適合性の
良好な材質を選択することが望ましい。

【００２２】図３（ａ），（ｂ）は弁プレート２の開通
状態を示し、（ａ）はその側面を、（ｂ）はその下面を
それぞれ示す。弁プレート２を開通させる場合、筒状の
弾性部材２３の筒部２３Ａが閉塞している状態から操作
側リング２１を時計方向に僅かに回転させて、操作側リ
ング２１の鋸歯状凹凸と本体装着側リング２２の鋸歯状
凹凸２５の係合を解く。このとき、筒状の弾性部材２３
の弾性力に基づいて操作側リング２１が反時計方向に所
定角度回転し、これによって筒部２３Ａが開通すると共
に、操作側リング２１および本体装着側リング２２が互
いに離される。

【００２３】図４（ａ），（ｂ）は弁プレート２の閉塞
状態を示し、（ａ）はその側面を、（ｂ）はその下面を
それぞれ示す。弁プレート２を閉塞する場合、操作側リ
ング２１を筒状の弾性部材２３の弾性力に抗して時計方
向に所定角度回転させる。このとき、操作側リング２１
および本体装着側リング２２は、互いに引き寄せられ、
筒状の弾性部材２３の筒部２３ａは捩じれて閉鎖状態と
なる。そして、操作側リング２１と本体装着側リング２
２が接した状態で操作側リング２１の時計方向への回転
力を解くと、筒状の弾性部材２３の弾性力に基づいて操
作側リング２１が反時計方向に回転し、操作側リング２
１の鋸歯状凹凸と本体装着側リング２２の鋸歯状凹凸２
５が係合し、閉塞状態が維持される。

【００２４】図５（ａ），（ｂ）は保持具本体１に取り
付けられるプレート部材としての多弁プレート３を示
し、（ａ）はその１つの弁を断面で表した部分断面側面
を、（ｂ）はその下面をそれぞれ示す。多弁プレート３
は、後述する弁の取り付け位置に挿通孔３１Ａを有した
プレート台３１と、プレート台３１上に設けられた所定
の外径の複数（本実施の形態では３個）の弁３２より構
成されている。プレート台３１は、体表側リング１１の
接合部１１Ａの内径と略等しい外径の接合部３１Ｂを下
部に有しており、接合部３１Ｂはその外周面に体表側リ
ング１１の係合溝１４に係合する複数（本実施の形態で
は３個）の突起３６を等間隔に有している。弁３２は、
一体成形あるいはねじ込みや接着によりプレート台３１
と一体化された弁基部３３内に、柔軟性弾性部材に交差
する切り込み３５を入れたクロス弁３４と、柔軟性弾性
部材に円形の抜き孔（図示せず）を設けた開口弁３７を
所定の間隔で重ねて設けて構成されている。この弁３２
は、器具が挿入されているときは開口弁３７の抜き孔の
縁部分が器具と密着して内部の気密を保ち、器具が抜か
れた状態では、クロス弁３４の切り込みが閉じて密着し
て内部の気密を保つようになっている。

【００２５】図６（ａ），（ｂ）は保持具本体１に取り
付けられるプレート部材としての多孔プレート４を示
し、（ａ）はその１つのポートを断面で表した部分断面
側面を、（ｂ）はその下面をそれぞれ示す。多孔プレー
ト４は、後述するポートの取り付け位置に挿通孔４１Ａ
を有したプレート台４１と、プレート台４１上に設けら
れた所定の外径の複数（本実施の形態では３個）のポー
ト４２より構成されている。プレート台４１は、体表側
リング１１の接合部１１Ａの内径と略等しい外径の接合
部４１Ｂを下部に有しており、接合部４１Ｂはその外周
面に体表側リング１１の係合溝１４に係合する複数（本
実施の形態では３個）の突起４４を等間隔に有してい
る。ポート４２は、一体成形あるいは接着等によってプ
レート台４１と一体化された円筒部材によって構成され
ている。

【００２６】図７（ａ），（ｂ）は保持具本体１に取り
付けられるプレート部材としての閉塞プレート５を示
し、（ａ）はその側面を、（ｂ）はその下面をそれぞれ
示す。閉塞プレート５は、体表側リング１１の接合部１
１Ａの内径と略等しい外径の接合部５１を下部に有し、
接合部５１はその外周面に体表側リング１１の係合溝１
４に係合する複数（本実施の形態では３個）の突起５１
を等間隔に有している。

【００２７】ここで、各プレート部材と対応する好適な
手技について説明する。保持具本体１にプレート部材を
取り付けていないときは、切開創の創縁の保護と切開創
の開放状態の保持が必要となる吊り上げ法の内視鏡下手
術において比較的大きな器具や手を体腔内に挿入する手
技に好適となる。また、保持具本体１に弁プレート２を
取り付けたときは、切開創の創縁の保護と切開創の開放
状態の保持が必要となり、かつ体腔内の気密性の保持が
必要となる気腹法の内視鏡下手術において手や比較的サ
イズが大きな器具を体腔内に挿入する手技に好適とな
る。また、保持具本体１に多弁プレート３を取り付けた
ときは、切開創の創縁の保護と切開創の開放状態の保持
が必要となり、かつ体腔内の気密性の保持が必要となる
気腹法の内視鏡下手術において比較的細い器具を体腔内
に複数本同時、あるいは別々に挿入する手技に好適とな
る。また、保持具本体１に多孔プレート４を取り付けた
ときは、切開創の創縁の保護と切開創の開放状態の保持
が必要となる吊り上げ法の内視鏡下手術において比較的
細い器具を体腔内に複数本同時、あるいは別々に挿入す
る手技に好適となる。更に、保持具本体１に閉塞プレー
ト５を取り付けたときは、手術中他の手技のため暫く切
開創を用いない場合の保護として使用するのに好適とな
る。

【００２８】図８（ａ），（ｂ），（ｃ）はプレート部
材として弁プレート２を保持具本体１に取り付ける過程
を示す。保持具本体１に弁プレート２を取り付ける場
合、まず、本体装着側リング２２の突起２４と体表側リ
ング１１の係合溝１４の位置合わせを行いつつ、体表側
リング１１の接合部１１Ａに本体装着側リング２２の接
合部２２Ａを挿入し（図中（ａ）の状態）、本体装着側
リング２２の接合部２２Ａの周縁と体表側リング１１の
段差部１１ＣでＯリング１７を圧縮すると共に、本体装
着側リング２２の突起２４を体表側リング１１の係合溝
１４の切欠部１４Ｂに挿入する（図中（ｂ）の状態）。
この状態から本体装着側リング２２を相対的に時計方向
へ回転させ、本体装着側リング２２の突起２４を係合溝
１４内でスライドさせて係合部１４Ａ内に挿入する（図
中（ｃ）の状態）。この状態では、本体装着側リング２
２の突起２４が係合溝１４の係合部１４Ａに係合し、保
持具本体１に弁プレート２が装着される。また、係合溝
１４に外れ防止突起１６が形成されているため、係合部
１４Ａから突起２４が容易に外れることがない。更に、
体表側リング１１および本体装着側リング２２の両接合
部１１Ａ，２２Ａ間にＯリング１７を設けているため、
両接合部１１Ａ，２２Ａ間の気密性を保つことができ
る。なお、多弁プレート３，多孔プレート４，および閉
塞プレート５も同様の手順で保持具本体１に取り付けら
れる。

【００２９】図９は上記切開創保持具を、例えば、腹壁
での使用状態を示し、７は腹壁、８は切開創、７１は皮
膚、７２は腹膜、８は切開創をそれぞれ表している。切
開創保持具１を腹壁７に取り付ける場合、体腔内挿入側
リング１２を楕円形に押し潰して細長くして体表側リン
グ１１より半分程度出るまで引き上げる。

【００３０】図１０はその様子を示し、体腔内挿入側リ
ング１２が楕円形に押し潰されて体表側リング１１内に
通され、体表側リング１１より半分程度出るまで引き上
げられている。

【００３１】この状態を維持しながら体腔内挿入側リン
グ１２を切開創８より押し込んでゆき、体腔内挿入側リ
ング１２を切開創８に挿入する。切開創８に体腔内挿入
側リング１２および筒状の弾性部材１３が挿入されるこ
とにより、皮膚７１と腹膜７２が体表側リング１１およ
び体腔内挿入側リング１２で挟まれ、筒状の弾性部材１
３で切開創８が開かれた状態に保持される。

【００３２】以上述べた第１の実施の形態の切開創保持
具によると、保持具本体１とプレート部材が着脱可能に
なっているため、保持具本体１を切開創に装着したまま
適用する手技によってプレート部材を自由に取り替える
ことができ、１つの切開創から様々な手技を可能とする
ことができる。例えば、弁プレート２を使用しての手技
終了後、切除した臓器の取り出しを行う際などにおいて
は、保持具本体１をそのまま切開創に装着したまま臓器
取り出しの手技に邪魔な弁プレート２のみを外すように
すれば良く、また急な手技の変更、例えば、多弁プレー
ト３による気腹手術中、急遽手を挿入しての処置が必要
になった場合などでは、弁プレート２に交換すれば同じ
気腹手術下で、しかも早急に対応することができ、ま
た、開腹手術への変更などにも対応できる。このように
１つの切開創から様々な手技が可能となるため、手術時
の作業性が向上すると共に低侵襲の手術を行うことがで
き、患者の負担を低減することができる。また、体腔内
挿入側リング１２が超弾性合金等の金属線よりなる芯材
１８を有して構成されているため、大きく変形させても
曲げ癖がつかず、完全に復元できる共に、形状保持が確
実となり、筒状の弾性部材の弾性力が低下しても切開創
を開放状態に保持する効果が低下することがない。

【００３３】図１１（ａ），（ｂ）は本発明の第２の実
施の形態に係る切開創保持具を示し、（ａ）は弁プレー
ト２の部分側面を、（ｂ）は保持具本体１の部分断面を
それぞれ示す。弁プレート２の本体装着側リング２２の
接合部２２Ｂの外周面に螺旋溝２２Ｂが、また、保持具
本体１の体表側リング１１Ａの内周面に螺旋溝２２Ｂと
ねじ係合する螺旋溝１１Ｄがそれぞれ形成されており、
螺旋溝２２Ｂと螺旋溝１１Ｄのねじ係合により弁プレー
ト２が保持具本体１に取り付けられるようになってい
る。なお、多弁プレート３，多孔プレート４，および閉
塞プレート５も同様に接合部に螺旋溝が形成されてお
り、適用される手技に応じて１つが選択され、螺旋溝同
士のねじ係合により保持具本体１に取り付けられる。

【００３４】なお、保持具本体１と各種のプレート部材
の接合手段は、プレート部材が必要な時に自在に着脱で
き、かつ手術中容易に外れない構造であれば上記に限定
するものではなく、例えば、凸凹嵌合する凸部および凹
部、磁石、あるいはねじ等でも良い。

【００３５】

【発明の効果】以上説明した通り、本発明の切開創保持
具によると、切開創を開いた状態に保持する保持具本体
に、接合手段を介してプレート部材を着脱自在に取り付
けて構成したため、１つの切開創から様々な手技を可能
とし、手術中の作業性の向上および患者の負担の低減を
図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１の実施の形態に係る切開創保持具
を示す説明図。

【図２】第１の実施の形態に係る保持具本体を示す説明
図。

【図３】第１の実施の形態に係る弁プレートの開通状態
を示す説明図。

【図４】第１の実施の形態に係る弁プレートの閉塞状態
を示す説明図。

【図５】第１の実施の形態に係る多弁プレートを示す説
明図。

【図６】第１の実施の形態に係る多孔プレートを示す説
明図。

【図７】第１の実施の形態に係る閉塞プレートを示す説
明図。

【図８】第１の実施の形態に係る保持具本体に弁プレー
トを取り付ける過程を示す説明図。

【図９】第１の実施の形態に係る腹壁での使用状態を示
す説明図。

【図１０】第１の実施の形態に係る腹壁に取り付ける時
の様子を示す説明図。

【図１１】本発明の第２の実施の形態に係る切開創保持
具を示す説明図。

【符号の説明】

１保持具本体２弁プレート３多弁プレート４多孔プレート５閉塞プレート７腹壁８切開創１１体表側リング１１Ａ接合部１１Ｂ，１１Ｃ段差部１１Ｄ螺旋溝１２体腔内挿入側リング１３筒状の弾性部材１４係合溝１４Ａ係合部１４Ｂ切欠部１６抜け止め突起１７Ｏリング１８芯材１９樹脂製保護チューブ２１操作側リング２２本体装着側リング２２Ａ接合部２２Ｂ螺旋溝２３筒状の弾性部材２３Ａ筒部２４突起２５鋸歯状凹凸３１プレート台３１Ａ挿通孔３１Ｂ接合部３２弁３３弁基部３４クロス弁３５切り込み３６突起４１プレート台４１Ａ挿通孔４１Ｂ接合部４２ポート４４突起５１接合部５２突起７１皮膚７２腹膜

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】手術中切開創に装着して切開創を開いた
状態に保持する切開創保持具において、対向配置した体表側リングおよび可撓性の体腔内挿入側
リングに筒状の弾性部材の両端部を拡張させて固定する
ことにより鼓型に形成され、前記筒状の弾性部材が前記
切開創の外部から内部に位置すると共に前記可撓性の体
腔内挿入側リングが前記切開創の内部に位置して前記切
開創に係止することにより前記切開創を開いた状態に保
持する保持具本体と、前記保持具本体の前記体表側リングに接合手段を介して
着脱自在に取り付けられたプレート部材より構成される
ことを特徴とする切開創保持具。
【請求項２】前記体表側リングは、所定の内径の内周
面あるいは所定の外径の外周面を有し、前記プレート部材は、前記所定の内径と等しい外径の外
周面あるいは前記所定の外径と等しい内周面を有し、前記接合手段は、前記体表側リングの前記内周面あるい
は前記プレート部材の前記内周面に鈎型に形成された溝
と、前記プレート部材の前記外周面あるいは前記体表側
リングの前記外周面に形成され、前記溝と係合する突起
より構成される請求項１記載の切開創保持具。
【請求項３】前記体表側リングは、所定の内径の内周
面あるいは所定の外径の外周面を有し、前記プレート部材は、前記所定の内径と等しい外径の外
周面あるいは前記所定の外径と等しい内周面を有し、前記接合手段は、前記体表側リングの前記内周面あるい
は前記外周面および前記プレート部材の前記外周面ある
いは前記内周面にそれぞれ形成された螺旋溝より構成さ
れる請求項１記載の切開創保持具。
【請求項４】前記体腔内挿入側リングは、超弾性合金
より構成される請求項１記載の切開創保持具。
【請求項５】前記プレート部材は、開閉可能な1 つの
弁を有した弁プレートである構成の請求項１記載の切開
創保持具。
【請求項６】前記プレート部材は、開閉可能な複数の
弁を有した多弁プレートである構成の請求項１記載の切
開創保持具。
【請求項７】前記プレート部材は、複数の連通孔を有
した多孔プレートである構成の請求項１記載の切開創保
持具。
【請求項８】前記プレート部材は、前記体表側リング
の開口を閉塞する閉塞プレートである構成の請求項１記
載の切開創保持具。
【請求項９】前記弁プレート，前記多弁プレート，前
記多孔プレート，および前記蓋プレートは、手技に応じ
て１つが選択されて前記体表側リングに取り付けられる
構成の請求項５，６，７，あるいは８記載の切開創保持
具。
【請求項１０】前記弁プレートは、所定の開口面積の
開口を有した筒状のプレート部材用弾性部材の両端部を
対向配置した第１および第２のプレート部材用リングに
固定して構成され、前記第１および第２のプレート部材
用リングをそれぞれ反対方向に回転させることにより前
記開口を開口状態から閉塞状態にする構成の請求項５記
載の切開創保持具。
【請求項１１】前記多弁プレートは、複数の挿通孔を
有したプレート部材と、前記複数の挿通孔の上部に設け
られ、柔軟弾性部材に交差する切り込みを入れたクロス
弁と柔軟製部材に円形の抜き孔を設けた開口弁を所定の
間隔で設けてなる複数の弁より構成される請求項６記載
の切開創保持具。