JP4262530B2 - 深海生物水槽 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、深海等の高水圧域で生息する動物、植物及び微生物等の深海生物を運搬したり飼育したりするのに用いる深海生物水槽に係り、とくに、コンパクトで可搬性に優れた深海生物水槽に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高水圧域で生息する深海生物は、大気圧域に引き上げると、圧力変動により死んでしまうものが多いが、一時的に生存可能なものがいる。このような深海生物を捕獲してその生命を維持するには、一刻も早く生存可能な水圧環境に収容する必要がある。しかしながら、従来にあっては、深海生物の主な捕獲現場である船上等の限られた場所において高い水圧環境を作ることが難しく、また、深海生物を運搬したり飼育したりするに際して簡単に取り扱うことができる水槽はなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、深海生物の生命を維持するには、所定の水圧環境が得られる密閉型の水槽を用いれば良いのであるが、例えば、空気が封入された状態で水槽内の水を加圧すると、空気が徐々に水に溶解するのに伴って水圧が低下すると共に、水中の溶存ガス濃度が高くなって生息域の溶存ガス濃度と異なるものとなり、これにより深海生物に損傷を与えるという問題がある。また、水槽が破損した場合、封入されていた空気が急激に膨張するため、水槽の破片が飛散する恐れがあるといった問題もある。
【0004】
【発明の目的】
本発明は、上記従来の状況に鑑みて成されたものであって、船上等のようにスペースが限られた場所においても、捕獲した深海生物が生息できる水圧環境を容易に得ることができ、深海生物の運搬や飼育に好適であって、コンパクトで可搬性に優れると共に、安全性にも優れた深海生物水槽を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の深海生物水槽は、空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容する密閉容器と、密閉容器内の空気の排出状態を維持しつつ同密閉容器内に対して突没する方向に移動可能な硬質の加圧体と、加圧体を密閉容器内に移動させて突出状態に保持する駆動体を備え、駆動体が、加圧体に対する力を増幅する手段を備えていることを特徴としている。
【0007】
さらに、本発明の深海生物水槽は、空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容する密閉容器と、加圧媒体とともに密閉容器を収容する耐圧容器と、耐圧容器内の加圧媒体を加圧する加圧機構を備え、密閉容器の少なくとも一部が可撓性材料で形成してあると共に、耐圧容器に、開閉可能な加圧媒体の圧入部を設け、圧入部に対して加圧機構を着脱自在にしたことを特徴としている。
【0008】
【発明の効果】
本発明の深海生物水槽によれば、比較的簡単な構成であって、船上等のようにスペースが限られた場所でも、捕獲した深海生物が生息できる水圧環境を容易に得ることができ、この際、密閉容器内の空気の排出状態を維持しつつ同密閉容器内の水を加圧することから、混入空気による水圧の低下や水中の溶存ガス濃度の上昇を未然に防止して、深海生物の水圧環境を良好に維持することができる。
【0009】
さらに、本発明の深海生物水槽によれば、密閉容器又は密閉容器と耐圧容器を単体として取り扱うことができるので、深海生物の運搬や飼育にも非常に便利なものとなり、また、万一水槽が破損したとしても、急激に膨張する混入空気が除去してあるので水槽の破片が飛散するような事態に至ることもなく、安全性にも優れ、そしてまた、コンパクトで可搬性に優れたものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の深海生物水槽は、空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容する密閉容器と、密閉容器内の空気の排出状態を維持しつつ同密閉容器内に対して突没する方向に移動可能な硬質の加圧体と、加圧体を密閉容器内に移動させて突出状態に保持する駆動体を備え、駆動体が、加圧体に対する力を増幅する手段を備えているものとなっている。
この場合、加圧体は適宜の体積を有するもので、材質としては、例えば、ガラス、ステンレススチール、セラミックス、プラスチック類等の硬質のものが挙げられ、その形状としては、とくに限定されないが、例えば、丸棒状や角棒状等が挙げられる。また、駆動体には、梃子、ねじ、ジャッキ等の力を増幅する手段を用いることができ、とくに、ねじを用いる場合には、加圧体と駆動体を別体にしたり双方を一体にしたりすることができる。
上記の深海生物水槽では、空気を排出した状態にして水とともに深海生物を密閉容器に収容した後、駆動体により、密閉容器内の水圧に抗して加圧体を突出方向に移動させ、さらに加圧体を突出状態に保持する。これにより、密閉容器において、空気の排出状態を維持しつつ、加圧体とほぼ同体積分の水を加圧圧縮する。このとき、望ましくは、圧力容器に、内部水圧を検出する圧力計を設けておき、この圧力計を確認しつつ駆動体を操作して加圧体の突出量を設定すれば、水圧を容易に調整することができる。
このように、上記深海生物水槽では、その構造や操作性をより簡単なものにすることができ、深海生物の運搬や飼育に対しても利便性がより高められる。
【0011】
なお、本発明の深海生物水槽は、深海生物(海洋生物)を主に対象としているが、その他の深層生物にも当然適用可能であり、密閉容器に収容する水としては海水だけでなく真水も含まれる。
【0012】
密閉容器は、その内部の水が加圧されるので、当然のことながら加圧に対応した耐圧性を有するものであり、代表的には、2MPa以上の水圧に対する耐圧性を有すると共に、対象とする深海生物を収容し得るものであれば、形状等がとくに限定されるものではなく、材質にあっても、例えば、ステンレススチール、チタン、アクリル、塩化ビニル、及びこれらの複合材等が挙げられる。
【0013】
また、密閉容器は、水とともに深海生物を収容して蓋等で密閉することとなるが、このとき、例えば蓋を容器内に押し込み、開放した圧入部等から水を溢流させることによって内部の空気を排出する。なお、空気の排出状態としては、実質的に密閉容器内に空気の封入がない状態が得られればよく、ごく僅かに残留した空気が水の加圧とともに水中に溶解することもあり得るが、収容した深海生物に損傷を与えるほどの溶存ガス濃度の上昇が生じることはない。
【0015】
このように、深海生物水槽では、空気の排出状態を維持しつつ密閉容器内の水を加圧するので、混入空気による水圧の低下や水中の溶存ガス濃度の上昇が生じることはなく、深海生物の水圧環境を良好に維持し得るものとなる。また、万一水槽が破損したとしても、急激に膨張する混入空気が除去してあるので水槽の破片が飛散するような事態に至る心配もなく、安全性にも優れたものとなる。
【0016】
また、上記深海生物水槽では、密閉容器を単体として取り扱うことが可能になるので、深海生物の運搬や飼育に対する利便性を非常に高めることができる
【0024】
さらに、本発明の深海生物水槽の他の好適な実施形態では、空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容する密閉容器と、加圧媒体とともに密閉容器を収容する耐圧容器と、耐圧容器内の加圧媒体を加圧する加圧機構を備え、密閉容器の少なくとも一部が可撓性材料で形成してあると共に、耐圧容器に、開閉可能な加圧媒体の圧入部を設け、圧入部に対して加圧機構を着脱自在にしたことを特徴としており、また、加圧機構における加圧媒体が、液体又は気体である構成としている。
【0025】
この場合、密閉容器は、例えば、ステンレススチール、チタン、アクリル、塩化ビニル及びこれらの複合材等の材質で主体部を形成すると共に、その一部を塩化ビニル、ゴム及び金属製薄膜等の可撓性材料で形成することができるほか、可撓壁を複数個所に設けたり全体を可撓性材料で形成したりすることもよく、例えば樹脂製の袋体であってもよい。
【0026】
また、耐圧容器としては、形状や材質がとくに制限されることはないが、例えば、ステンレススチール、チタン、アクリル、塩化ビニル及びこれらの複合材等から成る容器が挙げられる。なお、耐圧容器は、加圧に対応した耐圧性を有するものであり、代表的には2MPa以上の水圧に対する耐圧性を有するもの等である。この耐圧容器に収容する加圧媒体としては、例えば、水や油等の液体、又は空気を含むガスを用いることができ、これらは加圧機構を構成するポンプ、コンプレッサー、ガスボンベ等により加圧供給される。
【0027】
上記の深海生物水槽は、密閉容器に、空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容し、次いで、耐圧容器に、密閉容器とともに加圧媒体を収容した後、加圧機構によって耐圧容器内の加圧媒体を加圧することにより、密閉容器における可撓性材料の部分(例えば可撓壁)を介して同密閉容器内の水を加圧する。これにより、密閉容器の空気の排出状態を維持しつつ、密閉容器内を深海生物に適した水圧環境にする。
【0028】
このように、上記深海生物水槽は、先の各実施形態と同様に、船上等のようにスペースが限られた場所においても、捕獲した深海生物が生息できる水圧環境を容易に得ることができ、且つ安全性及び可搬性にも優れたものであるうえに、耐圧容器に複数の密閉容器を収納して同時に加圧することもでき、深海生物の運搬等において利便性をより一層高めることができる。
【0029】
なお、本発明の深海生物水槽は、上記各実施形態のほか、密閉容器から取り出した水に濾過や生物処理等を行って再び密閉容器に戻す循環機構、密閉容器から取り出した水を大気圧で曝気して再び密閉容器に圧送するガス置換機構、給餌機構及び観察窓等を設けることにより、飼育用としての利便性を高めることもできる。また、当該深海生物水槽は、密閉容器に圧力計を取り付けるのが好ましく、さらに、深海の水温は摂氏4度前後であることから、冷却手段を設けて深海生物の損傷を防ぐのがより好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明の深海生物水槽の参考例及び実施例を説明するが、本発明の深海生物水槽の詳細な構成はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】
参考例
図1に示す深海生物水槽は、空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容する密閉容器1と、密閉容器1内の空気の排出状態を維持しつつ加圧媒体を介して密閉容器1内の水を加圧する加圧機構12を備えている。密閉容器1は、円筒状胴部2と、Oリング3を介して円筒状胴部2の下端部外側に水密的にねじ結合した底蓋4と、Oリング5を介して円筒状胴部2の上端部内側に水密的にねじ結合する上蓋6を備えている。
【0032】
また、上蓋6は、上側の中心部に、パイプ7、開閉弁8及び流体継手の一方であるソケット9で構成した開閉可能な加圧媒体の圧入部10が設けてあり、容器内となる下側に、空気の排出を容易にするために、圧入部10を中心にして逆漏斗状を成す傾斜面6aが形成してある。さらに、密閉容器1は、円筒状胴部2の外周に、例えば金属製のベルト11が巻き付けてあり、これにより耐圧性の向上や円筒状胴部2の薄肉化を図っている。
【0033】
加圧機構12は、加圧媒体の加圧源としてガス圧(空気圧)を用いるものであって、ガスボンベ13、ストップ弁14、減圧弁15、三方弁16、加圧媒体の圧入パイプ17、及び流体継手の他方であるプラグ18を順次連結した構成を有し、密閉容器1の圧入部10を構成するソケット9に対してプラグ18が着脱自在になっている。また、減圧弁15と三方弁16の間には圧力計19が設けてある。さらに、この参考例では、加圧媒体として水を使用する。
【0034】
なお、三方弁16は、圧入パイプ17に対する流路を減圧弁15側と大気側とに切り替えるものである。また、加圧媒体の圧入パイプ17を設けた目的は、本参考例では加圧源がガス圧であるので、加圧媒体の充填量を充分なものにして、密閉容器1内へのガスの混入を防ぐためである。
【0035】
上記構成を備えた深海生物水槽では、上蓋6を外した密閉容器1内に、充分な水とともに深海生物を収容し、開閉弁8を開いた状態にして上蓋6を円筒状胴部2にねじ結合する。この際、密閉容器1では、上蓋6のねじ込みとともに空気が排出され、さらに水が圧入部10から溢流することとなり、実質的に空気が封入されていない状態となる。
【0036】
次に、加圧機構12において、大気開放の状態にした三方弁16から注入した加圧媒体(水)を圧入パイプ17に通してプラグ18から溢流させながら、プラグ18と圧入部10のソケット9とを連結することにより、空気の混入を防ぎつつ経路に加圧媒体(水)を充填し、続いて、三方弁16を減圧弁15側に切り替える。なお、この場合の加圧媒体(水)の充填量は、ガス圧により加圧媒体が圧入されても、密閉容器1内にガスが流入することのない充分な量とする。
【0037】
その後、ガスボンベ13のストップ弁14を開くことにより、ガス圧で加圧媒体を密閉容器1内に向けて加圧し、これにより密閉容器1内の空気の排出状態を維持しつつ同密閉容器1内の水を加圧する。この際、圧力計19を見ながら減圧弁15を調節し、所定の圧力に達したときに開閉弁8を閉じれば、密閉容器1内の水圧が維持されることとなる。
【0038】
このように、上記参考例の深海生物水槽では、密閉容器1内に空気を混入させることなく内部の水を加圧して、深海生物に適した水圧環境を速やかに作ることができ、また、ソケット9からプラグ18を外せば、密閉容器1を単体として取り扱うことができ、深海生物の運搬や飼育に非常に便利であり、コンパクトで可搬性に優れている。
【0039】
(実施例
図2に示す深海生物水槽において、密閉容器21は、有底円筒状の容器本体22と、Oリング23を介して容器本体22の開口部内側にねじ結合される落とし蓋の如き蓋体24を備えている。蓋体24は、上部中央に、めねじ24aを形成した凹部24bが設けてあると共に、中心部に、加圧体25が設けてある。
【0040】
加圧体25は、密閉容器1内に対して突没する方向に移動可能に設けてある。より具体的には、加圧体25は、蓋体24の凹部24bの中心に設けた貫通孔24cに対し、Oリング26を介して、摺動自在に且つ水密的に貫通していると共に、上端部に固定したばね座27と蓋体24の上面との間にスプリング28を介装することで上方向に付勢してあり、下端部には、抜け止め用の鍔部25aが形成してある。
【0041】
また、深海生物水槽は、上記加圧体25に対して、これを移動させて突出状態に保持する駆動体29を備えている。駆動体29は、概略円盤状の部材であって、蓋体24の凹部24bに対応して、おねじ29aを形成した凸部29bを有すると共に、凸部29bの中央には、加圧体25の上端部が突入する受け穴29cを有している。
【0042】
上記構成を備えた深海生物水槽は、容器本体22に、充分な水とともに深海生物を収容し、容器本体22に蓋体24をねじ結合する。この際、当該深海生物水槽では、蓋体24が落とし蓋の如き形態を成しているので、ねじ込むにしたがって内部の空気が螺合部分から外部に排出され、さらに内部の水が螺合部分から溢れ出し、最終的に蓋体24の鍔部24dがOリング23に圧接して密閉容器1を封止する。このとき、加圧体25は、スプリング28の作用で図示の位置よりも上側にあり、鍔部25aが蓋体24の下面に当接している。
【0043】
次に、当該深海生物水槽では、蓋体24の凹部24bに駆動体29の環状凸部29bをねじ込むと、これと同時に受け穴29cの天面とばね座27が当接し、さらに駆動体29をねじ込むことで、密閉容器21内の水圧に抗して加圧体25を水中に突出させ、これにより空気の排出状態を維持しつつ密閉容器21内の水を加圧する。そして、密閉容器21に設けた圧力計(図示せず)を見ながら、駆動体29のねじ込み量を増すことで水圧を高めていき、所定の圧力に達したところで駆動体29のねじ込みを止める。
【0044】
このように、上記実施例の深海生物水槽では、密閉容器21内に空気を混入させることなく内部の水を加圧して、深海生物に適した水圧環境を速やかに作ることができると共に、深海生物の運搬や飼育に非常に便利であって、コンパクトで可搬性に優れており、また、電気やガス等の動力源も一切不要であって、構造の大幅な簡略化、小型軽量化及び低コスト化などを実現し得るものとなる。
【0045】
(実施例
図3に示す深海生物水槽は、図2に示す実施例の深海生物水槽では加圧体25と駆動体29が別体であったのに対して、加圧体25を駆動体29の凸部29bに一体化した構成を有している。この場合、ばね座(図2中の符号27)やスプリング(図2中の符号28)が不要となり、構造がより簡単なものになると共に、部品点数の削減等によりさらなる低コスト化も実現する。
【0046】
上記の深海生物水槽では、容器本体22に充分な水とともに深海生物を収容すると共に、予め蓋体24に駆動体29を組み付けておき、この際、空気の残留が生じないように、図示の如く蓋体24の下面と加圧体25の先端面が連なる状態に双方を組み付けておき、この状態で容器本体22に蓋体24をねじ結合することで、先の実施例と同様に密閉容器21内の余分な水と空気を排出する。その後、駆動体29を下方にねじ込むことにより、図中に仮想線で示すように加圧体25を密閉容器21内に移動させて同密閉容器21内の水を加圧し、且つ加圧体25の突出状態を保持して所定の水圧環境を維持する。
【0047】
また、上記の深海生物水槽では、以下の手順で密閉容器21内の水を加圧することもできる。すなわち、容器本体22に充分な水とともに深海生物を収容した後、容器本体22に蓋体24のみをねじ結合して、貫通孔24cから凹部24c内に水を溢れ出させる。その後、貫通孔24cに加圧体25を挿入して蓋体24に駆動体29をねじ込み、加圧体24を密閉容器21内に移動させて突出状態を保持することにより、密閉容器21内の空気の排出状態を維持しつつ同密閉容器21内の水を加圧し、且つその水圧環境を維持することができる。
【0048】
上記の深海生物水槽にあっても、先の実施例と同様に、深海生物に適した水圧環境を速やかに作ることができると共に、深海生物の運搬や飼育に非常に便利であって、コンパクトで可搬性に優れており、また、電気やガス等の動力源も一切不要であり、構造のさらなる簡略化、小型軽量化及び低コスト化などを実現し得るものとなる。
【0049】
(実施例
図4(a)に示す深海生物水槽は、密閉容器41の一部が可撓性材料で形成した可撓壁42になっており、この密閉容器41に水とともに深海生物を収容し、且つ先の各実施例と同様に密閉容器41内の空気を排出状態にする。
【0050】
また、この深海生物水槽は、加圧媒体とともに密閉容器41を収容する耐圧容器43と、耐圧容器43内の加圧媒体を加圧する加圧機構12を備えており、耐圧容器43内の加圧媒体を加圧することで、図中に仮想線で示すように密閉容器41の可撓壁42を容器内に膨出変形させ、これにより空気の排出状態を維持しつつ密閉容器41内の水を加圧するものとなっている。
【0051】
なお、耐圧容器43には、図1に示す参考例と同様の加圧媒体の圧入部10が設けてあると共に、加圧機構12には、図1に示す参考例と同様の加圧機構が用いられており、耐圧容器43の圧入部10に対して加圧機構12を自在に着脱することができる。また、本実施例では加圧媒体としてガスを使用している。
【0052】
上記の深海生物水槽にあっても、先の各実施例と同様の効果を得ることができるうえに、図4(b)に示すように、耐圧容器43に複数の密閉容器41を収容することもでき、この場合には、各密閉容器41内の水を同時に加圧して、深海生物に適した水圧環境を維持することができ、また、耐圧容器43と加圧機構12を分離し得るので、深海生物の運搬や飼育にも非常に便利であって、コンパクトで可搬性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の深海生物水槽の参考例を説明する断面図である。
【図2】 本発明の深海生物水槽の実施例を説明する断面図である。
【図3】 本発明の深海生物水槽のさらに他の実施例を説明する断面図である。
【図4】 本発明の深海生物水槽のさらに他の実施例を説明する断面図(a)及び耐圧容器に複数の密閉容器を収容した場合を示す平面説明図(b)である。
【符号の説明】
1 21 41 密閉容器
10 圧入部
12 加圧機構
25 加圧体
29 駆動体
42 可撓壁
43 耐圧容器

Claims (4)

  1. 空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容する密閉容器と、密閉容器内の空気の排出状態を維持しつつ同密閉容器内に対して突没する方向に移動可能な硬質の加圧体と、加圧体を密閉容器内に移動させて突出状態に保持する駆動体を備え、駆動体が、加圧体に対する力を増幅する手段を備えていることを特徴とする深海生物水槽。
  2. 加圧体に対する力を増幅する手段が、密閉容器のめねじとこれに螺合する駆動体のおねじであることを特徴とする請求項1に記載の深海生物水槽。
  3. 空気を排出した状態にして水とともに深海生物を収容する密閉容器と、加圧媒体とともに密閉容器を収容する耐圧容器と、耐圧容器内の加圧媒体を加圧する加圧機構を備え、密閉容器の少なくとも一部が可撓性材料で形成してあると共に、耐圧容器に、開閉可能な加圧媒体の圧入部を設け、圧入部に対して加圧機構を着脱自在にしたことを特徴とする深海生物水槽。
  4. 加圧媒体が、液体又は気体であることを特徴とする請求項3に記載の深海生物水槽。
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