JP4262493B2 - 射出成形機の金型固定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形機の金型固定装置に関し、特に、磁力により金型固定盤に固定された金型が作業中に落下するのを未然に防止可能なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な射出成形機は金型を固定する為の1対の金型固定盤を有し、金型が金型固定盤にボルト又は油圧を利用したクランプ装置等で固定されることが多い。しかしながら、近年、金型固定盤の盤面に固定されたプレート部材の表面に磁力を発生させ、その磁力により金型を固定する射出成形機も用いられつつある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ボルト又はクランプ装置で金型を固定する場合には、ボルト穴やクランプ装置の配置により金型の固定位置が限定されるのに対し、前述のように磁力を用いる場合にはそのような制約がなく、固定位置選択の自由度が高い。さらに、実用に供されている磁力利用型の射出成形機の中には、プレート部材に設けられた電磁石等に電流を流すことで、金型固定面に磁力を発生させたりその磁力を消去したりして、金型の固定あるいは固定解除を行うことができるものも多く、このような射出成形機においては、金型の交換作業も容易である。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−315132号公報(第2−4頁、図1−2)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述の磁力を利用して金型を固定する射出成形機においては、種々のサイズの金型を磁力によりプレート部材の表面に固定することができる。しかしながら、金型のサイズが小さい場合には金型とプレート部材との接触面積が小さいため、金型に作用する磁力も必然的に小さくなる。そのため、サイズのかなり小さい金型を磁力によりプレート部材に固定した場合には、例えば、成形品を金型から取り出す際に金型に作用する力などにより、射出成形作業中に金型がプレート部材の表面から部分的に離間してしまい、金型に作用する磁力が急激に低下して金型が落下してしまう虞がある。
本発明の目的は、使用予定の金型が、十分な磁力が作用して作業中に落下する虞のない所定のサイズを有するか否かを成形作業の前に判定することで作業中の金型の落下を防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の射出成形機の金型固定装置は、金型を固定する為の1対の金型固定盤を備えた射出成形機において、前記1対の金型固定盤に金型を磁力により固定解除可能に夫々吸着固定する金型固定手段と、前記金型固定盤の盤面の第1の所定位置から金型の第1の側面までの距離を検出する為の超音波センサとレーザーセンサと受発光センサの何れかからなる第1センサ手段と、前記金型固定盤の盤面の第2の所定位置から前記第1の側面と直交する金型の第2の側面までの距離を検出する為の超音波センサとレーザーセンサと受発光センサの何れかからなる第2センサ手段と、前記第1センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第1の側面までの距離が第1の所定値よりも小さい場合且つ前記第2センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第2の側面までの距離が第2の所定値よりも小さい場合、金型固定盤に固定された金型は落下する虞がない所定サイズより大きいサイズを有すると判定すると共に、前記第1センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第1の側面までの距離が第1の所定値よりも大きい場合又は前記第2センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第2の側面までの距離が第2の所定値よりも大きい場合、金型固定盤に固定された金型は落下する虞がない所定サイズより小さいサイズを有すると判定するサイズ判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0007】
この金型固定装置においては、金型固定手段により、1対の金型固定盤に磁力を利用して金型を吸着固定するため、サイズの小さな金型であっても磁力により金型を金型固定盤に固定することはできる。しかし、金型のサイズが余りにも小さい場合には、金型固定盤の金型固定面と金型との接触面積が小さく、必然的に金型に作用する磁力が小さくなるため、金型内のキャビティから成型品を取り出す際などに金型に対して金型固定面に垂直な方向の力が作用したときに、金型が落下してしまう虞がある。
【0008】
そこで、第1,第2センサ手段からの出力に基づいて、サイズ判定手段により金型が金型固定盤に固定可能な所定のサイズを有する否かを射出成形機による射出成形作業前に事前に判定することで、作業中に落下する虞があるサイズの小さな金型が使用されてしまうのを未然に防止することができる。ここで、サイズ判定手段により金型が所定のサイズを有さず使用不可能と判定されたときには、ブザーやランプ等の報知手段により作業者にその旨を報知したり、あるいは、金型固定手段による金型の固定を禁止したりして射出成形機が使用できないように構成してもよい。
【0009】
【0010】
そして、第1センサ手段と第2センサ手段により夫々第1、第2の所定位置から金型までの距離を検出することで、サイズ判定手段により金型が金型固定盤に固定可能な所定のサイズを有するかどうかを適切に判定することができる。また、第1の所定位置から金型の第1の側面に向かう方向と、第2の所定位置から金型の第2の側面に向かう方向とが、互いに直交しているため、一般的な略矩形状の金型を使用した場合には、その寸法を正確に把握可能になり、サイズ判定手段における判定をより正確に行うことができる。
【0011】
そして、前記第1,第2センサ手段は、超音波センサとレーザーセンサと受発光センサの何れかからなるセンサであるため、金型を金型固定面に固定する際のクランプ力が低下したり、あるいは、金型固定作業の邪魔になるなどの支障が生じないような、金型から所定距離離れた位置に超音波センサを配設することができる。
【0012】
請求項2の射出成形機の金型固定装置は、請求項1の発明において、前記サイズ判定手段は、金型が前記所定のサイズを有していないと判定したときに前記金型固定手段による金型の固定を禁止することを特徴とするものである。従って、金型が所定のサイズを有しておらず作業中に落下する虞があると判定された場合には、金型が金型固定盤に固定されずその金型を使用できないため、金型が作業中に落下するのを未然に防止できる。
【0013】
請求項3の射出成形機の金型固定装置は、請求項1の発明において、前記1対の金型固定盤は、固定盤とこの固定盤に対向し且つ固定盤に接近/離隔する方向に移動可能な可動盤であり、前記可動盤を前記接近/離隔する方向に駆動する可動盤駆動機構を備え、前記サイズ判定手段は、金型が前記所定のサイズを有していないと判定したときに可動盤駆動機構により可動盤の前記接近/離隔する方向へ駆動するのを禁止することを特徴とするものである。
【0014】
従って、金型が所定のサイズを有しておらず作業中に落下する虞があると判定された場合には、可動盤駆動機構により可動盤を固定盤に接近/離隔する方向に駆動するのが禁止されるため、金型を使用して成形作業ことが不可能になり、作業中に金型が落下するのを未然に防止できる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について説明する。本実施形態は、横向きに相対向する1対の金型固定盤を備えた横型射出成形機に本発明を適用した一例である。先ず、射出成形機1について簡単に説明する。
図1に示すように、射出成形機1は、固定金型2a及び可動金型3aを固定する為の相対向する固定盤2及び可動盤3と、金型2a,3aの型締めと型開きを行う為に可動盤3を固定盤2に対して接近/離隔する方向に駆動する型締め用の油圧シリンダ31(図6参照)を有する可動盤駆動機構4と、可動盤3を前記接近/離隔方向に移動自在にガイド支持する4本のガイドロッド5と、型締め状態で金型2a,3a内に形成されるキャビティに溶融状の合成樹脂を供給する為の射出筒6aを有する樹脂供給機構6と、可動金型3aから成形品を取り出すエジェクト機構(図示略)と、射出成形機1の全体の制御を司る制御ユニット7(図6参照)などを備えている。
【0016】
この射出成形機1により成形作業を行う際には、油圧シリンダ31により可動盤3が固定盤2に接近する方向に駆動されて、固定金型2aに可動金型3aが押圧されて型締め状態となり、この状態で、内部にスクリューコンベア状の加圧部材を有する射出筒6aの先端から金型2a,3a内に溶融状の合成樹脂が供給されて、成形品が射出成形される。その後、油圧シリンダ31により可動盤3が固定盤2から離隔する方向に駆動されて、可動金型3aが固定金型2aから離隔して型開き状態となる。この状態で、エジェクト機構により成形品が可動金型3aから取り出される。
【0017】
次に、固定盤2及び可動盤3について説明する。図1〜図3に示すように、固定盤2と可動盤3には、側面視矩形状の固定金型2aと可動金型3aとが夫々固定される。固定盤2と可動盤3は略同じ構造を有するので、以下、固定盤2について詳細に説明する。
【0018】
図1、図2に示すように、固定盤2は側面視で正方形状に形成され、固定盤2の4つの角部の近傍部には夫々ガイドロッド5を挿通する為の挿通孔2bが設けられ、4本のガイドロッド5は4つの挿通孔2bに夫々挿通された状態で固定盤2に固定されている。この固定盤2には、磁力を利用して固定盤2に金型2aを固定する金型固定装置10が設けられ、固定金型2aはロケートリング16により固定盤2に対する位置が決められた状態で、金型固定装置10により固定盤2に固定される。尚、固定盤2の下端部には、万が一、金型2aが落下した場合に、下方から金型2aを受け止める落下防止ブロック17が設けられている。
【0019】
図2〜図6に示すように、金型固定装置10は、固定盤2の盤面2cに固定され磁力により金型2aを固定盤2に固定する略正方形状のマグネットプレート11(金型固定手段に相当する)と、固定盤2に固定される金型2aのサイズに関連する信号を出力する2つの超音波センサ12,13(センサ手段)とを備えている。
【0020】
マグネットプレート11は、固定盤2に形成された溝部2dに位置決めされた状態で、固定盤2の中央部に複数のボルトにより固定盤2に固定され、マグネットプレート11の左面には鉛直な金型固定面11aが形成されている。金型固定面11aの中央部の近傍位置には、固定金型2aを固定する際に、この金型2aが金型固定面11a付近の所定の固定位置にあるかどうかを検出する近接スイッチ18が取り付けられている。
【0021】
このマグネットプレート11には、磁性体製の複数のブロック部材14と、金型固定面11aに金型2aを吸着させる磁力を発生させる磁力発生機構15が設けられている。図2、図4、図5に示すように、複数のブロック部材14は点対称の位置に夫々配設されて、夫々非磁性体(例えば、SUS304)製のボルト21でマグネットプレート11に固定されている。
【0022】
図4、図5に示すように、磁力発生機構15は、複数のブロック部材14の周囲に配設された複数の永久磁石22と、複数のブロック部材14の右側に夫々配設された4つのアルニコ磁石23と、これら4つのアルニコ磁石23に夫々巻装された4組のコイル24とを有する。金型2aを金型固定面11aに固定する際に、通電スイッチ30(図6参照)を操作してコイル24に所定の方向へ数秒間通電すると、図4に示すように、ブロック部材14において、アルニコ磁石23による磁束の向きが永久磁石22による磁束の向きと同じになるように、アルニコ磁石23の磁極が変化する。従って、金型2aとマグネットプレート11(ブロック部材14)との間に図4の鎖線で示すように磁束が通り、金型2aが金型固定面11aに固定される。
【0023】
一方、金型2aの固定を解除する際には、通電スイッチ30を操作して前記の金型2aを固定する場合とは逆方向に、数秒間コイル24に通電すると、アルニコ磁石23の磁極が反転し、ブロック部材14において、アルニコ磁石23による磁束が金型固定面11aから出ないようになる。従って、図5の鎖線で示すように、マグネットプレート11の内部にのみ磁束が通ることとなり、金型2aには磁力が作用しなくなって金型2aの固定が解除される。
【0024】
次に、固定金型2aのサイズに関連する信号を出力する、2つの超音波センサ12,13について説明する。図2に示すように、超音波センサ12(第1センサ手段)は、マグネットプレート11の下端の前後方向中央位置(第1の所定位置)において固定盤2の盤面2cに取り付けられており、超音波センサ12は、マグネットプレート11の下端から矩形状の固定金型2aの下端面までの上下方向の最短距離L1を検出可能である。一方、超音波センサ13は(第2センサ手段)は、マグネットプレート11の前端の上下方向中央位置(第2の所定位置)において固定盤2の盤面2cに取り付けられており、超音波センサ13は、マグネットプレート11の前端から矩形状の固定金型2aの前端面までの前後方向の最短距離L2を検出可能である。
【0025】
このように、2つの超音波センサ12,13は、マグネットプレート11の下端と前端の位置に取り付けられているため、固定金型2aを金型固定面11aに吸着固定させる際に超音波センサ12,13が金型2aに干渉しにくいし、超音波センサ12,13を取り付けることにより金型固定面11aの吸着面積が減少することもないため、金型2aの固定に関して特に支障が生じない。ところで、前述のように、固定金型2aは、ロケートリング16により固定盤2に対して位置決めされた状態で固定されるため、2つの超音波センサ12,13により距離L1,L2を検出すれば、矩形状の固定金型2aのサイズ(2辺の寸法)を特定することが可能になる。
【0026】
尚、図3に示すように、可動盤3においても、固定盤2と同様に、金型固定面11aを備えたマグネットプレート11と、近接スイッチ18、2つの超音波センサ12,13等が設けられており、複数のブロック部材14の配置が異なる点を除けば、その構成及び作用は固定盤2と略同様であるため説明を省略する。
【0027】
次に、射出成形機1の制御系について説明する。
図6に示すように、射出成形機1の制御系を司る制御ユニット7は、マイクロコンピュータと、このマイクロコンピュータにバスを介して接続された入出力インターフェース等を有する。そして、この制御ユニット7には、2つの超音波センサ12,13からの信号や、近接スイッチ18からの信号、通電スイッチ30からの信号等、種々の信号が入力され、一方、制御ユニット7からは、磁力発生機構15のコイル24や可動盤駆動機構4の油圧シリンダ31に種々の指令信号が出力される。さらに、この制御ユニット7には、警告用のブザー32も接続されている。
【0028】
ところで、制御ユニット7のマイクロコンピュータのROMには、射出成形機1における種々の作業を制御する種々のプログラムが格納されている。それらのプログラムには、金型2a,3aが固定盤2及び可動盤3に固定可能な所定のサイズを有するか否かを判定するサイズ判定処理のプログラムが含まれる。このサイズ判定処理について、固定盤2に固定金型2aを固定する場合を例にとって以下説明する。但し、Si(i=10,11,12・・)は各ステップを示す。
【0029】
図7に示すように、射出成形機1に電源が投入されている状態で、金型2aを固定盤2に固定するために、金型2aを金型固定面11aに接近させて近接スイッチ18がONになったときに(S10)、超音波センサ12により検出された上下方向の最短距離L1が所定値αよりも小さく(S11:Yes)、且つ、超音波センサ13により検出された前後方向の最短距離L2が所定値βよりも小さい場合には(S12:Yes)、金型2aのサイズが所定のサイズより大きく金型2aに十分に磁力が作用して作業中に落下する虞がないために、この金型2aを使用可能と判定して(S13)、リターンする。
【0030】
一方、上下方向の最短距離L1が所定値αよりも大きいか(S11:No)、又は、前後方向の最短距離L2が所定値βよりも大きければ(S12:No)、金型2aのサイズが所定のサイズよりも小さく金型2aに十分な磁力が作用しないため作業中に落下する虞があるため、この金型2aは使用不可能と判定する(S14)。さらに、このときには、通電スイッチ30の操作を無効化して金型固定面11aに磁力を発生させることができないようにし(S15)、金型2aを固定盤2に固定できなくすることで、サイズの小さい金型2aが作業中に落下するのを未然に防ぐ。ここで、所定値α,βは、2辺の寸法が夫々α,βである金型2aに作用する磁力が作業中に落下する虞のない所定のクランプ力よりも大きくなるように設定される。尚、制御ユニット7のマイクロコンピュータと図7のサイズ判定処理のプログラムがサイズ判定手段に相当する。
【0031】
次に、金型固定装置10の作用について説明する。
この金型固定装置10により、金型2a,3aを固定盤2及び可動盤3に固定する場合には、先ず、固定盤2及び可動盤3において、射出成形機1の側方に配設された図示外の金型搬送機構や、クレーン等の搬送手段により金型2a,3aを所定の固定位置付近まで移動させておく。
【0032】
このとき、サイズ判定処理が実行され、図7に示すように、近接スイッチ18がONになった状態で(S10:Yes)、図2、図3における上下方向の距離L1が所定値αよりも大きい(S11:No)、又は前後方向の距離L2が所定値βよりも大きい場合には(S12:No)、金型2a,3aの大きさが固定盤2又は可動盤3に固定可能なサイズを有さないと判定されて(S14)、通電スイッチ30の操作が無効化される(S15)。従って、この状態で通電スイッチ30を操作してもコイル24には通電されず、金型固定面11aに磁力が発生しないため金型2a,3aは金型固定面11aに固定されない。
【0033】
一方、距離L1,L2が夫々所定値α,βよりも小さい場合には(S11,S12:Yes)、金型2a,3aは固定可能なサイズを有すると判定されるため(S13)、通電スイッチ30の操作は有効である。従って、通電スイッチ30を操作して、コイル24に対して所定の方向に数秒間通電すると、アルニコ磁石23の磁極が変化してその状態が保持され、図4に示すような磁束が生じて、金型固定面11aに磁力が発生し、金型2aが金型固定面11aに固定される。可動盤3においても同様に金型固定面11aに可動金型3aが固定される。
【0034】
その後、可動盤駆動機構4により可動盤3が固定盤2に接近する方向へ駆動されて金型2a,3aが型締めされ、金型2a,3a内のキャビティに樹脂供給機構6により合成樹脂が供給されて成形品が射出成形される。そして、油圧シリンダ31により可動盤3が固定盤2から離隔する方向に駆動されて、可動金型3aが固定金型2aから離隔して型開き状態となる。この状態でエジェクト機構により成形品が可動金型3aから取り出される。
【0035】
成型品が取り出された後に、金型2a,3aを固定盤2及び可動盤3から外す際には、通電スイッチ30を操作して、コイル24に対して前述の金型固定の場合とは逆の方向に数秒間通電すると、アルニコ磁石23の磁極が反転し、ブロック部材14において、アルニコ磁石23による磁束が金型固定面11aから出ないようになる。従って、図5の鎖線で示すように、マグネットプレート11の内部にのみ磁束が通ることとなり、金型2a,3aには磁力が作用しなくなって金型2a,3aの固定が解除される。
【0036】
以上説明した金型固定装置10によれば、次のような効果が得られる。
1)成形作業の前にサイズ判定処理を実行して、2つの超音波センサ12,13で夫々検出されたマグネットプレート11の下端及び前端からの最短距離L1,L2に関する信号に基づいて、金型2a,3aが固定盤2及び可動盤3に固定可能な所定のサイズを有するか否かを射出成形機1による成形作業前に事前に判定するので、作業中に落下する虞があるサイズの小さな金型が使用されるのを未然に防止することができる。
【0037】
さらに、サイズ判定処理において、金型2a,3aが所定のサイズを有しておらず作業中に落下する虞があると判定された場合には、通電スイッチ30の操作が無効化されてマグネットプレート11による金型2a,3aの固定が禁止され、金型2a,3aが固定盤2及び可動盤3に固定されないため、金型2a,3aが作業中に落下するのを未然に防止できる。
【0038】
2)2つの超音波センサ12,13によりマグネットプレート11の下端及び前端の位置から金型2a,3aまでの最短距離L1,L2を検出できるので、検出された最短距離L1,L2の信号に基づいてサイズ判定処理において金型2a,3aが固定盤2及び可動盤3に固定可能な所定のサイズを有するかどうかを適切に判定することができる。さらに、マグネットプレート11の下端から金型2a,3aまでの最短距離L1を検出する方向と、マグネットプレート11の前端から金型2a,3aまでの最短距離L2を検出する方向は、互いに直交しているため、一般的な略矩形状の金型2a,3aを使用した場合には、金型2a,3aの2辺の寸法を正確に把握することが可能になり、サイズ判定処理における、金型2a,3aが固定盤2及び可動盤3に固定可能な所定のサイズを有するか否かの判定をより正確に行うことができる。
【0039】
3)金型2a,3aのサイズに関連する信号を出力するセンサ手段として、2つの超音波センサ12,13を用いたので、金型2a,3aを金型固定面11aに吸着固定させる際に超音波センサ12,13が金型2a,3aに干渉しにくく、且つ、超音波センサ12,13を取り付けることにより金型固定面11aの吸着面積が減少することもないような、金型2a,3aの固定に関して特に支障が生じない位置に超音波センサ12,13を取り付けることができる。
【0040】
次に、前記実施形態に種々の変更を加えた変更形態について説明する。
【0041】
1]図7のサイズ判定処理において、金型2a,3aが所定のサイズを有さず使用不可能と判定された場合に(S14)、その金型2a,3aが使用できないことを作業者に認識させる方法としては、前記実施形態における通電スイッチ30の無効化(S15)以外にも、種々の方法が考えられる。
【0042】
例えば、警告用のブザー32(図6参照)を鳴らしたりランプを点灯させて作業者に金型が使用不可能である旨を報知するように構成できる。あるいは、可動盤駆動機構4の油圧シリンダ31の作動を禁止するようにしてもよい。また、油圧シリンダ31の代わりにサーボモータで可動盤を駆動する射出成形機においては、このサーボモータの作動を禁止するようにすればよい。このように構成した場合には、サイズに関係なく金型2a,3aはマグネットプレート11の金型固定面11aに固定されるが、金型2a,3aが所定のサイズを有さないと判定された場合には、可動盤3を固定盤2に接近する方向に駆動するのが禁止されるため、金型2a,3aを使用して成形作業を行うことが不可能になり、作業中に金型2a,3aが落下するのを未然に防止できる。
【0043】
2]固定盤2及び可動盤3に取り付ける超音波センサの数は、2つに限るものではなく、例えば、上下及び前後に4つの超音波センサを取り付けてもよい。
3]金型2a,3aのサイズに関連する信号を出力するセンサ手段としては、前記実施形態の超音波センサ12,13以外にも、他の種々のセンサ類を使用できる。例えば、レーザーセンサや受発光センサをマグネットプレート11の端部の位置に取り付けて使用できる。さらには、複数の近接スイッチ等のセンサ類をマグネットプレート11の金型固定面11aに取り付けて使用してもよい。
【0044】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1,第2センサ手段からの出力に基づいて、サイズ判定手段により金型が金型固定盤に固定可能な所定のサイズを有するかを成形作業前に事前に判定するので、作業中に落下する虞があるサイズの小さな金型が使用されるのを未然に防止することができる。
【0045】
そして、第1センサ手段と第2センサ手段により夫々第1、第2の所定位置から金型までの距離を検出することで、サイズ判定手段により金型が金型固定盤に固定可能な所定のサイズを有するかどうかを適切に判定することができる。また、第1の所定位置から金型の第1の側面への方向と、第2の所定位置から金型の第2の側面への方向とが、互いに直交しているため、一般的な略矩形状の金型を使用した場合には、金型の寸法を正確に把握することも可能になり、サイズ判定手段における判定をより正確に行うことができる。
【0046】
そして、第1,第2センサ手段は、超音波センサとレーザーセンサと受発光センサの何れかからなるので、金型を金型固定面に固定する際のクランプ力が低下したり、あるいは、固定作業の邪魔になるなどの支障が生じないような、金型から所定距離離れた位置にセンサ手段を配設することができる。
【0047】
請求項2の発明によれば、金型が所定のサイズを有しておらず作業中に落下する虞があるとサイズ判定手段により判定された場合には、金型が金型固定盤に固定されないため、金型が作業中に落下するのを未然に防止できる。
【0048】
請求項3の発明によれば、金型が所定のサイズを有しておらず作業中に落下する虞があるとサイズ判定手段により判定された場合には、可動盤駆動機構により可動盤を固定盤に接近/離隔する方向に駆動するのが禁止されるため、金型を使用して成形作業を行うことが不可能になり、作業中に金型が落下するのを未然に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る射出成形機の正面図である。
【図2】固定盤の左側面図である。
【図3】可動盤の右側面図である。
【図4】励磁状態における図2のIV-IV 線断面図である。
【図5】消磁状態における図4相当図である。
【図6】射出成形機の制御系を示すブロック図である。
【図7】サイズ判定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
1 射出成形機
2 固定盤
2a 固定金型
3 可動盤
3a 可動金型
4 可動盤駆動機構
10 金型固定装置
11 マグネットプレート
12,13 超音波センサ
Claims (3)
- 金型を固定する為の1対の金型固定盤を備えた射出成形機において、 前記1対の金型固定盤に金型を磁力により固定解除可能に夫々吸着固定する金型固定手段と、
前記金型固定盤の盤面の第1の所定位置から金型の第1の側面までの距離を検出する為の超音波センサとレーザーセンサと受発光センサの何れかからなる第1センサ手段と、 前記金型固定盤の盤面の第2の所定位置から前記第1の側面と直交する金型の第2の側面までの距離を検出する為の超音波センサとレーザーセンサと受発光センサの何れかからなる第2センサ手段と、
前記第1センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第1の側面までの距離が第1の所定値よりも小さい場合且つ前記第2センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第2の側面までの距離が第2の所定値よりも小さい場合、金型固定盤に固定された金型は落下する虞がない所定サイズより大きいサイズを有すると判定すると共に、
前記第1センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第1の側面までの距離が第1の所定値よりも大きい場合又は前記第2センサ手段の検出信号に基づいて算出された前記第2の側面までの距離が第2の所定値よりも大きい場合、金型固定盤に固定された金型は落下する虞がない所定サイズより小さいサイズを有すると判定するサイズ判定手段と、
を備えたことを特徴とする射出成形機の金型固定装置。 - 前記サイズ判定手段は、金型が前記所定のサイズを有していないと判定したときに前記金型固定手段による金型の固定を禁止することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の金型固定装置。
- 前記1対の金型固定盤は、固定盤とこの固定盤に対向し且つ固定盤に接近/離隔する方向に移動可能な可動盤であり、前記可動盤を前記接近/離隔する方向に駆動する可動盤駆動機構を備え、前記サイズ判定手段は、金型が前記所定のサイズを有していないと判定したときに可動盤駆動機構により可動盤の前記接近/離隔する方向へ駆動するのを禁止することを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の金型固定装置。
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