JP4262262B2 - インクジェット用インク保持容器 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に用いられるインクジェット用インク保持容器に関する。
従来、インクジェット記録装置には、一般にインクを貯蔵するインク保持容器(インクタンクと表すことがある)とインクを吐出して印字を行うインクジェット記録ヘッド部とが、直接又はチューブのようなインク供給部材によって接続された構成のインクジェットヘッドカートリッジを有している。このようなインクジェット記録装置において、インクと常に接液する部材には、従来から樹脂材料や金属材料、ゴム材料等が使用されてきた。これらの材料のなかでは、コスト及び加工性といった観点から樹脂材料が好んで用いられる。
ここでいう樹脂材料には、例えば、ポリオレフィン、ABS(アクリルニトリルブタジエンスチレンラバー)、PS(ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(ポリ塩化ビニル)等が挙げられる。そして、その樹脂材料中でも耐薬品性、リサイクル性、透明性、成型の容易性及びコストといった視点から、特にポリオレフィン系樹脂が好んで利用されている。ここでいうポリオレフィン系樹脂として、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂においては、樹脂の合成時に使用される塩素系のチーグラーナッタ触媒由来の塩素化合物がポリマー内に残留し、腐食、黄変するので中和剤として脂肪酸塩やハイドロタルサイトを添加することが知られている。また、透明性を高めるためには、樹脂の結晶核の生成を促進し、微細な結晶を生成させる造核剤を添加することが一般的である。成型後の離型性を良くするために、ワックス等の滑剤を入れる場合もある。
さらに一般的に、ポリオレフィン樹脂にはその品質を安定させるために各種酸化防止剤を添加することが知られている。熱溶融して成型する工程ではもちろんのこと、特に、樹脂を溶融し繊維状に延伸する工程においては、表面積が大きくなるため、熱由来の酸素ラジカルによる樹脂の自動酸化(樹脂の劣化)がおきやすい。このため、フェノール系酸化防止剤の使用や、フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を併用することが知られている。ヒンダードフェノール骨格を有するフェノール系酸化防止剤は、熱により発生した酸素ラジカルを瞬時に捕獲して過酸化物となる。生成された過酸化物はキノン類になり、樹脂の黄変を生じさせ、樹脂の再生、リサイクル化を困難とするが、リン系酸化防止剤を併用すると、リン系酸化防止剤の還元作用により過酸化物を還元し、もとのフェノール系酸化防止剤に再生させ、樹脂のリサイクル化を容易にする。
成型後においても、光や熱、オゾン等より発生する酸素ラジカルによる劣化を防止するため、イオウ系酸化防止剤を併用することも知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
しかしながら上記従来技術には次のような問題があった。
リン系酸化防止剤は、主に成型時の加熱環境下において還元剤として機能し、リン原子は酸素を捕獲するため三価から五価となる。生成された五価のリン化合物の極性は三価に比べ高く、水溶性のインクジェットインク(インクと表すことがある)に溶解しやすくなる。生成した五価のリン化合物は、長期にわたってインクに接したり、また短時間においても高温下におかれるとインクに溶解する。理由は定かではないが、五価のリン化合物のインクに対する溶解度は、インク中の色材の種類や溶剤組成、pHなどに依存する。さらに、インクジェットプリンターのインク流路のところどころにある、ごみなどをろ過するために設けられたステンレス製等のフィルターに析出し、インクの流れ性を阻害するため、最終的には、インク供給不足による印字不良に陥る問題にまで発展する。
特許文献1においては、イソシアヌレート骨格を持つフェノール系酸化防止剤を使用することにより、インク保持容器やインク接液部材のぬれ性が高まるために、インクの追随性が改良されることが記載されている。また、特許文献2においてはホスフィノプロピオネート化合物が酸化防止剤として有効であることが記載されている。また、特許文献3においては、リン系酸化防止剤の酸化物の加水分解物である酸性ホスホン酸誘導体が、内部潤滑剤として離型効果があることが記載されている。しかしながら、いずれの発明もリン系酸化防止剤のインクジェットインクに対する溶解性にまでは言及していない。
特許文献4の実施例においてはポリプロピレンの芯材とポリエチレンの鞘材より構成された吸収体をGEプラスチック社のNORIL(変性ポリフェニレンオキサイド)で作製したインクタンクに装着することが記載されている。ポリプロピレンの芯材とポリエチレンの鞘材それぞれにはイオウ系、フェノール系、リン系の酸化防止材が添加されている。芯材のリン系酸化防止材はビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトであり、鞘材のリン系酸化防止材はトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトである。
上記インクタンクにインクを充填し、室温にて数ヶ月放置し印字を行ったところ、インクの吐出量が次第に低下し、最終的にはインクが全く吐出しない状況を引き起こした。インクタンクとチップタンク(インクジェットヘッドを搭載している構造物)の接続部にあるステンレス製のフィルターに芯材に使用されているビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトの酸化物が詰まったからである。
日本化学会・高分子学会編、「高分子添加剤の新展開」、日刊工業新聞社、1998年9月30日発行 特開平2000−43290号公報 特許第3575034号公報 特許第3308113号公報 特開平11−240182号公報
本発明は、室温にて長期間または高温下にさらしても、酸化防止剤由来の化合物に起因するフィルター詰まりにより発生する印字不良を生じることのない、部材の少なくとも一部分がポリオレフィン製であるインクジェット用インク保持容器を提供することである。
上記目的は以下の本発明により達成される。
インクジェット記録に用いられ、内部に繊維の集合体で構成された毛管力発生部材が収納されて構成されたインクジェット用インク保持容器において、
前記毛管力発生部材を構成する繊維は1種または2種以上のポリオレフィン樹脂を延伸して作製したものであり、該ポリオレフィン樹脂には少なくともヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤と、リン系酸化防止剤とが添加されており、
該リン系酸化防止剤として、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン及び2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイトからなる群より選ばれた少なくとも一種のリン系酸化防止剤を含む、
ことを特徴とするインクジェット用インク保持容器。
本発明においては、リン系酸化防止剤として、標準的なインクジェットインクに対して溶解性が低い、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトよりも高い疎水性を有するリン系酸化防止剤を選択した。このようなリン系酸化防止剤とヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤とを併用すると、ポリオレフィンを窒素酸化物が発生するガス炉などの条件下において熱成形しても、樹脂の黄ばみや熱劣化がほとんどない。また、作製したインクジェット用インク保持容器にインクジエットインクを充填し、インクジェットインクと接液して室温にて長期間または高温下にさらしても、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトよりも疎水性の高いリン系酸化防止剤を選択し、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトと同一の若しくはより低い疎水性を有するリン系酸化防止剤は非含有であるためインク中への酸化防止剤の溶出が低減される。このため、酸化防止剤由来の化合物、特にリン系酸化防止剤の酸化物に起因するフィルター詰まりが防止され、高品位の印字を可能としたインクジェット用インク保持容器を提供することができる。
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明のインクジェット用インク保持容器は、これを構成する部材の少なくとも一部分がポリオレフィン樹脂、たとえば、ポリプロピレンやポリエチレン等のポリオレフィン樹脂製であることが好ましい。
次に、本発明において使用するリン系酸化防止剤について詳細に述べる。
リン系化合物(ホスフィン)は強い還元作用をもつことが知られている。酸化防止剤としてリン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤とを併用すると、主にフェノール系酸化防止剤が成型時に発生した活性酸素を捕捉し過酸化物となる。そして、リン系酸化防止剤が生成したフェノール系酸化防止剤の過酸化物を還元し、フェノール系酸化防止剤を再生する。この時、リン系酸化防止剤自身は酸化され、生成したリン系酸化防止剤の酸化物は極性が高くなりインクに溶解しやすくなる。理由は定かではないが、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトの酸化物はフィルター等インク流路の狭く、複雑な部位で析出する。酸化物がフィルター等のインク流路の狭い部位に析出するとインクの追随性がなくなり、最終的にはインクがノズルに供給されなくなり不吐出となる。
フィルター詰まりが生じたインクタンクのインク中に溶解した酸化防止剤量を高速液体クロマトグラフィーを用いて測定したところ、リン系酸化防止剤のビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトの酸化物が最も多かった。
そして、この酸化物の高速液体クロマトグラフにおける溶出時間は最も短く、このため疎水性は低く、他の酸化防止剤やその酸化物に比べ、ポリオレフィン樹脂材料等に配合されたとき、該材料から遊離しやすく、インクに溶解しやすいことが推測された。
その他のリン系酸化防止剤やその酸化物、例えばトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト(イルガフォス168など)では、フィルター詰まりは全く生じなかった。また高速液体クロマトグラフにおける溶出時間も長く、疎水性が大きく、ポリオレフィン樹脂材料等に配合されたとき、該材料から遊離しにくく、水系のインクジェットインクに溶解しにくいことが推測された。
上記の測定結果に着目し、高速液体クロマトグラフィーを用いて、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトよりも疎水性が大きなリン系酸化防止剤を探索した。この探索により、これらのリン系酸化防止剤の酸化物は、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトの酸化物よりも疎水性が高く、部材から遊離しにくくインクジェットインクへの溶解性が小さいことが推測された。また、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトよりも疎水性の高いリン系酸化防止剤を使ったインクジェット用インク保持容器においては、酸化防止剤由来の印字トラブルは全く生じなかった。
本発明で使用するリン系酸化防止剤は、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトよりも高い疎水性を有するリン系酸化防止剤であり、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトと同一の若しくはより低い疎水性を有するリン系酸化防止剤は使用しない。本発明においては液体クロマトグラフィー法を用いてその疎水性を評価する。具体的には、例えば、液体クロマトグラフィー法により、リン系酸化防止剤と、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトの溶出時間を測定する。そして、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトよりも溶出時間が大きいリン系酸化防止剤を選択すればよい。カラムとして、逆層シリカ系カラムを用いる。具体的には、カラムとしてAgilent社製 C8 (4.5mmx150mm)(商品名、Agilent社製)を挙げることができる。左記カラムを用いる場合には、溶離液として、メタノール/水混合物を用いることが好ましく、メタノール/水の体積比を70/30から100/0(質量比)まで連続的に変えながら測定することが好ましい。
また、本発明において使用するリン系酸化防止剤としては、高い疎水性に加え、リン系酸化防止剤の還元剤としての機能(反応性)、成型時の耐熱性を考慮すると、下記に挙げる酸化防止剤が好ましい。
すなわち、リン系酸化防止剤として、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト及び2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイトから選択したものを用いる
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトの化学式(1)を次に示す。トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトは、Irgafos168(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社)、アデカスタブ2112(商品名、旭電化工業(株))、スミライザーP−16(商品名、住友化学(株))等として市販されている。
Figure 0004262262
また、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトの化学式(2)を次に示す。ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトは、アデカスタブPEP−36(商品名、旭電化工業(株))として市販されている。
Figure 0004262262
また、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイトの化学式(3)を次に示す。ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイトは、アデカスタブPEP−8(商品名、旭電化工業(株))として市販されている。
Figure 0004262262
また、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピンの化学式(4)を次に示す。6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピンは、スミライザーGP(商品名、住友化学(株))として市販されている。
Figure 0004262262
また、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイトの化学式(5)を次に示す。2,2’−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイトは、アデカスタブHP−10(商品名、旭電化工業(株))として市販されている。
Figure 0004262262
上記以外のリン系酸化防止剤においても、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトよりも高い疎水性を有するリン系酸化防止剤は、本発明におけるリン系酸化防止剤として好ましく用いることができる。
また、スミライザーGPのように骨格内にホスフィンとヒンダードフェノール骨格の両者を有するものは、1種においてリン系酸化防止剤とフェノール系酸化防止剤の二役をこなすため、ヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤と併用しなくても良い。
上記リン系酸化防止剤は、一種を用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。上記リン系酸化防止剤は、ポリオレフィン樹脂に対し、通常、100ppm〜2000ppm添加することが好ましく、500ppm〜1000ppm添加することがより好ましい。
次に、本発明において使用するヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤について述べる。市場で販売されているヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤はいずれも使用可能である。一例をあげると、1,3,5−トリス(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンジル)−S−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン〔アデカスタブAO−20(商品名、旭電化工業(株)〕、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン〔アデカスタブAO−30(商品名、旭電化工業(株))、ヨシノックス930(商品名、(株)エーピーアイコーポレーション)〕、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)〔アデカスタブAO−40(商品名、旭電化工業(株))、ヨシノックスBB(商品名、(株)エーピーアイコーポレーション)〕、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〔アデカスタブAO−50(商品名、旭電化工業(株))、トミックスSS(商品名、(株)エーピーアイコーポレーション)、アデカスタブAO−75(商品名、旭電化工業(株))〕、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−〔β−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル〕2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン〔アデカスタブAO−80(商品名、旭電化工業(株))〕、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン〔アデカスタブAO−330(商品名、旭電化工業(株))〕、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール〔ヨシノックスBHT(商品名、(株)エーピーアイコーポレーション)、ヨシノックスBHT−P(商品名、吉富製薬(株))〕、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)〔ヨシノックスSR(商品名、吉富製薬(株))〕、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)〔ヨシノックス2246G(商品名、(株)エーピーアイコーポレーション)、ヨシノックス2246R(商品名、吉富製薬(株))〕、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール〔ヨシノックス425(商品名、(株)エーピーアイコーポレーション)〕、テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン〔Irganox1010(商品名、チバスペシャリティーケミカルズ社)、アデカスタブAO−60(商品名、旭電化工業(株))〕、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール〔ヨシノックス250(商品名、(株)エーピーアイコーポレーション)、トミックスTT(商品名、吉富製薬(株))、スミライザーS(商品名、住友化学(株))〕等である。この他のヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤であっても良い。
上記ヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤は、一種を用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。上記ヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤は、ポリオレフィン樹脂に対し、通常、100ppm〜2000ppm添加することが好ましく、500ppm〜2000ppm添加することがより好ましい。
また、本発明のインクジェット用インク保持容器に使用されるポリオレフィン樹脂には、その他の添加剤を添加することも可能である。主な添加剤としては、イオウ系酸化防止剤やヒンダードアミン、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、サリシレート系などの紫外線吸収剤の他、ゲルオール等の透明化を促すための造核剤、触媒残渣を中和するステアリン酸カルシウム等の高級脂肪酸塩やハイドロタルサイト、水酸化カルシウムなどの水酸化物、離型性を向上するための離型剤、その他難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、着色剤等を添加しても良い。
ポリオレフィン樹脂は重金属により酸化劣化を生じるので、重金属不活性化剤として、金属石鹸類やハイドロタルサイト類、ADK STAB CDA−1、ADK STAB CDA−6(商品名、旭電化工業(株)製)等のサリチル酸誘導体、IrganoxMD1024(商品名、Ciba S.P)などのヒドラシド誘導体、NaugardXL−1(商品名、Uniroyal)などのシュウ酸アミド誘導体、HostanoxOSP−1(商品名、Hoechst)などのイオウ含有ホスファイト等を使用しても良い。
特にイオウ系酸化防止剤は、リン系酸化防止剤と同様にヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤と併用すると、相乗効果が期待できる。イオウ系酸化防止剤の具体例としては、ジアルキルチオジプロピオネート、主要なアルキル基としてはドデシル、テトラデシル、オクタデシル等がある。さらに、テトラキス[メチレン(3−ドデシル)]等などである。これらイオウ系酸化防止剤は、一種を用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。これらは、ポリオレフィン樹脂に対し、通常、500ppm〜1000ppm添加することが好ましい。
なお、これらの添加剤はインクジェットインクへの溶解性を十分に考慮し、これらの添加剤の溶出による問題等が発生しない、或いは悪影響を及ぼさない物質であるかを十分に検討してから用いると良い。
以下図面を用いて本発明の好適な実施の形態を更に具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット用インク保持容器としてのインクタンク400およびこのインクタンクをキャリッジ501(図4参照)上において保持するホルダー300を示す斜視図である。インクタンク400についてはインク供給口から視た図である。また、図2はホルダー300を一部破断して示す斜視図であり、特にインクタンク400との接続部を示す図である。
ホルダー300は、後述するようにインクジェットヘッド100を一体に備え、また、インクジェット記録装置のキャリッジ501において着脱自在に装着されるものである。図1および図2に示されるように、このホルダー300は、上面が開放されたほぼ箱形を成しており、また、この箱形の一方の端面の上半分が切り欠かれその切欠き部分からフランジ部302が突出するように形成されている。さらに、上記一端面に対向する端面はその上半分が屈曲部340として外方に傾斜して延在する。また、ホルダー300は、その底部に周囲が弾性部材304によって取り囲まれ先端にフィルター332が設けられた煙突状の供給管330が3個設けられている。図1は、供給管330が3個設けられている実施形態が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、任意の数の供給管を設けたものとすることができる。これにより、インクタンク400がホルダー300に装着されることによってインクタンク400の3種類(もしくは任意の数)のインクをぞれぞれインクジェットヘッド100に供給することができる。すなわち、ホルダー300の供給管330はそのフィルター332の部分をインクタンク400のインク供給口401に設けられた毛管力発生部材415(図3参照)に当接されている。また、このとき、弾性部材304はインク供給口401の周囲および供給管330の周囲をシールする。これにより、インクの蒸発および漏れを防止しつつ良好なインク供給を行うことができる。
インクタンク400は、上述した3種類(もしくは任意の種類)のインクをそれぞれ所定の部材で区切られた別個の収納室において保持する。各収納室にはその大部分を占めるように毛管力発生部材416(図3参照)が格納されこの毛管力発生部材416が毛管力によってインクを保持する。そして、各収納室の底部にはインク供給口401が設けられ、毛管力発生部材416に保持されたインクはこのインク供給口401を介してインクジェットヘッド100側へ供給される。すなわち、各インク供給口401には、図5に示す断面を有する芯部21及び鞘部22を有する繊維からなる毛管力発生部材415(図3参照)が設けられている。この毛管力発生部材415の毛管力は、収納室内のインクを保持する毛管力発生部材416の毛管力より大きく設定することが好ましく、これにより、良好なインク供給が可能となる。
上記本発明のインクタンク(インクジェット用インク保持容器)は、インクタンクの外装、毛管力発生部材、インク供給口に配置された繊維状の毛管力発生部材等のいずれかの部材の少なくとも一部分が上述した特定の酸化防止剤を含むポリオレフィン樹脂で構成されている。これら部材の形状は、上記の形状に限定されるものではない。
次に、上記特定のリン系酸化防止剤及びヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤を含有するポリオレフィン樹脂製の繊維状の毛管力発生部材の製造方法の一例について簡単に説明する。
まず弾性力を有する棒状或いは板状の連続した繊維集合体を、上記特定のリン系酸化防止剤及びヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤を含有するポリオレフィン樹脂から成型し、カッターで基準単位に切断し、繊維塊を形成する。この繊維塊を所定の型内に圧縮挿入し、加熱炉で加熱し所定の形状を有する毛管力発生部材とする。加熱炉はガス炉、電気炉どちらでもかまわないが、ガス炉は一般的に窒素酸化物が多く、酸化防止剤がそれらによって酸化されやすくなるため、電気炉を使用することが好ましい。
この時、上記繊維塊を構成する繊維は、ポリプロピレンから構成される芯部21及びポリエチレンから構成される鞘部22を有する図5に示したような構成を有する繊維であることが好ましい。繊維の外径は特に限定されない。加熱炉の温度は、鞘部22を構成しているポリエチレンの融点より高く、芯部21を構成しているポリプロピレンの融点より低い温度であれば何度でもよい。例えば、鞘部22のポリエチレンの融点が132℃である場合には、加熱炉の温度を135℃〜155℃とすることが好ましい。加熱する時間は、毛管力発生部材が必要とする強度に応じて調整すればよい。
上記製造方法により調製される毛管力発生部材は、熱をかけることで、鞘部のポリエチレンが溶けて接着剤の役目をし、芯部のポリプロピレン繊維が三次元的に絡み合った交点で固定された強度が大きい塊状の構造となる。
毛管力発生部材は、上述した製造方法によって製造される、2種類のポリオレフィン系樹脂の材料の芯鞘複合繊維から形成されるものに限られるものではなく、2種類以上の材料を別々の繊維とし、それを混合して用いてもよい。勿論、2種類の材料の構成比も1:1に限られず、目的に応じて定めればよい。或いは1種類の材料の単素材繊維を用いて融着するようにしてもよい。又、所定の温度で加熱することで、一方の材料を接着剤的に利用し、繊維の三次元的に絡み合った交点を固定した構造に限定されるものでもない。
また、毛管力発生部材を構成する材料は1種類の材料だけであってもよく、その構造についても従来公知のフェルト等の如き不織布形態であってもよい。又、毛管力発生部材を構成するポリオレフィン系樹脂の材料からなる繊維は、例えば、特開平5−8405号公報に開示されるように直線状に束ねた構造としてもよい。このような構造はインク供給性及びインク残量の減少の両方に効果がある。
また、インクタンク(インクジェット用インク保持容器)の外装を構成する容器および蓋等は、上記特定のリン系酸化防止剤及びヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤を含有するポリオレフィン樹脂を用い、成型すればよい。成形方法は特に限定されず、公知の成形方法の中から適したものを選択すればよい。通常、射出成形法により成形することが好ましい。
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
図6に本実施例のインクタンク(インクジェット用インク保持容器)の概略断面図を示す。図6において、インクタンク1は、上部が開口した容器2と、毛管力発生部材13A、13Bを収納する毛管力発生部材収納室5及び液体供給容器50を覆う蓋3から構成されるインクタンク外装4を有する。毛管力発生部材収納室5は、上部で大気連通口15を介して大気と連通し、下部で毛管力発生部材13Dを備えたインク供給口12と連通し、インクを収容する実質的に密閉された液体供給容器50とは、仕切り壁65によって仕切られている。仕切り壁65の下部には、毛管力発生部材収納室5と液体供給容器50を連通する連通部66bが開口しており、これにより液体供給容器50と毛管力発生部材収納室5とをインクが行き来するようになっている。このインクタンク1をプリンタ内に装着し、インク供給口12より不図示のインクジェットヘッドへインクの供給を行う。
(毛管力発生部材の製造例)
上記毛管力発生部材(13A、13B及び13D)として毛管力発生部材A〜Dを次のようにして用意した。
〔毛管力発生部材Aの製造例〕
表1に示した配合のポリプロピレン樹脂(i)(PP樹脂(i)と表す)及びポリエチレン樹脂(i)(PE樹脂(i)と表す)を用いて、ポリオレフィン芯鞘複合繊維集合体を形成した。これをカッターで切断し、この繊維集合体を所定形状の型内に圧縮挿入し、ガス炉で加熱して所定の形状を有する毛管力発生部材Aを作製した。
〔毛管力発生部材Bの製造例〕
表1に示した配合のポリプロピレン樹脂(ii)(PP樹脂(ii)と表す)及びポリエチレン樹脂(ii)(PE樹脂(ii)と表す)を用いた以外は毛管力発生部材Aの製造例と同様にして毛管力発生部材Bを作製した。
〔毛管力発生部材Cの製造例〕
表1に示した配合のポリプロピレン樹脂(iii)(PP樹脂(iii)と表す)及びポリエチレン樹脂(iii)(PE樹脂(iii)と表す)を用いた以外は毛管力発生部材Aの製造例と同様にして毛管力発生部材Cを作製した。
〔毛管力発生部材Dの製造例〕
表1に示したように、酸化防止剤及び中和剤を含まないポリエーテルポリウレタン材料を用いてウレタンフォームを形成し、これをカッターで切断し、所定の形状を有する毛管力発生部材Dを作製した。
(インクタンクの外装を構成する容器及び蓋の製造例)
また、上記インクタンクの外装4を構成する容器2と蓋3として、下記のインクタンクの外装(a)及び(b)を構成する容器(a)及び(b)並びに蓋(a)及び(b)を次のようにして用意した。
〔インクタンクの外装(a)を構成する容器(a)及び蓋(a)の製造例〕
表1に示した配合のポリプロピレン樹脂(C1)(PP樹脂(C1)と表す)を用いて、射出成形によりインクタンクの外装(a)を構成する容器(a)及び蓋(a)を作製した。インクタンクの外装(a)を構成する容器(a)及び蓋(a)の形状は、市販のインクカートリッジ(BCI−6(商品名、キヤノン(株)製))に使用されているものと同様の形状とした。
〔インクタンクの外装(b)を構成する容器(b)及び蓋(b)の製造例〕
表1に示した配合のポリプロピレン樹脂(C2)(PP樹脂(C2)と表す)を用いたこと以外は上記インクタンクの外装(a)を構成する容器(a)及び蓋(a)の製造例と同様にして、インクタンクの外装(b)を構成する容器(b)及び蓋(b)を作製した。
Figure 0004262262
(インク)
インクとして下記組成を有するインク(I−1)を用意した。
・DBL199 4.5質量%
(日本化薬社製)
・グリセリン 8.0質量%
・ジエチレングリコール 8.0質量%
・尿素 10.0質量%
・アセチレノールE100 0.6質量%
(川研ファインケミカル社製)
・純水 68.9質量%
(リン系酸化防止剤の疎水性及びインクタンクの評価)
本実施例で使用したリン系酸化防止剤の疎水性及び本実施例のインクタンクの評価を次のようにして行った。
〔リン系酸化防止剤の疎水性評価〕
リン系酸化防止剤の1ppmメタノール溶液を作製し、液体クロマトグラフを使用して溶出時間を測定し、リン系酸化防止剤の疎水性を評価した。測定条件を下記に示す。
液体クロマトグラフ:Agilent1100
検出器:質量検出器(Agilent社 SL)
カラム:Agilent社 C8 4.5mmx150mm
溶離液:メタノール/水=70/30⇒100/0
流速:1ml/min
〔印字品位〕
上記インク(I−1)を充填したインクタンクを70℃の温度で2週間加熱した後、これを市販のプリンター(キャノン(Canon)プリンターPIXUS 9900i(商品名)、キヤノン株式会社(製))にセットし、印字パターン(ベタパターン)の印字を行った。所定量のインクを使用した後、吸引回復操作を3回連続して行い、インクタンクの重量減少量を測定し、印字開始前の重量減少量と比較し、下記基準に基づき評価した。
A:50タンク使用しても吸引量の低下が認められない。
B:50タンク使用すると吸引量の低下が若干(10%以下)生じるが、印字には問題がない。
C:50タンク未満の使用で吸引量が低下し、不吐ノズルが発生した。
〔フィルター詰まり〕
上記印字品位の評価を行った後、インクタンクを装着したホルダーの供給管部に装着しているSUSフィルター(サスミックス Φ5μm)をとりだし、水洗後、異物の有無を光学顕微鏡において観察し、下記基準に基づきフィルター詰まりを評価した。
A:異物は確認されなかった。
C:綿状の異物が確認された。
(実施例1)
上記毛管力発生部材(13A、13B及び13D)として、上記毛管力発生部材Aを、インクタンクの外装4を構成する容器2として前記容器(a)を、蓋3として前記蓋(a)を、インクとして、上記インク(I−1)を用いた。またこれら以外の部材は、市販のインクカートリッジ(BCI−6(商品名)、キヤノン(株)製)に使用されているものと同様の部材を用い、インクタンクを作製した。本実施例で用いたリン系酸化防止剤の疎水性及び本実施例で得られたインクタンクは上述した方法により評価した。得られた結果を表2及び表3に示す。
(実施例2)
上記毛管力発生部材(13A、13B及び13D)として、上記毛管力発生部材Bを用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクタンクを作製した。本実施例で用いたリン系酸化防止剤の疎水性及び本実施例で得られたインクタンクは上述した方法で評価した。得られた結果を表2及び表3に示す。
(実施例3)
上記毛管力発生部材(13A、13B及び13D)として、上記毛管力発生部材Dを、インクタンクの外装4を構成する容器2及び蓋3として、上記容器(b)及び蓋(b)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクタンクを作製した。本実施例で用いたリン系酸化防止剤の疎水性及び本実施例で得られたインクタンクは上述した方法で評価した。得られた結果を表2及び表3に示す。
(比較例1)
上記毛管力発生部材(13A、13B及び13D)として、上記毛管力発生部材Cを用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクタンクを作製した。本比較例で用いたリン系酸化防止剤の疎水性及び本比較例で得られたインクタンクは上述した方法で評価した。得られた結果を表2及び表3に示す。
Figure 0004262262
Figure 0004262262
表2に示したように、本実施例にて使用したリン系酸化防止剤は、いずれも、アデカスタブPEP24G(ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト)よりも溶出時間(リテンションタイム)が大きく、高い疎水性を有する。このようなリン系酸化防止剤とヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤とを含むポリオレフィン樹脂からなる部材(毛管力発生部材又はインクタンク外装)を用いた実施例1、2及び3のインクタンクは、印字品位及びフィルター詰まり評価で優れた結果を示した。
一方、アデカスタブPEP24Gとヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤とを含む芯材及びアデカスタブPEP24Gよりも高い疎水性を有するIrgafos168とヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤とを含む鞘材とから構成された毛管力発生部材を用いた比較例1のインクタンクは、表3に示したように印字品位及びフィルター詰まり評価において実施例1、2及び3のインクタンクに劣っていた。
本発明の一実施形態に係るインクジェット用インク保持容器及びホルダーの分解斜視図である。 本発明におけるホルダーを一部破断して示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係るインクジェット用インク保持容器の断面図である。 インクジェット記録装置の概略を示す斜視図である。 本発明におけるインク吸収体を構成する繊維の一例における断面図である。 実施例、比較例で使用したインクジェット用インク保持容器の断面概略図である。
符号の説明
100 インクジェットヘッド
300 ホルダー
302 フランジ部
304 弾性部材
330 供給管
332 フィルター
335 リブ
340 屈曲部
400 インクタンク
401 インク供給口
410 溝
415 毛管力発生部材
416 毛管力発生部材
501 キャリッジ
600 吐出回復ユニット
21 芯部
22 鞘部
1 インクタンク
2 容器
3 蓋
4 インクタンク外装
5 毛管力発生部材収納室
12 インク供給口
13A 毛管力発生部材
13B 毛管力発生部材
13D 毛管力発生部材
15 大気連通口
17 大気導入溝
50 液体供給容器
65 仕切り壁
66a 大気導入口
66b 連通部
L 気液界面

Claims (2)

  1. インクジェット記録に用いられ、内部に繊維の集合体で構成された毛管力発生部材が収納されて構成されたインクジェット用インク保持容器において、
    前記毛管力発生部材を構成する繊維は1種または2種以上のポリオレフィン樹脂を延伸して作製したものであり、該ポリオレフィン樹脂には少なくともヒンダードフェノール骨格を有する酸化防止剤と、リン系酸化防止剤とが添加されており、
    該リン系酸化防止剤として、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、6−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−t−ブチルジベンズ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン及び2,2'−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルフォスファイトからなる群より選ばれた少なくとも一種のリン系酸化防止剤を含む、
    ことを特徴とするインクジェット用インク保持容器。
  2. 前記リン系酸化防止剤としては、以下の条件:
    カラム:アジレント(Agilent)社製C8(4.5mmx150mm)(商品名、アジレント(Agilent)社製)、
    溶離液:メタノール/水混合物
    (メタノール/水の体積比:70/30〜100/0(質量比)まで連続的に変化させる)
    による液体クロマトグラフィーにより測定された溶出時間が、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイトと同一もしくはより短いものは添加されていないことを特徴とする請求項1に記載のインジェット用インク保持容器。
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