以下、図面を参照して本発明を適用できる実施形態を詳細に説明する。なお、各図面において同様の機能を有する箇所には同一の符号を付し、説明の重複は省略する。
(実施形態1)
本実施形態1は、ユーザの操作パネル操作時間中に、画像読み取り処理を並行して行うことにより、ユーザがコピー等の動作開始を指示するスタートキー押下から、出力物が画像形成装置から排出されるまでの時間を短縮することが出来る画像形成装置について説明する。
図1は、画像形成装置の画像処理シーケンスのタイミングチャートを示す図であり、従来の非先読みシーケンスと本実施形態1に係る先読みシーケンスとの比較を図1のタイミングチャートを用いて説明する。図1のタイミングチャートは、上下2段にわたって記述されており、上段は非先読みシーケンスを、下段は先読みシーケンスを示す。非先読みシーケンスは、従来の画像形成処理シーケンスであり、イメージスキャナにより読取られる原稿の為の印刷条件の設定が、ユーザの操作パネルへの入力により完了した後に、そのイメージスキャナによる原稿の読取処理を開始させ、読取った原稿の画像データをメモリ等の記憶資源に記憶させ、読取った原稿の画像データを、先の記憶資源を介してプリンタに送信し印刷させるシーケンスである。
図1の縦軸には、ユーザのオペレーションを示すUSER、原稿を読み込むイメージスキャナの動作を示すSCANNER、読み込んだ画像データを一時的に記憶するメモリへの情報入出力を示すMEMORY、画像データを記録用紙に画像形成するプリンタの動作を示すPRINTER等が記載されている。
はじめに図1の上段のタイミングチャートを参照しつつ、従来の非先読みシーケンスについて説明する。非先読みシーケンスでは、USERが原稿を原稿台(圧板)、或いは原稿フィーダ(DF)にセットする(101)。その後、USERはパネルを操作してコピー部数の指定やカラーモードの設定やフィニッシング指定などを行なう(121の期間)。全ての設定が完了すると、ユーザはコピースタートを指示するスタートキーを押下する(102)。SCANNERはスタートキー押下(102)を受けて、原稿読み込みを行う(122の期間)。原稿フィーダを利用したコピーの場合は、原稿読み込みの前に原稿フィーダにセットされた原稿を原稿台まで引き込むという動作も必要となる。原稿読み込みが開始されると、若干の遅延時間を経たほぼ同じタイミングで、入力用の画像処理が開始され、入力用の画像処理が施された画像情報がメモリに記憶される(123の期間)。
原稿の読み込み及び入力用画像処理が終了する(103)と、次にMEMORYから画像データが読み出されながら、記録紙への画像形成のための出力用画像処理が施され(124の期間)、これと並行して出力用画像処理された画像情報はPRINTERへ転送される(125の期間)。PRINTERでは記録紙の搬送タイミングと転送されてくる画像情報の同期を図りながら、画像データに基づいた永久可視画像を用紙上に形成し(126)、機外へ排出する(104)。以上説明した非先読みシーケンスにおいて、そのFCOTは、102から104までの時間となる。
次に、本実施形態1に係る先読みシーケンスについて、図1の下段に記載したタイミングチャートを参照しながら説明する。先読みシーケンスでは、USERが原稿を原稿台、或いは原稿フィーダにセットする(109)と、SCANNERは原稿読み込みを行う(132の期間)。原稿フィーダを利用したコピーの場合は、原稿読み込みの前に原稿フィーダにセットされた原稿を原稿台まで引き込むという動作も必要となる。原稿読み込みが開始されると、若干の遅延時間を経たほぼ同じタイミングで、入力用の画像処理が開始され、入力用の画像処理が施された画像情報がメモリに記憶され(133の期間)、やがてメモリ格納が完了する(111)。
一方、USERは原稿をセットした109の時点以降パネルを操作してコピー部数の指定やカラーモードの設定やフィニッシング指定などを行なう(131の期間)。全ての設定が完了すると、ユーザはコピースタートを指示するスタートキーを押下する(110)。スタートキーが押下される(110)と、次にMEMORYから画像データが読み出されながら、記録紙への画像形成のための出力用画像処理が施され(134の期間)、これと並行して出力用画像処理された画像情報はPRINTERへ転送される(135の期間)。PRINTERでは記録紙の搬送タイミングと転送されてくる画像情報の同期を図りながら、画像データに基づいた永久可視画像を用紙上に形成し(136)、機外へ排出する(112)。以上説明した先読みシーケンスにおいて、そのFCOTは、110から112までの時間となる。この場合、非先読みシーケンスと先読みシーケンスでは、図1において符号137で示した時間だけFCOTが短縮される。
次に、本実施形態1の画像形成装置について、図2以降の図面を参照してより詳細に説明する。
図2は、画像形成装置の概略ブロック図で、一般的なCOPY/PRINT/FAXなどの機能を有するデジタル複合機(MFP)のブロック図である。本実施形態1の画像形成装置は、原稿読み取り処理を行なうスキャナ部201と、スキャナ部201から読み取られた画像に画像処理を施しメモリ205に格納するコントローラ202と、スキャナ部201により読み取られる画像に対する各種の印刷条件を設定する操作部204と、メモリ205から読み出された画像データを操作部204により設定された印刷設定条件に従って記録用紙に可視化された画像形成を行なうプリンタ部203等を有する。また、この画像形成装置は、通信ネットワーク206を介して、画像データを管理するサーバシステム207や、この画像形成装置に対してプリントの実行を指示するPC(personal computer)208等が接続されている。サーバシステム207は、プリントサーバ、ファイルサーバ、メールサーバの機能を1台のサーバマシンに搭載したシステム、又はプリントサーバ、ファイルサーバ、メールサーバの各サーバマシンから構成されるシステム等、種々の形態が適用可能である。
図3は、画像形成装置の断面図である。図2を参照し説明した画像形成装置のより詳細な構成について、図3を参照し説明する。この画像形成装置は、コピー・プリンタ・FAXのそれぞれの機能を有している。図3において、本実施形態1の画像形成装置は、スキャナ301と原稿フィーダ(DF)302と、カラー4色ドラムを備えるプリント記録用のプリンタ313と、給紙デッキ314とフィニッシャ315等を有する。
まず、スキャナ301を中心に行われる読取り動作について説明する。原稿台307に原稿をセットして読み込みを行なう場合には、ユーザは原稿台307に原稿をセットしてDF302を閉じる。すると、開閉センサ330が原稿台307が閉じられたことを検知した後、スキャナ301の筐体内にある光反射式の原稿サイズ検知センサ331〜335が、セットされた原稿サイズを検知する。このサイズ検知を起点にして光源310が原稿を照射し、CCD(charge-coupled device)343が反射板311、レンズ312を介して原稿からの反射光を受光して画像を読み取る。そして画像形成装置のコントローラが、CCD34によって読み取った画像データをデジタル信号に変換し、所望の画像処理を行なってレーザー記録信号に変換する。変換された記録信号は、後述する図4を参照して説明するコントローラ内のメモリに格納される。
DF302に原稿をセットして読み込みを行なう場合には、ユーザはDF302の原稿セット部303のトレイに原稿をフェースアップで載置する。すると、原稿有無センサ304が、原稿がセットされたことを検知し、これを受けて原稿給紙ローラ305と搬送ベルト306が回転して原稿を搬送し、原稿台307上の所定の位置に原稿がセットされる。これ以降は原稿台307での読み込みと同様に画像が読み込まれ、得られた記録信号がコントローラ内のメモリに格納される。
読み込みが完了すると、再び搬送ベルト306が回転して、図3の画像形成装置の断面図において右側に原稿を送り、排紙側の搬送ローラ308を経由して原稿排紙トレイ309へ原稿が排紙される。原稿が複数存在する場合は、原稿台307から原稿が画像形成装置の断面図において右側に排紙搬送されるのと同時に、給紙ローラ305を経由して画像形成装置の断面図において左側から次原稿が給送され、次原稿の読み込みが連続的に行なわれる。以上がスキャナ301の動作である。
続いてプリンタ313を中心に行われる印刷動作について説明する。図4を参照し後述されるコントローラ内のメモリに一旦記憶された記録信号(印刷画像データ)は、プリンタ313へと転送され、そのレーザー記録部でYellow、Magenta、Cyan、Blackの4色の記録レーザー光に変換される。そして、記録レーザー光は各色の感光体316に照射され、各感光体に静電潜像を形成する。そして、プリンタ313は、トナーカートリッジ317から供給されるトナーにより各感光体にトナー現像を行い、各感光体に可視化されたトナー画像は中間転写ベルト321に一次転写される。中間転写ベルト321は図3において時計回転方向に回転し、用紙カセット318、或いは給紙デッキ314から給紙搬送路319を通って給送された記録紙が二次転写位置320に来たところで、中間転写ベルト321から記録紙へとトナー画像が転写される。
画像が転写された記録紙は、定着器322で、加圧と熱によりトナーが定着され、排紙搬送路を搬送された後、フェイスダウンのセンタートレイ323か、スイッチバックしてフィニッシャへの排紙口324、或いはフェースアップのサイドトレイ325へと排紙される(但しサイドトレイ325は、フィニッシャ315が未装着の場合にのみ排紙可能な排紙口である)。フラッパ326及び327は、これらの排紙口を切り替えるために搬送路を切り替えるためのものである。両面プリントの場合には、記録紙が定着器322を通過後に、フラッパ327が搬送路を切り替え、その後スイッチバックして下方に記録紙が送られ、両面印刷用紙搬送路330を経て再び二次転写位置320に給送され、両面プリントが行われる。
続いてフィニッシャ315で行われる動作について説明する。フィニッシャ315は、ユーザに指定された機能に応じ、印刷済み用紙に対して後処理を加える。具体的には、ステープル(1個所、2箇所綴じ)やパンチ(2穴、3穴)、製本中綴じ等の機能を有する。図3の画像形成装置は2つの排紙トレイ328を有し、フィニッシャ315への排紙口324を通過してきた記録紙は、ユーザの設定によって、例えばコピー・プリンタ・FAXの機能毎に排紙トレイ328が振り分けられる。プリントエンジン313は、カラー4ドラムのプリンタではあるが、カラー1ドラムのエンジンでも良いし、白黒記録のプリンタエンジンでも良いことは言うまでもない。図3の画像形成装置は、プリンタとして利用される場合、ドライバにより白黒プリント/カラープリント、用紙サイズ、2UP・4UP印刷・N-UP印刷、両面、ステープル、パンチ、製本中綴じ、合紙、表紙、裏表紙などの各種設定が可能である。
図4は、画像形成装置のコントローラのハードウェア構成図である。本実施形態1の画像形成装置のスキャナ部、プリンタ部、ネットワークインタフェース部等の制御を行うコントローラのハードウェア構成の詳細について、図4を参照して説明する。
メインコントローラ401は、主にCPU(central processing unit)402と、バスコントローラ403、及び各種I/F(interface)コントローラ回路等を有する。CPU402とバスコントローラ403は、機器全体の動作を制御し、CPU402はROM(read only memory)404からROM I/F405を経由して読込んだプログラムに基づいて動作する。また、PCから受信したPDL(ページ記述言語)コードデータを解釈しラスターイメージデータに展開する動作もこのプログラムに記述されており、その動作プログラムに基づいてCPU402はPDLの展開処理を行う。バスコントローラ403は各I/Fから入出力されるデータ転送を制御し、バス競合時の調停やDMA(direct memory access)データ転送の制御を行う。
DRAM(dynamic RAM)406はDRAM I/F407によってメインコントローラ401と接続されており、CPU402が動作するためのワークエリアや、画像データを蓄積するためのエリアとして使用される。
コーデック408は、DRAM406に蓄積されたラスターイメージデータをMH(modified Huffman)/MR(modified READ)/MMR(modified modified READ)/JBIG(joint bi-level image experts group)/JPEG(Joint Photographic Experts Group)等の方式で圧縮し、また逆に圧縮され蓄積されたコードデータをラスターイメージデータに伸長する。SRAM(static RAM)409は、バックアップ用電池から供給される電源により、装置全体が電源遮断されても記憶内容を保持できる構成となっているメモリである。SRAM409はコーデック408の一時的なワーク領域として使用される。コーデック408はI/F410を介してメインコントローラ401と接続され、DRAM406との間のデータの転送は、バスコントローラ403によって制御されDMA転送される。
グラフィックプロセッサ424は、DRAM406に蓄積されたラスターイメージデータに対して、画像回転、画像変倍、色空間変換、二値化の処理をそれぞれ行う。SRAM425は、バックアップ用電池から供給される電源により、装置全体が電源遮断されても記憶内容を保持できる構成となっているメモリである。SRAM425はグラフィックプロセッサ424の一時的なワーク領域として使用される。グラフィックプロセッサ424はI/Fを介してメインコントローラ401と接続され、DRAM406との間のデータの転送は、バスコントローラ403によって制御されDMA転送される。
ネットワークコントローラ411はI/F413によってメインコントローラ401と接続され、コネクタ412によって外部の通信ネットワークと接続される。通信ネットワークとしては一般的にイーサネット(登録商標)が挙げられる。
汎用高速バス415には、拡張ボードを接続するための拡張コネクタ414とI/O(input/output)制御部416とが接続される。汎用高速バス415としては、一般的にPCI(Peripheral Component Interconnect)バスがあげられる。I/O制御部416には、スキャナ部201、プリンタ部203の各CPUと制御コマンドを送受信するための調歩同期シリアル通信コントローラ417が2チャンネル装備されており、I/Oバス418によってスキャナI/F回路426、プリンタI/F回路430に接続されている。
パネルI/F421は、LCD(liquid crystal display)コントローラ420に接続され、操作部204上の液晶画面に表示を行うためのI/Fと、ハードキーやタッチパネルキーの入力を行うためのキー入力I/Fとから構成される。操作部204は液晶表示部と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキー等を有する。タッチパネル又はハードキーにより入力された信号は、前述したパネルI/F421を介してCPU402に伝えられ、液晶表示部はパネルI/F421から送られてきた画像データを表示する。液晶表示部には、本実施形態1の画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。本実施形態1に関連する具体的な操作部表示に関しては、図6〜図10を参照し詳細を後述する。
リアルタイムクロックモジュール422は、機器内で管理する日付と時刻を更新/保存する機能を有し、バックアップ用電池423によってバックアップされている。E-IDE(enhanced integrated drive electronics)インタフェース439は、外部記憶装置を接続するためのI/Fである。本実施形態の画像形成装置は、このI/Fを介してハードディスクドライブ438を接続し、ハードディスク440へ画像データを記憶させ、ハードディスク440から画像データを読み込む動作を行う。コネクタ427と432は、それぞれスキャナ部201とプリンタ部203とに接続され、同調歩同期シリアルI/F(428、433)とビデオI/F(429、434)等から構成される。
スキャナI/F426は、コネクタ427を介してスキャナ部201と接続され、また、スキャナバス441によってメインコントローラ401と接続されており、スキャナ部201から受け取った画像データに対して、そのデータをメインコントローラ401へ渡す前の前処理を施す機能を有する。さらに、スキャナI/F426は、スキャナ部201から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、スキャナバス429に出力する機能も有する。スキャナバス429からDRAM406へのデータ転送は、バスコントローラ403によって制御される。
プリンタI/F430は、コネクタ432を介してプリンタ部203と接続され、また、プリンタバス431によってメインコントローラ401と接続されており、メインコントローラ401から出力された画像データをプリンタ部203へ渡す前の前処理を施して、プリンタ部203へ出力する機能を有し、さらに、プリンタ部203から送られたビデオ制御信号をもとに生成した制御信号を、プリンタバス431に出力する機能も有する。DRAM406上に展開されたラスターイメージデータのプリンタ部203への転送は、バスコントローラ403によって制御され、それらデータがプリンタバス431、ビデオI/F434を経由して、プリンタ部203へDMA転送される。
SRAM436は、バックアップ用電池から供給される電源により、装置全体が電源遮断されても記憶内容を保持できる構成となっているメモリであり、バス435を介してI/O制御部416と接続されている。SRAM436はI/O制御部416の一時的なワーク領域として使用される。EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)437も同様にバス435を介してI/O制御部416と接続されているメモリである。EEPROM437はI/O制御部416が使用する固定的な制御データを格納しており、その内容は電気的に消去しROMライター等で更新可能である。
次に本実施形態1の画像形成装置の各種印刷設定を行なう操作部204について説明する。図5は、画像形成装置の操作部204の操作パネルのハードウェア構成図である。図5に示す操作部204が図4を参照し説明したパネルI/F421に接続されている。図5において図中符号502は、ユーザが設定した設定値などを取り消すためのリセットキーである。符号503は、動作中のジョブを中止させる時に使用するストップキーである。符号504は、置数などの数値入力を行うためのテンキーである。符号505はタッチパネル式の操作画面であり、具体的には図6に示すような画面を表示する(後述)。操作画面505は、各種設定をするためのタッチパネルのボタンを多数有する。符号506は、原稿の読み込みなどジョブをスタートさせるためのスタートキーである。さらに符号507は、設定などをクリアするためのクリアキーである。符号508は、ユーザ設定モードにするためのユーザ設定モードキーである。
図6は、操作部204の操作パネルの表示(基本画面)を示す図である。図5で示した操作画面505のタッチパネルに表示される内容について、図6を参照して説明する。図6において、画面上部に表示されているタグ602は各機能の選択を受け付けるタグである。タグ602は、左から順に、コピー機能、FAX送信及びEメール送信並びにファイルサーバシステムへの送信などの送信機能、スキャナ部で読み込んだ画像データを機器内のハードディスク440に格納したり、格納されたデータの操作やプリントを行うことが出来るボックス機能、通信ネットワーク経由でPCから操作してスキャン画像をPCに取り込むことが出来るリモートスキャナ機能である。各機能のタグを選択することによりそれぞれの詳細設定が出来る画面に遷移する。
図6に図示した画面は、コピー機能の画面の例である。このコピー機能の画面は、色モードを選択するボタン603や、倍率指定ボタン604、用紙選択ボタン605、シフトソートやステープルソートなどフィニッシング指定を行なうソータボタン606、両面指定を行なう両面ボタン607、濃度を指定するバー608、原稿タイプを選択するボタン609、その他各種の応用モードを設定する応用モードボタン610などが配置されている。これらの設定ボタンによる設定が完了していなくても、本実施形態1の画像形成装置は、原稿台307に原稿がセットされたことを検知するか、DFの原稿有無センサ304で原稿ありと検知された場合には、原稿を所定の位置に搬送して画像読み込み動作を開始し、ユーザの印刷条件の設定と並行して読み込み処理を進めるよう制御する。
図11は、メインコントローラ401のCPU402が実行する本実施形態1の原稿先読みシーケンスに基づく処理を説明するフローチャートである。図11に示す処理は、CPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。以下、本実施形態1の画像形成装置の制御方法を、図11のフローチャートを参照して説明する。図11のフローチャートは、スキャン側の処理過程を表す左側のフローチャートと、ユーザによる操作部204への操作入力に基づく処理過程及びプリント側の処理過程を表す右側のフローチャートに分けて記述してある。実際の画像形成装置内における制御では、これら処理はいわゆるマルチタスク技術或いはマルチプロセス技術によって、異なるタスク(プロセス)として同時並行動作させられる。本実施形態1においては、これら処理がマルチタスクシステムにおいて異なるタスクとして実行されているものとし、以下にマルチタスクシステムの動作に関して若干の説明を加える。
マルチタスクシステムでは、システムの起動時にシステムを構成するタスクが起動され、各々のタスクはそのタスクが稼動しなければならない事象(イベント)が発生するまでは待機状態にある。図11のフローチャートにおいて、左側に記載したスキャンタスクの処理においては、ステップS1101でCPU402が原稿の有無をチェックしている状態が、イベントの発生を待っている状態である。また、右側に記載したユーザ操作・プリントタスクの処理においては、ステップS1121においてCPU402がキー入力等の操作部204への入力をチェックしている状態が、イベントの発生を待っている状態である。
両タスクのフローチャートとも終端子が無いが、これはマルチタスクシステムにおけるタスクは、イベントが発生して稼動を開始し、一連の処理を終えると再び待機状態に戻るためである。図11においては、スキャンタスクはステップS1111或いはステップS1108の実行後にステップS1101に戻って待機状態に入り、ユーザ操作・プリントタスクはステップS1125の実行後にステップS1121に戻って待機状態に入る。
続いてスキャン側の処理過程を、図11の左側のフローチャートを参照して説明する。CPU402は、上述した原稿サイズ検知センサ331〜335、又は原稿有無センサ304の検知信号に基づいて、原稿があるか否かをチェックする(S1101)。原稿が無い場合には原稿有りと判定されるまで、CPU402はステップS1101で処理を待機する。CPU402は、原稿を検知すると、上述した原稿サイズ検知センサ331〜335、又は原稿有無センサ304の検知信号に基づいて、原稿が存在するのは圧板(原稿台上)307か、DF302かを判定する(S1102)。ステップS1102において原稿があるのはDF302と判定すると、CPU402は、上述のローラやベルト類を回転させ原稿を原稿台307上へ引き込む処理を行い(S1103)、続いてCCD34を動作させ原稿を読み込み(S1104)、画像データをメモリへ保存する(S1105)。
読み込み画像が完全にメモリへ保存されると、CPU402は、その画像データが印刷に供することが可能であることを示す画像データ使用可能フラグを、その画像データ(1ページ分)にセットする(S1106)。続いてCPU402は、上述のローラやベルト類を回転させ読み込みが終了した原稿を排紙トレイ309へと搬送する(S1107)。続いてCPU402は、次ページの原稿が存在するか否かをチェックし(S1108)、次ページ原稿が存在する場合には、ステップS1103からの処理を再度行い、読み込むべき原稿がなくなるまで上述した一連の処理を繰り返す。CPU402は、ステップS1108において次ページ原稿が無いと判定した場合、原稿の読み込み処理を終える。
一方CPU402は、ステップS1102において原稿が圧板307上にあると判定すると、CCD34を動作させ原稿を読み込み(S1109)、画像データをメモリへ保存する(S1110)。読み込み画像が完全にメモリへ保存されると、CPU402は、その画像データが印刷に供することが可能であることを示す画像データ使用可能フラグを、その画像データ(1ページ分)にセットし(S1111)、読み込み処理を終える。
次に、ユーザ操作・プリント側の処理過程を、図11の右側のフローチャートを参照して説明する。CPU402は、ユーザによる操作部204への入力をチェックする(S1121)。ユーザは原稿台307或いはDF302に原稿をセット後、操作部204のキー(例えば図5におけるテンキー504)、或いは操作部204に設けられた操作画面505上に形成されたソフトキー(例えば図6における倍率指定ボタン604)を操作することで、画像形成に関わる何らかの指示を行うので、CPU402は、ステップS1121でこの操作部204への入力をチェックしている。
CPU402は、ステップS1121で操作部204への入力を検知すると、その入力がスタートキー押下であるかどうかをチェックする(S1122)。スタートキーでなければ、CPU402は、そのキー入力に応じた所定の処理(例えばコピー部数を指定する置数設定処理、フルカラー/白黒の色モード指定処理、ステープルの有無や製本設定など画像のレイアウトのフィニッシング指定処理)を行なう(S1123)。
一方ステップS1122においてスタートキーが押下されたと判定すると、CPU402は、メモリに保存されている画像データに、画像データが印刷を実行できる状態であることを示す画像データ使用可能フラグがセットされているか否かをチェックする(S1124)。ここでチェックされる画像データ使用可能フラグは、図11の左側のフローチャートのステップS1111、或いはステップS1106においてセットされるフラグである。図11のステップS1124からステップS1106及びステップS1111に延びている破線矢印は、このフラグをチェックする処理を意味する。
ステップS1124において画像データに画像データ使用可能フラグがセットされていなければ、CPU402は、その画像データに画像データ使用可能フラグがセットされるまで待つ。CPU402は、ステップS1124において画像データに画像データ使用可能フラグがセットされていることを検知すると、その画像データをプリントする(S1125)。
CPU402は、ステップS1122、1123で行うユーザによる操作部204への入力処理を極短時間で完了した場合、ユーザ操作・プリント処理をステップS1124で待機するケースが発生しうる。しかし、本実施形態1の画像形成装置は、以上説明したように原稿載置を検知して直ちに画像読み込み処理を開始するため、ステップS1106或いはステップS1111の処理に達し、画像データを生成し、画像データ使用可能フラグをセットするまでに、極わずかの時間しか要さない。一方ユーザによる操作部204への入力処理は、通常一定の時間を要するため、CPU402がユーザ操作・プリント処理のステップS1124において画像データ使用可能フラグがセットされるのを待つケースは、ほとんど発生しないと考えられる。
また、ステップS1124において画像データ使用可能フラグがセットされていたらステップS1125でプリント処理を行うという処理過程は、即ち、一旦画像データ使用可能フラグがセットされたページ画像が生成されれば、その時点以降、スキャナ側のページ画像生成処理はプリント処理よりも高速であることを前提としている。しかし、S1103〜S1108のループ処理の時間がかかる等この前提が成り立たないケースもありうる。このケースの対処も含めて、CPU402は、ステップS1124において画像データのページ毎に画像データ使用可能フラグのセット状況を調べ、画像データ(全ページ分)にそのフラグがセットされるまで待ち、画像データ(全ページ分)にそのフラグがセットされていることを検知した場合にステップS1125へ処理を進めその画像データをプリントするようにしてもよいことは、当業者には自明であろう。
以上のような制御を行なうことにより、本実施形態1の画像形成装置は、ユーザが操作パネルへの設定入力を行っている間に画像読み込み処理を行うことが可能となるので、ユーザがコピー動作開始を指示するスタートキー押下から出力結果が排出されるまでのFCOTを大幅に短縮することができ、実使用時の生産性が大幅に改善される。
また、図11のフローチャートの説明から明らかなように、ユーザが原稿の載置より先に操作部204への入力を済ませてスタートキーを押下したとしても、CPU402はユーザ操作・プリント側の処理のステップS1124で処理を待機する。従ってこの場合の対処としては、CPU402は、ステップS1122でスタートキー押下を検知後に、スキャン処理が開始していない、即ち画像データがメモリに保存されていないと判定した場合、原稿載置を促す適当なメッセージを操作画面505に表示する処理を、ステップS1124の前に行うようにしておけばよい。CPU402が、このメッセージに従ってユーザによって載置された原稿を、図11のスキャン側処理のステップS1101から順に処理することで、画像形成処理が行える。
(実施形態2)
実施形態1においては、先読みシーケンスによって動作する画像形成装置の制御方法を説明したが、画像形成装置を利用するユーザによっては原稿をセットして操作部204への諸入力を行い、スタートキーを押下して画像形成処理を行わせたいというケースが考えられる。このようなニーズに対応するため、本実施形態2においては、先読みシーケンスと、原稿をセットして操作部204への諸入力を行いスタートキーを押下して画像形成処理を行わせる非先読みシーケンスとを、選択的に実行する画像形成装置の制御方法について説明する。
本実施形態2で説明する画像形成装置の制御方法に供する、画像形成装置のブロック構成、機構構成、ハードウェア構成、操作部204の構成等は、実施形態1において説明した図2、図3、図4、図5に記載した構成と同様なので、それらの説明は省略し、本実施形態2において説明する画像形成装置の制御方法に特徴的な画像形成処理過程について、以下説明する。
図12は、メインコントローラ401のCPU402が実行する本実施形態2の選択的に先読みシーケンス又は非先読みシーケンスに基づく処理を説明するフローチャートである。図12に示す処理は、CPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。以下、本実施形態2の画像形成装置の制御方法を、図12のフローチャートを参照して説明する。図12のフローチャートは、スキャン側の処理過程を表す左側のフローチャートと、ユーザによる操作部204への操作入力に基づく処理過程及びプリント側の処理過程を表す右側のフローチャートに分けて記述してある。実際の画像形成装置内における制御では、これら処理はいわゆるマルチタスク技術或いはマルチプロセス技術によって、異なるタスク(プロセス)として同時並行動作させられる。本実施形態2においても、実施形態1と同様、これら処理はマルチタスクシステムにおいて異なるタスクとして実行されているものとする。
図12において、CPU402は、先読みモード(先読みシーケンスを選択したモード)かどうかをチェックする(S1201)。これは、CPU402が、上述した原稿サイズ検知センサ331〜335、又は原稿有無センサ304の検知信号に基づいて原稿があると判断した場合、操作画面505に先読みシーケンス又は非先読みシーケンスを選択させるメニューを表示し、ユーザによるメニュー上の先読みシーケンス又は非先読みシーケンスの選択結果をチェックするようにしてもよい。又は、操作部204上に先読みシーケンス又は非先読みシーケンスを選択させるトグルスイッチ(不図示)を設け、CPU402が、ユーザによるそのトグルスイッチの先読みシーケンス又は非先読みシーケンスの選択結果をチェックするようにしてもよい。ステップS1201の処理、すなわち画像形成装置が先読みモードで動作する状態にあるか、非先読みモードで動作する状態にあるかの設定、変更の好適な方法についは、実施形態3で後述する。
ステップS1201において、CPU402は、先読みモードと判定した場合、ステップS1202の処理を実行するが、この処理は実施形態1において図11を参照し説明した処理に他ならない。
一方ステップS1201において、CPU402は、非先読みモードと判定すると、ユーザによる操作部204への入力をチェックする(S1211)。これはユーザによる画像形成に関わる何らかの指示、即ち、操作部204のキー(例えば図5におけるテンキー504)、或いはは操作部204に設けられた操作画面505上に形成されたソフトキー(例えば図6における倍率指定ボタン604)の操作をチェックしている。
CPU402は、ステップS1211で操作部204への入力を検知すると、その入力がスタートキー押下であるかどうかをチェックする(S1212)。スタートキーでなければ、CPU402は、そのキー入力に応じた所定の処理(例えばコピー部数を指定する置数設定処理、フルカラー/白黒の色モード指定処理、ステープルの有無や製本設定など画像のレイアウトのフィニッシング指定処理)を行なう(S1213)。
一方ステップS1212においてスタートキーが押下されたと判定すると、CPU402はスキャン処理を開始させる(S1214)。ステップS1214の処理は、アイドル状態でスキャン処理実行指示イベントを待っているスキャンタスクに対し、スキャン開始指示イベントを与える処理で、図12のステップS1214からステップS1231に延びている破線矢印が、このイベント付与を表している。なお、スキャンタスクの処理については後述する。
続いてCPU402は、スキャンタスクによって読み込まれた画像データが印刷を実行できる状態であることを示す画像データ使用可能フラグがセットされているか否かをチェックする(S1215)。ここでチェックされる画像データ使用可能フラグは、後述するスキャンタスクを示す図12の左側のフローチャートのステップS1236、或いはステップS1241においてセットされるフラグである。図12のステップS1215からステップS1236及びステップS1241に延びている破線矢印は、このフラグをチェックする処理を意味する。
ステップS1215において画像データに画像データ使用可能フラグがセットされていなければ、CPU402は、その画像データに画像データ使用可能フラグがセットされるまで待つ。CPU402は、ステップS1215において画像データに画像データ使用可能フラグがセットされていることを検知すると、その画像データをプリントし(S1216)、本実施形態2の画像形成装置における一連の処理が終了する。
一般に非先読みシーケンスに従う画像形成装置では、ステップS1214の処理、すなわちスキャン処理の開始指示から、画像の読み込み処理等を経て画像データが使用可能となってフラグがセットされるまでに一定の時間がかかるので、多くの場合ステップS1215で待ちが発生していると考えられる。
また、ステップS1215において画像データ使用可能フラグがセットされていたらステップS1216でプリント処理を行うという処理過程は、即ち、一旦画像データ使用可能フラグがセットされたページ画像が生成されれば、その時点以降、スキャナ側のページ画像生成処理はプリント処理よりも高速であることを前提としている。しかし、この前提が成り立たないケースもありうる。このケースの対処も含めて、CPU402は、ステップS1215において画像データのページ毎に画像データ使用可能フラグのセット状況を調べ、画像データ(全ページ分)にそのフラグがセットされるまで待ち、画像データ(全ページ分)にそのフラグがセットされていることを検知した場合にステップS1216へ処理を進めその画像データをプリントするようにしてもよいことは、当業者には自明であろう。
続いてスキャンタスクの処理を説明する。スキャンタスクの処理は、図12のステップS1231以降の処理ステップである。スキャンタスクはスキャン開始指示イベントを与えられるまではアイドル状態にあり(S1231)、そのイベントが発生するまでCPU402はステップS1231で処理を待機する。CPU402はスキャン開始指示イベントを検知すると、原稿が存在するのは圧板(原稿台上)307か、DF302かを判定する(S1232)。ステップS1232において原稿があるのはDF302と判定すると、CPU402は、上述のローラやベルト類を回転させ原稿を原稿台307上へ引き込む処理を行い(S1233)、続いてCCD34を動作させ原稿を読み込み(S1234)、画像データをメモリへ保存する(S1235)。
読み込み画像が完全にメモリへ保存されると、CPU402は、その画像データが印刷に供することが可能であることを示す画像データ使用可能フラグを、その画像データ(1ページ分)にセットする(S1236)。続いてCPU402は、上述のローラやベルト類を回転させ読み込みが終了した原稿を排紙トレイ309へと搬送する(S1237)。続いてCPU402は、次ページの原稿が存在するか否かをチェックし(S1238)、次ページ原稿が存在する場合には、ステップS1233からの処理を再度行い、読み込むべき原稿がなくなるまで上述した一連の処理を繰り返す。CPU402は、ステップS1238において次ページ原稿が無いと判定した場合、原稿の読み込み処理を終えてステップS1231の処理へ戻り、アイドル状態に入る。
一方CPU402は、ステップS1232において原稿が圧板307上にあると判定すると、CCD34を動作させ原稿を読み込み(S1239)、画像データをメモリへ保存する(S1240)。読み込み画像が完全にメモリへ保存されると、CPU402は、その画像データが印刷に供することが可能であることを示す画像データ使用可能フラグを、その画像データ(1ページ分)にセットし(S1241)、読み込み処理を終える。
以上のような制御を行なうことにより、本実施形態2の画像形成装置は、動作モードとして先読みモードと非先読みモードを選択的に実行することが可能になり、様々なユーザのニーズに対応することが可能になる。
(実施形態3)
実施形態2においては、先読みシーケンスと非先読みシーケンスを選択的に実行する画像形成装置の制御方法について説明した。本実施形態3においては、実施形態2の説明において参照した図12の画像形成装置の動作を説明するフローチャートのステップS1201において、画像形成装置が先読みモードで動作するのか、非先読みモードで動作するのかを示す情報を選択可能とする、画像形成装置の制御方法について説明する。
本実施形態2で説明する画像形成装置の制御方法に供する、画像形成装置のブロック構成、機構構成、ハードウェア構成、操作部204の構成等は、上述の各実施形態に適用される図2、図3、図4、図5に記載した構成と同様なので、それらの説明は省略し、本実施形態3において説明する画像形成装置の制御方法に特徴的な画像形成処理過程について、図6、図7、図8及びフローチャート図13を参照し、以下説明する。
画像形成装置を先読みモードで動作させるか、非先読みモードで動作させるかを設定するには、様々な方法をとり得るが、本実施形態3においては、画像形成装置に設けられているユーザ設定モードに移行して、キー操作によって設定/変更する方法を説明する。ユーザ設定モードとは、画像形成装置において通常行うコピー処理、ファクシミリ送信処理、通信ネットワーク等を介した印刷処理以外の設定事項の入力処理(例えば画像形成装置の電力を下げる省電力モードへの移行時間を設定するためのタイマ設定や、操作パネルの音を出す/出さないを指定するOFF/ONの設定など)を行うために設けられているモードである。
図7は、ユーザ設定モード画面を示す図である。ユーザが画像形成装置の操作部204のユーザ設定モードキー508を押下すると画像形成装置はユーザ設定モードに入り、図7に示すようなユーザ設定モード画面が操作画面505に現れる。ユーザ設定モードキー508はトグルキーであり、このキーが押下されると画像形成装置はユーザ設定モードに入り、さらにこのキーが押下されると画像形成装置のユーザ設定モードが解除され、操作画面505は図6に示すような基本画面に戻る。図7のユーザ設定モード画面の各種設定の中に、原稿読み込み自動スタートの設定701が存在する。図7のユーザ設定モード画面は、予め原稿読み込み自動スタートを行うように選択されている画面を示し、符号703で指示する部分に「ON」とあるのはこのためである。
図8は、ユーザ設定モード画面(原稿読み込み自動スタート指定)を示す図である。原稿読み込み自動スタートに関わる詳細の指定を行うために、ユーザが図7に示す原稿読み込み自動スタートボタン702を押下すると操作画面505は図8のようなユーザ設定モード画面へと遷移する。図8のユーザ設定モード画面では、ユーザは、全ての動作を先読みモードにするONボタン802、全ての動作を非先読みモードにするOFFボタン801、又はモードによって先読みモードを自動で切り替えるAUTOボタン803を選択可能である。ボタン803のAUTOが選択された場合の動作は、実施形態5で説明する。
図13は、メインコントローラ401のCPU402が実行する本実施形態3のユーザ設定モードにおいて先読みシーケンスを選択する処理過程を説明するフローチャートである。図13に示す処理は、CPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。以下、本実施形態3の画像形成装置の制御方法(操作画面505を参照して説明した上述の内容)を、図13のフローチャートを参照して説明する。
CPU402は、ユーザが画像形成装置の操作部204のユーザ設定モードキー508を操作したことを検知すると、図7のユーザ設定モード画面を操作画面505に表示する(S1301)。続いてCPU402は、原稿読み込み自動スタートボタン702の選択を検知し、操作画面505に図8のユーザ設定モード画面を表示する(S1302)。CPU402は、先読みを有効に設定するためのONボタン802の押下、反対に先読みモードを無効化するためのOFFボタン801の押下を判定し(S1303)、ONボタン802が押下された場合は、先読みモードを機能させることを示す「先読みモード=ON」の情報(例えばフラグ等)をメモリに格納する(S1304)。一方ステップS1303においてOFFボタン801が押下された場合は、CPU402は、先読みモードを無効とすることを示す「先読みモード=OFF」の情報(例えばフラグ等)をメモリに格納する(S1305)。
CPU402は、ステップS1304、又はS1305の処理を経てユーザによる先読みモードの有効化・無効化の設定処理の手順を終了する。この設定後、CPU402は、前述した図12のフローチャートに従って動作する。即ち、図12のS1201において、CPU402は、メモリに格納されている「先読みモード=ON」の情報、又は「先読みモード=OFF」の情報に基づいて、先読みモード(先読みシーケンスを選択したモード)かどうかをチェックする。
以上説明したように、本実施形態3の画像形成装置は、先読みシーケンスと従来の非先読みシーケンスを選択的に動作可能な構成にすることにより、ユーザのニーズに応じて様々な設定で動作することが出来る。
(実施形態4)
先読みシーケンスと非先読みシーケンスを選択的に動作可能な構成とする画像形成装置の制御方法を、実施形態2及び実施形態3で説明した。本実施形態4では、図12の画像形成装置の動作を説明するフローチャートのステップS1201において、先読みシーケンスを選択しようとした場合には、設定変更を行うユーザに対して認証データの入力を要求し、認証できた場合に限り先読みシーケンスによる動作を可能とする画像形成装置の制御方法について説明する。
本実施形態4で説明する画像形成装置の制御方法に供する、画像形成装置のブロック構成、機構構成、ハードウェア構成、操作部204の構成等は、上述の各実施形態に適用される図2、図3、図4、図5に記載した構成と同様なので、それらの説明は省略し、本実施形態3において説明する画像形成装置の制御方法に特徴的な画像形成装置の制御過程について、図7、図8、図9、及びフローチャート図14を参照し、以下に説明する。
画像形成装置を先読みシーケンスにより動作させようとする場合に、その設定を行うユーザに対して認証データの入力を要求する方法としては色々な方法が適用可能であるが、ここでは先読みシーケンスを選択しようとする時にパスワード等の入力を要求し、権限のある特定のユーザのみに先読みシーケンスを選択できるように、画像形成装置を制御する方法について説明する。
ユーザが画像形成装置の操作部204のユーザ設定モードキー508を押下すると画像形成装置はユーザ設定モードに入り、図7に示すようなユーザ設定モード画面が操作画面505に現れる。図7のユーザ設定モード画面の各種設定の中に、原稿読み込み自動スタートの設定701が存在する。図7のユーザ設定モード画面は、予め原稿読み込み自動スタートを行うように選択されている画面を示し、符号703で指示する部分に「ON」とあるのはこのためである。
図8は、ユーザ設定モード画面(原稿読み込み自動スタート指定)を示す図である。原稿読み込み自動スタートに関わる詳細の指定を行うために、ユーザが図7に示す原稿読み込み自動スタートボタン702を押下すると操作画面505は図8のようなユーザ設定モード画面へと遷移する。図8のユーザ設定モード画面では、ユーザは、全ての動作を先読みモードにするONボタン802、全ての動作を非先読みモードにするOFFボタン801、又はモードによって先読みモードを自動で切り替えるAUTOボタン803を選択可能である。
図8の原稿読み込み自動スタートの設定で、ユーザがONボタン802、或いはAUTOボタン803を選択した場合、操作画面505は図9に示すパスワード入力画面に遷移する。ユーザは、図9のパスワード入力画面中の入力欄901に部門IDを入力し、それに対応する暗証番号を入力欄902に入力する。そして、画像形成装置は、部門IDとパスワードの認証をパスした場合のみ先読みモードをONにするように制御する。
図14は、メインコントローラ401のCPU402が実行する本実施形態4のユーザモードにおいて認証情報の入力を受け付け先読みシーケンスを選択する処理過程を説明するフローチャートである。図14に示す処理は、CPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。以下、本実施形態4の画像形成装置の制御方法を、図14のフローチャートを参照して説明する。
CPU402は、ユーザが画像形成装置の操作部204のユーザ設定モードキー508を操作したことを検知すると、図7のユーザ設定モード画面を操作画面505に表示する(S1401)。続いてCPU402は、原稿読み込み自動スタートボタン702の選択を検知する(S1402)。これを受けてCPU402は、ユーザの認証情報の入力を促すために、操作画面505に図9のパスワード入力画面を表示し(S1403)、ユーザによるパスワード等の入力を待つ(S1404)。ユーザがパスワード等を入力すると、CPU402は、入力されたパスワード等が予めメモリに登録されたパスワード等と合致するか否かを評価する(S1405)。
入力されたパスワード等が登録されたパスワード等と合致しない場合、CPU402は、操作画面505にパスワード等が正しくないことをユーザに対して報知する画面(不図示)を表示し(S1406)、続いてパスワード等の再入力を促すため、処理をステップS1404へ戻す。一方ステップS1405においてパスワード等が正しいと判定された場合、CPU402は、操作画面505に原稿先読み自動スタートに対する設定値の選択画面である図8のユーザ設定モード画面を表示する(S1407)。CPU402は、先読みを有効に設定するためのONボタン802の押下、反対に先読みモードを無効化するためのOFFボタン801の押下を判定し(S1408)、ONボタン802が押下された場合は、先読みモードを機能させることを示す「先読みモード=ON」の情報(例えばフラグ等)をメモリに格納する(S1409)。一方ステップS1408においてOFFボタン801が押下された場合は、CPU402は、先読みモードを無効とすることを示す「先読みモード=OFF」の情報(例えばフラグ等)をメモリに格納する(S1410)。
CPU402は、ステップS1409、又はS1410の処理を経てユーザによる先読みモードの有効化・無効化の設定処理の手順を終了する。この設定後、CPU402は、前述した図12のフローチャートに従って動作する。即ち、図12のS1201において、CPU402は、メモリに格納されている「先読みモード=ON」の情報、又は「先読みモード=OFF」の情報に基づいて、先読みモード(先読みシーケンスを選択したモード)かどうかをチェックする。
以上説明したように、本実施形態4の画像形成装置は、原稿先読み自動スタートに対する設定変更を行うユーザに対して認証データの入力を要求し、認証できた場合に限り先読みシーケンスによる動作を可能とする。
(実施形態5)
本実施形態5は、実施形態2の説明において参照した図12の画像形成装置の動作を説明するフローチャートのステップS1201において、画像形成装置が先読みモードで動作するのか、非先読みモードで動作するのかを示す情報を選択可能とする、画像形成装置の制御方法であって、DF302を利用したコピーの場合には先読みシーケンスに従い、原稿台307を利用したコピーの場合には非先読みシーケンスで、それぞれ自動で動作することが可能な画像形成装置の制御方法について説明する。
本実施形態5で説明する画像形成装置の制御方法に供する、画像形成装置のブロック構成、機構構成、ハードウェア構成、操作部204の構成等は、上述の各実施形態に適用される図2、図3、図4、図5に記載した構成と同様なので、それらの説明は省略し、本実施形態3において説明する画像形成装置の制御方法に特徴的な画像形成装置の制御過程について、図7、図8、図10、及びフローチャート図15を参照し、以下に説明する。
画像形成装置をDF302を利用したコピーの場合には先読みシーケンスに従って動作し、原稿台307を利用したコピーの場合には非先読みシーケンスに従って自動的に動作するよう制御するには、まず画像形成装置に対して、それらの動作を行うよう予め設定しておく必要がある。その設定の制御過程を図面を参照し説明する。
ユーザが画像形成装置の操作部204のユーザ設定モードキー508を押下すると画像形成装置はユーザ設定モードに入り、図7に示すようなユーザ設定モード画面が操作画面505に現れる。図7のユーザ設定モード画面の各種設定の中に、原稿読み込み自動スタートの設定701が存在する。図7のユーザ設定モード画面は、予め原稿読み込み自動スタートを行うように選択されている画面を示し、符号703で指示する部分に「ON」とあるのはこのためである。
図8は、ユーザ設定モード画面(原稿読み込み自動スタート指定)を示す図である。原稿読み込み自動スタートに関わる詳細の指定を行うために、ユーザが図7に示す原稿読み込み自動スタートボタン702を押下すると操作画面505は図8のようなユーザ設定モード画面へと遷移する。図8のユーザ設定モード画面では、ユーザは、全ての動作を先読みモードにするONボタン802、全ての動作を非先読みモードにするOFFボタン801、又はモードによって先読みモードを自動で切り替えるAUTOボタン803を選択可能である。AUTOボタン803が選択された場合には、操作画面505は図10のような更に詳細な条件設定画面である自動スタート条件設定画面へと遷移する。図10は、製本モードボタン1002、表紙/合紙ボタン1003、DFコピーボタン1004が押下されている自動スタート条件設定画面の1例を示し、この場合画像形成装置は、製本モード、表紙/合紙、DFコピーのいずれかが指定されている時は先読みシーケンスで動作し、それ以外の時は非先読みシーケンスで動作する。
図15は、メインコントローラ401のCPU402が実行する本実施形態5の原稿先読みシーケンス又は非原稿先読みシーケンスを自動選択するための設定処理過程を説明するフローチャートである。図15に示す処理は、CPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。以下、本実施形態5の画像形成装置の制御方法(操作画面505を参照して説明した上述の内容)を、図15のフローチャートを参照して説明する。
CPU402は、ユーザが画像形成装置の操作部204のユーザ設定モードキー508を操作したことを検知すると、図7のユーザ設定モード画面を操作画面505に表示する(S1501)。続いてCPU402は、原稿読み込み自動スタートボタン702の選択を検知し、操作画面505に図8のユーザ設定モード画面を表示する(S1502)。CPU402は、先読みを有効に設定するためのONボタン802の押下、反対に先読みモードを無効化するためのOFFボタン801の押下、又は先読みモードを自動で切り替えるAUTOボタン803の押下を判定し(S1503)、ONボタン802が押下された場合は、先読みモードを機能させることを示す「先読みモード=ON」の情報(例えばフラグ等)をメモリに格納する(S1504)。一方ステップS1503においてOFFボタン801が押下された場合は、CPU402は、先読みモードを無効とすることを示す「先読みモード=OFF」の情報(例えばフラグ等)をメモリに格納する(S1505)。
また、ステップS1503においてAUTOボタン803が押下された場合は、CPU402は、先読みモードで動作するケースと非先読みモードで動作するケースを選択的に自動切換えとすることを示す「先読みモード=自動」の情報(例えばフラグ等)をメモリに格納する(S1506)。ステップS1506において先読みシーケンスが自動選択されるように指定されると、CPU402は続いて、先読みシーケンスで動作する条件をユーザに選択させその情報をメモリに格納する(S1507)。即ち、ステップS1507においてCPU402は、操作部204に図10に示す自動スタート条件設定画面を表示し、ユーザのボタン押下によって指定された項目に対しては先読みシーケンスで動作することを示す情報をメモリに格納し、指定されなかった項目に対しては非先読みシーケンスで動作することを示す情報をメモリに格納する。図10の自動スタート条件設定画面は、画像形成装置が、製本モード、表紙/合紙、DFコピーのいずれかが指定されている時は先読みシーケンスで動作し、それ以外の時は非先読みシーケンスで動作するように選択された状態を表している。
この設定後、CPU402は、前述した図12のフローチャートに従って動作する。ステップS1504、又はS1505の処理を経てユーザによる先読みモードの有効化・無効化の設定処理の手順を終了した場合、図12のS1201において、CPU402は、メモリに格納されている「先読みモード=ON」の情報、又は「先読みモード=OFF」の情報に基づいて、先読みモード(先読みシーケンスを選択したモード)かどうかをチェックする。一方、ステップS1506の処理を経てユーザによる先読みモードの自動化の設定処理の手順を終了した場合、図12のS1201において、CPU402は、メモリに格納されている「先読みモード=自動」の情報に基づいて、自動の先読みモードと判定し、以下図16を参照し説明する処理を行う。
図16は、メインコントローラ401のCPU402が実行する原稿先読みシーケンス又は非原稿先読みシーケンスを自動選択し動作する処理過程を説明するフローチャートである。図16に示す処理は、CPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。以下、上述のように設定された本実施形態5の画像形成装置が、DF302を利用したコピーの場合には先読みシーケンスに従い、原稿台307を利用したコピーの場合には非先読みシーケンスに従って、それぞれ自動で動作する処理過程について、図16のフローチャートを参照し説明する。
CPU402は、DF302又は原稿台307に原稿が載置されたことを検知するまで待機状態にある。CPU402は、原稿載置を検出すると(S1601)、原稿が載置された場所がDF302なのか原稿台307なのかをチェックする(S1602)。原稿がDF302に載置されたことを検出すると、CPU402は、DF利用コピー時に先読みシーケンスを利用するよう指定されているかどうかをチェックする(S1603)。この場合、CPU402は、図15のフローチャートのステップS1507において図10の自動スタート条件設定画面を介して指定された情報を参照すればよい。
ステップS1603においてDF利用コピー時に先読みシーケンスを利用すると指定されていた場合、CPU402は、先読みシーケンスでコピーを行う(S1604)。即ち、CPU402は、処理を図12のステップS1202へ進め、上述した図11の先読みシーケンスによるコピー処理の手順を実行する。
一方ステップS1603においてDF利用コピー時に非先読みシーケンスを利用すると指定されていた場合、CPU402は、非先読みシーケンスでコピーを行う(S1605)。即ち、CPU402は、処理を図12のステップS1211へ進め、上述した図12のフローチャートのステップS1201、及びステップS1202を除外した各ステップからなる処理を行う。
一方、ステップS1602において、CPU402は、原稿が載置されたのがDF302ではなく原稿台307であると判定すると、原稿台(圧板)利用コピー時に先読みシーケンスを利用するよう指定されているかどうかをチェックする(S1606)。この場合、CPU402は、図15のフローチャートのステップS1507において図10の自動スタート条件設定画面を介して指定された情報を参照すればよい。このチェック結果に従って、CPU402は、原稿台利用コピー時に先読みシーケンスを利用する場合は処理をステップS1604へ進め、非先読みシーケンスを利用する場合は処理をステップS1605へ進める。
以上のような制御を行なうことにより、本実施形態5の画像形成装置は、DF302を利用したコピーの場合には先読みシーケンスに従い、原稿台307を利用したコピーの場合には非先読みシーケンスに従って、それぞれ自動で動作することが可能となる。
(実施形態6)
本実施形態6においては、リモートコピーシステムのユーザによる、読取り画像情報を出力する印刷装置の選択を支援するリモートコピーシステムについて説明する。
始めに本実施形態6の概要を説明する。通信ネットワークで接続された任意の数のクライアントシステム、印刷装置、MFPからなる環境を利用する場合、そのユーザは任意の原稿を印刷しようとする時、その原稿の属性に応じて印刷装置を使い分けることが出来る。例えばモノクロ原稿であればモノクロの印刷装置を利用し、カラー原稿であればカラーの印刷装置を利用する。また、カラー写真等を高品位で印刷したい場合、高画質印刷に対応するインクジェットプリンタを利用することが考えられる。
本実施形態6は、このような印刷原稿の属性に応じた印刷装置の使い分け情報を収集し、一方同環境においてMFPで読み取った複写原稿を、通信ネットワークで接続された印刷装置に出力するリモートコピーを行うとき、複写原稿を先読みし、読み取った複写原稿の属性を判定し、この判定結果と、印刷原稿の属性に応じた印刷装置の使い分けられ方から、リモートコピーの出力を行う印刷装置として適切と思われるもをユーザに対して明示的に報知する。これにより、ユーザがリモートコピーにおける出力のための印刷装置を選択するプロセスを支援する。
続いて本実施形態6のリモートコピーシステムの構成を説明する。図17は本実施形態6のリモートコピーシステムの概略構成図である。図17において、図中符号1701、1702はリモートコピーシステムのユーザが使用するPC、ワークステーション等のクライアントシステムである。以下、簡単のためにPCと称する。図17には2台のPCを記載しているが、1台であっても3台以上であっても本実施形態6は有効である。
符号1703、1704、1705は印刷装置としてのSFPである。SFP1703〜1705はリモートコピーシステムのユーザがPC1701、1702を操作して生成する印刷データを受信して、印刷用紙上に永久可視画像化する。また、SFP1703〜1705は、後述するMFP1707が通信ネットワーク1708を介して送信する読取り画像情報を受信して、印刷用紙上に永久可視画像化する機能も備える。SFP1703〜1705はレーザービームプリンタであってもよいし、インクジェットプリンタであってもよいし、その他の印刷プロセスによるものであってもよい。また、それらSFPはカラープリンタであってもモノクロプリンタであってもよい。図17には3台のSFPを記載しているが、2台、又は4台以上であっても本実施形態6は有効である。
本実施形態6においてMFP1707は、少なくとも読取った画像を後述する通信ネットワーク1708を介してSFP1703、1704、1705に送信し、それらSFPで印刷させるリモートコピー機能を実現し、さらに実施形態1〜5で説明した先読みシーケンスによる動作が可能な画像形成装置である。図17には1台のMFP1707を記載しているが、2台以上のMFPが接続されるリモートコピーシステムであっても、本実施形態6は有効である。
符号1706はPC、ワークステーション等で構成されるサーバシステムである。PC1701、1702、SFP1703〜1705、サーバシステム1706、MFP1707は通信ネットワーク1708を介して接続されている。
図18は、本実施形態6のリモートコピーシステムにおいて、SFP利用情報を収集する処理過程を説明するフローチャートである。図18のフローチャートを参照し、リモートコピーシステムのユーザがPC1701又は1702からSFP1703〜1705に印刷する際の、印刷原稿の属性に応じたSFPの使い分け方情報を、サーバシステム1706内に収集する処理(統計機能)について説明する。本実施形態6においては説明の便宜上、リモートコピーシステムのユーザが利用するPCはPC1701であるとする。図18の左側に示す処理は、PC1701のCPUがPC1701のメモリに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。図18の右側に示す処理は、サーバシステム1706のCPUがサーバシステム1706のメモリに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。
PC1701のCPUは、ユーザによる任意のSFPに対する原稿の印刷指示を検知すると(S1801)、印刷を指示したユーザを一意に識別する情報(以下ユーザIDと称する)を抽出する(S1802)。ステップS1801の処理は、市販のアプリケーションソフトの1機能として周知な印刷用ダイアログボックスにおいて、選択されたプリンタ名を指示されたSFPとする等、周知の技術が適用可能である。ステップS1802の処理は、例えば、市販のオペレーティングシステムにログオンする際のユーザIDのように、オペレーティングシステムが要求したユーザIDを使用してもよいし、 オペレーティングシステムとは無関係にユーザIDの入力を受け付けて処理してもよい。
続いてPC1701のCPUは、ステップS1801において印刷指示されたSFPを一意に識別する情報(以下SFPアドレスと称する)を抽出する(S1803)。この情報は例えば、PC1701が認識している通信ネットワーク1708上におけるSFPのネットワークアドレスである。
続いてPC1701のCPUは、ステップS1801において印刷指示された印刷原稿の属性情報を抽出する(S1804)。この処理は例えば、画像を形成するグラフィクスオブジェクトを調査し、文字、図形、写真それぞれがページ上で占有する面積から抽出する情報であってもよいし、文字、図形、写真それぞれがページ上で存在する個数から抽出する情報であってもよい。さらにこの処理は、カラーの指定があるか無いかという条件から抽出する情報であってもよいし、画像の空間周波数分析結果から抽出する情報であってもよい。印刷画像の属性を抽出する技術は、種々の周知技術が適用可能なため、詳細な説明は省く。
続いてPC1701のCPUは、ステップS1802で抽出したユーザIDと、ステップS1803で抽出したSFPアドレスと、ステップS1804で抽出した印刷原稿の属性情報を、サーバシステム1706に送信する(S1805)。この時送信される送信情報の論理構造の一例を図19に示す。
図19は、リモートコピーシステムのSFP利用情報を収集する処理においてPCからサーバに送信するPC送信情報の論理構造の一例を示す図である。図19において、図中符号1901は送信されるPC送信情報全体である。符号1902は送信されるユーザID情報である。符号1903は送信されるSFPアドレス情報である。符号1904は送信される印刷原稿の属性情報である。
サーバシステム1706のCPUは、ステップS1805においてPC1701から送信されたPC送信情報を受信し(S1806)、そのPC送信情報1901から取り出したユーザID情報1902をキーとして、サーバシステム1706が予め保持している利用実績DB(database)内のSFP利用状況データを検索する(S1807)。
図20は、リモートコピーシステムにおけるSFP利用状況データの論理構造の一例を示す図である。図20において、図中符号2001はSFP利用状況データ全体である。符号2002〜2007はユーザごとのSFP利用状況レコードであって、各レコードはユーザID2008とそのユーザのSFP利用実績リスト2009からなる。任意のユーザのSFP利用実績リストの論理構造は図21を参照し後述する。SFP利用状況データは、ユーザIDをもって検索可能である。
ステップS1807において、ユーザIDによって検索した結果、SFP利用状況データ2001内に、そのユーザのレコードが見つかった場合(S1808→S1809)、サーバシステム1706のCPUは、続いてSFPアドレス1903をキーとして、利用実績DB内のそのユーザのSFP利用実績リスト2009(図21)を検索する(S1809)。
図21は、リモートコピーシステムにおけるユーザごとのSFP利用実績リストの論理構造の一例を示す図である。図21において、図中符号2009はユーザごとのSFP利用実績リストである。符号2101から2106はSFPごとの、印刷原稿の属性別の利用度数を記憶したレコードであって、各レコードはSFPアドレス2111と、属性がモノクロである印刷原稿を印刷した度数2112と、属性がカラーでかつグラフィクスである印刷原稿を印刷した度数2113と、属性がカラーでかつイメージである印刷原稿を印刷した度数2114と、属性がカラーでかつテキストである印刷原稿を印刷した度数2115と、属性がカラーでかつテキストとグラフィクスとイメージの混在である印刷原稿を印刷した度数2116と、属性がカラーでかつ高品位の写真調である印刷原稿を印刷した度数2117からなる。
図21のユーザごとのSFP利用実績リストは、例えば次の情報を示している。
モノクロ印刷時に最も多く使われるのはSFP1である
カラーグラフィクスを印刷するのに多く使われるのはSFP5である
SFP4は写真調印刷を中心に使われる
SFP2は写真調画像以外のカラー印刷全般で使われる
ステップS1809においてSFPアドレス1903をキーとしてそのユーザのSFP利用実績リスト2009を検索した結果、そのユーザの該当するSFPのレコードがあれば(S1810→S1811)、サーバシステム1706のCPUは、印刷原稿の属性情報1904を参照し、そのSFPのレコードの該当する印刷データ属性の利用度数情報をインクリメントする(S1811)。
一方、ステップS1810においてそのユーザのSFP利用実績リスト2009を検索した結果、該当するSFPのレコードが無ければ、サーバシステム1706のCPUは、そのSFPのレコードを追加生成し(S1812)、印刷原稿の属性情報1904を参照して、そのSFPのレコードの該当する印刷データ属性の利用度数情報をインクリメントする(S1811)。
また一方、ステップS1807においてユーザIDによって検索し、ステップS1808においてSFP利用状況データ2001内に、そのユーザのレコードが見つからなかった場合、サーバシステム1706のCPUは、そのユーザのSFP利用状況レコード(そのユーザの利用実績リスト)を追加生成し(S1813)、続いてSFPアドレス1903に該当するSFPのレコードを追加生成し(S1814)、印刷原稿の属性情報1904を参照して、そのSFPのレコードの該当する印刷データ属性の利用度数情報をインクリメントする(S1811)。
図22は、本実施形態6のリモートコピーシステムのリモートコピー処理過程を説明するフローチャートの図である。図22のフローチャートを参照し、リモートコピーシステムのユーザがリモートコピーを行おうとする時、複写原稿の属性に応じて、好適なSFPを、リモートコピーシステムのユーザに示唆する処理について説明する。図22の左側に示す処理は、MFP1707のCPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。図22の右側に示す処理は、サーバシステム1706のCPUがサーバシステム1706のメモリに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。
リモートコピーシステムのユーザが、リモートコピーを始めるにあたりユーザIDをMFP1707に入力すると、CPU402はその情報を取得する(S2201)。この処理は、例えばMFPの操作部204がその情報のキー入力を受け付ける、又はMFPに具備された磁気カードリーダーにそのユーザを識別可能な情報が書き込まれたカードを読取る等の、周知の方法を適用可能である。またこの処理は、例えば図18のフローチャートのステップS1802においてPC1701がユーザIDを抽出する処理と同様であってもよい。
続いてMFP1707のCPU402は、セットされた複写原稿を読取る(S2202)が、これは実施形態1〜5で既に説明した先読み処理に相当する処理である。MFP1707のCPU402は、この読み取り処理を行いつつ、複写原稿の属性を調べる(S2203)。この処理は、上述のステップS1804と同様な方法が適用可能である。
続いてMFP1707のCPU402は、ステップS2201で得たユーザIDと、ステップS2203で得た複写原稿の属性情報とをサーバシステム1706に送信する(S2204)。この時送信されるMFP送信情報の論理構造の一例を図23に示す。
図23は、リモートコピーシステムのリモートコピー処理において、MFPからサーバに送信するMFP送信情報の論理構造の一例を示す図である。図23において、図中符号2301は送信されるMFP送信情報全体である。符号2302は送信されるユーザID情報である。符号2303は送信される印刷原稿の属性情報である。
サーバシステム1706のCPUは、ステップS2204においてMFP1707から送信されたMFP送信情報を受信し(S2205)、そのMFP送信情報2301から取り出したユーザID情報2302をキーとして、サーバシステム1706が保持しているSFP利用状況データ2001を検索する(S2206)。この時検索されるSFP利用状況データは、SFP利用情報の更新のために図18のフローチャートのステップS1807で検索されたものに他ならない。従ってその論理構造も、図20に示したものと同一である。
ユーザID2302によってSFP利用状況データ2001を検索した結果、SFP利用状況データ2001内にそのユーザのレコードが見つかった場合(S2207→S2208)、サーバシステム1706のCPUは、そのユーザの利用実績リストを得る(S2208)。サーバシステム1706のCPUは、更に印刷原稿の属性情報2303をキーとして、そのユーザのSFP利用実績リスト2009を検索して、その印刷原稿の属性情報を備える原稿の印刷時に、その属性情報が最も利用度数の多かったエントリを見つけ(S2209)、そのエントリに対応するSFPアドレスを得る(S2210)。このとき検索されるSFP利用実績リストは、SFP利用情報の更新のために図18のフローチャートのステップS1809で検索されたものに他ならない。従ってその論理構造も、図21に示したものと同一である。
今、仮に、ステップS2205で受信した印刷原稿の属性情報2303が「写真調」で、更にサーバシステム1706がステップS2208で得た利用実績リストが図21に示したリストであったとすると、ステップS2209の処理では、サーバシステム1706のCPUは、印刷原稿の属性が「写真調」である印刷に最も多く利用されたエントリとして、度数が121であるエントリを見つける。そしてステップS2210の処理で、サーバシステム1706のCPUは、そのエントリの左端欄のSFPアドレスとして、SFP4というSFPアドレスを得ることになる。
続いてサーバシステム1706のCPUは、MFP1707への返信情報に、ステップS2210で得たSFPアドレスをセットする(S2211)。続いてサーバシステム1706のCPUは、その返信情報をMFP1707へ返信する(S2212)。
一方、ステップS2207において、ユーザID2302によってSFP利用状況データ2001を検索した結果、SFP利用状況データ2001内に、そのユーザのレコードが見つからなかった場合、サーバシステム1706のCPUは、MFP1707への返信情報に、指定されたユーザIDに該当するレコードが無いことを報知する情報をセットし(S2213)、続いてその返信情報をMFP1707へ返信する(S2212)。
MFP1707のCPU402は、ステップS2212においてサーバシステム1706が送信した返信情報を受信する(S2214)。続いてMFP1707のCPU402は、返信情報を調べ、返信情報内に有効なSFPアドレスが記録されていた場合(S2215→S2216)、そのSFPアドレスを備えるSFPが容易に選択できるよう構成された、リモートコピーの出力SFP選択候補を操作画面505に表示(不図示)しユーザに提示する(S2216)。これは例えば、そのSFPが仮選択されていて、かつそのSFP以外のSFPは単にリストされているだけで仮選択されていないような、リモートコピー出力機器選択リストの画面を、ユーザに対して提示すればよい。
一方ステップS2215において返信情報内に指定したユーザIDに該当するレコードが無かったことを意味する情報が記録されていた場合、MFP1707のCPU402は、予め定められていた手続きに従って、リモートコピーの出力SFP選択候補をユーザに提示する(S2217)。これは例えば、MFP1707が認識しているSFPを単にそれらのSFPアドレスの昇順にリストしたような、リモートコピー出力機器選択リストの画面を、ユーザに対して提示すればよい。
続いてMFP1707のCPU402は、ユーザによって操作画面505上のモートコピー出力機器選択リストから所望のリモートコピーの出力SFPが選択されるのを待ち(S2218)、それが選択された場合、ユーザが選択したSFPにリモートコピーの印刷出力を行う(S2219)。
(実施形態7)
本実施形態7においては、リモートコピーシステムのユーザによる、読取り画像情報を出力する印刷装置の選択を支援するリモートコピーシステムの、別の実施の形態を説明する。
本実施形態7で説明するリモートコピーシステムは、実施形態6においてフローチャート図22を参照し説明した、リモートコピーシステムのユーザがリモートコピーを行おうとする時、MFP1707が複写原稿の属性に応じて、好適なSFPをユーザに示唆する処理が、実施形態6で説明したリモートコピーシステムとは異なる。他の処理は実施形態6で説明したリモートコピーシステムと同一であるため、本実施形態7のリモートコピーシステムに特徴的な処理についてのみ、図24のフローチャートを参照し説明する。
図24は、本実施形態7のリモートコピーシステムのリモートコピー処理過程を説明するフローチャートの図である。図24のフローチャートを参照し、リモートコピーシステムのユーザがリモートコピーを行おうとする時、複写原稿の属性に応じて、好適なSFPを、リモートコピーシステムのユーザに示唆する処理について説明する。図24の左側に示す処理は、MFP1707のCPU402が、ROM404に記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。図24の右側に示す処理は、サーバシステム1706のCPUがサーバシステム1706のメモリに記憶されている制御プログラムを読み出して実行することにより行われる。
リモートコピーシステムのユーザが、リモートコピーを始めるにあたりユーザIDをMFP1707に入力すると、CPU402はその情報を取得する(S2401)。この処理は、例えばMFPの操作部204がその情報のキー入力を受け付ける、又はMFPに具備された磁気カードリーダーにそのユーザを識別可能な情報が書き込まれたカードを読取る等の、周知の方法を適用可能である。またこの処理は、例えば図18のフローチャートのステップS1802においてPC1701がユーザIDを抽出する処理と同様であってもよい。
MFP1707のCPU402は、ステップS2401で得たユーザIDとともに、そのユーザの利用実績リスト要求を、サーバシステム1706に対して送信する(S2402)。この要求の様子を、図24においてはステップS2402からステップS2421に至る矢印で表現している。また、ステップS2402の処理(利用実績リスト要求)を契機としてサーバシステム1706の一連の処理がスタートし、終了するが、この処理手順については後述する。ステップS2421の処理についても、サーバシステム1706の一連の処理の説明の中で説明する。
MFP1707のCPU402は、ステップS2402でユーザの利用実績リスト要求をサーバシステム1706に送信すると、続いてセットされた複写原稿を読取る(S2403)が、これは実施形態1〜5で既に説明した先読み処理に相当する処理である。MFP1707のCPU402は、この読み取り処理を行いつつ、複写原稿の属性を調べる(S2404)。
続いてMFP1707のCPU402は、サーバシステム1706からの返信情報の到着を待つ(S2405)。サーバシステム1706からの返信情報が到着する様子を、図24においてはステップS2426からステップS2405に至る矢印で表現する。ステップS2426の処理は後述する。
MFP1707のCPU402は、サーバシステム1706からの返信情報が到着すると、続いて返信情報を調べる(S2406)。その結果、要求したユーザIDのSFP利用実績リスト2009であった場合、ステップS2404で調べた複写原稿の属性情報をキーとして、そのユーザのSFP利用実績リスト2009を検索し、その印刷原稿の属性情報を備え原稿の印刷時に最もその属性の利用度数の多かったエントリを見つけ(S2407)、そのエントリに記録されているSFPアドレスを得る(S2408)。このとき検索されるSFP利用実績リストは、SFP利用情報の更新のために図18のフローチャートのステップS1809で検索したものに他ならない。従ってその論理構造も、図21に示したものと同一である。
続いてMFP1707のCPU402は、そのSFPアドレスを備えるSFPが容易に選択できるよう構成された、リモートコピーの出力SFP選択候補を操作画面505に表示(不図示)しユーザに提示する(S2409)これは例えば、そのSFPが仮選択されていて、かつそのSFP以外のSFPは単にリストされているだけで仮選択されていないような、リモートコピー出力機器選択リストの画面を、ユーザに対して提示すればよい。
一方ステップS2406において返信情報内に指定したユーザIDに該当するレコードが無かったことを意味する情報が記録されていた場合、MFP1707のCPU402は、予め定められていた手続きに従って、リモートコピーの出力SFP選択候補をユーザに提示する(S2412)。これは例えば、MFP1707が認識しているSFPを単にそれらのSFPアドレスの昇順にリストしたような、リモートコピー出力機器選択リストの画面を、ユーザに対して提示すればよい。
続いてMFP1707のCPU402は、ユーザによって操作画面505上のモートコピー出力機器選択リストから所望のリモートコピーの出力SFPが選択されるのを待ち(S2410)、それが選択された場合、ユーザが選択したSFPにリモートコピーの印刷出力を行う(S2411)。
続いてステップS2402においてMFP1707からユーザID情報とともに送付される、そのユーザの利用実績リスト要求をうけて開始されるサーバシステム1706の処理について説明する。サーバシステム1706のCPUは、MFP1707からユーザID情報とともに、そのユーザの利用実績リストを要求されると(S2421)、ユーザID情報をキーとして、サーバシステムが保持していたSFP利用状況データ2001を検索する(S2422)。この時検索されるSFP利用状況データは、SFP利用情報の更新のために図18のフローチャートのステップS1807で検索したものに他ならない。従ってその論理構造も、図20に示したものと同一である。また、ステップS2421においてMFP1707から送付される利用実績リスト要求を、ステップS2402からステップS2421に至る矢印で表現する。
ユーザIDによってSFP利用状況データ2001を検索した結果、SFP利用状況データ2001内に、そのユーザのレコードが見つかった場合(S2423)、サーバシステム1706のCPUは、そのユーザの利用実績リストを得る(S2424)。
続いてサーバシステム1706のCPUは、MFP1707への返信情報にステップS2424で得たそのユーザの利用実績リスト情報をセットし(S2425)、続いて返信情報をMFP1707へ返信する(S2426)。
一方、ステップS2423において、ユーザIDによってSFP利用状況データ2001を検索した結果、SFP利用状況データ2001内に、そのユーザのレコードが見つからなかった場合、サーバシステム1706のCPUは、MFP1707への返信情報に指定されたユーザIDに該当するレコードが無いことを報知する情報をセットし(S2427)、続いて返信情報をMFP1707へ返信する(S2426)。この返信情報を返信する様子を、ステップS2426からステップS2405に至る矢印で表現する。
(他の実施形態)
(1)実施形態6、実施形態7のリモートコピーシステムにおいてサーバシステム1706が果たした機能は、リモートコピーシステムを形成する任意のMFP又はSFP又はPCに持たせてもよいことは自明である。
(2)実施形態6、実施形態7のリモートコピーシステムにおいては、印刷原稿の属性として、モノクロ、カラーでかつグラフィクス、カラーでかつイメージ、カラーでかつテキスト、カラーでかつテキストとグラフィクスとイメージの混在、カラーでかつ高品位の写真調といった、印刷原稿の画像の属性であるリモートコピーシステムの実施形態を説明した。しかし、印刷原稿の属性としては、読取り又は印刷を行う枚数、ページ数、印刷を行う部数、印刷後に行うステープル処理等の後処理の有無およびその方法等の、印刷原稿の印刷出力にかかわる属性であってもよい。
(3)実施形態6、実施形態7のリモートコピーシステムにおいては、PC1701、1702からの印刷データを受信して印刷を行い、またMFP1707からのリモートコピーの印刷出力データを受信して印刷を行う機器はSFP1703、1704、1705であるが、これらのSFPに換えて印刷装置としては、PCやMFP1707からの指示に従って印刷を行う印刷機能を具備する他のMFPであってもよいことは自明である。
(4)実施形態6、実施形態7のリモートコピーシステムにおいては、PC1701、1702又はMFP1707のユーザを明示的に識別して動作するリモートコピーシステムの実施形態を説明したが、ユーザを明示的に識別せずに動作するリモートコピーシステムとしてもよい。
具体的には、図21は、リモートコピーシステムにおけるユーザに無関係なSFP利用実績リストの論理構造の一例を示す図とする。その上で、図18〜20、図22〜24を参照した説明において、ユーザIDに係る処理を全て省き、SFPアドレスと印刷原稿の属性情報に基づいた処理とすればよい。
(5)実施形態6、実施形態7のリモートコピーシステムにおいては、ユーザがPC1701、1702を利用して印刷する際に、印刷原稿の属性を判別する処理を、ユーザが利用するPC内で行う実施形態を説明した。しかし、印刷原稿の属性を判別する処理を、ユーザが利用するPC以外のプリントサーバシステム(サーバシステム207)、印刷装置(SFP、又はSFPに換えて印刷装置としてのMFP)において行ってもよい。
具体的には、図18を参照し説明したステップS1804の印刷原稿の属性情報抽出をPC1701で行わず、代わりに、PC1701の指示による印刷処理に同期してその印刷に係る処理を実行したプリントサーバシステム、又は印刷装置がステップS1804に相当する処理を行い印刷原稿の属性情報をサーバシステム1706へ送信し、サーバシステム1706のCPUは、ステップS1806において、その属性情報とPC1701からのPC送信情報とを受信するようにすればよい。
(6)実施形態6、実施形態7のリモートコピーシステムにおいては、ステップS2202の処理を先読み処理としているが、この処理は非先読み処理としてもよいことは自明であろう。
(実施形態の効果)
以上説明したように本実施形態によれば、少なくとも1つのクライアントシステムと、サーバシステムと、少なくとも1つの印刷装置と、画像形成装置とが通信ネットワークによって接続されているリモートコピーシステムは、前記クライアントシステムは、印刷を指示するユーザの第1のユーザ識別情報を取得する第1のユーザ識別手段(S1802)と、前記ユーザによって指定された印刷装置の装置識別情報を取得する装置識別手段(S1803)と、前記印刷が行われる原稿の属性情報を判定する第1の属性判定手段(S1804)と、前記第1のユーザ識別手段によって取得した前記第1のユーザ識別情報、前記装置識別手段によって取得した前記装置識別情報、及び前記第1の属性判定手段が判定した属性情報を、前記サーバシステムへ出力する第1の情報出力手段(S1805)を備え、前記サーバシステムは、前記第1の情報出力手段から供給された前記第1のユーザ識別情報、前記装置識別情報、及び前記第1の情報出力手段から供給された属性情報の発生回数を含むデータセットを記憶する記憶手段であって、前記データセットに対して前記発生回数を累積して記憶する記憶手段(S1806〜S1811)と、印刷を指示するユーザの第2のユーザ識別情報と当該指示された印刷が行われる原稿の属性情報とが前記画像形成装置から供給された場合に、当該供給された第2のユーザ識別情報と一致する前記第1のユーザ識別情報を有する前記データセットのうち、前記画像形成装置から供給された属性情報の発生回数が最多のデータセットを前記記憶手段から検索し、当該検索されたデータセットが含む前記装置識別情報を取得する装置取得手段(S2208〜S2210)と、前記装置取得手段が取得した前記装置識別情報を前記画像形成装置へ出力する第2の情報出力手段(S2211〜S2212)を備え、前記画像形成装置は、前記第2のユーザ識別情報を取得する第2のユーザ識別手段(S2201)と、前記第2のユーザ識別情報に対応するユーザに指示された印刷が行われる原稿の属性情報を判定する第2の属性判定手段(S2203)と、前記第2のユーザ識別手段によって取得した前記第2のユーザ識別情報、及び前記第2の属性判定手段が判定した属性情報を、前記サーバシステムへ出力する第3の情報出力手段(S2204)と、前記第2の情報出力手段から供給された前記装置識別情報に対応する印刷装置をユーザに選択させるための情報を表示する表示手段(S2216)とを備えたことを特徴とする。
また、本実施形態によれば、少なくとも1つのクライアントシステムと、サーバシステムと、少なくとも1つの印刷装置と、画像形成装置とが通信ネットワークによって接続されているリモートコピーシステムは、前記クライアントシステムは、印刷を指示するユーザの第1のユーザ識別情報を取得する第1のユーザ識別手段と、前記ユーザによって指定された印刷装置の装置識別情報を取得する装置識別手段と、前記印刷が行われる原稿の属性情報を判定する第1の属性判定手段と、前記第1のユーザ識別手段によって取得した前記第1のユーザ識別情報、前記装置識別手段によって取得した前記装置識別情報、及び前記第1の属性判定手段が判定した属性情報を、前記サーバシステムへ出力する第1の情報出力手段を備え、前記サーバシステムは、前記第1の情報出力手段から供給された前記第1のユーザ識別情報、前記装置識別情報、及び前記第1の情報出力手段から供給された属性情報の発生回数を含むデータセットを記憶する記憶手段であって、前記データセットに対して前記発生回数を累積して記憶する記憶手段と、印刷を指示するユーザの第2のユーザ識別情報が前記画像形成装置から供給された場合に、当該供給された第2のユーザ識別情報と一致する前記第1のユーザ識別情報を有する前記データセットを前記記憶手段から検索し、当該検索されたデータセットを全て取得するデータ取得手段(S2421〜S2424)と、前記データ取得手段が取得した全ての前記データセットを前記画像形成装置へ出力する第2の情報出力手段(S2425〜S2426)を備え、前記画像形成装置は、前記第2のユーザ識別情報を取得する第2のユーザ識別手段(S2401)と、前記第2のユーザ識別手段が取得した前記第2のユーザ識別情報を、前記サーバシステムへ出力する第3の情報出力手段(S2402)と、前記第2のユーザ識別情報に対応するユーザに指示された印刷が行われる原稿の属性情報を判定する第2の属性判定手段(S2404)と、前記第2の情報出力手段から供給された前記データセットから、前記第2の属性判定手段が判定した属性情報の発生回数が最多のデータセットを検索し、当該検索されたデータセットが含む前記装置識別情報を取得する装置取得手段(S2407〜S2408)と、前記装置取得手段が取得した前記装置識別情報に対応する印刷装置をユーザに選択させるための情報を表示する表示手段(S2409)とを備えたことを特徴とする。
実施形態6によれば、リモートコピーシステムにおいて、ユーザがクライアントシステムから印刷装置に対して印刷を行う際に、その印刷原稿の属性に応じた印刷装置の利用度数情報を収集しておき、同ユーザが画像形成装置から印刷装置に対してリモートコピーを行う際に、画像形成装置は複写原稿を先読みして複写原稿の属性を調査し、その複写原稿の属性に基づき、クライアントシステムと印刷装置を利用した印刷における印刷装置の利用度数に応じて、リモートコピーの印刷出力を行う印刷装置を、ユーザに案内する。
このため、ユーザはリモートコピーにおける印刷出力すべき印刷装置を容易に選択可能となり、リモートコピーシステムの利便性が向上する。
また、実施形態7によれば、リモートコピーシステムにおいて、ユーザがクライアントシステムから印刷装置に対して印刷を行う際に、その印刷原稿の属性に応じた印刷装置の利用度数情報を収集しておき、同ユーザが画像形成装置から印刷装置に対してリモートコピーを行う際に、画像形成装置は、まずユーザの識別情報に基づき、そのユーザの印刷原稿の属性に応じた印刷装置の利用度数情報を要求し、その後に画像形成装置は複写原稿を先読みして複写原稿の属性を調査し、要求に応じた利用度数情報と、その複写原稿の属性とに基づき、クライアントシステムと印刷装置を利用した印刷における印刷装置の利用度数に応じて、リモートコピーの印刷出力を行う印刷装置を、ユーザに案内する。
このため、ユーザはリモートコピーにおける印刷出力すべき印刷装置を容易に選択可能となり、リモートコピーシステムの利便性が向上する。
また、他の実施形態(1)によれば、サーバシステム1706において実現した機能を印刷装置(SFP又はMFP)内に設けることが可能になるので、リモートコピーシステムの機器構成を単純化することが可能になる。
さらに、他の実施形態(1)によれば、サーバシステム1706において実現した機能をクライアントシステム内に設けることが可能になるので、リモートコピーシステムの機器構成を単純化することが可能になる。
また、実施形態6、7によれば、印刷原稿及び複写原稿の属性として、文字、図形、イメージといった、印刷原稿の画像の属性について動作可能となるので、リモートコピーシステムの利便性が向上する。
また、他の実施形態(2)によれば、印刷原稿及び複写原稿の属性として、原稿の枚数、印刷枚数、印刷部数、印刷後に行うステープル処理等の後処理の有無及びその方法等の、印刷原稿の印刷出力に関わる属性について動作可能となるので、リモートコピーシステムの利便性が向上する。
また、他の実施形態(3)によれば、任意のクライアントシステム、又は画像形成装置からの指示に従って印刷を行う印刷機能を具備する画像形成装置をリモートコピーシステムを構成する印刷装置として利用可能となるので、リモートコピーシステムの利便性が向上する。
また、他の実施形態(4)によれば、明示的に識別していたユーザを識別しないことで、すべてのユーザに対して等しく動作することが可能になるので、より一般的な環境においても本発明の利便性を提供することが可能になる。
また、他の実施形態(5)によれば、ユーザが印刷に際して利用するクライアントシステム内で行っていた、印刷原稿の属性を判別する処理を、ユーザが利用するPC以外のプリントサーバシステム、印刷装置(SFP、又はSFPに換えて印刷装置としてのMFP)において行うので、リモートコピーシステムの利便性が向上する。