JP4261788B2 - 回転ドラム式粒状スラグ製造装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融スラグを回転ドラムに配設した羽根に衝突させて飛翔させ、急冷して粒状スラグを製造するドラム式粒状スラグ製造装置に関する。
【0002】
【従来技術】
金属の精錬等によって生じる溶融スラグは、スラグヤードに放流して自然放冷するスラグ処理が行われていた。このスラグ処理で得られるスラグは自然放冷のため、経時変化をおこして、崩壊、粉化するため、スラグヤードの環境が悪化し、スラグを路盤材として使用する場合、取り扱いに苦慮していた。
【0003】
そこで、特開平8−333141号公報に開示されているように、スラグ鍋内のスラグをスラグ注入シュートより注入して、回転している回転ドラムに溶融スラグを衝突させ回転ドラムの外周面に設置している羽根により回転ドラムの後に設置したロータリーフード内に飛翔させてロータリーフード内で飛散させた溶融スラグを急冷して粒状スラグを製造する装置が開示されている。
【0004】
また、同公報には、回転ドラムの羽根の構造について開示されている。すなわち、回転ドラムに配設された羽根は、従来、回転ドラムの胴部の裏から頭付きボルトを入れて、タイプレートを載せその上からナットで締めつけて取り付ける回転ドラムの胴部に固定されている。この場合、羽根が損耗した揚合、螺合部が凝着して羽根の取り外しができなくなり、また、円筒部の内側からボルトを取り付けていたので、羽根を取り外す際、回転ドラム本体を設備外に取り出して羽根を変える必要があったことを課題とし、この課題を解決するため、羽根押さえ部を回転ドラムの上面に位置させ、この羽根押さえ部を回転ドラムの上面からボルトにより締め付けて羽根を固定する構造が開示されている。この構造により羽根が損傷しても羽根の交換が回転ドラム本体を機外に取り出す必要がなく、羽根の交換時間を短縮する構造が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
回転ドラム式粒状スラグ製造設備は回転ドラムに固設した羽根によって高温の溶融スラグを飛翔させて飛翔した溶融スラグを急冷して粒状スラグを製造するため、回転ドラムに設置されている羽根は高温の溶融スラグと接触するので水冷構造となつている。
【0006】
また、羽根は回転ドラムの胴部の幅方向全長に渡って配置され、この羽根が回転ドラムの円周方向に複数配置されている。この場合、羽根の表面には高温の溶融スラグが接触し、羽根の内部には羽根を高温の溶融スラグから守るため水冷されており、羽根の表面は高温の溶融スラグと内部からの冷却水で非常に温度差がついている。このため、羽根は回転ドラムの幅方向に熱膨張する。
【0007】
しかし、羽根はタイプレートによって回転ドラムの胴部にメタルタッチで押さえつけられているのでうまく熱膨張を吸収することができず、かつ、回転ドラムの胴部の幅方向全長に渡って配置されているため、大きな熱応力が発生し、羽根本体が変形したり、クラックが発生し、このクラックから冷却水が漏れ、高温の溶融スラグと接触し、回転ドラムの表面で溶融スラグが固まったり、羽根本体の変形により、溶融スラグを飛翔させることができなくなる事故が発生していた。
【0008】
本発明は、上記課題を解決し、熱変形やクラックによる破損を防止するメンテフリーな回転ドラム式粒状スラグ製造装置を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、回転ドラム式粒状スラグの外周面に取替え可能に取り付けられた羽根に溶融スラグを衝突させて、前記溶融スラグを飛翔させるとともに急冷して粒状スラグを製造する回転ドラム式粒状スラグ製造装置において、冷却水が流れる前記羽根を回転ドラムの胴部幅方向に2mm〜10mmの間隔をあけて複数に分割し、羽根押さえで固定し、分割した羽根間を冷却水が流れるパイプとフランジで構成した連結ピースをOリングを介して連結したことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の回転ドラムを適用した回転ドラム式粒状スラグ製造設備の概略図、図2は本発明の回転ドラムの断面図、図3は本発明の回転ドラムに配置している羽根の鳥瞰図、図4は本発明の羽根の断面図、図5は図4のB−B矢視図、図6は図5のC−C矢視図、図7は図5のD−D矢視図である。
【0012】
図1において、高温の溶融スラグはスラグ鍋等により回転ドラム式粒状スラグ設備に搬送される。搬送された溶融スラグは回転式粒状スラグ製造設備のスラグ注入シュート3に注入され、注入された溶融スラグは、第1回転ドラム1の表面に投入される。第1回転ドラム1は300〜400rpmで回転しているので、この第1回転ドラム1に投入された溶融スラグは第1回転ドラム1に設置した羽根6により飛翔し、第2回転ドラム2に接触する。そして第2回転ドラム2でも同様に第1回転ドラム1から飛翔した溶融スラグが第2回転ドラム2に接触して飛翔し、回転フード4内に飛ばされる。飛ばされた溶融スラグは、回転フード4内で急冷されて粒状スラグとなる。
【0013】
図2に示す回転ドラム1および2において、羽根6は回転ドラム1および2の胴部幅方向に分割(本実施例では4分割とした場合を示すが羽根の必要長さに応じて熱膨張、熱応力が大きくなりすぎないように分割数は決定される)したものを回転ドラム胴11の円周方向に複数配置し、羽根押さえ15(図6、図7参照)で固定されている。幅方向に分割した羽根6は連結ピース7で幅方向に連結しており、この連結ピース7は、図4に示すようにパイプ7aとフランジ7bとで構成されている。
【0014】
複数に分割した羽根6のうち、回転ドラム1,2の幅方向両端部に位置する羽根6aと6dにはドラム胴部11に設けた給水口9および排水口10と合うように羽根6aおよび6dの下面に貫通孔を設けている。この貫通孔を通って回転ドラム1,2に軸12の給水孔13から給水された冷却水は回転ドラム1,2を通って羽根6aに注入される。羽根6bおよび6cは連結ピース7によって羽根6aおよび6dと連結されている。羽根6aに給水された冷却水は連結ピース7のパイプ7aを通って6bに流れ、羽根6bに流れでた冷却水は連結ピース7のパイプ7cを通って6cへ流れる。そして羽根6cから連結ピース7のパイプ7dを通って羽根6dへ流れ、羽根6dの排水口10から回転ドラム1,2の排水孔14へ排出される。
【0015】
このように、羽根6を回転ドラム1,2の胴部幅方向に複数に分割したので高温の溶融スラグと冷却水との温度差により発生する熱変形を防止することができ、羽根の熱変形およびクラツクを防止することができる。
【0016】
また、分割した羽根の隙間tを2〜10mmとした。これは、羽根の表面温度は300〜400℃に達する。この場合、回転ドラムの胴長が1000mm〜2000mmとすると8mm〜15mm程度の熱膨張を吸収する必要があり、羽根を分割した場合、最低2mmの隙間が必要である。また、分割した羽根隙間を10mm以上とすると分割部に接触した溶融スラグが飛翔せず、回転ドラム胴部表面に付着してしまう。このため、分割部の隙間tは10mm以下が望ましい。
【発明の効果】
以上のように、本発明は、従来の一体型の羽根構造から分割型に変更することによって、羽根の熱変形を防止でき、また、クラックが発生することもない。このように設備的効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 回転ドラム型粒状スラグ製造装置の概略図
【図2】 本発明の回転ドラムの断面図
【図3】 本発明の回転ドラムに配設されている羽根の鳥隙図
【図4】 羽根の断面図
【図5】 図4のB−B矢視図
【図6】 図5のC−C矢視図
【図7】 図5のD−D矢視図
【符号の説明】
1.第1回耘ドラム
2.第2回転ドラム
3.スラグ注入シュート
4.回転フード
5.スラグ排出シュート
6.羽根
6a〜6d.分割羽根
7.連結ピース
7a7c,7d.パイプ
7b.フランジ
8.Oリング
9.給水口
10.排水口
11.ドラム胴部
12.軸
13.給水孔
14.排水孔
15.羽根押さえ
t.隙間
Claims (1)
- 回転ドラム式粒状スラグの外周面に取替え可能に取り付けられた羽根に溶融スラグを衝突させて、前記溶融スラグを飛翔させるとともに急冷して粒状スラグを製造する回転ドラム式粒状スラグ製造装置において、
冷却水が流れる前記羽根を回転ドラムの胴部幅方向に2mm〜10mmの間隔をあけて複数に分割し、羽根押さえで固定し、分割した羽根間を冷却水が流れるパイプとフランジで構成した連結ピースをOリングを介して連結したことを特徴とする回転ドラム式粒状スラグ製造装置。
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JP2001321184A JP4261788B2 (ja) | 2001-10-18 | 2001-10-18 | 回転ドラム式粒状スラグ製造装置 |
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Publications (2)
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2001
- 2001-10-18 JP JP2001321184A patent/JP4261788B2/ja not_active Expired - Fee Related
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