JP2004081987A - 破砕用回転刃とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コストの低下と靱性の確保を図りながら、刃部のメンテナンスの手間を減らせるようにする。
【解決手段】周方向で複数の破砕用刃部1を設けてある破砕用回転刃であって、回転軸芯側基部3を軟質金属2で形成するとともに、その外周側に硬質金属4を溶着して、刃部の少なくとも先端部7を、硬質材部5に形成してある。
【選択図】 図1
【解決手段】周方向で複数の破砕用刃部1を設けてある破砕用回転刃であって、回転軸芯側基部3を軟質金属2で形成するとともに、その外周側に硬質金属4を溶着して、刃部の少なくとも先端部7を、硬質材部5に形成してある。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、周方向で複数の破砕用刃部を設けてある破砕用回転刃とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記破砕用回転刃は、刃部を硬質金属で形成してその耐摩耗性を高める必要があるが、全体を硬質金属で形成すると、製造コストが高くなるとともに、破砕時の衝撃に対する靱性を確保しにくい問題がある。
このため、従来、複数の刃部は硬質金属で、また、それらの刃部を固定する回転基部は安価に入手し易い軟質金属で別々に製作し、各刃部を基部にボルトで固定して、製造コストの低下と靱性の確保とを図っている(例えば、特開平11−290710号公報,特開平8−323232号公報,実公昭57−42518号公報,実開昭55−115346号公報参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の破砕用回転刃は、刃部を基部にボルト固定しているために、刃部を適宜交換できる利点があるものの、破砕時の衝撃で固定ボルトが緩んだり破損するおそれがあり、その固定ボルトの破損に基づく刃部の欠損や脱落が発生する危険性がある。また、固定ボルトが緩んだまま使用した結果、固定ボルトが変形すると、刃部を基部から外すことも困難になって使用できなくなり、作業能率の低下を招くおそれがあるので、固定ボルトの緩みがないように頻繁に点検する必要があるなど、刃部のメンテナンスに手間がかかる欠点がある。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、製造コストの低下と靱性の確保を図りながら、刃部のメンテナンスの手間を減らせるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、周方向で複数の破砕用刃部を設けてある破砕用回転刃であって、回転軸芯側基部を軟質金属で形成するとともに、その外周側に硬質金属を溶着して、前記刃部の少なくとも先端部を、硬質材部に形成してある点にある。
【0006】
〔作用〕
回転軸芯側基部を安価に入手し易い軟質金属で形成して、製造コストの低下と靱性の確保を図りながら、その外周側に硬質金属を溶着して、刃部の少なくとも先端部を回転軸芯側基部に溶着された硬質材部に形成してあるので、回転軸芯側基部と刃部とを固定ボルトによらずに、一体に固定することができる。
【0007】
〔効果〕
製造コストの低下と靱性の確保を図りながら、回転軸芯側基部と刃部とを固定ボルトを使用せずに一体に固定することができるので、従来のような、固定ボルトの緩みなどの保守点検が不要で、刃部のメンテナンスの手間を減らせる。
【0008】
請求項2記載の発明の特徴構成は、請求項1記載の破砕用回転刃の製造方法であって、前記硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で遠心力鋳造した後、前記回転軸芯側基部を、前記耐摩耗鋳鉄材料よりも軟質の軟質鋳鉄材料で前記硬質材部の内方に静置鋳造する鋳造工程と、前記硬質材部を軟化熱処理して、前記刃部を切削形成する切削工程と、前記硬質材部を焼き入れ熱処理する硬化熱処理工程とを設けてある点にある。
【0009】
〔作用〕
鋳造工程において、硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で遠心力鋳造して筒状に形成し、その筒状に形成した硬質材部の内方に、耐摩耗鋳鉄材料よりも軟質の軟質鋳鉄材料を静置鋳造することによって、軟質の回転軸芯側基部の外周側に硬質材部を溶着することができる。
【0010】
そして、切削工程において、硬質材部を切削し易いように軟化熱処理して、刃部を切削形成し、硬化熱処理工程において、切削のために軟化させた刃部の耐摩耗性を確保できるように、その少なくとも先端部を形成してある硬質材部を焼き入れ熱処理して硬化させることができる。
【0011】
〔効果〕
軟質金属の回転軸芯側基部の外周側に硬質材部を容易に溶着しながら、少なくとも先端部が耐摩耗性を備えている刃部を形成できる。
【0012】
請求項3記載の発明の特徴構成は、前記鋳造工程において、前記回転軸芯側基部の外周側に前記硬質金属を溶着してある回転刃素材を鋳造し、前記切削工程において、前記回転刃素材を複数の円板状の回転刃材料に切断するとともに、その回転刃材料に前記刃部を切削形成する点にある。
【0013】
〔作用〕
鋳造工程において、回転軸芯側基部の外周側に硬質金属を溶着してある回転刃素材を鋳造しておき、切削工程において、その回転刃素材を複数の円板状の回転刃材料に切断するとともに、その回転刃材料に刃部を切削形成するので、一回の鋳造工程で鋳造した回転刃素材から、複数個の破砕用回転刃を製造できる。
【0014】
〔効果〕
一個の破砕用回転刃毎の鋳造工程が不要で、製造工程を簡略化できる。
【0015】
請求項4記載の発明の特徴構成は、前記鋳造工程において、前記硬質材部の内方に中間層を遠心力鋳造した後、その中間層の内方に前記回転軸芯側基部を静置鋳造する点にある。
【0016】
〔作用〕
回転軸芯側基部の鋳造時に、硬質材部の内方に遠心力鋳造した中間層で、回転軸芯側基部の靱性を低下させ易い合金元素の、硬質材部から回転軸芯側基部への混入を防止できる。
【0017】
〔効果〕
回転軸芯側基部の靱性を確保し易い。
【0018】
請求項5記載の発明の特徴構成は、前記鋳造工程において、遠心力鋳造した硬質材部を内有している金型を起立させて、溶湯供給口をその金型の下部に接続し、前記溶湯供給口から前記硬質材部の内方に溶湯を供給して前記金型の上部からオーバーフローさせながら、前記硬質材部の内方に前記回転軸芯側基部を静置鋳造する点にある。
【0019】
〔作用〕
回転軸芯側基部の鋳造時に、回転軸芯側基部の靱性を低下させ易い合金元素が、硬質材部や中間層から回転軸芯側基部を鋳造する溶湯に混入しても、そのような合金元素が混入している溶湯を、金型の上部からオーバーフローさせて、回転軸芯側基部への混入を防止できる。
【0020】
〔効果〕
回転軸芯側基部の靱性を確保し易い。
【0021】
請求項6記載の発明の特徴構成は、前記切削工程において、周方向で隣り合う刃部間に前記回転軸芯側基部又は前記中間層の一部が露出するように、前記刃部を切削形成する点にある。
【0022】
〔作用〕
切削工程の後の硬化熱処理工程における硬質材部の焼入れ熱処理によって、硬質材部がベイナイト変態やマルテンサイト変態により膨張するので、硬質材部に大きな圧縮の残留応力が、また、回転軸芯側基部や中間層にそれに見合う大きな引張の残留応力が働らいて、回転軸芯側基部が引張・破壊するおそれがあるが、周方向で隣り合う刃部の間に回転軸芯側基部の一部を露出させることによって、硬質材部に生じる残留応力も、回転軸芯側基部や中間層に生じる残留応力も緩和することができる。
【0023】
〔効果〕
回転軸芯側基部が引張・破壊するおそれがなく、回転軸芯側基部の耐久性を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、周方向で複数の破砕用刃部1を等間隔で設けてある破砕用回転刃Aを示している。
【0025】
前記破砕用回転刃Aは、球状黒鉛鋳鉄材料(軟質鋳鉄材料(軟質金属) の一例) 2で形成してある回転軸芯側基部3の外周側に、球状黒鉛鋳鉄材料2よりも硬質の耐摩耗鋳鉄材料(硬質金属の一例) 4を溶着して、その耐摩耗鋳鉄材料4からなる硬質材部5に刃部1の全体を切削加工により形成し、破砕装置の駆動回転軸Bに嵌合する矩形の嵌合孔6を回転軸芯側基部3に貫通形成してある。
【0026】
前記耐摩耗鋳鉄材料4は、化学組成が重量%で、C:1.0 〜3.0 %、Si:0.1 〜2.0 %、Mn:0.1 〜2.0 %、Cr:3.0 〜10.0%、2Mo+W:5.0 〜20.0%、V, Nb:一種又は二種の総計(V+Nb) で3.0 〜10.0%かつNbは2 %以下、および残部実質的にFeからなり、焼入れおよび焼き戻し熱処理が施されて、基地が高硬度化し、かつ、Cr, Mo,W,Nb,V,FeおよびCが相互に結合した高硬度の複合炭化物が基地中に存在するため、耐摩耗性が飛躍的に向上している。
尚、Coは基地中に固溶し、高温での硬度低下を抑制するために添加しても良いが、10%以上添加しても、その効果は飽和している。
前記耐摩耗鋳鉄材料4は、高クロム鋳鉄やニハード鋳鉄などでも良い。
【0027】
そして、図2,図3に示すように、二本の駆動回転軸Bの各々を複数個の破砕用回転刃Aの各嵌合孔6にスペーサCを挟んで嵌合して、一方の駆動回転軸Bに嵌合した破砕用回転刃Aが、他方の駆動回転軸Bに嵌合した破砕用回転刃Aの間に入り込み、かつ、それらの刃部1のうちの駆動回転軸Bの上側に位置する刃部1の先端部7どうしが互いに対向する方向に向くように、二本の駆動回転軸Bを破砕装置Dに互いに平行に軸支し、駆動回転軸Bの上側に位置する刃部1どうしが互いに近接する方向に回転移動するように、二本の駆動回転軸Bを互いに逆向きに駆動回転させて、二本の駆動回転軸B間に供給した被破砕物Eを破砕できるように構成してある。
【0028】
前記破砕用回転刃Aの製造方法を以下に説明する。
図4は、硬質材部5を耐摩耗鋳鉄材料4で遠心力鋳造して筒状に形成する横型遠心力鋳造装置Fを示しており、湯止め用砂型G1を両端部に設けてある回転金型Gを、回転ローラF1で回転自在に支持し、溶湯を堰鉢F2から注湯樋F3を介して回転金型G内に鋳込むようにしてある。
【0029】
そして、耐摩耗鋳鉄材料4の溶湯を回転する回転金型Gに鋳込んで筒状の硬質材部5を遠心力鋳造し、それが凝固した後に、硬質材部5を内有した回転金型Gを起立させて、その両端に回転軸芯側基部鋳造用の上型、下型を連設して静置鋳型を構成し、耐摩耗鋳鉄材料4よりも軟質の球状黒鉛鋳鉄材料2の溶湯をその内部に鋳込んで、回転軸芯側基部3を静置鋳造し、図5に示すように、回転軸芯側基部3の外周側に硬質材部5が溶着している円柱状の回転刃素材8を作成する [鋳造工程]。
【0030】
前記横型遠心力鋳造装置Fにおいては、回転金型G内に鋳込まれた溶湯の各部が回転金型Gの回転に伴って上下動するため、加速度が変動し、また、回転ローラF1や回転金型Gの偏心や傷により振動が発生し易いので、鋳込まれた耐摩耗鋳鉄材料4の溶湯中の成分が移動し易く、厚肉の硬質材部5を鋳造する場合は、成分の移動により偏析が生じ易いので、通常、凝固開始温度+70℃程度以下として比較的低温で鋳込むのがよい。
【0031】
次に、硬質材部5を焼きなましする軟化熱処理を行ってから、図5に示しているように、回転刃素材8を所定厚さの複数の円板状の回転刃材料9に切断し、各回転刃材料9の硬質材部5に各刃部1を切削形成するとともに、回転軸芯側基部3に嵌合孔6を切削形成する[切削工程]。
【0032】
そして、各刃部(硬質材部) 1を真空炉の無酸素雰囲気中で焼き入れ熱処理して硬化させたあと[硬化熱処理工程]、所定寸法に仕上げる仕上げ加工を行って、破砕用回転刃Aを製造する。
【0033】
前記硬化熱処理工程では、硬質材部5を焼入れ温度(オーステナイト化温度) から400〜650℃までの温度域を150℃/Hr以上の冷却速度で焼入れすることにより、良好な焼入れ組織を得た後、500〜600℃の温度で1回ないし数回に亘って焼戻しを行って、所定硬さの刃部1を硬質材部5に形成してある破砕用回転刃Aを製造する。
尚、硬化熱処理工程を無酸素雰囲気中で行うと、刃部1の先端部すなわち刃先に金属酸化物が生成されないため、酸化損耗し、丸みを帯びることなく熱処理を完了できる。従って、熱処理後の加工コストが安くなる。
【0034】
尚、刃部1は、オーステナイト化熱処理の際に基地中に固溶したMo, W, V, Nb等が焼戻し熱処理によって微細炭化物として析出し、焼戻し2次硬化現象を生じるため、高温硬度に優れている。
【0035】
〔第2実施形態〕
図6は、破砕用回転刃Aの製造方法の別実施形態を示し、第1実施形態で示した鋳造工程において、硬質材部5を内有した回転金型Gを起立させて、その両端に回転軸芯側基部鋳造用の上型H1、下型H2を連設して静置鋳型Hを構成し、下型H2に設けた溶湯供給口H3を回転金型Gに接続し、溶湯供給口H3から硬質材部5の内側に球状黒鉛鋳鉄材料2の溶湯を供給して、回転金型Gの上部の上型H1から溶湯をオーバーフローさせながら、硬質材部5の内側に回転軸芯側基部3を静置鋳造する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0036】
〔第3実施形態〕
図7は、破砕用回転刃A及びその製造方法の別実施形態を示し、切削工程において、周方向で隣り合う刃部1間に回転軸芯側基部3の一部が露出するように、回転刃材料9の硬質材部5と回転軸芯側基部3とに亘って各刃部1を切削形成して、各刃部1の少なくとも先端部7を硬質材部5に形成してある破砕用回転刃Aを示している。
その他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
【0037】
〔第4実施形態〕
図8は、破砕用回転刃Aの別実施形態を示し、球状黒鉛鋳鉄材料2で形成してある回転軸芯側基部3の外周側に、中間層10と硬質材部5とを順に溶着して、耐摩耗鋳鉄材料4からなる硬質材部5に複数の破砕用刃部1を形成してある。
【0038】
前記破砕用回転刃Aの製造方法を説明する。
図9に示すように、耐摩耗鋳鉄材料4の溶湯を回転する回転金型Gに鋳込んで筒状の硬質材部5を遠心力鋳造し、その内面が凝固完了する前に、硬質材部5の内周面に中間層材料11の溶湯を鋳込んで、硬質材部5に溶着している筒状の中間層10を遠心力鋳造し、その後、硬質材部5と中間層10とを内有した回転金型Gを起立させて、その両端に回転軸芯側基部鋳造用の上型、下型を連設して静置鋳型を構成し、球状黒鉛鋳鉄材料2の溶湯をその内部に鋳込んで、中間層10に溶着している回転軸芯側基部3を静置鋳造し、回転軸芯側基部3の外周側に中間層10を挟んで硬質材部5が溶着している円柱状の回転刃素材8を作成する [鋳造工程]。
【0039】
前記中間層10は、化学組成が重量%で、C:1.0 〜2.5 %、Si:0.2 〜3.0 %、Mn:0.2 〜1.5 %、Ni:4.0 %以下、Cr:4.0 %以下、Mo:4.0 %以下、W ,V, Nb:総計で12%以下、残部が実質的にFeからなる。
Cr,Mo,W ,V, Nb(Co) は、硬質材部5を形成している耐摩耗鋳鉄材料4から混入した成分であり、硬質材部5の高合金成分が回転軸芯側基部3に混入することに起因する強靭性の劣化を防止することができる。
中間層10は、回転軸芯側基部3に近い変態挙動であるため、硬質材部5に焼入れ熱処理を施しても、過大な残留応力が生じることがない。
【0040】
尚、本実施形態においても、図10に示すように、切削工程において、周方向で隣り合う刃部1間に回転軸芯側基部3の一部が露出するように、回転刃材料9の硬質材部5と中間層10と回転軸芯側基部3とに亘って各刃部1を切削形成して、各刃部1の少なくとも先端部7を硬質材部5に形成してある破砕用回転刃Aを製造しても良い。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0041】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による破砕用回転刃は、硬質金属として、高速度工具鋼や合金工具鋼,高クロム鋳鉄やニハード鋳鉄などを使用してあっても良い。
2.本発明による破砕用回転刃は、軟質金属として、炭素工具鋼や片状黒鉛鋳鉄,黒鉛鋼などを使用してあっても良い。
3.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で筒状に静置鋳造した後、その内方に回転軸芯側基部を静置鋳造しても良い。
4.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で筒状に静置鋳造した後、その内方に中間層を筒状に静置鋳造し、更に、その中間層の内方に回転軸芯側基部を静置鋳造しても良い。
5.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、単一の破砕用回転刃に対応する寸法の回転刃素材を鋳造し、その回転刃素材に刃部を切削形成して、単一の破砕用回転刃を製造しても良い。
6.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、切削工程において、周方向で隣り合う刃部間に中間層の一部のみが露出するように、刃部を切削形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】破砕用回転刃の平面図
【図2】破砕装置の要部平面図
【図3】破砕装置の要部斜視図
【図4】製造方法の説明図
【図5】製造方法の説明図
【図6】第2実施形態を示す製造方法の説明図
【図7】第3実施形態を示す平面図
【図8】第4実施形態を示す平面図
【図9】第4実施形態を示す製造方法の説明図
【図10】第4実施形態の別例を示す平面図
【符号の説明】
1 刃部
2 軟質金属(軟質鋳鉄材料)
3 回転軸芯側基部
4 硬質金属(耐摩耗鋳鉄材料)
5 硬質材部
7 先端部
8 回転刃素材
9 回転刃材料
10 中間層
G 金型
H3 溶湯供給口
【発明の属する技術分野】
本発明は、周方向で複数の破砕用刃部を設けてある破砕用回転刃とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記破砕用回転刃は、刃部を硬質金属で形成してその耐摩耗性を高める必要があるが、全体を硬質金属で形成すると、製造コストが高くなるとともに、破砕時の衝撃に対する靱性を確保しにくい問題がある。
このため、従来、複数の刃部は硬質金属で、また、それらの刃部を固定する回転基部は安価に入手し易い軟質金属で別々に製作し、各刃部を基部にボルトで固定して、製造コストの低下と靱性の確保とを図っている(例えば、特開平11−290710号公報,特開平8−323232号公報,実公昭57−42518号公報,実開昭55−115346号公報参照) 。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の破砕用回転刃は、刃部を基部にボルト固定しているために、刃部を適宜交換できる利点があるものの、破砕時の衝撃で固定ボルトが緩んだり破損するおそれがあり、その固定ボルトの破損に基づく刃部の欠損や脱落が発生する危険性がある。また、固定ボルトが緩んだまま使用した結果、固定ボルトが変形すると、刃部を基部から外すことも困難になって使用できなくなり、作業能率の低下を招くおそれがあるので、固定ボルトの緩みがないように頻繁に点検する必要があるなど、刃部のメンテナンスに手間がかかる欠点がある。
【0004】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、製造コストの低下と靱性の確保を図りながら、刃部のメンテナンスの手間を減らせるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、周方向で複数の破砕用刃部を設けてある破砕用回転刃であって、回転軸芯側基部を軟質金属で形成するとともに、その外周側に硬質金属を溶着して、前記刃部の少なくとも先端部を、硬質材部に形成してある点にある。
【0006】
〔作用〕
回転軸芯側基部を安価に入手し易い軟質金属で形成して、製造コストの低下と靱性の確保を図りながら、その外周側に硬質金属を溶着して、刃部の少なくとも先端部を回転軸芯側基部に溶着された硬質材部に形成してあるので、回転軸芯側基部と刃部とを固定ボルトによらずに、一体に固定することができる。
【0007】
〔効果〕
製造コストの低下と靱性の確保を図りながら、回転軸芯側基部と刃部とを固定ボルトを使用せずに一体に固定することができるので、従来のような、固定ボルトの緩みなどの保守点検が不要で、刃部のメンテナンスの手間を減らせる。
【0008】
請求項2記載の発明の特徴構成は、請求項1記載の破砕用回転刃の製造方法であって、前記硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で遠心力鋳造した後、前記回転軸芯側基部を、前記耐摩耗鋳鉄材料よりも軟質の軟質鋳鉄材料で前記硬質材部の内方に静置鋳造する鋳造工程と、前記硬質材部を軟化熱処理して、前記刃部を切削形成する切削工程と、前記硬質材部を焼き入れ熱処理する硬化熱処理工程とを設けてある点にある。
【0009】
〔作用〕
鋳造工程において、硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で遠心力鋳造して筒状に形成し、その筒状に形成した硬質材部の内方に、耐摩耗鋳鉄材料よりも軟質の軟質鋳鉄材料を静置鋳造することによって、軟質の回転軸芯側基部の外周側に硬質材部を溶着することができる。
【0010】
そして、切削工程において、硬質材部を切削し易いように軟化熱処理して、刃部を切削形成し、硬化熱処理工程において、切削のために軟化させた刃部の耐摩耗性を確保できるように、その少なくとも先端部を形成してある硬質材部を焼き入れ熱処理して硬化させることができる。
【0011】
〔効果〕
軟質金属の回転軸芯側基部の外周側に硬質材部を容易に溶着しながら、少なくとも先端部が耐摩耗性を備えている刃部を形成できる。
【0012】
請求項3記載の発明の特徴構成は、前記鋳造工程において、前記回転軸芯側基部の外周側に前記硬質金属を溶着してある回転刃素材を鋳造し、前記切削工程において、前記回転刃素材を複数の円板状の回転刃材料に切断するとともに、その回転刃材料に前記刃部を切削形成する点にある。
【0013】
〔作用〕
鋳造工程において、回転軸芯側基部の外周側に硬質金属を溶着してある回転刃素材を鋳造しておき、切削工程において、その回転刃素材を複数の円板状の回転刃材料に切断するとともに、その回転刃材料に刃部を切削形成するので、一回の鋳造工程で鋳造した回転刃素材から、複数個の破砕用回転刃を製造できる。
【0014】
〔効果〕
一個の破砕用回転刃毎の鋳造工程が不要で、製造工程を簡略化できる。
【0015】
請求項4記載の発明の特徴構成は、前記鋳造工程において、前記硬質材部の内方に中間層を遠心力鋳造した後、その中間層の内方に前記回転軸芯側基部を静置鋳造する点にある。
【0016】
〔作用〕
回転軸芯側基部の鋳造時に、硬質材部の内方に遠心力鋳造した中間層で、回転軸芯側基部の靱性を低下させ易い合金元素の、硬質材部から回転軸芯側基部への混入を防止できる。
【0017】
〔効果〕
回転軸芯側基部の靱性を確保し易い。
【0018】
請求項5記載の発明の特徴構成は、前記鋳造工程において、遠心力鋳造した硬質材部を内有している金型を起立させて、溶湯供給口をその金型の下部に接続し、前記溶湯供給口から前記硬質材部の内方に溶湯を供給して前記金型の上部からオーバーフローさせながら、前記硬質材部の内方に前記回転軸芯側基部を静置鋳造する点にある。
【0019】
〔作用〕
回転軸芯側基部の鋳造時に、回転軸芯側基部の靱性を低下させ易い合金元素が、硬質材部や中間層から回転軸芯側基部を鋳造する溶湯に混入しても、そのような合金元素が混入している溶湯を、金型の上部からオーバーフローさせて、回転軸芯側基部への混入を防止できる。
【0020】
〔効果〕
回転軸芯側基部の靱性を確保し易い。
【0021】
請求項6記載の発明の特徴構成は、前記切削工程において、周方向で隣り合う刃部間に前記回転軸芯側基部又は前記中間層の一部が露出するように、前記刃部を切削形成する点にある。
【0022】
〔作用〕
切削工程の後の硬化熱処理工程における硬質材部の焼入れ熱処理によって、硬質材部がベイナイト変態やマルテンサイト変態により膨張するので、硬質材部に大きな圧縮の残留応力が、また、回転軸芯側基部や中間層にそれに見合う大きな引張の残留応力が働らいて、回転軸芯側基部が引張・破壊するおそれがあるが、周方向で隣り合う刃部の間に回転軸芯側基部の一部を露出させることによって、硬質材部に生じる残留応力も、回転軸芯側基部や中間層に生じる残留応力も緩和することができる。
【0023】
〔効果〕
回転軸芯側基部が引張・破壊するおそれがなく、回転軸芯側基部の耐久性を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、周方向で複数の破砕用刃部1を等間隔で設けてある破砕用回転刃Aを示している。
【0025】
前記破砕用回転刃Aは、球状黒鉛鋳鉄材料(軟質鋳鉄材料(軟質金属) の一例) 2で形成してある回転軸芯側基部3の外周側に、球状黒鉛鋳鉄材料2よりも硬質の耐摩耗鋳鉄材料(硬質金属の一例) 4を溶着して、その耐摩耗鋳鉄材料4からなる硬質材部5に刃部1の全体を切削加工により形成し、破砕装置の駆動回転軸Bに嵌合する矩形の嵌合孔6を回転軸芯側基部3に貫通形成してある。
【0026】
前記耐摩耗鋳鉄材料4は、化学組成が重量%で、C:1.0 〜3.0 %、Si:0.1 〜2.0 %、Mn:0.1 〜2.0 %、Cr:3.0 〜10.0%、2Mo+W:5.0 〜20.0%、V, Nb:一種又は二種の総計(V+Nb) で3.0 〜10.0%かつNbは2 %以下、および残部実質的にFeからなり、焼入れおよび焼き戻し熱処理が施されて、基地が高硬度化し、かつ、Cr, Mo,W,Nb,V,FeおよびCが相互に結合した高硬度の複合炭化物が基地中に存在するため、耐摩耗性が飛躍的に向上している。
尚、Coは基地中に固溶し、高温での硬度低下を抑制するために添加しても良いが、10%以上添加しても、その効果は飽和している。
前記耐摩耗鋳鉄材料4は、高クロム鋳鉄やニハード鋳鉄などでも良い。
【0027】
そして、図2,図3に示すように、二本の駆動回転軸Bの各々を複数個の破砕用回転刃Aの各嵌合孔6にスペーサCを挟んで嵌合して、一方の駆動回転軸Bに嵌合した破砕用回転刃Aが、他方の駆動回転軸Bに嵌合した破砕用回転刃Aの間に入り込み、かつ、それらの刃部1のうちの駆動回転軸Bの上側に位置する刃部1の先端部7どうしが互いに対向する方向に向くように、二本の駆動回転軸Bを破砕装置Dに互いに平行に軸支し、駆動回転軸Bの上側に位置する刃部1どうしが互いに近接する方向に回転移動するように、二本の駆動回転軸Bを互いに逆向きに駆動回転させて、二本の駆動回転軸B間に供給した被破砕物Eを破砕できるように構成してある。
【0028】
前記破砕用回転刃Aの製造方法を以下に説明する。
図4は、硬質材部5を耐摩耗鋳鉄材料4で遠心力鋳造して筒状に形成する横型遠心力鋳造装置Fを示しており、湯止め用砂型G1を両端部に設けてある回転金型Gを、回転ローラF1で回転自在に支持し、溶湯を堰鉢F2から注湯樋F3を介して回転金型G内に鋳込むようにしてある。
【0029】
そして、耐摩耗鋳鉄材料4の溶湯を回転する回転金型Gに鋳込んで筒状の硬質材部5を遠心力鋳造し、それが凝固した後に、硬質材部5を内有した回転金型Gを起立させて、その両端に回転軸芯側基部鋳造用の上型、下型を連設して静置鋳型を構成し、耐摩耗鋳鉄材料4よりも軟質の球状黒鉛鋳鉄材料2の溶湯をその内部に鋳込んで、回転軸芯側基部3を静置鋳造し、図5に示すように、回転軸芯側基部3の外周側に硬質材部5が溶着している円柱状の回転刃素材8を作成する [鋳造工程]。
【0030】
前記横型遠心力鋳造装置Fにおいては、回転金型G内に鋳込まれた溶湯の各部が回転金型Gの回転に伴って上下動するため、加速度が変動し、また、回転ローラF1や回転金型Gの偏心や傷により振動が発生し易いので、鋳込まれた耐摩耗鋳鉄材料4の溶湯中の成分が移動し易く、厚肉の硬質材部5を鋳造する場合は、成分の移動により偏析が生じ易いので、通常、凝固開始温度+70℃程度以下として比較的低温で鋳込むのがよい。
【0031】
次に、硬質材部5を焼きなましする軟化熱処理を行ってから、図5に示しているように、回転刃素材8を所定厚さの複数の円板状の回転刃材料9に切断し、各回転刃材料9の硬質材部5に各刃部1を切削形成するとともに、回転軸芯側基部3に嵌合孔6を切削形成する[切削工程]。
【0032】
そして、各刃部(硬質材部) 1を真空炉の無酸素雰囲気中で焼き入れ熱処理して硬化させたあと[硬化熱処理工程]、所定寸法に仕上げる仕上げ加工を行って、破砕用回転刃Aを製造する。
【0033】
前記硬化熱処理工程では、硬質材部5を焼入れ温度(オーステナイト化温度) から400〜650℃までの温度域を150℃/Hr以上の冷却速度で焼入れすることにより、良好な焼入れ組織を得た後、500〜600℃の温度で1回ないし数回に亘って焼戻しを行って、所定硬さの刃部1を硬質材部5に形成してある破砕用回転刃Aを製造する。
尚、硬化熱処理工程を無酸素雰囲気中で行うと、刃部1の先端部すなわち刃先に金属酸化物が生成されないため、酸化損耗し、丸みを帯びることなく熱処理を完了できる。従って、熱処理後の加工コストが安くなる。
【0034】
尚、刃部1は、オーステナイト化熱処理の際に基地中に固溶したMo, W, V, Nb等が焼戻し熱処理によって微細炭化物として析出し、焼戻し2次硬化現象を生じるため、高温硬度に優れている。
【0035】
〔第2実施形態〕
図6は、破砕用回転刃Aの製造方法の別実施形態を示し、第1実施形態で示した鋳造工程において、硬質材部5を内有した回転金型Gを起立させて、その両端に回転軸芯側基部鋳造用の上型H1、下型H2を連設して静置鋳型Hを構成し、下型H2に設けた溶湯供給口H3を回転金型Gに接続し、溶湯供給口H3から硬質材部5の内側に球状黒鉛鋳鉄材料2の溶湯を供給して、回転金型Gの上部の上型H1から溶湯をオーバーフローさせながら、硬質材部5の内側に回転軸芯側基部3を静置鋳造する。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0036】
〔第3実施形態〕
図7は、破砕用回転刃A及びその製造方法の別実施形態を示し、切削工程において、周方向で隣り合う刃部1間に回転軸芯側基部3の一部が露出するように、回転刃材料9の硬質材部5と回転軸芯側基部3とに亘って各刃部1を切削形成して、各刃部1の少なくとも先端部7を硬質材部5に形成してある破砕用回転刃Aを示している。
その他の構成は第1実施形態又は第2実施形態と同様である。
【0037】
〔第4実施形態〕
図8は、破砕用回転刃Aの別実施形態を示し、球状黒鉛鋳鉄材料2で形成してある回転軸芯側基部3の外周側に、中間層10と硬質材部5とを順に溶着して、耐摩耗鋳鉄材料4からなる硬質材部5に複数の破砕用刃部1を形成してある。
【0038】
前記破砕用回転刃Aの製造方法を説明する。
図9に示すように、耐摩耗鋳鉄材料4の溶湯を回転する回転金型Gに鋳込んで筒状の硬質材部5を遠心力鋳造し、その内面が凝固完了する前に、硬質材部5の内周面に中間層材料11の溶湯を鋳込んで、硬質材部5に溶着している筒状の中間層10を遠心力鋳造し、その後、硬質材部5と中間層10とを内有した回転金型Gを起立させて、その両端に回転軸芯側基部鋳造用の上型、下型を連設して静置鋳型を構成し、球状黒鉛鋳鉄材料2の溶湯をその内部に鋳込んで、中間層10に溶着している回転軸芯側基部3を静置鋳造し、回転軸芯側基部3の外周側に中間層10を挟んで硬質材部5が溶着している円柱状の回転刃素材8を作成する [鋳造工程]。
【0039】
前記中間層10は、化学組成が重量%で、C:1.0 〜2.5 %、Si:0.2 〜3.0 %、Mn:0.2 〜1.5 %、Ni:4.0 %以下、Cr:4.0 %以下、Mo:4.0 %以下、W ,V, Nb:総計で12%以下、残部が実質的にFeからなる。
Cr,Mo,W ,V, Nb(Co) は、硬質材部5を形成している耐摩耗鋳鉄材料4から混入した成分であり、硬質材部5の高合金成分が回転軸芯側基部3に混入することに起因する強靭性の劣化を防止することができる。
中間層10は、回転軸芯側基部3に近い変態挙動であるため、硬質材部5に焼入れ熱処理を施しても、過大な残留応力が生じることがない。
【0040】
尚、本実施形態においても、図10に示すように、切削工程において、周方向で隣り合う刃部1間に回転軸芯側基部3の一部が露出するように、回転刃材料9の硬質材部5と中間層10と回転軸芯側基部3とに亘って各刃部1を切削形成して、各刃部1の少なくとも先端部7を硬質材部5に形成してある破砕用回転刃Aを製造しても良い。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0041】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による破砕用回転刃は、硬質金属として、高速度工具鋼や合金工具鋼,高クロム鋳鉄やニハード鋳鉄などを使用してあっても良い。
2.本発明による破砕用回転刃は、軟質金属として、炭素工具鋼や片状黒鉛鋳鉄,黒鉛鋼などを使用してあっても良い。
3.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で筒状に静置鋳造した後、その内方に回転軸芯側基部を静置鋳造しても良い。
4.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で筒状に静置鋳造した後、その内方に中間層を筒状に静置鋳造し、更に、その中間層の内方に回転軸芯側基部を静置鋳造しても良い。
5.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、単一の破砕用回転刃に対応する寸法の回転刃素材を鋳造し、その回転刃素材に刃部を切削形成して、単一の破砕用回転刃を製造しても良い。
6.本発明による破砕用回転刃の製造方法は、切削工程において、周方向で隣り合う刃部間に中間層の一部のみが露出するように、刃部を切削形成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】破砕用回転刃の平面図
【図2】破砕装置の要部平面図
【図3】破砕装置の要部斜視図
【図4】製造方法の説明図
【図5】製造方法の説明図
【図6】第2実施形態を示す製造方法の説明図
【図7】第3実施形態を示す平面図
【図8】第4実施形態を示す平面図
【図9】第4実施形態を示す製造方法の説明図
【図10】第4実施形態の別例を示す平面図
【符号の説明】
1 刃部
2 軟質金属(軟質鋳鉄材料)
3 回転軸芯側基部
4 硬質金属(耐摩耗鋳鉄材料)
5 硬質材部
7 先端部
8 回転刃素材
9 回転刃材料
10 中間層
G 金型
H3 溶湯供給口
Claims (6)
- 周方向で複数の破砕用刃部を設けてある破砕用回転刃であって、
回転軸芯側基部を軟質金属で形成するとともに、その外周側に硬質金属を溶着して、前記刃部の少なくとも先端部を、硬質材部に形成してある破砕用回転刃。 - 請求項1記載の破砕用回転刃の製造方法であって、
前記硬質材部を耐摩耗鋳鉄材料で遠心力鋳造した後、前記回転軸芯側基部を、前記耐摩耗鋳鉄材料よりも軟質の軟質鋳鉄材料で前記硬質材部の内方に静置鋳造する鋳造工程と、
前記硬質材部を軟化熱処理して、前記刃部を切削形成する切削工程と、
前記硬質材部を焼き入れ熱処理する硬化熱処理工程とを設けてある破砕用回転刃の製造方法。 - 前記鋳造工程において、前記回転軸芯側基部の外周側に前記硬質金属を溶着してある回転刃素材を鋳造し、
前記切削工程において、前記回転刃素材を複数の円板状の回転刃材料に切断するとともに、その回転刃材料に前記刃部を切削形成する請求項2記載の破砕用回転刃の製造方法。 - 前記鋳造工程において、前記硬質材部の内方に中間層を遠心力鋳造した後、その中間層の内方に前記回転軸芯側基部を静置鋳造する請求項2又は3記載の破砕用回転刃の製造方法。
- 前記鋳造工程において、遠心力鋳造した硬質材部を内有している金型を起立させて、溶湯供給口をその金型の下部に接続し、
前記溶湯供給口から前記硬質材部の内方に溶湯を供給して前記金型の上部からオーバーフローさせながら、前記硬質材部の内方に前記回転軸芯側基部を静置鋳造する請求項2〜4のいずれか1項記載の破砕用回転刃の製造方法。 - 前記切削工程において、周方向で隣り合う刃部間に前記回転軸芯側基部又は前記中間層の一部が露出するように、前記刃部を切削形成する請求項2〜5のいずれか1項記載の破砕用回転刃の製造方法。
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