JP4260873B1 - 冷却方法及び冷却装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被冷却物の乾燥を防ぐことができ、冷却時間を短縮することができる冷却方法を提供する。
【解決手段】被冷却物が冷却開始温度から、凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の所定温度に達するまでは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制しながら被冷却物の冷却を行う予冷工程と、前記所定温度から目標冷凍温度までは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを促進しながら被冷却物の冷却を行う急速凍結工程と、を備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、被冷却物の冷却を行う冷却方法及び冷却装置に関する。
従来から食品等の被冷却物の冷却方法としては、真空冷却方式、ブラストチラー方式、電磁誘導方式といったものが知られている。
真空冷却方式は、被冷却物を減圧環境内に置くことで、蒸発温度が下がることを利用し、被冷却物に含まれる水分が水蒸気(気化水)となって被冷却物から潜熱を奪って蒸発していくことを利用して冷却するものである。そのため、被冷却物からは多量の水分が蒸発されていき、同時に脱気作用も働くために、被冷却物の乾燥を避けることができない、という問題がある。つまり、真空冷却方式では、水分を失うことが冷却の原理になっているため、被冷却物の乾燥・脱気を原理的に防ぐことができない。
ブラストチラー方式は、庫内に、熱源として伝熱面積の大きなエバポレータと、強風ファンを設け、エバポレータのフィンの間に強制的に空気を通過させて、循環量を多くし、冷気を作り出して、庫内の被冷却物へ直接吹き付けることで熱交換の効率を高めた方式である。循環方式や熱交換方式には様々なものがあるが、基本的には低温冷風を効率よく作り出し高い熱交換を目指している点では共通している。
このブラストチラー方式においても被冷却物の乾燥・脱気が生じるという問題があり、その主なる原因として、被冷却物の表面は強冷風に晒されているために、被冷却物の表面と中心部との間には温度差が発生し、中心部の方が温度が高いために、熱は中心側から表面側へと移動し、同時に水分も熱と同じ方向に移動するので、中心部から水分が奪われていくことが考えられる。
また、他の原因として、エバポレータに強制的に冷気を通過させるために、エバポレータの表面に水蒸気が結露して、冷気中の除湿を行ってしまうことになる。つまり、エバポレータ通過時に除湿されて乾燥した冷気が被冷却物に吹き付けられて、冷却と同時に被冷却物の除湿を行い、昇温した冷気が再びエバポレータで再冷却・除湿を行うサイクルが作られてしまい、被冷却物から水分が奪われていくことが考えられる。
ブラストチラー方式では、いかに速く、効率よく被冷却物と熱交換させるか、ということが主眼となっているために、上記原因により被冷却物の乾燥・脱気を防ぐことができない。
電磁誘導方式は、ブラストチラー方式と同じで、冷気による冷却方式であるが、庫内に電圧又は電磁場を与える設備が装備されており、被冷却物中の水分子を共鳴させ、又は、磁場で水分子を微細化しながら、超低温冷気で一気に冷却させて凍結させる方式である。しかしながら、水を分子レベルの動きでコントロールすることは非常に難しく、結果的には、ブラストチラー方式と同じように、乾燥・脱気の問題が発生する。
以上のように、各方式において、乾燥・脱気の問題は避けることができない問題となっている。
この問題点を解決するために、特許文献1や特許文献2では、冷気の強制循環を行わない冷却装置が提案されている。これらの冷却装置では、断熱箱体により密閉された室内にある一壁側に冷却器を設け、冷却器の前面にファンを配設し、ファンの前方の空間部を冷却室とし、冷却器付近に存在する冷却空気をファンの後面から吸引して冷却室に流動させるようにしている。冷却室の冷却空気は、強制的には冷却器へと循環されず、冷却器を含む冷却部と冷却室との間では、その空気層の境界面での分子間の衝突による熱交換が行われ、冷却室内の水蒸気圧が飽和状態にあり、乾燥しないため、被冷却物表面のわずかな水分を瞬時に凍らせて薄いアイスバリアを表面全体に形成し、被冷却物の変性を阻止するというものである。
しかしながら、例えば、特許文献2では、庫内の風速が0.5m/分(8.3mm/秒)以上3.5m/分(58.3mm/秒)以下であるとしているが、これは実質的には無風状態と等しく、自然対流程度の空気の動きしか発生させないことを意味する。しかしながら、自然対流では、十分な冷却効果は得られず、冷却時間がかかるという問題がある。つまり、強制循環を行わず、エバポレータである冷却器に強制的に空気を送り込まないことは、冷熱効率を落とし、冷却に時間がかかる結果となる。
これらの問題点に対して、特許文献3では、被冷却物の乾燥を防ぐことができ、且つ冷却時間を短縮することができる冷却装置が提案されている。この冷却装置では、空間内に冷却器と、ファンと、被冷却物の設置される冷却室とを備える冷却装置において、予め得られた、被冷却物の中心温度と、前記空間の温度、被冷却物の表面温度及び冷却器を通過する冷媒の温度の中から選択されるいずれかの温度との関係に基づき、被冷却物の冷却過程において、被冷却物の中心温度と、前記空間の温度、被冷却物の表面温度及び冷却器を通過する冷媒の温度の中から選択されるいずれかの温度との差を一定に保持しつつ被冷却物の中心温度を低下させる過程を持つように、冷媒の温度及び/又は冷媒の流量を時間的に変化させながら、被冷却物の冷却を行っている。
特許第2852300号公報 特許第3366977号公報 特許第4081507号公報
特許文献3記載の装置は、被冷却物の乾燥を防ぐことができ、被冷却物の品質を保持することができるものの、冷却時間の短縮化については未だ改善の余地がある。
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、被冷却物の乾燥を防ぐことができ、冷却時間を短縮することができる冷却方法及び冷却装置を提供することをその目的とする。
前述した課題を解決するために、請求項1記載の発明は、空間内に、冷却器が設置される保冷室と、被冷却物の設置される冷却室とを備えた冷却装置を用いて被冷却物の冷却を行う冷却方法において、被冷却物が冷却開始温度から、被冷却物の凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の所定温度に達するまでは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制しながら被冷却物の冷却を行う予冷工程と、前記所定温度から目標冷凍温度までは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを予冷工程のときよりも促進しながら被冷却物の冷却を行う急速凍結工程と、を備え、前記予冷工程においては、保冷室と冷却室との境界に設けられた仕切り部材で該境界を遮蔽することによって保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制する一方で、前記急速凍結工程においては、前記仕切り部材が該境界の少なくとも一部を開放することによって保冷室と冷却室との間の空気の流れを促進することを特徴とする。
請求項2記載の発明は、空間内に、冷却器が設置される保冷室と、被冷却物の設置される冷却室とを備えた冷却装置を用いて被冷却物の冷却を行う冷却方法において、被冷却物が冷却開始温度から、被冷却物の凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の所定温度に達するまでは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制しながら被冷却物の冷却を行う予冷工程と、前記所定温度から目標冷凍温度までは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを予冷工程のときよりも促進しながら被冷却物の冷却を行う急速凍結工程と、を備え、前記予冷工程においては、保冷室において冷却器で発生する冷気を蓄熱し、前記急速凍結工程においては、前記蓄熱された冷気を冷却室に解放することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の前記予冷工程において、冷却室に配置されたファンを停止、低速運転又は間欠運転させて保冷室と冷却室との間を空気の流れを抑制する一方で、前記急速凍結工程においては、ファンを高速運転または連続運転させて保冷室と冷却室との間の空気の流れを促進することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の前記予冷工程において、予め得られた、被冷却物の中心温度と被冷却物の表面温度との関係に基づき、被冷却物の中心温度と被冷却物の表面温度との差をほぼ0に保持しつつ被冷却物の中心温度を低下させる過程を持つように、冷却器を通過する冷媒の温度及び/又は冷媒の流量を時間的に変化させながら、被冷却物の冷却を行うことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1項に記載の前記予冷工程において、予め得られた、被冷却物の中心温度と、前記空間の温度又は冷却器を通過する冷媒の温度との関係に基づき、被冷却物の中心温度と、前記空間の温度又は冷却器を通過する冷媒の温度との差をほぼ一定に保持しつつ被冷却物の中心温度を低下させる過程を持つように、冷媒の温度及び/又は冷媒の流量を時間的に変化させながら、被冷却物の冷却を行うことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1ないしのいずれか1項の冷却方法に記載の前記冷却装置を特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載の前記空間を包囲する壁体と前記冷却器との間の隙間に仕切り部材が設けられ、該仕切り部材は、予冷工程においては、該隙間を遮蔽し、急速凍結工程においては、該隙間の少なくとも一部を開放することを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項又は記載の前記冷却室に、冷却器側から冷却室の被冷却物方向へと送風するファンが配置され、該ファンは、予冷工程においては、停止、低速運転又は間欠運転を行う一方で、前記急速凍結工程においては、高速運転又は連続運転を行うことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項ないしのいずれか1項に記載の前記保冷室に、冷気を蓄熱することができる蓄冷機能材が配置されることを特徴とする。
本発明によれば、被冷却物が凝固点近傍又は物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の所定温度に達するまでは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制することで、被冷却物の乾燥を防ぐ一方で、所定温度から目標冷凍温度までは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを促進することで、目標冷凍温度までに達するまでに要する時間を全体として短時間とすることができる。所定温度以下になれば被冷却物を冷風に曝しても水分蒸発が少ないために乾燥のおそれなく、急速凍結することができる。また、予冷工程時に冷却器から保冷室に蓄熱された冷気を、急速凍結工程で一気に冷却室に解放することで、凝固点近傍又は物性上最も劣化し易い温度領域を短時間で通過することができ、被冷却物の劣化を防ぎ、氷の成長を防ぐことができる。
仕切り部材によって保冷室と冷却室との境界又は空間を包囲する壁体と冷却器との間の隙間の遮蔽と開放を切換えることで、保冷室と冷却室との間の空気の流れの抑制と促進とを切換えることができる。また、ファンによる停止、低速運転又は間欠運転と高運転動又は連続運転とを切換えることによって、保冷室と冷却室との間の空気の流れの抑制と促進とを切換えることができる。
また、予冷工程において蓄冷機能材によって冷気を蓄熱しておき、急速冷凍工程においてその蓄熱された冷気を冷却室に解放することで、凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域を短時間で通過することができ、被冷却物の劣化を防ぎ、氷の成長を防ぐことができる。また、冷却器の冷却能力を効果的に使用することができる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。尚、以下の実施形態は本発明を限定するものではない。
図1は、本発明による冷却方法を実施する冷却装置の実施形態の内部構造を表す断面図である。冷却装置10は、断熱壁体12によって包囲されて外部と断熱的に隔離された室内16を有しており、その室内16の一側面(前面)には、被冷却物を搬入出するための扉14が開閉自在に備えられている。
室内16は、冷気発生源である冷却器18が設置され冷気を発生すると共に好ましくは冷気の蓄熱を行う保冷室22と、被冷却物が設置される冷却室24とに区分けされる。
断熱壁体12と冷却器18との間の隙間には、開閉可能な仕切り部材30が配置されており、この仕切り部材30と冷却器18の前面の輪郭によって仕切られる一方の部分が保冷室22となり、それ以外の部分が冷却室24となる。仕切り部材30は、その開閉度合が後述の駆動手段によって制御可能となっており、開閉度合によって、仕切り部材30が配置される隙間を介して保冷室22と冷却室24とを開放するか、該隙間を遮蔽するか、又は該隙間の一部を遮蔽/開放するかの切換えが可能となっている。
冷却器18の全体輪郭形状は、冷却室24側から見て通常は長方形(正方形を含む)となっており、冷却器18は、この中を冷媒が通過する際に気化することで周囲の空気を冷却する熱交換器(エバポレータ)となっており、例えば、冷却フィンがその周囲に形成された冷却コイルで構成することができる。
保冷室22内には、冷却器18の他に、冷気の蓄熱を行う後述の蓄冷機能材20が配置される。
冷却室24には、適宜、その両側面にガイドレール25が形成され、ガイドレール25に沿って複数のトレー26が配設され、トレー26上に被冷却物が載置可能となっている。
冷却室24には、冷却室24側から見て冷却器18に重なるようにして、モータ付きファン28が適宜位置に配設される。
図3に示したように、冷却室24及び/又は保冷室22には温度センサ38が設けられる。また、冷却器18を通過する冷媒の循環回路40は、室外に配置される凝縮器42、冷媒タンク44、圧縮機46及び膨張弁48を有する。そして、温度センサ38からの検出信号は、制御器50へと供給されており、制御器50は、インバータ51を制御して、圧縮機46の回転を制御するようになっており、被冷却物の種類に応じて、前記冷却室24又は保冷室22が後述のように、予め決められた温度変化をとるように圧縮機46の運転を制御して冷媒の温度を変化させるようになっている。
以上のように構成される冷却装置10において被冷却物の冷却を行う場合には、2つの工程で行う。第1の工程を予冷工程、第2の工程を急速凍結工程と称する。以下、この2つの工程について詳述する。
(予冷工程)
予冷工程とは、被冷却物が室内16に投入されたときの投入温度又は冷却装置外の常温の冷却開始温度から、被冷却物の凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の温度の予冷終了温度(所定温度)まで、被冷却物を冷却する工程である。
予冷工程では、保冷室22と冷却室24との間で空気の流れを抑制しながら、且つ被冷却物の中心温度と、室内16の温度、被冷却物の表面温度及び冷却器18を通過する冷媒の温度の中から選択されるいずれかの温度との差が、なるべく小さくなるようにして、冷却する。好ましくは、被冷却物の中心温度と被冷却物の表面温度が限りなく0になる過程を持つように冷却する。また、好ましくは、被冷却物の中心温度及び/又は表面温度と室内16の温度との差、又は、被冷却物の中心温度及び/又は表面温度と冷媒温度との差が一定となる過程を持つように冷却する。
より詳細には、予冷工程では、保冷室22と冷却室24との間で空気の流れを抑制するために、図7(a)に示すように、仕切り部材30は閉鎖しており、保冷室22と冷却室24との間の空気の流通は、冷却器18の占有部分以外で制限されている。そして、ファン28は停止、低速運転又は間欠運転とし、冷却室24内を無風又は微風が流れるようにする。
図5は、被冷却物の中心温度、表面温度、室内の温度及び冷媒の温度のそれぞれの時間変化の一例を表している。前述のように、予冷開始点である被冷却物の投入直後は、中心温度と表面温度との温度差は0であり、その後、表面温度の方が低くなるが、予冷終了点では、温度差がほぼ0となるように、冷媒の温度を制御する。
例えば、予冷工程は、第2所定温度(例えば+5℃付近)までは、被冷却物の中心温度と表面温度との温度差を小さくしていく過程と、第2所定温度以下(例えば+5℃以下)では、被冷却物の中心温度と表面温度との温度差をほぼ0にする過程とを持つようにして、2つの過程に分けて制御するとよい。
以上の予冷工程では、被冷却物への冷気の供給は、冷却器18の冷却室24に面した部分からの放熱及び保冷室22から冷却室24への自然対流を利用している。熱の伝熱速度は温度差に比例し、予冷工程ではこの温度差が小さいので、冷却は比較的時間をかけて低速に行われる。また、仕切り部材30を閉鎖することにより、保冷室22には、冷却室24内の空気は循環又は強制通風されず、よって、冷却室24は陽圧で高湿度の状態を維持し、保冷室22は負圧で低湿度の状態を維持する。
被冷却物の中心温度と表面温度との温度差が小さくなるように低速で冷却を行っているために、被冷却物からの水分蒸発が防止される。即ち、例えば従来のブラストチラー方式では、図6(a)に示すように、強冷風を被冷却物に当てるために、被冷却物の中心部温度と表面温度との間での温度差が大きくなる。そのために、中心部から表面に向かって温度差の大きさに比例して熱移動が起こり、同時に水分も大量に移動する。これに対して、この予冷工程では、図6(b)に示すように、無風又は微風とし、被冷却物の中心部温度と表面温度との間での温度差Δtを0に近づけていることで、従来のような水分の移動が発生しない。
さらには、冷却室24は高湿度が維持されているために、被冷却物の乾燥が一層防止されることとなる。
ファン28を作動させる場合、その目的は、被冷却物からの熱を強制的に奪うためではなく、冷却室24内の温度の均一化と被冷却物の表面に形成される空気層(境膜)を僅かに揺り動かすことである。
この予冷工程において要する熱量Qを考えたときに、熱量Qは、Q∝Δtであり、Δtは小さいから、Qは小さい。保冷室22では、予冷工程中に、冷却室24に供給されない冷気を蓄熱する。ここで蓄熱は、蓄冷機能材20の冷却と、保冷室22内の空気の冷却を含む。
こうして、予冷工程により被冷却物は、凝固点近傍又は物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の温度である予冷終了温度まで冷却される。
(急速冷凍工程)
予冷工程にひき続き急速凍結工程を実行する。急速冷凍工程とは、予冷終了温度から被冷却物が完全に凍結する目標凍結温度まで、被冷却物を冷却する工程である。
予冷工程では、被冷却物の凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の温度まで冷却を行っている。液相から固相へと変わる凝固点の温度帯である氷結晶帯は、通常、被冷却物が物性上最も劣化し易い温度領域であることが知られている。この氷結晶帯を短時間で通過することが、被冷却物の品質を維持する上で重要である。
急速凍結工程では、予冷工程とは対照的に、保冷室22と冷却室24との間の空気の流れを促進し、図7(b)に示すように仕切り部材30を開放し、保冷室22に蓄熱された冷気を一気に冷却室24へと放熱する。ファン28も高速運転又は連続運転とする。但し、例えば粉体や乾燥品のように被冷却物の比重が小さく、被冷却物が飛散し易いものである場合には、低速運転を維持し、その代わりに、仕切り部材30による開閉度合で調整する。
こうして、氷結晶帯の平衡状態において必要とする大きな熱量(水の場合80倍)を、保冷室22に蓄熱された熱量で補てんし、氷結晶帯を通過する時間を短縮し、氷の成長を防いで氷結を微細化し、さらに、一気に低温化して短い時間で凍結を行う。
予冷工程によって、被冷却物の表面温度と中心温度とはほぼ同じ温度となっているから、表面と中心部とが同時に氷結晶する。このとき、表面から中心部へ徐々に凍結されていくのではなく、表面と中心部とがほぼ同時に固化し、均質な氷を生成する。
仕切り部材30が開放された後は、保冷室22と冷却室24とがより一体化する。開放された直後、冷却器18のある保冷室22の温度は、冷却室24の温度よりも低温であり、高温の冷却室24側の冷気は、対流を起こし、冷却器18側へと移行する。仕切り部材30の開閉度合は、温度降下状況とファン28による冷却室24内の熱分布状況によって、調整可能である。また、ファン28によって、冷却器18の冷気を吸い出し、又は押し出して、室内16全体を均一化し、同時に、被冷却物の表面に形成された熱の境膜を揺動させる。
凝固点を下回った後は、被冷却物は固相となっているために、水分蒸発は液相のときに比較して遥かに少ない。そのため、ファン28の流量を、予冷工程に比較して多くしても、被冷却物の表面からの乾燥のおそれは少ない。
この急速凍結工程においては、図5に示すように、氷結晶帯において、仕切り部材30の開閉度合を調整しながら氷結晶帯を通過させる過程と、氷結晶帯を通過した後の冷媒温度をさらに低下させる過程とを持つように、2つの過程に分けて制御するとよい。被冷却物の氷結晶帯を迅速に通過させ、通過後に冷媒温度を低下させて冷却することで、凍結速度を速めることができる。
保冷室22から冷却室24へと供給される熱量Qは、Q=Q1+Q2=ΔT・c・q・V+Q2として表され、ここで、ΔTは保冷室22と冷却室24との間の温度差、cは比熱、qは密度、Vは保冷室22の容積、Q2は蓄冷機能材により蓄積された熱量である。ΔTが大きいため、Q1を大きくすることができる。また、冷却器18から放出される熱量は単位時間当たり一定であるが、予冷工程時に蓄積していた熱量Q2をこの急速凍結工程で利用することができる。Q1及びQ2を大きくとるために、保冷室22と冷却室24との容積比(後述)、保冷室22内に配置される蓄冷機能材20の体積又は質量と比熱を適宜、設定するとよい。
(事前計測)
以上の予冷工程及び急速凍結工程を行うために、事前計測を行う。事前計測では、図4に示すように、予め同じ冷却装置10において、又は他の同じ仕様の冷却装置10において、被冷却物の中心温度を測定する温度センサ52と被冷却物の表面温度を測定する温度センサ54と、冷却器18の入口付近における冷媒温度(入口冷媒温度)を測定する温度センサ56と、冷却器18の出口付近における冷却温度(出口冷媒温度)を測定する温度センサ58と、を設け、温度センサ52、54、56、58及び冷却室24及び/又は保冷室22に設けられた温度センサ38からの検出信号をマイクロコンピュータで構成される解析器60で受けて、冷媒の温度及び/又は流量を変化させながら冷却を行う。
計測は、被冷却物の凝固点温度、被冷却物の氷結晶帯通過時間、冷却装置投入時から目標凍結温度に達するまでの、被冷却物の表面温度、被冷却物の中心温度、室内温度(冷却室24及び/又は保冷室22の温度)、入口冷媒温度、出口冷媒温度のそれぞれについての時間変化の計測を行う。但し、室内温度(冷却室24及び/又は保冷室22の温度)、入口冷媒温度及び出口冷媒温度は、この中の選択された1つ又は2以上の計測とすることもできる。
そして、冷媒温度、冷媒流量、ファン28の回転数及び作動時間、仕切り部材30の開閉度合の少なくとも1つを制御パラメータとし、これらの制御パラメータを変化させて、計測を行う。
これらの計測から、被冷却物の中心温度、表面温度、室内温度、又は冷媒温度の関係が、所望の図5に示したような予冷工程となるように、制御パラメータを予め求めておく。
この際に、前述の通り、第2所定温度(例えば+5℃付近)までは、被冷却物の中心温度と表面温度との温度差を小さくしていく過程とし、第2所定温度以下(例えば+5℃以下)では、被冷却物の中心温度と表面温度との温度差を0にする過程となるように制御パラメータを設定しておくとよい。又は、被冷却物の中心温度又は表面温度と室内温度又は冷媒温度との温度差が一定となる過程を持つように、制御パラメータを設定しておくとよい。また、図5に示すような所望の急速凍結工程となるように、制御パラメータを予め求めておく。
さらには、好ましくは、冷却装置10外の外気温度、湿度との影響も含めて制御パラメータを求めておくとよい。
こうして、求められた制御パラメータと時間又は温度(例えば室内温度)との関係を表す制御データ(図5)は制御器50において格納される。
(制御器50による制御について)
同じ種類の被冷却物の冷却を行うに当たっては、図3に示すように、同じ冷却装置10を使う場合には温度センサ52、54、56、58を除去して、解析器60の代わりに制御器50とし、温度センサ38によって室内温度(冷却室24又は保冷室22の温度)を検出して、それを格納した制御データに合致するように、制御器50が制御する。但し、検出する温度は、室内温度とする以外にも、被冷却物の表面温度、冷媒温度とすることも可能である。
具体的な制御器50の制御としては、図3に示したように、インバータ51を制御して圧縮機46の回転数を変化させて冷媒温度を制御する他に、凝縮器42のファンの回転数を変化させることにより、冷媒温度を変化させることができる。及び/又は、循環回路40に流量調整弁(図4の62参照)を設け、流量調整弁を制御器50で調整することにより、冷媒流量を変化させることも可能である。又は、膨張弁48を制御して、膨張弁48で冷媒流量調整を行うことも可能である。
同時に、制御器50は、ファン28の回転数及び仕切り部材30の開閉度合の調整を行うことで、予め想定された予冷工程及び急速凍結工程を行うことができる。
(室内10の保冷室22と冷却室24について)
図1に示した例は、1つの保冷室22と1つの冷却室24とを備えているが、この数の組み合わせは任意であり、例えば、図8(a)に示すように、1つの冷却室24に対してこの冷却室24を挟むように2つの保冷室22を備えることも可能である。
前述のようにQ1及びQ2を大きくとるためには、保冷室22と冷却室24との容積比を適宜、設定する必要があり、具体的には、保冷室22と冷却室24の容積比は、冷却室24に対して保冷室22(複数ある場合にはその合算)は1〜4倍程度とするとよく、好ましくは、1〜2.5倍程度が実用上好ましい。
(仕切り部材について)
図9〜図10は、仕切り部材30の例を表す図である。
図において、仕切り部材30は、遮蔽板300と、遮蔽板300を支持する支持軸302と、を備え、支持軸302は、断熱壁体12内の軸受304で軸支されている。また、支持軸302の一端は、断熱壁体12を貫通して、断熱壁体12の外側に配置される駆動手段306に適宜伝達手段308を介して連結される。駆動手段306は、制御器50から出力される駆動信号によって駆動され、これによって、遮蔽板300が支持軸302を中心として旋回する。
遮蔽板300は、金属、合成樹脂等の任意の材料から構成することができる。また、駆動手段306は、モータで構成することができる。又は、駆動手段306は、エアシリンダー、油圧シリンダ等の任意のアクチュエータとすることができ、伝達手段208は、適宜、ギヤ、ベルト、カム、リンク機構を使用可能である。
遮蔽板300の旋回範囲θは、0°から90°まで又は90°前後の角度までの範囲とすればよく、その範囲で任意に角度を選択することで、開閉度合を調整することができるようになっている(図10参照)。
また、遮蔽板300は、平坦形状、湾曲形状の任意の形状とすることができる。
さらには、遮蔽板300は、多数の整列されたルーバーで構成することも可能である。各ルーバーを一同に回転させて、その回転角度を選択することで、開閉度合を調整することができる。
また、仕切り部材30の位置は、図1では、冷却器18の左右両側において、冷却器18の冷却室24に対向する面の延長面上に配置していたが、これに限るものではなく、冷却器18の上下に配置することも可能である。又は、図8(b)に示したように、冷却器18の片側にのみ配置することも可能である。また、冷却器18の冷却室24に対向する面の延長面上に配置する以外に、図11又は図12に示すように、冷却器18の任意の部分と断熱壁体12との間の隙間に仕切り部材30を設けることが可能である。
また、仕切り部材30によって、冷却器18と断熱壁体12との間の隙間が全て遮蔽可能であることが望ましいが、必ずしも全部の隙間ではなく、一部の隙間が遮蔽可能となっていてもよい。
(ファンについて)
ファン28の目的は、前述のように、予冷工程時には、冷却室24内の温度の均一化と被冷却物の表面に形成される熱交換された境膜を僅かに揺り動かして、境膜伝熱係数を大きくすることであり、被冷却物に一方的に冷気を与えるものではない。一方、急速凍結工程時には、冷却器18及び保冷室22内の冷気を吸い出し又は押し出して、冷却室24と保冷室22との間の温度を均一化し、被冷却物の表面に形成される境膜を動かす。
このため、ファン28は、図7に示すように、冷却器18に重なり合って、冷却器18側から冷却室24の被冷却物方向へと送風するように配置され、予冷工程時には、停止又は低速運転若しくは間欠運転で冷却器18側から冷却室24内の被冷却物方向へと送風し、急速凍結工程時には、高速運転又は連続運転で、冷却器18側から冷却室24の被冷却物方向へと送風する。
又は、ファン28は、図13に示すように、冷却器18に重なり合って、冷却器18側から冷却室24の被冷却物方向へと送風するファン28−1と、ファン28−1と反対の方向を向いて、冷却室24側から冷却器18方向へと送風するファン28−2とを備えることができる。ファン28−2は、急速凍結工程時にのみ作動し、冷却器18から仕切り部材30が開放する隙間を通過して冷却室24へと至る冷気の流れを生成するものである。
又は、ファン28は、図14に示すように、冷却器18とは離れて冷却室24に配置されて、冷却室24内の被冷却物に向かって送風するファン28−3と、冷却室24側から冷却器18方向へと送風するファン28−2とを備えることができる。ファン28−3は、予冷工程時には低速運転又は間欠運転で作動し、急速凍結工程時には高速運転又は連続運転で作動する。ファン28−2は、急速凍結工程時にのみ作動し、急速凍結工程時に冷却器18から仕切り部材30が開放する隙間を通過して冷却室24へと至る冷気の流れを生成する。
又は、ファン28は、図15に示すように、急速凍結工程時にのみ作動するファン28−4を、保冷室22において、冷却器18よりも反冷却室側に配置することもできる。ファン28−4は、急速凍結工程時にのみ作動し、冷却器18を通り冷却室24へと至る冷気の流れを生成するものである。
又は、ファン28は、冷却器18に重なり合って冷却室24に配置されて、正逆双方向に回転可能なものとすることもできる。予冷工程時には、低速運転又は間欠運転で、保冷室22側から冷却室24内に被冷却物方向へと送風し、急速凍結工程時には、回転方向が逆となり、高速運転又は連続運転で、冷却室24側から冷却器18方向へと送風することもできる。
以上説明した例はあくまで一例であり、これらに限らず、任意のファンの配置をすることが可能である。
(蓄冷機能材について)
蓄冷機能材20は、金属又は化学品で構成することができて、蓄熱能力が高く、放熱スピードが高いものが好ましい。例えば、銅、アルミニウム等の良伝熱性の金属プレート、又は、金属中空材内に不凍液等の充填材を充填したもので構成することができる。不凍液としては、メタノール、エタノール、塩水などの不凍液を使用することができる。又は、充填材として被冷却物の凝固点で解凍することができる保冷液を選択すると、被冷却物が凝固するために必要な潜熱(水の場合、80倍の熱量)と、保冷液が解凍するために放出する潜熱とを相殺することができる。
蓄冷機能材20は、保冷室22内で固定的に配置されていても良いが、図16に示すように、可動的に配置することもでき、例えば、その向きを調整可能として、急速凍結工程時に流速を調整する機能を持たせることもできる。
(まとめ)
以上のように本実施形態による冷却装置10で実施される冷却方法によれば、予冷工程と急速凍結工程とに分けて冷却を行うので、被冷却物の乾燥を防ぎ、全体の冷却時間を短縮することができる。例えば、図5の例では、予冷工程内の被冷却物の中心温度と表面温度との温度差を小さくしていく過程に5分、被冷却物の中心温度と表面温度との温度差を0にする過程に10分、急速凍結工程に10分として、全体の冷却時間を短縮することができる。
そして、予冷工程時に冷却器から保冷室に蓄熱された冷気を、急速凍結工程で一気に冷却室に解放することで、凝固点近傍又は物性上最も劣化し易い温度領域を短時間で通過することができ、被冷却物の劣化を防ぎ、氷の成長を防ぐことができる。
また、冷却器18に着霜がないので、デフロースト(霜取り工程)も不要にすることができる。着霜は、室内16空気中の湿度が高いことによりその水分が冷却器18に付着することにより起こり、その水分は被冷却物から奪われた水分である。つまり、着霜が発生するということは被冷却物が乾燥したことを意味する。本実施形態においては、予冷工程時に、冷却室24側は高温、高湿度となり、保冷室22側は低温、低湿度となり、保冷室22と冷却室24とは、仕切り部材30及びファン28によって空気の流れが抑制されており、冷却室24と保冷室22との間の遮断がなされているために、保冷室22側は低湿度が維持されて、冷却器18の着霜を防ぐことができる。また、冷却室24内の被冷却物は、高湿度下にあって飽和状態となり、水分の蒸発のほとんどない状態とすることができる。
本発明による冷却方法を実施する冷却装置の実施形態の内部構造を表す上方から見た断面図である。 図1の冷却装置の内部構造を表す側方から見た断面図である。 図1の冷却装置の全体構成を表す図である。 図1の冷却装置における事前計測時の状態を示す図である。 被冷却物の中心温度、表面温度、室内温度、冷媒温度と時間との関係の一例を表す図である。 被冷却物の中心部と表面部との温度差と、冷風との関係を表す説明図であり、(a)は従来のブラストチラー方式、(b)は本発明の予冷工程時を表す。 本発明による冷却装置の動作を表す上方から見た断面図であり、(a)は予冷工程時、(b)は急速凍結工程時を表す。 保冷室と冷却室の異なる構成を示す上方から見た断面図である。 本発明の冷却装置の内部構造を表す前方から見た断面図である。 仕切り部材付近の断面図である。 仕切り部材の異なる配置を示す図8相当図である。 仕切り部材の異なる配置を示す図8相当図である。 ファンの異なる構成例を示す図7相当図である。 ファンの異なる構成例を示す図7相当図である。 ファンの異なる構成例を示す図7相当図である。 可動の蓄冷機能材の構成例を示す上方から見た断面図であり、(a)は予冷工程時、(b)は急速凍結工程時を表す。
符号の説明
10 冷却装置
12 断熱壁体
16 室内(空間)
18 冷却器
20 蓄冷機能材
22 保冷室
24 冷却室
28、28−1、28−2、28−3、28−4 ファン
30 仕切り部材

Claims (9)

  1. 空間内に、冷却器が設置される保冷室と、被冷却物の設置される冷却室とを備えた冷却装置を用いて被冷却物の冷却を行う冷却方法において、
    被冷却物が冷却開始温度から、被冷却物の凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の所定温度に達するまでは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制しながら被冷却物の冷却を行う予冷工程と、
    前記所定温度から目標冷凍温度までは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを予冷工程のときよりも促進しながら被冷却物の冷却を行う急速凍結工程と、
    を備え
    前記予冷工程においては、保冷室と冷却室との境界に設けられた仕切り部材で該境界を遮蔽することによって保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制する一方で、前記急速凍結工程においては、前記仕切り部材が該境界の少なくとも一部を開放することによって保冷室と冷却室との間の空気の流れを促進することを特徴とする冷却方法。
  2. 空間内に、冷却器が設置される保冷室と、被冷却物の設置される冷却室とを備えた冷却装置を用いて被冷却物の冷却を行う冷却方法において、
    被冷却物が冷却開始温度から、被冷却物の凝固点近傍又は被冷却物の物性上最も劣化し易い温度領域に達する手前の所定温度に達するまでは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを抑制しながら被冷却物の冷却を行う予冷工程と、
    前記所定温度から目標冷凍温度までは、保冷室と冷却室との間の空気の流れを予冷工程のときよりも促進しながら被冷却物の冷却を行う急速凍結工程と、
    を備え、
    前記予冷工程においては、保冷室において冷却器で発生する冷気を蓄熱し、前記急速凍結工程においては、前記蓄熱された冷気を冷却室に解放することを特徴とする冷却方法。
  3. 前記予冷工程においては、冷却室に配置されたファンを停止、低速運転又は間欠運転させて保冷室と冷却室との間を空気の流れを抑制する一方で、前記急速凍結工程においては、ファンを高速運転または連続運転させて保冷室と冷却室との間の空気の流れを促進することを特徴とする請求項1又は2記載の冷却方法。
  4. 前記予冷工程においては、予め得られた、被冷却物の中心温度と被冷却物の表面温度との関係に基づき、被冷却物の中心温度と被冷却物の表面温度との差をほぼ0に保持しつつ被冷却物の中心温度を低下させる過程を持つように、冷却器を通過する冷媒の温度及び/又は冷媒の流量を時間的に変化させながら、被冷却物の冷却を行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の冷却方法。
  5. 前記予冷工程においては、予め得られた、被冷却物の中心温度と、前記空間の温度又は冷却器を通過する冷媒の温度との関係に基づき、被冷却物の中心温度と、前記空間の温度又は冷却器を通過する冷媒の温度との差をほぼ一定に保持しつつ被冷却物の中心温度を低下させる過程を持つように、冷媒の温度及び/又は冷媒の流量を時間的に変化させながら、被冷却物の冷却を行うことを特徴とする請求項1ないしのいずれか1項に記載の冷却方法。
  6. 請求項1ないしのいずれか1項の冷却方法に記載の前記冷却装置。
  7. 前記空間を包囲する壁体と前記冷却器との間の隙間に仕切り部材が設けられ、該仕切り部材は、予冷工程においては、該隙間を遮蔽し、急速凍結工程においては、該隙間の少なくとも一部を開放することを特徴とする請求項記載の冷却装置。
  8. 前記冷却室には、冷却器側から冷却室の被冷却物方向へと送風するファンが配置され、該ファンは、予冷工程においては、停止、低速運転又は間欠運転を行う一方で、前記急速凍結工程においては、高速運転又は連続運転を行うことを特徴とする請求項又は記載の冷却装置。
  9. 前記保冷室には、冷気を蓄熱することができる蓄冷機能材が配置されることを特徴とする請求項ないしのいずれか1項に記載の冷却装置。
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