JP4260564B2 - ポリウレタンローラの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリウレタンローラ(以下、単に「ローラ」とも称する)の製造方法に関し、特には、複写機やプリンター等の画像形成装置において、感光体や紙等の画像形成体にトナー(現像剤)を搬送してその表面に可視画像を形成する現像ローラに対しトナーを供給するために用いるトナー搬送ローラとして好適に用いられるポリウレタンローラの製造方法、この方法により得られるポリウレタンローラ、および、このポリウレタンローラを用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機やプリンター、ファクシミリ等の電子写真装置や静電気録装置等においては、電子写真プロセスにおける帯電、トナー層形成、現像、クリーニング、給紙、搬送等の各工程で、トナー搬送ローラ、現像ローラ、転写ローラ、給紙ローラ、搬送ローラ等の、弾性材料や樹脂材料からなるローラが多様な役割を果たしている。
【0003】
これらの各種ローラ部材において多く使用されているのが、ローラ軸の外周に、ポリウレタン材料を主成分とするポリウレタンフォーム層が形成されてなるポリウレタンローラである。かかる各種ローラ部材としてのポリウレタンローラにおいては、ポリウレタンフォーム層が全体として均一な内部および表面構造を有しており、抵抗値や硬度等のローラ性能に局所的なバラツキがないことが要求される。
【0004】
一般に、かかる各種ローラ部材としてのポリウレタンローラの製造方法としては、ポリウレタンフォーム層を金軸と一体で筒型内において発泡成形する方法が一般的であり(特許文献1、特許文献2等参照)、この方法に基づいて、従来の水を発泡剤とする一般的な低圧発泡方法を用いてポリウレタンフォーム層を得る技術に対し、機械的撹拌により泡体を形成するメカニカルフロスの技術を用いて、より微細なセル構造を有するポリウレタンフォーム成形品を得る技術も提案されている(特許文献3参照)。これら各種の方法により製造されるポリウレタンフォームは、通常、膜により隔てられ、互いに連通しない独立空間として形成された多数のセル骨格から成り立っている。
【0005】
一方、ポリウレタンローラからなるローラ部材の各種性能を十分確保するためには、ポリウレタンフォーム層の表面性や内部構造が重要となる。例えば、トナー搬送ローラの場合には、トナーを均一に供給し、掻き取るために、表面が自由度を有することが必要である。また、実機搭載の際の画像特性の向上のためには、内部の通気性の向上を図ることも必要となる。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−274373号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献2】
特開平5−188774号公報(特許請求の範囲等)
【特許文献3】
特許第2990616号公報(特許請求の範囲等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来技術により製造されるような独立したセル骨格からなるポリウレタンフォーム層の場合、ローラ表面にトナー搬送ローラとして必要な自由度は存在せず、トナー搬送性能等が不十分になるとともに、内部セル間の連通がないことから、通気性の点でも十分ではなかった。
【0008】
表面近傍のセル骨格を連通させるための技術としては、例えば、発泡体の表面に熱風を当ててセル骨格を形成する膜を破壊したり、粘着テープを貼りつけて剥がす等の方法が考えられるが、これらの方法ではセル骨格そのものが消滅してしまうので、弾性体としての機能自体が損なわれる結果となる。また、ポリウレタンフォーム体の内部セルの連通を図るための技術としては、クラッシング処理が知られているが、この技術のポリウレタンフォームローラへの適用についてはこれまで検討されていなかった。
【0009】
そこで本発明の目的は、上記のような問題を生ずることなく、セル骨格を形成する膜を表面近傍および内部において破断させ、通気性に優れた連通セルを形成することのできるポリウレタンローラの製造方法、これにより得られるポリウレタンローラ、および、このポリウレタンローラを用いることにより良好な画像特性を実現した画像形成装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を解決するために、本発明は、以下の通りである。
(1)軸と、該軸の外周に担持されたポリウレタンフォーム層とを備えるポリウレタンローラの製造方法において、
前記軸の外周に、前記ポリウレタンフォーム層を担持させて未処理ポリウレタンローラを形成した後、該未処理ポリウレタンローラに対し、応力負荷7〜100kPaの条件下において7回の回転を施すクラッシング処理を行い、
前記未処理ポリウレタンローラの対向する二側面を、応力7〜100kPaにてベルトにより挟持した状態で、該ベルトを回転させることにより前記クラッシング処理を行うことを特徴とするポリウレタンローラの製造方法である。
【0011】
(2)前記(1)の製造方法において、前記クラッシング処理における回転を、回転速度20rpm以上にて行う製造方法である。
【0012】
(3)前記(2)の製造方法において、前記クラッシング処理において、さらに、少なくとも1回の反転を施す製造方法である。
【0014】
(4)前記(1)〜(3)のいずれかの製造方法において、原料成分を、筒型の中心線上に前記軸が貫設された状態にて該筒型内に注入し、発泡、硬化させて、前記軸とポリウレタンフォーム層とを一体化することにより、前記未処理ポリウレタンローラを得る製造方法である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
本発明は、図1に示すような、軸1の外周にポリウレタンフォーム層2が担持されてなるポリウレタンローラ10に係るものであり、ポリウレタンフォーム層2の内部セルの連通を図る技術に関する。具体的には、軸1の外周にポリウレタンフォーム層2を担持させてローラ形状とした後、そのポリウレタンフォーム層2に対して特定条件下におけるクラッシング処理を行うことにより、表面および内部において良好な連通セル構造を有するポリウレタンローラを得るものである。
【0020】
本発明に係るクラッシング処理は、応力負荷7〜100kPa、好ましくは10〜60kPaの条件下において、未処理ポリウレタンローラを1〜10回、好ましくは3〜7回程度回転させることにより行う。これにより、良好に内部セルを連通化させることができるので、ポリウレタンフォーム層2の通気性を向上することができ、優れた画像特性を実現することができる。応力が7kPa未満では、回転数を増やしても所望の連通セル構造を得ることができず、一方、100kPaを超えると、セル骨格を形成する膜を破断するだけでなく、ローラ自体の形状不良を引き起こしてしまう。また、回転数が10回を超えても、さらなる連通化に対する効果が期待できない上に、ローラ自体の形状不良を導く恐れがある。なお、前述したように、ポリウレタンフォーム体に対するクラッシング処理によりその内部セルの連通を図ることは公知の技術であるが、この技術をポリウレタンローラに適用することにより画像特性の向上効果が得られる点についてはこれまで検討されておらず、本発明により始めて明らかになった知見である。
【0021】
本発明に係る上記クラッシング処理は、例えば、図2に示すような装置を用いて行うことができる。図示する装置においては、未処理ポリウレタンローラ10の対向する二側面を、応力7〜100kPaにて上下からベルト3により挟持して、この状態でベルト3を回転させることによりクラッシング処理を行う。即ち、上下に配したベルト3を夫々矢印方向に回転させることにより、未処理ポリウレタンローラ10を応力下で矢印方向に1〜10回回転させることができるので、未処理ポリウレタンローラ10に対してスムースかつ迅速にクラッシング処理を行うことができる。
【0022】
本発明に係るクラッシング処理は、未処理ポリウレタンローラ10の回転速度によっては、回転数を少なくして行うことが可能である。好ましくは、回転速度を6rpm以上とする。これよりも速度が小さい場合には、未処理ポリウレタンローラ1の変形速度が不十分となって十分なクラッシング処理が行われない。また、回転速度を6rpm以上の値とした場合でも、回転数は当該回転速度が維持できる割合の高い3回以上とすることが好ましい。
【0023】
また、本発明に係るクラッシング処理においては、少なくとも1回の反転を途中で行うことができると、さらに好ましい。ローラを反転させることにより、そのために減速する力と、反転してから再び加速する力とが夫々ローラに働いて、膜の破断により効果的に作用するものと考えられる。さらに、ローラに2回以上の反転を施す場合には、その反転の間に行う回転を3回以下とすることが好ましく、より効率良く膜の破断を行うことができる。
【0024】
本発明においては、軸1の外周にポリウレタンフォーム層2を担持させた後のローラに対して上記クラッシング処理を行うものであればよく、未処理ポリウレタンローラ10の形成手法については特に制限されるものではないが、好適には、一般的な一体成形の手法により、未処理ポリウレタンローラ10を得る。具体的には、最終的なローラ形状を決定する筒型の中心線上に軸1を貫設した状態で、原料成分を筒型内に注入し、発泡、硬化させて、軸1とポリウレタンフォーム層2とを一体化することで、未処理ポリウレタンローラ10を得ることが好ましい。成形型の材質としては、樹脂、セラミックスまたは金属が好適であり、樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン等を好適に挙げることができる。
【0025】
軸1としては、特に制限はなく、例えば、硫黄快削鋼などの鋼材に亜鉛等のめっきを施した金属部材や、アルミニウム、ステンレス鋼、マグネシウム合金等の各種金属部材などを用いることができる。
【0026】
ポリウレタンフォーム層2を形成するためのポリウレタン材料としては、樹脂中にウレタン結合を含むものであれば、特に制限はない。ポリオール成分としては、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、THF−アルキレンオキサイド共重合体ポリオール、ポリエステルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分鹸化物、フォスフェート系ポリオール、ハロゲン含有ポリオール等を好適に用いることができる。
【0027】
また、イソシアネート成分についても特に制限はなく、汎用であるTDI、MDI、粗製−MDI(ポリメリックMDI)、および変性MDIだけでなく、特殊なイソシアネートを用いても差し支えない。特殊なイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添−XDI、水添−MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニール)チオフェスフェート、テトラメチルキシレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロへプタントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられ、これらも好適に用いることができる。
【0028】
ポリウレタン材料中には、これらポリウレタン原料に加え、所望に応じて架橋剤、発泡剤(水、低沸点物、ガス体等)、界面活性剤、触媒、整泡剤等を添加することができ、これにより所望に応じた層構造とすることができる。
【0029】
発泡剤としては、製造プロセス上の使いやすさ、気化や発泡のしやすさ等を考慮して、一般に沸点が20〜60℃の範囲にある物理的発泡剤が好ましく用いられる。このような発泡剤をポリウレタンフォーム層2の原料として用いる場合には、発泡剤単独では粘度が低く、発泡機において安定した流量を得にくいため、ポリオール等の粘度の高い原料成分とあらかじめ混合して用いることが有利である。このような発泡剤としては、具体的には、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、メチレンクロリド、フロン134a(1,1,1,2−テトラフルオロエタン)、フロン245fa(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン)、フロン365mfc(1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン)、フロン356、フロン141b(1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン)、フロン142b(1−クロロ−1,1−ジフルオロエタン)、フロン22(クロロジフルオロメタン)等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】
また、触媒としては、例えば、有機金属触媒のジブチルチンジラウレート、ジブチルチンジアセテート、スタナスオクトエート、ジブチルチンマーカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンジマレニート、ジオクチルチンマーカプチド、ジオクチルチンチオカルボキシレート、フェニル水銀、プロピオン酸銀、オクテン酸錫、アミン触媒のトリエチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、ジメチルアミノエタノール、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7等が好ましく用いられる。これらの触媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0031】
整泡剤としては、例えば、ポリエーテルシリコーンオイル、ノニオン性界面活性剤、イオン性界面活性剤等が挙げられ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0032】
また、難焼剤や充填材、イオン導電剤や電子導電剤等の導電剤、公知の充填剤や架橋剤等を適宜使用することも可能である。イオン導電剤の例としては、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、オクタデシルトリメチルアンモニウム(例えば、ステアリルトリメチルアンモニウム)、ベンジルトリメチルアンモニウム、変性脂肪酸ジメチルエチルアンモニウムなどの過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、硫酸塩、エチル硫酸塩、カルボン酸塩、スルホン酸塩などのアンモニウム塩、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類金属の過塩素酸塩、塩素酸塩、塩酸塩、臭素酸塩、ヨウ素酸塩、ホウフッ化水素酸塩、トリフルオロメチル硫酸塩、スルホン酸塩などが挙げられる。
【0033】
また、電子導電剤の例としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等の導電性カーボン;SAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、FT、MT等のゴム用カーボン;酸化処理を施したインク用カーボン、熱分解カーボン、天然グラファイト、人造グラファイト;酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛等の導電性金属酸化物;ニッケル、銅、銀、ゲルマニウム等の金属などを挙げることができる。
【0034】
これらの導電性付与剤は単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。その配合量には特に制限はなく、所望に応じ適宜選定可能であるが、通常は、ポリウレタン材料100重量部に対し、0.1〜40重量部、好ましくは0.3〜20重量部の割合である。
【0035】
成形条件については特に制約はなく、通常の条件に従うことができ、15〜80℃、好ましくは20〜65℃の範囲の温度においてポリウレタン材料の発泡を開始させ、注入完了後、70〜120℃程度の温度でキュアを行い、次いで、脱型することにより、本発明に係る未処理ローラを得ることができる。
【0036】
上記のようにして得られる本発明のポリウレタンローラ10は、特に、トナー搬送ローラとして好適に使用することができ、例えば、図3に概略的に示す非磁性一成分系の現像装置に適用される。図示するように、ローラ10は、現像ローラ12に当接して配置され、トナー収容部内のトナー11を一旦現像ローラ12の表面に担持させ、これを介して画像形成体13に搬送することにより、静電潜像の可視化を行う現像プロセスの一部を構成する。尚、図中の14はクリーニング部、15はクリーニングブレード、16はブレードを夫々示す。
【0037】
トナー搬送性の観点からは、ポリウレタンフォーム層2が、その表面に、内部から連通するセル開口部を有することが好ましく、これによりトナーがフォーム内部から良好に供給されて、トナー搬送量の不安定化の問題が解消されることになる。好ましくは、セル開口部の径が50〜400μmであり、また、開口部のポリウレタンフォーム層3表面1cm2あたりの個数が100〜2000個であることが好ましい。かかるセル開口部を有する構造、即ち、スキン層を有しないポリウレタンフォーム層2は、筒型の内周面に、例えば、四フッ化エチレン樹脂(PTFE)、四フッ化エチレンペルフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂をコーティングしたり、離型剤を塗布した状態で成形を行うことにより、形成することができる。
【0038】
本発明の画像形成装置は、各種ローラ部材として本発明の上記ポリウレタンローラを用いたものであればよく、他の部材等の条件には特に制限はない。特には、図3に示すような非磁性一成分系の現像装置を備えるものであって、トナー搬送ローラとして本発明のポリウレタンローラを用いたものである。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらにより何ら限定されるものではない。
実施例1〜3および比較例1、2
図1に示すような、内径16mmの円筒状金型1に、図示するようにして直径5mmの軸2をセットし、下記表1に示す配合の軟質ポリウレタンフォーム発泡性混合液を型内に注入し、発泡、硬化させて、軸1とポリウレタンフォーム層2とを一体化させることにより、ポリウレタンローラを製造した。
【0040】
【表1】
【0041】
脱型後のローラに対し、図2に示す装置を用いて、下記の表2に示す応力にて、クラッシング処理を行った。具体的には、ローラの対向する二側面を、夫々表中に示す応力にて上下からベルト3により挟持した状態で、ベルト3を矢印方向に回転させることにより、ローラを応力下で矢印方向に7回回転させた。
【0042】
得られた各ローラの形状評価(連通セルの形成)および画像テストを下記に従い行った。これらの結果を、各応力値に対応するフォーム圧縮率と併せて下記の表2中に示す。
【0043】
形状評価(連通セルの形成)
拡大観察により、ローラのセル骨格の破断の有無について評価した。連通セルが良好に形成されている場合を○とした。
【0044】
画像テスト
ローラを、図3に示す非磁性1成分系の現像装置に装着して、画像形成装置に組み込み、濃度ムラに関して画像テストを行った。評価基準としては、×がムラあり、○が良好、◎がさらに良好、を夫々表す。
【0045】
【表2】
【0046】
実施例4〜10および比較例3、4
実施例1等と同様にして製造して、脱型したローラに対し、下記の表3に示す応力および反転条件で、回転速度20rpmにてクラッシング処理を行った。具体的な処理方法は実施例1等と同様である。得られた各ローラにつき、以下の形状評価(外観形状)および実施例1等と同様の画像テストを行った結果を、各応力値に対応するフォーム圧縮率と併せて下記の表3中に示す。なお、比較例4は形状不良のために画像テストは行うことができなかった。
【0047】
形状評価(外観形状)
目視により、ローラの外観形状について評価した。正常な形状を維持しているものを○、凹みがあり形状が不良なものを×とした。
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、ポリウレタンフォーム層の表面近傍および内部において連通セルを形成することのできるポリウレタンローラの製造方法、これにより得られる通気性に優れたポリウレタンローラ、および、このポリウレタンローラを用いることにより良好な画像特性を実現した画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例のポリウレタンローラを示す斜視図である。
【図2】本発明に係るクラッシング処理装置の一例を示す模式図である。
【図3】非磁性一成分系の現像装置の概略図である。
【符号の説明】
1 軸
2 ポリウレタンフォーム層
3 ベルト
10 トナー搬送ローラ
11 トナー
12 現像ローラ
13 画像形成体
14 クリーニング部
15 クリーニングブレード
16 ブレード
Claims (4)
- 軸と、該軸の外周に担持されたポリウレタンフォーム層とを備えるポリウレタンローラの製造方法において、
前記軸の外周に、前記ポリウレタンフォーム層を担持させて未処理ポリウレタンローラを形成した後、該未処理ポリウレタンローラに対し、応力負荷7〜100kPaの条件下において7回の回転を施すクラッシング処理を行い、
前記未処理ポリウレタンローラの対向する二側面を、応力7〜100kPaにてベルトにより挟持した状態で、該ベルトを回転させることにより前記クラッシング処理を行うことを特徴とするポリウレタンローラの製造方法。 - 前記クラッシング処理における回転を、回転速度20rpm以上にて行う請求項1記載のポリウレタンローラの製造方法。
- 前記クラッシング処理において、さらに、少なくとも1回の反転を施す請求項2記載のポリウレタンローラの製造方法。
- 原料成分を、筒型の中心線上に前記軸が貫設された状態にて該筒型内に注入し、発泡、硬化させて、前記軸とポリウレタンフォーム層とを一体化することにより、前記未処理ポリウレタンローラを得る請求項1〜3のうちいずれか一項記載のポリウレタンローラの製造方法。
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