JP4260136B2 - 内燃エンジンのストレージ式燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃エンジンのストレージ式燃料噴射装置に関する。
現在の内燃エンジンの燃料噴射装置は、一般的に、所定の燃料ストレージ量をもつコモンレール部へ高圧の燃料を供給し、それぞれのエンジンのシリンダーに対応して設置された複数のインジェクタへ燃料を供給するためのポンプで構成されている。前記ポンプは、給入行程および圧縮行程つまり吐出行程を行う少なくとも1つの往復運動ポンプ機構からなる。
周知のように、燃料を適性に噴射するためには、最大負荷状態において1600バー程度の非常な高圧にする必要がある。エンジンの排気ガス中における汚染物質を抑制するための最近の基準では、インジェクタに供給される燃料の圧力値は、集中電子制御での処理の観点から、排気ガス中の汚染物質量の判断のさい最も重要視される低/中位負荷状態において、同じシリンダーへの「シリンダー/シリンダー」条件や「噴射/噴射」条件で、できるかぎり正確な再現性をもつことが要望されている。コモンレール部の容量を、各燃焼サイクル中のそれぞれのインジェクタによる燃料の噴射量の100倍以上にすると、コモンレール部内の設定圧力の変動を抑制することができる。しかしながら、そのようなコモンレール部はサイズが大きくなり、エンジンに登載するのが難しくなってしまう。
そこで、前記集中制御部で処理するコモンレール部内の圧力値を適性化するため、燃料噴射装置には、エンジンの多様な動作パラメータに基づいて電子制御部により制御できるバイパスソレノイドバルブが、ポンプとコモンレール部のあいだのに供給管に取り付けられている。また別の例では、各インジェクタの動作に同期するカム手段によりポンプ機構を駆動することが試みられている。
上記の従来の燃料噴射装置では、バイパスソレノイドバルブにより、インジェクタに給入される燃料の過剰分をタンクに戻されるため、ポンプを絶え間なく最大吐出動作させる必要があり、ひいては熱エネルギーを発生させるという欠点が存在する。
よく知られているように、エンジンを始動させた後、点火動作前に、点火に要する燃料の適性な噴霧化を行うため、燃料を所定の圧力値まで上げる必要がある。しかし、ストレージ部のせいで、始動時の動作を短くできないため、圧力が適性値になる前に燃料の噴射が行われてしまい、エンジン始動時のサイクル中の燃焼が不安定になる。
そのため、前記方法では、排気ガス中の汚染物質量の判断の際、内燃エンジンの始動中に排出される分も加算する必要があり、最新の抑制基準に適合しないという欠点が生まれる。最新の抑制基準に適合させるには、エンジンのサイクル動作の初期時において燃料を適性な圧力値まで上げることが重要となる。
最後に、通常の高圧ポンプは2個の並列したポンプ機構からなり、それぞれのポンプ機構には、給入圧縮室が備わり、それら2つのシリンダー室のあいだにバイパスバルブが設けられており、燃料の過剰分を片方のシリンダー室から他方のシリンダーへ排出する作業を行う。
この形式のポンプの短所は、片方では高圧、他方では低圧であるため、2つの圧縮室の連通域でキャビテーションが発生し、それゆえ、圧縮室の充填量が減少し、容量有効率が悪くなることである。その短所をなくすため、20バー程度の圧力を発生させるための予備供給ポンプを備える必要があり、その予備供給ポンプの動作寿命という新たな問題が発生する。
本発明の目的は、性能を上げて、燃料消費や汚染物質の排出を減らすことにより、従来の燃料噴射装置の欠点をなくし、信頼性が高い燃料噴射装置を提供することである。
本発明に関わる複数のシリンダーをもつ内燃エンジンのストレージ式燃料噴射装置は、ストレージ部へ高圧の燃料を供給するためのポンプと、対応する噴射サイクルにおいて、その高圧の燃料を前記対応するシリンダー内へ噴射するため、前記ストレージ部から燃料供給される複数のインジェクタとからなり、なお、前記ポンプが、圧縮行程をもつ少なくとも1つの往復運動式ポンプ機構と、前記ポンプにより前記ストレージ部へ供給される燃料の圧力を制御する制御手段とで構成されており、前記制御手段が、前記ポンプ機構の圧縮行程において複数の吐出動作を行えるよう、チョッパ部により制御される少なくとも1つのバイパスソレノイドバルブで構成されることを特徴とする。
特に前記高圧ポンプは、高圧の瞬時吐出量を供給できる。また、前記チョッパ部は、前記ポンプのそれぞれの吐出動作を、前記圧縮行程の変動可能な時期内に動作制限できるよう、前記エンジンの動作状態の関数として、前記バイパスソレノイドバルブをパルス幅変調制御するため、電子制御部により制御される。
さらにまた、本発明は、複数の燃料インジェクタに燃料を供給するストレージ部へ燃料を供給するための高圧ポンプに関し、その高圧ポンプは、圧縮行程をもつ少なくとも1つの往復運動式ポンプ機構からなり、前記各ポンプ機構)は、供給管に連通している圧縮室を備えており、前記ポンプ機構が、前記対応する圧縮室内に配置された対応するパイパスソレノイドバルブと一体構造に形成されている。
本発明は、内燃エンジンの少なくとも1つの燃料インジェクタのためのストレージ部内の燃料の圧力を制御する方法に関し、その方法では、圧縮行程を行う少なくとも1つの往復運動式ポンプ機構により燃料がストレージ部へ供給され、前記ポンプ機構がバイパスソレノイドバルブを備えており、
前記エンジンの動作状態の関数として前記ストレージ部内の燃料圧力の最適値を判断する工程と、
前記ポンプ機構の圧縮行程のため複数の吐出動作を行うため、バイパスソレノイドバルブを駆動する工程と、
前記インジェクタの噴射動作中に、前記ストレージ部内の燃料の圧力をほぼ一定に維持するため、各吐出動作を制御する工程とからなる。
前記ストレージ部は、複数のインジェクタに燃料を供給できるように設定しても構わない。
本発明によれば、性能を上げて、燃料消費や汚染物質の排出を減らすことにより、従来の燃料噴射装置の欠点をなくし、信頼性が高い燃料噴射装置を提供することができる。
本発明による複数の非限定の好適実施例を、付随図面を参照して以下に詳細に説明する。
図1に示すのは、番号1で示す、たとえばディーゼルエンジン2などの内燃エンジンのコモンレール式燃料噴射装置である。エンジン2は、駆動軸4を回転させるため対応するピストン(図示しない)と共同動作する、たとえば4本などの複数のシリンダー3で構成される。
前記燃料噴射装置1は、それぞれのシリンダー3へ高圧の燃料を噴射するための、対応するシリンダー3に連接された複数のインジェクタ5からなる。インジェクタ5は、単数または複数のインジェクタに対して所定容量をもつストレージ部に接続されている。図示の本実施例におけるストレージ部は、互いに接続された複数のインジェクタ5に対して共通のコモンレール部6で構成される。コモンレール部6は、番号7で示す高圧ポンプから、高圧供給管8を経由して高圧の燃料が供給される。その高圧ポンプ7には、低圧ポンプ、つまり、例としてモータ駆動のポンプ9から低圧供給管10を経由して燃料が供給されている。モータ駆動ポンプ9は、一般的には、燃料噴射装置1の燃料の過剰分を戻すための排出管12が繋がる燃料タンク11内部に設置されている。燃料タンク11へは、インジェクタ5からの燃料排出分と、ソレノイド調整バルブ15で圧力調整されたコモンレール部6内の燃料過剰分とが、前記排出管12から戻される。
前記コモンレール部6内の燃料の圧力を調整するため、高圧ポンプ7の吐出量を調整する制御手段が、前記高圧ポンプ7と燃料タンク11のあいだに設けられており、制御手段は、コモンレール部6内の圧力を所定値に維持できるよう、対応する排出管13経由で燃料タンク11まで燃料過剰分を搬送するための少なくとも1つのバイパスソレノイドバルブ14からなる。
前記燃料タンク11は、大気圧となっている。実際の動作では、モータ駆動ポンプ9により、燃料はたとえば2〜3バー程度の低圧値まで加圧され、続いて、高圧ポンプ7により、前記給入管10から給入された燃料はたとえば1600バー程度の高圧値まで加圧されて、高圧管8を経由してコモンレール部6へ送られる。そして、エンジン2の一般的な集中制御マイクロプロセッサーである電子制御部16に制御されて、最小量から最大量までの噴射量の燃料がそれぞれのインジェクタ5から対応するシリンダー3内へ噴射されるのである。
前記制御部16には、対応するセンサーで検出されるアクセルペダルの位置や駆動軸4の回転速度、および、圧力センサー17で計測されるコモンレール部6内の燃料の圧力値などのエンジン2の動作状態を示す信号が入力される。制御部16は、所定のプログラムによりそれら入力信号を処理して、それぞれのインジェクタ5の動作開始時期や動作時間を決定し、かつ、圧力調整ソレノイドバルブ15の動作を制御する。
前記高圧ポンプ7は、単数または複数の往復運動するポンプ機構18で構成され、それぞれのポンプ機構18が、ピストン21が内部をスライド動作する圧縮室20をもつシリンダー19を備える。それぞれの圧縮室20は、給入バルブ25を経由して給入管10、および、吐出バルブ30を経由して排出管8に連通している。
前記ピストン21は、高圧ポンプ7の制御シャフト23に取り付けられたカム手段22により駆動され、以下に詳細に説明するように、給入行程と、圧縮行程つまり吐出行程とからなる正弦往復運動を行う。図6〜9のグラフには、前記ポンプ機構18の圧縮行程が実線24で示されており、つまり、バイパスソレノイドバルブ14を利用しないポンプ機構18からの吐出量が図示されている。
本実施例の高圧ポンプ7のシャフト23は、伝達機構26により駆動軸4に接続されており、インジェクタ5から対応するシリンダー3への噴射動作のための圧縮行程24を制御できる。エンジン2が4ストロークなので、高圧ポンプ7の動作速度はエンジン2の回転速度の半分である(伝達係数が0.5)。
また、前記制御シャフト23は、エンジンのその他の装置も駆動できるよう設計することも可能で、エンジンが4ストロークの場合、エンジン2のシリンダー3の給入バルブや排気バルブを動作制御する周知カム軸とし、制御シャフト23と駆動軸4との回転速度比が一定となるよう設定しても構わない。別の例として、制御シャフト23を、駆動軸4から独立した回転速度で動作させることもできる。
前記エンジンのシリンダーが4個、または、それ以上の場合、一般的には、高圧ポンプ7は、単一の共通カム手段で駆動される複数のポンプ機構18で構成される。詳しく言えば、図1の実施例で示すように、共通カム22に駆動される2つの対称配置のポンプ機構18で高圧ポンプ7が形成されるのである。
最新の4ストロークエンジンでは、図6〜9の番号27で示すように、噴射サイクルは、エンジン2の動作状態の関数として判断される一連の燃料噴射過程からなる。その過程は、少なくとも1回の主噴射動作と、その主噴射の前および/または後に続く1回または数回の噴射動作で構成される。それゆえ、それら噴射過程において、対応したコモンレール部6内の燃料の圧力値の変動が発生する。
本発明では、無用な空間を削減し、不要な燃料の吐出量を最小限にするため、バイパスソレノイドバルブ14が高圧ポンプ7と一体に設置されている。詳しく言えば、それぞれのポンプ機構18が対応するソレノイドバルブ14に連結されており、バルブ閉止のときには、燃料を高圧ポンプ7からコモンレール部6へ送り、バルブ開放のときには、燃料を高圧ポンプ7から燃料タンク11へ戻すことができる。
前記ソレノイドバルブ14の動作は、高圧ポンプ7の動作速度に関連した頻度で、パルス幅変調(PWM)論理信号を使った制御部16により制御される。詳しく言えば、エンジン2の動作状態の関数としてのパルス長を、吐出回数をピストン21の圧縮行程の頻度で乗算した数に等価である周波数でのピストン21の動作速度や瞬時位置の関数として演算する。それゆえ、高圧ポンプ7の吐出動作が、バイパスバルブ14が動力切断つまり閉止されたとき、ポンプ機構18の圧縮行程24の一部に制限されるのである。そして、圧縮行程24の残り部分においては、バイパスバルブ14が開放され、圧縮室が燃料タンク11と連通されるため、燃料は簡単に燃料タンク11へ戻ることができ、それゆえ、高圧ポンプ7のエネルギー拡散を低下させることができる。それぞれのポンプ機構18の実際の吐出角度は、エンジン2の動作状態の関数として、つまり、インジェクタ5に必要な噴射量として算定される。
前記バイパスバルブ14の動作を制御するため、ピストン21の位置と速度を確認する必要があるが、ポンプシャフト23と駆動軸4との比伝達率から判断することが可能である。たとえば図1の例の場合、ポンプ機構18の数がエンジン2のシリンダー3の数の半分であるから、伝達率が0.5となる。さらに、エンジン2が4個のシリンダー3を備え、高圧ポンプ7が3つのポンプ機構からなる場合、伝達率は0.75となる。別の例として、ピストン21の位置と速度を、高圧ポンプ7のシャフト23の移動/速度変換器で測定しても構わない。
前記各バイパスソレノイドバルブ14は、説明を明確にするため別途の図面に図示された、所定のソフトウェアとして前記制御部16と一体設置されているチョッパ部28を経由して前記制御部16で動作制御される。チョッパ部28により、高圧ポンプ7の圧縮行程24における少なくとも2回の吐出動作が行われ、エンジン2のインジェクタ5の噴射サイクル27において少なくとも1回の噴射動作を行えるよう前記ソレノイドバルブ14が制御されるが、さらに、高圧ポンプ7の圧縮行程のある期間にチョッパ吐出を選択的に行うことも可能である。その結果、コモンレール部6内の圧力がほぼ一定、あるいは、圧力変動がわずかとなり、従来技術と比べて、コモンレール部6のサイズを小さくできるのである。
本発明の1番目の変更例として、図6のグラフに示すように、チョッパ部28からの命令で、高圧ポンプ7の圧縮行程において2回の吐出動作29と31を行う。図の2つの曲線24は、それぞれのポンプ機構18の2回の連続圧縮行程24を表している。インジェクタ5の各噴射サイクル27において、高圧ポンプ7が対応する2回の燃料の吐出動作29と31を行うため、コモンレール部6内の圧力値を直ちに回復させることができる。圧縮行程24の2回の吐出動作29と31は、インジェクタ5からの燃料の噴射量に応じて、1つのポンプ行程から別のポンプ行程へ変化するカム22の回転角度に対応して継続させても構わない。
図8における曲線32は、前記バイパスソレノイドバルブ14を制御するためチョッパ部28から出力される信号を示し、曲線35は、噴射サイクル動作27を制御する制御部16の信号を示し、曲線33は、ポンプ機構18での圧力変動を示し、曲線34は、コモンレール部6内の圧力変動を示している。
図8から明らかなように、ポンプ機構18の吐出動作29と31のそれぞれにおいて、対応する圧縮室20内の圧力は、最初に急速に上昇し、次の噴射サイクル27では緩やかに上昇して、最後に、ソレノイドバルブ14の作動開始と同時に、給入時の圧力値まで急速に下降する。そして、曲線34で示すように、コモンレール部6内の圧力値は、噴射サイクル27の前には上昇し、噴射サイクル27中にはほぼ一定に保持され、噴射装置1の不可避である燃料漏れのせいで、隣り合う2回の噴射サイクル27の中間では、緩やかに下降している。
本発明の別の実施例として、図9のグラフでしめすように、チョッパ部28により、高圧ポンプ7の圧縮行程24において3回の吐出動作37、38、39を制御する。吐出動作37と39は、2回の噴射サイクル27において実行されるが、吐出動作38は、ポンプ機構18の圧縮行程24中の2回の吐出動作37と39の中間において実行される。図9の曲線41は、噴射制御信号を示し、曲線42は、コモンレール部6内の燃料の圧力変動を示しており、噴射装置1の様々の構成部品からの燃料漏れに起因するコモンレール部6内の圧力低下が、吐出動作38により回復される様子が図示されている。
本発明のさらに別の実施例を図7に示しており、チョッパ部28により、2つのインジェクタ27からエンジン2のシリンダー3への噴射が行われる圧縮行程24にて、4回の吐出動作43、44、46、47が実行される。その場合、吐出動作43、44、46、47は互いに同期しているが、噴射サイクル27は高圧ポンプ7の吐出動作に同期する必要はない。説明したように、バイパスソレノイドバルブ14は、そのバイパスソレノイドバルブ14と圧縮室20とのあいだの配管の長さを最短にできるよう、対応するポンプ機構18の圧縮室20に隣接、あるいは、それに対向させて、高圧ポンプ7と一体構造に形成されている。それゆえ、動作中には、バイパスソレノイドバルブ14は、加圧された燃料の最小量を通過させるだけでよく、動作応答性が向上し、サイズも大きくする必要がない。
図1の実施例では、2つのポンプ機構18のそれぞれが、対応するシリンダー19の圧縮室20内部のバイパスソレノイドバルブ14と一体構造に形成されている。図2の実施例では、高圧ポンプ7が、図1の実施例と同じように、2つのポンプ機構18で構成されている、一方で、バイパスソレノイドバルブ14は、対応するポンプ機構18と一体構造となっており、圧縮室20の低圧供給管10に接続されている。その場合、バイパスソレノイドバルブ14は、対応するポンプ機構の給入バルブとしての役目もする。
図3の実施例では、2つのポンプ機構18が、並列に形成されており、互いに180度の位相差で制御シャフト23に取り付けられた2個のカム22で駆動されるが、2つのポンプ機構18のそれぞれも、対応する圧縮室20内部に設置されたバイパスソレノイドバルブ14と一体構造になっている。図3の実施例の特徴として、前記並列の2つのポンプ機構18からなる高圧ポンプ7は、製造がより簡単にでき、サイズもより小さくできる。
本発明の特徴の1つは、単数または複数の燃料インジェクタ5のための燃料ストレージ部6へ燃料が供給される高圧ポンプ7である。前記高圧ポンプ7は、そのポンプ機構18の圧縮室20に配置された対応するバイパスソレノイドバルブ14と一体構造に形成された、少なくとも1つのポンプ機構18で構成されている。詳しく言えば、バイパスソレノイドバルブ14は、ポンプ機構18と同軸構成となっており、2つのポンプ機構18で高圧ポンプ7が構成されている場合は、高圧ポンプ7は、それぞれ対応するポンプ機構18と同軸構成の2個のバイパスソレノイドバルブ14と一体構造に形成される。2つのポンプ機構18は、図1と2で示すように、共通カム22で駆動できるよう、互いに同軸で対向配置に構成しても構わない。あるいは、図3で示すように、2つのポンプ機構18を平行配列し、2つの同軸カム22で駆動することも可能である。
また、各ポンプ機構18に対して1個のバイパスソレノイドバルブ14を設ける代わりに、高圧ポンプ7に対して1個のバイパスソレノイドバルブ14'を備えることも可能である。図4と5に示す実施例では、1個のバイパスソレノイドバルブ14'が両方のポンプ機構18に対して形成されている。さらに詳しく言えば、図4の実施例では、バイパスソレノイドバルブ14'が、図1の実施例に示すように対向配置された2つのポンプ機構18に共通の供給管8の分支部8'に取り付けられており、かつ、供給管8に設置された逆止弁48に連通している。
図5の実施例では、バイパスソレノイドバルブ14'が、図3の実施例に示すように並列配置された2つのポンプ機構18に共通の供給管8の分支部8'に取り付けられており、かつ、供給管8に設置された逆止弁48に連通している。
説明したように、高圧ポンプ7の制御シャフト23と駆動軸4の動作が、たとえば、機械式伝達部26により、同時に起こるため、ポンプ機構18の制御シャフト23の角度位置と噴射動作とのあいだには明確な相関関係が成立し、バイパスソレノイドバルブ14または14'による好適操作でのコモンレール部6内の圧力を調整するため、高圧ポンプ7の制御シャフト23の角度位置の関数としてチョッパ部28が制御部16により自動的に制御される。他方、高圧ポンプ7の制御シャフト23が、駆動軸4の回転速度から独立した速度で駆動される場合には、制御シャフト23の角速度の位置は、センサーにより計測されて、その信号が制御部16へ送られるので、コモンレール部6内の圧力は、制御シャフト23の位置と角速度の関数として、バイパスソレノイドバルブ14または14'により調整できる。
前記制御部16は、コモンレール部6の圧力最大値の関数として、ポンプ機構18の圧縮行程において、周知のフィードバック方法を使ってバイパスソレノイドバルブ14または14'の動作を制御できるよう設定することも可能である。
上記の本発明の燃料噴射装置が実施する方法として、バイパスソレノイドバルブ14、14'を備え、圧縮行程を行う少なくとも1つの往復運動式ポンプ機構18により燃料がストレージ部6へ供給される、内燃エンジン2の少なくとも1個の燃料インジェクタ5のため、ストレージ6内の燃料の圧力値を制御する方法がある。その制御方法の特徴として、
前記エンジン2の動作状態の関数として前記ストレージ部6内の燃料圧力の最適値を判断する工程と、
前記ポンプ機構18の圧縮行程のため複数の吐出動作を行うため、バイパスソレノイドバルブ14、14'を駆動する工程と、
前記インジェクタ5の噴射動作中に、前記ストレージ部6内の燃料の圧力をほぼ一定に維持するため、各吐出動作を制御、できれば、フィードバック制御する工程とからなる。
従来の装置と比べて、本発明の燃料噴射装置の長所は、上記の説明から明白であろう。特に、前記各ポンプ機構18の複数の燃料吐出動作のおかげで、コモンレール部6のサイズが小さくでき、それゆえ、エンジン登載空間における燃料噴射装置の配置の簡略化が可能となる。
上記の燃料噴射装置におけるその他の変更や改良が、付随する特許請求範囲を逸脱することなく可能であるのも明瞭に理解できよう。たとえば、高圧ポンプ7を、3個またはそれ以上の数のラジアルポンプ機構からなるポンプ構成とすることも可能であり、高圧ポンプ7を、4本シリンダーエンジン以外にも利用しても構わない。ポンプ7はポンプ機構18のみを設置することも可能である。
また、図2の実施例において、前記バイパスソレノイドバルブ14と単数または複数の圧縮室20とのあいだに給入バルブを設置することも可能である。さらに、図2の実施例の2つのポンプ機構18を、図3や図5の実施例のように、並列配置しても構わない。そして、最後に、前記チョッパ部28を、異なった回数の吐出動作ができるよう変更することも可能だし、前記チョッパ部28を、前記制御部16とは別の電子回路または電気回路で構成しても構わない。
本発明の第1の実施例のコモンレール式燃料噴射装置の概略図である。 本発明による燃料噴射装置の別に実施例の詳細図である。 本発明による燃料噴射装置の別に実施例の詳細図である。 本発明による燃料噴射装置の別に実施例の詳細図である。 本発明による燃料噴射装置の別に実施例の詳細図である。 本発明による燃料噴射装置の動作特性図である。 本発明による燃料噴射装置の別に実施例の詳細図である。 本発明による燃料噴射装置の別に実施例の詳細図である。 本発明による燃料噴射装置の別に実施例の詳細図である。
符号の説明
2 エンジン
3 シリンダー
6 ストレージ部
7 ポンプ
8 供給管
14、14' バイパスソレノイドバルブ
18 ポンプ機構
20 圧縮室
22 共通カム
23 シャフト
24 圧縮工程
26 動力伝達機構
29、31、37、39、
43、46、47 吐出動作

Claims (24)

  1. 複数のシリンダー(3)をもつ内燃エンジンのストレージ式燃料噴射装置であって、ストレージ部(6)へ高圧の燃料を供給するためのポンプ(7)と、対応する噴射サイクル(27)において、その高圧の燃料を前記エンジン(2)の前記対応するシリンダー(3)内へ噴射するため、前記ストレージ部(6)から燃料供給される複数のインジェクタ(5)とからなり、なお、前記ポンプ(7)が、圧縮行程をもつ少なくとも1つの往復運動式ポンプ機構(18)と、前記ポンプ(7)により前記ストレージ部(6)へ供給される燃料の圧力を制御する制御手段(14、14')とからなり、さらに、前記制御手段が、前記ポンプ機構(18)の圧縮行程(24)において複数の吐出動作(29、31;37〜39;43、44、46、47)を行えるよう、チョッパ部(28)により制御される少なくとも1つのバイパスソレノイドバルブ(14、14')で構成されることを特徴とするストレージ式燃料噴射装置。
  2. 前記チョッパ部(28)が、前記ポンプ(7)のそれぞれの吐出動作(29、31;37〜39;43、44、46、47)を、前記圧縮行程(24)の変動可能な時期内に動作制限できるよう、前記エンジン(2)の動作状態の関数として、パルス幅変調(PWM)で前記バイパスソレノイドバルブ(14、14')を動作制御することを特徴とする請求項1記載のストレージ式燃料噴射装置。
  3. 前記チョッパ部(28)が、吐出動作の数を前記ポンプ機構(18)の圧縮行程の頻度で乗算した数に等しい頻度で、前記ポンプ機構(18)の瞬時位置と速度の関数として、前記パルス幅変調を指示することを特徴とする請求項2記載のストレージ式燃料噴射装置。
  4. 前記チョッパ部(28)が、前記エンジン(2)のシリンダー(3)内への各噴射サイクル(27)において、少なくとも1回の吐出動作(29、31;37、39;43、47)を指示することを特徴とする請求項2または3記載のストレージ式燃料噴射装置。
  5. 前記噴射サイクル(27)が、少なくとも1回の主噴射と、1回の補助噴射とからなり、少なくとも、前記各噴射サイクル(27)に対応する吐出動作(29、31;37、39;43、47)が、少なくとも前記主噴射中に行われることを特徴とする請求項4記載のストレージ式燃料噴射装置。
  6. 前記ポンプ(7)が、それぞれに、供給管(8)により前記ストレージ部(6)と連通する圧縮室(20)を備える少なくとも2つのポンプ機構(18)で構成され、前記各ポンプ機構(18)が、前記対応する圧縮室(20)内に配置された対応するイパスソレノイドバルブ(14)と一体構造に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のストレージ式燃料噴射装置。
  7. 前記各バイパスソレノイドバルブ(14)が、対応する給入バルブ(25)と対応する吐出バルブ(30)とのあいだの前記対応するポンプ機構(18)の圧縮室(20)と連通していることを特徴とする請求項6記載のストレージ式燃料噴射装置。
  8. 前記各バイパスソレノイドバルブ(14)が、給入管(10)に配置されており、前記対応するポンプ機構(18)の圧縮室(20)と直接に連通していることを特徴とする請求項6記載のストレージ式燃料噴射装置。
  9. 前記ポンプ(7)が、それぞれに、供給管(8)により前記ストレージ部(6)と連通する圧縮室(20)を備える少なくとも2つのポンプ機構(18)で構成され、前記イパスソレノイドバルブ(14')が、前記ポンプ機構(18)に共通配置されており、かつ、前記供給管(8)に設置されていることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のストレージ式燃料噴射装置。
  10. 前記供給管(8)が、逆止バルブ(48)を備えることを特徴とする請求項9記載のストレージ式燃料噴射装置。
  11. 前記両ポンプ機構(18)が、同軸および対称に配置されており、共通カム(22)で駆動されることを特徴とする請求項6、7、8、9または10記載のストレージ式燃料噴射装置。
  12. 前記両ポンプ機構(18)が、並列に配置されており、それぞれ2つの同軸カム(22)で駆動されることを特徴とする請求項6、7、8、9または10記載のストレージ式燃料噴射装置。
  13. 前記ポンプ(7)が、動力伝達器(26)経由で前記エンジン(2)の通常の駆動軸(4)により駆動されるカム手段(22)で制御されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載のストレージ式燃料噴射装置。
  14. 前記ポンプ(7)が、前記エンジン(2)のシリンダー(3)の半分の数に等しい数のポンプ機構(18)を備えており、前記ポンプ(7)が、ポンプ(7)のシャフト(23)と前記駆動軸(4)とのあいだの伝達比率が0.5で、駆動されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12または13記載のストレージ式燃料噴射装置。
  15. 前記エンジン(2)が4本のシリンダー(3)を備え、前記ポンプ(7)が3つのポンプ機構(18)で構成され、そのため、前記ポンプ(7)が、そのポンプ(7)のシャフト(23)と前記駆動軸(4)とのあいだの伝達比率が0.75で、駆動されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、13または14記載のストレージ式燃料噴射装置。
  16. 前記動力伝達器(26)が、少なくとも1本の通常のカムシャフト(23)を、前記駆動軸(4)の回転速度の半分の速度で駆動し、かつ、前記ポンプ(7)が、前記4ストロークのエンジン(2)のシリンダー(3)の半分の数に等しい数のポンプ機構(18)で構成されており、前記ポンプ機構(18)が、前記カムシャフト(23)に固定されたカム(22)で駆動されることを特徴とする請求項13、14または15記載のストレージ式燃料噴射装置。
  17. 前記ポンプ(7)が、前記通常の駆動軸(4)の回転速度から独立した速度で回転するカム手段(22)で駆動され、前記イパスソレノイドバルブ(14、14')が、前記ポンプ機構(18)のピストンセンサーの制御に基づいて、前記チョッパ部(28)で動作制御されることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12記載のストレージ式燃料噴射装置。
  18. 複数の燃料インジェクタ(5)に燃料を供給するストレージ部(6)へ燃料を供給するための高圧ポンプであって、そのポンプ(7)が、圧縮行程をもつ少なくとも1つの往復運動式ポンプ機構(18)からなり、前記各ポンプ機構(18)が、供給管(8)に連通している圧縮室(20)を備えており、前記ポンプ機構(18)が、前記対応する圧縮室(20)内に配置された対応するイパスソレノイドバルブ(14)と一体構造に形成され、前記ポンプ機構(18)の各圧縮行程(24)において複数の吐出動作(29、31;37〜39;43、44、46、47)を行えるよう、前記バイパスソレノイドバルブ(14、14')の動作制御をするため、チョッパ部(28)が備わっていることを特徴とする高圧ポンプ。
  19. 前記イパスソレノイドバルブ(14)が、前記ポンプ機構(18)と同軸に配置されていることを特徴とする請求項18記載の高圧ポンプ。
  20. さらに、2つの交互に作動するポンプ機構(18)からなり、前記ポンプ(7)が、それぞれに、対応するポンプ機構(18)と同軸に配置された2つのイパスソレノイドバルブ(14)と一体構造に形成されていることを特徴とする請求項19記載の高圧ポンプ。
  21. 前記両ポンプ機構(18)が、同軸および対称に配置されており、共通カム(22)で駆動されることを特徴とする請求項20記載の高圧ポンプ。
  22. 前記両ポンプ機構(18)が、並列に配置されており、それぞれ2つの同軸カム(22)で駆動されることを特徴とする請求項20記載の高圧ポンプ。
  23. 前記チョッパ部(28)が、前記ポンプ(7)のそれぞれの吐出動作(29、31;37〜39;43、44、46、47)を、前記圧縮行程(24)の変動可能な時期内に動作制限できるよう、前記エンジン(2)の動作状態の関数として、パルス幅変調(PWM)で前記バイパスソレノイドバルブ(14、14')を動作制御することを特徴とする請求項18、19、20、21または22記載の高圧ポンプ。
  24. 内燃エンジン(2)の少なくとも1つの燃料インジェクタ(5)のためのストレージ部(6)内の燃料の圧力を制御する方法であって、圧縮行程を行う少なくとも1つの往復運動式ポンプ機構(18)により燃料がストレージ部(6)へ供給され、圧縮行程(24)の前記ポンプ機構(18)がバイパスソレノイドバルブ(14、14')を備えており、前記ポンプ機構(18)の圧縮行程(24)において
    前記エンジン(2)の動作状態の関数として前記ストレージ部(6)内の燃料圧力の最適値を判断する工程と、
    前記ポンプ機構(18)の圧縮行程のため複数の吐出動作を行うため、バイパスソレノイドバルブ(14、14')を駆動する工程と、
    前記インジェクタ(5)の噴射動作中に、前記ストレージ部(6)内の燃料の圧力をほぼ一定に維持するため、各吐出動作を制御する工程とからなる、燃料圧力制御方法。
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