JP4259804B2 - ねじ収納機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,主にブースター,コンバータ或いは混合器等の電子機器のケースに関し,詳しくはその電子機器ケースに設けられるねじ収納機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のケースにおいては,図15及び図16に示すように,本体の背面11の側に,マストに取付可能なマスト取付部材5と,家屋の壁面に取付可能な壁面取付部材7の両取付部材を備えているので,ケースをマストあるいは壁面45のいずれかにも取付ができる構成となっている。マスト取付部材5は,本体の略中央に設けられ,本体の背面11に固着されマストや壁面に当接させる当付座16と,マストに取付ける為のU字型ボルト23,押え具24,締付ねじ25等の部材からなる。そして,上記部材は上記マスト取付部材5に備えられるとともに,上記部材を本体下方の縁端に設けた収納部40に保持可能とし,しかも,押え具24等の部材の本体背面11からの張出寸法が,上記アンテナ取付部5の当付座16の張出寸法と同じか,乃至はそれより小さくなるように設定されており,メーカー出荷時の梱包状態を小型化,また,上記U字型ボルト23,押え具24,締付ねじ25等の部材の梱包忘れを防止するように構成されている。
【0003】
また,家屋の壁面に取付ける壁面取付部材7は,本体の下方の両端付近に2ヵ所設けられているが,上記壁面取付部材7の本体の背面11からの張出寸法が上記当付座16の張出寸法と同高となるように形成されているので,上記当付座16はケース1を壁面に押付ける力に対して支えとなる補強効果となっていた。更に詳しく言えば,ケース1の取付がすんだならば,その状態で内部の回路基板に備わっている接続端子にケーブル(周知である同軸ケーブル,フィーダー)の接続を行う。その場合,ドライバーによって接続用の螺子を大きな力で壁面方向に押しながら螺子止め作業を行っても,壁面に当接している当付座16がその大きな力を支えるためケース1が壁面の側によることが防止され,壁面取付部材7の破損が防止されるよう構成されていた。
【0004】
しかしながら,壁面取付部材7は上述のように,本体の下方の両端部に設けられており,ケーブルを接続する等の壁面に押付ける力には,上記当付座16によって支えられるが,壁面45とは反対方向,すなわち蓋体3方向に引っ張られる力に対しては上記壁面取付部材7の2ヶ所で保持するしかなく強度が弱かったので,上記壁面取付部材7の2ヶ所以外に補強する必要があった。そこで,補強用の止着ねじを付属品として入れたり,図17に示すように,例えば本体の背面11に付属させていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし,従来の電子機器ケースのように,止着ねじを付属品として別梱包にする方法は,部品をなくしたり,取付時に煩わしかったり,といった問題があった。また,従来例のような電子機器ケース本体の背面に付属させる方法では,止着ねじの取外しが難しく,止着ねじの落下等の恐れがあった。そこで本願においては上記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり,その目的は電子回路基板を収納するケースの構造を提供するものである。他の目的は,ケーブルの配線,調整等が容易にできるよう蓋体が開閉自在であるケースの構造を提供するものである。他の目的は,マスト及び壁面の何れに対する取付けも可能なケースの構造を提供するものである。他の目的は,壁面に取付ける場合においては,壁面になるべく近く沿わせて取付可能なケースの構造を提供するものである。他の目的は,U字形ボルト,押え具,締付ねじ等を収納した状態で壁面取付可能なケースの構造を提供するものである。他の目的は,上記当付座に止着ねじ取付孔を設けたので,従来の壁面取付部材の2ヶ所止めと比較して,ケースの外形寸法を大きくすることなく,壁面への取付強度を増すことが可能なケースの構造を提供するものである。他の目的は,上記当付座に止着ねじ取付孔を設けたのでケースの取付後の外観デザインには全く影響しないケースの構造を提供するものである。他の目的は,壁面取付後には外観から見えない位置に止着ねじ取付孔を設け,尚且つ,当該止着ねじ取付孔への止着ねじの掛止が容易に可能とするケースの構造を提供するものである。他の目的は,蓋体の開閉の妨げにならないケースの取付位置を容易に割り出すことができ,取付の失敗がないケースの構造を提供するものである。他の目的は,指先で簡単に止着ねじの取外しができる,ねじ収納機構を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、止着ねじ(9c)の頭部に当接させる止部(9b)と、止着ねじ(9c)のねじ先に当接させる止部(9f)と,
止着ねじ(9c)の軸部位置を挟んで保持できるように軸部位置の両側に対向配置した保持部(9d、9d)とを備え,
上記2つの保持部(9d、9d)の間には,止着ねじ(9c)の 軸部位置と、本体の背面(11)との間に位置させて止着ねじ(9c)の軸部を保持する為の保持台(9a)を備えさせたねじ収納機構であって、,
上記止着ねじ(9c)の頭部に当接させる止部(9b)と、保持部(9d、9d)の一端側とで,止着ねじ(9c)の頭部を保持するよう,上記保持部(9d、9d)と、止着ねじ(9c)の頭部に当接する止部(9b)との軸線方向の間隔を,上記止着ねじ(9c)が脱落しないように止着ねじ(9c)の頭部の軸線方向の寸法と同じ寸法に形成し,
保持部(9d、9d)と保持台(9a)とは,軸線方向の長さを止着ねじ(9c)の軸部より短く形成すると共に、止着ねじ(9c)のねじ先に当接させる止部(9f)と、保持部(9d、9d)及び保持台(9a)との他端側との間に間隙を形成し、
上記保持部(9d、9d)の間に備えられた保持台(9a)における、止着ねじ(9c)のねじ先に当接させる止部(9f)の側を支点として、止着ねじ(9c)のねじ先側を背面(11)に当接するまで指先で押付け、止着ねじ(9c)の軸部を傾けることにより、上記止着ねじ(9c)の頭部に当接させる止部(9b)と、保持部(9d、9d)の一端側との間で保持されていた上記の止着ねじ(9c)の頭部を持ち上げ、その状態を保持部(9d、9d)により保持するようにしたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本願の実施例を示す図面について説明する。図1は本願の実施例であり,マストへの取付状態を示す側面図である。図2は同背面図である。図3は本願の実施例であり,壁面の取付状態を示す背面図である。図4は壁面への取付状態及びその作業状態を示す一部破断側面図。図5は図3におけるA―A線断面図であり壁面取付手順を示す。図6は図3におけるB―B線断面図であり壁面取付手順を示す。図7は図3におけるB―B線断面図であり壁面取付後の状態を示す。図8は図6におけるC―C線断面図を示す。図9は電子機器ケースの他の実施例と止着ねじへの取付けを示し,(a)は背面斜視図であり,(b)は壁面の取付状態を示す側面図である。図10は本願の実施例であり,メーカーからの出荷段階を示す電子機器ケースの背面図を示す。図11は図10におけるD―D線断面図を示す。図12止着ねじの取付位置決め用のマークの実施例を示す。(a)は止着ねじの取付位置の決め方であり,(b)は壁面取付後の蓋体の開閉状態を示す。図13は止着ねじ受部の部分拡大図と取扱方法を示す。(a)は止着ねじ受部の拡大斜視図,(b)は取扱方法の手順を示す。図14は止着ねじ受部の他の実施例を示す。図15は従来の電子機器ケースであり,壁面への取付状態を示す側面図を示す。図16は従来の電子機器ケースであり,メーカーからの出荷段階を示す電子機器ケースの背面図を示す。図17は従来の止着ねじ受部の部分拡大図と取扱方法を示す。
【0009】
ケース1は前面が開放された本体2とその本体2の開放部を覆うよう本体2に対し開閉自在に取付けた蓋体3とから成り,更に上記本体2にはマスト取付部材5と,壁面取付部材7と,マスト取付部材用保持部8と,止着ねじ受部9とが備わっている。上記本体2と蓋体3は合成樹脂材料を型成形して製造されている。この本体2において,11は背板,12は底板,13は背板を下方へ張出させた張出片で,背板11の一部として形成されている。
【0010】
次に上記マスト取付部材5は,本体2の背板11と一体形成した当付座16と,本体2に対して起倒自在の締着具17とから成る。上記当付座16において,18はマストに対する添付部,19は締着具引止用の透孔,20は締着具の上方への移行を阻止する為のストッパ,21は締着具の下倒防止用の膨出部,22は止着ねじ取付孔を夫々示す。
【0011】
次に締着具17はU字形ボルト23と押え具24と締付ねじ25から成る。上記U字形ボルト23は周知のものでその基部26は上記透孔19に挿通されており,持出部の自由端部27近くにはねじ溝が形成されている。U字形ボルトの保持手段である上述の透孔は一実施例であり,図9に示すように,上記透孔の代わりに上記当付座16と背板11との間に,U字溝19aを形成し,上記U字溝の開口縁であって,上記背板11には膨出部19bが形成され,装着したU字型ボルト23の脱落を阻止するような構成でも良い。
【0012】
次に上記押え具24は長方形状の金属板の長辺をU字形ボルトの基部26側に折り曲げて断面略コ字形にプレスして形成されており,マストに対する添付部28と上記自由端部27への連結部29を備える。連結部29には周知の如く持出部の自由端部27を挿通する為の透孔が形成されており,その内の一方の透孔は図2に示されるように外部との連通部29aを有している。上記締付ねじ25は持出部27のねじ部に螺合されており,自由端部27に取付けた止輪30(例えば軟質塩化ビニール製)でもって脱落が防止されている。
【0013】
次に上記止着ねじ受部9は背面11と一体に成型されており,9aは保持台,9b,9fは止部,9cは止着ねじ,9dは保持部を示す。図13に示すように保持部9d、9dは,止着ねじ9cを挟んで対向配置されており,その間隔は止着ねじ9cの径L8とほぼ等しいか,やや大きくなるように形成され,止着ねじ9cは保持部9dに備えられた保持台9aに載置される。止着ねじ9cは,上記保持部9dとねじの頭部に当接する止部9bとの軸線方向の間隔を,ねじ頭部の軸線方向の寸法よりやや小さくなるか,もしくは,図示から理解できるように上記止着ねじが脱落しない同じ寸法に形成し,上記保持部9dの一端側と止部9bとで,止着ねじ9cの頭部を狭持して、ねじ先側が浮上しないようにし、止着ねじ9cが本体2の背面11に付属されるようになっている。
【0014】
図13を基に,更に詳しく説明すると,上記保持部9dと保持台9aは止着ねじ9cの長さより短く形成されており,ねじ先と当接する止部9fと、上記保持部9dと保持台9aとの間にあっては,図13(b)の(1)ように間隙がある。従って、図13(b)の(1)ように上記止着ねじ9cを装着した状態では、止着ねじ9cと背面11の間には間隙が生じる。
次に,図13(b)の(2)のようにように止着ねじ9cが保持されていない部分を,止着ねじのねじ先部分が本体2の背面11に当接するまで指先で押付ける。すると,止着ねじ9cは,上記保持台9aの端部を支点として傾く。この時,上記保持部9dは,少なくとも止着ねじ9cの軸部の一部を保持するように形成されているので,止着ねじ9cは、図13(b)の(2)のように止着ねじ9cの頭部は持ち上がり状態で保持部9aにより保持される。次に,止着ねじ9cの頭部を指先で持ち上げる。この時,ねじ先が背面11と一体成型された止部9fの基部に当接されるよう構成されているので,指先一本で簡単に保持部9aより取外しができる。これにより,図13(b)の(3)ように指先で確実に止着ねじ9cをつかむことが可能になる。本願の他の実施例を図14に示す。尚,図14に示す例は実施例であり形状はこれらの例に限らないことは言うまでもない。
【0015】
上記止着ねじ9cは図7に示すように,壁面にねじ込む長さL1部分にはネジ溝が形成され,後に詳述するケースの壁面取付時に,壁面より突出して本体2を取付ける突出部9eにはネジ溝が形成されていない構成となっている。
【0016】
次に上記壁面取付部材7において,32は張出片13に穿設した挿通孔で,その内面には止着ねじ保持用の保持片33が突設されている。34は壁面取付用の座で,張出片13と一体に形成されている。この座34は筒状に形成されており,その内部は前記挿通孔32と同心状態で連通する挿通孔35となっている。上記座34の長さは図4,図6,図7に示されるように前記当付座16の奥行寸法と同程度に形成してあり,太さは壁面45に対するケース1の安定な取付状態を達成できるよう大きく形成してある。又この座34における肉厚方向の中間部には環状の溝36を形成して,該座34を合成樹脂材料で形成するときのひけを生じ難くし,座34の外周面の外観が良好となるようにしてある。37は止着ねじで,メーカーからの出荷段階では図4,図6に示されるような状態で前記保持片33によって保持されている。
【0017】
次にマスト取付部材用保持部8において,40は張出片13に形成され,前記押え具24の一部を図10及び図11に示されるように底板12と重合する位置まで侵入させて,本体2における背板11の背面からの押え具24の出張り寸法L3を,上記座34の出張り寸法と同程度乃至はそれよりも小さくできるように形成されている収納部である。41は張出片13と一体形成された一組の突出片で,当該突出片41の出張り寸法と,上記収納部40の縁部の厚さ,つまり張出片13の厚さを加えた寸法L4は,上記押え具24の内面側の寸法L5とほぼ等しいか,少し小さめになるよう構成されるとともに,上記突出片41同士の内面側の距離L6は,上記U字形ボルト23の一対の持出部27の外形寸法L7にほぼ等しいか,やや大きくなるように形成されているので,上記締着具17の上記U字形ボルト23の持出部27を上記突出片41の間に載置するとともに,上記押え具24の内側に上記突出片41を当接させ,尚且つ,上記押え具24を上記収納部40の縁部と重合させ,上記締付ねじ25を持出部27のねじ部に締付けることで押え具24の保持が確実になる。更に,押え具24を保持した状態でU字型ボルトはその基部26が本体における背板11と一体成型の止片46に吊り掛っているため下方への落下が防止され,かつ背板11からの浮き上がりは上記保持状態にある押え具24によって阻止される。
【0018】
上記構成のケース1は,メーカーから出荷されるに当たっては,マスト取付部材5における締着具17が図10,図11に示されるように本体2の背板11に沿わされた状態となっている。このようなケースを図1及び図2に示されるようにマスト44に取付ける場合には,マスト取付部材5における締着具17をその持出部27が膨出部21を乗り越えるように起立させる。そして周知のようにマスト44を当付座16と押え具24とでもって両側から挟み,締付ねじ25を締めてマスト44に対する固定を行う。
【0019】
一方,マスト取付状態で使用されていたケース1を図3〜図7に示されるように壁面45に対して取付ける場合には,マスト取付部材5をマスト44から外した後,締付ねじ25と押え具24をU字形ボルト23から外し,次に前記U字形ボルト23を当付座16の透孔19から外す。このようにした状態において,まず,止着ねじ9cを壁面45において予定している取付場所にねじ込む。この時,止着ねじ9cを壁面45にねじ込む寸法は,上記止着ねじ9cに形成されたねじ溝の長さL1で良く,これによってケース1を壁面に取付ける為の,止着ねじ9cを壁面から突出させた突出部9eの長さL2が決定される。L2は当付座16の壁面との当接面と,挿通孔19の壁面方向の内壁との寸法であって,上記止着ねじ9cの突出部9eの長さは,本願の本体2が合成樹脂材料を型成形して製造されているので,L2と等しいかやや小さくなるように形成されていることで掛止が確実となる。
【0020】
次に,上述のようにねじ込まれた止着ねじ9cの突出部9eは,上記当付座16に設けた上記止着ねじ取付孔22に挿通され,ケース1を壁面45に掛止可能とする。この時,上記止着ねじ取付孔22の形成する位置を,例えば図3の膨出部21の上方縁端部(図中のA―A線上)の中心に設けることで,ケース1を止着ねじ9cに掛止する位置が容易に判断できる。更に,当付座16の,マスト44に当接させるため断面略V字形に形成された添付部18には,当付座16を補強するためのリブ18aが複数個形成されている。上記リブ18aの間隔は上記止着ねじ9cの螺子頭の寸法より小さくなるように形成されており,尚且つ,図5に示すように上記止着ねじ取付孔22が断面略V字形の底部に形成されているため,上述の膨出部21を目印として,上記止着ねじ9cの螺子頭を当付座16に当接させるようにして探れば,ケース1を容易に止着ねじ取付孔22に掛止できる。また,上記止着ねじ取付孔22の壁面側の周縁がテーパー状に広がるように形成されているため,上記止着ねじ9cの螺子頭の挿通を容易にしている。
【0021】
次に,上記止着ねじ取付孔22の上方端には外形寸法が上記止着ねじの径L8よりやや広く,且つ,上記止着ねじ9cのねじ頭より狭くなるように形成された切欠き部22aが設けられ,上記止着ねじ9cの突出部9eを上記止着ねじ取付孔22に挿通した後,上記止着ねじ9cの突出部9eが切欠き部22aに掛止され,ケース1が止着ねじ9cから抜け難い構成になっている。ここで,切欠き部22a周縁で透孔19の内壁はテーパーを付けたり,肉厚をコントロールするなどして,前記L2であって,当付座16の壁面との当接面と,挿通孔19の壁面方向の内壁との寸法が,止着ねじ9cの突出部9eの寸法と同じかわずかに大きくなるように形成されることで,より確実にケース1を止着ねじ9cに掛止できる。
【0022】
壁面取付時に注意しなければならないことは,止着ねじ9cのねじ込み位置が,蓋体3を開閉自在にできる位置でなければならないことである。特にケース1取付け後に蓋体3が完全に開かない位置にケース1を取付けると,ケーブルの配線や,利得調整等ができなくなる。このため,本願のケース1においては,図12に示すように,本体2のつば部47に例えば三角形の凸部状の印(以下,マークとも言う)48を設け,蓋体3の天板49を,例えば天井等の障害物に当接させた時の,上記凸部状のマーク48の位置から,壁面45に垂線を下ろしたところの,壁面45の水平線上に止着ねじ9cをねじ込めば,ケース1上方の障害物までの距離をスケール等で測らなくてもよく,簡単にケースの位置決めができるように構成されている。尚,上記の位置決めマーク48は一例であり,その形状や方法は上記例に限定されるものではない。
【0023】
こうして掛止されたケース1は次に,止着ねじ37を壁に向けて螺進させることにより壁面45への取付けを行う。この場合,挿通孔32,35の内面がねじ37の倒れを防止する。従って螺進作業を容易に行える。尚,本実施例においてはU字形ボルト23,押え具24,締付ねじ25等を当付座16から外して壁面に取付ける例を示したが,前記部材を本体2の収納部40に収めた状態で壁面に取付けてもよい。
【0024】
上記のように取付が済んだならば,その状態で次に内部の回路基板に備わっている接続端子にケーブル(同軸ケーブル,フィーダー)の接続を行う。その場合,ドライバーによって接続用の螺子を大きな力で図4の左方に押しながら螺子締め作業を行っても,壁面45に当接している当付座16がその大きな力を支える為,ケース1が壁面45の側に寄ることが防止され,壁面取付部材7の破損が防止される。また,ケーブルの接続後は,メンテナンスのために蓋体3を開閉する時のストレス,ケーブルの荷重の影響,強風等による振動に対しては,ケース1が本体2の略中央に設けられた上記当付座の止着ねじ取付孔22に止着された止着ねじ9cと,本体2の下方の両端付近に設けられた壁面取付部材7の2箇所の止着ねじ37とで3点止めされるため,本願のケース1の壁面取付強度が従来の2点止めに比べて強くなる。尚本例のケースは本体2に対して蓋体3を蝶着した構造であるが,本体の背面に備えられた当付座16が本体の背面とマスト44或いは壁面45との間隔を保持する為,図1及び図4に示される如く,蓋体3の開閉を支障なく行うことができる。本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各部の構造や形状を適宜に変更して実施することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上詳述したように,本発明によれば,
止着ねじ9cは、対向配置した2つの保持部9d、9dで軸部の両側を挟むと共に、止着ねじ9cの「頭部」は、止着ねじ9cの頭部に当接させる止部9bと、保持部9d、9dの一端側とで,保持し、更に、ねじ先は止部9f に当接するようにしてあるので、電子機器ケース運送中において激しい振動があっても、止着ねじ9cの「頭部」が変移して、止着ねじ9cが抜け脱する恐れはなく、所定の場所に定置できる効果がある。
また、「止着ねじ9c」は、上記のように対向配置した2つの保持部9d、9dで軸部の両側を挟むと共に、止着ねじ9cの「頭部」は、止着ねじ9cの頭部に当接させる止部9bと、保持部9d、9dの一端側とで,保持することにより、危険な「ねじ先」側の持ち上がりを防止するようにしてあり、
その上、危険な「ねじ先」は、止部9f に当接させて堅固に保持されていても、上記保持部9d、9dから,止着ねじ9cを外す場合には、図13(b)の(2)から理解できるように、止着ねじ9cの軸部を指で押し込むことにより、保持台(9a)における止部9fの側を支点として、危険な「ねじ先」を止部9fの根元に沈め込む一方、代わりに、安全な形状をしている「頭部」を軽々と持ち上げることのできる安全取扱上の特長がある。
このことにより危険な「ねじ先」を不用意に浮上させて指先を傷める危険性をなくする上に著しい効果があり、安全な状態で止着ねじ9cを「頭部」から取り出すことが可能になる取扱上の利点がある。
その上、「頭部」を持って止着ねじ9cを取り出す場合、図13(b)の(3)から理解できるように、止部9fの存在により、これがストッパーの役割を司り、1本の指先でもって、「頭部」を引き起こすことができる特長がある。
このことは、危険な「ねじ先」に触れる可能性を一層低下させる効果があるその上に、止着ねじ9cの周囲に壁がある等して、止着ねじ9cの位置が狭くなっている空間からでも止着ねじ9cを容易に取り出すことのできる作業上の効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の実施例。マストへの取付状態を示す電子機器ケースの側面図。
【図2】マストへの取付状態を示す電子機器ケースの背面図。
【図3】壁面の取付状態を示す電子機器ケースの背面図。
【図4】壁面への取付状態及びその作業状態を示す一部破断側面図。
【図5】図3におけるA―A線断面図。壁面取付手順を示す。
【図6】図3におけるB―B線断面図。壁面取付手順を示す。
【図7】図3におけるB―B線断面図。壁面取付後の状態を示す。
【図8】図6におけるC―C線断面図を示す。
【図9】電子機器ケースの他の実施例と止着ねじへの取付けを示し,(a)は背面斜視図であり,(b)は壁面の取付状態を示す側面図である。
【図10】本願の実施例。メーカーからの出荷段階を示す電子機器ケースの背面図を示す。
【図11】図10におけるD―D線断面図を示す。
【図12】止着ねじの取付位置決め用のマークの実施例を示す。(a)は止着ねじの取付位置の決め方であり,(b)は壁面取付後の蓋体の開閉状態を示す。。
【図13】止着ねじ受部の部分拡大図と取扱方法を示す。(a)は止着ねじ受部の拡大斜視図,(b)は取扱方法の手順を示す。
【図14】止着ねじ受部の他の実施例を示す。
【図15】従来の電子機器ケースであり,壁面への取付状態を示す側面図。
【図16】従来の電子機器ケースであり,メーカーからの出荷段階を示す電子機器ケースの背面図を示す。
【図17】従来の止着ねじ受部の部分拡大図と取扱方法を示す。(a)は止着ねじ受部の拡大斜視図,(b)は取扱方法の手順を示す。
【符号の説明】
1…電子機器ケース(ケース),2…本体,3…蓋体,5…マスト取付部材,7…壁面取付部材,8…マスト取付部材用保持部,9…止着ねじ受部,9a…受部,9b…止部,9c…止着ねじ,9d…弾性爪・保持部,9e…突出部,9f…止部,11…背板,12…底板,13…張出片,16…当付座,17…締着具,18…添付部,18a…リブ,19…透孔,19a…U字溝,19b…膨出部,20…ストッパ,21…膨出部,22…止着ねじ取付孔,22a…切欠き部,23…U字形ボルト,24…押え具,25…締付ねじ,26…基部,27…持出部の自由端部,28…添付部,29…連結部,29a…連通部,30…止輪,32…挿通孔,33…保持片,34…座,35…挿通孔,36…溝,37…止着ねじ,40…収納部,41…突出片,44…マスト,45…壁面,46…止片,47…つば部,48…印(マーク),49…天板。

Claims (1)

  1. 止着ねじ(9c)の頭部に当接させる止部(9b)と、止着ねじ(9c)のねじ先に当接させる止部(9f)と,
    止着ねじ(9c)の軸部位置を挟んで保持できるように軸部位置の両側に対向配置した保持部(9d、9d)とを備え,
    上記2つの保持部(9d、9d)の間には,止着ねじ(9c)の 軸部位置と、本体の背面(11)との間に位置させて止着ねじ(9c)の軸部を保持する為の保持台(9a)を備えさせたねじ収納機構であって、
    上記止着ねじ(9c)の頭部に当接させる止部(9b)と、保持部(9d、9d)の一端側とで,止着ねじ(9c)の頭部を保持するよう,上記保持部(9d、9d)と、止着ねじ(9c)の頭部に当接する止部(9b)との軸線方向の間隔を,上記止着ねじ(9c)が脱落しないように止着ねじ(9c)の頭部の軸線方向の寸法と同じ寸法に形成し,
    保持部(9d、9d)と保持台(9a)とは,軸線方向の長さを止着ねじ(9c)の軸部より短く形成すると共に、止着ねじ(9c)のねじ先に当接させる止部(9f)と、保持部(9d、9d)及び保持台(9a)との他端側との間に間隙を形成し、
    上記保持部(9d、9d)の間に備えられた保持台(9a)における、止着ねじ(9c)のねじ先に当接させる止部(9f)の側を支点として、止着ねじ(9c)のねじ先側を背面(11)に当接するまで指先で押付け、止着ねじ(9c)の軸部を傾けることにより、上記止着ねじ(9c)の頭部に当接させる止部(9b)と、保持部(9d、9d)の一端側との間で保持されていた上記の止着ねじ(9c)の頭部を持ち上げ、その状態を保持部(9d、9d)により保持するように構成したことを特徴とするねじ収納機構。
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