JP4259750B2 - 伝送路終端インピーダンスを有するラインレシーバ回路 - Google Patents

伝送路終端インピーダンスを有するラインレシーバ回路 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の属する技術分野)
本発明は、伝送路と接続するための入力と、その伝送路を介して受信された信号に従ってデータ信号を与えるための出力を有するバッファ部を備えると共に、さらにその伝送路の特性インピーダンスを終端させるため、上記バッファ部の入力と接続された終端インピーダンス手段を備えている、ラインレシーバ回路に関する。
【0002】
(従来の技術)
情報信号を伝送路上で高速送信するためには、伝送路の受信側に、その伝送路の特性インピーダンスと整合する終端インピーダンスを与える必要がある。整合された伝送路終端は、伝送信号の帯域幅が大きくなるほど重要となる。ラインレシーバ回路の設計を出きるだけコンパクトに保つために、終端インピーダンスは、この回路の一部と集積化され、さらに例えば同一の半導体チップのその回路の残りの部分とも集積化される。
【0003】
国際公開公報WO95/24089から、伝送路の受信端において電気的インピーダンス整合を行う、この種のラインレシーバ回路が知られている。この回路を、異なる特性インピーダンスを持つ様々な種類の伝送路と協働させるために、この文献から既知の終端インピーダンス手段は、インピーダンス制御信号を受信するためのインピーダンス制御入力を持つ、可変インピーダンス素子を備えている。さらに、インピーダンス制御信号発生手段が設けられており、この手段は、ツインインピーダンス制御入力を有すると共に、終端インピーダンス素子の対応する電気的特性と所定の関係にある電気的特性を有するツインインピーダンス素子を含んでいる。上記ツインインピーダンスが目標値に近づくように、ツインインピーダンス素子に対して制御信号を発生するための手段が設けられている。その目標値は、外部基準抵抗を接続することによってプリセットされ得る。さらに、終端インピーダンス素子とツインインピーダンス素子の対応する電気的特性によって、終端インピーダンスがツインインピーダンスに対応するように、ツインインピーダンス素子のインピーダンスを制御するための制御信号が終端インピーダンス素子に与えられる。
【0004】
(発明が解決しようとする課題)
この文献において、可変インピーダンス素子はMOS電界効果型トランジスタであり、そのゲートはインピーダンス制御入力として働く。そのような半導体インピーダンス素子では、その回路が大きな範囲の異なる動作電圧に対処する必要があるとき、以下の欠点が生ずる。
【0005】
その回路を電源電圧範囲の下方端で適切に動作させるために、インピーダンス素子は、要求される最低可変インピーダンスによって決定されるある最小チャンネル幅を持つ必要がある。この回路の電源電圧が上昇すると、インピーダンス素子がそのインピーダンスを実質的に維持するように、制御回路網がインピーダンス制御信号を発生する。そして、そのインピーダンス素子のチャンネル幅が大きいと、インピーダンス制御電圧が電源電圧と同程度まで上昇せず、低い状態のままに留まる。このことは、ツインインピーダンス、従って終端インピーダンス素子がもはやインピーダンスのように動作せずに、むしろその伝送路を最適に終端させることのない電流源のように動作することを示唆する。さらに、この電流源モードにおいては、ツインインピーダンス素子および終端インピーダンス素子が、特にデジタル信号環境にある比較的大きな回路に対して重大な問題である制御信号の変動やノイズに対し、一層敏感になる。
【0006】
従って、本発明の目的は、広い動作電圧範囲にわたって動作し得、終端インピーダンス手段およびツインインピーダンス手段が、全動作電圧範囲にわたって実質的にインピーダンスのように動作することのできる、改善されたラインレシーバ回路を提供することにある。
【0007】
(課題を解決するための手段)
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載されているようにして解決される。
【0008】
本発明に係るラインレシーバ回路は、ツインインピーダンスを与えるために一緒に接続されている複数個のツインインピーダンス素子から構成されている。ツインインピーダンス素子のそれぞれは、インピーダンス制御信号発生手段から個別のインピーダンス制御信号を受信する。また、終端インピーダンス手段は、複数個の終端インピーダンス素子から構成され、それぞれの素子は、個別のインピーダンス制御入力を有する。インピーダンス制御信号発生手段は、それぞれ対応するツインインピーダンス素子に対する制御信号と所定の関係において、上記終端インピーダンス素子のそれぞれに対してそれぞれの制御信号を与える手段を含んでいる。
【0009】
ツインインピーダンス手段におけるインピーダンス素子のそれぞれに対して個別の制御信号を与え、これらのツインインピーダンス制御信号から終端インピーダンス素子に対する制御信号を導くことによって、本発明に係るラインレシーバ回路は、広範囲の電源電圧にわたって終端インピーダンスを与えることができる。
【0010】
「ツインインピーダンス素子」の用語は、この素子の電気的特性が、関連する終端インピーダンス素子の対応する電気的特性と所定の比例関係にあることを示す。例えば、集積半導体技術は、技術的に良く知られているように、同一の製造プロセス内で、実質的に同一の電気的特性を持つ、異なる部品、例えば2個のトランジスタを製造することを可能にしている。
【0011】
本発明の有益な実施例は、従属する請求項において与えられる。
【0012】
好ましくは、高電源電圧に対して、設定された目標インピーダンス値によって、インピーダンス制御信号の少なくとも1つは、関連の可変インピーダンス素子が高インピーダンス状態、例えば遮断された状態になり、他のインピーダンス素子は能動状態になる。電源電圧が減少すると、その電源電圧が低ければ低いほど、高インピーダンスでなくなって能動状態になるインピーダンス素子の数が大きくなるような、インピーダンス制御信号が発生される。
【0013】
好ましくは、それらのインピーダンス素子は、半導体部品であり、好適にはMOSFETまたはバイポーラトランジスタである。上記ツインインピーダンスのインピーダンスが目標値に近づくように、ツインインピーダンス素子のそれぞれに対してそれぞれの制御信号を発生する手段は、好ましくは、目標値に合わせるため、出きるだけ多くのインピーダンス素子を非能動状態にさせるよう動作する。インピーダンス素子のそれぞれの制御は、各ツインインピーダンス素子に対して個別の制御ループを設けることによって実現できる。それらの制御ループは、互いに独立している。好ましくは、前に能動状態にある制御ループの1つまたはそれ以上が、全ツインインピーダンスの目標値からの偏差が非常に大きく、例えば予め定めたしきい値よりも大きな状態に達するやいなや、それらの制御ループの別のものが、その関連のインピーダンス素子を急速にまたは徐々に非能動状態にさせる。残りの能動状態にあるインピーダンス素子は、それぞれ、低インピーダンスすなわち飽和の能動状態を維持する。そこでは、差動インピーダンスが絶対インピーダンスに極めて良く近づく。この方法で、インピーダンス手段の満足できる線形動作が達成される。
【0014】
ツインインピーダンス素子は、並列接続によって、ツインインピーダンス手段を構成することが好ましい。
【0015】
上記ツインインピーダンス素子のそれぞれに対するそれぞれの制御信号を発生するための手段は、それぞれ、ツインインピーダンス手段の全ツインインピーダンスの目標値からの偏差を検出し、ツインインピーダンス素子の関連するものを制御するように接続されている複数個の演算増幅器から構成される。電源電圧を増大させることで、個々のインピーダンス素子の連続非能動化が達成されるように、演算増幅器は異なるオフセット電圧を持っている。
【0016】
別の実施例では、上記ツインインピーダンス素子のそれぞれに対してそれぞれの制御信号を発生させるための手段は、異なるオフセットを持つ、複数個の出力段を備えた演算増幅器から構成される。演算増幅器の出力段に異なるオフセットを与えることに加えて、またはその代わりに、電源電圧および目標インピーダンス値に依存する異なるインピーダンス制御信号間にオフセットを得るため、オフセット発生回路が設けられる。
【0017】
本発明に係るインピーダンス制御信号発生手段は、好ましくは、ツインインピーダンス手段にかかる電圧降下がツインインピーダンス手段の実際のインピーダンス値を示すように、定電流をツインインピーダンス手段に供給するための定電流源を備えている。この定電流源は、好ましくは、ツインインピーダンス手段の目標インピーダンスに依存する定電流を与えるように制御される。好ましくは、基準抵抗に定電流を供給するため、付加的な可変定電流源が設けられる。その付加的な可変定電流源は、基準抵抗に係る電圧降下が基準値を示し、付加的な電流源によって供給される電流がツインインピーダンス手段に供給している定電流源によって反映されるように、制御される。その際、基準抵抗にかかる電圧降下とツインインピーダンス手段にかかる電圧降下との間の差が、ツインインピーダンスの基準インピーダンスRrefからの偏差を示す誤差信号として得られる。ツインインピーダンスを検出するためのこの回路網は、ツインインピーダンスの目標インピーダンス値からの所定の偏差に対して、大きな誤差信号を与えるという点で利点がある。
【0018】
好適な実施例によれば、ラインレシーバ回路は、それぞれそれ自身の終端インピーダンス手段を有する複数個の伝送路とインタフェースする複数個の入力バッファ部を備えている。インピーダンス制御手段は、同一のまたは対応する制御信号をこれらの終端インピーダンス手段のそれぞれに対して与える。
【0019】
(発明を実施するための最良の形態)
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係るラインレシーバ回路の第1の実施例の概略図である。この図において、TRは、入力バッファ増幅器1の入力端子INと接続された伝送路を示す。OUTは、伝送路TRを介して受信される信号に従ってデータ信号を出力するための、バッファ1の出力端子を示す。
【0021】
参照番号2は、伝送路TRを終端させるため、バッファ増幅器1の入力にかけて接続されたライン終端インピーダンス手段を示す。この実施例においては、ライン終端インピーダンス手段2は、ドレインソース路が並列に接続されている3個のMOSFETトランジスタTZ1からTZ3から構成されている。トランジスタTZ1からTZ3のそれぞれは、そのゲートにおいて、インピーダンス制御信号発生手段3によって発生されるインピーダンス制御信号を受信する。この実施例のインピーダンス制御信号発生手段3は、それらのそれぞれの出力端子に個別のインピーダンス制御信号を与えるための、演算増幅器A1からA3で構成されている。3個の演算増幅器A1からA3の入力オフセット電圧は、互いに異なっている。この理由については後で説明する。演算増幅器A1からA3のそれぞれの内部構造は、従来のものである。演算増幅器の入力オフセット電圧の補償方法は、技術的に周知である。異なる入力オフセット電圧を得るため、同一の機構を適用できる。とりわけ、1つの可能性は、それぞれの演算増幅器の差動入力段を、例えば互いに異なる物理形状を持たせて、非対称に構成しているトランジスタを与えることにある。
【0022】
参照番号4は、可変ツインインピーダンス手段を示す。この実施例においては、可変ツインインピーダンス手段は、ドレインソース路が並列に接続されている3個のMOSFETトランジスタNZ1からNZ3から構成されている。トランジスタNZ1からNZ3のそれぞれは、そのゲートにおいて、ツインインピーダンス手段4のインピーダンスを制御するための個別の制御信号を受信する。図1に示された実施例においては、終端インピーダンス手段2のトランジスタTZ1からTZ3のそれぞれに対して、関連のツイントランジスタNZ1、NZ2およびNZ3がそれぞれ設けられている。各対のツイントランジスタは、それらのゲートにおいて、増幅器A1からA3の関連のものからインピーダンス制御信号を受信する。「ツイントランジスタ」の用語は、ドレインソース路のインピーダンスのドレインソース電圧およびゲート制御電圧への依存度が、両方のツイントランジスタに対して実質的に同一であることを示す。同一のプロセス内でかつ実質的に同一の形状を持たせてそれらのトランジスタを製造することによって、ツイントランジスタが得られることは技術的に周知である。一般に、ツイントランジスタの電気的特性は、全く同一である必要はなく、両方のトランジスタの対応する電気的特性が互いに既知の所定の関係にあるということで十分である。これは、例えば、ツイントランジスタの一方のチャンネル形状が、他方のツイントランジスタの対応するチャンネル形状の所定の倍数である場合である。また、そのようなそして類似のケースに対しても、「ツイン」の用語が適用可能である。
【0023】
refは、インピーダンスをライン終端インピーダンス手段2によって得られるように設定するための基準抵抗を示す。その基準抵抗Rrefは、内部部品として与えられ、好ましくは、異なる特性インピーダンスを持つ伝送路がRrefを調節することによって簡単に終端され得るように、外部に接続される。
【0024】
CI1およびCI2は、それぞれ演算増幅器ARの出力端に与えられる電流制御信号に依存して、定電流I1およびI2を与える可変電流源を示す。図1の実施例においては、両方の定電流源CI1およびCI2は、演算増幅器ARから同じ制御信号を受信する。定電流源CI1およびCI2は、電流ミラーを構成する。すなわち、理想的なケースにおいては、電流I1の量は、電流I2の量と一定の関係にある。例えば、電流I1と電流I2は等しい。この種の電流ミラー回路は、それ自体周知である。CI1は、一緒にかつ演算増幅器ARの出力と接続されたゲートおよびドレインを有するPMOSFETで具体化され得る。CI2は演算増幅器ARの出力と接続されたゲートを有するPMOSFETである。
【0025】
定電流源CI1は、定電流I1が基準抵抗Rrefを介して流れるように接続される。定電流源CI2は、定電流I2がツインインピーダンス手段4を介して流れるように接続される。演算増幅器A1からA3およびARの反転入力は、それらが基準抵抗Rrefにかかる電圧降下を受け取るように接続される。3個の演算増幅器A1からA3の非反転入力は、電流I2によって引き起こされるツインインピーダンス手段4にかかる電圧降下を受け取るように接続される。
【0026】
refは、演算増幅器ARの非反転入力に印加される基準電圧を示す。この基準電圧は、簡単な抵抗分圧器回路(図示せず)によって、好ましくは、例えば最低許容電源電圧の5分の1から3分の1である定基準電圧を出力する定電圧源によって、与えることができる。必ずしもそうである必要はないが、Vrefは、ライン終端インピーダンス手段2にかかる信号電圧にほぼ等しいことが望ましい。Vccは、正の電源電位を示し、GNDは接地電位を示す。
【0027】
動作について説明する。基準抵抗Rref、定電流源CI1および演算増幅器ARは、基準抵抗Rrefに依存して定電流I1を発生するための制御ループを構成する。電流源CI1およびCI2は電流ミラーを構成するので、電流I2は、同様に基準抵抗Rrefに依存する。特に、演算増幅器ARは、ARの負の入力端において抵抗Rrefにかかる電圧降下が、演算増幅器ARの非反転入力における基準電圧Vrefに等しくなるように、抵抗Rrefを介して定電流源CI1によって与えられる定電流I1を調節する。
【0028】
I1とI2間の所定の関係によって、基準抵抗にかかる電圧降下からの、ツインインピーダンス手段4にかかる電圧降下のERRすなわち偏差は、ツインインピーダンスの目標インピーダンス値からの偏差を示す。この目標インピーダンス値とRref間の比は、I1対I2の所定の比率にある。
【0029】
インピーダンス制御手段3は、目標インピーダンス値からのツインインピーダンス手段のインピーダンス偏差が零に近くなるように、ツインインピーダンス素子NZ1からNZ3のそれぞれに対して個別の制御信号を与えるよう働く。その時、終端インピーダンス素子TZ1からTZ3は、それぞれ、それらの関連するツインインピーダンス素子NZ1からNZ3と同一のインピーダンス制御信号を受信するので、終端インピーダンス手段2のインピーダンスもまた所望の値をとる。
【0030】
インピーダンス制御手段3は、インピーダンス制御信号VZ1からVZ3間にオフセットが存在するように設計される。このオフセットは、出きるだけ多くのツインインピーダンス素子NZ1からNZ3、従って、少ない終端インピーダンス素子TZ1からTZ3が能動状態であることを保証し、すべての能動素子の中からできるだけ多くが、最低の起こり得るインピーダンス状態に、例えば、MOSFETまたはバイポーラトランジスタ等のインピーダンス素子の線形度がベストである飽和状態に、あることを保証する。
【0031】
図1に示された実施例の動作を説明するため、電源電圧Vccが増大するものとする。簡単にするため、I1はI2に等しいものとする。
【0032】
図1に示された回路の電源電圧動作範囲の最低端にある電源電圧に対して、ツインインピーダンス手段4のインピーダンスは、たとえ3個の制御電圧VZ1からVZ3が、最大可能値(Vccまたはそれ以下、増幅器A1からA3の出力段の特別な設計に依存)を取る場合でも、Rrefよりも大きいものとなる。従って、すべてのツインインピーダンス素子NZ1からNZ3が最低可能インピーダンスの状態にあるように、ツインインピーダンス手段4にかかる電圧降下は、Rrefにかかる電圧降下よりも大きくなる。
【0033】
電源電圧Vccの上昇と共に、トランジスタNZ1からNZ3のゲート電位も上昇する。これにより、ツインインピーダンス手段4のインピーダンスがより低い値になる。この結果、Vccが上昇し、誤差信号、すなわち増幅器A1からA3の非反転入力および反転入力にかかる電圧差が減少し、Vccがさらに増大すると、その符号を反転させる。
【0034】
異なる入力オフセット電圧を備えている3個の増幅器A1からA3によって、最も負の入力オフセット電圧を持つ増幅器A3が、最初にその出力端の電圧VZ3を低下させ、従って、その増幅器はインピーダンス素子NZ3そして同様に終端インピーダンス素子TZ3を徐々にまたは急激にオフさせる。一方、他の増幅器A1およびA2は、それらの関連のインピーダンス素子を完全にオン状態に、すなわち最低可能インピーダンスの状態に保つ。
【0035】
電源電圧Vccがさらに増加すると、A3の入力オフセット電圧よりも大であるが、A1の入力オフセット電圧よりも低い入力オフセット電圧を持つ第2の増幅器A2も、最終的にその関連のインピーダンス素子NZ2およびTZ2をオフさせる。一方、増幅器A1と関連したインピーダンス素子は、今なお線形領域に留まっている。
【0036】
このことから、インピーダンス制御信号発生手段3が、線形動作領域にあるインピーダンス素子の数を制御することによって、ツインインピーダンス手段4のインピーダンスおよび対応の終端インピーダンス手段2を制御するようになっていることは、明らかである。この方法で、終端インピーダンス手段の線形動作が、広範囲の動作電圧にわたって、そして広範囲の終端インピーダンス値に対して得られる。
【0037】
図2aは、本発明に係るラインレシーバ回路の第2の実施例を示す。第1の実施例の対応する部品と類似または同一である部品は、同じ参照番号で示されている。これらの部品の接続および機能に関しては、繰返しを避けるために前の実施例を参照する。
【0038】
図2aの実施例において、終端インピーダンス手段2およびツインインピーダンス手段4は、それぞれ、2個のインピーダンス素子TZ1、TZ2およびNZ1、NZ2から構成される。一般に、インピーダンス素子の数は主要な事項ではなく、所望の動作範囲に応じて、および終端の所望の精度に応じて、任意に選択可能である。インピーダンス素子の数が多ければ多いほど、終端精度は良くなる。
【0039】
この実施例では、インピーダンス制御手段3は、基準抵抗Rrefにかかる電圧降下を受けるように接続された反転入力と、ツインインピーダンス手段4にかかる電圧降下を受けるように接続された非反転入力、を持っている演算増幅器A4を備えている。その演算増幅器A4は、さらに、第1の出力Q1と第2の出力Q2を備えている。第1出力Q1は、インピーダンス制御信号VZ1を、ツインインピーダンス素子NZ1および関連する終端インピーダンス素子TZ1に与えるように接続されている。演算増幅器A4の出力Q2は、インピーダンス制御信号VZ2を、ツインインピーダンス素子NZ2および関連する終端インピーダンス素子TZ2に与えるように接続されている。第1の実施例と同様に、終端インピーダンス手段2におよびツインインピーダンス手段4に含まれるインピーダンス素子は、それぞれのインピーダンス制御信号を受信するゲートを持つMOSFETトランジスタとして実現される。
【0040】
この実施例では、ツインインピーダンス手段4の全インピーダンスが目標値に近づくように、演算増幅器A4は、ツインインピーダンス素子NZ1およびNZ2を個別に調節する。前の実施例と同様に、この目標値は、基準抵抗RrefのI1/I2倍である。増幅器A4は、出力Q1とQ2のそれぞれに対して個々の出力段を備えている。それらの出力段は、目標インピーダンス値からのツインインピーダンスの偏差に依存して、出力Q1およびQ2間にオフセットが存在するように設計される。この実施例についてさらに説明するため、以下では、電源電圧が増大するものとする。簡単にするため、ツインインピーダンス手段4の目標インピーダンス値が基準インピーダンスRrefであるように、I2はI1と等しいものとする。
【0041】
電源電圧動作範囲の下端では、たとえ増幅器A4の両方の出力Q1およびQ2が最高可能出力電位、すなわちそれぞれの出力段の詳細な設計に依存するVccまたはそれ以下の電位を与える場合でも、ツインインピーダンス手段4の全体のインピーダンスは、目標インピーダンスRrefよりも僅かに高い。従って、これらの条件の下では、両方の出力Q1およびQ2は、所定の電源電圧Vccに対して最低可能インピーダンスの状態にあるように、それらの関連のツインインピーダンス素子並びに終端インピーダンス素子NZ1、TZ1およびNZ2、TZ2を駆動する。
【0042】
電源電圧Vccが上昇すると、A4の出力Q1およびQ2の出力電圧も上昇し、全体のツインインピーダンスが減少することになる。従って、ツインインピーダンスの目標インピーダンスRrefからの偏差は、最終的に零に近づき、その符号を反転させる。すなわち、Vccが増大し、ツインインピーダンス手段4のすべてのインピーダンス素子が完全にオン状態になるように駆動されると、全体のツインインピーダンスが最終的に目標インピーダンスよりも低下する。その時、増幅器A4の反転入力における電位は、A4の非反転入力における電位よりも低くなる。出力Q1およびQ2のオフセット動作によって、この状態では、出力の一方、例えばQ1はその出力電位を下げるが、他方の出力、例えばQ2は高電位に留まっている。電源電圧Vccがさらに増大すると、最終的に、第2の出力Q2もその出力電位を低下させ始めるように、全体のツインインピーダンスのその目標インピーダンス値からの偏差はさらに大きくなる。残りの能動インピーダンス素子が線形動作範囲に留まることができるように、他に習って一方の出力が最終的にその関連インピーダンス素子をオフすることは明らかである。
【0043】
図2bは、図2aの演算増幅器A4の一実施例を示す。この実施例に係る演算増幅器A4は、反転入力INNおよび非反転入力INPによって駆動される電流差動段T6、T7を備えている。それは、さらに複数個の出力段、例えば、それぞれ2個の出力段T1、T3およびT2、T4を備えている。それは、さらに電流差動段の他方のブランチを通る電流を出力段の下方のブランチに反映させる電流ミラー回路を備えている。2個の出力段の出力のオフセット動作が得られるように、出力段にある対応のトランジスタの形状は、異なるものになっている。
【0044】
詳細には、端子INNおよびINPは、それぞれ、増幅器A4の反転および非反転入力を示す。トランジスタT1、T2、T5、T6およびT7は、PMOSFETであるが、残りのトランジスタT3、T4、T8、T9およびT10は、NMOSFETである。CI3は、定電流源を示す。トランジスタT6およびT7は、差動入力段を構成するように接続されている。トランジスタT6およびT7のソースは、定電流源CI3に接続されている。トランジスタT6のゲートは、増幅器A4の反転入力INNを構成し、トランジスタT7のゲートは、増幅器A4の非反転入力INPを構成している。トランジスタT6のドレインは、トランジスタT8およびT9によって構成された第1の電流ミラー回路と接続されている。詳細には、トランジスタT6のドレインは、、トランジスタT9のドレインと、さらには、トランジスタT9およびT8のゲートと接続されている。トランジスタT5およびT1は、第2の電流ミラー回路を構成する。さらに、トランジスタT5は、トランジスタT2と共に第3の電流ミラー回路を構成する。第2および第3の電流ミラー回路は、トランジスタT8を通る電流を、増幅器A4の出力段に、すなわツイントランジスタランジスタT1およびT3によって構成された第1の出力段に、さらにはトランジスタT2およびT4によって構成された第2の出力段に反映させる。トランジスタT8のドレインは、トランジスタT5のドレインおよびゲートと接続され、さらにトランジスタT1およびT2のゲートと接続されている。
【0045】
トランジスタT10およびT3は、第4の電流ミラー回路を構成するように接続されている。さらに、トランジスタT10は、トランジスタT7を通る電流を2つの出力段T1、T3およびT2、T4に反映させるために、トランジスタT4と共に第5の電流ミラー回路を構成する。詳細には、トランジスタT7のドレインは、トランジスタT10のドレインに接続されると共に、トランジスタT10、T3およびT4のゲートに接続されている。トランジスタT1のドレインは、トランジスタT3のドレインと接続され、増幅器A4の出力Q1を構成している。トランジスタT2のドレインは、トランジスタT4のドレインと接続され、増幅器A4の出力Q2を構成する。トランジスタT1、T2およびT5のソースは、正の電源電位Vccに接続されている。トランジスタT3、T4、T8、T9およびT10のソースは、接地GNDされている。トランジスタT6およびT7に接続されていない定電流源CI3の端子は、Vccに接続されている。
【0046】
出力Q1およびQ2がオフセット動作を行うようにするために、T1およびT2の物理的ディメンジョンは互いに異なるように作られる。または、T3およびT4の物理的ディメンジョンは互いに異なるように作られる。または、それらの両方ともがそのように作られる。好ましくは、互いに異なる物理的ディメンジョンは、それぞれの素子のチャンネル幅である。
【0047】
動作について説明する。増幅器A4の反転入力INNおよび非反転入力INPにかかる電位差は、トランジスタT6およびT7のドレイン電流の差をもたらす。トランジスタT6のドレイン電流は、トランジスタT8およびT9によって反映され、トランジスタT5のドレイン電流として現われる。トランジスタT7のドレイン電流は、トランジスタT10のドレイン電流である。トランジスタT5およびT10のドレイン電圧は、それぞれ、演算増幅器A4の出力段T1、T3およびT2、T4のそれぞれへの入力信号である。
【0048】
以下では、出力Q1およびQ2間のオフセット動作が、トランジスタT1のチャンネル幅をトランジスタT2のチャンネル幅よりも大きく取ることによって、さらにトランジスタT3のチャンネル幅をトランジスタT4のチャンネル幅よりも小さく取ることによって、得られる。その際、T5を通る所定の電流に対して、トランジスタT1およびT2は、異なるドレイン電流を与える。すなわち、T1を通るミラー電流は、T2を通るミラー電流よりも大きい。同様に、トランジスタT7およびT10を通る電流に対して、T3を通るミラー電流は、T4を通るミラー電流よりも小さい。出力Q1およびQ2のそれぞれの出力電位は、各出力段の上方のトランジスタ、すなわちT1およびT2が、それぞれ、Q1およびQ2に高出力電位をもたらす、各出力段の下方のトランジスタ、すなわちT3およびT4よりも大きな電流を与えるように駆動されるかどうかに、または、上方ブランチのそれぞれのトランジスタが、それぞれ、Q1およびQ2に低出力電位をもたらす、下方ブランチのそれぞれのトランジスタよりも低い電流を与えるように駆動されるかどうかに依存する。両方の上方ブランチのトランジスタT1およびT2が、T5から同じゲート信号を受信するので、また、両方の下方ブランチのトランジスタT3およびT4が、T10から同じゲート信号を受信するので、さらに、それぞれ上方ブランチおよび下方ブランチにあるトランジスタに異なるチャンネル幅を持たせることによって、出力Q1およびQ2に対し異なる出力オフセットが得られるように、出力Q2に対するよりも、出力Q1が高電位になるためにより小さなINPとINN間の電位差を必要とする。
【0049】
図2bに示された増幅器A4は、2個の分割出力段から構成されているが、ツインインピーダンス手段4および終端インピーダンス手段2におけるインピーダンス素子の数に対応させて、2つ以上の出力段を設けることもできる。
【0050】
図2aの実施例において、参照番号OCは、オフセット回路を示す。このオフセット回路は、全く任意であり、増幅器A4の出力の異なるオフセットを与えるため、増幅器A4内の手段に加えて、またはその代わりに設けることができる。
【0051】
図2cは、図2aのオフセット回路OCの一実施例であって、その概略構成を示している。回路OCの概略構成から、この回路が「+」が付けられた非反転入力と「−」が付けられた基準入力を備えていることがわかる。その回路は、非反転入力における入力電圧を他方の入力における基準電圧と比較するように設計される。「+」における入力電圧が「−」における基準電圧よりも高い場合には、回路OCの出力は、高インピーダンス状態を取る。そうでない場合には、その出力は接地GNDまで低くされる。この図2cにおいて、CI4は定電流源を示す。T11からT14は、NMOSFETを示す。T15およびT16は、PMOSFETを示す。トランジスタT11およびT12のソースは、一緒に接続されると共に、定電流源CI4と接続されている。トランジスタT12のドレインは、トランジスタT16のドレインおよびゲートに接続されると共に、トランジスタT15のゲートに接続されている。トランジスタT14およびT15のドレインは、一緒に接続されると共に、トランジスタT14およびT13のゲートに接続されている。トランジスタT13のドレインは、増幅器A4の出力Q2と接続されている。一方、トランジスタT11のゲートは、増幅器A4の出力Q1と接続されている。トランジスタT12のゲートは、基準電圧Vref2を受ける。トランジスタT11のドレインおよびトランジスタT15およびT16のソースは、Vccと接続されている。トランジスタT13およびT14のソース、およびトランジスタT11およびT12と接続されていない定電流源CI4の端子は、接地GNDされている。
【0052】
図2cのオフセット回路OCは、増幅器A4の出力の異なるオフセットを実行させるのに適している。出力Q1における電位が基準電位Vref2よりも低い限り、CI4からの電流のほとんどは、トランジスタT12を通して流れ、電流ミラーT15、T16によってトランジスタT14に反映される。これは、出力Q2を低い状態に維持させるところのトランジスタT13をオンさせる。
【0053】
増幅器A4の出力Q1における電位が基準電位Vref2を超えた後だけ、出力Q2がその電位を上昇させることができるように、トランジスタT13はオフにされる。このことは、Q1がVref2よりも大きな場合、もはやトランジスタT15を介して流れる実質的電流がなくなるように、CI4からの実質的にすべての電流がトランジスタT11によって引き継がれるという事実によっている。その結果、トランジスタT14およびT13は、効果的にオフされる。
【0054】
図2aの任意のオフセット回路OCは、増幅器A4の出力段のそれぞれの異なるオフセットを担うようにされるか、または増幅器A4の出力の異なるオフセットを得るための手段に過ぎないことが理解されよう。すなわち、そのオフセット回路OCは、たとえ増幅器A4の出力自体がそのようなオフセット動作を示さない場合でも、それぞれのインピーダンス素子NZ1、NZ2、…および関連の終端インピーダンス素子におけるインピーダンス制御入力でのオフセツト動作を与えるのに適している。例えば、図2bのトランジスタT1およびT2が互いに実質的に異なっていなく、図2bのトランジスタT3およびT4が互いに実質的に異なっていない場合も、同様である。
【0055】
基準電圧Vref2は、VZ1における電位を高に維持するためにVZ2が低にされるよりも低い電位である。2つ以上のインピーダンス素子を個別に制御しようとする場合には、例えば図2dに示されているように、多数のオフセット回路をカスケード接続する。この図では、OC1およびOC2は、例えば図2cに示されるように実現されるオフセット回路を示す。R1、R2およびR3は、オフセット回路OC1およびOC2のそれぞれに対して基準電圧を与えるために、分圧器網を構成するように接続された抵抗を示す。詳細には、抵抗R1の一端は、正の電源電位Vccに接続されている。R1の他端は、抵抗R2の一端に、およびオフセット回路OC1の基準電圧入力に接続されている。抵抗R2の他端は、抵抗R3の一端に、およびOC2の基準電圧入力と接続されている。抵抗R3の他端は、接地GNDされている。
【0056】
インピーダンス制御信号VZ1を与える第1の出力Q1は、オフセット回路OC1およびOC2のそれぞれの正入力に接続されている。
【0057】
第2のオフセット回路OC2の出力は、増幅器A4の第2の出力と接続されている。一方、第1のオフセット回路OC1の出力は、増幅器A4の第3の出力と接続されている。
【0058】
抵抗R1からR3は、第1のオフセット回路OC1に印加される基準電圧が、増幅器A4の出力によって供給される最大出力電圧より僅かに低くなるように、および第2のオフセット回路OC2に印加される基準電圧が、OC1に印加される基準電圧より僅かに低くなるように、形成される。
【0059】
動作について説明する。電源電圧が動作範囲の下限から動作範囲の上限まで移動する場合を考えると、下限においては、VZ1が両方のオフセット回路OC1およびOC2に印加される基準電圧よりも高くなるように、すべてのインピーダンス素子が完全にオンになる。電源電圧が増大すると、VZ1がOC1に印加された基準電圧よりも降下するように、増幅器A4はインピーダンス制御電圧VZ1からVZ3を下げようとする。この結果、VZ1およびVZ2がVccに近い値に留まるように、インピーダンス制御信号VZ3がプルダウンされる。
【0060】
電源電圧がさらに増大した場合、電圧VZ1およびVZ2が減少し、最終的には第2のオフセット回路OC2に印可された基準電圧に達する。このオフセット回路は、そのとき、能動状態に留まっているインピーダンス素子のみがVZ1によって制御されるインピーダンス素子であるように、第2のインピーダンス制御信号VZ2をプルダウンする。
【0061】
図2eは、2つ以上の個々のインピーダンス制御信号VZ1からVZ3に対するオフセット回路の変形例を示している。この変形例によれば、第1のインピーダンス制御信号VZ1は、第1のオフセット回路OC1の正の入力に印可される。第1のオフセット回路の出力は、第2のオフセット回路OC2の正の入力に接続されると共に、第2のインピーダンス制御信号VZ2を与える増幅器A4の第2の出力に接続されている。第2のオフセット回路OC2の出力は、第3のインピーダンス制御信号VZ3を与える増幅器A4の第3の出力と接続されている。第1のオフセット回路OC1と第2のオフセット回路OC2の両方の負の入力は、例えば、抵抗R4とR5の形態の抵抗分圧器によって得られる基準電圧と接続されている。図2dの回路と同様に、図2eにおいても、オフセット回路OC1およびOC2は、例えば図2cに示されているように実現される。
【0062】
第1のオフセット回路OC1の出力もまた第2のオフセット回路OC2の正の入力に与えられるという事実によって、そのようなカスケード接続のオフセット回路においては、カスケードの最後のオフセット回路が、その関連インピーダンス制御信号を低下させる最初のものになる。電源電圧がさらに増大すると、他に習って、1つのインピーダンス制御信号が、能動状態に留まっているインピーダンス素子のみがVZ1によって制御されるインピーダンス素子になるまで、プルダウンされる。制御増幅器A4の増幅度に加わるカスケードの増幅度によって、この実施例においては、カスケードの段間にローパスデカップリング手段(図2eに示さず)を与える利点がある。
【0063】
図3は、例えば、ツイストペア型の伝送路等の対称伝送路TRを終端させるための終端インピーダンス手段の変形例を示す。対称伝送路は、入力バッファ回路1の反転入力に接続されると共に、非反転入力に接続される。入力バッファ回路1の入力のそれぞれに対して、それぞれ、多数の終端インピーダンス素子TZ1からTZ3およびTZ1’からTZ3’から成る分割終端インピーダンス手段2および2’が設けられる。各終端インピーダンス手段2および2’の個々の終端インピーダンス素子は、図に示されるように、個々のインピーダンス制御信号VZ1からVZ3を受ける。ツインインピーダンス手段4の動作と実質的に同一の、終端インピーダンス手段2および2’の動作が得られるように、トランジスタTZ1からTZ3は、それぞれ、関連のトランジスタNZ1からNZ3のツインになっている。同様に、トランジスタTZ1’からTZ3’は、それぞれ、関連のトランジスタNZ1’からNZ3’のツインになっている。
【0064】
図4は、図1または図2aのツインインピーダンス手段4の変形例を示し、その変形例は、同様に、終端インピーダンス手段に適している。図4の変形例によれば、各ツインインピーダンス素子は、直列に接続され、それらのゲートで同じインピーダンス制御信号を受信する4個または任意数のMOSFETトランジスタから成る。この種の変形例は、例えばツインインピーダンス素子での電力を節約するために、ツインインピーダンス素子および関連の終端インピーダンス素子の対応する電気的特性が同一ではないが、所定のそして既知の比率を取ることが望ましい場合には、適している。図4に表された実施例において、それぞれ同じゲート電圧を受ける直列接続の4個のMOSFETトランジスタから成るツインインピーダンス素子は、ツインインピーダンス素子において使用されるトランジスタが、対応する終端インピーダンス素子のトランジスタと同じ幾何学的形状を持つという仮定の下で、関連の終端インピーダンス素子のインピーダンスのおよそ4倍と思われる。
【0065】
図5は、上述の図1および図2の実施例におけるインピーダンス制御信号VZ1からVZ3の動作を説明するための線図である。この線図から、低動作電圧Vccに対しては、すべてのインピーダンス制御信号VZ1からVZ3が、電源電圧Vcc近くに保たれる。電源電圧が増大すると、他に習って、1つのツインインピーダンス素子およびその関連の終端インピーダンス素子が非能動化され、残りのインピーダンス素子はできるだけ多く線形動作領域に留まるように駆動される。
【0066】
図5の線図は、Rref=一定に対する動作を示す。曲線VZ1からVZ3のそれぞれが直線Vccの近傍を離れる位置は、設定目標インピーダンスに、すなわちRrefに依存する。Rrefが小さければ小さいほど、図5の線図におけるこれらの位置はより上方になる。
【0067】
当業者にとって、本発明が多くの異なる方法で実現され得ることは明らかである。従って、本発明の範囲は、上述の実施例に制限されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るラインレシーバ回路の第1の実施例の概略図である。
【図2a】 本発明に係るラインレシーバ回路の第2の実施例とその変形例を示す概略図である。
【図2b】 本発明に係るラインレシーバ回路の第2の実施例とその変形例を示す概略図である。
【図2c】 本発明に係るラインレシーバ回路の第2の実施例とその変形例を示す概略図である。
【図2d】 本発明に係るラインレシーバ回路の第2の実施例とその変形例を示す概略図である。
【図2e】 本発明に係るラインレシーバ回路の第2の実施例とその変形例を示す概略図である。
【図3】 終端インピーダンス手段の変形例を示す図である。
【図4】 終端インピーダンス手段の他の変形例を示す図である。
【図5】 図1および図2の実施例の動作を説明している特性図である。

Claims (11)

  1. 伝送路(TR)と接続するための入力(IN)および該伝送路を介して受信した信号に従ってデータ信号を与えるための出力(OUT)を有するバッファ部(1)と、
    上記伝送路(TR)の特性インピーダンスを終端させるため、上記バッファ部(1)の入力(IN)と接続された終端インピーダンス手段(2)であって、上記終端インピーダンス手段(2)が、終端インピーダンスを与えるために接続された、少なくとも2個の可変インピーダンス素子(TZ1からTZ3)から構成され、該各素子が、インピーダンス制御信号を受信するための個別のインピーダンス制御入力を有する上記終端インピーダンス手段(2)と、
    インピーダンス制御手段とから構成されたラインレシーバ回路であって、
    該インピーダンス制御手段が、
    ツインインピーダンスを与えるために接続された少なくとも2個の可変インピーダンス素子(NZ1からNZ3)から構成され、それぞれが個別のインピーダンス制御入力を有すると共に上記終端インピーダンス手段の対応するインピーダンス素子(TZ1からTZ3)の対応する電気的特性と所定の関係にある電気的特性を有する、ツインインピーダンス手段(4)と、
    上記ツインインピーダンスが目標値に近づくように上記可変インピーダンス素子(NZ1からNZ3)のそれぞれに対して個別の制御信号を発生するための制御信号発生手段(3)とを備え、上記制御信号発生手段(3)は、それぞれ対応する可変インピーダンス素子(NZ1からNZ3)に対する上記制御信号と所定の関係を持って、上記可変インピーダンス素子(TZ1からTZ3)のそれぞれに対してそれぞれのインピーダンス制御信号を与えるよう構成され、上記可変インピーダンス素子(TZ1からTZ3)のインピーダンス制御入力にそれぞれ与える上記インピーダンス制御信号(VZ1からVZ3)の間にオフセットを与えることにより、上記可変インピーダンス素子(TZ1からTZ3)が異なる動作電圧範囲で線形動作領域にあるようにすることを特徴とするラインレシーバ回路。
  2. 請求項1に記載のラインレシーバ回路において、個別の上記制御信号を発生するための上記制御信号発生手段(3)が、全体のツインインピーダンスに寄与する能動状態にある可変インピーダンス素子(NZ1からNZ3)の数を制御することによって、上記ツインインピーダンス手段(4)のインピーダンスを制御するようになっていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  3. 請求項1または2に記載のラインレシーバ回路において、
    上記制御信号発生手段(3)が、上記ツインインピーダンス手段(4)が上記目標インピーダンス値に近づくために、できるだけ多くの上記インピーダンス素子(NZ1からNZ3)が、上記ツインインピーダンス手段(4)のインピーダンスに実質的に寄与しないところの非能動状態になるように、上記制御信号(VZ1からVZ3)を与えるようになっていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  4. 請求項1、2または3に記載のラインレシーバ回路において、上記制御信号発生手段(3)が、複数個の制御回路(A1からA3)から構成され、
    上記制御回路のそれぞれ(A1、A2、A3)が、上記ツインインピーダンス手段(4)の関連の可変インピーダンス素子(NZ1、NZ2、NZ3)を制御するように接続されており、
    上記制御回路(A1からA3)のそれぞれの入力が、ツインインピーダンスの目標インピーダンス値(Rref)からの偏差に対応する誤差信号(ERR)を受信するように接続されており、
    上記制御回路が、ツインインピーダンスの目標インピーダンス値からの偏差を低減させるために、協働するように接続されていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  5. 請求項4に記載のラインレシーバ回路において、上記制御回路が複数の演算増幅器であって、
    上記演算増幅器の入力オフセット電圧が互いに異なっていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  6. 請求項2および3に記載のラインレシーバ回路において、
    上記制御信号発生手段(3)は、反転入力と非反転入力を有する入力段と、それぞれが上記入力段からの出力段制御信号を受信するように接続された、複数個の出力段と、から構成されている演算増幅器を備え、
    上記反転入力と非反転入力は、ツインインピーダンスの目標インピーダンス値(Rref)からの偏差に対応する誤差信号(ERR)を受信するように接続されており、
    上記出力段は、上記ツインインピーダンス手段(4)のそれぞれ関連の可変インピーダンス素子(NZ1、NZ2、NZ3)に対して、上記インピーダンス制御信号を与えるように接続され、
    上記制御信号発生手段(3)は、さらに上記インピーダンス制御信号間のオフセットを発生する手段を備えていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  7. 請求項6に記載のラインレシーバ回路において、上記出力段が異なる出力オフセットを有することを特徴とするラインレシーバ回路。
  8. 請求項6または7に記載のラインレシーバ回路において、上記オフセット発生手段が、上記出力段からのそれぞれの出力信号を受信するように接続されていると共に、
    上記出力段の第1の出力段によって与えられる第1の出力信号を、基準値(Vref2)と比較するための比較器と、
    上記第1の出力信号と上記基準値(Vref2)間の上記比較器による比較に従って、上記第1の出力段とは異なる第2の出力段によって与えられる第2の出力信号を抑制するための手段、
    を備えていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラインレシーバ回路において、
    基準抵抗(Rref)を通して電流(I1)を与えるための第1の電流源(CI1)と、
    上記ツインインピーダンス手段(NZ1からNZ3)を通して電流(I2)を与えるための第2の電流源(CI2)とを備え、
    上記第2の電流源(CI2)は、上記第1の電流源(CI1)によって発生された電流(I2)を、上記第1の電流源(CI1)によって発生された電流と所定の比例関係にあるように反映するよう接続されており、
    上記インピーダンス制御信号発生手段(3)は、上記基準抵抗(Rref)にかかる電圧降下に対応する信号と、上記ツインインピーダンス手段にかかる電圧降下に対応する信号を受信するように接続されていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  10. 請求項9に記載のラインレシーバ回路において、
    上記基準抵抗にかかる電圧降下が所定の電圧Vrefに制御されるように、上記第1の電流源(CI1)が接続されていることを特徴とするラインレシーバ回路。
  11. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のラインレシーバ回路において、
    上記可変インピーダンス素子が複数個のMOSFETであることを特徴とするラインレシーバ回路。
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