JP4259708B2 - Manufacturing method of SOI substrate - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、絶縁層上にシリコン層を形成したSOI(Silicon-On-Insulator)基板の製造方法に関する。更に詳しくはSIMOX(Separation by IMplanted Oxygen)技術によるSOI基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
SOI基板の製造方法の1つにSIMOX法が知られている。SIMOX法では、シリコンウェーハの表面から酸素イオンを注入した後、アニール処理することによりウェーハ表面から所定の深さの領域に埋込みシリコン酸化層を形成することにより、埋込みシリコン酸化層上に単結晶シリコン層(以下、SOI層という。)を有するSOI基板を得ている。
上記酸素イオン注入されるシリコンウェーハは、チョクラルスキー(以下、CZという。)法により作られたウェーハであって、通常結晶に起因したパーティクル(Crystal Originated Particle、以下、COPという。)が存在する。このCOPは、鏡面研磨後のシリコンウェーハをアンモニアと過酸化水素の混合液で洗浄したときにウェーハ表面に出現する結晶に起因したピットである。このウェーハをパーティクルカウンタで測定すると、このピットも本来のパーティクルとともに光散乱欠陥として検出される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このようなCOPの存在するCZシリコンウェーハを用いてSOI基板を製造した場合には、HF欠陥密度が増大する。HF欠陥とは、SOI基板をHF処理する際に埋込み酸化膜が局所的に浸食されるものを指し、通常、HF処理後のエッチングピットとして視認される。デバイス工程では基板に対するHF処理が一般的に不可欠であるが、本来、埋込み酸化膜はその名称が示す如く端部を除き基板表面に露呈しないため、埋込み酸化膜自身はHFに接することなく即ち何らの影響も受けない。しかしながら例えば、基板表面に開口し且つ埋込み酸化膜に達する孔(例えばCOP)が存在するとき、これよりHFが流入し埋込み酸化膜を浸食するため、この部位に形成された素子に不具合を生じさせる。
【0004】
この点を改善するために、薄膜のエピタキシャル層を積層したシリコンウェーハを用いてこのエピタキシャル層の表面から酸素イオンを注入してSOI基板を製造することが提案されているが、この方法ではエピタキシャル層を形成するための工程数が増えて煩雑化するとともにSOI基板のコストを押上げ、SOI基板の商業的な量産に適さない。
【0005】
本発明の目的は、HF欠陥密度が小さいSOI基板を工程数を増やさずに量産することができる製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、図1に示すように、シリコンウェーハ11の表面から酸素イオンを注入した後、このシリコンウェーハ11をアニール処理してウェーハ表面から所定の深さに埋込みシリコン酸化層12を形成するSOI基板10の製造方法において、シリコンウェーハ11がインゴットの引上げ速度をV、ホットゾーン構造でインゴット−シリコン融液の接触面の温度勾配をGとするとき、温度勾配Gに対する引上げ速度Vの比(V/G)を格子間シリコン型点欠陥の凝集体の発生を防止する第1臨界比((V/G)1)以上、空孔型点欠陥の凝集体をインゴットの中央にある空孔型点欠陥が支配的に存在する領域内に制限する第2臨界比((V/G)2)以下に維持されるようにホットゾーン炉内のシリコン溶融物からインゴットを引上げ、このインゴットからスライスされた中央に空孔型点欠陥の凝集体もなく、かつ縁部分に格子間シリコン型点欠陥の凝集体もないウェーハであ、シリコンウェーハ11が点欠陥の凝集体の検出下限値を1×103個/cm3とするとき、点欠陥の凝集体の数が上記検出下限値以下であり、かつ、アニール処理を1350℃、4時間にすることにより、HF欠陥密度が0.1個/cm 2 のSOI基板を工程数を増やさずに量産することを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、点欠陥の凝集体が殆ど存在しないため、COPに起因したSOI層のHF欠陥密度を低減することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のシリコンウェーハは、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からインゴットをボロンコフ(Voronkov)の理論に基づいた所定の引上げ速度プロファイルで引上げた後、このインゴットをスライスして作製される。
一般的に、CZ法によりホットゾーン炉内のシリコン融液からシリコン単結晶のインゴットを引上げたときには、シリコン単結晶における欠陥として、点欠陥(point defect)と点欠陥の凝集体(agglomerates:三次元欠陥)が発生する。点欠陥は空孔型点欠陥と格子間シリコン型点欠陥という二つの一般的な形態がある。空孔型点欠陥は一つのシリコン原子がシリコン結晶格子で正常的な位置の一つから離脱したものである。このような空孔が空孔型点欠陥になる。一方、原子がシリコン結晶の格子点以外の位置(インタースチシャルサイト)で発見されるとこれが格子間シリコン点欠陥になる。
【0008】
点欠陥は一般的にシリコン融液(溶融シリコン)とインゴット(固状シリコン)の間の接触面で形成される。しかし、インゴットを継続的に引上げることによって接触面であった部分は引上げとともに冷却し始める。冷却の間、空孔型点欠陥又は格子間シリコン型点欠陥は拡散により互いに合併して、空孔型点欠陥の凝集体(vacancy agglomerates)又は格子間シリコン型点欠陥の凝集体(interstitial agglomerates)が形成される。言い換えれば、凝集体は点欠陥の合併に起因して発生する三次元構造である。
【0009】
空孔型点欠陥の凝集体は前述したCOPの他に、LSTD(Laser Scattering Tomograph Defects)又はFPD(Flow Pattern Defects)と呼ばれる欠陥を含み、格子間シリコン型点欠陥の凝集体は侵入型転位(Interstitial-type Large Dislocation、以下、LDという。)呼ばれる欠陥を含む。FPDとは、インゴットをスライスして作製されたシリコンウェーハを30分間セコ(Secco)エッチング液で化学エッチングしたときに現れる特異なフローパターンを呈する痕跡の源であり、LSTDとは、シリコン単結晶内に赤外線を照射したときにシリコンとは異なる屈折率を有し散乱光を発生する源である。更にLDは、転位クラスタとも呼ばれたり、或いはこの欠陥を生じたシリコンウェーハをフッ酸を主成分とする選択エッチング液に浸漬するとピットを生じることから転位ピットとも呼ばれる。
【0010】
ボロンコフの理論は、欠陥の数が少ない高純度インゴットを成長させるために、インゴットの引上げ速度をV(mm/分)、ホットゾーン構造でインゴット−シリコン融液の接触面の温度勾配をG(℃/mm)とするときに、V/G(mm2/分・℃)を制御することである。この理論では、図2に示すように、V/Gをよこ軸にとり、空孔型点欠陥濃度と格子間シリコン型点欠陥濃度を同一のたて軸にとって、V/Gと点欠陥濃度との関係を図式的に表現し、空孔領域と格子間シリコン領域の境界がV/Gによって決定されることを説明している。より詳しくは、V/G比が臨界点以上では空孔型点欠陥濃度が上昇したインゴットが形成される反面、V/G比が臨界点以下では格子間シリコン型点欠陥濃度が上昇したインゴットが形成される。図2において、[I]は格子間シリコン型点欠陥が支配的であって、格子間シリコン型点欠陥が存在する領域((V/G)1以下)を示し、[V]はインゴット内での空孔型点欠陥が支配的であって、空孔型点欠陥の凝集体が存在する領域((V/G)2以上)を示し、[P]は空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域((V/G)1〜(V/G)2)を示す。領域[P]に隣接する領域[V]にはOSF核を形成する領域((V/G)2〜(V/G)3)が存在する。ここでOSFは酸化誘起積層欠陥(Oxidation Induced Stacking Fault)を意味し、結晶成長時にそのOSF核となる酸素析出物の微小欠陥が導入され、半導体デバイスを製造する際の熱酸化工程等で顕在化し、作製したデバイスのリーク電流の増加等の不良原因になる。
【0011】
本発明の所定の引上げ速度プロファイルは、インゴットがホットゾーン炉内のシリコン溶融物から引上げられる時、温度勾配に対する引上げ速度の比(V/G)が格子間シリコン型点欠陥の凝集体の発生を防止する第1臨界比((V/G)1)以上であって、空孔型点欠陥の凝集体をインゴットの中央にある空孔型点欠陥が支配的に存在する領域内に制限する第2臨界比((V/G)2)以下に維持されるように決められる。
【0012】
この引上げ速度のプロファイルは、実験的に基準インゴットを軸方向にスライスすることで、又はこれらの技術を組合わせることで、シミュレーションによって上記ボロンコフの理論に基づき決定される。即ち、この決定は、シミュレーションの後、インゴットの軸方向スライス及びスライスされたウェーハの確認を行い、更にシミュレーションを繰り返すことによりなされる。シミュレーションのために複数種類の引上げ速度が所定の範囲で決められ、複数個の基準インゴットが成長される。図3に示すように、シミュレーションのための引上げ速度プロファイルは1.2mm/分のような高い引上げ速度(a)から0.5mm/分の低い引上げ速度(c)及び再び高い引上げ速度(d)に調整される。上記低い引上げ速度は0.4mm/分又はそれ以下であることもあってもよく、引上げ速度(b)及び(d)での変化は線形的なものが望ましい。
【0013】
異なった速度で引上げられ複数個の基準インゴットは各別に軸方向にスライスされる。最適のV/Gが軸方向のスライス、ウェーハの確認及びシミュレーションの結果の相関関係から決定され、続いて最適な引上げ速度プロファイルが決定され、そのプロファイルでインゴットが製造される。実際の引上げ速度プロファイルは所望のインゴットの直径、使用される特定のホットゾーン炉及びシリコン融液の品質等を含めてこれに限定されない多くの変数に依存する。
【0014】
引上げ速度を徐々に低下させてV/Gを連続的に低下させたときのインゴットの断面図を描いてみると、図4に示される事実が分かる。図4には、インゴット内での空孔型点欠陥が支配的に存在する領域が[V]、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域が[I]、及び空孔型点欠陥の凝集体及び格子間シリコン型点欠陥の凝集体が存在しないパーフェクト領域が[P]としてそれぞれ示される。図4に示すように、インゴットの軸方向位置P1は、中央に空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。位置P3は格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング領域及び中央のパーフェクト領域を含む。また位置P2は、本発明に関連する中央に空孔型点欠陥の凝集体もなく、縁部分に格子間シリコン型点欠陥の凝集体もないので全てパーフェクト領域である。
【0015】
図4から明らかなように、位置P1に対応したウェーハW1は、中央に空孔型点欠陥が支配的に存在する領域を含む。位置P3に対応したウェーハW3は、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在するリング及び中央のパーフェクト領域を含む。また位置P2に対応したウェーハW2は、本発明に係るウェーハであって、中央に空孔型点欠陥の凝集体もないし、縁部分に格子間シリコン型点欠陥の凝集体もないので全てパーフェクト領域である。この空孔型点欠陥が支配的に存在する領域のパーフェクト領域に接する僅かな領域(図2の(V/G)2〜(V/G)3)は、ウェーハ面内でCOPもLDも発生していない領域である。しかしこのシリコンウェーハW1に対して、従来のOSF顕在化熱処理に従った、酸素雰囲気下、1000℃±30℃の温度で2〜5時間熱処理し、引続き1130℃±30℃の温度で1〜16時間熱処理すると、OSFを生じる。図5に示すように、ウェーハW1ではウェーハの半径の1/2付近にOSFリングが発生する。このOSFリングで囲まれた空孔型点欠陥が支配的に存在する領域はCOPが出現する傾向がある。
【0016】
なお、COPやLDなどの点欠陥の凝集体は検出方法によって検出感度、検出下限値が異なる値を示すことがあるため、本明細書においては、鏡面加工されたシリコン単結晶を無攪拌エッチングを施した後に光学顕微鏡により、観察面積とエッチング取り代との積を検査体積として観察するとき、フローパターン(空孔型欠陥)及び転位クラスタ(格子間シリコン型点欠陥)の各凝集体が1×10-3cm3の検査体積に対して1個欠陥が検出された場合を検出下限値(1×103個/cm3)とする。
【0017】
本発明のSIMOX法では、点欠陥の凝集体の数がこの検出下限値以下である上述したウェーハW2を用いる。図1に示すようにこの方法では、500〜650℃に加熱されたシリコンウェーハ11の表面から所定の領域に酸素イオンを加速電圧50〜200keV、ドーズ量(注入量)2×1017〜2×1018/cm2程度で注入する(図1(a))。次いで1300℃以上の高温でArとO2又はN2とO2の混合ガス雰囲気中、5時間程度アニール処理を行い、所定の領域に注入された酸素とシリコンとの反応により埋込みシリコン酸化層12を形成する(図1(b))。ウェーハW2は点欠陥の凝集体の数が検出下限値以下の極めて良質なウェーハであるため、上記方法によりウェーハ表面にSOI層13とウェーハ内部の埋込みシリコン酸化層12からなるSOI基板10を作製したときに、HF欠陥密度が極めて小さいSOI層が得られる。
【0018】
【実施例】
次に本発明の実施例を比較例とともに説明する。
<実施例1>
原料の多結晶シリコンを融解したシリコン融液からインゴット全長が図4に示した位置P2に対応する領域であって、図2に示したV/Gが(V/G)1以上(V/G)2以下の領域に入るように、インゴットを引上げた。引上げられたインゴットからスライスされたシリコンウェーハをラッピングし、面取り加工を施した後、化学エッチング処理によりウェーハ表面のダメージを除去して厚さ625μmの鏡面シリコンウェーハを得た。
図1(a)に示すように、このシリコンウェーハ11を500〜650℃に加熱し、この状態でウェーハ11の所定の領域(例えば、基板表面から約0.47μmの領域)に次の条件で酸素イオン(O+)を注入した。
加速電圧: 190keV
ビーム電流: 50mA
ドーズ量: 1.6×1018/cm2
イオン注入後に、図1(b)に示すように、ウェーハ11をArとO2の混合ガス雰囲気中で1350℃、4時間アニール処理を行って、上記所定の領域を埋込シリコン酸化層12に変え、SOI基板10を得た。13はSOI層である。
【0019】
<比較例1>
原料の多結晶シリコンを融解したシリコン融液からインゴット全長が図4に示した位置P1に対応する領域であって、図2に示したV/Gが(V/G)2以上の領域に入るように、インゴットを引上げた。引上げられたインゴットからスライスされたシリコンウェーハをラッピングし、面取り加工を施した後、化学エッチング処理によりウェーハ表面のダメージを除去して厚さ625μmの鏡面シリコンウェーハを得た。
このシリコンウェーハを実施例1と同様にしてSOI基板を得た。
【0020】
<比較評価>
実施例1及び比較例1の各SOI基板についてSOI層におけるHF欠陥密度を次の方法により測定した。即ち、各SOI基板から採取したサンプルを50%HFに10分間浸漬した後、引上げ、欠陥に起因したエッチングピットを光学顕微鏡により観察し、その密度を求めた。その結果、比較例1が0.3個/cm2であったのに対して、実施例1では0.1個/cm2であり、実施例1のSOI層の欠陥に起因するエッチングピットの密度が極めて少ないことが判る。
【0021】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、シリコンウェーハは点欠陥の凝集体が殆ど存在しないため、SOI基板のSOI層のHF欠陥密度を小さくすることができる。また従来の薄膜エピタキシャル層を積層したシリコンウェーハから作られたSOI基板と比較して工程数を増やさずにSOI基板を量産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のSOI基板の製造方法を示す部分断面図。
【図2】ボロンコフの理論を基づいた、V/G比が臨界点以上では空孔型点欠陥が優勢なインゴットが形成され、V/G比が臨界点以下では格子間シリコン型欠陥が優勢なインゴットが形成されることを示す図。
【図3】所望の引上げ速度プロファイルを決定するための引上げ速度の変化を示す特性図。
【図4】本発明による基準インゴットの空孔型点欠陥が支配的に存在する領域、格子間シリコン型点欠陥が支配的に存在する領域及びパーフェクト領域を示すX線トポグラフィの概略図。
【図5】図4の位置P1に対応するシリコンウェーハW1にOSFリングが出現する状況を示す図。
【符号の説明】
10 SOI基板
11 シリコンウェーハ
12 埋込みシリコン酸化層
13 SOI層
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing an SOI (Silicon-On-Insulator) substrate in which a silicon layer is formed on an insulating layer. More specifically, the present invention relates to a method for manufacturing an SOI substrate using SIMOX (Separation by IMplanted Oxygen) technology.
[0002]
[Prior art]
The SIMOX method is known as one of methods for manufacturing an SOI substrate. In the SIMOX method, after implanting oxygen ions from the surface of a silicon wafer, an annealing process is performed to form a buried silicon oxide layer in a region at a predetermined depth from the wafer surface, so that single crystal silicon is formed on the buried silicon oxide layer. An SOI substrate having a layer (hereinafter referred to as an SOI layer) is obtained.
The silicon wafer into which oxygen ions are implanted is a wafer made by the Czochralski (hereinafter referred to as CZ) method, and there are usually particles originating from crystals (Crystal Originated Particles, hereinafter referred to as COP). . This COP is a pit caused by crystals that appear on the wafer surface when the silicon wafer after mirror polishing is washed with a mixed solution of ammonia and hydrogen peroxide. When this wafer is measured with a particle counter, this pit is also detected as a light scattering defect together with the original particles.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
When an SOI substrate is manufactured using a CZ silicon wafer in which such a COP exists, the HF defect density increases. The HF defect means that the buried oxide film is locally eroded when the SOI substrate is subjected to HF processing, and is usually visually recognized as an etching pit after the HF processing. In the device process, the HF treatment for the substrate is generally indispensable. However, since the buried oxide film is not exposed to the substrate surface except for the end portion as the name indicates, the buried oxide film itself does not come into contact with the HF, that is, at all. It is not affected by. However, for example, when there is a hole (for example, COP) that opens on the surface of the substrate and reaches the buried oxide film, HF flows in from this and erodes the buried oxide film, causing a defect in the element formed at this portion. .
[0004]
In order to improve this point, it has been proposed to manufacture an SOI substrate by implanting oxygen ions from the surface of the epitaxial layer using a silicon wafer in which thin epitaxial layers are stacked. This increases the number of steps for forming the substrate and increases the cost of the SOI substrate, which is not suitable for commercial mass production of the SOI substrate.
[0005]
An object of the present invention is to provide a manufacturing method capable of mass-producing an SOI substrate having a small HF defect density without increasing the number of steps.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In the invention according to claim 1, as shown in FIG. 1, after implanting oxygen ions from the surface of the silicon wafer 11, the silicon wafer 11 is annealed to be buried to a predetermined depth from the wafer surface. In the method of manufacturing the SOI substrate 10 for forming the silicon substrate 11, when the silicon wafer 11 has an ingot pulling rate V and the temperature gradient of the contact surface of the ingot-silicon melt is G in a hot zone structure, the pulling rate V with respect to the temperature gradient G The ratio of V (G / G) is equal to or higher than the first critical ratio ((V / G) 1 ) for preventing the generation of interstitial silicon type point defect aggregates. Pull the ingot from the silicon melt in the hot zone furnace so that it is maintained below the second critical ratio ((V / G) 2 ), which limits it to the region where vacant point defects are dominant Under Agglomerate vacancy type point defects sliced central from the ingot without any, and Ri Oh the wafer no agglomerate of interstitial silicon type point defects in the edge portion, aggregates of the silicon wafer 11 is the point defect when the detection limit as 1 × 10 3 cells / cm 3, Ri number der following the detection limit of the aggregate of point defects, and the annealing 1350 ° C., by the 4 h, HF It is characterized in that an SOI substrate having a defect density of 0.1 / cm 2 is mass-produced without increasing the number of processes .
According to the first aspect of the present invention, since there are almost no point defect aggregates, the HF defect density of the SOI layer caused by COP can be reduced.
[0007]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The silicon wafer of the present invention is produced by slicing an ingot from a silicon melt in a hot zone furnace with a predetermined pulling speed profile based on Boronkov theory by the CZ method.
In general, when a silicon single crystal ingot is pulled from a silicon melt in a hot zone furnace by the CZ method, point defects and agglomerates (agglomerates: three-dimensional) Defect) occurs. There are two general forms of point defects: vacancy-type point defects and interstitial silicon-type point defects. A vacancy-type point defect is one in which one silicon atom leaves one of the normal positions in the silicon crystal lattice. Such holes become hole-type point defects. On the other hand, when an atom is found at a position (interstitial site) other than the lattice point of the silicon crystal, this becomes an interstitial silicon point defect.
[0008]
Point defects are generally formed at the contact surface between a silicon melt (molten silicon) and an ingot (solid silicon). However, by continuously pulling up the ingot, the portion that was the contact surface begins to cool as it is pulled up. During cooling, vacancy point defects or interstitial silicon point defects merge with each other by diffusion to form vacancy agglomerates or interstitial agglomerates. Is formed. In other words, the aggregate is a three-dimensional structure generated due to the merge of point defects.
[0009]
Agglomerates of vacancy-type point defects include defects called LSTD (Laser Scattering Tomograph Defects) or FPD (Flow Pattern Defects) in addition to the above-mentioned COP. Interstitial silicon-type point defect aggregates are interstitial dislocations ( Interstitial-type Large Dislocation (hereinafter referred to as LD)). FPD is a source of traces that show a unique flow pattern that appears when a silicon wafer produced by slicing an ingot is chemically etched with a Secco etchant for 30 minutes. This is a source having a refractive index different from that of silicon when irradiated with infrared rays. Furthermore, LD is also called a dislocation cluster, or a pit is formed when a silicon wafer having such a defect is immersed in a selective etching solution containing hydrofluoric acid as a main component.
[0010]
Boronkov's theory is that in order to grow a high-purity ingot with a small number of defects, the ingot pulling speed is V (mm / min), and the temperature gradient at the contact surface of the ingot-silicon melt is G (° C. in a hot zone structure. / Mm), V / G (mm 2 / min · ° C.) is controlled. In this theory, as shown in FIG. 2, V / G is taken as the horizontal axis, and the vacancy-type point defect concentration and the interstitial silicon type point defect concentration are set to the same vertical axis. The relationship is represented schematically, and it is explained that the boundary between the void region and the interstitial silicon region is determined by V / G. More specifically, an ingot having an increased vacancy point defect concentration is formed when the V / G ratio is higher than the critical point, whereas an ingot having an increased interstitial silicon point defect concentration is formed when the V / G ratio is lower than the critical point. It is formed. In FIG. 2, [I] indicates a region where the interstitial silicon type point defect is dominant and an interstitial silicon type point defect exists ((V / G) 1 or less), and [V] is in the ingot. The vacancy-type point defect is dominant and indicates a region ((V / G) 2 or more) where the vacancy-type point defect aggregate exists, [P] A perfect region ((V / G) 1 to (V / G) 2 ) in which an aggregate of interstitial silicon type point defects does not exist is shown. In the region [V] adjacent to the region [P], there are regions ((V / G) 2 to (V / G) 3 ) that form OSF nuclei. Here, OSF means an oxidation induced stacking fault (Oxidation Induced Stacking Fault). Oxygen precipitate micro-defects that become OSF nuclei are introduced during crystal growth, and are manifested in a thermal oxidation process when manufacturing semiconductor devices. This causes a defect such as an increase in leakage current of the manufactured device.
[0011]
The predetermined pulling rate profile of the present invention shows that when the ingot is pulled from the silicon melt in the hot zone furnace, the ratio of the pulling rate to the temperature gradient (V / G) indicates the formation of agglomerates of interstitial silicon type point defects. The first critical ratio to be prevented ((V / G) 1 ) or higher, and the agglomeration of vacancy-type point defects is limited to a region where the vacancy-type point defects in the center of the ingot are dominantly present. It is determined so as to be maintained below the two critical ratio ((V / G) 2 ).
[0012]
The pulling speed profile is determined based on the above-mentioned Boronkov theory by simulation by slicing a reference ingot in the axial direction experimentally or by combining these techniques. That is, this determination is made by checking the axial slice of the ingot and the sliced wafer after the simulation, and further repeating the simulation. For the simulation, a plurality of types of pulling speeds are determined within a predetermined range, and a plurality of reference ingots are grown. As shown in FIG. 3, the pulling speed profile for the simulation is from a high pulling speed (a) such as 1.2 mm / min to a low pulling speed (c) of 0.5 mm / min and again a high pulling speed (d). Adjusted to The low pulling speed may be 0.4 mm / min or less, and the change in pulling speeds (b) and (d) is preferably linear.
[0013]
A plurality of reference ingots, pulled at different speeds, are each sliced axially. The optimal V / G is determined from the correlation between the axial slice, wafer verification and simulation results, and then the optimal pulling speed profile is determined and the ingot is manufactured with that profile. The actual pull rate profile will depend on many variables including, but not limited to, the desired ingot diameter, the particular hot zone furnace used and the quality of the silicon melt.
[0014]
Drawing the cross-sectional view of the ingot when the pulling speed is gradually reduced and V / G is continuously reduced, the fact shown in FIG. 4 can be seen. FIG. 4 shows a region [V] in which vacancy-type point defects exist predominantly in the ingot, [I], a region in which interstitial silicon-type point defects dominate, and vacancy-type point defects. A perfect region where no agglomerates and no agglomerates of interstitial silicon type point defects exist is indicated as [P]. As shown in FIG. 4, the axial position P 1 of the ingot includes a region where a hole-type point defect is dominantly present at the center. The position P 3 includes a ring region in which an interstitial silicon type point defect exists dominantly and a perfect region in the center. Further, the position P 2 is a perfect region because there is no aggregate of void type point defects in the center related to the present invention and no aggregate of interstitial silicon type point defects in the edge portion.
[0015]
As is apparent from FIG. 4, the wafer W 1 corresponding to the position P 1 includes a region where a vacancy-type point defect exists predominantly in the center. The wafer W 3 corresponding to the position P 3 includes a ring in which interstitial silicon type point defects exist predominantly and a central perfect region. Further, the wafer W 2 corresponding to the position P 2 is a wafer according to the present invention, and there is no agglomeration of vacancy type point defects in the center and no agglomeration of interstitial silicon type point defects at the edge part. Perfect area. A slight region ((V / G) 2 to (V / G) 3 in FIG. 2) in contact with the perfect region of the region where the vacancy-type point defects exist dominantly generates COP and LD within the wafer surface. It is an area that is not. However, this silicon wafer W 1 was heat-treated at a temperature of 1000 ° C. ± 30 ° C. for 2 to 5 hours in an oxygen atmosphere according to the conventional OSF clarification heat treatment, and subsequently 1 to 1130 ° C. ± 30 ° C. Heat treatment for 16 hours produces OSF. As shown in FIG. 5, in the wafer W 1 , an OSF ring is generated in the vicinity of ½ of the wafer radius. COP tends to appear in the region where the vacancy-type point defects surrounded by the OSF ring are dominant.
[0016]
In addition, since agglomerates of point defects such as COP and LD may show different values in detection sensitivity and detection lower limit depending on the detection method, in this specification, mirror-finished silicon single crystals are etched without stirring. When the product of the observation area and the etching allowance is observed as an inspection volume with an optical microscope after application, each aggregate of flow pattern (vacancy type defects) and dislocation clusters (interstitial silicon type point defects) is 1 × The case where one defect is detected for an inspection volume of 10 −3 cm 3 is defined as a detection lower limit (1 × 10 3 / cm 3 ).
[0017]
In the SIMOX method of the present invention, the above-described wafer W 2 in which the number of point defect aggregates is equal to or less than the detection lower limit value is used. As shown in FIG. 1, in this method, oxygen ions are applied to a predetermined region from the surface of the silicon wafer 11 heated to 500 to 650 ° C., an acceleration voltage of 50 to 200 keV, and a dose (implantation amount) of 2 × 10 17 to 2 ×. Implantation is performed at about 10 18 / cm 2 (FIG. 1A). Next, annealing is performed for about 5 hours in a mixed gas atmosphere of Ar and O 2 or N 2 and O 2 at a high temperature of 1300 ° C. or higher, and the buried silicon oxide layer 12 is reacted by the reaction between oxygen and silicon implanted in a predetermined region. Is formed (FIG. 1B). Since the wafer W 2 is an extremely high quality wafer having the number of point defect aggregates below the detection lower limit, the SOI substrate 10 comprising the SOI layer 13 and the embedded silicon oxide layer 12 inside the wafer is produced by the above method. As a result, an SOI layer having a very low HF defect density can be obtained.
[0018]
【Example】
Next, examples of the present invention will be described together with comparative examples.
<Example 1>
4 is a region corresponding to the position P 2 shown in FIG. 4 from the silicon melt obtained by melting the raw material polycrystalline silicon, and V / G shown in FIG. 2 is (V / G) 1 or more (V / G G) Raised the ingot so that it entered the area below 2 . The silicon wafer sliced from the pulled ingot was lapped and chamfered, and then the wafer surface damage was removed by chemical etching to obtain a mirror silicon wafer having a thickness of 625 μm.
As shown in FIG. 1A, this silicon wafer 11 is heated to 500 to 650 ° C., and in this state, a predetermined region of the wafer 11 (for example, a region of about 0.47 μm from the substrate surface) is subjected to the following conditions. Oxygen ions (O + ) were implanted.
Accelerating voltage: 190 keV
Beam current: 50 mA
Dose amount: 1.6 × 10 18 / cm 2
After the ion implantation, the wafer 11 is annealed at 1350 ° C. for 4 hours in a mixed gas atmosphere of Ar and O 2 as shown in FIG. In other words, an SOI substrate 10 was obtained. Reference numeral 13 denotes an SOI layer.
[0019]
<Comparative Example 1>
In the region where the ingot total length corresponds to the position P 1 shown in FIG. 4 from the silicon melt obtained by melting the raw material polycrystalline silicon, the V / G shown in FIG. 2 is in the region where (V / G) 2 or more. Raised the ingot to enter. The silicon wafer sliced from the pulled ingot was lapped and chamfered, and then the wafer surface damage was removed by chemical etching to obtain a mirror silicon wafer having a thickness of 625 μm.
An SOI substrate was obtained from this silicon wafer in the same manner as in Example 1.
[0020]
<Comparison evaluation>
For each of the SOI substrates of Example 1 and Comparative Example 1, the HF defect density in the SOI layer was measured by the following method. That is, samples collected from each SOI substrate were immersed in 50% HF for 10 minutes, then pulled up, and etching pits caused by defects were observed with an optical microscope, and the density was determined. As a result, it was 0.3 pieces / cm 2 in Comparative Example 1, whereas it was 0.1 pieces / cm 2 in Example 1, and etching pits caused by defects in the SOI layer of Example 1 It can be seen that the density is extremely low.
[0021]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since the silicon wafer has almost no agglomerates of point defects, the HF defect density of the SOI layer of the SOI substrate can be reduced. In addition, the SOI substrate can be mass-produced without increasing the number of steps as compared with an SOI substrate made from a silicon wafer on which conventional thin film epitaxial layers are stacked.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view illustrating a method for manufacturing an SOI substrate according to the present invention.
FIG. 2 Based on Boronkov's theory, an ingot in which vacancy-type point defects predominate is formed when the V / G ratio is higher than the critical point, and interstitial silicon type defects predominate when the V / G ratio is lower than the critical point. The figure which shows that an ingot is formed.
FIG. 3 is a characteristic diagram showing a change in pulling speed for determining a desired pulling speed profile.
FIG. 4 is a schematic view of an X-ray topography showing a region where a vacancy type point defect exists predominantly, a region where an interstitial silicon type point defect exists predominantly, and a perfect region of the reference ingot according to the present invention.
5 is a view showing a situation in which an OSF ring appears on a silicon wafer W 1 corresponding to a position P 1 in FIG. 4;
[Explanation of symbols]
10 SOI substrate 11 Silicon wafer 12 Embedded silicon oxide layer 13 SOI layer

Claims (1)

シリコンウェーハ(11)の表面から酸素イオンを注入した後、前記シリコンウェーハ(11)をアニール処理して前記ウェーハ表面から所定の深さに埋込みシリコン酸化層(12)を形成するSOI基板の製造方法において、
前記シリコンウェーハ(11)がインゴットの引上げ速度をV、ホットゾーン構造でインゴット−シリコン融液の接触面の温度勾配をGとするとき、前記温度勾配Gに対する前記引上げ速度Vの比(V/G)を格子間シリコン型点欠陥の凝集体の発生を防止する第1臨界比((V/G)1)以上、空孔型点欠陥の凝集体をインゴットの中央にある空孔型点欠陥が支配的に存在する領域内に制限する第2臨界比((V/G)2)以下に維持されるようにホットゾーン炉内のシリコン溶融物からインゴットを引上げ、このインゴットからスライスされた中央に空孔型点欠陥の凝集体もなく、かつ縁部分に格子間シリコン型点欠陥の凝集体もないウェーハであ
前記シリコンウェーハ(11)が点欠陥の凝集体の検出下限値を1×103個/cm3とするとき、前記点欠陥の凝集体の数が前記検出下限値以下であり、かつ、前記アニール処理を1350℃、4時間にすることにより、HF欠陥密度が0.1個/cm 2 のSOI基板を工程数を増やさずに量産することを特徴とするSOI基板の製造方法。
A method for manufacturing an SOI substrate in which oxygen ions are implanted from the surface of a silicon wafer (11), and then the silicon wafer (11) is annealed to form a buried silicon oxide layer (12) at a predetermined depth from the wafer surface. In
When the silicon wafer 11 has an ingot pulling speed V and the temperature gradient of the contact surface of the ingot-silicon melt is G in a hot zone structure, the ratio of the pulling speed V to the temperature gradient G (V / G ) Is more than the first critical ratio ((V / G) 1 ) to prevent the formation of interstitial silicon type point defect aggregates, and the hole type point defect aggregates are in the center of the ingot. The ingot is pulled from the silicon melt in the hot zone furnace so that it is maintained below the second critical ratio ((V / G) 2 ), which limits it to the dominant region, and is sliced from the ingot to the center. agglomerate of vacancy type point defects without and Ri Oh the wafer no agglomerate of interstitial silicon type point defects in the edge portion,
When the silicon wafer (11) to the detection limit of the aggregate of point defects and 1 × 10 3 cells / cm 3, Ri numbers the detection limit der following aggregates of the point defects, and, the A method for manufacturing an SOI substrate, characterized by mass-producing SOI substrates having an HF defect density of 0.1 / cm 2 without increasing the number of steps by annealing at 1350 ° C. for 4 hours .
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