JP4258576B2 - パチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置に係り、更に詳しくは、遊技機に現出される特別ゲーム等を照明報知し得るようにした照明表示装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
この種の遊技機に代表されるパチンコ機やアレンジボール機では、パチンコゲーム上での電飾的効果を図り、特別ゲーム等の成立を照明表示報知するための手段として、一般的にランプ部品又は照明ランプ具とも呼ばれている照明装置が多く利用され、主な対象設置部として、前枠の上縁部前側や、該前枠に取着されるフレームレスタイプのガラス扉の上方周囲に装着されている。また、遊技盤に配設される入賞器具や図柄表示装置等の遊技部品にも組付けられる。そしてこのような照明装置は、大別的に観た場合、プリント基板(回路用パターン線をプリント形成した基板)の所定位置に、フィラメント式ランプ(豆球)やＬＥＤランプ(発光ダイオード)等の表示ランプを配置接続したタイプのものが、対象の設置部に合わせて使用されている。このもとで特別ゲーム等の成立例として、図柄の変動組合わせによる大当り表示や入賞装置の開成作動に対応して、夫々の照明装置のランプが、点灯と点滅、色変発光(赤と緑)を含む所定条件で照明表示するようになっている。
【０００３】
例えば図１６は、前枠Ｂの上縁部に装着された従来の照明装置の一例を示したものである。この前枠Ｂは、全体が合成樹脂成形されたタイプのものを前提にして、前向きに開口した収容凹部５７および前側のリブ５８と、表示ランプ５２用の挿通口５９と、カバーレンズ５４に一体成形されたボス５５用の挿通口(図示せず)等からなる設置部５６が成形されている。前記カバーレンズ５４は、後方に開口部５４ａを有した装飾兼用の横長部材であって、この開口部５４ａの端縁を前記リブ５８に整合して図示しないフックやビス等を係合させることにより、前記ボス５５が挿通口から後方へ延出した状態で前枠Ｂの前面に取着される。また照明装置５０は、前記設置部５６の裏側面域に合わせて長尺帯板状に成形された基板５１と、この基板５１の表面に取着した照明用具としての表示ランプ５２や各種基板部品と、該基板５１の裏面を覆蓋する保護ケース５３等から構成され、ゲーム用の電子的な制御装置に接続されている。この照明装置５０は、基板５１をフック５３ａで保護ケース５３に弾性係合させた後に、この保護ケース５３を前記設置部５６に位置決めしてボス５５にビス６０で固着することにより、前記表示ランプ５２を前記挿通口５９から前方へ突出させた状態で前枠Ｂの後面に固定される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の照明装置５０は、カバーレンズ５４を前枠Ｂの前面側から取着し、別体の基板５１を弾性係合した保護ケース５３を該前枠Ｂの後面側の設置部５６に位置決め固定するようになっており、前枠Ｂにおける前後両側からの組付け作業が煩雑で時間が掛かる等の欠点を内在していた。しかも、前記カバーレンズ５４と照明装置５０とは、前枠Ｂへの取着前では互いに結合してユニット化した照明装置として構成し得ないことから、夫々の部材５４,５０を個別に管理し取扱わなければならない問題点も指摘される。更には、基板５１を前枠Ｂの後面側から取着するために、露出した該基板５１の裏面を保護するための前記保護ケース５３が別途必要となり、部品点数の増加に伴うコストアップを招来していた。
【０００５】
また照明装置５０は、その照明条件、つまり遊技機盤内でのパチンコゲーム中に現出される特別ゲーム等の成立に合わせた発光表示条件が、前記表示ランプ５２による点灯,点滅または変色表示を単に繰返すだけで極めて単調になっている。このためこのような単調照明では、特別ゲーム等の成立に対する好適な電飾的効果を高めることができず、また遊技者にとっては、特別ゲーム等に係る快感、満足感、更には優越感を充分に味わうことができず、何かしら物足りなさだけを覚えることになってしまい、その反動として強い射幸心を希求する傾向になっていた。
【０００６】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するために提案されたものであって、部品点数を必要最小限としたユニット部品として構成することにより、パチンコ遊技機の製造工程における組付け作業や保管,取扱い等を簡素化すると共に、電飾的な表示効果を高め、遊技者に快適なインパクトおよび満足感を与えながら照明表示し得るようにした照明表示装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、初期の目的を達成するため本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置は、
外枠に対する前枠にセットされた遊技盤で電子的な制御装置を利用した所定のパチンコゲームを展開しながら特別ゲームを現出し得る一方、前枠の前側またはこの前枠前面に装着されたフレームレスタイプのガラス扉の前側で特別ゲームの現出に合わせた照明表示をなし得るパチンコ機にあって、
前記ガラス扉における扉枠の上部に成形された設置部に対して着脱可能に装設される照明表示装置について、当該の設置部に適合する形状・サイズに樹脂成形されて所定部位に仮付け部、基板取付け用のボスおよび設置部への取付け用の取付けボスを形成すると共に、左右両端部に開設した口にフラッシュレンズを取着したカバーレンズと、このカバーレンズの後方開口部に収容し得る長尺帯板状に成形されて前記制御装置側に通電接続されると共に、特別ゲームの現出に合わせて前記制御装置から出力される使用電圧をもとにして昇圧された電圧を定時的に出力制御し得る発光用の昇圧出力制御部を構成する一方、昇圧出力制御部から定時的に出力される昇圧電圧が発光部に印加されることによって発光し得るフラッシュ照明具およびフィラメント式ランプを配置接続した回路基板とを有し、
前記設置部には、上下の端縁部および左端縁部から突出する前側のリブおよび前側に開口する係着口が形成されて、
前記カバーレンズには、後方開口部の上下の端縁部および左端縁部に、前記設置部のリブに整合し得るリブが凸設され、上下端縁部における左右略中央に、前記係着口に脱抜不能に係着可能な前記仮付け部としてのフックが後方へ水平に延出した状態に一体成形されると共に、
前記フィラメント式ランプは、前記回路基板の中央部に左右に離間するよう２個配設されると共に、前記フラッシュ照明具は、該回路基板の左右両端部に夫々１個配設されて、
前記基板取付け用のボスは、前記カバーレンズの内部において前記フィラメント式ランプの間およびフラッシュ照明具より左右両端部側に位置するよう水平後方へ延出した状態に一体成形されると共に、前記設置部への取付け用の取付けボスは、該カバーレンズの内部において左右両端部側に位置するボスよりも左右端部近傍に位置するよう水平後方へ延出した状態に一体形成され、
前記フラッシュレンズは、前記カバーレンズの口に合わせて裏側から嵌挿して取着されて、該カバーレンズに取着した状態においてカバーレンズの内部へ突出すると共に後方に開口するよう形成され、
前記フラッシュ照明具の発光部が該フラッシュレンズの後方開口から内側に臨むように前記カバーレンズの開口面側に配置した前記回路基板を前記ボスに対してビスにより組付けて単一化し、該カバーレンズにおけるリブおよびフックを、前記設置部におけるリブおよび係着口に整合させながら押し込んで仮付けセットした後に前記設置部に凹設した嵌合口に嵌入された前記カバーレンズの取付ボスに対してビスにより固定化保持するよう構成したことを特徴とする。
【０００８】
【作用】
前枠またはガラス扉の所定位置に設けた設置部に適合する形状・サイズに樹脂成形されたカバーレンズの開口面側に形成した取付け部に、複数の照明用具を配置接続した回路基板を組付けることで、該カバーレンズと基板とを合体させてユニット化した照明表示装置として取扱い得る。この照明表示装置は、開口面側に前記回路基板を組付けた状態で、仮付け部を介して前記設置部に一方向から仮付けセットした後に、前枠またはガラス扉に固定化保持されると共に、制御装置と電気的に接続される。
【０００９】
パチンコ遊技機において特別ゲームが現出した場合には、制御装置から出力される使用電圧を昇圧出力制御部に入力させることで、該昇圧出力制御部から昇圧電圧が定時的に出力され、この昇圧電圧に基きフラッシュ照明具の発光部が所定時間毎に発光して照明表示する。このフラッシュ照明具による発光は、鮮明かつ刺激的であるから電飾的効果を高めることができ、特別ゲームを現出させた遊技者に対して、快感や満足感、更には優越感等を充分に与え得る。
【００１０】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお本実施例では、遊技機として一般的なパチンコ機を例にし、これにゲーム用の照明表示・報知手段として利用される場合を主に例示する。
【００１１】
そこで、先ず本実施例のパチンコ機Ｐについて、図７および図８を参照して要約説明すると、外枠Ａに対して開閉および着脱可能に組付けられた前枠Ｂにおいて、横開き式のガラス窓Ｃおよび上球皿Ｄと、下球皿Ｅおよび打球発射装置Ｆそして裏側の機構セット盤Ｇ等の主要構成部材が夫々装備されている。そして前枠Ｂでは、全体が合成樹脂成形されたタイプのものを前提にして、上縁部に後述する照明表示装置Ｌを設置可能にした設置部２１が成形されている。この設置部２１では図１０〜図１３に例示するように、前向きに開口された収容凹部２４および前側のリブ２５等が夫々成形されており、このリブ２５に合わせて装飾兼用照明用のカバーレンズ２６が整合するようになっている。前記ガラス扉Ｃでは、図７,図１４および図１５に示すように、前枠Ｂの前面域に整合する方形サイズに合成樹脂成形されて前枠Ｂの左側縁に支持された扉体２７の中央部に略円形の窓口２８が成形され、この窓口２８の裏側にガラス板２９をセットした「フレームレスタイプ」のものを例示し、窓口２８の前側上周囲に成形される設置部２２に照明表示装置Ｌが装備可能とされている。
【００１２】
また、前枠Ｂの正面内部に着脱可能にセットされる遊技盤Ｈは、図９に例示するように、盤本体３０のゲーム面３０Ａ内の各部に各種の電気的部品(フィラメントランプやＬＥＤランプ、スイッチやセンサー、ソレノイドやモータ等)を有する遊技部品例として、電飾具３１や回転案内具３２、入賞具３３,３３、図柄表示装置３４および電動入賞装置３５等が夫々配設されている。そしてこれらの遊技部品の各種電気的部品が、ゲーム用の電子的な制御装置３６(図８参照)に夫々系統別に接続されて、ゲーム内容に合わせて入出制御(点灯,検出,駆動)されるようになっており、このもとでゲーム面３０Ａで所定のパチンコゲームを展開して、特別ゲーム等の成立を現出し得るようになっている。また電子的な制御装置３６は、前記機構セット盤Ｇにおけるターミナル基盤３７の電源部(ＡＣ２４Ｖ)に接続される。なお遊技盤Ｈは、パチンコ機の形態により前枠Ｂに対する前側脱着式と後側脱着式の２通りがあるが、図１５に例示する遊技盤Ｈは、前側脱着式のものとして、盤本体３０の前面に装飾部材が取着された例を示す。
【００１３】
前述したパチンコ機Ｐに実施される本実施例の照明表示装置Ｌは、カメラ等に代表される「フラッシュ照明」の技術的原理を応用したもので、前記前枠Ｂまたはガラス扉Ｃ等を対象にして、夫々所要位置に形成した設置部に適合する形態・サイズに構成されたもとで使用可能とされる。そして何れの形態にあっても、その基本的な構成としては、図１および図２に例示するように、対象設置部に適合する形状・サイズに樹脂成形された前記カバーレンズ２６と、このカバーレンズ２６内に収容し得る形状・サイズに成形された基板１とを有する。そして、この基板１に、使用電圧から昇圧された高電圧を定時的に出力制御し得る発光用の昇圧出力制御部１２と、この制御部１２から定時的に出力される高電圧が印加されて発光し得るフラッシュ照明具７を接続すると共に、フラッシュ照明具７の発光部に対応して設けられるフラッシュレンズ１１を、前記カバーレンズ２６に取着して構成されている。従って照明表示装置Ｌは、前述の対象設置部に合わせて取着される前記カバーレンズ２６に、フラッシュ照明具７等を具備した基板１を収容してユニット化した照明表示装置として取扱い得ると共に、特別ゲーム等の現出に対する好適な電飾用照明表示部として実施される。
【００１４】
そこで、このような照明表示装置Ｌの具体的な実施形態例として、前記前枠Ｂの設置部２１に装備して、使用電圧(ＤＣ３４Ｖ)を使用する条件でフラッシュ照明とランプ照明を併行し得るタイプにつき説明する。すなわち前記表示用の基板１については、図１〜図３に示すように、カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂに収容し得る長尺帯板状に成形されて、必要な回路用のパターン線２,２がプリント形成されている。そして、夫々のパターン線２,２の一端に前記制御装置３６の電源出力部(ＡＣ２４Ｖ)に結線(コネクター接続)される通電線３が接続されていると共に、中央部に図示２個の表示ランプ４が配設され、また所定位置にビス用の小孔６が透設されている。各々の表示ランプ４は、一般的な「フィラメント式ランプ」が利用され、所要のパターン線２に接続固定された２本の脚ピン５に差込み保持されて内部のフィラメントが通電接続されている。なお、表示ランプ４に係る通電線３は、前記機構セット盤Ｇに配設された中継部３８(図８参照)側に接続されるものとしてもよい。
【００１５】
また前記フラッシュ照明具７では、発光部としてストロボ(閃光電球)の代表例の一つであるキセノン管８と照明台１０を含む同一形態に構成された２個のものが、前述の基板１の左右両端部に配設されている。具体的には図３および図４に例示するように、各々のキセノン管８は、左右の両側にアノード電極８ａとカソード電極８ｂおよびトリガー端子８ｃを有し、双方の電極８ａ,８ｂに連結された脚ピン９,９を、所要のパターン線２,２に接続固定して横向き状態で基板１の前方に位置している。これに対して各々の照明台１０は、キセノン管８の向き,サイズに合わせた箱状に樹脂成形されており、内面に反射面１０ａを形成して基板１の前面(キセノン管８の後方)に取着されている。なお照明台１０については、その内部にキセノン管８を横通するようにしたタイプとしてもよく、キセノン管８の両脚ピン９を所要長さに設定して照明台１０の反射面１０ａと適正な間隔に保持することで、好適なフラッシュ照明をなすことができる。
【００１６】
そして、前述のフラッシュ照明具７に対する前記フラッシュレンズ１１は、フラッシュ照明を好適に補助するものとして、具体的には図１〜図４に示すように、前記カバーレンズ２６の左右両端部に開口された口２６ａに合わせて裏側から嵌挿して取着されるタイプの他に、各照明台１０の前側に取着されて口２６ａに裏側から嵌合されるタイプ等も実施し得る。何れのタイプのレンズ１１についても、カバーレンズ２６の照明度、つまり前記表示ランプ４の輝度に対する照射透過度と区分し、各キセノン管８から発生される閃光を遊技者の視覚に対して優しく良好に拡散照明し得、装飾用部材をも兼用し得る有色樹脂材より成形したものが好適とされ、箱形カバー状や惰円形カバー状のものが有効に使用される。ちなみに、このレンズ１１の取着手段としては、ビスや接着剤または弾性フック等が利用される。
【００１７】
一方、前記発光用の昇圧出力制御部１２は、図１に示すように、前述した基板１の下縁部位において構成され、図５および図６に例示するように、基板１の各部分に必要な各種デバイスとされる整流ダイオードＤ1,Ｄ2、抵抗Ｒ1〜Ｒ6、コンデンサＣ1〜Ｃ7、トランジスタＱ1、高耐圧用の昇圧トランスＴ1、ツェナーダイオードＺＤ1、発光用スイッチに代用されるサイリスタＳＣＲ1、そして各キセノン管８のトリガー端子８ｃに接続されるトランスｔ1,ｔ2が、夫々のパターン線に接続される(各配線は図示省略する)。そして全体回路を大別的に観ると、図６中の昇圧トランスＴ1の１次側から左側部分が、制御装置３６から出力される使用電圧(ＡＣ２４Ｖ)をもとにして電圧の上昇を促進する昇圧促進回路部１２Ａ、同トランスＴ1の２次側から右側部分が、昇圧された電圧を畜電して定時的に前記フラッシュ照明具７のキセノン管８側に出力(印加)制御する昇圧出力回路部１２Ｂとして構成されている。なお同図の回路において、キセノン管８および表示ランプ４を併記する。
【００１８】
そして、このような昇圧出力制御部１２による「フラッシュ照明制御」については、昇圧電圧の定時的印加に基いて行なわれるもので、その設定例を図６を参照して説明する。すなわち前記制御装置３６からの使用電圧(ＡＣ２４Ｖ)が設定時間内に亘り出力されるもとで、ブリッジダイオードＢＤ1で変換された電圧(ＤＣ３４Ｖ)が昇圧促進回路部１２Ａに入力されると、電流が整流ダイオードＤ1を通してトランジスタＱ1に供給される。そして抵抗Ｒ1,Ｒ2、コンデンサＣ2,Ｃ3およびトランジスタＱ1で構成される自動発振回路により、トランジスタＱ1に供給された電流が、一定周期で昇圧トランスＴ1の１次側(図示１番端子から２番端子)に流れ、この１次側の入力電流により、同トランスＴ1の２次側(図示５番端子)に高電圧が発生されることになる。
【００１９】
そうして、この高電圧が昇圧出力回路部１２Ｂ側の整流ダイオードＤ2を通してコンデンサＣ5に充電される過程において、充電電圧がツェナーダイオードＺＤ1で設定された電圧に達すると、サイリスタＳＣＲ1にトリガー電圧が供給されてアノードからカソード(図示上から下)に電流が流れ、コンデンサＣ7およびトランスｔ1,ｔ2を介して各々のキセノン管８のトリガー端子８ｃに電圧が印加される。これにより、キセノン管８の両電極８ａ,８ｂ間に閃光が発生される一方、コンデンサＣ5に充電された電圧が放電される。以降は前述と同様に高電圧がコンデンサＣ5に充電されるもとで、定時的にトリガー端子８ｃに電圧印加される毎に、キセノン管８が発光してフラッシュ照明するように制御される。
【００２０】
前述のように、表示ランプ４やフラッシュ照明具７等を具備して構成された基板１は、カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂに収容して取着され、ユニット化した照明表示装置Ｌとして取扱い得る。すなわちカバーレンズ２６の内部には、図１,図２および図３に示すように、取付け部としてのボス４０(図示実施例では３個)が、水平後方へ延出した状態に一体成形されており、これらボス４０と基板１に形成された前記小孔６とを夫々整合させてビス４１をねじ込むことにより、該基板１とカバーレンズ２６とが一体となってユニット化される。このように、カバーレンズ２６に基板１をビス着した状態にあっては、前記フラッシュ照明具７のキセノン管８が、図４に示すように、該カバーレンズ２６の口２６ａに装着したフラッシュレンズ１１に対して最適な位置に固定されるので、好適なフラッシュ照明が可能となる。また基板１の中央部の２個の表示ランプ４は、カバーレンズ２６の内部前方へ適宜延出する。
【００２１】
また、カバーレンズ２６における後方開口部２６ｂの端縁部には、前記設置部２１のリブ２５に整合し得るリブ４２が凸設してあると共に、上下端縁部における左右略中央には、図３および図１１に示すように、前枠Ｂに形成された係着口４３に係着可能な仮付け部としてのフック４４が、後方へ水平に延出した状態に一体成形されている。また、カバーレンズ２６の内部における両側端の近傍には、前記ボス４０と同様に水平後方へ延出する取付ボス４５が一体成形されており、前記前枠Ｂにはこれら取付ボス４５に対応した位置に嵌合口４６が凹設されている。これにより、カバーレンズ２６のリブ４２を設置部２１のリブ２５に適宜整合させると、前記各嵌合口４６に取付ボス４５が嵌入するようになる。
【００２２】
前述のように、カバーレンズ２６を予め装着してユニット部材として取扱い得る本実施例の照明表示装置Ｌは、その実施態様の一つである前枠Ｂの設置部２１に対して、図１０〜図１３に示すように設置される。すなわち、カバーレンズ２６におけるリブ４２およびフック４４を、設置部２１におけるリブ２５および係着口４３に整合させながら押し込むことにより、該係着口４３に対してフック４４が脱抜不能に係着され、カバーレンズ２６は前枠Ｂに対して仮付けされる。そして、これにより嵌合口４６に嵌入した取付ボス４５に、通孔４６ａを介してビス４７をねじ込むだけの簡単な作業により、カバーレンズ２６は前枠Ｂの設置部２１に完全に固定化保持される。なお基板１の通電線３は、図１０に示すように、設置部２１に形成した通口４８から前枠Ｂの裏側へ案内され、図８中の制御装置３６の電源出力部に接続することにより、本来の実施条件である電飾用照明表示部としてセットされる。
【００２３】
また、本実施例の照明表示装置Ｌは、前述例とは別の実施態様として、フレームレスタイプのガラス扉Ｃにも実施し得る。このガラス扉Ｃは、図７,図１４および図１５に略示するように、前記扉枠２７とこの扉枠２７の裏側に装着される裏板４９とからなる２重扉として構成され、扉枠２７の前側上縁部に設置部２２が形成されている。この実施例では、設置部２２の左右側端に係着口４３が形成され、カバーレンズ２６の側端縁部にフック４４が一体成形されたものを例示している。従って、カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂを介して基板１を取着した照明表示装置Ｌは、該カバーレンズ２６のフック４４を、設置部２２の係着口４３に整合させて係着することにより、ガラス扉Ｃに仮付けされる。そして、カバーレンズ２６の取付ボス４５に対して、裏板４９の裏側からビス４７をねじ込むことにより、照明表示装置Ｌはガラス扉Ｃに固定化保持される。なお通電線３は、図示しない通口を介してガラス扉Ｃの裏側へ案内され、前記同様に制御装置３６に通電接続される。
【００２４】
また基板１に対する各種デバイスの装填において、ハンドメード作業によりフラッシュ照明具７および表示ランプ４を組付ける場合には、夫々の脚ピン５,９をフランジ部および中空軸部等を有する定長ピンとしたもとで、各パターン線２の孔に差込んで強固にカシメ付け結合したものでもよい(本出願人の特願平６−３０２７７０号参照)。これによれば、各々のパターン線２に対して脚ピン５,９を適正な向きに固定して通電接続し得、また両者を半田付けするとしても必要最少量に留め得、半田の過剰量盛付けによる短絡を防止し得る。
【００２５】
【実施例の作用】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置の作用につき説明する。
【００２６】
合成樹脂成形されたカバーレンズ２６では、左右両端部に開口された口２６ａにフラッシュレンズ１１を裏側から嵌挿し、ビスや接着剤または弾性フック等の所要の手段により取着する。また基板１では、表示ランプ４およびフラッシュ照明具７等の各種デバイスを装填し、制御装置３６に通電接続される通電線３を連結する。これら別々に形成されたカバーレンズ２６および基板１において、図２に示すように、該カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂに基板１を収容セットし、前記ボス４０と小孔６とを夫々整合させてビス４１をねじ込むことにより、該基板１とカバーレンズ２６とがユニット化される。この状態にあっては、フラッシュ照明具７のキセノン管８が、図４に示すように、該カバーレンズ２６に取着したフラッシュレンズ１１に対して最適な位置に固定され、好適なフラッシュ照明が可能となる。また表示ランプ４は、カバーレンズ２６の内部前方へ適宜延出して位置決めされる。
【００２７】
カバーレンズ２６を予め装着してユニット化された本実施例の照明表示装置Ｌは、例えば前枠Ｂの設置部２１に対して、図１０〜図１３に示すように設置される。すなわち、カバーレンズ２６におけるリブ４２およびフック４４を、設置部２１におけるリブ２５および係着口４３に整合させて押し込むと、該係着口４３に対してフック４４が脱抜不能に係着され、カバーレンズ２６は前枠Ｂに対して仮付けされる。このとき、取付ボス４５が設置部２１の嵌合口４６に嵌入しており、通孔４６ａを介してビス４７を該取付ボス４５にねじ込むだけの簡単な作業により、照明表示装置Ｌは前枠Ｂの設置部２１に完全に固定化保持される。また通電線３は、図１０に示すように、設置部２１に形成した通口４８から前枠Ｂの裏側へ案内して、図８中の制御装置３６の電源出力部に接続する。
【００２８】
なお、ガラス扉Ｃでの実施態様例にあっては、図１４および図１５に示すように、カバーレンズ２６のフック４４を設置部２２の係着口４３に整合させて係着することにより、該カバーレンズ２６が扉枠２７に仮付けされる。そして、カバーレンズ２６の取付ボス４５に対して、裏板４９の裏側からビス４７をねじ込むことにより、照明表示装置Ｌはガラス扉Ｃに固定化保持される。また通電線３は、図示しない通口を介してガラス扉Ｃの裏側へ案内し、前記同様に制御装置３６に通電接続する。
【００２９】
前述のように、前枠Ｂまたはガラス扉Ｃに本発明に係る照明表示装置Ｌを取着したパチンコ機Ｐにおいては、現行機と同様な遊技操作(球送り・発射作動操作)に基いて、上球皿Ｄ内の遊技球を機内の発射部位に１球ずつ送込んで打球発射装置Ｆにより遊技盤Ｈ内に打出し、所要のパチンコゲームを展開し得る。そして図９に略示した遊技盤Ｈでのゲームを例にして大別的に観ると、▲１▼夫々の入賞具３３,３３に対する遊技球の入賞ゲーム、▲２▼遊技球の入賞に基く図柄表示装置３４による表示ゲーム、▲３▼表示ゲームで得られた大当り成立ゲーム、▲４▼大当りゲームの成立を契機にして行なわれる電動入賞装置３５による開成作動ゲーム、等が現出される。そしてこのようなゲームに対応する照明表示態様例について、▲１▼,▲２▼では通常ゲームとして各種の遊技部品３１,３２,３３のランプ類による短時間のランプ表示が行なわれ、一方▲３▼,▲４▼では特別ゲームとされてランプ表示とは別に本実施例の照明表示装置Ｌによる設定時間内の照明表示が行なわれる。
【００３０】
そこで、本実施例の照明表示装置Ｌによる特別表示について、具体的に説明する。この特別照明表示では、前記▲１▼〜▲４▼を含む全てのゲームが前記制御装置３６での入出力制御処理に基いて進行されるもとで、特別ゲームの開始から終了、つまり大当り成立時から開成作動終了までの設定時間に亘り、制御装置３６の電源出力部から出力される使用電圧(ＡＣ２４Ｖ)をもとにして、図６中のブリッジダイオードＢＤ1で変換された制御用の電圧(ＤＣ３６Ｖ)が、基板１の通電線３を介して入力されることにおいて行なわれる。なお、ガラス扉Ｃでの実施態様例にあっても、同様な設定条件で行なわれる。
【００３１】
このような設定条件において、変換された電圧が基板１に入力されると、２個の表示ランプ４が通電発光されてカバーレンズ２６を介して照明する。一方、変換電圧が昇圧出力回路部１２Ａに入力されると、電流が整流ダイオードＤ1を通してトランジスタＱ1に供給されて自励発振回路部分Ｒ1,Ｒ2,Ｃ2,Ｃ3,Ｑ1を介して昇圧トランスＴ1の１次側に一定周期で流れ、そしてこの１次側の入力電流により同トランスＴ1の２次側に高電圧が発生される。この高電圧が整流ダイオードＤ2を通してコンデンサＣ5に充電されるもとで、ツェナーダイオードＺＤ1で設定された電圧に達すると、サイリスタＳＣＲ1にトリガー電圧が供給されてアノードからカソードに電圧が流れ、コンデンサＣ7およびトランスｔ1,ｔ2を介して各フラッシュ照明具７におけるキセノン管８のトリガー端子８ｃに電圧が印加されることにより、キセノン管８の両電極８ａ,８ｂ間に閃光が発生される。以降高電圧がトリガー端子８ｃに印加される毎に、キセノン管８が発光してフラッシュレンズ１１を介して照明する。
【００３２】
従って特別ゲームの現出中の設定時間内においては、２個の表示ランプ４によるランプ照明と、２個のフラッシュ照明具７による定時的なフラッシュ照明とが併行されることによって、同ゲームの現出状態を好適かつ鮮明に照明表示し得ると共に電飾効果を高め得、特にフラッシュ照明により特別ゲームを得た遊技者に対して快適なインパクト、満足感を与えながら照明報知することができる。ちなみに表示ランプ４の照明は、点灯または点滅であってもよく、一方フラッシュ照明は、特別ゲームの現出設定時間内において、例えば３〜５秒間隔で継続して行なわれるようにしてもよい。
【００３３】
本発明に係る遊技機における照明表示装置は、前記実施例に示したパチンコ機だけに限らず、スロットマシン等にも好適に実施し得る。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置によれば、別体に形成したカバーレンズと、表示ランプやフラッシュ照明具等を具備した基板とを、予め組付けてユニット化した照明表示装置として取扱うことができる。従って、前枠やガラス扉に形成した設置部に対して一方向からの作業で仮付けが可能なので組付け作業の合理化が可能となると共に、単一部材として構成されるから保管,取扱いの簡素化も図り得る利点がある。また、基板はカバーレンズの内部に収容されて前枠で覆蓋されるので、従来必要としていた基板保護用の保護ケースを不要とし、部品点数を減らしてコスト低減が可能となる等の有益な効果を奏する。
【００３５】
また、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置では、一般的なフィラメント式ランプやＬＥＤランプの表示ランプの他に、キセノン管等を使用して定時的に発光し得るフラッシュ照明具を具備したことにより、遊技者に興味が持たれる特別ゲームを成立・現出し得る遊技機に実施することで、輝度の異なる光により特別ゲーム等の成立状態を好適かつ鮮明に表示して、電飾的効果を高めることができる利点がある。従って、特別ゲームを成立させた遊技者に対して、快感や満足感、更には優越感を充分に与え得る。また、インパクトの強い照明表示が可能であるので、「島」とも呼ばれる遊技機の設置枠台の上部に、別の特別ゲーム用照明表示機器を設ける必要がなくなり、パチンコホールにおける設備費を低減させ得る有益な効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好適な実施例に係る照明表示装置の基本構成を分解して示す正面図である。
【図２】本発明の好適な実施例に係る照明表示装置を一部破断して示す平面図および背面図である。
【図３】照明表示装置の基本構成を分解して示す斜視図である。
【図４】照明表示装置における主要部を示す横断平面図である。
【図５】照明表示装置における昇圧出力制御部を示す正面図である。
【図６】照明表示装置の回路図である。
【図７】本発明が実施されるパチンコ機を略示する正面図である。
【図８】本発明が実施されるパチンコ機を略示する背面図である。
【図９】本発明が実施されるパチンコ機に装着される遊技盤の一例を略示する正面図である。
【図１０】照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の要部を一部破断して示す正面図である。
【図１１】照明表示装置を前枠側に取着する状態を破断して示す斜視図である。
【図１２】照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の縦断側面図である。
【図１３】照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の縦断側面図である。
【図１４】照明表示装置をガラス扉側に実施した場合のガラス扉の正面図である。
【図１５】照明表示装置をガラス扉側に実施した場合のガラス扉の要部を示す横断平面図である。
【図１６】従来の照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の縦断側面図である。
【符号の説明】
１ 回路基板 ４ 表示ランプ(照明用具)
７ フラッシュ照明具(照明用具) ８ キセノン管(発光部)
１１ フラッシュレンズ １２ 昇圧出力制御部
２２ 設置部 ２５ リブ
２６ カバーレンズ ２６ａ 口
２６ｂ 後方開口部 ２７ 扉枠
３６ 制御装置 ４０ ボス ( 取付け部 )
４１ ビス ４２ リブ
４３ 係着口 ４４ フック(仮付け部)
４５ 取付ボス ４６ 嵌合孔
４７ ビス Ａ 外枠
Ｂ 前枠 Ｃ ガラス扉
Ｈ 遊技盤 Ｌ 照明表示装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、パチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置に係り、更に詳しくは、遊技機に現出される特別ゲーム等を照明報知し得るようにした照明表示装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
この種の遊技機に代表されるパチンコ機やアレンジボール機では、パチンコゲーム上での電飾的効果を図り、特別ゲーム等の成立を照明表示報知するための手段として、一般的にランプ部品又は照明ランプ具とも呼ばれている照明装置が多く利用され、主な対象設置部として、前枠の上縁部前側や、該前枠に取着されるフレームレスタイプのガラス扉の上方周囲に装着されている。また、遊技盤に配設される入賞器具や図柄表示装置等の遊技部品にも組付けられる。そしてこのような照明装置は、大別的に観た場合、プリント基板(回路用パターン線をプリント形成した基板)の所定位置に、フィラメント式ランプ(豆球)やＬＥＤランプ(発光ダイオード)等の表示ランプを配置接続したタイプのものが、対象の設置部に合わせて使用されている。このもとで特別ゲーム等の成立例として、図柄の変動組合わせによる大当り表示や入賞装置の開成作動に対応して、夫々の照明装置のランプが、点灯と点滅、色変発光(赤と緑)を含む所定条件で照明表示するようになっている。
【０００３】
例えば図１６は、前枠Ｂの上縁部に装着された従来の照明装置の一例を示したものである。この前枠Ｂは、全体が合成樹脂成形されたタイプのものを前提にして、前向きに開口した収容凹部５７および前側のリブ５８と、表示ランプ５２用の挿通口５９と、カバーレンズ５４に一体成形されたボス５５用の挿通口(図示せず)等からなる設置部５６が成形されている。前記カバーレンズ５４は、後方に開口部５４ａを有した装飾兼用の横長部材であって、この開口部５４ａの端縁を前記リブ５８に整合して図示しないフックやビス等を係合させることにより、前記ボス５５が挿通口から後方へ延出した状態で前枠Ｂの前面に取着される。また照明装置５０は、前記設置部５６の裏側面域に合わせて長尺帯板状に成形された基板５１と、この基板５１の表面に取着した照明用具としての表示ランプ５２や各種基板部品と、該基板５１の裏面を覆蓋する保護ケース５３等から構成され、ゲーム用の電子的な制御装置に接続されている。この照明装置５０は、基板５１をフック５３ａで保護ケース５３に弾性係合させた後に、この保護ケース５３を前記設置部５６に位置決めしてボス５５にビス６０で固着することにより、前記表示ランプ５２を前記挿通口５９から前方へ突出させた状態で前枠Ｂの後面に固定される。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来の照明装置５０は、カバーレンズ５４を前枠Ｂの前面側から取着し、別体の基板５１を弾性係合した保護ケース５３を該前枠Ｂの後面側の設置部５６に位置決め固定するようになっており、前枠Ｂにおける前後両側からの組付け作業が煩雑で時間が掛かる等の欠点を内在していた。しかも、前記カバーレンズ５４と照明装置５０とは、前枠Ｂへの取着前では互いに結合してユニット化した照明装置として構成し得ないことから、夫々の部材５４,５０を個別に管理し取扱わなければならない問題点も指摘される。更には、基板５１を前枠Ｂの後面側から取着するために、露出した該基板５１の裏面を保護するための前記保護ケース５３が別途必要となり、部品点数の増加に伴うコストアップを招来していた。
【０００５】
また照明装置５０は、その照明条件、つまり遊技機盤内でのパチンコゲーム中に現出される特別ゲーム等の成立に合わせた発光表示条件が、前記表示ランプ５２による点灯,点滅または変色表示を単に繰返すだけで極めて単調になっている。このためこのような単調照明では、特別ゲーム等の成立に対する好適な電飾的効果を高めることができず、また遊技者にとっては、特別ゲーム等に係る快感、満足感、更には優越感を充分に味わうことができず、何かしら物足りなさだけを覚えることになってしまい、その反動として強い射幸心を希求する傾向になっていた。
【０００６】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するために提案されたものであって、部品点数を必要最小限としたユニット部品として構成することにより、パチンコ遊技機の製造工程における組付け作業や保管,取扱い等を簡素化すると共に、電飾的な表示効果を高め、遊技者に快適なインパクトおよび満足感を与えながら照明表示し得るようにした照明表示装置を提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、初期の目的を達成するため本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置は、
外枠に対する前枠にセットされた遊技盤で電子的な制御装置を利用した所定のパチンコゲームを展開しながら特別ゲームを現出し得る一方、前枠の前側またはこの前枠前面に装着されたフレームレスタイプのガラス扉の前側で特別ゲームの現出に合わせた照明表示をなし得るパチンコ機にあって、
前記ガラス扉における扉枠の上部に成形された設置部に対して着脱可能に装設される照明表示装置について、当該の設置部に適合する形状・サイズに樹脂成形されて所定部位に仮付け部、基板取付け用のボスおよび設置部への取付け用の取付けボスを形成すると共に、左右両端部に開設した口にフラッシュレンズを取着したカバーレンズと、このカバーレンズの後方開口部に収容し得る長尺帯板状に成形されて前記制御装置側に通電接続されると共に、特別ゲームの現出に合わせて前記制御装置から出力される使用電圧をもとにして昇圧された電圧を定時的に出力制御し得る発光用の昇圧出力制御部を構成する一方、昇圧出力制御部から定時的に出力される昇圧電圧が発光部に印加されることによって発光し得るフラッシュ照明具およびフィラメント式ランプを配置接続した回路基板とを有し、
前記設置部には、上下の端縁部および左端縁部から突出する前側のリブおよび前側に開口する係着口が形成されて、
前記カバーレンズには、後方開口部の上下の端縁部および左端縁部に、前記設置部のリブに整合し得るリブが凸設され、上下端縁部における左右略中央に、前記係着口に脱抜不能に係着可能な前記仮付け部としてのフックが後方へ水平に延出した状態に一体成形されると共に、
前記フィラメント式ランプは、前記回路基板の中央部に左右に離間するよう２個配設されると共に、前記フラッシュ照明具は、該回路基板の左右両端部に夫々１個配設されて、
前記基板取付け用のボスは、前記カバーレンズの内部において前記フィラメント式ランプの間およびフラッシュ照明具より左右両端部側に位置するよう水平後方へ延出した状態に一体成形されると共に、前記設置部への取付け用の取付けボスは、該カバーレンズの内部において左右両端部側に位置するボスよりも左右端部近傍に位置するよう水平後方へ延出した状態に一体形成され、
前記フラッシュレンズは、前記カバーレンズの口に合わせて裏側から嵌挿して取着されて、該カバーレンズに取着した状態においてカバーレンズの内部へ突出すると共に後方に開口するよう形成され、
前記フラッシュ照明具の発光部が該フラッシュレンズの後方開口から内側に臨むように前記カバーレンズの開口面側に配置した前記回路基板を前記ボスに対してビスにより組付けて単一化し、該カバーレンズにおけるリブおよびフックを、前記設置部におけるリブおよび係着口に整合させながら押し込んで仮付けセットした後に前記設置部に凹設した嵌合口に嵌入された前記カバーレンズの取付ボスに対してビスにより固定化保持するよう構成したことを特徴とする。
【０００８】
【作用】
前枠またはガラス扉の所定位置に設けた設置部に適合する形状・サイズに樹脂成形されたカバーレンズの開口面側に形成した取付け部に、複数の照明用具を配置接続した回路基板を組付けることで、該カバーレンズと基板とを合体させてユニット化した照明表示装置として取扱い得る。この照明表示装置は、開口面側に前記回路基板を組付けた状態で、仮付け部を介して前記設置部に一方向から仮付けセットした後に、前枠またはガラス扉に固定化保持されると共に、制御装置と電気的に接続される。
【０００９】
パチンコ遊技機において特別ゲームが現出した場合には、制御装置から出力される使用電圧を昇圧出力制御部に入力させることで、該昇圧出力制御部から昇圧電圧が定時的に出力され、この昇圧電圧に基きフラッシュ照明具の発光部が所定時間毎に発光して照明表示する。このフラッシュ照明具による発光は、鮮明かつ刺激的であるから電飾的効果を高めることができ、特別ゲームを現出させた遊技者に対して、快感や満足感、更には優越感等を充分に与え得る。
【００１０】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置について、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら、以下詳細に説明する。なお本実施例では、遊技機として一般的なパチンコ機を例にし、これにゲーム用の照明表示・報知手段として利用される場合を主に例示する。
【００１１】
そこで、先ず本実施例のパチンコ機Ｐについて、図７および図８を参照して要約説明すると、外枠Ａに対して開閉および着脱可能に組付けられた前枠Ｂにおいて、横開き式のガラス窓Ｃおよび上球皿Ｄと、下球皿Ｅおよび打球発射装置Ｆそして裏側の機構セット盤Ｇ等の主要構成部材が夫々装備されている。そして前枠Ｂでは、全体が合成樹脂成形されたタイプのものを前提にして、上縁部に後述する照明表示装置Ｌを設置可能にした設置部２１が成形されている。この設置部２１では図１０〜図１３に例示するように、前向きに開口された収容凹部２４および前側のリブ２５等が夫々成形されており、このリブ２５に合わせて装飾兼用照明用のカバーレンズ２６が整合するようになっている。前記ガラス扉Ｃでは、図７,図１４および図１５に示すように、前枠Ｂの前面域に整合する方形サイズに合成樹脂成形されて前枠Ｂの左側縁に支持された扉体２７の中央部に略円形の窓口２８が成形され、この窓口２８の裏側にガラス板２９をセットした「フレームレスタイプ」のものを例示し、窓口２８の前側上周囲に成形される設置部２２に照明表示装置Ｌが装備可能とされている。
【００１２】
また、前枠Ｂの正面内部に着脱可能にセットされる遊技盤Ｈは、図９に例示するように、盤本体３０のゲーム面３０Ａ内の各部に各種の電気的部品(フィラメントランプやＬＥＤランプ、スイッチやセンサー、ソレノイドやモータ等)を有する遊技部品例として、電飾具３１や回転案内具３２、入賞具３３,３３、図柄表示装置３４および電動入賞装置３５等が夫々配設されている。そしてこれらの遊技部品の各種電気的部品が、ゲーム用の電子的な制御装置３６(図８参照)に夫々系統別に接続されて、ゲーム内容に合わせて入出制御(点灯,検出,駆動)されるようになっており、このもとでゲーム面３０Ａで所定のパチンコゲームを展開して、特別ゲーム等の成立を現出し得るようになっている。また電子的な制御装置３６は、前記機構セット盤Ｇにおけるターミナル基盤３７の電源部(ＡＣ２４Ｖ)に接続される。なお遊技盤Ｈは、パチンコ機の形態により前枠Ｂに対する前側脱着式と後側脱着式の２通りがあるが、図１５に例示する遊技盤Ｈは、前側脱着式のものとして、盤本体３０の前面に装飾部材が取着された例を示す。
【００１３】
前述したパチンコ機Ｐに実施される本実施例の照明表示装置Ｌは、カメラ等に代表される「フラッシュ照明」の技術的原理を応用したもので、前記前枠Ｂまたはガラス扉Ｃ等を対象にして、夫々所要位置に形成した設置部に適合する形態・サイズに構成されたもとで使用可能とされる。そして何れの形態にあっても、その基本的な構成としては、図１および図２に例示するように、対象設置部に適合する形状・サイズに樹脂成形された前記カバーレンズ２６と、このカバーレンズ２６内に収容し得る形状・サイズに成形された基板１とを有する。そして、この基板１に、使用電圧から昇圧された高電圧を定時的に出力制御し得る発光用の昇圧出力制御部１２と、この制御部１２から定時的に出力される高電圧が印加されて発光し得るフラッシュ照明具７を接続すると共に、フラッシュ照明具７の発光部に対応して設けられるフラッシュレンズ１１を、前記カバーレンズ２６に取着して構成されている。従って照明表示装置Ｌは、前述の対象設置部に合わせて取着される前記カバーレンズ２６に、フラッシュ照明具７等を具備した基板１を収容してユニット化した照明表示装置として取扱い得ると共に、特別ゲーム等の現出に対する好適な電飾用照明表示部として実施される。
【００１４】
そこで、このような照明表示装置Ｌの具体的な実施形態例として、前記前枠Ｂの設置部２１に装備して、使用電圧(ＤＣ３４Ｖ)を使用する条件でフラッシュ照明とランプ照明を併行し得るタイプにつき説明する。すなわち前記表示用の基板１については、図１〜図３に示すように、カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂに収容し得る長尺帯板状に成形されて、必要な回路用のパターン線２,２がプリント形成されている。そして、夫々のパターン線２,２の一端に前記制御装置３６の電源出力部(ＡＣ２４Ｖ)に結線(コネクター接続)される通電線３が接続されていると共に、中央部に図示２個の表示ランプ４が配設され、また所定位置にビス用の小孔６が透設されている。各々の表示ランプ４は、一般的な「フィラメント式ランプ」が利用され、所要のパターン線２に接続固定された２本の脚ピン５に差込み保持されて内部のフィラメントが通電接続されている。なお、表示ランプ４に係る通電線３は、前記機構セット盤Ｇに配設された中継部３８(図８参照)側に接続されるものとしてもよい。
【００１５】
また前記フラッシュ照明具７では、発光部としてストロボ(閃光電球)の代表例の一つであるキセノン管８と照明台１０を含む同一形態に構成された２個のものが、前述の基板１の左右両端部に配設されている。具体的には図３および図４に例示するように、各々のキセノン管８は、左右の両側にアノード電極８ａとカソード電極８ｂおよびトリガー端子８ｃを有し、双方の電極８ａ,８ｂに連結された脚ピン９,９を、所要のパターン線２,２に接続固定して横向き状態で基板１の前方に位置している。これに対して各々の照明台１０は、キセノン管８の向き,サイズに合わせた箱状に樹脂成形されており、内面に反射面１０ａを形成して基板１の前面(キセノン管８の後方)に取着されている。なお照明台１０については、その内部にキセノン管８を横通するようにしたタイプとしてもよく、キセノン管８の両脚ピン９を所要長さに設定して照明台１０の反射面１０ａと適正な間隔に保持することで、好適なフラッシュ照明をなすことができる。
【００１６】
そして、前述のフラッシュ照明具７に対する前記フラッシュレンズ１１は、フラッシュ照明を好適に補助するものとして、具体的には図１〜図４に示すように、前記カバーレンズ２６の左右両端部に開口された口２６ａに合わせて裏側から嵌挿して取着されるタイプの他に、各照明台１０の前側に取着されて口２６ａに裏側から嵌合されるタイプ等も実施し得る。何れのタイプのレンズ１１についても、カバーレンズ２６の照明度、つまり前記表示ランプ４の輝度に対する照射透過度と区分し、各キセノン管８から発生される閃光を遊技者の視覚に対して優しく良好に拡散照明し得、装飾用部材をも兼用し得る有色樹脂材より成形したものが好適とされ、箱形カバー状や惰円形カバー状のものが有効に使用される。ちなみに、このレンズ１１の取着手段としては、ビスや接着剤または弾性フック等が利用される。
【００１７】
一方、前記発光用の昇圧出力制御部１２は、図１に示すように、前述した基板１の下縁部位において構成され、図５および図６に例示するように、基板１の各部分に必要な各種デバイスとされる整流ダイオードＤ1,Ｄ2、抵抗Ｒ1〜Ｒ6、コンデンサＣ1〜Ｃ7、トランジスタＱ1、高耐圧用の昇圧トランスＴ1、ツェナーダイオードＺＤ1、発光用スイッチに代用されるサイリスタＳＣＲ1、そして各キセノン管８のトリガー端子８ｃに接続されるトランスｔ1,ｔ2が、夫々のパターン線に接続される(各配線は図示省略する)。そして全体回路を大別的に観ると、図６中の昇圧トランスＴ1の１次側から左側部分が、制御装置３６から出力される使用電圧(ＡＣ２４Ｖ)をもとにして電圧の上昇を促進する昇圧促進回路部１２Ａ、同トランスＴ1の２次側から右側部分が、昇圧された電圧を畜電して定時的に前記フラッシュ照明具７のキセノン管８側に出力(印加)制御する昇圧出力回路部１２Ｂとして構成されている。なお同図の回路において、キセノン管８および表示ランプ４を併記する。
【００１８】
そして、このような昇圧出力制御部１２による「フラッシュ照明制御」については、昇圧電圧の定時的印加に基いて行なわれるもので、その設定例を図６を参照して説明する。すなわち前記制御装置３６からの使用電圧(ＡＣ２４Ｖ)が設定時間内に亘り出力されるもとで、ブリッジダイオードＢＤ1で変換された電圧(ＤＣ３４Ｖ)が昇圧促進回路部１２Ａに入力されると、電流が整流ダイオードＤ1を通してトランジスタＱ1に供給される。そして抵抗Ｒ1,Ｒ2、コンデンサＣ2,Ｃ3およびトランジスタＱ1で構成される自動発振回路により、トランジスタＱ1に供給された電流が、一定周期で昇圧トランスＴ1の１次側(図示１番端子から２番端子)に流れ、この１次側の入力電流により、同トランスＴ1の２次側(図示５番端子)に高電圧が発生されることになる。
【００１９】
そうして、この高電圧が昇圧出力回路部１２Ｂ側の整流ダイオードＤ2を通してコンデンサＣ5に充電される過程において、充電電圧がツェナーダイオードＺＤ1で設定された電圧に達すると、サイリスタＳＣＲ1にトリガー電圧が供給されてアノードからカソード(図示上から下)に電流が流れ、コンデンサＣ7およびトランスｔ1,ｔ2を介して各々のキセノン管８のトリガー端子８ｃに電圧が印加される。これにより、キセノン管８の両電極８ａ,８ｂ間に閃光が発生される一方、コンデンサＣ5に充電された電圧が放電される。以降は前述と同様に高電圧がコンデンサＣ5に充電されるもとで、定時的にトリガー端子８ｃに電圧印加される毎に、キセノン管８が発光してフラッシュ照明するように制御される。
【００２０】
前述のように、表示ランプ４やフラッシュ照明具７等を具備して構成された基板１は、カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂに収容して取着され、ユニット化した照明表示装置Ｌとして取扱い得る。すなわちカバーレンズ２６の内部には、図１,図２および図３に示すように、取付け部としてのボス４０(図示実施例では３個)が、水平後方へ延出した状態に一体成形されており、これらボス４０と基板１に形成された前記小孔６とを夫々整合させてビス４１をねじ込むことにより、該基板１とカバーレンズ２６とが一体となってユニット化される。このように、カバーレンズ２６に基板１をビス着した状態にあっては、前記フラッシュ照明具７のキセノン管８が、図４に示すように、該カバーレンズ２６の口２６ａに装着したフラッシュレンズ１１に対して最適な位置に固定されるので、好適なフラッシュ照明が可能となる。また基板１の中央部の２個の表示ランプ４は、カバーレンズ２６の内部前方へ適宜延出する。
【００２１】
また、カバーレンズ２６における後方開口部２６ｂの端縁部には、前記設置部２１のリブ２５に整合し得るリブ４２が凸設してあると共に、上下端縁部における左右略中央には、図３および図１１に示すように、前枠Ｂに形成された係着口４３に係着可能な仮付け部としてのフック４４が、後方へ水平に延出した状態に一体成形されている。また、カバーレンズ２６の内部における両側端の近傍には、前記ボス４０と同様に水平後方へ延出する取付ボス４５が一体成形されており、前記前枠Ｂにはこれら取付ボス４５に対応した位置に嵌合口４６が凹設されている。これにより、カバーレンズ２６のリブ４２を設置部２１のリブ２５に適宜整合させると、前記各嵌合口４６に取付ボス４５が嵌入するようになる。
【００２２】
前述のように、カバーレンズ２６を予め装着してユニット部材として取扱い得る本実施例の照明表示装置Ｌは、その実施態様の一つである前枠Ｂの設置部２１に対して、図１０〜図１３に示すように設置される。すなわち、カバーレンズ２６におけるリブ４２およびフック４４を、設置部２１におけるリブ２５および係着口４３に整合させながら押し込むことにより、該係着口４３に対してフック４４が脱抜不能に係着され、カバーレンズ２６は前枠Ｂに対して仮付けされる。そして、これにより嵌合口４６に嵌入した取付ボス４５に、通孔４６ａを介してビス４７をねじ込むだけの簡単な作業により、カバーレンズ２６は前枠Ｂの設置部２１に完全に固定化保持される。なお基板１の通電線３は、図１０に示すように、設置部２１に形成した通口４８から前枠Ｂの裏側へ案内され、図８中の制御装置３６の電源出力部に接続することにより、本来の実施条件である電飾用照明表示部としてセットされる。
【００２３】
また、本実施例の照明表示装置Ｌは、前述例とは別の実施態様として、フレームレスタイプのガラス扉Ｃにも実施し得る。このガラス扉Ｃは、図７,図１４および図１５に略示するように、前記扉枠２７とこの扉枠２７の裏側に装着される裏板４９とからなる２重扉として構成され、扉枠２７の前側上縁部に設置部２２が形成されている。この実施例では、設置部２２の左右側端に係着口４３が形成され、カバーレンズ２６の側端縁部にフック４４が一体成形されたものを例示している。従って、カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂを介して基板１を取着した照明表示装置Ｌは、該カバーレンズ２６のフック４４を、設置部２２の係着口４３に整合させて係着することにより、ガラス扉Ｃに仮付けされる。そして、カバーレンズ２６の取付ボス４５に対して、裏板４９の裏側からビス４７をねじ込むことにより、照明表示装置Ｌはガラス扉Ｃに固定化保持される。なお通電線３は、図示しない通口を介してガラス扉Ｃの裏側へ案内され、前記同様に制御装置３６に通電接続される。
【００２４】
また基板１に対する各種デバイスの装填において、ハンドメード作業によりフラッシュ照明具７および表示ランプ４を組付ける場合には、夫々の脚ピン５,９をフランジ部および中空軸部等を有する定長ピンとしたもとで、各パターン線２の孔に差込んで強固にカシメ付け結合したものでもよい(本出願人の特願平６−３０２７７０号参照)。これによれば、各々のパターン線２に対して脚ピン５,９を適正な向きに固定して通電接続し得、また両者を半田付けするとしても必要最少量に留め得、半田の過剰量盛付けによる短絡を防止し得る。
【００２５】
【実施例の作用】
次に、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置の作用につき説明する。
【００２６】
合成樹脂成形されたカバーレンズ２６では、左右両端部に開口された口２６ａにフラッシュレンズ１１を裏側から嵌挿し、ビスや接着剤または弾性フック等の所要の手段により取着する。また基板１では、表示ランプ４およびフラッシュ照明具７等の各種デバイスを装填し、制御装置３６に通電接続される通電線３を連結する。これら別々に形成されたカバーレンズ２６および基板１において、図２に示すように、該カバーレンズ２６の後方開口部２６ｂに基板１を収容セットし、前記ボス４０と小孔６とを夫々整合させてビス４１をねじ込むことにより、該基板１とカバーレンズ２６とがユニット化される。この状態にあっては、フラッシュ照明具７のキセノン管８が、図４に示すように、該カバーレンズ２６に取着したフラッシュレンズ１１に対して最適な位置に固定され、好適なフラッシュ照明が可能となる。また表示ランプ４は、カバーレンズ２６の内部前方へ適宜延出して位置決めされる。
【００２７】
カバーレンズ２６を予め装着してユニット化された本実施例の照明表示装置Ｌは、例えば前枠Ｂの設置部２１に対して、図１０〜図１３に示すように設置される。すなわち、カバーレンズ２６におけるリブ４２およびフック４４を、設置部２１におけるリブ２５および係着口４３に整合させて押し込むと、該係着口４３に対してフック４４が脱抜不能に係着され、カバーレンズ２６は前枠Ｂに対して仮付けされる。このとき、取付ボス４５が設置部２１の嵌合口４６に嵌入しており、通孔４６ａを介してビス４７を該取付ボス４５にねじ込むだけの簡単な作業により、照明表示装置Ｌは前枠Ｂの設置部２１に完全に固定化保持される。また通電線３は、図１０に示すように、設置部２１に形成した通口４８から前枠Ｂの裏側へ案内して、図８中の制御装置３６の電源出力部に接続する。
【００２８】
なお、ガラス扉Ｃでの実施態様例にあっては、図１４および図１５に示すように、カバーレンズ２６のフック４４を設置部２２の係着口４３に整合させて係着することにより、該カバーレンズ２６が扉枠２７に仮付けされる。そして、カバーレンズ２６の取付ボス４５に対して、裏板４９の裏側からビス４７をねじ込むことにより、照明表示装置Ｌはガラス扉Ｃに固定化保持される。また通電線３は、図示しない通口を介してガラス扉Ｃの裏側へ案内し、前記同様に制御装置３６に通電接続する。
【００２９】
前述のように、前枠Ｂまたはガラス扉Ｃに本発明に係る照明表示装置Ｌを取着したパチンコ機Ｐにおいては、現行機と同様な遊技操作(球送り・発射作動操作)に基いて、上球皿Ｄ内の遊技球を機内の発射部位に１球ずつ送込んで打球発射装置Ｆにより遊技盤Ｈ内に打出し、所要のパチンコゲームを展開し得る。そして図９に略示した遊技盤Ｈでのゲームを例にして大別的に観ると、▲１▼夫々の入賞具３３,３３に対する遊技球の入賞ゲーム、▲２▼遊技球の入賞に基く図柄表示装置３４による表示ゲーム、▲３▼表示ゲームで得られた大当り成立ゲーム、▲４▼大当りゲームの成立を契機にして行なわれる電動入賞装置３５による開成作動ゲーム、等が現出される。そしてこのようなゲームに対応する照明表示態様例について、▲１▼,▲２▼では通常ゲームとして各種の遊技部品３１,３２,３３のランプ類による短時間のランプ表示が行なわれ、一方▲３▼,▲４▼では特別ゲームとされてランプ表示とは別に本実施例の照明表示装置Ｌによる設定時間内の照明表示が行なわれる。
【００３０】
そこで、本実施例の照明表示装置Ｌによる特別表示について、具体的に説明する。この特別照明表示では、前記▲１▼〜▲４▼を含む全てのゲームが前記制御装置３６での入出力制御処理に基いて進行されるもとで、特別ゲームの開始から終了、つまり大当り成立時から開成作動終了までの設定時間に亘り、制御装置３６の電源出力部から出力される使用電圧(ＡＣ２４Ｖ)をもとにして、図６中のブリッジダイオードＢＤ1で変換された制御用の電圧(ＤＣ３６Ｖ)が、基板１の通電線３を介して入力されることにおいて行なわれる。なお、ガラス扉Ｃでの実施態様例にあっても、同様な設定条件で行なわれる。
【００３１】
このような設定条件において、変換された電圧が基板１に入力されると、２個の表示ランプ４が通電発光されてカバーレンズ２６を介して照明する。一方、変換電圧が昇圧出力回路部１２Ａに入力されると、電流が整流ダイオードＤ1を通してトランジスタＱ1に供給されて自励発振回路部分Ｒ1,Ｒ2,Ｃ2,Ｃ3,Ｑ1を介して昇圧トランスＴ1の１次側に一定周期で流れ、そしてこの１次側の入力電流により同トランスＴ1の２次側に高電圧が発生される。この高電圧が整流ダイオードＤ2を通してコンデンサＣ5に充電されるもとで、ツェナーダイオードＺＤ1で設定された電圧に達すると、サイリスタＳＣＲ1にトリガー電圧が供給されてアノードからカソードに電圧が流れ、コンデンサＣ7およびトランスｔ1,ｔ2を介して各フラッシュ照明具７におけるキセノン管８のトリガー端子８ｃに電圧が印加されることにより、キセノン管８の両電極８ａ,８ｂ間に閃光が発生される。以降高電圧がトリガー端子８ｃに印加される毎に、キセノン管８が発光してフラッシュレンズ１１を介して照明する。
【００３２】
従って特別ゲームの現出中の設定時間内においては、２個の表示ランプ４によるランプ照明と、２個のフラッシュ照明具７による定時的なフラッシュ照明とが併行されることによって、同ゲームの現出状態を好適かつ鮮明に照明表示し得ると共に電飾効果を高め得、特にフラッシュ照明により特別ゲームを得た遊技者に対して快適なインパクト、満足感を与えながら照明報知することができる。ちなみに表示ランプ４の照明は、点灯または点滅であってもよく、一方フラッシュ照明は、特別ゲームの現出設定時間内において、例えば３〜５秒間隔で継続して行なわれるようにしてもよい。
【００３３】
本発明に係る遊技機における照明表示装置は、前記実施例に示したパチンコ機だけに限らず、スロットマシン等にも好適に実施し得る。
【００３４】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置によれば、別体に形成したカバーレンズと、表示ランプやフラッシュ照明具等を具備した基板とを、予め組付けてユニット化した照明表示装置として取扱うことができる。従って、前枠やガラス扉に形成した設置部に対して一方向からの作業で仮付けが可能なので組付け作業の合理化が可能となると共に、単一部材として構成されるから保管,取扱いの簡素化も図り得る利点がある。また、基板はカバーレンズの内部に収容されて前枠で覆蓋されるので、従来必要としていた基板保護用の保護ケースを不要とし、部品点数を減らしてコスト低減が可能となる等の有益な効果を奏する。
【００３５】
また、本発明に係るパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置では、一般的なフィラメント式ランプやＬＥＤランプの表示ランプの他に、キセノン管等を使用して定時的に発光し得るフラッシュ照明具を具備したことにより、遊技者に興味が持たれる特別ゲームを成立・現出し得る遊技機に実施することで、輝度の異なる光により特別ゲーム等の成立状態を好適かつ鮮明に表示して、電飾的効果を高めることができる利点がある。従って、特別ゲームを成立させた遊技者に対して、快感や満足感、更には優越感を充分に与え得る。また、インパクトの強い照明表示が可能であるので、「島」とも呼ばれる遊技機の設置枠台の上部に、別の特別ゲーム用照明表示機器を設ける必要がなくなり、パチンコホールにおける設備費を低減させ得る有益な効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の好適な実施例に係る照明表示装置の基本構成を分解して示す正面図である。
【図２】本発明の好適な実施例に係る照明表示装置を一部破断して示す平面図および背面図である。
【図３】照明表示装置の基本構成を分解して示す斜視図である。
【図４】照明表示装置における主要部を示す横断平面図である。
【図５】照明表示装置における昇圧出力制御部を示す正面図である。
【図６】照明表示装置の回路図である。
【図７】本発明が実施されるパチンコ機を略示する正面図である。
【図８】本発明が実施されるパチンコ機を略示する背面図である。
【図９】本発明が実施されるパチンコ機に装着される遊技盤の一例を略示する正面図である。
【図１０】照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の要部を一部破断して示す正面図である。
【図１１】照明表示装置を前枠側に取着する状態を破断して示す斜視図である。
【図１２】照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の縦断側面図である。
【図１３】照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の縦断側面図である。
【図１４】照明表示装置をガラス扉側に実施した場合のガラス扉の正面図である。
【図１５】照明表示装置をガラス扉側に実施した場合のガラス扉の要部を示す横断平面図である。
【図１６】従来の照明表示装置を前枠側に実施した場合の前枠の縦断側面図である。
【符号の説明】
１ 回路基板 ４ 表示ランプ(照明用具)
７ フラッシュ照明具(照明用具) ８ キセノン管(発光部)
１１ フラッシュレンズ １２ 昇圧出力制御部
２２ 設置部 ２５ リブ
２６ カバーレンズ ２６ａ 口
２６ｂ 後方開口部 ２７ 扉枠
３６ 制御装置 ４０ ボス ( 取付け部 )
４１ ビス ４２ リブ
４３ 係着口 ４４ フック(仮付け部)
４５ 取付ボス ４６ 嵌合孔
４７ ビス Ａ 外枠
Ｂ 前枠 Ｃ ガラス扉
Ｈ 遊技盤 Ｌ 照明表示装置
Claims (1)
- 外枠(A)に対する前枠(B)にセットされた遊技盤(H)で電子的な制御装置(36)を利用した所定のパチンコゲームを展開しながら特別ゲームを現出し得る一方、前枠(B)の前側またはこの前枠(B)前面に装着されたフレームレスタイプのガラス扉(C)の前側で特別ゲームの現出に合わせた照明表示をなし得るパチンコ機にあって、
前記ガラス扉(C)における扉枠(27)の上部に成形された設置部(22)に対して着脱可能に装設される照明表示装置(L)について、当該の設置部(22)に適合する形状・サイズに樹脂成形されて所定部位に仮付け部(44)、基板取付け用のボス (40) および設置部 (22) への取付け用の取付けボス(45)を形成すると共に、左右両端部に開設した口 (26a) にフラッシュレンズ (11) を取着したカバーレンズ(26)と、このカバーレンズ(26)の後方開口部 (26b)に収容し得る長尺帯板状に成形されて前記制御装置(36)側に通電接続されると共に、特別ゲームの現出に合わせて前記制御装置 (36) から出力される使用電圧をもとにして昇圧された電圧を定時的に出力制御し得る発光用の昇圧出力制御部 (12) を構成する一方、昇圧出力制御部 (12) から定時的に出力される昇圧電圧が発光部 (8) に印加されることによって発光し得るフラッシュ照明具 (7) およびフィラメント式ランプ (4)を配置接続した回路基板(1)とを有し、
前記設置部(22)には、上下の端縁部および左端縁部から突出する前側のリブ(25)および前側に開口する係着口(43)が形成されて、
前記カバーレンズ(26)には、後方開口部(26b)の上下の端縁部および左端縁部に、前記設置部(22)のリブ(25)に整合し得るリブ(42)が凸設され、上下端縁部における左右略中央に、前記係着口(43)に脱抜不能に係着可能な前記仮付け部としてのフック(44)が後方へ水平に延出した状態に一体成形されると共に、
前記フィラメント式ランプ (4) は、前記回路基板 (1) の中央部に左右に離間するよう２個配設されると共に、前記フラッシュ照明具 (7) は、該回路基板 (1) の左右両端部に夫々１個配設されて、
前記基板取付け用のボス (40) は、前記カバーレンズ (26) の内部において前記フィラメント式ランプ (4) の間およびフラッシュ照明具 (7) より左右両端部側に位置するよう水平後方へ延出した状態に一体成形されると共に、前記設置部 (22) への取付け用の取付けボス (45) は、該カバーレンズ (26) の内部において左右両端部側に位置するボス (40) よりも左右端部近傍に位置するよう水平後方へ延出した状態に一体形成され、
前記フラッシュレンズ (11) は、前記カバーレンズ (26) の口 (26a) に合わせて裏側から嵌挿して取着されて、該カバーレンズ (26) に取着した状態においてカバーレンズ (26) の内部へ突出すると共に後方に開口するよう形成され、
前記フラッシュ照明具 (7) の発光部 (8) が該フラッシュレンズ (11) の後方開口から内側に臨むように前記カバーレンズ(26)の開口面側に配置した前記回路基板(1)を前記ボス (40) に対してビス (41) により組付けて単一化し、該カバーレンズ(26)におけるリブ(42)およびフック(44)を、前記設置部(22)におけるリブ(25)および係着口(43)に整合させながら押し込んで仮付けセットした後に前記設置部 (22) に凹設した嵌合口 (46) に嵌入された前記カバーレンズ (26) の取付ボス (45) に対してビス (47) により固定化保持するよう構成した
ことを特徴とするパチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32621496A JP4258576B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | パチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32621496A JP4258576B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | パチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
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| JPH10146421A JPH10146421A (ja) | 1998-06-02 |
| JP4258576B2 true JP4258576B2 (ja) | 2009-04-30 |
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ID=18185274
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP32621496A Expired - Lifetime JP4258576B2 (ja) | 1996-11-20 | 1996-11-20 | パチンコ遊技機のゲーム用の照明表示装置 |
Country Status (1)
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Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6488606B2 (ja) * | 2014-09-18 | 2019-03-27 | サミー株式会社 | 遊技機 |
-
1996
- 1996-11-20 JP JP32621496A patent/JP4258576B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10146421A (ja) | 1998-06-02 |
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