JP4258416B2 - 光ビーム制御装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は光ビーム制御装置に関し、特に画像形成装置において感光体等の像担持体を露光する光ビームの制御を行う光ビーム制御装置、及びそれを用いた画像形成装置に関する。
レーザプリンタ等の電子写真方式の画像形成装置においては、半導体レーザ等の光ビーム発生手段により光ビームを発光させ、射出された光ビームをポリゴンミラーなどにより偏向し、表面が一様に帯電された感光体表面を走査することにより静電潜像を形成した後、現像、転写等のプロセスを経て記録シート上に画像が形成される。
光ビームの光量制御方法として、発光光量をPIN型フォトダイオード等の光量検出センサを用いて検出し、検出結果に基づいて半導体レーザの駆動を制御するAPC(オート・パワー・コントロール)方式が一般に用いられている。しかしながら、光ビームを発生する半導体レーザに対し、最初から大きな駆動電流を流すと、レーザの特性のばらつきのために定格オーバとなる場合が生じ、レーザダイオード等の素子が破壊に至る場合があるという問題点が特許文献1に記載されている。
また、光ビームの制御は上記したような光量制御だけでなく、発光タイミングについても行われる。発光タイミングの制御は、例えば光ビームが感光体表面を走査する直前のタイミングで通過するような位置に設けられた光ビーム検出センサ(BDセンサ)を用いて行われる。即ち、光ビームがBDセンサ上を通過したタイミングを検出し、検出結果として得られる信号(BD検出信号)に基づいて、光ビームが感光体表面の適切な位置を露光するように発光タイミングを制御する。
上記特許文献1に記載の光量制御装置では、素子の破壊を防止するため、半導体レーザの起動から、徐々に光量を増加させる制御を行うとともに、前記BDセンサが光ビームの通過を検出することが可能な光量に到達した後は、光ビームが感光体表面を露光しないタイミングでのみ発光させるようにした光量制御装置が開示されている。
特開平2−96786号公報
しかしながら、上記従来の技術では、BDセンサにより光ビームが検出されるまでは常に光ビームが発光している状態にあるため、半導体レーザの劣化や、感光体表面に光ビームが到達してしまうことによる感光体表面の劣化が問題となる。
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであって、半導体レーザや感光体の劣化を抑制することができる光ビーム制御装置、及び当該光ビーム制御装置を用いた画像形成装置を提供することを目的としている。
上記の問題点を解決するために、本発明に係る光ビーム制御装置は、像担持体を露光する光ビームを発生する光ビーム発生手段と、前記光ビーム発生手段が発生した光ビームの光量を検出する光量検出手段と、検出された光量に基づいて前記ビーム発生手段が発生する光ビームの光量を制御する光量制御手段と、前記光ビーム発生手段が発生した光ビームを像担持体上を含む領域に走査させる走査手段と、前記光ビーム発生手段が発生し、前記走査手段により所定の位置に走査された光ビームを検出する光ビーム検出手段と、前記光ビーム発生手段による発光タイミングを制御する発光タイミング制御手段とを備え、前記光量制御手段は、前記光ビーム発生手段の起動から、前記光ビーム検出手段により光ビームが検出されるまでの初期期間において、前記光ビーム検出手段で検出できない光量から徐々に光量を増加させる制御を行うとともに、前記発光タイミング制御手段は、前記初期期間において、消灯期間を設けた制御を行うことを特徴としている。
この構成では、半導体レーザ等の光ビーム発生手段の起動から、BDセンサにより光ビームが検出されるまでの初期期間において、光ビームが消灯する期間が設けられることとなる。消灯期間においては、感光体表面が露光されることもないため、その分、半導体レーザ等の発光部や感光体等の劣化を抑制することができる。
なお、消灯期間においては、APC制御において目標値として設定される光量と、実際に検出される光量との差が急に大きくなり、光量のフィードバック制御において不都合が生じるようにも思われるが、APC制御のための受光センサとフィードバック制御を行う制御部との間に、消灯前の光量を保持しておくような回路を備えることにより、消灯期間を設けても光量制御に問題が生じることが防止できる。
なお、前記発光タイミング制御手段は、前記初期期間において周期的に光ビームを発光及び消灯させる制御を行うようにすることができる。複雑な制御機構を備えれば、発光タイミングは任意に決定することも可能であるが、コスト上昇の原因となる。その点、周期的に発光及び消灯させるとすれば制御機構の構造が簡単となり、コスト上昇を抑制することができる。
また、前記発光タイミング制御手段は、前記初期期間において、連続する複数回の発光のいずれかにおいて、前記光ビーム検出手段による光ビームの検出がなされ得る周期で発光させる制御を行うことが好ましい。このように発光周期を調整することにより、BDセンサ上を光ビームが通過するタイミングで消灯状態であったような場合でも、次回の発光の際にBD検出信号を取得することができ、さらに感光体等の劣化の抑制に資する。具体的な手法の一例として、前記発光タイミング制御手段は、前記初期期間において、前記走査手段による1走査に要する時間より長い期間発光させた後、消灯する制御を行うようにすることができる。この場合には、BD検出可能であったタイミングで消灯状態であった場合でも、次回の発光期間に確実にBD検出信号を取得することができる。
さらに、前記発光タイミング制御手段は、前記初期期間において、光ビームにより露光される前記感光体上の主走査方向の位置が、前記走査手段による走査ごとに異なるタイミングで発光させる制御を行うことが好ましい。感光体上において、光ビームが到達する位置を分散させることができ、感光体の一部のみ劣化が進行する、といった事態を防止することができるからである。
なお、本発明に係る画像形成装置は、光ビーム制御装置により発生した光ビームで像担持体を露光して潜像を形成する画像形成装置において、前記光ビーム制御装置として上記本発明に係る光ビーム制御装置のいずれかを備えることを特徴としている。
本発明の光ビーム制御装置によると、半導体レーザ等の光ビーム発生手段が、その起動時から、BDセンサにより光ビームが検出されるまでの初期期間において常時発光状態にある場合と比較し、半導体レーザ等の発光部や感光体等の像担持体の劣化を抑制することができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(1)レーザプリンタの全体構成
図1は、本発明の一適用対象である画像形成装置としてのレーザプリンタの主要構成部品の斜視図、図2はレーザプリンタの概略側断面図である。
レーザプリンタは、本体ケース1のメインフレーム1aに、上面から、露光ユニットとしてのスキャナユニット2、画像形成手段としてのプロセスユニット3、定着手段としての定着ユニット4、給紙ユニット5、及び駆動系ユニット6等が装着されて構成され、さらに、スキャナユニット2の発光制御を行う光ビーム制御部と、当該光ビーム制御部及び上記各ユニットの制御を行う制御部(ともに不図示)とを備えている。
合成樹脂製の本体ケース1は、メインフレーム1aと、このメインフレーム1aの四周(前後及び左右両側)外面を覆うメインカバー体1bとを有しており、当該メインフレーム1aとメインカバー体1bとを一体的に射出成形等により形成したものである。
メインモータ(不図示)とギヤ列とを含む駆動系ユニット6は、図1に示されるメインカバー体1bの左側内面とそれに近接するメインフレーム1aの左側との間に設けられた収納凹所1d内に、本体ケース1の下方から挿入して装着固定される。更に、メインフレーム1a及びメインカバー体1bの上面を覆うための合成樹脂製の本体カバーとしてのトップカバー7には、メインフレーム1aの右側に上向きに突出して設けられる操作パネル1cを貫通させる孔7aと、給紙ユニット5の基部を貫通させるための孔7bとが穿設されている。
排紙トレイ8の基部はトップカバー7の前端の左右両側に突設したブラケット9(図1で一方のみ示す)に上下揺動可能に装着されており、不使用の場合には、排紙トレイ8をトップカバー7の上面側に折り畳んで覆うことができる。
給紙ユニット5におけるフィーダ部ケース5a内には、積層された状態で被記録媒体としての記録紙Pがセットされる。図2に示すように、記録紙Pの先端側は、フィーダ部ケース5a内のばね10aで付勢された支持板10にて給紙ローラ11に向かって押圧されており、このため、駆動系ユニット6から動力伝達されて回転する給紙ローラ11と分離パッド12とによって、記録紙Pを1枚ずつ分離して上下一対のレジストローラ13、14に送ることができる。なお、給紙ユニット5には斜め上方向に開口する手挿口5bが設けられ、フィーダ部ケース5a内の記録紙Pとは別の記録紙にて印刷する場合に、当該記録紙を手挿口5bへと挿入して使用することができる。
プロセスユニット3は、レジストローラ13、14にて給送されてくる記録紙Pの表面に現像材(トナー)により画像(トナー画像)を形成する。更に、定着ユニット4は、トナー画像が形成された記録紙Pを、加熱ローラ15と押圧ローラ16とで挟持することで加熱し、記録紙P上のトナー画像を定着する。なお、加熱ローラ15は、表面がフッ素コートされたアルミ管の中に定着用ヒータ15aを挿入したもので、その長手方向の略中央部には外表面にサーミスタ41が接触している。また、押圧ローラ16は、表面がフッ素樹脂で被覆されたゴムローラである。
定着ユニット4のケース内における下流側に配置された排紙ローラ17とピンチローラ18とからなる排紙部は、トナー画像が定着された記録紙Pを排紙トレイ8に排出する。給紙ローラ11から排紙部までが、被記録媒体搬送ルートである。
メインフレーム1aの平面視ほぼ中央部に配置するプロセスユニット3の下方の部位には、スキャナユニット2の上支持板2aが、メインフレーム1aの底板部の上面側に一体的に形成したステー部にビス等にて固定される。
露光ユニットとしてのスキャナユニット2は、合成樹脂製の上支持板2aの下面側に、レーザ発光部(図1には不図示)、ポリゴンミラー20、レンズ21、反射鏡22等を配置して構成される。ポリゴンミラー20はモータ駆動回路90により駆動されるスキャナモータ86によって高速回転しており、ポリゴンミラー20により偏向されたレーザビームが、感光体としての感光体ドラム23の軸線に沿って延びるように上記上支持板2aに穿設された横長スキャナ孔を覆う硝子板24を通過して感光体ドラム23の外周面を露光する。
プロセスユニット3は、感光体ドラム23とその上面に当接した転写ローラ25、感光体ドラム23の下方に配置したスコロトロン型等の帯電器26、給紙方向において感光体ドラム23よりも上流側に配置した現像ローラ27及び供給ローラ28を有する現像装置、更にその上流側に配置した現像剤(トナー)供給部すなわち着脱可能なトナーカートリッジ29、また感光体ドラム23よりも下流側に配置したクリーニングローラ30、更にクリーニングローラ30よりも下流側に配置した除電ランプ30a等からなっている。
感光体ドラム23の外周面には、帯電器26にて一様帯電された感光体層にスキャナユニット2から射出されたレーザビームを走査することによって静電潜像が形成される。トナーカートリッジ29内の現像剤(トナー)は、攪拌体31にて攪拌されて放出された後、供給ローラ28を介して現像ローラ27の外周面に担持され、ブレード32によってトナー層の厚さが規制される。
感光体ドラム23表面に形成された静電潜像は、現像ローラ27により現像剤が付着することによって顕像化される。その現像剤による像(トナー画像)は、感光体ドラム23の電位とは逆電位の転写バイアスが印加された転写ローラ25と感光体ドラム23との間を通る記録紙Pに転写される。そして、感光体ドラム23上に残ったトナーはクリーニングローラ30で一時的に回収された後、所定のタイミングで感光体ドラム23に戻され、現像ローラ27によりプロセスユニット3内に回収される。
なお、スキャナユニット2の上支持板2aには、上向きに突出するトナーセンサ33が設けられ、発光部と受光部との対からなるトナーセンサ33がプロセスユニット3におけるトナーカートリッジ29の下面凹所内に臨んで、トナーカートリッジ29内のトナーの有無を検出できるようになっている。
プロセスユニット3は、合成樹脂製のケース34に組み込むことにてカートリッジ化されており、このカートリッジ化したプロセスユニット3は、メインフレーム1aに着脱可能に装着される。
メインフレーム1aの前部位とメインカバー体1bの前部位との連設部下面側には、冷却ファン35を収納するための収納部36と、記録紙Pの通過方向と直交する左右方向に延びる通風ダクト37とが連通して形成される。そして、通風ダクト37の上面板部37aを断面下向きV字状に形成し、この上面板部37aをプロセスユニット3と定着ユニット4との間に位置させて、定着ユニット4における加熱ローラ15から発生する熱がプロセスユニット3側に直接伝達しないように遮断する。
また、冷却ファン35で発生した冷却風は、通風ダクト37内を通ってメインフレーム1aの一側下面を伝い、後部の電源部39及び駆動系ユニット6内のメインモータを冷却する一方、上面板部37aのうち、プロセスユニット3側に開口した複数箇所のスリット孔から吹き出し、該冷却風は、プロセスユニット3と定着ユニット4の間を通過して上昇し、トップカバー7に複数穿設した排気孔40から装置外に排出される。
(2)レーザ光学系の構成
図3は、レーザビームLBを走査し、感光体ドラム23の表面を露光するレーザ光学系の構成を模式的に示す図である。レーザ光学系は、レーザダイオード82を備えた光ビーム発光手段としてのレーザ発光部80と、ポリゴンミラー20と、fθレンズ21等から構成されている。後述する画像信号(VDO)に基づいて変調されたレーザダイオード82が発振され射出されたレーザビームLBは、図示しないコリメートレンズ、シリンドリカルレンズを介し、ポリゴンミラー20に投射される。ポリゴンミラー20は、ポリゴンミラー駆動モータ86に駆動され矢印方向に高速で回転して、レーザビームLBを、等角運動をするように偏向する。この等角運動をするレーザビームLBは、fθレンズ21により感光体ドラム23上を主走査方向に等速に移動するように照射され、感光体ドラム23上に示された走査ラインSLが走査され、露光される。
レーザビームLBは、感光体ドラム23を走査する直前にビーム検出センサ(BDセンサ)81に受光され、主走査の開始の信号(BD検出信号)を不図示の制御部に送信する。また、制御部は前記BD検出信号を受けて、主走査のタイミングに同期するように、アクチュエータであるステッピングモータ85を駆動して感光体ドラム23を回転させる。感光体ドラム23が回転することで、露光すべき感光体が矢印方向に移動されて感光体ドラム23の表面に設けられた感光体が矢印方向に相対的に副走査され、順次照射することにより感光体全体を露光して潜像を形成する。この感光体ドラム23の回転は、光学式のロータリーエンコーダ84により電気的に変換されて制御部にフィードバックされ制御される。ロータリーエンコーダ84は、感光体ドラム23と連動して回転するように設けられ、所定角毎にスリットが穿設された円板状部材を投光器と受光器からなる光センサで挟んで構成され、この回転する円盤状部材を透過する光線を受光器で検出して、速度情報をパルス状の電気的信号に変換する。
図4は、レーザ発光部80に用いられる半導体レーザ素子の構成を示す一部を破断した斜視図である。同図においては上方がレーザビームLBの射出方向である。半導体レーザ素子は、金属製のステム91と、キャップ92とからなる金属ケース93にレーザダイオード(LD)82及びAPC制御のための受光素子であるPIN型のフォトダイオード(PD)94が配設される。レーザダイオード82は、画像信号により変調された駆動電流によりレーザ発振し、レーザビームLBが射出孔95を通して射出される。
(3)光ビーム制御部の構成
次に、本実施の形態において光ビームの光量及び発光タイミングを制御する光ビーム制御部の構成について説明する。図5は、光ビーム制御部の構成を示すブロック図である。
光ビーム制御部は、LD制御指示回路150、LD電流制御回路160、比較回路170、及びピークホールド回路180を備えている。LD制御指示回路150には、光ビーム制御部等の制御を行う制御部(不図示)から、レーザダイオード82を起動すべきことを示すLDイネーブル信号(/ENB)が入力され、このイネーブル信号が入力された場合に、LD電流制御回路160が、レーザダイオード82への駆動電流の供給を開始する。本実施の形態では、レーザダイオード82の起動から、BDセンサ81によるレーザビームLBの検出までは、駆動電流を徐々に増加させていく制御を行うが、これは、比較回路170からの出力に基づいて行われる。
ピークホールド回路180は内部に容量素子を備え、PD94により検出されたレーザダイオード82の光量のピーク値が保持される。比較回路170には、ピークホールド回路180に保持された光量のピーク値を表す電圧と、レーザダイオード82の起動時においては、0から徐々にその値が大きくなるように制御された基準電圧とが入力され、比較回路170は、両者を比較した結果を示す信号をLD電流駆動回路160に出力する。基準電圧は前記制御部より入力される。LD電流制御回路160は、比較回路170の出力に基づいて、レーザダイオード82へ供給する駆動電流を制御することにより、起動時の非発光状態から、徐々にレーザダイオード82の光量が増加していくように制御を行う。
レーザダイオード82への駆動電流が制御される一方で、本実施の形態では、発光タイミング制御手段の一部として機能する変調回路190がレーザダイオード82の発光タイミングを制御する。変調回路190には、通常の画像形成時には形成すべき画像を表す画像信号(VDO)が入力されるが、レーザダイオード82の起動時には、信号(VDO)として発光タイミングを規定するパルス信号が入力されることにより、レーザダイオード82の発光タイミングが制御される。本実施の形態では画像信号(VDO)も前記制御部から入力される。図6は、レーザダイオード82の起動の際における上記各信号のオン・オフの状態を示すタイミング図である。
同図に示されるタイミングAにおいて、LD制御指示回路150に入力されるLDイネーブル信号(/ENB)がオンとなり、LD電流制御回路160によるレーザダイオード82への駆動電流の供給が開始する。本実施の形態では、レーザダイオード82の起動の際に、ビデオ信号(VDO)としてパルス信号を用いることにより、レーザダイオード82を周期的に発光及び消灯させるような制御を行う。レーザのオン・オフの制御のためにビデオ信号を用いることが必須という趣旨ではないが、ビデオ信号を用いれば発光期間、消灯期間の長さの設定を周期ごとに任意に行うことが容易であるという利点がある。本実施の形態では、図6に示される期間t1においてレーザダイオード82が発光し(VDO信号オン)、期間t2において消灯する(VDO信号オフ)。
期間t1及びt2の長さについては、原則的には、例えば以下のような考え方で決定することができる。即ち、発光期間t1は、レーザダイオード等の劣化の抑制という観点からは短い方が好ましいが、余りに短いとBD検出信号の取得が遅れる可能性が高まる。BD検出信号の取得が遅れた場合、結果的に、BD信号検出までの全発光期間が長くなり、レーザダイオード82の消灯期間を設けたことによるレーザダイオード等の劣化の抑制という効果が減殺されるおそれがあるため、消灯期間を設けながらも、できるだけ早期にBD検出が行えるようにすることが好ましい。
本実施の形態では、ポリゴンミラー20によって、レーザビームLBが感光体表面を主走査方向に1度走査するために要する時間(具体的には図6に示されるように2回のBD検出の時間間隔)をTとした場合に、発光期間t1>T、かつ消灯期間t2<Tの関係を満たすような周期としている。このように1走査に要する時間より長い期間発光させた後、消灯する制御を行うようにすれば、BD検出可能であったタイミングで消灯状態であった場合でも、次回の発光期間に確実にBD検出信号を取得することができる。
以下、図7を参照して起動の際の動作について説明する。図7は、レーザダイオード82の起動の際に、比較回路170に入力される基準電圧、APC制御用PD94の出力の状態等を示すタイミング図である。図中タイミングを表すA、B等の文字について、図6中の同じタイミングについては同じ文字を用いて表している。
前記したようにタイミングAでイネーブル信号(/ENB)がオンとなり、LD電流制御回路160による駆動電流の供給が開始するとともに、比較回路170の基準電圧が徐々に上昇を開始し、レーザダイオード82に供給される駆動電流が徐々に増加する。レーザダイオード82の光量も徐々に増加し、APC用PD94の出力も徐々に大きくなる。
最初の発光期間t1の経過後、タイミングBでビデオ信号(VDO)がオフとなり、レーザダイオード82が消灯するため、PD94の出力も落ちる。しかしながら、タイミングBでの消灯直前の光量を表すPD94の出力電圧はピークホールド回路180に保持されており、消灯期間t2の経過後、タイミングCにおいて再度レーザダイオード82が点灯する際には、保持された電圧が基準電圧と比較される。
その後もレーザダイオード82の光量、即ちPD94の出力電圧は、基準電圧の上昇に伴い徐々に増加する。そして、タイミングDにおいて、BDセンサによるレーザビームの検出が可能なタイミング、即ち、ポリゴンミラー20により偏向されたレーザビームLBがBDセンサ81上を通過するタイミングとなるが、この時点では、レーザビームLBの光量が不足しているため、BD検出信号の取得には至らないものとする。なお、図8にBD検出信号の検出回路の概略を示す。この検出回路は、増幅回路210及びAD変換回路220を含んでおり、BD検出信号をデジタル信号として出力する。
次にBDセンサによる検出が可能なタイミングEにおいては、VDO信号がオフであるため、レーザダイオード82は消灯された状態となっており、ここでもBD検出信号は取得されない。しかしながら、次の発光期間にて訪れたBD検出信号の検出可能タイミングFにおいて、発光期間の長さt1が1走査に要する時間Tよりも長い時間であることから、確実にBD検出信号を取得することができる。
BD検出信号が検出されると、その旨がVDO信号を生成している不図示の制御部へと送信され、図6へと戻って、BD検出信号がオフとなるタイミングGにおいて、期間t1の経過を待たずにVDO信号がオフ状態となることにより、感光体の劣化が抑制される。以後はBD検出信号がオフとなるタイミングから、所定時間T0(<T)の経過後のタイミングHから所定の期間だけ、レーザダイオード82を発光させることにより、BD検出信号を取得しながらAPC制御を継続することができる。
以上に説明したように、本実施の形態の光ビーム制御装置によると、レーザダイオード等の光ビーム発生手段の起動から、BDセンサにより光ビームが検出されるまでの初期期間において、レーザを消灯させる期間を設けたことにより、レーザダイオード等の発光部や、感光体等の劣化を抑制することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明の内容が上記実施の形態において説明された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
即ち、上記実施の形態では、レーザの発光期間t1の長さを、1走査に要する時間Tよりも長くして、発光期間における1走査にて確実にBD検出信号を取得するようにし、さらに消灯期間t2の長さを上記Tよりも短くするように構成した。しかしながら、発光期間t1と、消灯期間t2との和は、Tの整数倍とはならないようにすることが好ましい。発光期間において、レーザが感光体表面に到達した場合における感光体上の主走査方向上の位置が走査ごとにずれることとなり、感光体の一部の領域のみ劣化が進行する、といった事態を未然に防止することができるからである。
本発明は、例えば画像形成装置などにおいて、像担持体を露光する光ビームの制御等に適用することができる。
本発明の一適用対象である画像形成装置としてのレーザプリンタの主要構成部品の斜視図である。 レーザプリンタの概略側断面図である。 レーザ光学系の構成を模式的に示す図である。 半導体レーザ素子の構成を示す一部を破断した斜視図である。 光ビーム制御部の構成の一例を示すブロック図である。 レーザダイオード82の起動の際における各信号の状態を示すタイミング図である。 レーザダイオード82の起動の際に、比較回路170に入力される基準電圧、APC制御用PD94の出力の状態を示すタイミング図である。 BD検出信号の検出回路の概略構成の一例を示す図である。
符号の説明
81 BDセンサ
82 レーザダイオード(LD)
94 フォトダイオード(PD)
150 LD制御指示回路
160 LD電流制御回路
170 比較回路
180 ピークホールド回路
190 変調回路

Claims (6)

  1. 像担持体を露光する光ビームを発生する光ビーム発生手段と、
    前記光ビーム発生手段が発生した光ビームの光量を検出する光量検出手段と、
    検出された光量に基づいて前記ビーム発生手段が発生する光ビームの光量を制御する光量制御手段と、
    前記光ビーム発生手段が発生した光ビームを像担持体上を含む領域に走査させる走査手段と、
    前記光ビーム発生手段が発生し、前記走査手段により所定の位置に走査された光ビームを検出する光ビーム検出手段と、
    前記光ビーム発生手段による発光タイミングを制御する発光タイミング制御手段とを備え、
    前記光量制御手段は、
    前記光ビーム発生手段の起動から、前記光ビーム検出手段により光ビームが検出されるまでの初期期間において、前記光ビーム検出手段で検出できない光量から徐々に光量を増加させる制御を行うとともに、
    前記発光タイミング制御手段は、
    前記初期期間において、消灯期間を設けた制御を行う
    ことを特徴とする光ビーム制御装置。
  2. 前記発光タイミング制御手段は、
    前記初期期間において周期的に光ビームを発光及び消灯させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の光ビーム制御装置。
  3. 前記発光タイミング制御手段は、
    前記初期期間において、連続する複数回の発光のいずれかにおいて、前記光ビーム検出手段による光ビームの検出がなされ得る周期で発光させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項2に記載の光ビーム制御装置。
  4. 前記発光タイミング制御手段は、
    前記初期期間において、前記走査手段による1走査に要する時間より長い期間発光させた後、消灯する制御を行う
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の光ビーム制御装置。
  5. 前記発光タイミング制御手段は、
    前記初期期間において、光ビームにより露光される前記感光体上の主走査方向の位置が、前記走査手段による走査ごとに異なるタイミングで発光させる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光ビーム制御装置。
  6. 光ビーム制御装置により発生した光ビームで像担持体を露光して潜像を形成する画像形成装置において、
    前記光ビーム制御装置として請求項1から5のいずれかに記載の光ビーム制御装置を備える
    ことを特徴とする画像形成装置。
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