JP4258302B2 - 電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はPDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用な電磁波シールド性光透過窓材とその製造方法に係り、特に、透明フィルム上に導電性パターンを形成してなる電磁波シールド性光透過窓材とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題となっている。
【0003】
そこで、従来、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
【0004】
従来の電磁波シールド性光透過窓材は、主に、金網のような導電性メッシュ材又は透明導電性フィルムをアクリル板等の透明基板の間に介在させて一体化した構成とされている。
【0005】
従来の電磁波シールド性光透過窓材に用いられている導電性メッシュは、一般に線径10〜500μmで5〜500メッシュ程度のものであり、開口率は75%未満である。
【0006】
従来用いられている導電性メッシュは、一般に、メッシュを構成する導電性繊維の線径が太いものは目が粗く、線径が細くなると目が細かくなっている。これは、線径の太い繊維であれば、目の粗いメッシュとすることは可能であるが、線径の細い繊維で目の粗いメッシュを形成することは非常に困難であることによる。
【0007】
このため、このような導電性メッシュを用いた従来の電磁波シールド性光透過窓材では、光透過率の良いものでも、高々70%程度であり、良好な光透過性を得ることができないという欠点があった。
【0008】
また、従来の導電性メッシュでは、電磁波シールド性光透過窓材を取り付ける発光パネルの画素ピッチとの関係で、モアレ(干渉縞)が発生し易いという問題もあった。
【0009】
透明導電性フィルムを併用することで光透過性と電磁波シールド性とを両立させることが考えられるが、透明導電性フィルムは、筐体との導通をとることが容易ではないという不具合がある。
【0010】
即ち、導電性メッシュであれば、上述の如く、導電性メッシュの周縁部を透明基板周縁部からはみ出させ、このはみ出し部分を折り曲げ、この折り曲げた部分から筐体との導通を図ることができるが、透明導電性フィルムでは、その周縁部を透明基板周縁部からはみ出させて折り曲げると、この折り目部分でフィルムが裂けてしまい、筐体との導通をとることができない。
【0011】
また、透明導電性フィルムの代りに、一方の透明基板の接着面に透明導電性膜を直接成膜することも考えられるが、この場合には、透明導電性膜が他方の透明基板で覆われてしまい、透明導電性膜から筐体への導通を図ることができない。
【0012】
従って、透明導電性フィルムを用いる場合には、例えば、透明基板に貫通孔を形成して透明導電性フィルムとの導通路を設けるなどの設計変更が必要となり、電磁波シールド性光透過窓材の組み立てや筐体への組み込み作業が複雑となる。
【0013】
このような問題点を解決し、モアレ現象を防止すると共に、光透過性、電磁波シールド性、熱線(近赤外線)カット性がいずれも極めて良好な電磁波シールド性光透過窓材とするために、導電性インキを、線幅200μm以下、開口率75%以上の格子状に透明板の表面にパターン状に印刷してなるものが考えられている。
【0014】
かかる電磁波シールド性光透過窓材にあっては、パターン印刷により、所望のパターン形状の導電層を形成することができることから、線幅や間隔、網目形状の自由度は導電性メッシュに比べて格段に大きく、線幅200μm以下、開口率75%以上という細線で開口率の高い格子状の導電層であっても容易に形成可能である。そして、このような細線で目の粗い導電層を形成した電磁波シールド性光透過窓材であれば、良好な光透過性を得ることができると共に、モアレ現象を防止することができる。
【0015】
なお、開口率とはメッシュの線幅と1インチ幅に存在する線の数から計算で求めたものである。
【0016】
しかしながら、上記の導電性インクとしては、バインダー(インクメジウム)に導電性微粒子を分散させたものが用いられており、この導電性微粒子のインク中での分散状態を保つためにインクの粘性を十分に高くしておく必要がある。このため、インク線幅を著しく小さくすることはできず、開口率も著しく大きくすることはできなかった。
【0017】
本出願人は、特願平9−258376号(特開平11−74687号)にて、線幅が十分に小さく、開口率も著しく高い導電性パターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を提案している。
【0018】
同号の電磁波シールド性光透過窓材は、透明基板の板面に導電層を形成してなる電磁波シールド性光透過窓材において、該導電層は、透明基板の板面に金属膜を形成し、フォトレジストのコーティング、パターン露光及びエッチングの工程により所定パターンにエッチングされたものであることを特徴とするものである。
【0019】
同号の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、レジストパターン形成用の材料には導電性微粒子が分散されておらず、低粘性の材料によってレジストパターンを印刷することができる。このため、微細で精緻なレジストパターンを形成することができ、このレジストパターンの下側に形成される導電性パターンを著しく線幅の小さいものとすることができる。この線幅を小さくすることにより、導電性パターンの開口率を大きくとることができる。
【0020】
また、同号の方法によれば、例えば線幅が200μm以下で開口率75%以上の導電性パターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造することができる。
【0021】
【特許文献1】
特開平11−74687号
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平11−74687号の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法によると、金属箔をエッチングにより除去する工程が必要である。
【0023】
本発明は、金属箔のエッチング工程が不要であり、製造が容易であると共にエッチング廃液処理等も不要となる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法と、この方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、透明基材の表面に金属よりなる導電性パターンが形成された電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、該透明基材の表面に前記導電性パターンと同一パターンのリブパターンを形成する工程と、該リブパターン上に金属箔を重ねて該リブパターンと該金属箔とを接着する工程と、その後、該金属箔を該透明基材から剥離し、該金属箔のうち前記リブパターンとの非接着部分を除去し、金属箔のうち前記リブパターンとの接着部分をリブパターン上に残す剥離工程と、により前記導電性パターンを形成する電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、該金属箔とフィルムとが粘着剤によって結合された複合フィルムの該金属箔が接着剤で覆われており、該リブパターンと金属箔とを接合する接着剤層の接着力と、金属箔の剪断強さと、金属箔とフィルムとを接合する粘着剤の粘着力とが、接着剤層の接着力が最も強く、粘着剤層の粘着力が次に強く、金属箔の剪断強さが最も弱いものとなっており、該金属箔が、該リブパターン上に重なるようにしてリブパターンに接着し、前記剥離工程において、該フィルムと、該金属箔のうちリブパターンに対し非接着部分の金属箔とをリブパターンから剥離させることを特徴とするものである。
【0025】
かかる本発明方法によると、金属箔のうちリブパターンに接着されていない部分を剥し取るようにしてリブパターン上から除去するので、金属箔の除去作業を簡単かつ迅速に行うことができる。また、金属箔の不要部分を除去するためのエッチング工程が不要である。
【0026】
また、本発明方法においても、リブパターンを細く且つ目の粗いものとしておくことにより、線幅が小さく開口率の高い導電層を形成することができる。
【0027】
本発明の電磁波シールド性光透過窓材は、かかる本発明方法によって製造されたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0029】
図1は本発明の一例を示す断面図であり、まず(1),(2)のように透明基材11上に樹脂材料含有液状物質を格子状に印刷し、該樹脂材料を硬化させてリブパターン12を形成する。
【0030】
次に、(3),(4)の通り、順に接着剤層13、金属箔14、粘着剤層15及びフィルム本体16を積層してなる複合フィルム17を、その接着剤層13がリブパターン12上に当接するようにしてリブパターン12上に重ね合わせ、接着剤層13を介して複合フィルム17をリブパターン12に接着する。
【0031】
この接着を行う際には、複合フィルム17の上側から圧力を加えて圧着させてもよく、さらに接着剤層13がホットメルト接着剤あるいは熱硬化性接着剤であるときには熱を加えて接着してもよい。リブパターン12が透光性を有しているときには、接着剤層13を光硬化性接着剤層とし、透明基材11の図の下側から紫外線等の光を照射し、リブパターン12と複合フィルム17とを接着してもよい。
【0032】
この接着の後、(5)の通り複合フィルム17をリブパターン12から引き剥がす。ここで、リブパターン12と金属箔14とを接合する接着剤層13の接着力と、金属箔14の剪断強さと、金属箔14とフィルム本体16とを接合する粘着剤15の粘着力とは、以下の関係となるように構成されている。即ち、接着剤層13の接着力が最も強く、粘着剤層の粘着力が次に強く、金属箔14の剪断強さが最も弱いものとなっている。このため、金属箔14のうちリブパターン12上に存在する部分は、フィルム16よりもリブパターン12の方により強固に固着されている。一方、金属箔14のその他の部分(リブパターン12の間に跨っている部分)は、粘着剤層15を介してフィルム本体16に固着されており、リブパターン12及び透明基材11には接着されていない。
【0033】
従って、複合フィルム17をリブパターン12から引き剥がすと、金属箔14のうちリブパターン12上に存在する部分はリブパターン12上に接着されたまま残り、金属箔14のその他の部分はフィルム本体16と共に引き剥される。そして、金属箔14はこれらの部分の境界(即ち、リブパターン12の上面の縁部)に沿って破れる。
【0034】
このため、複合フィルム17を引き剥がした後は、(5)の通りリブパターン12上に接着剤13を介して金属箔14が接着された導電性パターン18が形成される。
【0035】
この導電性パターン18の形成後、防眩性を付与するために黒色化処理してもよい。また、予め黒色化処理した金属箔を透明基材11に接着してもよい。黒色化の手法としては、金属箔14の酸化処理、クロム合金などの黒色メッキ処理などを採用することができる。リブパターン12を黒色の樹脂材料含有液状物質によって形成しておいてもよい。
【0036】
次に、上記の各材料の好適例について説明する。
【0037】
透明基材11の材料としては、透明合成樹脂やガラスが用いられる。この合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセテートなどの透明性が高く、また取り扱い易い適度の硬さのものが好ましい。このガラスとしては、珪酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が例示されるが、これに限定されない。
【0038】
この透明基材11をフィルムにて構成する場合、その厚さは、電磁波シールド性光透過窓材に剛性を与えて取り扱い易くするために50〜300μm程度であることが好ましい。
【0039】
透明基材11上に形成するリブパターン12は樹脂材料含有液状物質の印刷により、あるいはフォトレジストを用いて形成されることが好ましい。この樹脂材料含有液状物質としては、UV硬化型のインク、熱硬化型のインク等が例示される。この樹脂材料としては、ウレタン、エポキシ、アクリル、ポリエステル、ビニル系、メラミン系等があげられる。
【0040】
なお、リブ材料に有機顔料や無機顔料等の顔料や染料を添加して印刷材料を黒色に着色し、リブパターン12を黒色に着色して防眩機能(反射防止機能)を付与してもよい。また、リブ材料には、消泡剤、ワックス剤、レベリング剤、ワックス類等が添加されていてもよい。
【0041】
リブパターン12は、好適には、格子状となるように形成される。好ましくは、この線幅が200μm以下特に好ましくは100μm以下とりわけ30μm以下となるように形成される。リブパターンを印刷により形成する場合、印刷手法としてはグラビア印刷、スクリーン印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷が好適である。
【0042】
リブパターン12の厚みは、特に限定されるものではないが、通常は10〜100μm程度とされる。
【0043】
金属箔14としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉄、亜鉛等の金属又は合金が好適であるが、これらの中でも銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、亜鉛、スズ、銀又は金の純金属又は合金が好ましい。
【0044】
この金属箔14の厚さは、薄過ぎると電磁波シールド性能が不足し、厚過ぎると得られる電磁波シールド性光透過窓材の視野角を狭くしてしまうと共に金属箔14の剪断強さが強くなり、引き剥しに際して金属箔14が破れにくくなる。従って、該金属箔14の厚さは、0.1〜20μm程度とするのが好ましい。
【0045】
金属箔14は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレート法、電解法、圧延等によって形成されるが、層厚さの小さく、且つ膜厚が均等な金属箔14を比較的低コストで成膜することができる蒸着又は電解が好ましい。
【0046】
フィルム材16としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)などのポリエステルフィルム、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系、塩化ビニルなどのビニル系、ポリカーボネート(PC)、アクリル、ナイロンフィルムなどがあげられるが、これらの中でもPETが好ましい。
【0047】
リブパターン12と金属箔14とを接着するための接着剤層13としては、エポキシ樹脂、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いることができる。また、熱可塑性エラストマーを用いてもよい。
【0048】
接着剤層13の層厚さは5〜50μm程度であればよい。
【0049】
金属箔14とフィルム16とを粘着するための粘着剤層15としては、アクリル系接着剤等を用いることができる。粘着剤層の代りに接着力の低い接着剤層を用いてもよい。また、この粘着剤層15や接着剤層の付着力を低下させるために粘着剤層や接着剤層中に離型剤を配合してもよい。離型剤としては、シリコーン、高級脂肪酸、その石鹸、ワックス、動植物油などがあげられる。
【0050】
粘着剤層15(又は粘着剤層の代りに用いられる接着剤層)の層厚さは5〜50μm程度であればよい。
【0051】
このようにして製造される電磁波シールド性光透過窓材は、1枚物のフィルムよりなるものであってもよく、ロールから巻き出された連続ウェブ状のフィルムであってもよい。
【0052】
本実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、金属箔14のうちリブパターン12に接着されていない部分を剥がし取るようにしてリブパターン12上から除去するので、金属箔14の除去作業を簡単かつ迅速に行うことができる。また、金属箔14の不要部分を除去するためのエッチング工程が不要である。
【0053】
本実施の形態では金属箔14を使用しているため、透明基材11上に直接パターニングして金属層を形成する方法と比べて、大面積にわたり均質な厚さの金属層を容易に形成することができる。
【0054】
この導電性パターン18は、格子状のリブパターン12の上側に形成された金属箔よりなるものであることから、該リブパターン12と同じ格子状となる。このリブパターン12の線幅を狭くしておくことにより、線幅の小さい格子状の導電性パターン18が形成される。この格子状のリブパターン12の線幅を小さくし、リブパターン12の目開き開口の面積を広くすることにより、開口率の大きな格子状の導電性パターン18が形成される。
【0057】
【実施例】
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
【0058】
実施例1
厚み200μmのPETフィルム上に、幅40μm、間隔260μm、厚み20μmの格子状リブをスクリーン印刷で形成し、基材とした。リブはカーボンブラックにより、黒色化してある。その上に、図1のように、接着剤(エポキシ系接着剤、厚さ20μm)、転写用銅箔(厚さ1μm)、粘着剤(アクリル系接着剤、厚さ20μm)及びフィルム本体(PETフィルム、厚さ25μm)を積層してなる複合フィルムを重ね合わせ、150℃で圧着し、その後、複合フィルムを剥離した。その結果、銅箔の未接着部分はフィルム本体と共に除去され、リブパターン上にのみ銅が付着残留し、幅40μm、間隔260μm、開口率75%以上の導電性メッシュが形成された光透過性導電材を得た。
【0059】
得られた光透過性導電材と厚み3.0mmのガラス板との間に両面エンボスEVA系接着フィルムを挟み込み、これをゴム袋に入れ真空脱気し、85℃で15分加熱して予備圧着した。その後、150℃のオーブンで15分加熱して一体化し、光透過窓材を得た。得られた光透過窓材について電磁波シールド性及び光透過性を測定したところ、共に良好であった。なお、実施例1においては、金属イオンを含んだ廃液は生じなかった。
【0060】
実施例2
厚み0.25mmのガラス上に、幅20μm、間隔230μm、厚み50μmの格子状リブ層をフォトレジストを用いて作製した。その後、実施例1と同様の複合フィルムを150℃で圧着し、複合フィルムを剥離した。その結果、幅20μm、間隔230μmの導電性メッシュが形成された光透過性導電材を得た。
【0061】
得られた光透過性導電材を用いて、実施例1と同様にして、光透過窓材を得た。この光透過窓材について電磁波シールド性及び光透過性を測定したところ、電磁波シールド性は良好であり、光透過性は極めて良好であった。実施例2においても、金属イオンを含んだ廃液は生じなかった。
【0062】
実施例3
厚み80μmであること以外は実施例2と同様の格子状リブ層をフォトレジストを用いて作製した。その後、実施例2と同様にして複合フィルムを圧着し、その後剥離した。その結果、幅20μm、間隔230μmの導電性メッシュが形成された光透過性導電材を得た。
【0063】
得られた光透過性導電材を用いて、実施例1と同様にして、光透過窓材を得た。この光透過窓材について電磁波シールド性及び光透過性を測定したところ、電磁波シールド性は良好であり、光透過性は極めて良好であった。実施例3においても、金属イオンを含んだ廃液は生じなかった。
【0064】
比較例1
厚み200μmのPETフィルム上に、幅20μm、間隔230μm、厚み1μmの格子状リブ層をグラビア印刷で形成し、基材とした。その後、実施例1と同様にして導電性メッシュが形成された光透過性導電材の作製を試みたが、ほぼ全面に金属箔が接着してしまい、メッシュを形成することができなかった。
【0065】
この光透過性導電材を用いて、実施例1と同様にして、光透過窓材を作製し、電磁波シールド性及び光透過性を測定したところ、電磁波シールド性は良好であったものの、光透過性は極めて悪かった。比較例1においても、金属イオンを含んだ廃液は生じなかった。
【0066】
比較例2
ステンレスメッシュに銅をメッキした繊維メッシュ(#130、線径30μm、開口率70%未満)を使用したこと以外は実施例1と同様にして光透過性導電材を得た。比較例2によると、メッシュのハンドリング性が悪いなどの工程上の問題が生じた。
【0067】
この光透過性導電材を用いて、実施例1と同様にして、光透過窓材を作製し、電磁波シールド性及び光透過性を測定したところ、電磁波シールド性は極めて良好であったものの、光透過性は悪かった。比較例2においては、金属イオンを含んだメッキ廃液が生じた。
【0068】
比較例3
厚み50μmのPETフィルム上にエポキシ系接着シートを介して厚み18μmの銅箔を貼り付けた後、フォトリソ工程(レジストフィルム貼り付け−露光−現像−ケミカルエッチング−レジスト剥離)を経て線幅15μm、線間隔235μmの導電性メッシュが形成された光透過性導電材を得た。この光透過性導電材を用いて、実施例1と同様にして光透過窓材を作製した。電磁波シールド性及び光透過性を測定したところ、電磁波シールド性は良好であり、光透過性は極めて良好であった。しかしながら、レジストの貼付、剥離など工程が煩雑となった。また、金属イオンを含んだエッチング廃液が生じた。
【0069】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によると、線幅が小さく開口率の高い導電性パターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を示す模式的な断面図である。
【符号の説明】
11 透明基材
12 リブパターン
13 接着剤層
14 金属箔
15 粘着剤層
16 フィルム本体
17 複合フィルム
18 導電性パターン
Claims (11)
- 透明基材の表面に金属よりなる導電性パターンが形成された電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、
該透明基材の表面に前記導電性パターンと同一パターンのリブパターンを形成する工程と、
該リブパターン上に金属箔を重ねて該リブパターンと該金属箔とを接着する工程と、
その後、該金属箔を該透明基材から剥離し、該金属箔のうち前記リブパターンとの非接着部分を除去し、金属箔のうち前記リブパターンとの接着部分をリブパターン上に残す剥離工程と、
により前記導電性パターンを形成する電磁波シールド性光透過窓材の製造方法であって、
該金属箔とフィルムとが粘着剤によって結合された複合フィルムの該金属箔が接着剤で覆われており、
該リブパターンと金属箔とを接合する接着剤層の接着力と、金属箔の剪断強さと、金属箔とフィルムとを接合する粘着剤の粘着力とが、接着剤層の接着力が最も強く、粘着剤層の粘着力が次に強く、金属箔の剪断強さが最も弱いものとなっており、
該金属箔が、該リブパターン上に重なるようにしてリブパターンに接着し、
前記剥離工程において、該フィルムと、該金属箔のうちリブパターンに対し非接着部分の金属箔とをリブパターンから剥離させることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。 - 請求項1において、該リブパターンを格子状に形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1又は2において、該リブパターンを印刷により形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1又は2において、該リブパターンをフォトレジストを用いて形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記リブパターンを形成した後、該リブパターンを黒色化処理することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記金属箔が銅、アルミニウム、ニッケル、クロム、亜鉛、スズ、銀及び金の少なくとも1種よりなることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記金属箔の厚さが0.1〜20μmであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし7のいずれか1項において、リブの構成材料が合成樹脂であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし8のいずれか1項において、該リブの高さが10〜100μmであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし9のいずれか1項において、該導電性パターンの線幅が200μm以下であり、開口率が75%以上であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
- 請求項1ないし10のいずれか1項の方法により製造された電磁波シールド性光透過窓材。
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