JP4337610B2 - 電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 - Google Patents

電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法 Download PDF

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本発明はPDP(プラズマディスプレーパネル)の前面フィルタや、病院などの電磁波シールドを必要とする建築物の窓材料(例えば貼着用フィルム)等として有用な電磁波シールド性光透過窓材とその製造方法に係り、特に、透明基材上に導電性パターンを形成してなる電磁波シールド性光透過窓材とその製造方法に関する。
近年、OA機器や通信機器等の普及にともない、これらの機器から発生する電磁波が問題視されるようになっている。即ち、電磁波の人体への影響が懸念され、また、電磁波による精密機器の誤作動等が問題となっている。
そこで、従来、OA機器のPDPの前面フィルタとして、電磁波シールド性を有し、かつ光透過性の窓材が開発され、実用に供されている。このような窓材はまた、携帯電話等の電磁波から精密機器を保護するために、病院や研究室等の精密機器設置場所の窓材としても利用されている。
本出願人は、特願平9−258376号(特開平11−74687号)にて、線幅が十分に小さく、開口率も著しく高い導電性パターンを有した電磁波シールド性光透過窓材を提案している。
同号の電磁波シールド性光透過窓材は、透明基板の板面に導電層を形成してなる電磁波シールド性光透過窓材において、該導電層は、透明基板の板面に金属膜を形成し、フォトレジストのコーティング、パターン露光及びエッチングの工程により所定パターンにエッチングされたものであることを特徴とするものである。
同号の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、レジストパターン形成用の材料には導電性微粒子が分散されておらず、低粘性の材料によってレジストパターンを印刷することができる。このため、微細で精緻なレジストパターンを形成することができ、このレジストパターンの下側に形成される導電性パターンを著しく線幅の小さいものとすることができる。この線幅を小さくすることにより、導電性パターンの開口率を大きくとることができる。
しかし、上記特開平11−74687号の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法によると、金属箔をエッチングにより除去する工程が必要であるという問題がある。
このような問題点を解決し、モアレ現象を防止すると共に、光透過性、電磁波シールド性、熱線(近赤外線)カット性がいずれも極めて良好な電磁波シールド性光透過窓材とするために、導電性ペーストを透明基材の表面にパターン状に印刷してなるものが考えられている。
かかる電磁波シールド性光透過窓材にあっては、パターン印刷により、所望のパターン形状の導電層を形成することができることから、線幅や間隔、網目形状の自由度は格段に大きく、細線で開口率の高い格子状の導電層であっても容易に形成可能である。そして、このような細線で目の粗い導電層を形成した電磁波シールド性光透過窓材であれば、良好な光透過性を得ることができると共に、モアレ現象を防止することができる。
特開平11−74687号
導電性ペーストは、導電性粒子を樹脂バインダー中に分散させてなるものであり、透明基材上にパターン印刷した後、加熱してこの樹脂バインダーを硬化させることが必要となる。
市販の導電性ペーストのうち、低温(例えば120℃)の加熱処理でも硬化する低温型のものは、導電性パターンとしたときの導電性が悪く、十分な電磁波シールド特性を発現させることができない。
市販の導電性ペーストのうち、導電性パターンとしたときに導電性が良いものは、焼成温度が400℃以上と非常に高いものがほとんどである。最近、数ナノ〜数百ナノサイズの微粒子を用いた導電性ペーストが開発され、比較的低温の焼成温度でも良好な導電性を示す材料がある。しかし、このペーストを使用しても十分な導電性を発現するには少なくとも180℃以上の加熱が必要になるため、このパターンを形成するための透明基材は耐熱性のある材料(例えば珪酸ガラスなど)に限られるという短所がある。
また、このような200℃程度の焼成で良好な導電性を示すペーストはこれら珪酸塩ガラスなどには密着性が悪く、導電性パターンが剥がれ易いという短所がある。
本発明は、上記従来の問題点を解決し、導電性が高く、PETなどの合成樹脂よりなる透明基材上にも、微細でしかもしっかりと該基材に付着した導電性パターンを形成することができる電磁波シールド性光透過窓材の製造方法と、この方法によって製造された電磁波シールド性光透過窓材を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、透明基材の表面に金属よりなる導電性パターンが形成された電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、パターン形成用基板上に導電性ペーストよりなるパターンを形成するペーストパターン形成工程と、焼成して該パターン形成用基板上に導電性パターンを形成する焼成工程と、該導電性パターンと前記透明基材とを重ね合わせ、該透明基材の表面に該導電性パターンを転写する転写工程とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項1において、前記ペーストパターン形成工程において、前記パターン形成用基板上に前記導電性ペーストを印刷することにより前記パターンを形成することを特徴とするものである。
請求項3の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項2において、前記印刷は、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、及びフレキソ印刷のいずれかであることを特徴とするものである。
請求項4の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記導電性パターンは、前記転写工程において前記パターン形成用基板から剥離することを特徴とするものである。
請求項5の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記パターン形成用基板はガラス板であることを特徴とするものである。
請求項6の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項1ないし5のいずれか1項において、前記導電性ペーストは、平均粒径2〜500nmの金属及び/又は焼成により金属化する金属化合物の粒子を含むナノペーストであることを特徴とするものである。
請求項7の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項1ないし6のいずれか1項において、前記焼成温度は180℃〜300℃であることを特徴とするものである。
請求項8の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項1ないし7のいずれか1項において、前記透明基材は透明樹脂フィルムであることを特徴とするものである。
請求項9の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項1ないし8のいずれか1項において、前記転写工程において、前記透明基材の表面に粘着層が形成されており、該粘着層を介して該導電性パターンを該透明基材に付着させることを特徴とするものである。
請求項10の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項9において、前記粘着層は粘着剤層であることを特徴とするものである。
請求項11の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項9において、前記粘着層は熱硬化性樹脂層であり、該導電性パターンを該透明基材に付着させた後、加熱して該熱硬化性樹脂層を硬化させることを特徴とするものである。
請求項12の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項9において、前記粘着層は光硬化性樹脂層であり、該導電性パターンを該透明基材に付着させた後、光を照射して該光硬化性樹脂層を硬化させることを特徴とするものである。
請求項13の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項9において、前記転写工程において、前記粘着層はポジ型感光性材料層であり、前記導電性パターンを前記透明基材の一方の面に転写させた後、該一方の面側から光を照射し、該導電性パターンで覆われていない露出部分のポジ型感光性材料層の溶解性を高めた後、現像液により該露出部分のポジ型感光性材料層を除去することを特徴とするものである。
請求項14の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法は、請求項13において、前記露出部分のポジ型感光性材料層を除去した後、加熱することにより、該導電性パターンと透明基材との間のポジ型感光性材料層を硬化させることを特徴とするものである。
本発明(請求項15)の電磁波シールド性光透過窓材は、請求項1ないし14のいずれか1項の方法によって製造されたものである。
本発明(請求項1)の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、透明基材とは異なるパターン形成用基板上で導電性ペーストを焼成するため、透明基材の材質に関係なく焼成温度を高温にすることができる。このため、導電性が高く、微細な導電性パターンを得ることができる。そして、このようにして得られた導電性パターンを透明基材の表面に転写することにより、PETなどの合成樹脂よりなる透明基材上にも、微細でしかもしっかりと該透明基材に付着した導電性パターンを形成することができる。
請求項2の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、印刷によって導電性ペーストよりなるパターンを形成するため、微細なペーストよりなるパターンを形成することができる。
請求項3の印刷方法により印刷すると、より微細なペーストよりなるパターンを形成することができる。特にスクリーン印刷及びグラビア印刷を採用すると、微細且つ膜厚の大きなパターンを形成することができる。
請求項4の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、パターン形成用基板を繰り返し利用することができる。
請求項5の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、パターン形成用基板として用いるガラス板の耐熱性が高いため、導電性ペーストを高温で焼成して、導電率の高い導電性パターンを得ることができる。また、ガラス板は導電性パターンとの親和性が低いため、焼成して得られた導電性パターンをガラス板から透明基材に容易に転写することができる。
請求項6の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、数ナノ〜数百ナノサイズの微粒子を用いた導電性ペーストを使用するため、極めて微細な導電性パターンを得ることができる。
請求項7の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、焼成温度が十分に高いため、導電性の高い導電性パターンを得ることができる。
請求項8の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、軽量且つ安価な電磁波シールド性光透過窓材を得ることができる。
請求項9の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、透明基材上に導電性パターンを強固に付着させることができる。
請求項10〜12の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、透明基材上に導電性パターンを容易且つ強固に付着させることができる。
請求項13の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、透明基材の導電性パターンが形成された面のうちこの導電性パターンで覆われていない部分が露出しているため、外観品位の良い電磁波シールド性光透過窓材を得ることができる。
請求項14の電磁波シールド性光透過窓材の製造方法にあっては、ポジ型感光性材料層を硬化させるため、透明基材と導電性パターンとを極めて強固に付着させることができる。
本発明(請求項15)の電磁波シールド性光透過窓材にあっては、導電性が高く、PETなどの合成樹脂よりなる透明基材上にも、微細でしかもしっかりと該基材に付着した導電性パターンを形成することができる。
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
図1は本発明の一例を示す断面図である。まず図1(1)、(2)のようにパターン形成用基板11上に導電性ペースト12Aを印刷し(ペーストパターン形成工程)、図1(3)の通り該導電性ペースト12Aを焼成して導電性パターン12を形成する(焼成工程)。
焼成温度及び焼成時間は導電性ペースト12Aやパターン形成用基板11の種類によって異なるが、ペースト12A内の導電性粒子同士が十分に融着する温度及び時間であることが好ましい。焼成温度は例えば180℃〜300℃、好ましくは200℃〜250℃であり、焼成時間は例えば10分〜1時間、好ましくは20分〜40分程度である。
次に図1(4)、(5)の通り、この導電性パターン12を、表面に粘着剤よりなる粘着層14が形成された透明基材13に重ね合わせ、この粘着層14を介して導電性パターン12を透明基材13に付着させる。そして、図1(6)の通り、パターン形成用基板11を透明基材13から引き剥がす。このとき、上記の通り、導電性パターン12は粘着層14を介して透明基材13に強固に付着しているため、この導電性パターン12はパターン形成用基板11から剥離する(転写工程)。
これにより、図1(6)の通り、透明基材13上に粘着層14を介して導電性パターン12が形成される。
この導電性パターン12の形成後、防眩性を付与するために黒色処理してもよい。また、予め導電性ペースト内に黒色の樹脂材料含有液状物質を含有させておいてもよい。
次に、上記の各材料の好適例について説明する。
導電性ペースト12Aとしては特に限定はなく、市販のものを使用することができる。
導電性ペースト12A中に分散されている導電性粒子としては、金属であってもよく、焼成により金属化する金属酸化物や有機金属化合物等のような金属化合物であってもよく、金属と該金属化合物の両方であってもよい。
この導電性粒子としては、アルミニウム、ニッケル、インジウム、クロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム、銀、プラチナ、銅、チタン、コバルト、鉄、亜鉛等の金属又は合金が好適である。
この導電性粒子の平均粒径は5μm以下特に1μm以下とりわけ2〜500nmであることが好ましい。
この導電性ペースト12Aは、溶剤、分散剤や粘性調整剤等の添加剤、バインダー等を含有していてもよい。但し、導電性ペースト12Aとパターン形成用基板11との親和性を良くする必要がないこと、及びバインダー量が増加すると導電性が低下するところから、バインダー量は少ない方がよく、バインダーは含有されなくてもよい。
導電性ペースト12Aは、好適には、格子状となるように形成される。好ましくは、線幅が200μm以下特に好ましくは100μm以下とりわけ30μm以下となるように形成される。導電性ペースト12Aを印刷により形成する場合、印刷手法としてはグラビア印刷、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、フレキソ印刷、ロータリースクリーン印刷、オフセット印刷が好適であるが、線幅の微細化及び厚膜化の面でとりわけスクリーン印刷及びグラビア印刷が好ましい。
導電性パターン12の厚さは、薄過ぎると電磁波シールド性能が不足し、厚過ぎると得られる電磁波シールド性光透過窓材の視野角を狭くしてしまう。従って、導電性パターン12の厚さは、0.1〜20μm程度とするのが好ましい。
パターン形成用基板11としては、耐熱性の高いものが好ましく、例えば耐熱性が200℃以上特に250℃以上とりわけ300℃以上であることが好ましい。このようにパターン形成用基板11の耐熱性が高いと、焼成温度を高くして導電性粒子同士を十分に融着させることができ、その結果導電性パターン12の導電性を向上させることができる。また、パターン形成用基板11としては、導電性ペースト12Aとの親和性に乏しく、焼成して得られた導電性パターン12を容易に引き剥がすことができるものであることが好ましい。例えば、ガラス、セラミック基板、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドなどであることが好ましい。
透明基材13の材料としては、透明合成樹脂やガラスが用いられる。この合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、トリアセテートなどの透明性が高く、また取り扱い易い適度の硬さのものが好ましい。このガラスとしては、珪酸アルカリ系ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が例示されるが、これに限定されない。
この透明基材13をフィルムにて構成する場合、その厚さは、電磁波シールド性光透過窓材に剛性を与えて取り扱い易くするために50〜300μm程度であることが好ましい。
透明基材13上に形成する粘着層14として使用させる粘着剤としては、エポキシ樹脂、天然ゴム、エチレン−酢酸ビニル、ポリビニルアセタール樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂等を用いることができる。また、熱可塑性エラストマーを用いてもよい。
粘着層14の層厚さは5〜50μm程度であればよい。
本実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法にあっては、透明基材13とは異なるパターン形成用基板11上で導電性ペースト12Aを焼成するため、透明基材13の材質に関係なく焼成温度を高温にすることができる。このため、導電性が高く、微細な導電性パターン12を得ることができる。そして、このようにして得られた導電性パターン12を透明基材13の表面に転写することにより、PETなどの合成樹脂よりなる透明基材上にも、微細でしかもしっかりと該透明基材に付着した導電性パターンを形成することができる。
本実施の形態では、パターン形成用基板11としてガラス板を使用した場合、パターン形成用基板を繰り返し利用することができる。また、ガラス板の耐熱性が高いため、導電性ペーストを高温で焼成して、導電率の高い導電性パターンを得ることができる。ガラス板は導電性パターンとの親和性が低いため、焼成して得られた導電性パターンをガラス板から透明基材に容易に転写することができる。
本実施の形態では、粘着層14として粘着剤を使用しているため、透明基材13上に導電性パターン12を容易且つ強固に付着させることができる。
粘着層14はEVA等の熱硬化性樹脂層であってもよく、光硬化性樹脂層であってもよい。なお、粘着層として、ディスプレイ前面板として積層する際に使用する圧着材料と同系材料を使用すると、屈折率の変化が無く良好な透過性が得られる。
図2は本発明の他の例を示す断面図である。図2での図示は省略するが、まず図1(1)〜(3)と同様にしてパターン形成用基板11上に導電性パターン12を形成する。
次に、図2(1)、(2)の通り、表面にポジ型感光性材料層15を形成してなる透明基材13を用い、上記導電性パターン12をこの透明基材13のポジ型感光性材料層15が形成された面と重ね合わせ、このポジ型感光性材料層15を介して導電性パターン12を透明基材13に付着させる。そして、図2(6)の通り、パターン形成用基板11を透明基材13から引き剥がす。このとき、導電性パターン12はポジ型感光性材料層15を介して透明基材13に比較的強固に付着しているため、この導電性パターン12はパターン形成用基板11から剥離する。
その後、図2(4)、(5)の通り、前記透明基材13の導電性パターン12を転写させた面側から光を照射し、該導電性パターン12で覆われていない露出部分のポジ型感光性材料層15の溶解性を高めた後、現像液により該露出部分のポジ型感光性材料層15を除去する(転写工程)。
これにより、図2(5)の通り、透明基材13上にポジ型感光性材料層15を介して導電性パターン12が形成される。
上記ポジ型感光性材料層15としては市販の各種のものが用いられる。
現像液としては、アルカリ溶液などが用いられる。
本実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法にあっては、透明基材13の導電性パターン12が形成された面のうちこの導電性パターン12で覆われていない部分が露出しているため、電磁波シールド性光透過窓材の外観品位が良い。
本実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法にあっては、ポジ型感光性材料層15は導電性パターン12によりすべて覆われている。このためポジ型感光性材料層を黒色化することで開口率を損なうことなく外観品位を向上させることができる。
なお、前記露出部分のポジ型感光性材料層を除去した後、加熱して該導電性パターンと透明基材との間のポジ型感光性材料層を硬化させる場合、ポジ型感光性材料層と導電性パターンとを極めて強固に付着させることができる。この加熱による硬化は、前面板として積層する際の加熱と兼ねてもよい。
以下に実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。
実施例1
厚み3mmの珪酸塩ガラス基板上に、導電性ペースト(藤倉化成株式会社製XA9050、粒子材料は酸化銀粒子、粒子径は500nm程度)を用いて、線幅30μm、ピッチ250μmのペーストパターンを形成した。その後、250℃で30分加熱することにより、厚み5μmの導電性パターンを作製した。
透明PET(厚み100μm)上にアクリル系粘着剤をコーティングした粘着層を有する透明基材を準備した。この粘着層としては1811L(アクリルポリマー:綜研科学)100質量部、L−45(イソシアネート系硬化剤:綜研科学)0.45質量部、酢酸エチル20質量部を配合したものを透明PET(厚み100μm)にコーティングし、乾燥後の厚み25μmの平滑な粘着層を得た。これを25℃で2日間養生後、導電性パターンとこの透明PET基材の粘着剤がコーティングされた面とを重ね合わせ、この導電性パターンと前記ガラス基板とをローラーで密着させた。その後、ガラス基板をゆっくりと剥離させた。このようにして、透明PET基材上に微細なメッシュ状の導電層を持つ光透過性導電材を作製した。
得られた光透過性導電材と厚さ3.0mmの珪酸塩ガラス板との間に両面エンボスEVA系接着フィルムを挟み込み、これをゴム袋に入れて真空脱気し、85℃で15分加熱して予備圧着した。その後、150℃のオーブンで15分加熱して一体化し、電磁波シールド性光透過窓材を得た。
得られた電磁波シールド性光透過窓材について、導電性パターンと透明PET基材との密着性、電磁波シールド性、及び視認性の評価を行い、その結果を表1に示した。
なお、密着性の評価はクロスカット法によるセロテープ剥離試験によって行い、JISK5600−5−6に基づいた分類で、0の場合を◎、1の場合を○、2の場合を△、3以下の場合を×とした。
電磁波シールド性の評価は表面抵抗の測定により行い、比抵抗が0.5Ω・cm以下の場合を○、比抵抗が0.5Ω・cmより大きい場合を×とした。
視認性の評価は目視により行った。
比較例1
実施例1で用いたものと同一の導電性ペーストを透明PET基材(厚み100μm)に直接スクリーン印刷し、線幅30μm、ピッチ250μmの格子状パターンを作成した。その後、120℃で60分加熱することにより、厚み7μmの光透過性導電材を作製した。
その後、実施例1と同様にして電磁波シールド性光透過窓材を得た。
比較例2
実施例1で用いたものと同一の導電性ペーストを透明PET基材(厚み100μm)に直接スクリーン印刷し、線幅30μm、ピッチ250μmの格子状パターンを作成した。その後、180℃で30分加熱することにより、厚み5μmの光透過性導電材を作製した。
その後、実施例1と同様にして電磁波シールド性光透過窓材を得た。
比較例3
実施例1で用いたものと同一の導電性ペーストを珪酸塩ガラス基材(厚み1.5mm)に直接スクリーン印刷し、線幅30μm、ピッチ250μmの格子状パターンを作成した。その後、250℃で30分加熱することにより、厚み5μmの光透過性導電材を作製した。
その後、実施例1と同様にして電磁波シールド性光透過窓材を得た。
Figure 0004337610
表1の通り、実施例1の電磁波シールド性光透過窓材は、密着性、電磁波シールド性、視認性ともに優れていた。なお、電磁波シールド性光透過窓材を珪酸塩ガラス基板から透明PET基材上に転写する際、ガラス基板上に電磁波シールド性光透過窓材は全く残らなかった。
比較例1の電磁波シールド性光透過窓材は、密着性にやや劣り、導電性が不足していた。
比較例2の電磁波シールド性光透過窓材は、転写工程において透明PET基材にうねりが発生した。このため、その後の脱気工程において十分な脱気ができず、得られた電磁波シールド性光透過窓材は視認性の悪いものとなった。
比較例3の電磁波シールド性光透過窓材は、光透過性導電材を珪酸塩ガラス板と一体化する工程において、部分的に導電性パターンの剥離が起こり、電磁波シールド性光透過窓材を作製することができなかった。
実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を示す模式的な断面図である。 別の実施の形態に係る電磁波シールド性光透過窓材の製造方法を示す模式的な断面図である。
符号の説明
11 パターン形成用基板
12 導電性パターン
12A 導電性ペースト
13 透明基材
14 粘着層
15 ポジ型感光性材料層

Claims (15)

  1. 透明基材の表面に金属よりなる導電性パターンが形成された電磁波シールド性光透過窓材を製造する方法において、
    パターン形成用基板上に導電性ペーストよりなるパターンを形成するペーストパターン形成工程と、
    焼成して該パターン形成用基板上に導電性パターンを形成する焼成工程と、
    該導電性パターンと前記透明基材とを重ね合わせ、該透明基材の表面に該導電性パターンを転写する転写工程と
    を備えたことを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  2. 請求項1において、前記ペーストパターン形成工程において、前記パターン形成用基板上に前記導電性ペーストを印刷することにより前記パターンを形成することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  3. 請求項2において、前記印刷は、スクリーン印刷、ロータリースクリーン印刷、オフセット印刷、グラビア印刷、及びフレキソ印刷のいずれかであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記導電性パターンは、前記転写工程において前記パターン形成用基板から剥離することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記パターン形成用基板はガラス板であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、前記導電性ペーストは、平均粒径2〜500nmの金属及び/又は焼成により金属化する金属化合物の粒子を含むナノペーストであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、前記焼成温度は180℃〜300℃であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、前記透明基材は透明樹脂フィルムであることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、前記転写工程において、前記透明基材の表面に粘着層が形成されており、該粘着層を介して該導電性パターンを該透明基材に付着させることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  10. 請求項9において、前記粘着層は粘着剤層であることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  11. 請求項9において、前記粘着層は熱硬化性樹脂層であり、該導電性パターンを該透明基材に付着させた後、加熱して該熱硬化性樹脂層を硬化させることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  12. 請求項9において、前記粘着層は光硬化性樹脂層であり、該導電性パターンを該透明基材に付着させた後、光を照射して該光硬化性樹脂層を硬化させることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  13. 請求項9において、前記転写工程において、前記粘着層はポジ型感光性材料層であり、
    前記導電性パターンを前記透明基材の一方の面に転写させた後、該一方の面側から光を照射し、該導電性パターンで覆われていない露出部分のポジ型感光性材料層の溶解性を高めた後、現像液により該露出部分のポジ型感光性材料層を除去することを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  14. 請求項13において、前記露出部分のポジ型感光性材料層を除去した後、加熱することにより、該導電性パターンと透明基材との間のポジ型感光性材料層を硬化させることを特徴とする電磁波シールド性光透過窓材の製造方法。
  15. 請求項1ないし14のいずれか1項の方法によって製造された電磁波シールド性光透過窓材。
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