JP4258276B2 - 電気部品収容ケース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本願発明は、照明器具等に用いられ、内部に安定器のような電気部品が収容されて密閉構造とされる電気部品収容ケースに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、特開2003−7123号公報に示される如く、照明器具に用いられ、内部に安定器である電気部品が収容されて密閉構造とされる電気部品収容ケースは知られている。この種の電気部品収容ケースでは、一般に、同公報でも説明されるように、筒状のケース本体の開口部が側板や防水樹脂で密封されるものであった。例えば、図7に示す如く、開口部1を有してこの開口部1から内部に電気部品2が収容されるケース本体3を備えた電気部品収容ケースであって、電気部品2と接続され側板26を貫通してケース本体3の開口部1から導出される電線6を、同側板26とその外側に充填される防水樹脂27とで保持して、同開口部1が密封されるものであった。
【0003】
しかしながら、この場合には、防水樹脂27を充填するという手間取る作業を要し、同充填した防水樹脂27が硬化するまでには時間がかかるため、生産性の良くないものであった。しかも、側板26がケース本体3の開口部1に差し入れられてその外側に充填硬化される防水樹脂27により固定されるものであるため、導出された電線6に外力が加わる等すると、防水樹脂27の変形により同側板26はズレ動き易く、電線6が確実に保持されなくなると共に密閉構造にも支障を来すという問題があった。
【0004】
又、同種の電気部品収容ケースとして、実開平5−38962号公報に示されるようなものも知られている。このものは、図8に示す如く、開口部1を有してこの開口部1から内部に電気部品が収容されるケース本体3と、同開口部1にパッンキン材4を介して密閉装着されるカバー体5と、を備えてなる電気部品収容ケースである。この場合、パッキン材4は圧入部28を有しており、この圧入部28がケース本体3の開口部1に圧入されることで、この開口部1に同パッキン材4は嵌着され、このパッキン材4にカバー体5がその取付孔23から挿通されるネジ11によって固着されるものである。
【0005】
したがって、この場合には、開口部1がパッキン材4で密閉されるため、ケース本体3の内部を防水でき、又、パッキン材4がカバー体5と共に着脱可能であるため、ケース本体3の内部の補修が可能になるとされている。更に、ケース本体3はパッキン材4を介してカバー体5で支持されるため、同ケース本体3及びその内部の電気部品が防振されるともされている。
【0006】
しかしながら、この電気部品収容ケースにあっては、電気部品と接続される電線をケース本体3の内部から導出することについては配慮されておらず、この場合、カバー体5及びパッキン材4を貫通するか、或いは、同ケース本体3の筒周壁を貫通する開口孔を生産時に穿設して、この開口孔から同電線を導出させることになる。そのため、開口孔に挿通される電線の周囲に隙間が発生し易くて、十分な防水性は得られず、生産性も良くないという問題があった。
【0007】
【特許文献1】
特開2003−7123号公報
【0008】
【特許文献2】
実開平5−38962号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本願発明は、上記従来の技術に鑑みて発明されたものであり、その課題は、電線を内部から導出させても、防水性を簡単に確保することができる電気部品収容ケースを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本願発明は、開口部を有してこの開口部から内部に電気部品が収容されるケース本体と、同開口部にパッキン材を介して密閉装着されるカバー体と、を備えてなる電気部品収容ケースであって、筒状のケース本体を、その筒周壁に筒方向にわたる溝条部を一体に形成し、カバー体に、電線が貫通導出される貫通孔を形成し、パッキン材に、略筒状でその内部に電線が開口部とカバー体との間で密閉状に挿通保持される電線挿通部を一体に突出形成し、電気部品と接続される電線を、パッキン材の電線挿通部に挿通した状態で電線挿通部をカバー体の貫通孔に挿入嵌合させることにより、貫通孔から貫通導出させ、ケース本体の溝条部の溝端にねじ込まれるネジにより、ケース本体の筒端となる開口部に、この開口部とカバー体との間にパッキン材を挟持介在させた状態で、カバー体が締結装着されるようになしたものである。
【0011】
したがって、この場合、ケース本体の開口部はこれに装着されるパッキン材及びカバー体で密閉され、しかも、電線が同開口部とカバー体との間で電線挿通部によって密閉状に挿通保持されるため、同ケース本体の内部の防水性は確保される。又、前記電線挿通部がケース本体の開口部とカバー体との間に介在するパッキン材に形成され、この電線挿通部に挿通保持される電線は、その周囲が密閉された状態で同カバー体を貫通して同開口部から導出されるため、新たに別部材を要することなく、従来のような樹脂充填等の手間取る作業も必要とせず、簡単な構造で生産性が向上される。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1〜5は、本願の請求項1〜8全てに対応した一実施形態である電気部品収容ケースを示している。この実施形態の電気部品収容ケースは、図1、2に示す如く、開口部1を有してこの開口部1から内部に電気部品2が収容されるケース本体3と、同開口部1にパッキン材4を介して密閉装着されるカバー体5と、を備えている。この場合に、電気部品2と接続されカバー体5を貫通してケース本体3の開口部1から導出される電線6を、同開口部1とカバー体5との間で密閉状に挿通保持する電線挿通部7が、パッキン材4に形成されている。
【0013】
又、この実施形態の電気部品収容ケースでは、図4に示す如く、カバー体5に電線6が貫通導出される貫通孔8を形成し、図3に示す如く、パッキン材4には略筒状でその内部に同電線6が挿通保持される電線挿通部7を一体に突出形成して、図5に示す如く、この電線挿通部7が同貫通孔8内に挿入嵌合されるようになしている。この場合、貫通孔8の内周面を電線挿通部7の挿入嵌合方向へ向け小径となるようテーパー状に形成して、この電線挿通部7が同貫通孔8に挿入嵌合されることで縮径圧縮変形されるようになしてもいる。更に、この実施形態の電気部品収容ケースでは、電線挿通部7内に電線6が挿通されることで突き破り開口される薄膜壁9を一体に形成してもいる。
【0014】
又、この実施形態の電気部品収容ケースでは、図1、2に示す如く、ケース本体3を筒状型材で形成し、その筒周壁に外側へ開口し筒方向全長にわたるタッピング用の溝条部10を一体に形成して、この溝条部10の溝端にねじ込まれるネジ11により、同ケース本体3の筒端となる開口部1に、この開口部1とカバー体5との間にパッキン材4を挟持介在させた状態で、同カバー体5が締結装着されるようになしている。
【0015】
この場合、ケース本体3の筒周壁に内側へ開口して筒方向全長にわたる溝型部12を一体に形成し、図3に示す如く、パッキン材4には電線挿通部7と連通する略筒状の電線ガイド部13を一体に突出形成して、図5に示す如く、この電線ガイド部13が同溝型部12の溝端に挿入嵌合されるようになしている。又、前記溝条部10と溝型部12とを近接配置して形成しており、ケース本体3をアルミニウム製の筒状型材で形成してもいる。
【0016】
以下、この実施形態の電気部品収容ケースを、より具体的詳細に説明する。この実施形態の電気部品収容ケースは、照明器具(図示せず)に用いられるものであり、図1、2に示す如く、そのケース本体3の内部には安定器である電気部品2が収容設置される。ケース本体3はアルミニウム製で、断面略台形状に押出成形された筒状型材を所定の長さに切断して形成されたものである。そして、ケース本体3はその断面略台形状の底辺部14を取着面として照明器具の所定の箇所に固定されるものであり、このケース本体3の内部では、同底辺部14の上側面に安定器である電気部品2が設置固定される。
【0017】
断面略台形状のケース本体3の両側辺部15は左右対称形状で、その下部分は直立し上部分は傾斜している。ケース本体3の両側辺部15の直立部分と傾斜部分との境界部位には溝条部10が一体に形成されており、両溝条部10は左右対称位置に配設される。溝条部10は断面円弧状でケース本体3の外側に開口し、同ケース本体3の長手方向全長にわたって形成されている。この溝条部10の長手方向の両開口端は各々タッピング孔として使用されるものであり、後記ネジ11がねじ込みタッピングされる。
【0018】
又、ケース本体3の前記溝条部10の上下両側には同溝条部10に近接して、各々二個ずつ溝型部12が配設形成されており、同溝型部12はケース本体3の両側辺部15に四個ずつ計八個が左右対称位置に配設される。溝型部12は断面円弧状でケース本体3の内側に開口し、同ケース本体3の長手方向全長にわたって一体に形成されている。この溝型部12の長手方向の両開口端部分には、後記パッキン材4に突出形成される電線ガイド部13が挿入嵌合されると共に、この電線ガイド部13と電気部品2との間にある電線6の一部分が格納して配線される。
【0019】
パッキン材4はシリコンゴム製で、図3に示す如く、前記ケース本体3の開口部1に適合するよう略台形状に形成されている。パッキン材4の中程部分は背方へ突出屈曲する主体部16として形成され、この主体部16の周辺縁部分にフランジ部17が外方へ突設されている。主体部16は前記ケース本体3の開口部1に略合致する形状で、同開口部1に挿入して嵌着されるものである。主体部16の外周面には凸条18が突設されており、この凸条18がケース本体3の内周面に摺接圧着されることで、前記挿入嵌着された同主体部16は開口部1から抜け外れないよう同ケース本体3に取着される。
【0020】
又、パッキン材4のフランジ部17には、前記ケース本体3の各溝型部12の開口端と対応する位置に電線挿通部7及び電線ガイド部13が配設形成されており、図3(f)に示す如く、両者は連通する位置に配設されているが、両者の間には薄膜壁9が一体に形成されていて、この薄膜壁9が突き破り開口されることで両者は連通される。この場合、薄膜壁9は1mm以下(ここでは0.3mm)の薄肉状に形成されていて、後記電線6によって容易に突き破り開口されるものである。
【0021】
電線挿通部7はパッキン材4の表方へ略円筒状に一体に突設されており、その内周面が奥方程小径となるようテーパー状に形成されており、その外周面は先端側程小径となるように傾斜して形成されている。この電線挿通部7の内部には電線6が挿通保持され、この挿通保持状態で同電線挿通部7は後記カバー体5の貫通孔8に挿入嵌合されるものである。その際、電線挿通部7が縮径圧縮変形されて、電線6は同電線挿通部7内で締め付け固定される。
【0022】
電線ガイド部13はパッキン材4の背方へ略円筒状に一体に突設されており、その突出長さは前記電線挿通部7よりも長いものである。電線ガイド部13の内周面には周方向の凸起条20が複数条並設されており、同電線ガイド部13の内部には電線6が挿通保持されるもので、この電線6の外周に各凸起条20が摺接密着されることにより、ここでの同電線6の周囲の密閉性は十分に確保される。又、電線6が挿通保持された状態で、電線ガイド部13は前記ケース本体3の溝型部12の開口端部分に挿入嵌合されるもので、これにより、パッキン材4が同ケース本体3の開口部1に正確に位置決めされて取着固定される。
【0023】
パッキン材4の前記主体部16の下辺部位中程には、リブ片19が背方へ一体に突設されている。そして、前記の如く、電線ガイド部13がケース本体3の溝型部12の開口端部分に挿入嵌合され、主体部16が同ケース本体3の開口部1に挿入嵌着されて、パッキン材4がこの開口部1に取着固定された状態では、図1に示す如く、安定器となる電気部品2の底板端縁部分上に同パッキン材4のリブ片19が係合して同電気部品2は保持される。又、ケース本体3の筒端となる両開口部1では同様に、パッキン材4を介してカバー体5が密閉装着される。
【0024】
カバー体5はアルミニウム製で、前記筒状型材でなるケース本体3の両筒端のエンドカバーとなるもので、図4に示す如く、前記ケース本体3の開口部1及びパッキン材4に適合するよう略台形状に形成されている。カバー体5の中程部分は背方へ突出屈曲する基体部21として形成され、この基体部21の周辺縁部分に鍔状部22が外方へ突設されている。基体部21は前記パッキン材4の主体部16の表側の凹形状に略合致した形状で、同パッキン材4の主体部16の表側凹所に係合されるものである。
【0025】
カバー体5の鍔状部22には、前記ケース本体3の各溝型部12の開口端と前記パッキン材4の電線挿通部7及び電線ガイド部13とに対応する位置で、貫通孔8が配設形成されている。貫通孔8は円形状でその内周面が背方程大径となるよう座ぐりテーパー状に形成され、前記パッキン材4の電線挿通部7は同貫通孔8に背方から挿入嵌合されることで縮径圧縮変形されるものである。又、カバー体5の鍔状部22にはその両側に取付孔23が配設形成され、図1、2に示す如く、両取付孔23には表方からネジ11が挿通されるもので、このネジ11が前記ケース本体3の溝条部10の開口端にねじ込みタッピングされることにより、同ケース本体3の開口部1にパッキン材4を介して同カバー体5が締結装着される。
【0026】
又、図4に示す如く、カバー体5の前記鍔状部22の下辺部位両側には、取着片24が表方へ一体に突設されている。取着片24には固定孔25が形成されており、この固定孔25を用いてビス等の固定具により、カバー体5は照明器具の適所に取着固定される。そして、前記ケース本体3はその長手方向両端の開口部1に装着される両カバー体5により、照明器具の適所に取付支持される。なお、図4に示すカバー体5では二個の取着片24が突設されているが、図1、2に示すカバー体5のように、一個の取着片24がカバー体5の鍔状部22の下辺部位中程に突設されてもよいものである。
【0027】
ここで、図5に基づいて、ケース本体3の開口部1にパッキン材4を介してカバー体5が密閉装着される手順を段階ごとに説明する。まず、図5(a)に示す如く、パッキン材4の電線ガイド部13に背方から電線6を挿入する。挿入された電線6は薄膜壁9を突き破り開口させてパッキン材4を貫通し、このパッキン材4の電線挿通部7から表方へと挿通導出される。電線6がパッキン材4を貫通された状態では、図5(b)に示す如く、この電線6が電線挿通部7及び電線ガイド部13で緩く挿通保持されており、この状態では同電線6を出し入れ摺動させてその導出量を容易に調整することができる。
【0028】
次に、図5(b)〜(c)に示す如く、前記パッキン材4に電線6が貫通された状態で、同パッキン材4の電線ガイド部13をケース本体3の溝型部12の開口端部分に挿入嵌合する。この挿入嵌合された状態で電線ガイド部13は縮径圧縮変形され、その内周面に形成された複数条の凸起条20が電線6の外周に圧接密着される。そして、図5(c)〜(d)に示す如く、ケース本体3の開口部1に仮止め嵌着されたパッキン材4の上からカバー体5を取着固定する。
【0029】
この場合、前記の如く、ネジ11がケース本体3の溝条部10の開口端にねじ込みタッピングされることにより、同ケース本体3の開口部1にパッキン材4を介してカバー体5が締結装着される。これに伴って、パッキン材4の電線挿通部7がカバー体5の貫通孔8内に挿入嵌合され、その際、テーパー状に形成された同貫通孔8の内周面で締め付けられて同電線挿通部7は縮径圧縮変形される。この段階では、電線6がパッキン材4の電線挿通部7及び電線ガイド部13で強固に挿通保持されていて、同電線6は摺動せずその周囲が密封されている。
【0030】
又、溝条部10と溝型部12とが近接配置されていて、前記ネジ11による締結部位と電線挿通部7及び電線ガイド部13で電線6が挿通保持される部位とは相互に近傍位置となり、この挿通部位に同締結部位でのパッキン材4に対する圧縮力が作用して、ここでは、ネジ11を強く締め付けることで電線挿通部7が貫通孔8に深く挿入嵌合されて十分に縮径圧縮変形されることもあって、同電線挿通部7及び電線ガイド部13の内部で電線6はより確実な密閉状態に挿通保持される。又、この場合には、ネジ11による締結部位の近傍において、ケース本体3の開口部1の端縁部分とカバー体5の鍔状部22との間で、パッキン材4のフランジ部17が強く挟持されて圧縮変形され、ここでの密閉状態も十分に確保される。
【0031】
したがって、この実施形態の電気部品収容ケースにおいては、ケース本体3の開口部1はこれに装着されるパッキン材4及びカバー体5で密閉されており、しかも、電線6が同開口部1とカバー体5との間で電線挿通部7によって密閉状に挿通保持されるため、同ケース本体3の内部の防水性は確保されて、この内部に収容される電気部品2やこれと接続される同電線6の配線部位等での漏電事故が防止される。
【0032】
又、前記電線挿通部7がケース本体3の開口部1とカバー体5との間に介在するパッキン材4に形成されて、この電線挿通部7に挿通保持される電線6は、その周囲が密閉された状態で同カバー体5を貫通して同開口部1から導出されるため、新たに別部材を要することなく、従来のような樹脂充填や孔穿設等の手間取る作業も必要とせず、簡単な構造で生産性が向上される。
【0033】
又、この実施形態の電気部品収容ケースにおいては、図5に示す如く、略筒状の電線挿通部7がカバー体5に形成される貫通孔8に挿入嵌合されるので、同電線挿通部7に挿通保持される電線6は確実に固定される。しかも、この場合、貫通孔8の内周面がテーパー状に形成されていて、電線挿通部7は同貫通孔8に挿入嵌合されることにより縮径圧縮変形されるので、電線6が同電線挿通部7内で強固に締め付け固定され、この部位における同電線6の周囲の密閉性もより十分に確保される。
【0034】
更に、挿通する電線6で突き破り開口される薄膜壁9が電線挿通部7内に一体に形成されているので、必要なときにのみ電線挿通部7に電線6を挿通させることにより簡単にこの電線挿通部7を貫通開口させて、同電線挿通部7を用いることができ、不要なときには、電線6を挿通しなければ電線挿通部7内が薄膜壁9で閉塞されていて、防水性には支障を来すことがない。又、薄膜壁9を有する複数の電線挿通部7がパッキン材4に配設されているので、電線6の本数や配置に応じ所望の電線挿通部7を選択して用い、不用の電線挿通部7は薄膜壁9で閉塞されていて防水性に支障を来さず使い勝手が良い。この場合、筒状型材で形成されるケース本体3のいずれか一方の筒端となる開口部1からのみ、電線6を導出させることもできる。
【0035】
又、この実施形態の電気部品収容ケースにおいては、ケース本体3が押出成形される筒状型材で簡単に形成されており、その筒周壁に一体成形されるタッピング用の溝条部10の溝端にネジ11をねじ込んで、同ケース本体3の筒端となる開口部1に、この開口部1とカバー体5との間にパッキン材4を挟持介在させた密閉状態にして、同カバー体5を強固に締結装着することができ、これにより圧縮変形される同パッキン材4によってその接合部位における密閉性は確保される。
【0036】
この場合、溝条部10はケース本体3の外側へ開口したものであり、ネジ11がねじ込まれる締結部位から同ケース本体3内へは水が侵入しないものであり、防水性に支障を来すことはない。そのため、ネジ11が貫通される締結部位ではその周囲をパッキン材4で密封する必要がなく、図3に示す如く、パッキン材4のフランジ部17に孔を形成するのではなく、同フランジ部17の外縁部分に切欠状凹所sを形成するだけでよいものである。
【0037】
更に、この場合、ケース本体3の筒周壁に内側へ開口して筒方向にわたる溝型部12が一体成形されており、パッキン材4には電線挿通部7と連通する略筒状の電線ガイド部13が一体に突出形成されていて、この電線ガイド部13は同溝型部12の溝端に挿入嵌合されるので、同パッキン材4がケース本体3の開口部1に位置決めされて正確且つ容易に嵌着仮止めされ、同電線ガイド部13に挿通される電線6は同溝型部12内に格納配線される。
【0038】
又、この場合、溝条部10と溝型部12とが近接配置されていて、前記ネジ11による締結部位と電線挿通部7及び電線ガイド部13で電線6が挿通保持される部位とは相互に近傍位置となり、この挿通部位に同締結部位でのパッキン材4に対する圧縮力が作用して、同電線挿通部7及び電線ガイド部13の内部で電線6はより確実な密閉状態に挿通保持される。しかも、ケース本体3は熱伝導性に優れたアルミニウムでなるため、前記溝条部10及び溝型部12の部位が放熱フィンとして有効に作用し、同ケース本体3の内部に収容される電気部品2からの放熱性に優れたものとなる。
【0039】
なお、本願発明においては、放熱性がそれ程に要求されない場合には、ケース本体3やカバー体5がアルミニウム以外の金属或いは合成樹脂等で形成されてもよい。又、上記ネジ11による締結部位は、一つのカバー体5につき一箇所以上であればよく、上記実施形態の如く二箇所であっても、図6(a)に示す実施形態の如く三箇所であっても、図6(b)に示す実施形態の如く四箇所であってもよいものであるが、カバー体5の正面視において対称位置に複数配設されることが好ましいものである。
【0040】
【発明の効果】
上述の如く、本願発明の電気部品収容ケースにおいては、ケース本体の開口部が密閉されると共に電線もその周囲が密閉状となって挿通保持されるため、同ケース本体の内部の防水性は確保され、この場合に、同じパッキン材を活用していることで、新たに別部材を要することなく、従来のような樹脂充填等の手間取る作業も必要とせず、簡単な構造で生産性が向上される。また、本願発明の電気部品収容ケースにおいては、電線挿通部が貫通孔に挿入嵌合されるので、電線挿通部に挿通保持される電線は確実に固定される。また、本願発明の電気部品収容ケースにおいては、ケース本体の溝条部の溝端にねじ込まれるネジにより、ケース本体の筒端となる開口部に、この開口部とカバー体との間にパッキン材を挟持介在させた状態で、カバー体が締結装着されるので、圧縮変形されるパッキンによってその接合部位における密閉性は確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態である電気部品収容ケースをその要部以外の中程部分を省略して示す(a)は一部断面平面図、(b)は一部断面側面図。
【図2】同電気部品収容ケースにおける(a)はケース本体を示す正面図、(b)は同ケース本体にパッキン材が嵌着された状態を示す正面図、(c)は同ケース本体にパッキン材を介してカバー体が装着された状態を示す正面図。
【図3】同電気部品収容ケースにおけるパッキン材を示す(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は底面図、(e)は(a)においてのA−A部位断面図、(f)は(a)においてのB−B部位拡大断面図。
【図4】同電気部品収容ケースにおけるカバー体を示す(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は背面図、(d)は平面図、(e)は(a)においてのC−C部位断面図、(f)は(a)においてのD−D部位断面図。
【図5】同電気部品収容ケースにおける装着段階を示す(a)〜(d)各段階での要部断面図。
【図6】本願発明の別の実施形態である(a)、(b)各々異なる電気部品収容ケースを示す正面図。
【図7】従来例である電気部品収容ケースの要部を示す(a)は断面平面図、(b)は断面側面図。
【図8】別の従来例である電気部品収容ケースの要部を示す分解斜視図。
【符号の説明】
1 開口部
2 電気部品
3 ケース本体
4 パッキン材
5 カバー体
6 電線
7 電線挿通部
8 貫通孔
9 薄膜壁
10 溝条部
11 ネジ
12 溝型部
13 電線ガイド部
Claims (6)
- 開口部を有してこの開口部から内部に電気部品が収容されるケース本体と、同開口部にパッキン材を介して密閉装着されるカバー体と、を備えてなる電気部品収容ケースであって、筒状のケース本体を、その筒周壁に筒方向にわたる溝条部を一体に形成し、カバー体に、電線が貫通導出される貫通孔を形成し、パッキン材に、略筒状でその内部に電線が開口部とカバー体との間で密閉状に挿通保持される電線挿通部を一体に突出形成し、電気部品と接続される電線を、パッキン材の電線挿通部に挿通した状態で電線挿通部をカバー体の貫通孔に挿入嵌合させることにより、貫通孔から貫通導出させ、ケース本体の溝条部の溝端にねじ込まれるネジにより、ケース本体の筒端となる開口部に、この開口部とカバー体との間にパッキン材を挟持介在させた状態で、カバー体が締結装着されるようになしたことを特徴とする電気部品収容ケース。
- 貫通孔の内周面を電線挿通部の挿入嵌合方向へ向け小径となるようテーパー状に形成して、この電線挿通部が同貫通孔に挿入嵌合されることで縮径圧縮変形されるようになしたことを特徴とする請求項1記載の電気部品収容ケース。
- 電線挿通部内に電線が挿通されることで突き破り開口される薄膜壁を一体に形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の電気部品収容ケース。
- ケース本体の筒周壁に内側へ開口して筒方向にわたる溝型部を一体に形成し、パッキン材には電線挿通部と連通する略筒状の電線ガイド部を一体に突出形成して、この電線ガイド部が同溝型部の溝端に挿入嵌合されるようになしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の電気部品収容ケース。
- 溝条部と溝型部とを近接配置して形成したことを特徴とする請求項4記載の電気部品収容ケース。
- ケース本体をアルミニウム製の筒状型材で形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の電気部品収容ケース。
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