JP4258022B2 - 超音波トランスジューサおよびそれを用いた超音波治療装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超音波トランスジューサおよびそれを用いた超音波治療装置に関する。
一般に、超音波を用いた治療には、超音波の照射による発熱を利用した加温治療または焼灼治療、超音波の衝撃により結石などを破砕する破砕治療などが含まれる。このような超音波治療に用いる超音波トランスジューサは、目的とする治療部位に超音波を集束させるために、固定焦点タイプ(例えば、特許文献1、特許文献2参照)、可変焦点タイプ(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4参照)、あるいは音響レンズを用いるタイプ(例えば、特許文献5参照)等が提案されている。
[特許文献1]特開2000−93429号公報(段落「0003」、図5)
[特許文献2]特開平10−305041号公報(段落「0009」、図1)
[特許文献3]特開平11−313831号公報(段落「0033」、図3)
[特許文献4]特開平6−285107号公報(段落「0017」、「0018」、図2)
[特許文献5]特開平11−500945号公報(第8頁、図1)
このような超音波治療に用いる超音波トランスジューサは、通常、観察用と治療用の超音波トランスジューサを一体的に組み込んで構成され、観察用の超音波トランスジューサにより撮像した目的治療部位の断層像を観察しながら、治療用の超音波トランスジューサからハイパワーの治療用超音波を目的治療部位に照射して治療を行なうようにしている。したがって、観察用の超音波トランスジューサにより目的治療部位を観察している状態で、治療用の超音波トランスジューサから射出される超音波の焦点を目的治療部位に一致させる必要がある。しかし、固定焦点タイプは、必ずしも治療用超音波の焦点が目的治療部位に一致しないから、治療用の超音波トランスジューサとしては、焦点を電子的に可変制御できる可変焦点タイプが好ましい。つまり、可変焦点タイプは、一般に、複数の振動子を所定の形状に配列してアレイを構成し、このアレイの各振動子を駆動する超音波の位相と振幅を振動子ごとに制御して、各振動子から射出される超音波を特定の焦点に集束させるとともに、その焦点位置を変化させることができる。
ところで、超音波治療においては、例えば、焼灼治療の場合には、高強度の超音波を小さな焦点に高密度で集束させる、いわゆるHIFU(High Intensity Focused Ultrasound)法が採用される。このHIFUは、通常の超音波診断で用いる超音波が1MHzから20MHz程度までの範囲であるのに対し、例えば500KHzから5MHzまでの比較的周波数が低い範囲の超音波が用いられる。したがって、超音波治療においては、超音波診断よりも波長の長い超音波を小さな焦点に高密度で集束させることが要求される。そこで、電子的な焦点制御の制御精度を向上させるとともに、その焦点を広い範囲で精密に可変制御することが求められることになる。
しかし、従来の治療用の超音波トランスジューサは、これらの要求を必ずしも十分に応えることができるものではなかった。例えば、アニュラーアレイ式(特許文献3)の場合、振動子に曲線加工を施す必要があることから、振動子のサイズを小さくすることが容易でないから、焦点の径を絞ることが困難である。一方、リニアアレイ式は、振動子を直線加工だけで形成できるので、複数の振動子の配列ピッチを微細化できるから、焦点の径を絞ることができる。また、複数の振動子が線状に配列されるので、アニュラーアレイのような裏打材を必ずしも必要としないから、電気音響変換の効率低下を防ぐことができる。しかしながら、リニアアレイの場合、複数の振動子の配列方向(以下、長軸方向という。)については超音波を電子走査により集束させることはできるが、長軸方向に直交する方向(以下、短軸方向という。)については超音波を電子的に集束させることができない。
そこで、振動子の短軸方向については、診断用の超音波トランスジューサと同様に、音響レンズを用いて超音波を集束させることが考えられる。通常、音響レンズは被検体である生体に接する側に設けられることから、生体の音響インピーダンス(典型的には、水のインピーダンス)に近い音響インピーダンスを有する材料(例えば、樹脂)を用いて形成される。しかし、治療用の超音波はパワーが大きいので、樹脂のような比較的柔らかい材料で形成すると、音響レンズによる損失が大きくなり、その損失による発熱が新たな問題となる。
したがって、音響レンズによる損失の増大を抑えるためには、樹脂よりも硬度の高い材料(例えば、金属やセラミック)で音響レンズを形成しなければならないことになる。しかし、高硬度材の音響インピーダンスは、生体の音響インピーダンスに近くないから、振動子から射出された超音波の進行波が音響レンズと生体との界面等で様々に反射する進行波のモード変換が起こる。このモード変換により複数の焦点を生じるグレーテイング現象が起こり、超音波の集束効率が低下し、かつ焦点の可変範囲が制限されるという問題が生ずる。
本発明の目的は、超音波を高密度に集束させることができ、かつ超音波の焦点を広い範囲で電子的に可変制御することができる超音波トランスジューサおよびそれを用いた超音波治療装置を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために、複数の振動子を直線または曲線に沿って配列してなる振動子アレイを備えた超音波トランスジューサにおいて、前記各振動子の超音波射出面側に樹脂よりも硬い材料により形成された音響レンズがそれぞれ設けられ、前記振動子アレイの配列方向の前記各振動子の幅と前記各音響レンズの幅が同一に形成され、かつ前記各音響レンズは前記配列方向と直交する方向の厚みが凹状に形成されてなることを特徴とする。
このように、音響レンズを樹脂よりも硬い材料(例えば、金属またはセラミック)により形成したことから、音響レンズによる損失の増大を抑えて、発熱の問題を軽減することができる。しかも、音響レンズを振動子ごとに分離して設けたことから、つまり音響レンズの配列方向の幅を各振動子の幅と同一に形成したことから、音響インピーダンスの違いに起因して発生する反射波の広がりが波長よりも狭い幅内に抑えられる。その結果、モード変換によるグレーテイング現象の発生を極小化できる。
また、本発明の超音波トランスジューサは、複数の振動子を直線または曲線に沿って配列してなる振動子アレイを備えて構成されるから、基本的に、複数の振動子を励起する超音波の位相および振幅を電子的に制御することにより、超音波の集束位置(焦点)を広い範囲で可変制御することができる。しかも、音響レンズは、配列方向と直交する方向の厚みが凹状に形成されていることから、振動子アレイの配列方向に直交する短軸方向の超音波をも集束させることができ、超音波を高密度に集束させることができる。
この場合において、振動子の配列方向の幅を、その振動子から射出される超音波の波長よりも小さい幅に設定することが好ましい。これによれば、振動子の配列の密度が向上し、各振動子から射出される超音波が重なる焦点の大きさ(焦点径)を小さくすることができ、目的治療部位に照射する超音波を一層高エネルギー密度にすることができる。
また、音響レンズの超音波射出面側に音響レンズと生体の間の音響インピーダンスを有する材料で形成された板波防止層を設けることが好ましい。また、音響レンズの超音波射出面に平行な等厚の層で形成する。これにより、音響レンズと生体との音響インピーダンスの違いを板波防止層で緩和することができるから、音響レンズ内に音波のエネルギーが閉じ込められない。その結果、板波を防止して、音響レンズのモード変換に起因するグレーテイング現象の影響を、一層少なくすることができる。
また、上記のように構成される振動子アレイを複数有して超音波トランスジューサを形成することができる。この場合、各振動子アレイの超音波射出面の法線を互いに交差させて設けることが好ましい。あるいは、各振動子アレイの超音波射出面を同一の仮想円または仮想長円に接して配置することが好ましい。すなわち、複数の振動子アレイから射出される超音波の焦点が、所望の照射位置の範囲を臨むように複数の振動子アレイを領斜させて配置する。このように構成することにより、複数の振動子アレイから射出される超音波を同一の焦点に集束させることができる。その結果、焦点移動に伴う集束効率の低下を小さくすることができ、焦点の実効的な可変範囲を広くすることができるから、目的治療部位に照射する超音波を一層高密度化することができるとともに、焦点位置を一層広い範囲で可変制御することができる。
また、本発明の超音波治療装置は、本発明の超音波トランスジューサを用いて構成することにより、超音波を高密度に集束させることができ、かつ超音波の焦点を広い範囲で電子的に可変制御することを実現できる。その結果、今後ますます有力になる超音波治療法の一つであるHIFU法の要求を十分に満足させることのできる超音波治療装置を実現することが可能になる。
図1は、本発明の一実施の形態による超音波治療装置を示すブロック構成図である。
図2は、本発明の超音波トランスジューサを備えた図1のヘッドの断面図である。
図3は、本発明の一実施の形態の超音波トランスジューサを構成する振動子アレイの一部の縦断面図である。
図4は、図3の一つの振動子回りの外観形状を模式的に示した斜視図である。
図5は、本発明に係る振動子アレイの製造方法を説明する斜視図である。
図6は、図2に示したヘッドに組み込まれた振動子アレイ6の詳細構成および動作を説明する図である。
図7は、図6のヘッドを焦点F側から見た平面図である。
図8は、本発明の他の実施形態のヘッドに組み込まれた振動子アレイ6の詳細構成および動作を説明する図である。
図9は、図8のヘッドを焦点F側から見た平面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態の超音波トランスジューサを適用してなる超音波治療装置の全体を示す概略構成図である。図示のように、超音波治療装置は、本発明に係る超音波トランスジューサを用いて構成されたヘッド1を有する超音波治療アプリケータ2と、超音波診断装置3と、治療制御/治療計画部4とを備えて構成されている。ヘッド1は、アレイ型の治療/観察用ヘッドを有して構成されている。また、超音波治療アプリケータ2のハウジング内にヘッド1に連結してポジショニング機構部5が一体に組み込まれている。このポジショニング機構部5は、ヘッド1の軸方向位置および軸周りの回転位相を制御可能に構成されている。超音波診断装置3は、多チャンネルパワーアンプ部を備えて構成され、ヘッド1の観察用ヘッドを励起する観察用の超音波信号と、治療用ヘッドを励起する治療用の超音波信号とを生成して、それらのヘッドに供給するように構成されている。そして、超音波診断装置3は、観察用ヘッドから出力される超音波信号に基づいて治療対象患者の体内画像を再構成するとともに、治療用ヘッドを励起して治療対象部位に治療用超音波を照射するように構成されている。治療制御/治療計画部4は、超音波診断装置3から伝送路(例えば、イーサネット(Ethernet))を介して転送される患者の体内画像データを取込み、プログラム制御によってポジショニング機構部5を駆動してヘッド部1の長手方向移動走査と軸周り回転走査によりポジショニングを行って、治療対象部位にヘッド1の位置決めを行うように構成されている。また、超音波診断装置3と治療制御/治療計画部4は、信号伝送路を介して、例えばRS232C等の通信プロトコルによって、フリーズ等の制御信号を送受するように構成されている。
図2に、ヘッド1の断面の模式構成図を示す。ヘッド1は中空円筒状に形戊されたハウジング内に、治療用超音波を射出する一対の治療用の振動子アレイ6と、この一対の治療用振動子アレイ6の間に配置された観察用の振動子アレイ7を有して構成されている。観察用の振動子アレイ7は、患者の体内画像を得るための観察用超音波の送受信を行う超音波トランスジューサを構成する。
図2の治療用の振動子アレイ6の一部を拡大した縦断面図を図3に示し、図4に1つの振動子周りの斜視図を示す。それらの図に示すように、振動子アレイ6は、複数の振動子11を図において左右に伸びる直線に沿って、それぞれ間隙をおいて配列して形成される。各振動子11の超音波射出面側(図において上側)に音響レンズ12がそれぞれ設けられている。ここで、各音響レンズ12の配列方向の幅は、各振動子の配列方向の幅Wと同一に形成されている。さらに、本実施形態では、各音響レンズ12の超音波射出面側に板波防止層13が重ねて設けられている。このように形成された振動子11と音響レンズ12と板波防止層13からなる組合せ体15は、振動子11の背面側を裏打材14の上面に固定して支持されている。各組合せ体15の間隙は、空隙のままでもよいが、充填材18によって埋めることにより防湿および防水を図ることができる。
また、図4に示すように、振動子11と音響レンズ12および板波防止層13の配列方向(長軸方向)に直交する方向(短軸方向)の両端面には、それらを支持する側面支持材16が配置されている。
振動子11は、周知の圧電素子を用いて構成することができ、例えば、圧電セラミックスPZT、PZLT、圧電単結晶PZN−PT、PMN−PT、あるいは有機圧電材料PVDFなど、又はそれらと樹脂とで構成される複合圧電層などを用いることができる。また、音響レンズ12は、振動子アレイ6の振動子の配列方向(長軸方向)に直交する方向(短軸方向)のフオーカスを行うためのものであるが、パワーの大きい治療用超音波による損失発熱を低減するために、シリコンゴムなど樹脂材料よりも硬い材料を用いて形成する。具体的には、金属材料やセラミックス材料を用いることが好ましい。板波防止層13は、音響レンズ12と生体との音響インピーダンスの整合を図るために設けたものであり、音響レンズと生体の間の音響インピーダンスを有する材料で形成することが好ましい。具体的には、アルミや金属の粉末を拡散させた樹脂を用いて形成するのが好ましい。充填材18は、樹脂材などの音が通過しにくい固体で、振動子や音響レンズと異なる材料で形成する。例えば、超音波の減衰の大きい材料で、気泡などを入れて形成することができる。裏打材14は、超音波の減衰率が大きく、振動子11の背面方向に射出される超音波を減衰させる素材を用いて形成する。なお、裏打材14は、振動子11を線状に配列したリニアアレイでは必ずしも必要ではなく、後述する製造上の理由により設けたものである。また、裏打材14に起因する電気音響変換効率の低下による発熱が問題にならない程度のものであれば、支持の補強のために裏打材14を使用しても差支えない。
ここで、本実施形態の振動子11と、音響レンズ12の形状および寸法について説明する。振動子11は、幅W、長さL、高さHを有する細長い直方体状に形成されている。振動子11の幅Wは、振動子11から放射される超音波の波長(医療用の場合は通常、水中での波長)よりも狭くされている。具体的には、超音波の波長λに対して、λ>W>λ/2の関係に選定されている。同じく、音響レンズ12も、幅W、長さL、両端部で高さH´を有して形成されている。また、音響レンズ12の厚みは、配列方向と直交する方向の厚みが中心部で薄く、両端部で厚くなるように凹状に形成され、振動子11から射出される超音波を短軸方向に集束させる機能を有している。
したがって、音響レンズ12と振動子11の重ね合わせ面は、同一形状で同一サイズとなっている。板波防止層13も、幅W、長さLを有し、音響レンズ12に重ねて設けられている。つまり、振動子11は、少なくともλ>Wの関係に形成され、音響レンズ12および板波防止層13も同じ幅Wで振動子11ごとに分割して形成されている。
このように、振動子11と音響レンズ12の幅を同一に形成することにより、本実施形態の治療用の超音波トランスジューサによれば、音響レンズ12と生体との音響インピーダンスの違いに起因して音響レンズ12内に発生する反射波の様々な広がりを、音響レンズ12の波長よりも狭い幅内に抑えることができる。その結果、モード変換の発生を効果的に抑制して、グレーテイング現象の発生を極小化できる。したがって、音響レンズ12を高硬度の材料で形成してレンズ効率を高めることができる一方で、高硬度の材料により形成することに起因するモード変換の発生を抑制して、超音波の集束効率の低下、および焦点可変範囲の制限を有効に回避して、高密度集束と焦点可変範囲を広げることができる。
特に、本実施形態によれば、板波防止層15を設けたことから、モード変換の発生を一層抑制することができ、高密度を一層向上できるとともに、焦点可変範囲を一層広げることができる。すなわち、板波防止層13は、音響レンズ12内に音波のエネルギーが閉じ込められないようにする役割を担うものであり、これにより音響レンズ12の短軸方向に板波が発生するのを防止することができる。そのために、板波防止層13は、生体あるいは結合材(例えば、水)と音響レンズ12との中間の音響インピーダンスを有し、音響レンズ12の超音波射出面に平行な等厚の層で形成する。これによれば、音響レンズ12と生体との音響インピーダンスの違いを板波防止層13で緩和することができ、音響レンズ12のモード変換に起因するグレーテイング現象の影響を一層少なくすることができる。
また、音響レンズ12のモード変換を防止するためにλ>Wとすると、振動子11のピッチが十分に微細化される。その結果、治療用超音波の焦点の絞り径を小さくすることができ、また振動子11の必要個数を最小限に抑えることができ、低コスト化を図ることができる。なお、コストアップ要因を考慮すれば、振動子11の幅Wは、W>λ/2とするのが好ましく、かつグレーテイング現象の回避効果が得られる。
このように構成される本実施形態の超音波トランスジューサによれば、図3に示すように、線状配列の各振動子11に印加する超音波の位相(遅延時間)と振幅を個々に制御することにより、アレイ振動子6の長軸方向の各振動子11から射出される超音波を、矢印で示すように焦点Fに集束させることができる。また、短軸方向については、凹曲面に形成された音響レンズ12の超音波放射面のレンズ作用により、焦点Fに向けて集束させることができる。
次に、図3の振動子アレイ6の製造方法について説明する。まず、振動子11は、図5に示す斜視図のように、細長い平板状の振動子材19に振動子11の配列間隔、つまり図4に示した充填材18が充填されている部分に相当する幅の溝20を切り抜いて、複数の振動子11からなるアレイを形成する。このとき、各振動子11は、短軸方向の両端において幅方向に連続した連続部21が残るように溝20を形成する。この連続部21によって加工性を高めることができる。また、図示を省略するが、音響レンズ12および板波防止層13の製造法も同様であり、振動子材19と同様の細長い平板状の音響レンズ材または板波防止層材に、振動子11の配列間隔と同じ幅の溝を切り抜く。この場合、短軸方向の両端に連続部が残るように切り抜き、複数の音響レンズ12または板波防止層13からなるアレイを形成する。なお、図4においては、振動子11の連続部21、音響レンズ12および板波防止層13の連続部の図示を省略している。
このようにして形成された振動子11と、音響レンズ12と、板波防止層13の各アレイを密着させて接合することにより、振動子アレイ6を形成する。このとき、振動子11と音響レンズ12と板波防止層13に係る溝20が正確に一致するようにそれらを接合することが重要である。これとは別に、振動子材と音響レンズ材と板波防止層材を張り合わせた後、各要素のアレイを形成する溝を切り抜いて形成してもよい。
次に、図6および図7を参照して、図2に示したヘッド1に組み込まれた振動子アレイ6の詳細構成および動作を説明する。図6に示すように、一対の振動子アレイ6は、観察用の振動子アレイ7を挟んで対称位置に、ヘッド1の軸に対して長軸方向をθ度傾けて配置されている。すなわち、一対の振動子アレイ6の超音波射出面が互いに向き合うように傾斜して配置され、かつ超音波射出面の法線が互いにFbにて交差するように配置されている。言い換えれば、一対の振動子アレイ6の超音波射出面の中心位置を、同一の仮想円(または、仮想長円)に接して配置されている。なお、図7は、ヘッド1を図6の焦点F側から見た図であり、ヘッド1の半径rのハウジング内に収納できる形に形成されている。
振動子アレイ6は、深部焦点Fcと浅部焦点Faの範囲で焦点を可変できるように形成されている。特に、それらの中間の中央焦点Fbに、最も効率よく超音波を集束させることができるように形成されている。したがって、中央焦点Fbから深部焦点Fcや浅部焦点Faに向かうほど集束効率は低下する。このような集束特性を有する一対の振動子アレイ6を、図示のように傾斜配置することにより、焦点移動に伴う集束効率の低下を小さくすることができる。その結果、焦点の実効的な可変範囲を広くすることができる。言い換えると、このような作用効果をもたらす傾斜配置は、各振動子アレイ6のそれぞれから射出される超音波が集束する共通の焦点の移動範囲を臨むようにして、一対の振動子アレイ6を配置するとよい。この焦点の可変範囲については、振動子11の長さL、つまり振動子アレイ6の短軸口径と振動子アレイ6の長軸方向の長さ、つまり長軸口径との比も関係している。すなわち、振動子アレイ6の長軸方向については電子的な制御により超音波の集束させることにより焦点位置を可変できる。一方、振動子アレイ6の短軸方向については音響レンズ12による固定焦点である。そこで、長軸口径を短軸口径よりも大きく設定することにより、焦点の可変範囲をより広くすることができる。なお、観察用の振動子アレイ7は、基本的には、周知の診断用の超音波トランスジューサを用いている。
このように構成される超音波トランスジューサを備えた治療用のヘッド1によれば、一対の振動子アレイ6から射出される超音波を同一の焦点に集束させることができる。その結果、焦点移動に伴う集束効率の低下を小さくすることができ、焦点の実効的な可変範囲を広くすることができるから、治療部位に照射する超音波を一層高密度化することができるとともに、焦点位置を一層広い範囲で可変制御することができる。
特に、振動子11の長軸方向の幅Wを、超音波の波長よりも狭い幅サイズとしたことから、振動子アレイ6の長軸方向の振動子の密度を高めて、焦点の絞り径を小さくできる。その結果、治療部位に照射する超音波の密度を一層高くすることができる。
また、短軸方向の超音波を集束する音響レンズ12を樹脂材よりも高便度材を用い、かつ振動子11の射出面の幅と同一の幅に分離して設けたことから、音響レンズ12内に発生する反射波の様々な広がりを音響レンズ12の波長よりも狭い幅内に抑えて、モード変換の発生を効果的に抑制して、グレーテイング現象の発生を極小化できる。その結果、さらに、焦点の絞り径を小さくして、超音波の密度を一層高くすることができる。この作用効果は、音響レンズ12の前面に音響インピーダンスが生体と音響レンズ12の間の値(例えば中間の値)を持つ材料で形成された板波防止層13を設けたことにより一層効果的に助長される。
上記の説明では、一対の振動子アレイ6の焦点を同一の焦点に合わせて、焦点における超音波のエネルギ密度を向上させることについて説明したが、本発明の超音波トランスジューサの使用法は、これに限られるものではない。すなわち、本発明の振動子アレイ6によれば、焦点の径を小さくでき、超音波エネルギの密度を高密度化できるから、それぞれの振動子アレイ6の焦点を別々のところに制御して、複数の治療部位を同一時に治療するようにすることができる。例えば、図6に示すように、一方の振動子アレイ6の焦点をFbまたはFcに制御し、他方の振動子アレイ6の焦点をFaに制御して、2箇所の治療部位を治療することができる。これによれば、治療時間を短縮化することができる。
次に、図8および図9に、図2に示したヘッド1の他の実施形態を示す。詳細構成および動作を説明する。図8および図9に示した実施形態が、図6および図7に示した実施形態と異なる点は、一対の振動子アレイ6の超音波射出面を長軸方向に曲面に形成した点にある。すなわち、各振動子アレイ6は、複数の振動子11を曲線に沿って、それぞれ間隙をおいて配列して形成される。
このように形成されることから、本実施形態によれば、図1の実施形態に比べて、複数の振動子11および音響レンズ12から射出される超音波を効率よく焦点に集束させることができる。
図2の実施の形態は、振動子11ごとにそれと同一幅の音響レンズ12を組み合わせてなる振動子アレイ6の構成と、その振動子アレイ6の一対を対称にして傾斜配置する構成とを組合せてなるヘッド1について説明した。しかし、本発明はこれに限らず、本発明の実施形態の振動子アレイ6を備えた超音波トランスジューサ単独で適用することができる。また、従来の振動子アレイの一対を対称にして傾斜配置する構成を単独で適用して超音波トランスジューサを構成することができる。また、一対の振動子アレイに限らず、3個以上の治療用の振動子アレイを設けてヘッドを構成することができる。さらに、本発明の超音波トランスジューサは医療用途に限られず、その特徴を活かせる他の用途にも適用可能である。

Claims (8)

  1. 複数の振動子を直線または曲線に沿って間隙をおいて配列してなる振動子アレイを備えた治療用の超音波トランスジューサにおいて、
    前記各振動子の超音波射出面側に樹脂よりも硬い材料により形成された音響レンズがそれぞれ設けられ、前記振動子アレイの配列方向の前記各振動子の幅と前記各音響レンズの幅が同一に形成され、かつ前記各音響レンズは前記配列方向と直交する方向の厚みが凹状に形成され、
    さらに、前記各音響レンズの超音波射出面側にそれぞれ前記音響レンズと生体の間の音響インピーダンスを有する材料で、前記各音響レンズの幅と同一に形成された板波防止層が設けられてなることを特徴とする超音波トランスジューサ。
  2. 前記振動子アレイを複数有して形成され、該複数の振動子アレイの超音波射出面の法線が互いに交差させて設けられてなることを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスジューサ。
  3. 前記振動子アレイを複数有して形成され、該複数の振動子アレイは、該各振動子アレイの超音波射出面を同一の仮想円または仮想長円に接して配置されてなることを特徴とする請求項に記載の超音波トランスジューサ。
  4. 前記各振動子の配列方向の幅は、前記各振動子から射出される超音波の波長よりも小さい幅に設定されてなることを特徴とする請求項に記載の超音波トランスジューサ。
  5. 複数の振動子を直線または曲線に沿って間隙をおいて配列してなる振動子アレイを備えた治療用の超音波トランスジューサと、該超音波トランスジューサを駆動する治療用超音波信号の発生手段とを備えた超音波治療装置において、
    前記超音波トランスジューサは、前記各振動子の超音波射出面側に樹脂よりも硬い材料により形成された音響レンズがそれぞれ設けられ、前記振動子アレイの配列方向の前記各振動子の幅と前記各音響レンズの幅が同一に形成され、かつ前記各音響レンズは前記配列方向と直交する方向の厚みが凹状に形成され、
    さらに、前記各音響レンズの超音波射出面側にそれぞれ前記音響レンズと生体の間の音響インピーダンスを有する材料で、前記各音響レンズの幅と同一に形成された板波防止層が設けられてなることを特徴とする超音波治療装置。
  6. 前記超音波トランスジューサは、前記振動子アレイを複数有して形成され、該複数の振動子アレイの超音波射出面の法線が互いに交差させて設けられてなることを特徴とする請求項に記載の超音波治療装置。
  7. 前記超音波トランスジューサは、前記振動子アレイを複数有して形成され、該複数の振動子アレイは、該各振動子アレイの超音波射出面を同一の仮想円または仮想長円に接して配置されてなることを特徴とする請求項に記載の超音波治療装置。
  8. 前記超音波トランスジューサは、前記各振動子の配列方向の幅が、前記各振動子から射出される超音波の波長よりも小さい幅に設定されてなることを特徴とする請求項に記載の超音波治療装置。
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