JP3909307B2 - 超音波送波器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波を被検体内の治療部位又は画像化対象部位に照射する超音波送波器に関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波送波器の送波面に垂直な方向に沿った焦点位置の制御をフェーズドアレイで実現する方法は、従来例をあげるまでもなく周知である。音響凹レンズも周知である(例えば、非特許文献1、200頁、Fig3.3.10)。音響凹レンズからの伝送効率を高めるための整合層も周知である(例えば、特許文献1)。
【0003】
【非特許文献1】
G.S.Kino著“Acoustic Waves (devices, imaging, & analog signal processing)”(Prentice-Hall,1987),pp.200
【特許文献1】
特開2002−153483号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以下の明細書の説明では、駆動電圧に対する焦点での音響エネルギー密度(単位面積あたりの音響エネルギー)を「送波効率」として定義する。
【0005】
焦点位置が可変な超音波送波器を使用して、超音波の送波の制御を小型の装置構成で行なう場合、方位方向(超音波の送波面に沿った方向)での焦点位置の制御を、超音波送波器と所望の焦点の相対位置を動かすことで行ない、深さ方向(超音波の送波面に垂直な方向)での焦点位置の制御をフェーズドアレイで行ない、可変焦点を達成できる。この場合、短冊状の微小幅の圧電振動素子をその幅方向(長軸方向)に並べ、各圧電振動素子から焦点位置までの距離によって定まる遅延時間又は位相で各圧電振動素子を制御することで、超音波送波器から焦点までの距離を制御する。この圧電振動子素子の長さ方向(短軸方向)には音響レンズを被せて短軸方向でも超音波を収束させ、短軸方向での超音波の収束を図ることが出来る。このような短軸方向で音響レンズを用いる超音波送波器は、同心円状のアニュラアレイを用いる場合に比べ、肋間から撮像を行なう場合や、直腸や膣などに入れ、その内部から超音波を送波する必要がある場合など、超音波の二次元の送波開口のうち片側の幅が制限された条件下での送波に適している。このような理由で一般的に短軸方向の口径は長軸方向の口径より小さいため、短軸方向での超音波の収束がゆるく、短軸方向で使用される音響レンズで定まる焦域は、焦点を可変としたい範囲をなるべくカバーするように構成される。
【0006】
医用超音波探触子のように、使い勝手の観点から小型であることが望ましい場合や、経直腸や腹腔鏡用などの超音波送波器のように、被検体内に挿入する方向に垂直な面上での断面積を出来る限り小さくしたい場合や、レンズも含めてアレイ化したい場合など、音響凹レンズの厚みを薄くした場合、設計通りの焦点位置に超音波が収束しない、また、幾何光学に基づいた予想よりもサイドローブが大きく送波効率が良くないという課題があった。
【0007】
また、圧電振動子と凹レンズから構成され、かつ、凹レンズの最も薄い部分、即ち、凹面の中心線部分の厚みが圧電振動子を駆動する信号の中心周波数における凹レンズ内での波長以下の超音波送波器において、サイドローブが大きい、また超音波パワーの焦点への収束度が低いという課題があった。
【0008】
本発明の目的は、送波効率を向上させた超音波送波器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の超音波送波器は、1次元に配列した複数の圧電振動子に音響凹レンズを積層した構造を有し、音響凹レンズの最も薄い部分の厚みが、複数の圧電振動子を駆動する信号の周波数成分のうち最大周波数における音響凹レンズ内での波長以下である超音波送波器において、音響凹レンズの音響インピーダンスと被検体の平均的な音響インピーダンスとの間の値の音響インピーダンスをもち、上記最大周波数での波長の2分の1以下の厚さをもつ音響層を音響凹レンズの送波面に積層することに特徴がある。上記音響層の厚みは、上記最大周波数での波長の5分の1から、3分の1の間の値をもち、上記音響層の音響インピーダンスが、圧電振動子の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスの幾何平均の半分乃至2倍の間の値をもつ。
【0010】
本発明の超音波送波器は、1次元に配列した複数の圧電振動子に音響凹レンズを積層した超音波送波器において、複数の圧電振動子の音響凹レンズと反対側に圧電振動子の駆動周波数での波長の半分の周期で、金属と高分子の層を交互に積層した膜を積層することに特徴がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施例の超音波送波器の構成を説明する図であり、図1(A)は斜視図、図1(B)は断面図である。超音波送波器は、短冊状の複数の圧電振動子1に音響凹レンズ3が積層され、音響凹レンズ3の最も薄い部分、即ち、音響凹レンズ3の凹面の中心線部分の厚みが圧電振動子1を駆動する信号の中心周波数における音響凹レンズ3内での波長以下であり、音響凹レンズ3の音響インピーダンスと被検体の平均的な音響インピーダンスとの間の音響インピーダンスを持ち、かつ、厚さが上記の中心周波数での波長の2分の1以下である音響層4を音響凹レンズ3の送波面に積層されている。圧電振動子1の両面に、圧電振動子を駆動させるための電極2−1、2−2が構成されている。
【0012】
図1に示す構成により、圧電振動子1及び音響凹レンズ3内でのLamb波などの不要なモードの励起を避けることが可能となる。上記の音響層4の厚さは、上記の中心周波数での波長の4分の1前後であることが最も望ましく、かつ、音響インピーダンスは、凹レンズ材料の音響インピーダンスと被検体の音響インピーダンスの幾何平均に近いことが望ましい。
【0013】
本発明の実施例では、Lamb波の原因となる送波器内の音響エネルギーの「こもり」を減らすために、高分子材料からなる音響層4を音響凹レンズ3の送波面に積層しているが、以下の説明では、この音響層4を、その機能からLamb波抑制層4と呼ぶことにする。
【0014】
図2は、本発明の実施例において、超音波送波器からのビームパターンの計算(シミュレーション)結果を示す図である。図2では超音波の送波を、角度(横軸)を0°の位置で行なった時の短軸方向での超音波の角度分布し表わす、ビームパターンを示している。図2(A)は、Lamb波抑制層を使用しない場合における計算結果を示す図であり、図2(B)は、Lamb波抑制層を使用する場合における計算結果を示す図である。
【0015】
ビームパターンの計算は圧電性を考慮した波動方程式を時間領域有限差分法にて行い、単純な縦波の効果だけでなく、横波の効果も計算に含めた。計算シミュレーションの条件は後述する図3の説明で行なう。
【0016】
図2(A)に示すように、角度0度の位置の超音波ビーム(中心ビーム)の左右に、最大で中心ビームに比べ−7dBの大きさをもつサイドローブが出現していることが解る。サイドローブは、超音波送波器を超音波撮像用に用いる場合には、信号対雑音比の低下、さらには偽像を生む原因となる。超音波送波器を加熱凝固治療に用いるには、サイドローブは、治療焦点以外の部位における温度上昇の原因、もしくは、エネルギーが集中しないことによって、振動子に投入したエネルギーに対して、焦点位置において十分な音圧を得ることが出来ないことにつながる。
【0017】
図2(A)と同じ焦点面でのビームパターンの計算結果を示す、図2(B)では、サイドローブが大きく減少していることがわかる。この例では、Lamb波抑制層を使用しない構成では、図2(A)の横軸が±20度前後の位置に−7dB程度でサイドローブが出現していたが、Lamb波抑制層を使用する構成では、図2(B)の横軸が±30度前後の位置で−23dBのサイドローブが最大となっている。このように、Lamb波抑制層の使用により、サイドローブのピーク値で比べて16dBの改善が見られた。このLamb波抑制層は、特許文献1に記載の伝送効率を高めるための音響整合層とは異なるものである。Lamb波抑制層は、音響凹レンズ3が薄く、Lamb波の影響が無視できない場合に非常有効に作用する機能をもっている。
【0018】
図3は、本発明の実施例において、超音波送波器から送波される音圧分布の計算(シミュレーション)結果を示す図である。図3(A)は計算のモデルを示す図である。図3(B)はLamb波抑制層を使用しない場合の計算結果を示す図、図3(C)はLamb波抑制層を使用する場合の計算結果を示す図である。図3(B)、図3(C)は、駆動を始めてからある時間経過した瞬間の音圧分布を正負で二値化して表示した図であり、黒の部分は音圧が正の領域を示し、白の部分は音圧が負の領域を示している。
【0019】
図3(A)において、PZT(チタンジルコン酸鉛)からなる振動子(図1の圧電振動子1)に、アルミニウムからなる凹レンズ(図1の音響凹レンズ3)を積層した構造をもっている。音響凹レンズの曲率は60mmで最も薄い部分の厚みは0.5mmである。Lamb波抑制層質(図1を参照)は、音響インピーダンス8MRay、厚さが振動子の駆動周波数である3.5MHzでの波長の4分の1となるように設計される高分子を含む膜である。実際に送波器を使用する条件に近くするために、振動子(図1の圧電振動子1)の背面は空気であり、凹レンズ(図1の音響凹レンズ3)の前面が水である条件で音圧分布の計算を行なった。なお、ハウジングは音圧分布の計算に含めていない。
【0020】
図3(B)に示す結果から明らかなように、圧電振動子及び音響凹レンズ内に送波する超音波の進行方向と直交する方向に沿った音圧が一定でない、即ち、超音波送波器が送波面に沿った方向に同位相で駆動されていないことがわかった。つまり、Lamb波などの縦波と横波が結合した振動が複雑に励起され、その結果、超音波送波器の送波面が同位相で駆動されないため、幾何光学的なレンズとしての振る舞いをせずに、大きなサイドローブが生じる。また、その帰結として送波効率も悪い。図3(B)に示すように、超音波送波器から水中に送波される波面は乱れている。
【0021】
図3(C)に示す結果から明らかなように、図3(B)に示す結果に比較すると、超音波送波器の送波面に沿った音圧の分布が一様になるように改善されていることがわかる。図3(C)に示すように、圧電振動子及び音響凹レンズ内で音圧の位相は同じである。また、超音波送波器から水中に送波される波面がほぼ同心円状になっており、図3(B)に示す波面の乱れも大きく解消していることがわかる。
【0022】
以下、Lamb波抑制層4の効果を、従来用いられてきた音響凹レンズ3が厚い場合と比較して議論を行なう。
【0023】
図4は、本発明の実施例において、送波効率の凹レンズ(音響凹レンズ3)の厚みに対する依存性を示す、シミュレーション結果を示す図である。シミュレーションの条件は、図2、図3に係わる条件と同じである。図4の横軸は、音響凹レンズ3の最も薄い部分、即ち、音響凹レンズ3の中心部分の厚みを示し、駆動周波数での音響凹レンズ3の縦波の波長に対する相対値として示している。図4の縦軸は、送波効率=(焦点における音響エネルギー密度)/(全体の音響エネルギー)を示し、Lamb波抑制層なしの場合には、音響凹レンズ厚みが波長の4分の1の場合に対する相対値として示す。
【0024】
Lamb波抑制層4が無い場合は、音響凹レンズ3の厚みを増大させていくに従い、焦点での音響エネルギーが大きくなっている。これは従来用いられてきた音響レンズの条件に近くなるほど、送波効率が良くなっていることを示している。これは厚みを増すほど、Lamb波の波長が長くなりその影響が小さくなることによって裏付けられる。Lamb波の波長が、圧電振動子素子1の長さ方向(短軸方向)の長さより長くなれば、超音波送波器の送波面に沿った位相の乱れが無くなるからである。一方、Lamb波抑制層4を使用する場合は、音響凹レンズ3の厚みが波長の4分の1でも、Lamb波抑制層無しで音響凹レンズ3の厚みが波長の4倍の時より送波効率が良い。これによって、同じ送波効率で比較して、従来よりも一桁以上薄い音響凹レンズを使用することが可能になった。
【0025】
図5は、本発明の実施例において、送波効率のLamb波抑制層4の厚みに対する依存性を示す、シミュレーションによる結果を示す図である。シミュレーションの条件は、図2、図3に係わる条件と同じであり、音響凹レンズ3の厚みは波長の4分の1の条件を用いている。図5の縦軸は、送波効率=(焦点における音響エネルギー密度)/(全体の音響エネルギー)を示している。図5の横軸は、Lamb波抑制層4の厚さを示し、圧電振動子1を駆動する信号の周波数成分のうち最大周波数での波長に対する相対値として示している。図5の厚み0の点は、抑制層が無い場合を示している。
【0026】
図5に示す結果から、上記の最大周波数での波長の4分の1の厚みが最適であり、波長の5分の1から、波長の3分の1程度までが実用上は使用可能な範囲であると考えられる。ここでは、実用上問題ない範囲として、最適値に比べ、音圧で90%、音響エネルギーで80%に低下する範囲を想定している。
【0027】
図6は、本発明の実施例において、送波効率のLamb波抑制層4の音響インピーダンスに対する依存性を示す、シミュレーション結果を示す図である。シミュレーションの条件は、図2、図3に係わる条件と同じであり、音響凹レンズ3の厚みは波長の4分の1の条件を用いている。図6の縦軸は、送波効率=(焦点における音響エネルギー密度)/(全体の音響エネルギー)を相対値で示している。図6の横軸は、Lamb波抑制層4の音響インピーダンス(MRay)を示す。図6に参考のために示す、音響インピーダンス=1.5MRay(水と同じ値)、及び、音響インピーダンス=17MRay(アルミニウムと同じ値)の点は、Lamb波抑制層4が無い場合に等価である。
【0028】
図6に示す結果から、音響インピーダンスは音響凹レンズ3の音響インピーダンスと水の音響インピーダンスの幾何平均が最適であるが、3MRay〜11MRay程度まで、即ち、幾何平均の半分から2倍程度までと比較的広い範囲で実用上は使用可能であると考えられる。
【0029】
図7は、本発明の実施例において、超音波送波器からの送波音場の実測結果を示す図であり、実際に製作した超音波送波器からの音場をシュリーレン法で測定した結果である。図7では、シュリーレン法による測定結果のうち、超音波送波器の超音波の送波ビームの中心軸上での測定強度を示している。図7で、縦軸は音圧(dB)、横軸は超音波送波器の送波面からの距離(mm)を示す。シュリーレン法による測定強度は、光路に沿った音圧の積分値の2乗に比例する値である。図7から明らかなように、音圧が最大である位置の前後−3dBの幅を比較すると、Lamb波抑制層4が無い場合(点線)では45mmであるのに対し、Lamb波抑制層4がある場合(実線)には20mmと、深さ方向にもビームが絞れており、Lamb波を抑制した効果が効いていることが実験的にも確認されている。
【0030】
図8は、本発明の実施例において、圧電振動子の背面に周波数選択反射熱輸送層5を用いた超音波送波器の断面図である。図8に示す周波数選択反射熱輸送層5、ハウジング6を除いた構成は、先述の図1の構成と同じである。周波数選択熱輸送層5は、金属と高分子材料を複数層交互に周期的に積層したもので、良く知られたBragg反射の条件(2dsinθ=λ、dは上記の複数層の厚さの周期で、λは駆動中心周波数での波長である)を用いて、特定の周波数(この場合は治療用超音波の周波数)を反射するように構成される。θは(90度−入射角)であるが、平板振動子の条件では、ほぼ90度と考えてよいので、Bragg反射の条件は2d=λと記述出来る。周波数選択熱輸送層5の周期構造のうち片方の材料を金属とすることで、背面が空気の場合に比べ熱伝導を効率よく行ない、かつ、全体が金属の場合に比べて、超音波の反射率を高く保つことが出来、送波効率を高く保つことが出来る。また、背面が空気であると、ハウジング6に水漏れが起きたときに、送波効率が安定しなくなるが、背面が固体で固められていれば、フェールセーフ機構として水漏れが起きても安定して機能させることが可能となる。周波数選択熱輸送層5は、周波数選択性反射膜兼冷却膜として作用する。
【0031】
別の実施形態では、以下に述べる非円筒面の音響凹レンズを用いることも好ましい。Lamb波抑制層によって、焦点位置の厳密な制御が可能になると、音響レンズの凹面の曲率の最適化による、焦点深度の最適化が有意義なものとなる。先述したように、長軸方向で電子可変フォーカスを行い、短軸方向では音響凹レンズによって固定フォーカスする場合、固定フォーカスの焦点深度は、電子可変フォーカスで用いる焦点範囲の全域をカバーすることが望ましい。これは口径対焦点距離によるが、単純な円弧を用いるのみでは、短軸方向での固定フォーカスによる焦点深度が狭すぎる場合もある。短軸方向の位置によって焦点距離を異ならせ、即ち、音響レンズの凹面の曲率を連続的に変えた、非円筒面形状をもつ音響レンズを用いることで焦点深度を拡大することが可能となる。Lamb波制御層の利用によって、音響凹レンズのビームが設計通りになるようになると、このような凹レンズのビーム最適化も有効な方法となる。
【0032】
本発明の超音波送波器は、超音波加熱凝固治療のように、送波効率が問題となる場合に有効である。これは送波効率が悪いと、超音波送波器の発熱が無視できず、その発熱が外部に流れる可能性があること、発熱によって駆動中に圧電振動子が劣化することが問題となるからである。また別の実施形態では、高周波の撮像用探触子のように、音響レンズ内での超音波の減衰が画像の感度低下につながる場合の解決策ともなる。
【0033】
本発明によれば、音響凹レンズ及び圧電振動子内でのLamb波を抑制することにより、焦点以外への不要な超音波の送波を抑えることが可能になり、また、送波器内での発熱を抑えることが可能になり、超音波送波器全体での送波効率を向上することが可能になった。
【0034】
本発明は、上記した特定の実施の形態に限定されるものでなく、その技術思想の範囲を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、送波効率を向上させた超音波送波器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の超音波送波器の構成を説明する図。
【図2】本発明の実施例において、超音波送波器からのビームパターンの計算結果を示し、(A)はLamb波抑制層を使用しない場合の結果、(B)はLamb波抑制層を使用する場合の結果を示す図。
【図3】本発明の実施例において、超音波送波器から送波される音圧分布の計算結果を示す図であり、(A)は計算のモデルを示し、(B)はLamb波抑制層を使用しない場合の結果、(C)はLamb波抑制層を使用する場合の結果を示す図。
【図4】本発明の実施例において、送波効率の音響凹レンズの厚みに対する依存性を示す図。
【図5】本発明の実施例において、送波効率のLamb波抑制層の厚みに対する依存性を示す図。
【図6】本発明の実施例において、送波効率のLamb波抑制層の音響インピーダンスに対する依存性を示す図。
【図7】本発明の実施例において、超音波送波器からの送波音場の実測結果を示す図。
【図8】本発明の実施例において、背面に周波数選択性反射膜兼冷却膜付の超音波送波器の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…圧電振動子、2−1、2−2…電極、3…音響凹レンズ、4…音響層(Lamb波抑制層)、5…周波数選択性反射膜、6…ハウジング。

Claims (3)

  1. 1次元に配列した複数の圧電振動子に音響凹レンズを積層した構造を有し、前記音響凹レンズの最も薄い部分の厚みが、前記複数の圧電振動子を駆動する信号の周波数成分のうち最大周波数における前記音響凹レンズ内での波長以下である超音波波送波器において、前記音響凹レンズの音響インピーダンスと被検体の平均的な音響インピーダンスとの間の値の音響インピーダンスをもち、前記最大周波数での波長の5分の1から、3分の1の間の厚さをもつ音響層を前記音響凹レンズの送波面に積層することを特徴とする超音波送波器。
  2. 請求項1に記載の超音波送波器において、前記音響層の音響インピーダンスが、前記圧電振動子の音響インピーダンスと前記被検体の音響インピーダンスの幾何平均の半分乃至2倍の間の値をもつことを特徴とする超音波送波器。
  3. 請求項1に記載の超音波送波器において、前記複数の圧電振動子の前記音響凹レンズと反対側に前記圧電振動子の駆動周波数での波長の半分の周期で、金属と高分子の層を交互に積層した膜を積層することを特徴とする超音波送波器。
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