JP4257000B2 - 円二色性測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は円二色性測定装置、特にその光学系構成部材の配置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
多くの化学物質において、その絶対構造、立体構造に関する知見は、極めて基本的、かつ重要不可欠な情報となっている。特に薬物、毒物、生体物質などの生理活性物質においては、その生理活性が直接にそのキラリティに依存することから、重要な研究課題とされている。
【0003】
しかしながら、キラリティのみ異なる光学異性体は、化学的性質は実質的に同一であり、各種物理的特性も極めて近似している。
このため、これら薬物、毒物、生体物質などの生理活性物質のキラリティを解析する手段としては、X線結晶構造解析、円二色性スペクトル解析ぐらいに限られてくる。
特に円二色性スペクトル解析は、取り扱いが比較的容易であることから、この研究には重要不可欠な手段として広く用いられる。
【0004】
このような円二色性測定装置の概略構成を、図1に示す。
同図に示す円二色性測定装置10では、光源(光束発射手段)12からの光L0は、分光器(光束発射手段)14で単色光L1とされる。さらに偏光子(偏光手段)16により直線偏光L2とされ、PEM(光弾性変調素子)18を通過する。
【0005】
このPEM18により分光器14の波長走査と連動させて交互に作られた左右円偏光L3,L4は、試料セル20の試料22に照射される。
ここで、試料22に左右円偏光の不等吸収が起こると、変調の位相に対応して該試料22の透過光L5,L6にも強弱の波が生じ、検知器24に到達する。
そして、コンピュータ26は、検知器24の出力信号から、左右円偏光L3,L4を試料22に通じたときの、透過光L5,L6のそれぞれの吸光率の差を求める。
【0006】
このようにして各波長における吸光率の差を得ることにより、円二色性スペクトル解析が可能となる。
なお、分光器14の波長走査は、分光器駆動部28を介してコンピュータ26により制御されている。
また、PEM18の駆動は、PEM駆動部30を介してコンピュータ26により制御されており、左右円偏光L3,L4は分光器14の波長走査と連動させて交互に作られる。
【0007】
ところで、従来、偏光子(偏光手段)16としては、例えば結晶性石英で作られた分光器14の第2プリズムが兼用される場合がある。
この場合、偏光子16は通常、図2(a)に示すように、分光器からの光L1の進行方向kに直交な平面内の鉛直方向iと、該偏光子16の偏光方向aとのなす角が同一の角度となるように配置される。
【0008】
これを光L1の進行方向kから見ると、同図(b)に示すような配置となる。この場合、偏光子16は、分光器14からの光L1を常光と異常光に分け、鉛直方向iに偏光した常光のみを取出す。
そして、後段のPEM18は通常、図3(a)に示すように、光L2の進行方向kに直交な平面内の鉛直方向iと、主軸方向bとのなす角が45度となるように配置される。
【0009】
これを光L2の進行方向kから見ると、同図(b)に示すような配置となる。
また、試料セル20は、図4(a)の正面図、同図(b)の横断面図に示すようなセルホルダ32により所定の光軸上に配置される。
つまり、試料セル20は通常、同図(c)に示すように光L3,L4の進行方向に直交な平面内の水平方向j、鉛直方向iと、セル窓板の各辺と直交する各軸方向d,eとのなす角が同一となるように配置される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記円二色性スペクトル解析にあっても、その測定精度はまだまだ改善の余地が残されていたものの、それを解決することのできる有効な手段は存在しなかった。
本発明は前記従来技術の事情に鑑みなされたものであり、その目的は円二色性測定をより適正に行うことのできる円二色性測定装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らが、円二色性測定装置の測定精度向上について鋭意検討を重ねた結果、測定精度向上のかぎが、以下に示す点にあることを解明した。
まず、試料セルは、窓板の枠を融着して作成されるが、このときに歪が残存する。
【0012】
本来、光学的に等方であるセル窓に、この歪が複屈折を与える。これが円二色性測定にブランクを与える。
しかも、この歪によって誘起される複屈折の軸方向は、例えば前記図4(a)に示した角型セルでは、セル窓板のほぼ軸方向d,eとなり、偏光子16の偏光方向aとほぼ同一の鉛直方向iになる。
【0013】
このように従来の光学系の配置では、試料セルのセル窓の複屈折の軸方向d,eと、偏光子16の偏光方向aとが実質的に重なるので、円二色性測定に与えるブランクが最大になるような配置になっている。
また、偏光子16は通常、偏光方向が水平方向j、或いは鉛直方向iとなるように配置するため、PEM18は、鉛直方向iに対しある傾度で配置される。
一方、重力方向、つまり鉛直方向iとPEM18の主軸方向bとのなす角は、ある傾角でずれているため、PEM18には、主軸方向bとは異なる鉛直方向iに重力がかかる。
【0014】
このために、PEM18の自重によるたわみ、そのたわみが引き起こすひずみ、そのひずみがもたらす残存複屈折性などが円二色性測定に与えるアーティファクトであることを解明した。
そこで、本発明者らは、前記ブランクを低減できる手法について鋭意検討を重ねた結果、以下に示すような光学系の配置をとることにより、前記ブランクを良好に低減できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】
つまり、偏光子の偏光方向aに対し、試料セルのセル窓板の複屈折の軸方向d,eが傾角45度となるように配置するのである。
すなわち、本発明にかかる円二色性測定装置は、光束発射手段と、偏光手段と、円偏光発生手段と、試料セルと、検知器と、を備えた円二色性測定装置において、前記試料セルは、セル窓の複屈折軸方向が、前記偏光手段の偏光方向に対し、光軸に直交な平面内で、該光軸を中心に傾角45度となるように配置されることを特徴とする。
【0016】
ここで、光束発射手段は、所望の単色光を発射する。
また、前記偏光手段は、前記光束発射手段からの単色光を、所定の振動方向の直線偏光とする。
前記円偏光発生手段は、光弾性変調素子を用い、前記偏光手段の直線偏光から左右円偏光を交互に作る。
前記試料セルは、試料が入れられ、前記光弾性変調素子からの左右円偏光が、該試料を通過するように配置される。
【0017】
前記検知器は、前記試料からの透過光の光量を検出する。
なお、本発明において、前記光弾性変調素子は、主軸方向が光軸に直交な平面内の鉛直方向となるように配置されることが好適である。
また、本発明において、セルホルダを備えることも好適である。
【0018】
ここで、前記セルホルダは、前記試料セルを、セル窓の複屈折軸方向が、前記偏光手段の偏光方向に対し、光軸に直交な平面内で、該光軸を中心に傾角45度となるように、所定の光軸上に保持可能とする。
ここにいうセル窓の複屈折軸方向とは、例えば角型セルの場合は、該セル窓板の各辺に対して、ほぼ直交する各対応軸方向をいう。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき本発明の好適な一実施形態を説明する。
第一実施形態
図5には、本発明の一実施形態にかかる装置の概略構成が示されている。
なお、前記従来技術と対応する部分には符号100を加えて示し、説明を省略する。
同図に示す円二色性測定装置110は、光源(光束発射手段)112からの光L0は、分光器(光束発射手段)114で単色光L1とされる。さらに偏光子(偏光手段)116により直線偏光L2とされ、PEM(光弾性変調素子)118を通過する。
【0020】
このPEM118により分光器114の波長走査と連動させて交互に作られた左右円偏光L3,L4は、試料セル120の試料122に照射される。
そして、コンピュータ126は、検知器124の出力信号から、左右円偏光L3,L4を試料22に通じたときの透過光L5,L6の、それぞれの吸光率の差を求める。
このようにして各波長における吸光率の差を得ることにより、円二色性スペクトル解析が可能となる。
【0021】
本発明において特徴的なことは、試料セルの残存複屈折性などの影響を大幅に低減するため、試料セルのセル窓板の複屈折軸方向が、偏光手段の偏光方向に対し、光軸に直交な平面内で、該光軸を中心に傾角45度となるように配置したことである。
このために本実施形態においては、偏光子116は、分光器114からの光L1の進行方向に直交な平面内の鉛直方向と、該偏光子116の偏光方向とのなす角が45度となるように配置される。
【0022】
また、PEM118は、主軸方向が偏光子116からの光L2の進行方向に直交な平面内の鉛直方向となるように配置される。
なお、本実施形態において、試料セル120としては、例えば角型ミクロセルを用いている。
このセル120のセル窓板の各軸方向が、光の進行方向に直交な平面内の水平方向、鉛直方向となるように配置される。
【0023】
本発明の第一実施形態にかかる円二色性測定装置110は、概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
まず、試料セルは通常、歪が残存し、この歪が本来、光学的に等方であるセル窓に複屈折を与え、円二色性測定にブランクを与える。
このため、一般的な光学系の配置、例えば前記図1〜図4に示す光学配置では、円二色性測定に悪影響を与えるブランクが最大となる。
【0024】
また、偏光子は通常、偏光方向が水平方向、或いは鉛直方向となるように配置されるため、PEMは主軸方向が鉛直方向に対し傾角45度となるように配置される。
しかしながら、PEMが鉛直方向に対し傾いて配置されると、その自重による残存複屈折性等が円二色性測定に悪影響を与える。
【0025】
そこで、本実施形態では、前記残存複屈折率性などの影響を大幅に低減するため、セル120のセル窓板の各辺と直交する各対応軸方向を、水平方向、鉛直方向とした場合は、偏光子116は、図6(a)に示すように光L1の進行方向kに直交な平面内の鉛直方向iと、偏光方向aとのなす角が傾角45度となるように配置する。
【0026】
これを光L2の進行方向kから見ると、同図(b)に示すような配置となる。そして、PEM118は、図7(a)に示すように主軸方向bが光L2の進行方向に直交な平面内の鉛直方向iとなるように配置する。
これを光L2の進行方向kから見ると、同図(b)に示すような配置となる。この結果、図8に示すように、セルのセル窓板の複屈折の軸方向d,eは、偏光子の偏光方向aに対して傾角45となる。
【0027】
したがって、セル窓板に該傾角で光L3,L4を入射可能となるので、セルの残存複屈折性などの影響を大幅に低減し、ブランクを大幅に低減できる。
しかも、PEM118の主軸方向dを鉛直方向iとすることにより、その自重による撓み等をも大幅に低減できるので、そのような工夫のない場合に比較し、前記円二色性測定を、より適正に行うことが可能となる。
【0028】
以上のように本実施形態にかかる円二色性測定装置110は、セル120のセル窓板の複屈折の軸方向d,eは、偏光子116の偏光方向aに対して傾角45となり、該セル窓板に該傾角で光L3,L4を入射可能となる。
しかも、偏光子116は、偏光方向aが鉛直方向に対して傾角45度となるように配置し、PEM118の主軸方向dが鉛直方向となるように配置した。
【0029】
この結果、セル120に対して一般的な配置をとった場合であっても、偏光子116と、PEM118の光学配置を工夫することにより、セル120には、最初の直線偏光の偏光方向aに対し、傾角45で光を入射可能となる。
したがって、セル120のセル窓板の複屈折の軸方向d,eが偏光子116の偏光方向aに対して45度ずれるので、前記試料セルの残存複屈折性などによるブランクを大幅に低減し、円二色性測定を適正に行うことができる。
【0030】
しかも、PEM118の主軸方向dを鉛直方向iとすることによりPEM118の自重による撓みなどをも大幅に低減し、前記円二色性測定をより適正に行うことができる。
【0031】
第二実施形態
前記本発明の第一実施形態では、試料セルの配置はそのままとし、偏光子、PEMの配置方向を工夫した例について説明したが、逆に偏光子、PEMの配置はそのままとし、試料セルの配置を工夫してもよい。
図9には、本発明の第二実施形態にかかる装置の概略構成が示されている。
なお、前記本発明の第一実施形態と対応する部分には符号100を加えて示し、説明を省略する。
【0032】
同図に示す円二色性測定装置210は、光源212からの光L0は、分光器214で単色光L1とされる。さらに偏光子216により直線偏光L2とされ、PEM218を通過する。
このPEM218により分光器214の波長走査と連動させて交互に作られた左右円偏光L3,L4は、セル220の試料222に照射される。
そして、コンピュータ226は、検知器224の出力信号から、左右円偏光L3,L4を試料222に通じたときの、透過光L5,L6の、それぞれの吸光率の差を、各波長において得ることにより、円二色性スペクトル解析が可能となる。
【0033】
本実施形態において特徴的なことは、偏光子216、PEM218の配置はそのままとし、セル220のセル窓板の複屈折の軸方向d,eを、光軸を中心にして少なくとも±45傾けて保持可能なセルホルダ、後述するセルホルダ232を含むことである。
本発明の第二実施形態にかかる円二色性測定装置210は概略以上のように構成され、以下にその作用について説明する。
【0034】
まず、セルは通常、歪が残存し、この歪が本来、光学的に等方であるセル窓に複屈折を与え、円二色性測定にブランクを与える。
このため、一般的な光学系の配置、例えば前記図1〜図4に示す光学配置では、円二色性測定に悪影響を与えるブランクが最大となる。
そこで、本実施形態では、セルの残存複屈折性などの影響を大幅に低減するため、偏光子216、PEM218に対しては一般的な光学配置をとった場合は、角型ミクロセル220を、セル窓板が傾角45度となるように保持可能なセルホルダ232を用いている。
【0035】
これを図10に示す。なお、同図(a)は正面図、同図(b)は同様の横断面図である。
このため、セルホルダ232は、セル220が設置されるのみで、該セル220のセル窓板の各辺と直交する各対応軸方向d,e、つまり複屈折の軸方向d,eを、偏光子の偏光方向aに対して45度傾けて保持することができる。
すなわち、角型ミクロセル220の複屈折軸方向d,eは、同図(c)に示すように、偏光子の偏光方向aに対して傾角45となる。
【0036】
このようにして、セルホルダ232に、角型ミクロセル220を設置するのみで、セル窓板を、光軸を中心に回転してひずみの方向を45度傾けることが可能となる。
つまり、セル窓板の複屈折軸方向d,eを最初の直線偏光aの方向から45度傾けることにより、残存複屈折性等によるブランクを最小にできる。
したがって、セル220のセル窓板の持つひずみに起因するブランクを大幅に低減し、円二色性測定を適正に行うことが可能となる。
【0037】
以上のように本発明の第二実施形態にかかる円二色性測定装置210は、セル220のセル窓板の複屈折の軸方向d,eを、偏光子216の偏光方向aに対して45度傾けて保持可能なセルホルダ232を用いることにより、セル220は、セル窓板の複屈折軸方向d,eが、偏光子216の偏光方向aに対して光軸に直交な平面内で、該光軸を中心に傾角45度となるように配置できる。
【0038】
したがって、本発明の第二実施形態は、前記第一実施形態の場合と同様、セル220のセル窓板の歪みによるブランクを大幅に低減し、円二色性測定を適正に行うことができる。
しかも、セルホルダ232にセル220を設置するのみで、セル220は、前記ブランクを大幅に低減可能な光学配置をとることができる。
【0039】
したがって、本発明の第二実施形態によれば、そのような工夫のない場合に比較し、前述のような光学配置を容易に、及び確実にとることができる。
なお、本発明の円二色性測定装置は、前記各構成に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種種の変形が可能である。
【0040】
例えば、前記実施形態では、試料セルとして角型ミクロセルを用いた例について説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、例えば円筒状セル等の任意の形状や、任意の大きさのもの等にも適用可能である。
例えば円筒状セル334の場合、セル窓に加わる歪みは、点対称となり、角型セルに比較し歪みが少ない。このため、円筒状セルの場合、原理的には複屈折率軸方向に方向性はない。
【0041】
しかしながら、円筒状セル334には例えば図11(a)に示すように試料をセル内に注入するための枝管336が設けられている。
この枝管336の設けられている方向は、他の方向に比較し歪みを受け易いので、セルホルダに設置する際は、その枝管336の方向等を工夫することが、そのような工夫のない場合に比較し、歪みの低減効果の点では好ましい。
【0042】
つまり、円筒状セル334の場合、枝管336の方向としての図中、d方向が歪み方向となる。
そして、同図に示すように、前記図10に示したホルダと同様の、セルホルダ332に円筒状セル334を設置した後、図11(b)に示すように、枝管336を図中矢印方向に、例えば45度回転させる。
【0043】
すると、同図(a)に比較し、円筒状セル334のセル窓板の歪み方向dを、偏光子の偏光方向aに対して45度傾けることができる。
この結果、そのような工夫のない場合に比較し、歪みが低減され、ブランク低減効果ができる。
また、本実施形態において、図12に示すように、前記図9に示したセルホルダと同様のセルホルダ432に、恒温手段438をサンドイッチ構造で設けることも好ましい。
【0044】
例えば、同図において恒温手段438は、例えばセルホルダ432の表面側のほぼ一面に設けられたペルチェ素子部440と、該セルホルダ432の裏面側に設けられた循環水部442からなる。
これにより、セル420内の試料温度は、セルホルダ432の両面に設けられた恒温手段438により常に一定に保たれる。
【0045】
すなわち、例えば温度センサ444がセル420の温度が、所定の設定温度より低下したのを感知した場合は、コンピュータ426は駆動部446を介してペルチェ素子部440を積極的に動作させる。一方、循環水部442による冷却水の循環を低下させる。
これにより、ペルチェ素子部440の熱を、循環水部442を介してセル420に与え、該セル420を設定温度まで良好に加温可能とする。
【0046】
これに対し、温度センサ444がセル420の温度が所定の設定温度より上昇したのを感知した場合は、コンピュータ426は、駆動部446を介してペルチェ素子部440の動作を停止させる。一方、循環水部442による冷却水を積極的に循環させることにより、冷却水がセル420の熱を積極的に奪い、セル温度を良好に低下可能とする。
【0047】
この結果、本実施形態の恒温手段438により、セル420の温度を設定温度に維持できるので、該セル420内の試料温度についても常に一定に維持することができる。
また、セルホルダ432、及び恒温手段438の形は、セル420の形と合うように設計されている。
【0048】
この結果、セル420を設置した際は、セル壁面が恒温手段438の表面にぴったりと接触している。これにより、恒温手段438からセル420内の試料への熱の移動が良好に行なわれ、恒温を適正に行なうことができる。
したがって、本実施形態のような恒温手段438を用いることにより、それらのような工夫のない場合に比較し、円二色性測定をより適正に行うことができる。
【0049】
なお、前記設定温度、恒温手段438の動作出力などは、コンピュータ426により適宜変更可能とする。
また、前記恒温手段438に代えて、セルの光学窓と直交する壁を平行に挟む構造等を採用することも可能である。
また、前記恒温手段438を用いて温調を行なう場合は、角型セルを用いた例について説明した。
【0050】
これは、恒温手段438、つまり熱源は平らなものの方が作りやすい点、そのような形の熱源では円筒状セルに比較し角型セルを用いれば、セルの外形を熱源の形にぴったりと合わせて設置できる。これにより、熱の移動が良好に行なわれ、恒温効果に優れている点、取り扱い易さの点等で、角型セルを用いることが好ましいからである。
しかしながら、この場合も、角型セルに限定されるものではなく、角型セルに比較し、セル窓に加わる歪みの少ない円筒状セル等を用いることも可能ではある。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように本発明にかかる円二色性測定装置は、試料セルのセル窓の複屈折の軸方向が、偏光手段の偏光方向に対して、光軸に直交な平面内で、該光軸を中心に傾角45度となるように配置することとした。
この結果、試料セルの残存複屈折性などによるブランクを大幅に低減できるので、円二色性測定を適正に行うことができる。
このために本発明においては、光弾性変調素子を、光軸に直交な平面内で主軸方向が鉛直方向となるように配置することにより、さらに光弾性変調素子の自重による撓み等をも大幅に低減できるので、そのような工夫のない場合に比較し円二色性測定を、より適正に行うことができる。
また、本発明においては、試料セルを上述のようにして保持可能なセルホルダを用いることにより、試料セルをセルホルダに設置するのみで、前記残存複屈折性等の影響を受け難い光学配置を容易に、及び確実にとることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な円二色性測定装置の概略構成の説明図である。
【図2】偏光子の一般的な光学配置の説明図である。
【図3】PEMの一般的な光学配置の説明図である。
【図4】一般的な試料セルの光学配置の説明図である。
【図5】本発明の第一実施形態にかかる円二色性測定装置の光学配置の説明図である。
【図6】図5に示した偏光子の光学配置の説明図である。
【図7】図5に示したPEMの光学配置の説明図である。
【図8】図5に示した試料セルの光学配置の説明図である。
【図9】本発明の第二実施形態にかかる円二色性測定装置の概略構成の説明図である。
【図10】図9に示した試料セルの光学配置の説明図である。
【図11】図10に示したセルホルダを円筒状セルに適用した例の説明図である。
【図12】図5、図9に示した装置に好適に用いられる恒温手段の説明図である。
【符号の説明】
110,210,310…円二色性測定装置
112,212,312…光源(光束発射手段)
114,214,314…分光器(光束発射手段)
116,216,316…偏光子(偏光手段)
118,218,318…PEM(光弾性変調素子、円偏光発生手段)
120,220,320…角型ミクロセル(試料セル)
124,224,324…PMT(検知器)
126,226,326…コンピュータ(円偏光発生手段)
130,230,330…PEM駆動部(円偏光発生手段)
132,232,332,432…セルホルダ

Claims (3)

  1. 所望の単色光を発射する光束発射手段と、
    前記光束発射手段からの単色光を、所定の振動方向の直線偏光とする偏光手段と、
    光弾性変調素子を用い、前記偏光手段の直線偏光から左右円偏光を交互に作る円偏光発生手段と、
    試料が入れられ、前記光弾性変調素子からの左右円偏光が、該試料を通過するように配置された試料セルと、
    前記試料からの透過光の光量を検出する検知器と、
    を備え、同一波長における左右円偏光が交互に試料を通過したときの吸収率の差を測定し、試料の円二色性を観察する円二色性測定装置において、
    前記試料セルは、セル窓の複屈折軸方向が、前記偏光手段の偏光方向に対し、光軸に直交な平面内で、該光軸を中心に傾角45度となるように配置されたことを特徴とする円二色性測定装置。
  2. 請求項1記載の円二色性測定装置において、
    前記光弾性変調素子は、主軸方向が光軸に直交な平面内の鉛直方向となるように配置されたことを特徴とする円二色性測定装置。
  3. 請求項1記載の円二色性測定装置において、
    前記試料セルを、セル窓の複屈折軸方向が、前記偏光手段の偏光方向に対し、光軸に直交な平面内で該光軸を中心に傾角45度となるように、所定の光軸上に保持可能なセルホルダを備えたことを特徴とする円二色性測定装置。
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