JP3539006B2 - 複合層のレターデーション測定方法及び装置 - Google Patents

複合層のレターデーション測定方法及び装置

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JP3539006B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合層試料、例え
ば液晶表示板に使用される偏光フィルムと位相差フィル
ムを積層した複合シートなどの複合層試料のレターデー
ションを測定する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子が多用されるに従い、液晶
表示板の大面積化と、可視方向の範囲拡大への要求が高
まってきた。そのためフィルム状の偏光フィルタ(偏光
フィルム)や位相差フィルムの特性をそれらのフィルム
の生産工程において簡単に測定できる技術の開発が望ま
れている。
【0003】通常、液晶ディスプレイ装置の表示板は、
光学要素として、液晶物質を封入した液晶セルの一方の
面に偏光フィルタが設けられ、他方の面(観察側)には
位相差フィルム、偏光フィルタ及び保護フィルムが順次
積層された構成を有している。位相差フィルムは液晶セ
ルによる偏光特性を補償するためのものであり、複屈折
性材料からなっている。このうち、偏光フィルタと位相
差フィルムを積層して貼り合わせた複合シート(「楕円
偏光板」とも呼ばれている。)の状態、例えば偏光フィ
ルタの偏光透過軸方向、位相差フィルムの光学主軸方向
及びレターデーション値などの検査が必要となる。
【0004】また、液晶ディスプレイ装置の表示板で
は、表面に垂直な方向以外の方向からみた場合の特性、
すなわち視野角特性も重要な特性である。視野角特性の
評価のためには、複合シートの状態で測定光の入射角を
変化させたときのレターデーション値の測定が必要にな
る。しかし、現在は複合シートに白色光を入射させ、そ
の透過光の分光スペクトルにより評価を行なっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは偏光フィ
ルタと位相差フィルムを積層した複合シートのレターデ
ーションの測定方法を提案している(特開平6−317
519号公報参照)。その方法で種々の複合シート試料
を測定したところ、試料によっては精度よく測定できる
ものとそうでないものとがあった。さらに検討を進めた
結果、複合シートに使用される偏光フィルタの偏光度が
約99%以上の場合には上記の測定値を高精度に求める
ことができるが、偏光度が充分でない場合、例えば偏光
度が99%未満の場合には、光学主軸方向とレターデー
ション値の算出結果が大きくばらつき、測定精度の低下
や、ときには測定不能の事態を生じることがわかった。
複合シートの視野角特性の評価を分光法により行なう方
法は、評価結果を定量化して表現するのが容易ではな
く、客観的な評価基準を設けることが難しい。
【0006】本発明の第1の目的は、偏光フィルタ層と
複屈折性層を含む複合層試料で、その偏光フィルタ層の
偏光度が十分でない複合層試料の場合にも、その光学主
軸方向とレターデーション値を正確に測定できる方法及
び装置を提供することである。本発明の第2の目的は、
そのような複合層試料の場合にも、視野角特性の評価を
定量化できるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明では、偏光フィル
タ層と複屈折性層を積層した複合層試料の偏光フィルタ
層側に補償用偏光板を配置し、かつ偏光フィルタ層と補
償用偏光板の偏光透過軸を互いに平行に保って偏光フィ
ルタ層の偏光特性を補償する。そして、レターデーショ
ン値等の測定では、その補償用偏光板側から測定光を照
射して、補償用偏光板及び複合層試料を透過した透過光
を検光子に通し、検光子の偏光方向を複合層試料の偏光
方向に対して相対的に回転させて、検光子透過光の強度
と検光子の偏光方位との関係を求める。これにより、著
しく測定精度が向上する。
【0008】レターデーション値等の測定では、測定光
束を偏光子を通さずに、すなわち無偏光の状態で補償用
偏光板に照射する場合と、補償用偏光板の光入射側に検
光子と平行ニコル状態のような所定の偏光方位関係に保
った偏光子を配置し、その偏光子を通して測定光束を補
償用偏光板に照射する場合の両方を含んでいる。
【0009】視野角特性の評価を定量化できるようにす
るために、まず、複合層試料の面を測定光の光路に対し
て垂直状態に配置した状態で、検光子の偏光方向を複合
層試料の偏光方向に対して相対的に回転させて複合層試
料のレターデーション値及び光学主軸方向を求める。光
学主軸方向は主屈折率方向であり、屈折率が最大の方向
と最小の方向の2つの方向があり、この2つ方向は互い
に直交している。この2つの光学主軸方向のいずれでも
よいが、そのいずれかを傾斜軸として複合層試料の面を
傾斜させた状態で、再び検光子の偏光方向を複合層試料
の偏光方向に対して相対的に回転させて検光子透過光の
強度と検光子の偏光方位との関係を検出し、傾斜状態で
の複合層試料のレターデーション値を求める。
【0010】本発明のレターデーション測定装置は、測
定光路に測定光束を照射する光源部と、測定光路に偏光
フィルタ層と複屈折性層を積層した複合層試料を保持す
る試料台と、試料台に保持された複合層試料の測定光束
出射側に配置され回転可能に支持された検光子と、試料
台に保持された複合層試料の測定光束入射側に設けら
れ、検光子とは独立に回転可能に支持され、複合層試料
の偏光フィルタ層の偏光特性を補償する補償用偏光板
と、補償用偏光板から複合層試料を経て検光子を透過し
た光の透過光強度を検出する受光部と、検光子の回転角
度と受光部が検出した透過光強度とから複合層試料のレ
ターデーション及び光学主軸方向を算出する演算制御装
置とを備えている。
【0011】補償用偏光板の測定光束入射側にさらに偏
光子を配置してもよく、その場合には偏光子と検光子と
を互いに所定の偏光方位関係、例えば平行ニコル状態に
保って回転可能に支持する。補償用偏光板と検光子は測
定光路に対して挿脱可能に配置してもよく、偏光子を設
けた場合にはその偏光子も測定光路に対して挿脱可能に
配置してもよい。
【0012】本発明のレターデーション測定装置で視野
角特性の評価を定量化できるようにするためには、試料
台として、保持した複合層試料をその面内で回転させる
機構と、その複合層試料の表面に沿った一直線を中心と
してその複合層試料を傾斜させる傾斜機構とを備えたも
のを使用する。
【0013】本発明において「複合層」とは、独立性を
有する、または有しないフィルム、シート、板等が直接
に接して重ねられ、又は介在物もしくは空間を介して間
接的に重ねられたものを言い、フィルム同志、シート同
志、板同志、あるいはこれら異種相互の重なりを含む。
また「積層」とは、接着材、粘着材、糊材などを用いる
か融合させることにより、固定的もしくは半固定的に、
貼合わせもしくは接合させたものに限らず、マジックテ
ープなどの部材を用いるか電気・磁気力や機械力その他
の力を利用して固定化的又は一時的に所定の位置関係に
重ね合わされているものも含むものとする。
【0014】
【作用】本発明において測定に使用する光源からの光
は、白色光で、かつ偏光特性をもたない無偏光である。
偏光フィルタ層と複屈折性層を積層した複合層試料、例
えば偏光フィルムと位相差フィルムを貼り合わせた複合
シートに、偏光フィルム側より光を照射すると、位相差
フィルムには一定方向の直線偏光が入射し、複合シート
の透過光は楕円偏光となる。
【0015】偏光フィルムの偏光度が充分でない場合に
は、偏光フィルムは理想的な偏光フィルタとしては作用
しない。しかし、偏光フィルムの光入射側に偏光度の充
分高い補償用偏光板を配置し、偏光フィルムと補償用偏
光板の偏光透過軸を互いに平行に保つことによって、低
偏光度の偏光フィルムの特性が補償用偏光板により補償
される。補償用偏光板の偏光度は高ければ高いほど好ま
しいが、他の測定系の精度レベルを考慮すれば、99%
以上あれば十分である。このとき、レターデーションの
測定誤差数nm以下、光学主軸方向の測定誤差1度以下
程度の性能を満足できる。したがって、補償用偏光板及
び複合層試料の透過光を検光子に通し、検光子を複合層
試料に対して相対的に回転させて検光子の偏光方位と透
過光強度との関係を測定することにより、複合層試料の
光学主軸方向及びレターデーション値を正確に測定でき
るようになる。
【0016】複合層試料の透過光の楕円偏光の長軸方向
と楕円率は、検光子を複合層試料に対して相対的に回転
させることにより測定できるので、その結果から偏光フ
ィルムの偏光透過軸(及びそれと直交する偏光吸収軸)
と、位相差フィルムのレターデーション値及び光学主軸
方向を計算することができる。補償用偏光板の光入射側
に偏光子を配置し、その偏光子と検光子とを所定の偏光
方位関係に保って同期回転させる場合にもこれらの値を
算出することができる。これらの計算の詳細は実施例に
おいて述べる。
【0017】
【実施例】図1に本発明の複合層試料用のレターデーシ
ョン測定装置の実施例構成の概略を示す。図1におい
て、1は白色光源、2は光伝送路で、光伝送路2として
は例えばオプチカルファイバー束を用いる。3は光伝送
路2の出力から平行光束を得るための集光レンズ等の光
学系である。4は特定波長の光を透過させるためのフィ
ルタ部であり、透過波長の異なる複数個の狭帯域干渉フ
ィルタが、軸Bのまわりに回転可能な円板4a上に取り
付けられ、円板4aの回転により任意のフィルタが光路
上に選択配置されるように構成されており、フィルタの
切り替えにより白色光源1の出射光から特定の波長の光
が選択され、光軸Aを中心とする光路上に導かれる。
【0018】光軸A上には、フィルタ部4の下側に、水
平面内で偏光子8を光軸Aに対して前進と後退をさせる
偏光子用Xステージ5が設けられている。偏光子用Xス
テージ5上には偏光子8を回転させるための偏光子θス
テージ6、ステージ6の回転を駆動するモータ20、及
び偏光子8の回転角度位置決め用エンコーダ7が装着さ
れており、偏光子8は偏光子θステージ6に装着されて
いる。
【0019】光軸A上にはさらに、偏光子用Xステージ
5の下側に、補償用偏光板9を装着して回転させるため
の補償用偏光板用θステージ10、試料台11、及び水
平面内で検光子15を光軸Aに対して前進と後退をさせ
る検光子用Xステージ12が順に設けられている。補償
用偏光板用θステージ10にはそのステージ10の回転
を駆動するモータ19が設けられており、さらに補償用
偏光板9の回転角度検出用のエンコーダを設けておいて
もよい。検光子用Xステージ12上には検光子15を光
軸Aのまわりに回転させるための検光子用θステージ1
3、そのステージ13の回転を駆動するモータ21、及
び検光子15の回転角度位置決め用エンコーダ14が設
けられ、検光子15は検光子用θステージ13に装着さ
れている。
【0020】光軸A上には、検光子15の下側、すなわ
ち光出射側にさらに受光素子16が配置されており、偏
光子用θステージ6と検光子用θステージ13は、それ
ぞれのエンコーダ7,14の角度位置信号を介して、演
算制御装置17により角度位置補正を行いながら、互い
に平行ニコルの状態を保って同期回転するように制御さ
れる。偏光子回転用のモータ20と検光子回転用のモー
タ21としては、ステッピングモータを使用するのが好
ましい。その場合、演算制御装置17からの制御パルス
によりモータ20,21が所定角度回転するごとに、回
転を一時停止して受光素子16の出力をサンプリングす
るようにしてもよいし、または、このサンプリング時間
はごく短いので、モータ20,21を連続回転させなが
ら受光素子16の出力をサンプリングさせることも可能
である。
【0021】本発明装置はまた、複合層試料でない通常
試料のレターデーション測定にも使用することができ
る。通常試料の測定においては、補償用偏光板9を光路
から離脱させ、Xステージ5、12は左方向に前進させ
て図の状態とし、ステージ上に取りつけられた偏光子
8、検光子15を光路上に位置させた状態で、偏光子8
と検光子15は偏光方向を互いに平行ニコルの関係に保
ちながら光軸Aのまわりに回転させてレターデーション
の測定を行う。補償用偏光板9を光路から離脱させるに
は、θステージ10用にもXステージ5、12と同様の
光路への前進・後退用Xステージを設けてもよいし、ま
た補償用偏光板9をθステージ10に着脱できるように
θステージ10を構成してもよい。
【0022】いずれにしても、本発明では、装置構成の
一部の変更又は切替えにより、通常試料のレターデーシ
ョン測定にも、また偏光フィルムと位相差フィルムを積
層した複合層試料のレターデーション測定にも利用する
ことができる。
【0023】複合層試料のレターデーション測定は、偏
光子8があってもなくても行うことができる。複合層試
料測定では、試料台11に試料Sを偏光フィルムの方を
光源側(図では上側)に向けてセットする。そして、偏
光子8が光路に装着されていない場合は検光子用θステ
ージ13のみを回転させながら、また偏光子8が光路に
装着されている場合は偏光子用θステージ6と検光子用
θステージ13を同期させて回転させながら、透過光強
度の変化を測定する。具体的には、装置全体の制御及び
測定データのデータ処理を行う演算制御装置17は、補
償用偏光板9を回転させるモータ19の回転制御を行う
とともに、偏光子8が光路に装着されていない場合はエ
ンコーダ14の信号によりフィードバック制御を行って
検光子15を回転させ、偏光子8が光路に装着されてい
る場合は偏光子回転用モータ20と検光子回転用モータ
21を同期回転させるためにエンコーダ7,14の信号
によりフィードバック制御を行って偏光子8と検光子1
5を回転させる。そして、演算制御装置17は検光子1
5の回転の一定角度間隔、例えば1°間隔で受光素子1
6の出力を取り込んでデータ処理を行い、試料のレター
デーション値等を算出して結果を表示・記録装置18に
出力して表示、印字させる。
【0024】本発明による測定の主対象である複合層試
料の複合シートに使用されている偏光フィルムの偏光度
が99%未満の場合には、位相差フィルムのレターデー
ション値及び光学主軸の測定精度が悪くなるため、補償
用偏光板9を測定に使用する。その測定方法は、まずX
ステージ5,12を待避させて、偏光子8と検光子15
を光路から外す。試料台11に試料Sを偏光フィルムの
方を上にしてセットし、補償用偏光板(偏光度99%以
上)を一回転させながら透過光強度を測定することによ
り、複合シートの偏光フィルムの偏光透過軸と補償用偏
光板の偏光透過軸との直交位又は平行位のどちらかを求
める。両偏光透過軸の直交位は透過光量が最小になる位
置であり、平行位は透過光量が最大になる位置であり、
直交位の方が正確に求めやすい。そして、両偏光透過軸
の直交位を求めたときは、補償用偏光板を90°回転さ
せる。いずれにしても偏光フィルムの偏光透過軸と補償
用偏光板の偏光透過軸とを同一方向に重ね合わせ、つま
り両偏光透過軸を平行状態にする。
【0025】次にXステージ12を前進させて検光子1
5を光路上に配置した後、検光子15を回転させながら
受光素子16により透過光強度の変化を測定し、複合シ
ートの偏光フィルムの透過透過軸方向と、位相差フィル
ムのレターデーション値及び光学主軸方向を算出する。
【0026】複合シートのレターデーション算出は、次
のようにして行われる。まず、偏光子8を使用しない場
合について説明する。試料のレターデーション値を求め
る波長をλ、レターデーション値をR、試料の偏光フィ
ルムの偏光透過軸と位相差フィルムの光学主軸1(互い
に直交する2つの光学主軸1,2のうちのいずれか)と
のなす角をφ2とし、偏光フィルムの偏光透過軸と装置
の座標軸(光軸Aと直交する面内の一方向で、図2に示
されるx方向)とのなす角をφ1とする。φ1は別途測定
可能であり、これが0となるように試料台11上に試料
をセットすることも可能であるが、ここでは測定操作を
一般的に扱うために、φ1も未知とする。
【0027】複合シート試料と検光子を透過した光の強
度をI(θ)とする。θは、検光子の基準方向からの回
転角である。図2を参照しながら説明を行う。試料の位
相差フィルムには偏光フィルムを透過した直線偏光が入
射しているので、その直線偏光の光強度をI0,振幅を
0とする。位相差フィルムに入射した光の光学主軸1
方向の偏光成分の振幅はA0cosφ2、他方の光学主軸2
方向の偏光成分の振幅はA0sinφ2である。これら両成
分の検光子方向の成分A1,A2は、それぞれ、 A1 =A0cosφ2・cos(φ1+φ2−θ) A2 =A0sinφ2・sin(φ1+φ2−θ) となる。検光子透過光は上記2成分の光が位相差δで重
なったもので、位相差角δと位相差フィルムのレターデ
ーションRとは 2πR/λ=δ の関係であり、試料と検光子を透過した光の振幅をAと
すると、Aは余弦定理により、 A2 =I(θ) =A1 2+A2 2−2A12cosδ =A0 2{cos2φ2・cos21+φ2−θ)+sin2φ2・sin21+φ2−θ) −2cosφ2・sinφ2・cos(φ1+φ2−θ)sin(φ1+φ2−θ)cosδ} ・・・(1) となる。
【0028】上式のA2 が受光素子16の出力である。
ここで求めたいのは、cosδであるが、直接求まるのは
I(θ)とθであり、φ1 及びφ2 は未知数であるが定
数であるから、cosφ2=K, sinφ2=L, φ1+φ2
θ=Ψとおいて上式を書き替えると、 I(θ)=(K2cos2Ψ+L2sin2Ψ−2KLcosΨsinΨcosδ)A0 2 となる。これをさらに書き替えると、 L2=1−K2、K2=1−L2、K2+L2=1 の関係があるので、上式は、 I(θ)=(K2cos2Ψ+(1−K2)sin2Ψ−KLsin2Ψcosδ)A0 2 および、 I(θ)={(1−L2)cos2Ψ+L2sin2Ψ−KLsin2Ψccosδ}A0 2 となる。この2式を加えて2で割ると、 I(θ) ={K2cos2Ψ-sin2Ψ)+sin2Ψ-L2(cos2Ψ-sin2Ψ)+cos2Ψ-2KLsin2Ψcosδ }A0 2/2 ={(K2−L2)cos2Ψ−2KLsin2Ψcosδ+1}A0 2/2 となる。この式から、I(θ)は検光子の半回転の間に
1周期の変化を行う。透過光強度の最大は、この式で s
in2Ψ=0になる場合、最小は cos2Ψ=0になる場合
であることから、 Imax =A0 2・K2 Imin =A0 2(K2−2KLcosδ)/2 となる。また、K=cosφ2 ,L=sinφ2 であるから,
上式からLを消去して, Imin =A0 2{1−2K(1−K2)1/2−cosδ}/2 となる。そこで、このImin のKにImax1/2/A0を代
入すると、 cosδ={(A0 2−2Imin)−2Imax1/2(A0 2−Imax)1/2}/A0 2 となり、cosδを求めることができるので、cosδからレ
ターデーションRを決定することができる。
【0029】上式でA0 2 は、試料の偏光フィルムを透
過した光の強度であり、図1の装置において、試料をそ
の偏光フィルム側を検光子側に向けてセットし、検光子
を回転させたときの受光素子出力の最大値として予め求
めておくことができる。また試料の偏光フィルムの偏光
透過軸と位相差フィルムの光学主軸1とのなす角φ
2は、前記のImax =A0 2・K2 からK2 を求めると、K
の定義 K= cosφ2 から求めることができる。
【0030】上述したものは、本発明でレターデーショ
ンを求めるためのデータ処理法の一例であって、実際に
レタデーションを求める方法は上述したところ所に限ら
ない。例えば予め前記(1)式によってImin/A0 2
Imax/A0 2 値の種々の組合せに対して、レターデーシ
ョンとφ2 を計算して表を作成しておき、実測されたI
min ,Imax から内挿演算で試料のレターデーションと
φ2 を引き当てるようにしてもよい。
【0031】上述の実施例での演算は、図1の装置で偏
光子用Xステージ5上に取り付けられている偏光子用θ
ステージ6を図で右方に後退させて偏光子8を光路から
離脱させて行われるものであり、数式的扱いが簡単であ
る。しかし数式的扱いは多少複雑になるが、偏光子8を
光路に置いたままでも上述した複合シートのレターデー
ションを測定することができる。ここにそのような実施
例を述べる。この場合、Xステージ5,12を前進させ
て偏光子8と検光子15を光路上に配置した後、偏光子
8と検光子15を同期させて回転させながら受光素子1
6により透過光強度の変化を測定し、複合シートの偏光
フィルムの透過透過軸方向と、位相差フィルムのレター
デーション値及び光学主軸方向を算出する。
【0032】偏光子8と検光子15は互いに平行ニコル
の状態とする。前述の実施例と同じ符号を用いると、受
光素子16に入射する光の強度I(θ)は、次式で表せ
る。 I(θ) =A0 2{cos2φ2・cos212-θ)+sin2φ2・sin212-θ) -2cosφ2・sinφ2・cos(φ12-θ)sin(φ12-θ)cosδ}・cos 21-θ) ・・・(2) この式は、(1)式に cos21−θ)の項が余分にかか
ったものとなっている。
【0033】このため、I(θ)の極座標グラフは単純
な繭形とか楕円あるいはS字形だけでなく、図3に示す
ような4葉形になることがある。したがって、I(θ)
の最大、最小の値から cosδを簡単に求めることは一般
的にはできない。いくつかのθの値に対してI(θ)を
実測し、上式に代入して cosδ と cosφ2 についての
連立方程式として解くのが一般的方法である。この場
合、試料の偏光フィルム部分の偏光透過軸の方向を検出
してこれを装置の基準方向xに合わせる。つまりφ1
0とするようにすれば、式の扱いはいくらか簡単にな
る。
【0034】偏光フィルム部分の偏光透過軸の方向を検
出するには、偏光子8を測定光路から外し、試料をその
偏光フィルム側を検光子側に向けてセットし、透過光強
度が最大になる検光子の方向を検出するか、透過光強度
が最小になる方向に90°を加えた方向を検出すればよ
い。連立方程式を解く演算を行う代わりに、予め色々な
レターデーションの値とφ2 の値との組合せについて、
前記(2)式によって、I(θ)の極座標グラフを計算
して作成しておき、実測のI(θ)のグラフからレター
デーションとφ2 の概略の見当を付け、レターデーショ
ンとφ2 を仮定して極座標グラフを仮定し、実測の形に
なるように、計算を繰り返すようにしてもよい。この方
法は、前述の実施例でも応用できる。何れにしても、本
発明方法の原理を実現するデータ処理の具体的方法は任
意である。
【0035】上述した各実施例とも試料の位相差フイル
ムの部分の2軸方向の透過率は等しいとしているが、そ
の2つの透過率が互いに異なっている場合がある。この
透過率の比をa(2軸方向の何れを分母にするかにより
a<1又はa>1となるが、a<1とする)とすると、
前記(1),(2)式はそれぞれ次の(1’),(2’)式
のようになる。 I(θ) =A0 2{a2cos2φ2・cos212-θ)+sin2φ2・sin212-θ) −2acosφ2・sinφ2・cos(φ12-θ)sin(φ12-θ)cosδ}……( 1’) I(θ) =A0 2{a2cos2φ2・cos212-θ)+sin2φ2・sin212-θ) −2acosφ2・sinφ2・cos(φ12-θ)sin(φ12-θ)cosδ}・cos21-θ) ……(2’)
【0036】なお上記において、複合シートの偏光フィ
ルムの偏光透過軸方向φ1とこの偏光透過軸方向と位相
差フィルムの光学主軸1方向とのなす角φ2に関し、複
合層試料のレターデーションRの決定に際して、φ1
当初得られた値の前後に数段階に微小値変化させ、φ1
の値毎にφ2,Rを演算し、残差の収束値が最小となる
ように、φ1,φ2,Rの値を決定すれは、測定精度はさ
らに向上する。
【0037】以上の実施例は、試料台11は複合層試料
Sをその表面が光軸Aに対して垂直に保持するものとし
て説明している。しかし、複合層試料Sの視野角特性を
評価するためには、試料台11は複合層試料Sをその面
内で回転できるとともに、複合層試料Sの表面に沿う一
直線を中心として試料を傾けることができるものである
必要がある。図4はそのような試料台11aの一例を示
したものであり、その試料台11aの詳細を図5に示
す。試料保持部70は中央に穴72が設けられ、裏面が
リング状にくり抜かれて凹部が形成され、上面には試料
を押さえて保持する押え板74が2箇所に設けられてい
る。試料保持部70の裏面の凹部と嵌合するリング状の
凸部76をもつ回転台78が基板80に取りつけられ、
試料保持部70を試料面に垂直な軸のまわりに回転可能
に保持している。回転台78に嵌め込まれた試料保持部
70の側面とステッピングモータ82の回転軸に取りつ
けられたプーリ84との間にベルト86が装着され、モ
ータ82によって試料保持部70が回転する。モータ8
2も基板80に取りつけられており、プーリ84と試料
保持部70が一平面内に配置されるように、モータ82
と回転台78の取りつけ面が構成されている。基板80
の一対の側面には軸88と90が取りつけ、られ、軸8
8と90の中心軸が試料保持部70の表面にくるように
配置されている。これらの軸80と90が測定装置本体
に支持されている。一方の軸88にはプーリ62が取り
つけられ、測定装置本体側に設けられたステッピングモ
ータ68のプーリ66とこのプーリ62との間にベルト
64がかけられ、基板80がモータ68により傾斜させ
られる。演算制御装置17はモータ68,82の動作も
制御する。
【0038】図4,5の試料台11aを用いて複合層試
料の視野角特性を測定するときは次のように行なう。ま
ず、複合層試料Sを試料保持部70に取りつけ、試料の
表面が光軸Aに対して垂直になるように配置し、検光子
15を1回転させて複合層試料SのレターデーションR
と光学主軸方向を算出する。
【0039】つぎに、モータ82を駆動して、2つの光
学主軸方向の何れかが軸88と90の中心軸(傾斜軸)
の方向になるように複合層試料Sを面内で回転させる。
そして、モータ68を駆動して、その傾斜軸を中心とし
て試料保持部70を一定角、例えば10度傾斜させ、再
び検光子15を1回転させて複合層試料Sのレターデー
ションRを算出する。このようにして、複合層試料Sの
傾斜を変えながらレターデーションを求めていく。演算
制御装置17では、試料保持部70の傾斜角度をモータ
68の駆動パルスによって読み取る。
【0040】[実験例1]a)図1の構成の装置におい
て、偏光度95.0%の偏光板(偏光板Bとする)をそ
の偏光透過軸と装置の座標軸xとのなす角が90度とな
るように試料台11に固定し、この偏光板に位相差フィ
ルムをその光学主軸が偏光板の偏光透過軸と30度(φ
2)をなすように積層して複合シート試料とする。偏光
子8と検光子15を光路上に置いて両者を平行ニコルの
関係に保って同期回転させ、例えばその10度の回転ご
とに透過光強度を測定する。この測定結果から複合シー
トの偏光板の偏光透過軸と装置の座標軸xとのなす角φ
1、偏光板の偏光透過軸と位相差フィルムの光学主軸と
のなす角φ2(deg.)及び位相差フィルムのレターデー
ション値Rを算出した。同じ内容の測定を、1試料の測
定毎に、位相差フィルムのみを交換し、同一の偏光板を
共通に用いて、9種類の位相差フィルムについて行っ
た。この結果を表1に示す。R0は9種類の位相差フィ
ルム単体でのレターデーション値である。
【0041】b)図1の構成の装置において、上記a)
と同じ複合シート試料に対して、補償用偏光板(偏光度
99.9%)9(偏光板Aとする)を図のごとく試料の
光入射側に置き、偏光子8と検光子15を光路上から離
脱させた状態で補償用偏光板9を光路上で回転して透過
光強度の変化を検出し、補償用偏光板9の偏光透過軸を
試料の偏光板の偏光透過軸と平行になるように設定し
た。このときの補償用偏光板9の回転角度位置から複合
シートの偏光板の偏光透過軸の方位が装置の座標軸xと
なす角φ1(deg.)を得た。
【0042】補償用偏光板9の偏光透過軸と試料の偏光
板の偏光透過軸とを平行に設定したこの状態を保って、
偏光子8と検光子15を光路上に戻し、両者を平行ニコ
ルの関係に保って同期回転させ、その10度の回転ごと
に透過光強度を測定し、この測定結果から複合シートの
偏光板の偏光透過軸に対して位相差フィルムの光学主軸
のなす角φ2(deg.)及び位相差フィルムのレターデー
ション値Rを算出した。同じ内容の測定を、1試料の測
定毎に、位相差フィルムのみを交換し、同一の偏光板を
共通に用いて、9種類の位相差フィルムについて行っ
た。この結果を上記a)と対応して表1に示した。
【0043】
【表1】 a)補償用偏光板なし b)補償用偏光板あり ─────────── ────────── サンプル R0 R φ1(°) φ2(°) R φ1(°) φ2(°) 1 152.5 124.0 84 -44 153.0 90 -31 2 218.7 196.0 86 -32 220.4 90 -28 3 241.2 223.5 87 -31 243.3 90 -30 4 271.9 261.7 89 -30 266.2 90 -30 5 362.3 350.7 -88 -27 367.0 90 -30 6 382.9 365.0 -87 -25 386.8 90 -30 7 413.4 393.0 -86 -24 417.7 90 -30 8 395.0 378.1 -87 -25 400.9 90 -30 9 416.8 393.1 -86 -23 423.1 90 -30
【0044】c)このa)、b)の結果を比較すると、
補償用偏光板を使用しないときは、レターデーション値
Rで平均5%、最大20%程度の大きな誤差があり、ま
た光学主軸方向φ2では平均5度前後、最大14度の相
当に大きな誤差を生じた。これに対して、補償用偏光板
を使用した場合には、レターデーション値Rは±2%以
下、平均1.4%の誤差であり、光学主軸方向φ2は殆ど
誤差を生じなかった。従って本発明により、偏光度の良
くない偏光フィルムを用いた複合シートでも、充分な精
度と信頼性を確保できることが判明した。偏光板Bに代
えて偏光度が99.9%の偏光板を使用して上記の
a),b)と同様の測定を行なった。その結果、a),
b)両測定とも精度よくレターデーション値及び光学主
軸方向が測定できた。
【0045】[実験例2]実験例1と同じ複合シートに
ついて、図1の構成において、偏光子8を測定光路から
離脱させた状態で、補償用偏光板9を光路から離脱させ
た状態で実験例1のa)と同様の測定を行い、補償用偏
光板9を光路に置いた状態で、b)と同様の測定を行っ
た。この結果は表2に示す。
【0046】
【表2】 a)補償用偏光板なし b)補償用偏光板あり ─────────── ────────── サンプル R0 R φ1(°) φ2(°) R φ1(°) φ2(°) 1 152.5 153.0 89 30 152.0 89 31 2 218.7 219.7 89 29 218.7 90 29 3 241.2 238.7 90 29 246.0 89 31 4 271.9 260.6 90 30 273.1 89 31 5 362.3 364.7 89 31 363.8 90 30 6 382.9 385.1 89 30 385.9 90 30 7 413.4 415.1 90 29 417.1 90 30 8 395.0 397.6 90 29 397.1 90 30 9 416.8 419.5 90 29 420.8 89 31
【0047】表2の測定結果から、補償用偏光板を使用
しないときには、レターデーション値で4%程度までの
かなりの誤差があり、光学主軸方向では平均1度前後の
誤差を生じたのに対し、補償用偏光板を使用した場合に
は、レターデーション値の誤差は±1%以内であり、光
学主軸方向については平均0.3%と殆ど誤差を生じな
かった。従って、偏光子を使用していない場合には、偏
光子を使用した実験例1ほどには、補償板使用の有無に
よる差異が顕著ではなかったが、測定波長によってはこ
の差が顕著に現れる。偏光板Bに代えて偏光度が99.
9%の偏光板を使用して上記のa),b)と同様の測定
を行なった。その結果、a),b)両測定とも精度よく
レターデーション値及び光学主軸方向が測定できた。
【0048】[実験例3]図6A,Bは、実験例1、実
験例2に用いた補償用偏光板(偏光度99.9%)(偏
光板A)と、複合層の偏光板(偏光度95.0%)(偏
光板B)に対するそれぞれの分光透過特性を示し、図6
Aは偏光板Aに対して偏光子を直交ニコルに配置した場
合、図6Bは偏光板Bに対して偏光子を直交ニコルに配
置したときの分光透過率を示している。
【0049】偏光板Aでは700nm以下の波長域では
透過光が検出されないのに対し、偏光板Bでは700n
m以下でも透過光が存在する。570〜640の範囲は
透過率1%前後と小さいが、400〜550nmの範囲
では数パーセントの透過率を生じている。偏光度95%
とは、例えば400〜800nmの波長領域における直
交ニコル配置での平均透過率が5%であることを示して
いる。
【0050】上記実験例1、実験例2における測定光波
長が590nmであるので、直交ニコルでの透過率が小
さいため、補償用偏光板を用いた場合と用いない場合と
の差が比較的小さいが、他の波長、たとえば500nm
の測定光を用いた場合には、両者の差が相当に大きくな
るものと推定される。したがって、補償用偏光板を用い
た本発明では、広い波長範囲にわたって、精確な測定が
行える効果があるものといえる。
【0051】複合層試料の視野角特性を測定した例を説
明する。単体でのレターデーション値がそれぞれ393.8
nmと584.1nmである2種類の位相差フィルムA,B
の2つの光学主軸のうち、屈折率の大きい方の光学主軸
を傾斜軸として傾斜させて測定光束の入射角を異なら
せ、レターデーション値を測定した。
【0052】また、その2種類の位相差フィルムに単体
での透過率が約44%の偏光フィルムを重ね合わせ、位
相差フィルムの光学主軸と偏光フィルムの偏光吸収軸と
のなす角を約35°とした複合シートも試料とした。複
合シート試料については、補償用偏光板を用い、偏光フ
ィルムと補償用偏光板の偏光透過軸を互いに平行に保っ
て偏光フィルタ層の偏光特性を補償した上で、位相差フ
ィルム単体の場合と同様に位相差フィルムの屈折率の大
きい方の光学主軸を傾斜軸として傾斜させ、測定光束の
入射角を異ならせてレターデーション値を測定した。こ
れらの結果を表3に示す。
【0053】
【表3】 位相差フィルムA 位相差フィルムB 入射角 単体 重ね合わせ 単体 重ね合わせ ─── ───────── ────────── 0° 393.8nm 394.1nm 584.1nm 587.9nm 10° 399.2 399.2 587.7 591.2 20° 413.1 414.1 599.1 603.5 30° 435.1 438.0 612.2 617.5 40° 464.4 467.6 639.8 618.3
【0054】表3の結果から、複合シートとした場合も
位相差フィルム単体の場合とほぼ一致したレターデーシ
ョン値を示しており、光学フィルムの貼り合わせ品につ
いても視野角特性を評価できることがわかる。その結
果、本発明は光学フィルムの貼り合わせ加工メーカーで
の出荷検査やパネルメーカーでの受入れ検査に利用する
ことができ、貼り合わせ品の品質の安定化に寄与するこ
とができる。
【0055】
【発明の効果】
1)本発明は、偏光フィルタ層と複屈折性層を積層した
複合層試料の偏光フィルタ層側に偏光フィルタ層よりも
偏光特性の優れた補償用偏光板を配置し、かつ偏光フィ
ルタ層と補償用偏光板の偏光透過軸を互いに平行に保っ
て偏光フィルタ層の偏光特性を補償するようにしたの
で、偏光フィルタ層として偏光度の高くない材料を使用
した場合にも、比較的広い波長範囲にわたって、充分な
精度で、複屈折性層のレターデーション値と光学主軸方
向を測定することが可能となった。しがって、また複屈
折測定装置の適用範囲の拡大、液晶表示板の製造コスト
の低減にも役立つものである。
【0056】2)簡単な装置構成で、かつ補償用偏光板
を使用し、検光子を回転させ、又は偏光子と検光子を回
転させて透過光強度を測定するという簡単な操作で、複
屈折性層のレターデーション値と光学主軸方向の測定を
行うことができる。したがって、また製造現場のオンラ
イン測定による工程管理、完成品の品質管理いずれにも
役立てられる。 3)装置構成の部分的変更または切り替えにより、通常
の複屈折試料のレターデーション測定と複合層試料のレ
ターデーション測定との選択を行うことができる。 4)また、偏光フィルタ層として偏光度の高くない材料
を使用した複合層試料であっても、視野角特性をレター
デーション値として評価することができ、貼り合わせ品
の品質の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例装置の概略構成図である。
【図2】 本発明の原理説明用図である。
【図3】 本発明における透過光強度の極座標表示によ
るグラフの一例図である。
【図4】 他の実施例における試料台を示す概略斜視図
である。
【図5】 同試料台を詳細に示す分解斜視図である。
【図6】 偏光フィルタの分光透過特性を示すスペクト
ル図であり、(A)は偏光度の高い偏光フィルタ、
(B)は偏光度の低い偏光フィルタの例である。
【符号の説明】
1 白色光源 2 オプチカルファイバー 3 集光レンズ 4 狭帯域干渉フィルタ 5 偏光子前進、後退用Xステージ 6 偏光子回転用θステージ 7 偏光子回転位置決め用エンコーダ 8 偏光子 9 補償用偏光板 10 補償用偏光板回転用θステージ 11,11a 試料台 12 検光子前進、後退用Xステージ 13 検光子回転用θステージ 14 検光子回転位置決め用エンコーダ 15 検光子 16 受光素子 17 制御装置 18 表示装置 19 補償用偏光板回転用θステージ用モータ 20 偏光子回転用θステージ用モータ 21 検光子回転用θステージ用モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−317519(JP,A) 特開 平6−337243(JP,A) 特開 平6−241987(JP,A) 特開 平6−229910(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/00 - 21/61 G01J 3/00 - 3/52 G01J 4/00 - 4/04 G01J 9/00 - 9/04 WPI/L(QUESTEL) 実用ファイル(PATOLIS) 特許ファイル(PATOLIS)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏光フィルタ層と複屈折性層を積層した
    複合層試料の偏光フィルタ層側に補償用偏光板を配置
    し、かつ偏光フィルタ層と補償用偏光板の偏光透過軸を
    互いに平行に保って偏光フィルタ層の偏光特性を補償す
    る工程と、 前記補償用偏光板側から測定光を照射し、補償用偏光板
    及び複合層試料を透過した透過光を検光子に通し、その
    検光子の偏光透過軸を補償用偏光板及び複合層試料の偏
    光透過軸に対して相対的に回転させて、検光子透過光の
    強度と検光子の偏光方位との関係を検出して複合層試料
    のレターデーション及び光学主軸方向を求める工程と、
    を備えたことを特徴とする複合層のレターデーション測
    定方法。
  2. 【請求項2】 測定光が無偏光の状態で前記補償用偏光
    板に照射される請求項1に記載の複合層のレターデーシ
    ョン測定方法。
  3. 【請求項3】 前記補償用偏光板の光入射側に偏光子を
    配置し、その偏光子と前記検光子とを互いに所定の偏光
    方位関係に保つ請求項1に記載の複合層のレターデーシ
    ョン測定方法。
  4. 【請求項4】 光路に偏光子も検光子も配置していない
    状態で、補償用偏光板を前記偏光フィルタ層に対して相
    対的に一回転させながら透過光強度を測定し、偏光フィ
    ルタ層の偏光透過軸と補償用偏光板の偏光透過軸とを平
    行位にする請求項1に記載の複合層のレターデーション
    測定方法。
  5. 【請求項5】 複合層試料の面を測定光の光路に対して
    垂直状態に配置して複合層試料のレターデーション及び
    光学主軸方向を求めた後、 求められた2つの光学主軸方向のうちのいずれかを傾斜
    軸として複合層試料の面を傾斜させた状態で、再び検光
    子の偏光透過軸を複合層試料の偏光透過軸に対して相対
    的に回転させて、検光子透過光の強度と検光子の偏光方
    位との関係を検出して複合層試料のレターデーションを
    求める工程をさらに含んでいる請求項4に記載の複合層
    のレターデーション測定方法。
  6. 【請求項6】測定光路に測定光束を照射する光源部と、 測定光路に偏光フィルタ層と複屈折性層を積層した複合
    層試料を保持する試料台と、 試料台に保持された複合層試料の測定光束出射側に配置
    され回転可能に支持された検光子と、 試料台に保持された複合層試料の測定光束入射側に設け
    られ、検光子とは独立に回転可能に支持され、複合層試
    料の偏光フィルタ層の偏光特性を補償する補償用偏光板
    と、 補償用偏光板から複合層試料を経て検光子を透過した光
    の透過光強度を検出する受光部と、 検光子の回転角度と受光部が検出した透過光強度とから
    複合層試料のレターデーション及び光学主軸方向を算出
    する演算制御装置とを備えたことを特徴とする複合層の
    レターデーション測定装置。
  7. 【請求項7】 前記試料台は保持した複合層試料をその
    面内で回転させる機構と、その複合層試料の表面に沿っ
    た一直線を中心としてその複合層試料を傾斜させる傾斜
    機構とを備えている請求項6に記載の複合層のレタデー
    ション測定装置。
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