JP2007240199A - 複屈折計測方法及び複屈折計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】位相差フィルム等の異方性の特性を持つサンプルを、可視領域における偏光特性を正確に計測することができる複屈折計測方法及び複屈折計測装置を提供する。
【解決手段】可視領域の波長の光を照射して使用する位相差フィルムの複屈折特性を計測する位相差フィルムの複屈折を計測する際に、位相差フィルムに可視領域の光を照射し、偏光特性を測定し、非可視領域の光を照射し、偏光特性を測定し、可視領域及び非可視領域の光を位相差フィルムに照射した際に測定されたそれぞれの偏光特性を記憶し、それぞれの偏光特性の関係を対応させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複屈折計測方法及び複屈折計測装置に関し、特に、位相差フィルム等の異方性の特性を持つサンプルのリタデーション及び軸を計測する複屈折計測方法及び複屈折計測装置に関する。
図6は、位相差フィルム等の複屈折特性を測定する場合の位相差フィルムの状態を模式的に表した図である。図6(a)に示すように、位相差フィルムFを一対の偏光板1によって両側の面から保持された複合体とし、該複合体の一方の面から直線偏光の光を照射し、反対側の面から出射される光を受光して偏光特性を測定している。このとき、一対の偏光板1同士は、図7に示すように、互いの偏光方向が垂直になる、所謂、クロスニコルの関係となる。
または、図6(b)に示すように、位相差フィルムFの片面に、該位相差フィルムの遅相軸と透過軸方位とを一致するように偏光板を配置することで、位相差フィルムの複合体とする。そして位相差フィルムのみの偏光特性を計測している。
ところで、図6(a)及び図7に示すように、一対の偏光板1同士の間に配置された位相差フィルムFの複屈折特性としてリタデーションRe及び軸を計測する場合には、一対の偏光板1同士がクロスニコルのため、直線偏光Lの光を一方の偏光板1の透過軸に入射し、その光が位相差フィルムによって影響を受けて所定の楕円偏光になるが、他方の偏光板によって検出対象となる透過光が直線偏光となってしまい、偏光特性を測定することが困難であった。
一方、従来、赤外光での偏光計測装置によって、赤外光が偏光板の吸収波長から外れるため偏光板の吸収の影響を低減でき、位相差フィルムの偏光特性を計測可能であるが、位相差フィルムとして最も計測したい波長領域である可視領域での偏光特性を得ることができなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、位相差フィルム等の異方性の特性を持つサンプルを、可視領域における偏光特性を正確に計測することができる複屈折計測方法及び複屈折計測装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記構成によって達成される。
(1) 可視領域の波長の光を照射して使用する位相差フィルムの複屈折特性を計測する位相差フィルムの複屈折計測装置であって、
前記位相差フィルムに可視領域の光を照射し、偏光特性を測定する可視領域検出機能と、
非可視領域の光を照射し、偏光特性を測定する非可視領域検出機能と、
可視領域及び非可視領域の光を前記位相差フィルムに照射した際に測定されたそれぞれの偏光特性を記憶する記憶部と、
前記それぞれの偏光特性の関係を対応させる演算部とを備えたことを特徴とする複屈折計測装置。
(2) 前記位相差フィルムが、その少なくとも一方の面に偏光板が重ね合わされた状態で、非可視領域の光を照射して偏光特性を測定されることを特徴とする上記(1)に記載の複屈折計測装置。
(3) 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とからなることを有することを特徴とする(1)又は(2)に記載の複屈折計測装置。
(4) 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とを含むミューラー行列であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の複屈折計測装置。
(5) 可視領域の波長の光を照射して使用する位相差フィルムの複屈折特性を計測する位相差フィルムの複屈折計測方法であって、
前記位相差フィルムに可視領域の光を照射し、偏光特性を測定し、
非可視領域の光を照射し、偏光特性を測定し、
可視領域及び非可視領域の光を前記位相差フィルムに照射した際に測定されたそれぞれの偏光特性を記憶し、
前記それぞれの偏光特性の関係を対応させることを特徴とする複屈折計測方法。
(6) 前記位相差フィルムが、その少なくとも一方の面に偏光板が重ね合わされた状態で、非可視領域の光を照射して偏光特性を測定されることを特徴とする上記(5)に記載の複屈折計測方法。
(7) 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とからなることを有することを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の複屈折計測方法。
(8) 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とを含むミューラー行列であることを特徴とする上記(5)又は(6)に記載の複屈折計測方法。
本発明によれば、位相差フィルムを可視領域と非可視領域とのそれぞれの光で、偏光特性を測定し、それぞれの偏光特性の関係を演算することができる。そして、位相差フィルムの可視領域における偏光特性を得る場合には、非可視領域の偏光特性を測定すれば、予め演算された可視領域と非可視領域との偏光特性の関係に基づいて演算することで、実際に可視領域の光を用いて測定することなく、偏光特性を測定することができる。このため、位相差フィルムをクロスニコルの関係で配置された一対の偏光板の間に挟み込んだ複合体として偏光特性を測定する場合や位相差フィルムの一方の面に偏光板を重ね合わせた複合体として偏光特性を測定する場合に、赤外線等の非可視領域の光を用いて測定を行うことができ、可視領域において測定が困難になるといった不具合を解決することができる。
本発明によれば、位相差フィルム等の異方性の特性を持つサンプルを、可視領域における偏光特性を正確に計測することができる複屈折計測方法及び複屈折計測装置を提供できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1は、本発明に係る位相差フィルムの複屈折測定装置の構成を示す図である。本実施形態の複屈折測定装置(以下、測定装置ともいう。)10は、非可視領域の光を照射しする非可視光照射光源L1と、可視光照射光源L2とを備えている。本実施形態においては、非可視光として赤外線(波長1300nm)を使用する、また、可視光としてハロゲン光を使用することができる。しかし、非可視光は、赤外線光に限定されず、可視領域の外の波長領域を有する光であって、位相差フィルムに透過可能であれば、他のものを使用してもよい。
測定装置10は、非可視光照射光源L1からコリメータ光学系により平行光を照射自在な構成で、平行光の照射方向上に、偏光子12aと、サンプルとなる位相差フィルムFと、回転制御可能な検光子12bと、が順に配置される。
また、測定装置10は、回転検光子法に基づき、偏光子12a、位相差フィルムF、検光子12bを透過した光を受光する受光器(PMT)13を備えている。受光器13によって受光した光の強度のアナログ信号がA/D変換部14に入力され、デジタル信号に変換され、演算装置25に入力される。演算装置25としては、パーソナルコンピュータ等を使用することができる。本実施形態において、非可視光照射光源L1から受光器13までが、非可視領域検出機能として機能する。
演算装置25は、検光子12bの回転角度に応じた光強度の測定値と偏光子12aの角度の情報からJones行列を解くことにより、サンプルとなった位相差フィルムの複屈折特性の要素となるリタデーション(Re)と軸とを算出する。演算装置25には、算出されたRe及び軸の値を記憶するメモリ等からなる記憶部26が備えられている。本実施形態において、偏光特性が、リタデーションと、軸とを含むミューラー行列であらわされていてもよい。例えば、リタデーションと、軸と、部分偏光、光強度を含んだ4×4の行列で表記することができる。
また、測定装置10は、ハロゲン光源等の可視光照射光源L2からコリメータ光学系により平行光を照射自在な構成であり、平行光をG(波長550nm)の分解フィルタを透過させることにより分光する。
測定装置10は、可視光照射光源L2の平行光の照射方向上に、可視光用の偏光子22aと、サンプルとなる位相差フィルムFと、回転制御可能で、可視光用の偏光子22bと、が順に配置される。そして、可視光照射光源L2から照射された平行光は、非可視領域の光学系と同様に、回転検光子法に基づき、偏光子22a、位相差フィルムF、偏光子22bを透過し、受光器(PMT)23に受光する。そして、受光器23によって受光した光の強度のアナログ信号がA/D変換部24に入力されてデジタル信号に変換された後、演算装置25に入力される。本実施形態において、可視光照射光源L2から受光器23までが、可視領域検出機能として機能する。
演算装置25には、非可視光によって測定された偏光特性と可視光によって測定された偏光特性との関係を対応させる演算部27を備えている。それぞれの偏光特性との関係を対応させる手段として、本実施形態では、可視光及び非可視光で測定された検光子12bの角度に対応した光強度からそれぞれのRe及び軸の各値を計算し、それら各値を記憶部26に一旦記憶させ、ルックアップテーブル(LUT)を使用して、対応付けの演算を行った。
本実施形態では、偏光板に重ね合わされていない状態であって、それぞれReのレベルの異なる位相差フィルム(4nm、15nm、30nm、80nm、150nm)を準備し、それぞれの位相差フィルムについて、非可視領域検出機能と可視領域検出機能とでRe及び軸を検出し、記憶部26に記憶する。このとき、検出で使用する光と、検出によって得られるRe及び軸との関係を図2に示す。
図2(a)は、非可視光及び可視光で位相差フィルムを測定することで得られるReのグラフを示している。図2(b)は、非可視光及び可視光で位相差フィルムを測定することで得られる軸のグラフを示している。本実施形態では、非可視光として波長1300nmの赤外線光を使用している。また、可視光の波長は550nmのものを使用した。記憶部26に記憶されたRe及び軸の値に基づいて、演算部27が非可視領域におけるRe及び軸と可視領域におけるRe及び軸とを対応させる演算処理を実行する。
図3(a)は、非可視光で検出されたReに対応する、可視光で検出したときのReを示すルックアップテーブルである。図3(b)は、非可視光で検出された軸に対応する、可視光で検出したときの軸を示すルックアップテーブルである。
本実施形態によれば、図3に示すルックアップテーブルに基づいて、非可視光と可視光とのReの対応関係と、非可視光と可視光との軸の対応関係を得ることができる。このため、非可視光でのみ位相差フィルムの検出を行ってRe及び軸の値を得ることで、可視光での位相差フィルムのRe及び軸の値を得ることができ、偏光特性を測定することができる。
図4は、偏光板における光の波長に対する透過率を示すグラフである。図4に示すように、可視領域を含む、約500nm〜約800nmの波長範囲においては、光がほぼ吸収されてしまうため、透過することができないが、800nmより大きい波長の光は高い透過率を有することがわかる。このため、位相差フィルムFの一方の面又は両面に偏光板11を配置した状態であっても、本実施形態のように赤外線光のような波長の大きい光であれば偏光板に吸収されることなく、透過させることができ、偏光特性の測定を良好に行うことができる。
図5は、本実施形態の測定装置において、位相差フィルムを非可視領域の光で偏光特性を測定する際の状態を示す図である。
予め、可視領域と非可視領域とにおいて、位相差フィルムのRe及び軸がともに対応させるためのルックアップテーブルを得られている。その後、図5に示すように、測定の対象となるサンプルの位相差フィルムの両面に偏光板11を重ね合わせ複合体とする。そして、非可視光照射光源L1からハロゲン光などの平行光を照射し、偏光子12aと、サンプルとなる位相差フィルムFと、回転制御可能な検光子12bとに順に透過せる。そして、検光子12bを透過した光を受光器13によって受光し、受光器13によって受光した光の強度の信号を、A/D変換部14を介して演算装置25に入力する。
演算装置25においては、非可視光で検出された位相差フィルムのRe及び軸とルックアップテーブルとを対応させることで、可視領域における位相差フィルムFのRe及び軸を算出することができる。
本発明によれば、位相差フィルムFを可視領域と非可視領域とのそれぞれの光で、偏光特性を測定し、それぞれの偏光特性の関係を演算することができる。そして、位相差フィルムFの可視領域における偏光特性を得る場合には、非可視領域の偏光特性を測定すれば、予め演算された可視領域と非可視領域との偏光特性の関係に基づいて演算することで、実際に可視領域の光を用いて測定することなく、偏光特性を測定することができる。このため、位相差フィルムFをクロスニコルの関係で配置された一対の偏光板11の間に挟み込んだ複合体として偏光特性を測定する場合や位相差フィルムの一方の面に偏光板11を重ね合わせた複合体として偏光特性を測定する場合に、赤外線等の非可視領域の光を用いて測定を行うことができ、可視領域において測定が困難になるといった不具合を解決することができる。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜な変形、改良などが可能である。
例えば、偏光の測定方式に回転検光子法を使用したが、代わりに回転位相子法や平行ニコル法やPEM法等の別の方式を使用することもできる。
また、分光手段として、干渉フィルタを使用したが、他の手段として、例えば、液晶チューナブルフィルタ、色ガラスフィルタ、回転格子、プリズム等を使用することができる。
位相差フィルムの複屈折測定装置の構成を示す図である。 図2は、非可視光及び可視光で位相差フィルムを測定することで得られるReと軸のグラフを示している。 非可視光で検出されたRe及び軸に対応する、可視光で検出したときのRe及び軸を示すルックアップテーブルである。 偏光板における光の波長に対する透過率を示すグラフである。 位相差フィルムを非可視領域の光で偏光特性を測定する際の状態を示す図である。 位相差フィルムの複屈折特性を測定する場合の、位相差フィルムの状態を模式的に表した図である。 位相差フィルムと偏光子との配置を示す図である。
符号の説明
10 複屈折計測装置
12a 偏光子
12b 検光子
25 演算装置
26 記憶部
27 演算部
F 位相差フィルム
L1 非可視光照射光源
L2 可視光照射光源

Claims (8)

  1. 可視領域の波長の光を照射して使用する位相差フィルムの複屈折特性を計測する位相差フィルムの複屈折計測装置であって、
    前記位相差フィルムに可視領域の光を照射し、偏光特性を測定する可視領域検出機能と、
    非可視領域の光を照射し、偏光特性を測定する非可視領域検出機能と、
    可視領域及び非可視領域の光を前記位相差フィルムに照射した際に測定されたそれぞれの偏光特性を記憶する記憶部と、
    前記それぞれの偏光特性の関係を対応させる演算部とを備えたことを特徴とする複屈折計測装置。
  2. 前記位相差フィルムが、その少なくとも一方の面に偏光板が重ね合わされた状態で、非可視領域の光を照射して偏光特性を測定されることを特徴とする請求項1に記載の複屈折計測装置。
  3. 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とからなることを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の複屈折計測装置。
  4. 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とを含むミューラー行列であることを特徴とする請求項1又は2に記載の複屈折計測装置。
  5. 可視領域の波長の光を照射して使用する位相差フィルムの複屈折特性を計測する位相差フィルムの複屈折計測方法であって、
    前記位相差フィルムに可視領域の光を照射し、偏光特性を測定し、
    非可視領域の光を照射し、偏光特性を測定し、
    可視領域及び非可視領域の光を前記位相差フィルムに照射した際に測定されたそれぞれの偏光特性を記憶し、
    前記それぞれの偏光特性の関係を対応させることを特徴とする複屈折計測方法。
  6. 前記位相差フィルムが、その少なくとも一方の面に偏光板が重ね合わされた状態で、非可視領域の光を照射して偏光特性を測定されることを特徴とする請求項5に記載の複屈折計測方法。
  7. 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とからなることを有することを特徴とする請求項5又は6に記載の複屈折計測方法。
  8. 前記偏光特性が、リタデーションと、軸とを含むミューラー行列であることを特徴とする請求項5又は6に記載の複屈折計測方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2037348A2 (en) 2007-09-14 2009-03-18 Ricoh Company, Ltd. Power control system

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