JP4256253B2 - 管路の反転内張り方法 - Google Patents

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Description

本発明は老朽化した鋼管、鉄筋コンクリート管(RC管)、プレストレスコンクリート管(PC管)、鋳鉄管からなる上下水道管、ガス導管等の既設管路の補修・補強のため行う管路の内張り方法に係り、特に、傾斜管路、鉛直管路、鉛直曲り部を含む管路等において有利な内張り方法に関するものである。
近年、老朽化した上下水道管・ガス導管等の損傷箇所の補修や、地震時の漏水、ガス漏れを未然に防止するため、これらの既設管路の補修・補強工事が盛んに行われている。
この既設管路の補修・補強工事については各種の工法が提案され、実用化されているが、このうち、柔軟な管状内張材に硬化性樹脂を含浸させ流体圧により反転させながら管路内面に内張りする反転・内張り工法が近年注目されている。
この反転内張工法では、偏平に折畳んだ筒状内張材の一端を管路の一端、又は誘導管の一端に環状に固定し、後部に水等の流体圧力を作用させることにより前記筒状内張材を反転させ管路内面に密着させながら進行させる。筒状内張材は、フェルトにエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニールエステル樹脂等の硬化性樹脂を含浸させたものが用いられ、内張り完了後、管路内に温水又は蒸気を通して前述の硬化性樹脂を硬化させて完成する。
ところで、本工法を配管経路に高低差のある傾斜管路や鉛直管路および鉛直曲り管路に適用しようとする場合、つぎのような課題があった。
(1)内張材を反転させる流体圧力が過大になりやすく、その調整が難しい。(2)前記に伴って、内張材の反転速度が制御困難となりやすく内張材がしわになったり、剥れたりしやすい。(3)内張材の反転部に作用する反転圧力が高くなりすぎると内張材が破れる恐れがある。
前記の問題を解消するため特開平6−91755号(特許文献1)に開示の技術が提案されており、その構成を図7に示す。同図を説明すると、傾斜した既設の管路1の上端側と下端側に発進立坑2と到達立坑3を設け、かつ管路1を切断する。次に、管路1の上端側に必要に応じて誘導管4を接合し、この管路1と誘導管4内に全長に渡って膨らんだ状態で管路内径と略等しい径となる不透水性フィルム7を折畳んで挿通する。次に、管路1の到達側管路端に排出孔6を有する密閉蓋5を配置し、不透水性フィルム7の発進立坑2側の端部を入口端に固定ピース8で仮固定し、管路1および誘導管4内に水などの背圧流体14充填した後、不透水性フィルム7の他方の端部を誘導管4の端部に固定する。
次に、扁平に折畳んだ反転前の内張材10aの始端部を環状に広げて誘導管4の入口端外部に被せ、バンド9で固定した後、内張材10を誘導管4内に人力作業で押込む。
内張材10を人力作業で反転してある程度押込んだ後、内張材10の挿入側に水などの反転用液体13を注入し、排出管15のバルブ16を開き、背圧側流体14を排出孔66から調整しながら排出させ反転部12を反転させながら内張材10を反転・進行させる。
なお、反転内張り初期の段階は、反転流体圧pが小さいため、補助バルブ16aを開いては背圧流体14を排出しながら反転流体13を注入すると、反転内張りを促進できる。傾斜管路では、反転内張りが進行するにつれて反転流体の水頭高さH(反転部からの反転流体高さ)が大きくなり、反転圧が高まるが、同時に背圧流体の水頭高さH(反転部からの背圧流体高さ)も同じく大きくなるため反転部が傾斜管路の低い側に進行しても反転圧は常に一定の差圧Δp(反転流体圧p−背圧p )を維持して、反転内張り作業を行うことができる。
また、背圧流体の背圧高さは管路の曲り部においても内張材10の反力ロープ11による損傷を与えることがないように過大な反力Rを生じさせることが無く、かつスムーズに反転進行できるような反転圧(差圧Δp)が得られるようにコントロールしながら前進させる。
前記の反転内張り方法において、排出孔6から排圧流体を所定圧力で自動的に排出させるため、予め、到達側管路端に排出孔6を有する前記の密閉蓋5を取付けるもので、排出孔6に接続して途中にバルブ16と補助バルブ16aを備え、かつ出口高さを任意設定可能とした前記の排出管15が取付けてあり、その先端は、貯槽17に導かれている。
内張材10の反転部より前方の背圧側管路内に充填した背圧流体14を排出管15のバルブ操作により所定の背圧pが得られる設定高さより排出し、内張材挿入側に注入される反転用液体13の圧力p との差圧(Δp=p −p)により内張材10を反転・進行させる。
前記のとおり特許文献1に開示の技術は、内張材反転部の背圧側(進行方向側)に圧力調整可能な水等の背圧流体(液体)14を充填し、内張材挿入側に注入する反転用液体13の圧力pと背圧用流体pとの差圧(Δp=p−p)を適切になるように圧力調整しながら内張りを行うようにして、傾斜管路、鉛直管路および鉛直曲り管路における挿入側からの過大な反転圧力の発生を防止し、背圧流体(液体)14によって内張材10の移動にブレーキをかけながら該内張材10を反転・進行させるものである。
特開平6−91755号公報
従来技術は背圧流体を利用することによって、反転内張りの制御が困難な傾斜管路、鉛直管路および鉛直曲り管路においても適切に施工可能とするものであるが、背圧流体として水(液体)を用いているため、施工場所が河川から離れた場所や水道水が得られない場所では使用水の調達が困難である。また、施工にあたって貯水タンクやポンプ等の附帯設備が必要となるが急斜面ではこれらの設置が困難である課題があった。
また、内張材を施工する際に、該内張材の硬化性樹脂に背圧用に充填する水を接触させないために、先行して内張り管路内に全長に亘って管路内径とほぼ等しい径となる不透水性フィルムを挿通しておかねばならず、この材料の調達と作業工程が必要であった。
本発明は従来技術を更に改良して、簡単な設備構成により施工困難な傾斜管路、鉛直管路、鉛直曲り管路等における補修のための内張作業を容易に、しかも確実な作業の遂行を可能とすることを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は次のように構成する。
第1の発明は、管路内径とほぼ等しい外径の柔軟な管状の内張材に硬化性樹脂を含浸させ、管路内に挿入して液体圧により反転させながら管路内に内張りする反転内張方法において、予め到達側管路端に、バルブを備えた注排気孔を有する密閉蓋を取付けておき、内張材挿入時に挿入側管路内に反転用液体を注入しながら、かつ、反転部より前方の背圧側管路内への前記注排気孔からの背圧用気体の注入または、前記背圧側管路内からの背圧用気体の排出による背圧側管路内圧力調整を行いながら内張材を反転・進行させ、前記背圧側管路内圧力調整として、挿入側管路に内張材を挿入後、反転用液体を注入する初期状態において、前記注排気孔に接続したコンプレッサーによって背圧側管路内に圧縮気体を供給して背圧気体を所定圧に高めておき、反転用液体圧pと背圧側管路内の背圧気体の圧力pの差圧(Δp=p−p)が内張材の限界圧力以下となるようにして挿入側管路に反転用液体を注入しながら内張材を反転・進行させ、前記差圧Δpが零になった後は、注排気孔から背圧側管路内の気体を徐々に排出して内張材を反転・進行させることを特徴とする。
第2の発明は、管路内径とほぼ等しい外径の柔軟な管状の内張材に硬化性樹脂を含浸させ、管路内に挿入して液体圧により反転させながら管路内に内張りする反転内張方法において、予め到達側管路端に、バルブを備えた注排気孔を有する密閉蓋を取付けておき、内張材挿入時に挿入側管路内に反転用液体を注入しながら、かつ、反転部より前方の背圧側管路内への前記注排気孔からの背圧用気体の注入または、前記背圧側管路内からの背圧用気体の排出による背圧側管路内圧力調整を行いながら内張材を反転・進行させ、前記背圧側管路内圧力調整として、到達側管路の前記注排気孔にコンプレッサーを接続しておき、内張材挿入時において、挿入側管路内に注入する反転用液体圧pと背圧側管路内の背圧気体の圧力pの差圧(Δp=p−p)が内張材の限界圧力以下になるように前記コンプレッサーによって背圧側管路内に圧縮気体を注入して背圧管路の圧力を調整しながら、且つ内張材の反転・進行速度を制御し、前記差圧Δpが零になった後は注排気孔から背圧側管路内の気体を徐々に排出して内張材を反転・進行させることを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、内張材の反転・進行を制御するため内張材の端部に反力ロープを取付けた反転内張り方法において、反力ロープが所定反力Rとなるように反転用液体圧に応じて背圧気体圧を調整して排出することを特徴とする。
第4の発明は、第1の発明における背圧側管路内圧力調整として、到達側管路の前記注排気孔にコンプレッサーを接続しておき、内張材挿入時において、挿入側管路内に注入する反転用液体圧pと背圧側管路内の背圧気体の圧力pの差圧(Δp=p−p)が内張材の限界圧力以下になるように前記コンプレッサーによって背圧側管路内に圧縮気体を注入して背圧管路の圧力を調整しながら、且つ内張材の反転・進行速度を制御し、前記差圧Δpが零になった後は注排気孔から背圧側管路内の気体を徐々に排出して内張材を反転・進行させることを特徴とする。
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明における内張材の反転・進行を制御するため、内張材の端部に反力ロープを取付けた反転内張り方法において、反力ロープが所定反力Rとなるように反転用液体圧に応じて背圧気体圧を調整して排出することを特徴とする。
本発明の反転内張り方法は、傾斜管路や鉛直管路の内張材施工において、予め、到達側管路端にバルブを備えた注排気孔を有する密閉蓋を取付けておき、内張材挿入時に挿入側管路内に反転用液体を注入しながら、かつ、前記注排気孔から反転部より前方の背圧側管路内への背圧用気体の注入と、前記背圧側管路内の背圧用気体の排出による背圧側管路内圧力調整を行いながら内張材を反転・進行させることとしているため、反転挿入時に内張材に過大な圧力を生じさせることなく円滑な反転・進行とすることができる。
また、緩い勾配の傾斜管路や短い傾斜管路においては、内張材の挿入時に到達側管路端に取付けた密閉蓋のバルブを操作して、背圧側管路内の背圧用気体を排気するのみで内張材を反転・進行できるため、極めて簡単な設備構成で容易に施工ができる。
また、急勾配の傾斜管路や長い傾斜管路および鉛直管路においては、前記注排気孔にコンプレッサーを接続して内張材の挿入時に背圧側管路内に所定の圧縮気体を注入し、また、背圧側圧力と反転圧力の差が小さくなったら注排気孔から背圧用気体を排気することによって、内張材の反転部に過大な圧力を作用させることがないため内張材を傷めることなく、しかも内張材の反転・進行を適切な速度に調整して施工することができる。
以上のように、本発明によれば従来技術のような背圧用の水(液体)が得難い施工場所においても容易に施工できる。更に、本発明では背圧用に水等を用いないため内張材の硬化性樹脂と水の接触を防止するために先行して管路内に不透水性フィルムを挿通しておく必要がないためこの材料の調達と作業工程が不要となる。
以下、本発明の実施形態について図を参照して説明する。
図1は本発明に係る実施形態の説明図であって、埋設された傾斜管路に本発明に係る反転内張り方法を適用した施工中の実施形態の縦断図である。
本発明の実施にあたっては、次の手順を実行する。なお、従来技術と同一要素には同一符号を付して説明する。
(1)まず、内張り施工範囲の始・終端部に発進立坑2と到達立坑3を設け、傾斜した既設の管路1を切断する。
(2)発進側の管路1の管端には内張材10の反転用液体29に所望の反転圧を生じさせ、かつ内張材10を管路1にスムーズに挿入させるための鉛直管の下端部を曲げた誘導管4を取付ける。また、誘導管4を使用せず内張材10の挿入端に固定用の円筒のみを設置してもよい。
(3)既設管路1内を点検し、劣化によって管路に孔が明いていたり、管路の継手に隙間が生じている場合は、本発明で用いる背圧用の気体が洩れる恐れがあるため、予めパテ等で孔や隙間を塞いでおく。また、管路の劣化が著しい場合は、従来技術で採用されていた管路内径と同じ径の不透水性フィルムを管路内に挿通して背圧用の気体が洩れるのを防止してもよい。
(4)次に、管路到達側に注排気孔18を有する密閉蓋19を既設管路1の到達部管口に溶接やフランジ継手等により固定しておく(図には、フランジ継手20を示している)。密閉蓋19の注排気孔18には、バルブ21付きの注排気管22が接続されている。
内張り施工する傾斜管路1の勾配が緩い場合や管路長が短い場合は、内張材10の挿入時反転圧pと背圧側管路の背圧paの差圧Δpがそれ程大きくならないため(内張材10の限界圧以下)、内張材挿入時には密閉蓋19の注排気孔18から背圧側管路にある気体(背圧用気体28という)をバルブ21を介して排気するのみでよいため前記の設備構成でよい。
しかし、内張り施工する傾斜管路1が急勾配のときや管路長が長い場合は、内張材10の挿入時に内張材が暴走(制御不能に反転・進行)したり、内張材10の挿入時反転圧pの上昇に対して背圧側管路の背圧pが上昇し難いため差Δpが大きくなって内張材10の限界圧を超える場合がある。このようなケースでは図2に示すように、管路端部に設けた密閉蓋19の注排気孔18に接続したバルブ21付きの注排気管22の先端にコンプレッサー23を接続し、内張り挿入時に背圧側管路内に圧縮気体(背圧用気体28)を注入して挿入時反転圧pと背圧側管路の背圧pの差圧Δpを内張材の限界圧以下に減じるようにする。注排気孔18とコンプレッサー23間に設けるバルブ21には三方バルブを用いて、一つの注排気孔18から注気と排気を可能としている。注排気管22には、背圧側管路の背圧pを測定する圧力計24が設けられている。
次に、本発明に係る傾斜管路の反転内張り方法について説明する。
(本発明の参考となる構成)
傾斜管路1の勾配が緩い場合や、管路長が短い場合の内張材10の施工は図1の構成とする。即ち、到達側管路の端部に注排気孔18を具備し、注排気孔18にバルブ21付きの注排気管22を接続した密閉蓋19を固定した状態で内張材10を反転挿入する。密閉蓋19のバルブ21は内張材10の反転挿入に先立って閉じておく。
次に、扁平に折畳んだ内張材10の始端部を環状に広げて誘導管4の入口端部に被せ、バンド9で固定した後、内張材10を誘導管4内に人力作業で反転させながら押込む。誘導管4を使用しない場合は、挿入端の円筒に固定した内張材10を反転させながら既設管路1の端部内まで押し込む。
なお、扁平に折畳んだ内張材10の終端部には反力ロープ11を取付けておくのが望ましい。この反力ロープ11は内張材10が管路長の半分を過ぎた後、反転・進行の速度を調整する補助を担うことができる(反力ロープ11の操作については後述する)。
内張材10を或る程度人力作業で反転して押込んだ後、管路1の上端部近傍に配置した貯槽25内の水(つまり反転用液体29)を水中ポンプ26で汲み上げて注水ホース27から内張材10の挿入側に注入しながら、かつ、折畳んだ内張材10の反転部12に反転圧pをかけながら内張材10を反転・進行させる。
本発明はこの反転用液体29による反転内張り時において、反転部12より前方の背圧側管路内に蓄圧された背圧用気体28を注排気孔18から排出しながら内張材10を反転・進行させるものである。背圧用気体28は通常は空気を用いる。
図3は、横軸に水平距離L、縦軸に圧力pをとって内張材挿入時における反転圧p、背圧側管路内の背圧および差圧Δpの変化を示したものである。
内張材10が管路内に挿入されるに従って、背圧側管路内の背圧用気体(空気)28が圧縮されて背圧pa1が次第に高まり、遂には反転圧pと背圧pa1が同じになるA点以降は内張材10の進行が停止してしまう。従って、この状態になる前に密閉蓋19のバルブ21を徐々に開いて背圧側管路内の背圧用気体28を排出して、背圧pa2を低下させると共に反転用液体29を注入すると内張材10の反転・進行を継続することができる。
なお、密閉蓋19のバルブ21を徐々に開いて背圧側管路内の気体28を排出する場合、反転用液体29の注入量に応じてバルブ21の開き加減を調整することによって、内張材10の反転・進行の速度を調整することができる。
実施例1の反転内張り方法を採用する場合は、予め内張材挿入時の反転圧pと密閉蓋19を閉じた状態で発生する背圧との差圧Δpを算定し、この値が内張材19の限界圧pc(安全率を見込んだ許容耐圧)内に収まることを検証しておく必要がある。
既設管路1が急勾配の場合は、内張材10に注入する反転用液体29の水頭圧による反転圧pが高くなり易く、一方、管路長が長いと管内容積が大きくなるため背圧側管路内の圧力pa1が高まり難くなる。このために、図4に示すように差圧Δp(=p−pa1)が過大となって内張材10の限界圧pcを超え易くなる。差圧Δpが内張材10の限
界圧pcを超え更に安全率を超えた場合は、内張材10の反転部12が破裂する恐れがあ
るため背圧側管路内に圧縮気体を注入して、差圧Δpが内張材10の耐圧pc以下になる
ようにして反転内張り施工を行う。
具体的には、予め内張材挿入時の反転圧pと発生する背圧の差圧Δpを算定し、差圧Δpが内張材10の耐圧pcをオーバーする場合は、到達側管路端の注排気孔18にコンプレッサー23を接続し、背圧側管路内に背圧用気体(圧縮気体)28を注入して差圧Δpが内張材10の限界圧力pc以下になるように制御して反転内張り施工を行う。
図5は、挿入側管路に内張材10を挿入した後、反転用液体29を注入する初期状態において、コンプレッサー23から背圧側管路内に圧縮気体を供給して背圧気体28を所定圧pa0に高めた状態でコンプレッサー23を停止し、注排気孔18を閉じた状態で内張材10の反転挿入を行う。所定圧pa0は、反転用液体圧pと背圧側管路内の背圧気体の差圧Δpが内張材10の限界圧力pc以下になるような圧力値とする。
内張材10の進行に伴って背圧側管路の背圧paは、前記の所定圧pa0を加えたpa3(=pa1+pa0)で推移し、内張材10が管路内に挿入されるに従って背圧側管路内の背圧pa3が次第に高まり、遂には反転圧pと背圧pa3が同じになるA点以降は、密閉蓋19のバルブ21を徐々に開いて背圧側管路内の背圧用気体28を排出して背圧pa2を低下させると共に、反転用液体29を注入して内張材10の反転・進行を継続する。
(本発明に対応する構成)
図6では、傾斜管路1の到達側管路端に設けた密閉蓋19の注排気孔18にコンプレッサー23を接続しておき、内張材10の挿入時にコンプレッサー23から連続的または間欠的に背圧用気体(圧縮気体)28を注入するもので、背圧pa3が反転圧pよりわずかに低くなるように注入圧pa4を調整しながら前記の注入を行う。そして、内張材10が管路内に挿入されるに従って背圧側管路内の背圧が高まり、反転圧pと背圧pa3が同じになるA点以降はコンプレッサー23を停止して、密閉蓋19のバルブ21を徐々に開いて背圧側管路内の背圧用気体28を排出して、背圧pa2を低下させて内張材10の反転・進行を継続する反転内張りの施工方法を実施する。
実施例3では、内張材10の挿入時にコンプレッサー23から注入する背圧用気体28の注入圧pa4を調整することによって、内張材10の進行速度を調整することができる。コンプレッサー23から注入する背圧用気体28の注入圧pa4は、到達側管路端に設けた密閉蓋19の注排気孔18とコンプレッサー23間の注排気管(配管またはホース)22に設けた圧力計24によって調整する。
(本発明に対応する構成)
内張材10の反転・進行を制御するため、図1に示すように、内張材10の端部に反力ロープ11を取付けて反転内張する施工方法がある。この施工方法においては、反力ロープ11の反力Rを内張材10の挿入時に反転前の内張材10に弛みが生じなく円滑に挿入するような値とし、反転圧pと背圧の差圧Δpを考慮する際、反転圧pは反力ロープ11に与える反力Rによる圧力pr=R/A(管路断面積)を差し引いた値とする。
以上、内張材10の反転挿入時の反転用液体29として水を使用した実施例を説明したが、内張材10の挿入側に密閉容器を設け、空気圧で反転する反転内張り工法に適用することもできる。また本発明は、傾斜管路、垂直管路、曲がり管路の他、水平直管路、水平曲り管路にも適用して構わない。
本発明の実施形態であって、埋設された既設の傾斜管路に本発明に係る反転内張り方法を適用した施工中の縦断図である。 本発明の実施例2、3に関するもので、背圧側管路の注排気孔にコンプレッサーを接続した例の説明図である。 実施例1における内張材挿入時の反転圧p、背圧側管路内の背圧および差圧Δpの変化を示す説明図である。 管路長さが長く、急勾配の傾斜管路における内張材挿入時の反転圧p、背圧側管路内の背圧および差圧Δpの変化を示す説明図である。 実施例2における内張材挿入時の反転圧p、背圧側管路内の背圧および差圧Δpの変化を示す説明図である。 実施例3における内張材挿入時の反転圧p、背圧側管路内の背圧および差圧Δpの変化を示す説明図である。 従来例の内張り反転方法を実施した断面図である。
符号の説明
1 管路
2 発進立坑
3 到達立坑
4 誘導管
5 密閉蓋
6 排出孔
7 不透水性フィルム
8 固定ピース
9 固定バンド
10 内張材
10a 反転前の内張材
11 反力ロープ
12 反転部
13 反転用液体
14 背圧流体
15 排出管
16 バルブ
16a 補助バルブ
17 貯槽
18 注排気孔
19 密閉蓋
20 フランジ継手
21 バルブ
22 注排気管
23 コンプレッサー
24 圧力計
25 貯槽
26 水中ポンプ
27 注水ホース
28 背圧用気体
29 反転用液体
R 反力

Claims (3)

  1. 管路内径とほぼ等しい外径の柔軟な管状の内張材に硬化性樹脂を含浸させ、管路内に挿入して液体圧により反転させながら管路内に内張りする反転内張方法において、予め到達側管路端に、バルブを備えた注排気孔を有する密閉蓋を取付けておき、内張材挿入時に挿入側管路内に反転用液体を注入しながら、かつ、反転部より前方の背圧側管路内への前記注排気孔からの背圧用気体の注入または、前記背圧側管路内からの背圧用気体の排出による背圧側管路内圧力調整を行いながら内張材を反転・進行させ、前記背圧側管路内圧力調整として、挿入側管路に内張材を挿入後、反転用液体を注入する初期状態において、前記注排気孔に接続したコンプレッサーによって背圧側管路内に圧縮気体を供給して背圧気体を所定圧に高めておき、反転用液体圧p と背圧側管路内の背圧気体の圧力p の差圧(Δp=p −p )が内張材の限界圧力以下となるようにして挿入側管路に反転用液体を注入しながら内張材を反転・進行させ、前記差圧Δpが零になった後は、注排気孔から背圧側管路内の気体を徐々に排出して内張材を反転・進行させることを特徴とする管路の反転内張り方法。
  2. 管路内径とほぼ等しい外径の柔軟な管状の内張材に硬化性樹脂を含浸させ、管路内に挿入して液体圧により反転させながら管路内に内張りする反転内張方法において、予め到達側管路端に、バルブを備えた注排気孔を有する密閉蓋を取付けておき、内張材挿入時に挿入側管路内に反転用液体を注入しながら、かつ、反転部より前方の背圧側管路内への前記注排気孔からの背圧用気体の注入または、前記背圧側管路内からの背圧用気体の排出による背圧側管路内圧力調整を行いながら内張材を反転・進行させ、前記背圧側管路内圧力調整として、到達側管路の前記注排気孔にコンプレッサーを接続しておき、内張材挿入時において、挿入側管路内に注入する反転用液体圧p と背圧側管路内の背圧気体の圧力p の差圧(Δp=p −p )が内張材の限界圧力以下になるように前記コンプレッサーによって背圧側管路内に圧縮気体を注入して背圧管路の圧力を調整しながら、且つ内張材の反転・進行速度を制御し、前記差圧Δpが零になった後は注排気孔から背圧側管路内の気体を徐々に排出して内張材を反転・進行させることを特徴とする管路の反転内張り方法。
  3. 内張材の反転・進行を制御するため内張材の端部に反力ロープを取付けた反転内張り方法において、反力ロープが所定反力Rとなるように反転用液体圧に応じて背圧気体圧を調整して排出することを特徴とする請求項1又は2記載の管路の反転内張り方法。
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