JP4256157B2 - テーブル等の脚構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、天板を支持する支持脚内部に配線収納空間を形成したテーブルや机等の脚構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
テーブル等の天板支持脚に配線収納空間を形成し、配線ケーブル等をこの支持脚内の配線空間を介して電気接続を図るようにしたものは既に公知である(特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2001−128747号公報(第3,4頁、図5)
【特許文献2】
特開2001−128751号公報(第3,4頁、図5)
【0004】
上記特許文献に記載の天板支持脚は、周面の一部が上下方向に開口する管状の脚柱で構成され、この開口は着脱自在のカバー体により閉塞され、開口の内方にはこの開口に連通する上下方向に延びる配線収納溝が形成されている。そして脚柱の上部端には天板受座が、下端部にはテーブルの支持と高さ調整を兼ねるアジャスターが取り付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1,2に記載の脚柱はその内部に配線収納空間が形成されているために、アジャスターは脚柱に直接取り付けるのではなく、脚柱下端に設けた取付板の雌ねじ部に螺合しており、また、アジャスター操作ヘッド部は脚柱の上下方向における投影面積内にほぼ収まるものであった。
【0006】
このため、アジャスターは取付板の雌ねじ部が螺設されている長さ分だけしか螺合できず、アジャスターの取付長さを十分に確保するためには、厚みのある取付板を使用して所要の螺合長さを有する雌ねじ部を螺設する必要があった。また、アジャスターを操作する場合に、アジャスターが脚柱の投影面積内にあるために、アジャスターの調整がしづらかった。
【0007】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、一部を配線空間部として形成した脚柱においても、アジャスターの取付長さを脚柱に確保するとともに、アジャスターの調整操作を容易に行えるようにしたテーブル等の脚構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のテーブル等の脚構造は、天板を支持する支持脚内部に配線収納空間を形成したテーブル等の脚構造であって、前記脚は周面の一部が上下方向に開口する管状の脚柱から成り、該脚柱の開口側には上下方向に延びる該開口に連通する配線収納溝が、該開口の反対側には上下方向に延びる挿通孔が形成され、この挿通孔下部にはアジャスター取付用の雌ねじが螺設され、前記脚柱の断面形状は、前記アジャスターの操作ヘッド部の一部が該脚柱より露出するように形設され、前記脚柱の断面形状は、開口側から挿通孔側に向けて細くなっていることを特徴としている。
この特徴によれば、脚柱の挿通孔にアジャスター取付用の雌ねじを螺設したので、アジャスターの螺合長さを十分確保できるとともに、アジャスターが脚柱から一部外方に露出しているので、操作性がよい。しかも脚柱の断面形状が、開口側から挿通孔側に向けて細くなっているので、開口側に設けた配線収納溝を大きく形成でき、かつアジャスター側において、アジャスターの操作ヘッド部の外方への露出量を確保できる。
【0009】
本発明の請求項2に記載のテーブル等の脚構造は、天板を支持する支持脚内部に配線収納空間を形成したテーブル等の脚構造であって、前記脚は周面の一部が上下方向に開口する管状の脚柱から成り、該脚柱の開口側には上下方向に延びる該開口に連通する配線収納溝が、該開口の反対側には上下方向に延びる挿通孔が形成され、この挿通孔下部にはアジャスター取付用の雌ねじが螺設され、前記脚柱の断面形状は、前記アジャスターの操作ヘッド部の一部が該脚柱より露出するように形設され、前記開口と挿通孔との略中間部には天板あるいは天板受座を固定するためのロングボルト用の第2の挿通孔が形設され、脚柱下端にはロングボルトのボルト頭部が挿入可能な収納孔が形成されている取付板が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、脚柱の挿通孔にアジャスター取付用の雌ねじを螺設したので、アジャスターの螺合長さを十分確保できるとともに、アジャスターが脚柱から一部外方に露出しているので、操作性がよい。しかも脚柱下端部にアジャスターとロングボルトとを併設しても、ロングボルトのボルト頭部が取付板内に挿入されるので、両者の干渉が避けられる。
【0010】
本発明の請求項3に記載のテーブル等の脚構造は、請求項2に記載のテーブル等の脚構造において、前記脚柱の断面形状は、開口側から挿通孔側に向けて細くなっていることが好ましい。
このようにすれば、ロングボルトのボルト頭部が取付板内に挿入されるので、両者の干渉が避けられるとともに、開口側から挿通孔側に向けて細くなっているので、開口側に設けた配線収納溝を大きく形成でき、かつアジャスター側において、アジャスターの操作ヘッド部の外方への露出量を確保できる。
【0011】
本発明の請求項4に記載のテーブル等の脚構造は、前記挿通孔と第2の挿通孔とはそれぞれ脚柱の両側壁に連接した連結片に形成され、該各連結片は互いに分離していることが好ましい。
このようにすれば、2つの連結片が設けられているので、脚柱の強度は十分に確保でき、しかも各連結片は互いに分離しているので、中心部に成形肉がよって肉厚の均一性が崩れることが防げる。
【0012】
本発明の請求項5に記載のテーブル等の脚構造は、前記開口をテーブルに対して外方に向け、かつ着脱自在のカバー体により閉塞されることが好ましい。
このようにすれば、開口がテーブルに対して外方に向いているので、カバー体を取り外すだけで配線作業が容易に行える。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0014】
図1は本発明の一実施形態に係る天板を支持する脚柱の一部断面を示す側面図、図2の(a)は脚柱単体を下端部から視た斜視図、(b)は図1のA―A断面図、図3は脚柱の頂部に取付けられた天板取付け片の断面図であり、図4は図3のB−B断面図である。
【0015】
図1、図2に示す符号1は、例えば矩形状の天板2の四隅が脚柱4で支持されたテーブルであって、以下脚柱4の構造に付き説明する。
【0016】
この脚柱4は、図2(a)に示すように、砲弾形状の断面をなし、周面の一部(幅広側端部)が上下方向に開口8する管状体で構成され、この脚柱4には開口8の左右両端縁8a,8bから内方に向けて延設する取付片4aが一体成形されており、例えばアルミの押出し成形により製作されている。
【0017】
脚柱4の断面において、その中央部には第2ボス10が内壁に全長に亘って連結した左右のリブR1,R2として構成されている連結片に支持されており、この第2ボス10には、開口8側と反対側に切欠き10aが形成されている第2挿通孔10bが全長に亘って形成され、この挿通孔10bの下端にはロングボルトLBの軸部が挿通可能に形成されている。
【0018】
また、脚柱4の断面における尖端側には、第1ボス11が内壁に全長に亘って連結した左右のリブR’1,R’2として構成されている連結片に支持されており、この第1ボス11には、第2ボス10に向けて切欠き11aが形成されている挿通孔11bが全長に亘って形成され、この挿通孔11bには後述するアジャスターJ取付用の雌ねじT1が螺設されている。
【0019】
ここで、アジャスターJは、図1に示すように、第1ボス11下端に螺設される雌ねじ11cに螺合可能な所定長さのねじ軸JTと、このねじ軸JTの下端に設けられたアジャスターJの操作ヘッド部となる円板状のベースJBとから構成されている。このベースJBは脚柱4から一部外方に露出している。
【0020】
一方図2の(a)に示すように、脚柱4の開口8を形成する両取付片4aの内部には、開口に連通する上下に延びる配線収納溝Xが形成され、取付片4aに取外し自在に取付けられているカバー受け15に着脱自在に取付けたカバー体16と配線収納溝Xにより配線空間が形成されている。
【0021】
更に、図2の(b)に示すように左右の取付片4aには、上下方向を向く縦溝17が形成され、この縦溝17には、所定間隔で複数のカバー受け15を取付るための嵌合孔19が形成されている。
【0022】
カバー体16は、脚柱4の開口8を全長に亘って覆うように断面円弧形に形成されており、その両側には一対の係止片16aが内方に向けて並設され、それら係止片16aの先端にはカバー受け15の溝部15cに弾力的に係止される係止突部16bが形成されている。
【0023】
図2の(a),(b)に示す脚柱4の下端には、尖端部とリブR1,R2の3箇所に形成された挿通孔32内に雌ネジ18が形成され、これら雌ネジにボルトを介して取付板30が取付けられる(図1参照)。
【0024】
取付板30は、外周形状が脚柱4と同一形状をなし、第2ボス10と第1ボス11が対応する部位には、脚柱4の高さを調整するためのアジャスターJのねじ軸JTが挿通可能な開口と、ロングボルトLBのボルト頭部の外周が挿通可能な開口とが相互に連通する切欠き孔30aが形成されている。
【0025】
一方、脚柱4の頂部には、図1,図3及び図4に示されるように、ブラケットBを介して天板2が取付けられるようになっており、このブラケットBは支柱取付け部21aと天板取付け部21bから成り、支柱取付け部21aに形成した雌ねじ9にロングボルトLBが螺着することにより脚柱4と連結される。この支柱取付け部21aから離間配置されて面一の高さで形成される天板取付け部21bはボルト(図示せず)により天板2を固定支持する。
【0026】
また、図4に示すようにブラケットBは天板取付け部21bの両側に張り出して形成される一段低い段付き面21c上に一対の位置決めピンP1,P2(図中黒丸で示される)が突設しており、これらの位置決めピンP1,P2には、互いに交叉する一対の連結フレームF1、F2に円弧状に形成した複数の位置決め孔が選択的に嵌合されるようになっている。
【0027】
そして、ブラケットBの支持面7上面には、これら支持面7上面から突設した一対の嵌合ボス12a、12bに一端が挿嵌した断面角型筒状の連結フレームF1,F2が互いに交叉配置されており、これら連結フレームF1,F2の他端側に形成される断面角形筒状の各端面には、それぞれ中間ビーム5,6がボルトBTを介して連結されている。
【0028】
詳しくは、連結フレームF1,F2は、その他端側に形成される断面角型筒状の端面に中間ビーム5,6端部の内周壁5a,6aに嵌合可能な段付き状の嵌合突部14が形成され、その中央上面には天板2と螺着するためのボルト挿通孔24が形成されている。
【0029】
従って、上記のように構成されたテーブル等の脚構造によれば、脚柱4内の第1ボス11内に形成される挿通孔11bに、アジャスターJ取付用の雌ねじ11cが螺設されているので、アジャスターJの螺合長さを十分に確保できるとともに、アジャスターJのベースJBが脚柱4から一部外方に露出しているので、脚柱4の側方から高さ調整のための操作ができる。
【0030】
また、脚柱4の断面形状は、開口8側から挿通孔11bに向けて細く形成されているので、開口8側に設けた配線収納溝Xを大きく形成でき、かつアジャスターJ側において、アジャスターJの操作ヘッド部となる円板状のベースJBの外方への露出量を確保できる。
【0031】
更に、開口8と挿通孔11bとの略中間部には、天板2あるいは天板2用のブラケットBを固定するロングボルトLBの第2挿通孔10bが形設され、脚柱4の下端には、ロングボルトLBのボルト頭部31が挿入可能な収納孔としての切欠き孔30aが形成された取付板6が設けられているので、脚柱4下端部にアジャスターJとロングボルトLBとを併設しても、ロングボルトLBのボルト頭部31が取付板6内に挿入されるので、両者の干渉が避けられる。
【0032】
そして、挿通孔11bと第2の挿通孔10bとは、それぞれ脚柱4の両側壁に連接した連結片としてのリブR’1,R’2及びR1,R2に形成され、これら各リブR’1,R’2及びR1,R2は互いに分離しているので、脚柱4の強度は十分に確保でき、中心部に成形肉がよって肉厚の均一性が崩れることが防げる。
【0033】
そしてまた、開口8を天板2に対して外方に向け、かつ着脱自在のカバー体16により閉塞されるよう構成されるので、カバー体16を取り外すだけで配線作業を容易に行うことができる。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以下の効果を奏する。
【0035】
(a)請求項1項の発明によれば、脚柱の挿通孔にアジャスター取付用の雌ねじを螺設したので、アジャスターの螺合長さを十分確保できるとともに、アジャスターが脚柱から一部外方に露出しているので、操作性がよい。しかも脚柱の断面形状が、開口側から挿通孔側に向けて細くなっているので、開口側に設けた配線収納溝を大きく形成でき、かつアジャスター側において、アジャスターの操作ヘッド部の外方への露出量を確保できる。
【0036】
(b)請求項2項の発明によれば、脚柱の挿通孔にアジャスター取付用の雌ねじを螺設したので、アジャスターの螺合長さを十分確保できるとともに、アジャスターが脚柱から一部外方に露出しているので、操作性がよい。しかも脚柱下端部にアジャスターとロングボルトとを併設しても、ロングボルトのボルト頭部が取付板内に挿入されるので、両者の干渉が避けられる。
【0037】
(c)請求項3項の発明によれば、ロングボルトのボルト頭部が取付板内に挿入されるので、両者の干渉が避けられるとともに、開口側から挿通孔側に向けて細くなっているので、開口側に設けた配線収納溝を大きく形成でき、かつアジャスター側において、アジャスターの操作ヘッド部の外方への露出量を確保できる。
【0038】
(d)請求項4項の発明によれば、2つの連結片が設けられているので、脚柱の強度は十分に確保でき、しかも各連結片は互いに分離しているので、中心部に成形肉がよって肉厚の均一性が崩れることが防げる。
【0039】
(e)請求項5の発明によれば、開口がテーブルに対して外方に向いているので、カバー体を取り外すだけで配線作業が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る天板を支持する脚柱の一部断面を示す側面図である。
【図2】(a)は脚柱単体を下端部から視た斜視図、(b)は図1のA―A断面図である。
【図3】脚柱の頂部に取付けられた天板取付け片の断面図である。
【図4】B−B断面図である。
【符号の説明】
1 テーブル
2 天板
4 脚柱
4a 取付片
5,6 中間ビーム
5a,6a 内周壁
7 支持面
8 開口
8a,8b 左右両端縁
10 第2ボス
10b 第2挿通孔
11 第1ボス
11b 挿通孔
11c 雌ねじ
12a,12b 嵌合ボス
14 嵌合突部
15 カバー受け
15c 溝部
16 カバー体
16a 係止片
16b 係止突部
17 縦溝
18 雌ネジ
19 嵌合孔
21a 支柱取付け部
21b 天板取付け部
21c 段付き面
24 ボルト挿通孔
30 取付板
30a 切欠き孔
31 ロングボルトのボルト頭部
32 挿通孔
B ブラケット
BT ボルト
F1,F2 連結フレーム
J アジャスター
JB ベース(アジャスターの操作ヘッド部)
JT ねじ軸
LB ロングボルト
P1,P2 位置決めピン
R1,R2 リブ
R’1,R’2 リブ
X 配線収納溝
Claims (5)
- 天板を支持する支持脚内部に配線収納空間を形成したテーブル等の脚構造であって、前記脚は周面の一部が上下方向に開口する管状の脚柱から成り、該脚柱の開口側には上下方向に延びる該開口に連通する配線収納溝が、該開口の反対側には上下方向に延びる挿通孔が形成され、この挿通孔下部にはアジャスター取付用の雌ねじが螺設され、前記脚柱の断面形状は、前記アジャスターの操作ヘッド部の一部が該脚柱より露出するように形設され、前記脚柱の断面形状は、開口側から挿通孔側に向けて細くなっていることを特徴とするテーブル等の脚構造。
- 天板を支持する支持脚内部に配線収納空間を形成したテーブル等の脚構造であって、前記脚は周面の一部が上下方向に開口する管状の脚柱から成り、該脚柱の開口側には上下方向に延びる該開口に連通する配線収納溝が、該開口の反対側には上下方向に延びる挿通孔が形成され、この挿通孔下部にはアジャスター取付用の雌ねじが螺設され、前記脚柱の断面形状は、前記アジャスターの操作ヘッド部の一部が該脚柱より露出するように形設され、前記開口と挿通孔との略中間部には天板あるいは天板受座を固定するためのロングボルト用の第2の挿通孔が形設され、脚柱下端にはロングボルトのボルト頭部が挿入可能な収納孔が形成されている取付板が設けられていることを特徴とするテーブル等の脚構造。
- 前記脚柱の断面形状は、開口側から挿通孔側に向けて細くなっている請求項2に記載のテーブル等の脚構造。
- 前記挿通孔と第2の挿通孔とはそれぞれ脚柱の両側壁に連接した連結片に形成され、該各連結片は互いに分離している請求項2または3に記載のテーブル等の脚構造。
- 前記開口をテーブルに対して外方に向け、かつ着脱自在のカバー体により閉塞される請求項1ないし4の何れかに記載のテーブル等の脚構造。
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