JP4254677B2 - 楽音発生装置および楽音発生処理のプログラム - Google Patents
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Description
例えば、チャンネル0からチャンネル14までの15チャンネルを有する波形ROMにおいて、チャンネル1ないしチャンネル14を楽音の波形データのチャンネルとして割り当て、チャンネル0を他のデータのチャンネルとして割り当てる。そして、マイクロコンピュータなどの制御手段から他のデータに対するアクセス要求がない場合には、あるサンプルにおけるチャンネル1からチャンネル14までの波形データを時分割で順次読み出して累算し、チャンネル14の波形データを読み出した後は、チャンネル0のアクセスを行わず、次のサンプルにおけるチャンネル1からチャンネル14までの波形データを時分割で順次読み出して累算する。一方、任意のタイミングにおいて、マイクロコンピュータなどから他のデータに対するアクセス要求があったときは、そのときのサンプルにおけるチャンネル14の波形データが読み出された後は、次の時分割の期間にチャンネル0にアクセスして他のデータの処理を行う。この後は、次のサンプルにおけるチャンネル1からチャンネル14までの波形データを時分割で順次読み出して累算する。
ところが、例えば、チャンネル1の波形データを読み出している時分割のタイミングにおいて、マイクロコンピュータなどから他のデータに対するアクセス要求があったときは、そのときのサンプルにおけるチャンネル2からチャンネル14までの波形データの読出しが終了するまで、他のデータに対する処理が待たされるという問題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、複数のチャンネルの波形データによってポリフォニックな楽音信号を生成する場合に、波形データ以外の他のデータの処理を割り込みで行ったときでも、発生する楽音信号の音質が維持できるようにすることを目的とする。
図1は、各実施形態に共通の楽音発生装置のブロック図である。マイコン1は、CPU、プログラムROM、ワークRAM、入力インタフェースなどを含み、入力インタフェースを介して接続された外部の鍵盤装置などの演奏手段から入力されたイベントの音高データ、および、スイッチ部などの操作手段から入力された複数種類の楽器に対応する音色データなどに応じて楽音発生処理を実行する。
DAC4は、フィルタ回路、増幅回路、スピーカなどを含むサウンドシステム5に接続され、音源装置2から出力された楽音信号をディジタルからアナログに変換して、サウンドシステム5に出力してスピーカなどから発音させる。
波形バッファ11は、波形ROM3から各チャンネルのタイムスロットである時分割で読込んだ各サンプルの32チャンネルの波形データを入力して記憶し、セレクタ12の入力ポートAに出力する。図4は、波形バッファ11の内部構成を示すブロック図である。波形バッファ11は、32チャンネルのエリアからなるバッファ111およびバッファ112の2段構成になっている。そして、波形ROM3から時分割で読込んだ1つのサンプルにおける32チャンネルの波形データを、時分割のタイミングに同期した書込みタイミングでバッファ111に順次記憶し、次のサンプルにおいて、時分割の書込みタイミングでバッファ111の波形データを順次バッファ112に書き込み、さらに次のサンプルにおいて、時分割の書込みタイミングでバッファ112の波形データを順次セレクタ12に出力する。この場合において、バッファ111およびバッファ112は、ポートINHに入力される書込み禁止信号がローレベルのときに波形データの書込み処理を行うが、書込み禁止信号がハイレベルのときは波形データの書込みは禁止される。
セレクタ12は、SELポートに入力された切替信号に応じて、ポートA又はポートBに入力された波形データ又は補間波形データを累算器14に出力する。切替信号がローレベルのときは、ポートAに入力された波形データを累算器14に出力し、切替信号がハイレベルのときは、ポートBに入力された補間波形データを累算器14に出力する。
累算器14は、各サンプルにおける32チャンネルの波形データを累算し、RSTポートに入力される各サンプルのタイミングに同期したリセット信号に応じて、累算した各サンプルの累算波形データをDAC4に出力する。
したがって、複数のチャンネルの波形データによってポリフォニックな楽音信号を生成する場合に、波形データ以外の他のデータの処理を割り込みで行ったときでも、発生する楽音信号の音質が維持できる。
第2実施形態おいて、マイコン1から波形ROM3に記憶された他のデータを要求する要求信号に応じて、波形ROM3からの波形データの読出しを1つのチャンネルの期間中断させて、その中断期間に他のデータを読み出す点は第1実施形態と同じである。ただし、第1実施形態と異なり、その中断期間がそのまま波形データがNULLの欠落期間になる訳ではない。
(1)発音音量が最も小さい期間を欠落期間として指定する。
(2)倍音の音量が比較的小さい期間を欠落期間として指定する。
(3)あらかじめ設定された条件において音楽的に重要でない期間を欠落期間として指定する。例えば、同じ楽器に対応するチャンネルが複数ある場合には、その中で1つのチャンネルのタイムスロットを欠落期間とする。
(4)欠落期間として前回指定された時が他の期間よりも古い期間を今回の欠落期間として指定する。すなわち、同じ楽器に対応するチャンネルが頻繁に欠落することを防止する。
図8は、第3実施形態における図1の音源装置2において、波形データの読出し部分を示すブロック図である。この図において、図3に示した第1実施形態の構成と同じものについては、同一の符号によって表わしている。第3実施形態においては、波形バッファ17が第1実施形態における波形バッファ11と異なっている。第1実施形態における波形バッファ11は、図4に示したように、32チャンネル2段のバッファ111およびバッファ112で構成されていたが、第3実施形態における波形バッファ17は1チャンネル2段のバッファ(図示せず)で構成されている。また、第3実施形態においては、累算器14が波形バッファ17の前に配置されている。
波形ROM3から時分割で読込まれた各サンプルの32チャンネルの波形データは、累算器14において累算されて累算波形データが生成され、タイミング/アドレス・ジェネレータ15から入力されるリセット信号に応じて波形バッファ17に書き込まれる。例えば、サンプルnの32チャンネルの波形データである波形データ(n,1)〜波形データ(n,32)が累算されて、累算波形データ(n)として波形バッファ17の1段目のバッファに書き込まれる。次のn+1のサンプルでは、波形データ(n+1,1)〜波形データ(n+1,32)が累算されて、累算波形データ(n+1)として波形バッファ17の1段目のバッファに書き込まれる。同時に、2段目のバッファには、1段目のバッファの累算波形データ(n)が書き込まれる。したがって、補間器13のポートAには波形バッファ17の出力である累算波形データ(n)が入力され、ポートBには累算器14の出力であるさらに次の累算波形データ(n+2)が入力されている。この結果、セレクタ12のポートAには、波形バッファ17の出力である累算波形データ(n)が入力され、ポートBには、補間器13の出力である累算波形データ(n)と累算波形データ(n+2)の平均が入力されている。
したがって、第1実施形態および第2実施形態の場合と同様に、複数のチャンネルの波形データによってポリフォニックな楽音信号を生成する場合に、波形データ以外の他のデータの処理を割り込みで行ったときでも、発生する楽音信号の音質が維持できる。
入力される音高に応じた読出レートのアドレス信号を生成し、複数のチャンネルからなる楽音波形を所定の周期でサンプリングした各サンプルの波形データおよび他のデータを記憶する記憶手段から各サンプルの波形データをチャンネルごとに時分割で読み出す第1のステップと、前記第1のステップによって読み出された各サンプルにおける複数のチャンネルの波形データを累算してポリフォニックな累算波形データを生成する第2のステップと、前記記憶手段に記憶された前記他のデータを要求する要求信号に応じて前記第1のステップに対して前記記憶手段からの波形データの読出しを少なくとも1つのチャンネルの期間中断させて、当該中断期間に前記他のデータを読み出す第3のステップと、前記中断期間が存在するサンプル内において、前記波形データを読み飛ばすチャンネルを欠落期間として指定する第4のステップと、前記欠落期間における波形データを当該欠落期間が存在するサンプルの1つ前および1つ後のサンプルにおける当該欠落期間に対応するチャンネルの波形データに基づいて補間する第5のステップと、をコンピュータに実行させる。
前記第1のステップは、前記中断期間が経過した後は当該中断期間のチャンネルの波形データから読出しを再開し、前記第4のステップは、前記中断期間が存在するサンプル内のチャンネルであって、当該読出しの再開後に発生する特定のチャンネルの期間を前記欠落期間として指定する。
この場合において、前記第4のステップは、発音音量が最も小さいチャンネルの期間を前記欠落期間として指定する。あるいは、前記第4のステップは、倍音の音量が比較的小さいチャンネルの期間を前記欠落期間として指定する。あるいは、前記第4のステップは、あらかじめ設定された条件において音楽的に重要でないチャンネルの期間を前記欠落期間として指定する。
入力される音高に応じた読出レートのアドレス信号を生成し、複数のチャンネルからなる楽音波形を所定の周期でサンプリングした各サンプルの波形データおよび他のデータを記憶する第1の記憶手段から各サンプルの波形データをチャンネルごとに時分割で読み出す第1のステップと、前記第1のステップによって読み出された各サンプルにおける複数のチャンネルの波形データを累算してポリフォニックな累算波形データを生成する第2のステップと、前記第2のステップによって生成された累算波形データを第2の記憶手段に記憶する第3のステップと、前記第1の記憶手段に記憶された前記他のデータを要求する要求信号に応じて前記読出手段に対して前記第1の記憶手段からの波形データの読出しを少なくとも1つのチャンネルの期間中断させて、当該中断期間に前記他のデータを読み出す第4のステップと、前記中断期間が存在するサンプルにおける累算波形データを前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のサンプルの累算波形データと前記第2のステップによって生成された1つ後のサンプルの累算波形データによって補間する第5のステップと、をコンピュータに実行させる。
2 音源装置
3 波形ROM
4 DAC
5 サウンドシステム
11 波形バッファ
12 セレクタ
13 補間器
14 累算器
15 タイミング/アドレス・ジェネレータ
16 データラッチ
17 波形バッファ
Claims (14)
- 複数のチャンネルからなる楽音波形を所定の周期でサンプリングした各サンプルの波形データおよび他のデータを記憶する記憶手段と、
入力される音高に応じた読出レートのアドレス信号を生成し、前記記憶手段に記憶された各サンプルの波形データをチャンネルごとに時分割で読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出された各サンプルにおける複数のチャンネルの波形データを累算してポリフォニックな累算波形データを生成する累算手段と、
前記記憶手段に記憶された前記他のデータを要求する要求信号に応じて前記読出手段に対して前記記憶手段からの波形データの読出しを少なくとも1つのチャンネルの期間中断させて、当該中断期間に前記他のデータを読み出す制御手段と、
前記中断期間が存在するサンプル内において、前記波形データを読み飛ばすチャンネルの期間を欠落期間として指定する指定手段と、
前記欠落期間における波形データを当該欠落期間が存在するサンプルの1つ前および1つ後のサンプルにおける当該欠落期間に対応するチャンネルの波形データに基づいて補間する補間手段と、
を備えた楽音発生装置。 - 前記指定手段は、前記要求信号に応じて前記読出手段に対して前記記憶手段からの波形データの読出しを中断させたチャンネルの期間をそのまま前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
- 前記読出手段は、前記中断期間が経過した後は当該中断期間のチャンネルの波形データから読出しを再開し、前記指定手段は、前記中断期間が存在するサンプル内のチャンネルであって、当該読出しの再開後に発生する特定のチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
- 前記指定手段は、発音音量が最も小さいチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項3に記載の楽音発生装置。
- 前記指定手段は、倍音の音量が比較的小さいチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項3に記載の楽音発生装置。
- 前記指定手段は、あらかじめ設定された条件において音楽的に重要でないチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項3に記載の楽音発生装置。
- 複数のチャンネルからなる楽音波形を所定の周期でサンプリングした各サンプルの波形データおよび他のデータを記憶する第1の記憶手段と、
入力される音高に応じた読出レートのアドレス信号を生成し、前記第1の記憶手段に記憶された各サンプルの波形データをチャンネルごとに時分割で読み出す読出手段と、
前記読出手段によって読み出された各サンプルにおける複数のチャンネルの波形データを累算してポリフォニックな累算波形データを生成する累算手段と、
前記累算手段によって生成された累算波形データを記憶する第2の記憶手段と、
前記第1の記憶手段に記憶された前記他のデータを要求する要求信号に応じて前記読出手段に対して前記第1の記憶手段からの波形データの読出しを少なくとも1つのチャンネルの期間中断させて、当該中断期間に前記他のデータを読み出す制御手段と、
前記中断期間が存在するサンプルにおける累算波形データを前記第2の記憶手段に記憶された1つ前のサンプルの累算波形データと前記累算手段によって生成された1つ後のサンプルの累算波形データとに基づいて補間する補間手段と、
を備えた楽音発生装置。 - 入力される音高に応じた読出レートのアドレス信号を生成し、複数のチャンネルからなる楽音波形を所定の周期でサンプリングした各サンプルの波形データおよび他のデータを記憶する記憶手段から各サンプルの波形データをチャンネルごとに時分割で読み出す第1のステップと、
前記第1のステップによって読み出された各サンプルにおける複数のチャンネルの波形データを累算してポリフォニックな累算波形データを生成する第2のステップと、
前記記憶手段に記憶された前記他のデータを要求する要求信号に応じて前記第1のステップに対して前記記憶手段からの波形データの読出しを少なくとも1つのチャンネルの期間中断させて、当該中断期間に前記他のデータを読み出す第3のステップと、
前記中断期間が存在するサンプル内において、前記波形データを読み飛ばすチャンネルを欠落期間として指定する第4のステップと、
前記欠落期間における波形データを当該欠落期間が存在するサンプルの1つ前および1つ後のサンプルにおける当該欠落期間に対応するチャンネルの波形データに基づいて補間する第5のステップと、
をコンピュータに実行させる楽音発生処理のプログラム。 - 前記第4のステップは、前記要求信号に応じて前記読出手段に対して前記記憶手段からの波形データの読出しを中断させたチャンネルの期間をそのまま前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項8に記載の楽音発生処理のプログラム。
- 前記第1のステップは、前記中断期間が経過した後は当該中断期間のチャンネルの波形データから読出しを再開し、前記第4のステップは、前記中断期間が存在するサンプル内のチャンネルであって、当該読出しの再開後に発生する特定のチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項8に記載の楽音発生処理のプログラム。
- 前記第4のステップは、発音音量が最も小さいチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項10に記載の楽音発生処理のプログラム。
- 前記第4のステップは、倍音の音量が比較的小さいチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項10に記載の楽音発生処理のプログラム。
- 前記第4のステップは、あらかじめ設定された条件において音楽的に重要でないチャンネルの期間を前記欠落期間として指定することを特徴とする請求項10に記載の楽音発生処理のプログラム。
- 入力される音高に応じた読出レートのアドレス信号を生成し、複数のチャンネルからなる楽音波形を所定の周期でサンプリングした各サンプルの波形データおよび他のデータを記憶する第1の記憶手段から各サンプルの波形データをチャンネルごとに時分割で読み出す第1のステップと、
前記第1のステップによって読み出された各サンプルにおける複数のチャンネルの波形データを累算してポリフォニックな累算波形データを生成する第2のステップと、
前記第2のステップによって生成された累算波形データを第2の記憶手段に記憶する第3のステップと、
前記第1の記憶手段に記憶された前記他のデータを要求する要求信号に応じて前記読出手段に対して前記第1の記憶手段からの波形データの読出しを少なくとも1つのチャンネルの期間中断させて、当該中断期間に前記他のデータを読み出す第4のステップと、
前記中断期間が存在するサンプルにおける累算波形データを前記第1の記憶手段に記憶された1つ前のサンプルの累算波形データと前記第2のステップによって生成された1つ後のサンプルの累算波形データによって補間する第5のステップと、
をコンピュータに実行させる楽音発生処理のプログラム。
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