JP4253412B2 - 射出成形方法及び射出成形装置並びにプラスチック材料の清浄化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチック材料を用いてプラスチック成形品を成形する射出成形方法およびこの方法を実施するための射出成形装置、並びにプラスチック材料の清浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチック成形品を射出成形によって成形する射出成形装置には、プラスチック成形装置における静電除去方法として、特開平7−65986号公報所載の技術が開示されている。図7を用いて、この技術を説明する。
【0003】
ペレット状のプラスチック材料Yを投入する材料タンク151と乾燥機152のホッパー153とが、吸引管路154で接続されており、ホッパー153に接続した吸引ローダ155の吸引力により、材料タンク151内のプラスチック材料Yをホッパー153内に吸い上げることによりプラスチック材料Yを乾燥機152内に収納する。そして、この乾燥機152内でプラスチック材料Yを乾燥する。また、乾燥機152の下部と射出成形機156のホッパー157上に配置した供給ホッパー158とが吸引管路159で接続されており、供給ホッパー158に接続した吸引ローダ160の吸引力により乾燥機152内の乾燥したプラスチック材料Yを供給ホッパー158内に吸い上げた後に射出成形機156のホッパー157内に移送し、このホッパー157から射出成形機156にプラスチック材料Yを供給する。
【0004】
そして、射出成形機156から加熱溶融したプラスチック材料を射出成形機156の前方に配置した一対の成形金型161、162が型閉めした状態下で射出し、成形金型161、162で形成されるキャビティ(不図示)内でプラスチック成形品を成形する。その後、一対の成形金型161、162の型開きを行い、キャビティ内で成形されたプラスチック成形品Zを、例えば自動取り出し機163で取り出して、所望形状のプラスチック成形品を得るというものである。この際、材料タンク151に投入したペレット状のプラスチック材料に付着していた埃、ゴミ、またはプラスチック材料同士の接触や吸引管路内での摺動時に発生するプラスチック材料の粉体は、ペレット状のプラスチック材料よりも軽量なので、吸引ローダ155および吸引ローダ160により吸引されて除去されるようになっている。
【0005】
上記射出成形装置においては、プラスチック材料Y同士の相互が接触することによって、また吸引管路154内および吸引管路159内をプラスチック材料Yが摺動することによって、プラスチック材料Yが静電気を帯電し、よって各ホッパー153、157へのプラスチック材料Yの供給が円滑に行えなくなることに起因して、特開平7−65986号公報では、各ホッパー153、157に接続した吸引管路154、159の各々にイオン発生機181、182を設けている。そして、イオン発生機181、182により空気をイオン化するとともに、イオン化した空気を送風し、吸引管路154、159を通過するプラスチック材料Yに接触させて、あるいはイオン発生機181、182内の管路を通過するプラスチック材料Yにイオンを照射させてプラスチック材料Yの静電気を除去し、プラスチック材料Yの供給を円滑に行えるようにしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、イオンを送風によりプラスチック材料に接触させる、すなわち除電イオンを送風に乗せてプラスチック材料に接触させ、あるいはプラスチック材料に直接にイオンを照射させて、帯電したプラスチック材料を電気的に中性にするものである。しかしながら、プラスチック材料が塊のような状態となって、管路内を移動する際には、塊の内部のプラスチック材料まで送風による除電イオンがとどかず、またプラスチック材料に直接にイオンを照射させても、塊のような状態の内部までイオンがとどかない。このようにプラスチック材料が塊のような状態となって管路内を移動する現象は、吸引ローダ155または吸引ローダ160の動作開始時において、吸引力が安定する以前に特に発生し易い。従って、この現象のために、イオンを万遍なくプラスチック材料に接触させることが困難であった。
【0007】
また、上記射出成形装置においては、上述のように、ペレット状のプラスチック材料の静電除去が不充分なために、この不充分なプラスチック材料の表面には、埃、ゴミ、またはプラスチック材料の粉体が静電気により強固に付着した状態となり、これらの埃、ゴミ、またはプラスチック材料の粉体が各吸引ローダ155、160により吸引除去されることなく、射出成形機156のホッパー157内に移送され、そして射出成形機156によりプラスチック材料とともに成形されて、プラスチック成形品の内部に異物として混入していた。従って、この異物は、プラスチック成形品に品質上の欠陥をもたらすものであった。この品質上の欠陥には、例えば、液晶ディスプレイのバックライトの光源に用いられるプリズム中の異物が乱反射を誘因し、ディスプレイのパネル上に白点として現れる等の現象がある。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1、2または3に係る発明の課題は、プラスチック材料に付着した異物等を除去し、品質上の欠陥がない成形品を得る射出成形方法を提供することである。
【0009】
請求項4、5、6または7に係る発明の課題は、請求項1、2または3に係る発明の射出成形方法を実施するための射出成形装置を提供することである。
【0010】
請求項8に係る発明の課題は、プラスチック材料に付着した異物等を除去し、品質上の欠陥がない成形品を得るプラスチック材料の清浄化方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、射出成形方法において、帯電したプラスチック材料にX線もしくは真空紫外線を照射した後、このプラスチック材料を用いて射出成形する。
【0012】
請求項2または3に係る発明は、射出成形方法において、帯電したプラスチック材料と異物とにX線もしくは真空紫外線を照射し、異物を除去した後のプラスチック材料を用いて射出成形する。
【0013】
請求項4に係る発明は、射出成形装置において、帯電したプラスチック材料を電気的に中性にするためのX線もしくは真空紫外線の照射手段と、該X線もしくは真空紫外線の照射手段により電気的に中性にされたプラスチック材料から異物を除去する異物除去手段とを有する。
【0014】
請求項5、6または7に係る発明は、射出成形装置において、プラスチック材料を収納する収納手段と、該収納手段に取付けられて帯電したプラスチック材料を電気的に中性にするためのX線もしくは真空紫外線の照射手段と、前記収納手段内でプラスチック材料を舞い上げて拡散する拡散手段と、前記収納手段に取付けられて電気的に中性にされたプラスチック材料から異物を除去する異物除去手段とを有する。
【0015】
請求項8に係る発明は、プラスチック材料の清浄化方法において、プラスチック材料にX線もしくは真空紫外線を照射して、前記プラスチック材料に電気的に付着した異物またはプラスチック材料粉およびプラスチック材料を電気的に中性にすることにより分離し、異物またはプラスチック材料粉が付着していないプラスチック材料を得る。
【0016】
請求項1に係る発明の射出成形方法では、帯電したプラスチック材料にX線もしくは真空紫外線を照射した後、このプラスチック材料を用いて射出成形することにより、X線もしくは真空紫外線の照射により帯電したプラスチック材料は中性化して異物が分離し、異物が分離した後のプラスチック材料によって射出成形が行われる。
【0017】
請求項2または3に係る発明の射出成形方法では、帯電したプラスチック材料と異物とにX線もしくは真空紫外線を照射し、異物を除去した後のプラスチック材料を用いて射出成形することにより、X線もしくは真空紫外線の照射により帯電したプラスチック材料は中性化し、プラスチック材料と異物とが分離して異物が除去され、異物を除去した後のプラスチック材料によって射出成形が行われる。
【0018】
請求項3に係る発明の射出成形方法では、上記作用に加え、X線もしくは真空紫外線の照射および異物の除去は、射出成形装置の射出筒へのプラスチック材料の供給前に行うことにより、清浄化された後のプラスチック材料が射出筒に供給され、溶解および射出が行われる。
【0019】
請求項4に係る発明の射出成形装置では、帯電したプラスチック材料を電気的に中性にするためのX線もしくは真空紫外線の照射手段と、該真空紫外線の照射手段により電気的に中性にされたプラスチック材料から異物を除去する異物除去手段とを有することにより、X線もしくは真空紫外線の照射手段によって帯電したプラスチック材料が電気的に中性にされて異物が分離し、異物除去手段によって異物が射出成形装置内から排除される。
【0020】
請求項5、6または7に係る発明の射出成形装置では、プラスチック材料を収納する収納手段と、該収納手段に取付けられて帯電したプラスチック材料を電気的に中性にするためのX線もしくは真空紫外線の照射手段と、前記収納手段内でプラスチック材料を舞い上げて拡散する拡散手段と、前記収納手段に取付けられて電気的に中性にされたプラスチック材料から異物を除去する異物除去手段とを有することにより、収納手段に収納されたプラスチック材料は、拡散手段によって収納手段内で舞い上げられ、収納手段に取付けられたX線もしくは真空紫外線の照射手段によって舞い上がったプラスチック材料を電気的に中性にさせて異物を分離させ、異物除去手段によって異物が射出成形装置内から排除される。
【0021】
請求項6に係る発明の射出成形装置では、上記作用に加え、収納手段が、X線もしくは真空紫外線の漏洩防止手段を有することにより、X線もしくは真空紫外線を収納手段内で反射または吸収して止める。
【0022】
請求項7に係る発明の射出成形装置では、上記作用に加え、収納手段が、X線もしくは真空紫外線の照射範囲と対応する位置に反射部材を有することにより、X線もしくは真空紫外線の照射装置から照射されたX線もしくは真空紫外線は、反射部材で反射し、反射光は収納手段の内部に隈なく行き渡る。
【0023】
請求項8に係る発明のプラスチック材料の清浄化方法では、プラスチック材料にX線もしくは真空紫外線を照射して、前記プラスチック材料に電気的に付着した異物またはプラスチック材料粉およびプラスチック材料を電気的に中性にすることにより分離し、異物またはプラスチック材料粉が付着していないプラスチック材料を得ることにより、帯電したプラスチック材料と異物またはプラスチック材料粉とが付着した状態から、X線もしくは真空紫外線を照射すると、それぞれが中和されて、電気的に中性の状態の物質となり、プラスチック材料と異物またはプラスチック材料粉とが互いに分離し、清浄化されたプラスチック材料が得られる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、具体的な実施の形態について説明する。本発明の実施の形態では、帯電したプラスチック材料から異物またはプラスチック材料粉を分離するのに、X線(波長が50Å(オングストローム)以下、例えば1Å前後の電磁波)を用いて説明するが、X線に代えて真空紫外線(波長が略2000Å〜50Åの電磁波)を用いることができる。また、照射手段としてのX線の照射装置は、X線に代えて真空紫外線を照射する真空紫外線の照射装置を用いることができる。
【0025】
(実施の形態1)
図1および図2は実施の形態1を示し、図1は射出成形装置全体の概略構成図、図2はプラスチック材料供給装置周辺の拡大断面図である。
【0026】
まず、射出成形装置について説明する。図1において、射出成形装置の母体である射出成形機は、基台1の略左側で、プラスチック成形品を成形する一対の金型3、4を型開閉すように取付けた型締め装置50と、一対の金型3、4に対して溶融したプラスチック材料を供給する射出装置51と、この射出装置51にプラスチック材料を供給するプラスチック材料供給装置52と、これらを制御する図示しない制御装置とから構成されている。型締め装置50は、前記一対の金型のうちの金型3を取付けた可動側プラテン54を移動自在にする駆動部55と、前記一対の金型のうちの金型4を取付けて固定した固定側プラテン56とを備える。射出装置51は、固定側プラテン56側に図示しないノズルを備え、射出筒2の上方のホッパ5から射出筒2内に供給されるプラスチック材料を、この射出筒2内で加熱軟化して、ノズルから一対の金型3、4間で形成されるキャビティ(不図示)内に射出充填するようになっている。
【0027】
また、射出筒2にプラスチック材料を供給するプラスチック材料供給装置52は、射出筒2の略右側の上方に取付けられ下側が錐形となった四角筒形状の収納手段としてのホッパ5と、このホッパ5の略中央側壁面に密着して取付けられてX線をホッパ5の内部に向けて照射可能にした照射手段としての照射装置12とを備えている。ホッパ5は、概ね上部が四角筒形状をなし、板厚0.5mmのガラスを主材料にして形成されており(板厚0.5mm以上のガラスはX線を通さないため)、下部の四角錐形がステンレス製であり、下部のステンレス製の四角筒状部5aで射出筒2に接続されている。なお、本実施の形態で、ホッパ5にガラスを用いるのは、後述するホッパ5内のプラスチック材料の拡散状態が確認でき、これに基づいた風量調整が可能であることからである。プラスチック材料供給装置52のホッパ5には、さらにプラスチック材料を供給するために、供給装置60から圧送管33を介して供給されたプラスチック材料を貯蔵する貯蔵タンク6およびホッパ5と貯蔵タンク6とを連結する供給管9が接続されている。また、貯蔵タンク6の下部には、材料搬送機34が配設され、供給管9を経由してホッパ5にプラスチック材料を移送するようになっている。
【0028】
また、ホッパ5内の異物(ペレット状のプラスチック材料よりも軽量な埃、ゴミ、プラスチック材料の粉体)を吸引除去する吸引装置を備えた除去装置7と、ホッパ5と除去装置7とを連結する除去管10とが接続されている。除去装置7と除去管10とにより異物除去手段を構成している。ホッパ5には、内部に筒形状の下端側全周から上方および上方中心側に向けて空気を吹き込むようにモータにファンを連結して内蔵する拡散手段57が接続されている。拡散手段57は、図2に示すように、ホッパ5内の内周に沿って、および中心上方に向けて空気が流れるように、四角錐形の内部にリング状吹き出し口19を設けたリング状溝18と、異物付きプラスチック材料15を拡散するための空気を送気する、すなわち、供給管9からホッパ5内に落下する異物付きプラスチック材料15を下方から吹き出す空気で舞い上げるように吹きつけて拡散するように空気を送気するファンに連結したモータを内蔵する拡散装置8(図1参照)と、ホッパ5と拡散装置8とを連結する拡散管11とで構成されている。なお、この外に、射出成形装置を制御する図示しない制御装置を備えている。
【0029】
図2において、ホッパ5内部には、下方に向けてその上方側に配設された供給管9と除去管10とがそれぞれ開口しており、また、内周に沿って上方に向けてその下方側に配設された拡散管11が開口しており、さらに、ホッパ5の内部中心下方側には、射出筒2へ続く四角筒状部5aの開口5bが形成されている。四角筒状部5aの開口5bの開口径dの延長線(すなわち開口形状の延長線)上には、供給管9の開口は位置しないようになっている。すなわち、供給管9から落下したプラスチック材料は、自落で落下したときには、直接に四角筒状部5aの開口5bに入り込まないようになっている。さらに、ホッパ5の外部に取付けられX線をホッパ5の内部に向けて照射可能にしたX線の照射装置12のX線をホッパ5内部に取り入れるための照射孔13が、ホッパ5内にプラスチック材料を供給する供給管9の開口の延長線に対して交叉(図では直交)するようにして設けてある。
【0030】
従って、供給管9から供給されるプラスチック材料は、照射孔13から照射されるX線に晒されるとともに、ホッパ5の内部下方から吹き出される空気によってプラスチック材料が舞い上がるときにもX線に晒され、また舞い上がった後に落下するときにもX線に晒されることになり、かつ、プラスチック材料が動くときにその姿勢が変わる(例えば、ペレットが回転するように向きは変化する)ので、プラスチック材料の表面が万遍なくX線に晒される状態に近くなる。よってプラスチック材料およびその表面に付着した異物またはプラスチック材料と一緒にホッパ5に入った異物もX線に晒される。
【0031】
つぎに、上記構成の射出成形装置を用いた射出成形方法を説明する。本実施の形態においては、プラスチック材料としてアクリルペレット材料を用いて、光学部品であるレンズの射出成形について説明する。ただし、レンズ以外の光学部品であるプリズムなどや、異物を許容しないプラスチック成形品にも、本実施の形態を適用できることは勿論である。図1に示すように、まず、供給装置60からすでに圧送管33を介して貯蔵された貯蔵タンク6から材料搬送機34によって供給管9を介して、プラスチック材料をホッパ5に移送する。このとき、プラスチック材料には、プラスチック材料同士の衝突による材料粉体や、プラスチック材料以外の塵(埃、ゴミ)からなる異物が、移送中の摩擦等によって発生する静電気によって付着し、異物付きプラスチック材料15(図2参照)となって供給管9の開口からホッパ5内に供給される。
【0032】
図2に示すように、ホッパ5内の下方側のリング状溝18には、予め拡散管11から空気が連続的に吹き込まれおり、リング状吹き出し口19を介してホッパ5の内部に矢印Bのような上方側に向けて流れる空気と、中央部側に向けて流れる空気とによって、乱気流を起こしている。また、除去管10の開口からは、矢印Cのようにホッパ5の内部から連続的に空気が吸引されている。さらに、照射孔13からは照射装置12により矢印Eで示すようにX線が連続的に照射されている。また照射されたX線は矢印Fで示すように、板厚が0.5mm以上のガラス壁を通ってホッパ5の外部に出ることはないので、ホッパ5内で不規則に反射し、ホッパ5内部の隅々まで行き渡る状態になっている。
【0033】
従って、矢印Aで示すように、供給管9からホッパ5内に導入された異物付きプラスチック材料15は、供給管9から供給された直後にX線に晒されて静電気が中和され、あるいはホッパ5内の下方からの乱気流で舞い上がって拡散され、かつ、X線の照射を受けることにより、異物付きプラスチック材料15の近辺にイオンが発生して、帯電している異物付きプラスチック材料15は中性にされ、あるいは、その後に四角筒状部の開口に向けて異物付きプラスチック材料15が移動するときに、そのプラスチック材料15に照射されるX線の照射を受けることにより帯電している異物付きプラスチック材料15が中性にされて、プラスチック材料16と異物17とに分離する。
【0034】
異物17は、乱気流で舞い上がり、ホッパ5の上方側の除去管10の開口に矢印Cで示すように吸引され、異物17より重いプラスチック材料16はホッパ5の底部の四角筒状部5aの開口5bに落ち、矢印Dで示すように射出筒2の上方側に供給される。矢印Bで示す空気の流れと、矢印Cで示す空気の流れのバランスは、異物17が必ず舞い上がって除去管10に吸い込まれるように、図示しない制御手段で調整(本実施の形態では、矢印B側は117.6kPa(1.2kgf/cm2に相当)、矢印C側は98kPa(1.0kgf/cm2に相当)である)されており、またX線の照射強度は0.01Sv/hに設定している。図1に示すように、上述の過程を経たプラスチック材料16は、射出筒2に供給され、射出装置51の図示しないスクリューおよび加熱装置によって射出筒2内部で加熱軟化されながら、一対の金型3、4の図示しない金型キャビティ方向に送られ、キャビティ内に射出充填されて所望の形状のレンズに成形される。
【0035】
本実施の形態によれば、ホッパ5内でX線が隅々まで行き渡り、ホッパ5内に導入された異物付きプラスチック材料15の全てを必ず照射するように、イオンを発生させるので、全ての異物付きプラスチック材料15を電気的に中性にすることができる。また、中和され、分離されて中性となった異物17は、ホッパー5の下方側に配設した拡散管11から吹き込まれる乱気流によってホッパ5の上方側に舞い上がり、除去管10から吸引除去されるので、プラスチック材料16と異物17との分離が確実に行われており、射出筒2にはプラスチック材料16のみを供給することができる。従って、このプラスチック材料16で射出成形すれば、異物17による品質上の欠陥がないレンズを得ることができる。品質上の欠陥がないとは、例えば、以下に示すものがある。
▲1▼ 成形されたレンズを透して見たときに認識される白い異物の発生がない。
▲2▼ 成形されたレンズを透して見たときに認識される黒い異物の発生がない。
▲3▼ 成形されたレンズに光を通した時に現れる輝点がない。
【0036】
本実施の形態では、ホッパ5に板厚0.5mm以上のガラスを用いたが、これに替えて、X線もしくは真空紫外線を通さない板厚としたアクリル(X線は板厚1.5mm以上を通さない)、ポリカーボネイト等の樹脂および金属でもよい。また、上記金属以外の物質の場合には、ホッパの外周部を金属で囲んだ多重構造にしてもよい。また、本実施の形態で示すホッパ5の下方側からの圧送空気による拡散手段以外に、ホッパ5の側面に設けた照射装置12よりも下側(下流側)に開口を形成し、供給管9から供給されるプラスチック材料を舞い上げるように強い吐出圧の空気を吐出するようにする。すなわち、ホッパ5の側面に直接破線で示す拡散管43(図2参照)を取付けてホッパ5内に空気を吹き込んだり、また、供給管9から供給されるプラスチック材料の落下方向の位置に向けて、ホッパ5の底部に別の破線で示す拡散管20(図2参照)を取付け、ホッパ5の上部に向けて空気を吹き込んでもよい。
【0037】
また、本実施の形態で示すX線もしくは真空紫外線の連続的照射以外に、供給管9から供給されるプラスチック材料の断続的な供給に合わせて、断続的な照射を行ってもよい。すなわち、供給が断続的であっても、既に静電気が中和された後の異物がホッパ内から排除されていれば、ホッパ内のプラスチック材料には異物の付着がなくなっているので、成形が良好に行われていることから、新たにホッパ内に供給されるプラスチック材料に対して静電気の中和を行えばよい。また、ホッパ内に供給されたプラスチック材料は、ホッパ内に供給された空気流によって拡散されて舞い上げられているので、舞い上がった瞬間はX線もしくは真空紫外線を照射する照射孔の位置よりもプラスチック材料は高い位置にあり、落下するまでの照射を中断してもよいので、断続的な照射を行ってもよい。
【0038】
さらに、本実施の形態で示すX線の照射強度以外に、ホッパの大きさ、材料の流通量および流通速度に応じて、照射強度は適宜調整して照射してもよい。また、本実施の形態で示す除去管10の設置位置はホッパ5の上方位置にしたが、この位置以外に、ホッパ5の側面のX線照射位置よりも高い位置に破線で示す除去管21(図2参照)を設置してもよい。
【0039】
(実施の形態2)
図3は実施の形態2を示し、X線の照射装置および異物除去手段を取着した供給管の縦断面図である。本実施の形態の射出成形装置は、実施の形態1におけるホッパに取付けたX線の照射装置および異物除去手段に加え、供給管にX線の照射装置および異物除去手段を取付けたものであり、この付加した部分のみが実施の形態1と異なり、他の部分は実施の形態1と同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分の図と説明を省略する。
【0040】
図1において、ホッパ5にプラスチック材料を供給するプラスチック材料供給装置52を構成する供給管9の外壁面には、図3に示すように、照射手段としてのX線の照射装置22と、その下流側に取付けられた除去管23と、除去管23の開口部となる除去口25を覆うようにしたフィルタ26とが配設されている。除去管23の他端は異物を吸引除去する吸引手段を備えた図示しない除去装置(実施の形態1の除去装置7と兼用してもよい)に接続されている。フィルタ26、除去管23および図示しない除去装置により異物除去手段を構成している。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0041】
X線は、供給管9の管壁に穿設した照射口24から矢印Hで示すように、供給管9内を上流側の貯蔵タンク6(図1参照)から矢印G方向に移送されてくる異物付きプラスチック材料15に照射され、静電気によって付着したプラスチック材料と異物との静電気がX線の照射によって中和され、プラスチック材料と異物とは互いに電気的に中性となって分離される。次いで、分離した異物17は、供給管9の下流側に形成した除去口25に配したフィルタ26を介して吸引されて除去管23内を矢印I方向に除去される。従って、中性となったプラスチック材料16のみが除去口25に設けたフィルタ26を透過せず、除去管9内を通過し、ホッパ5(図2参照)内に送られる。そして、プラスチック材料16がホッパ5内に供給された後、再度、実施の形態1で説明したように、ホッパ5に取付けたX線の照射装置12により、プラスチック材料16への照射が行われ、再びプラスチック材料の電気的中和が行われて異物の除去が行われる。その他の射出成形方法は、実施の形態1と同様である。
【0042】
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、供給管9とホッパ5との両方で異物を除去するので、一段と異物除去効果が大きくなる。なお、供給管9での異物除去効果が充分である場合は、ホッパ5内での異物除去手段を省略しても良い。
【0043】
(実施の形態3)
図4は実施の形態3を示し、X線の照射装置および異物除去手段を取着した貯蔵タンク付近の一部を破裁した構成図である。本実施の形態の射出成形装置は、実施の形態1におけるホッパに取付けたX線の照射装置、異物除去手段および拡散手段に加え、貯蔵タンクにもX線の照射装置、異物除去手段および拡散手段を取付けたものであり、この付加した部分のみが実施の形態1と異なり、他の部分は実施の形態1と同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分の図と説明を省略する。
【0044】
図4において、収納手段としての貯蔵タンク6は、下部が切頭円錐形に、上部が有底円筒形に形成されている。貯蔵タンク6の略中央の側壁面には、照射手段としてのX線の照射装置26が配設され、上部壁面には圧送管33とともに除去管32が接続されている。除去管32は実施の形態1と同様の除去装置7(図1参照)に接続されている。除去管32と除去装置7とにより異物除去手段を構成している。また、貯蔵タンク6の下部には、その内部に温風を送る拡散手段としての温風機27が温風管29を介して連結されている。なお、温風管29が貯蔵タンク6の下部に連結されている部分には、リング状の溝6aが形成され、この溝6aを介して上方に向けて温風が吹き上げられる構成となっている。よって、基本的に実施の形態1と同一構造の拡散手段を配したもので、貯蔵タンク6内の下部中心には、供給管9への開口6bがあり、貯蔵タンク6の上部には、開口6bの開口径dを外れた位置に、圧送管33および除去管32のそれぞれの開口が形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0045】
本実施の形態においては、温風機27から温風管29を介して貯蔵タンク6の下部側からその内部に矢印M方向にリング状に温風を吹き込もので、この吹き込みによって、上方から導入された異物付きプラスチック材料15は舞い上げられて拡散されつつ乾燥される。すなわち、圧送管33から導入された異物付きプラスチック材料15は、X線の照射装置26から矢印J方向に照射されたX線を浴びて電気的に中和されてそれぞれ中性になったプラスチック材料16と異物17とに分離し、前記温風によって吹き上げられた異物17は除去管32から吸引され、除去装置7(図1参照)に収容される。従って、電気的に中性にされ且つ乾燥されたプラスチック材料16のみが貯蔵タンク6の下部の開口6bから材料搬送機34により、供給管9を介してホッパ5に移送される。なお、照射装置26の下側に点線で示されるのは、温風管30であり、貯蔵タンク6の下部側の温風管29の他に追加して配置することにより、乾燥および拡散がより充分に行えるようにすることができる。その他の射出成形方法は、実施の形態1と同様である。
【0046】
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、貯蔵タンク6内にて異物を除去しているので、供給管9の内壁に異物が付着することはない。従って、供給管9の内壁は常に清浄であり、プラスチック材料16が滑らかに移送できるとともに、ホッパ5内で再度X線照射による異物除去が行われるので、異物除去効果がさらに大きくなる。
【0047】
なお、貯蔵タンク6での異物除去効果が充分である場合は、ホッパ5内での異物除去作業および異物除去手段を省略してもよい。また、より高い異物除去効果が必要な場合は、実施の形態2で説明したように、ホッパ5と貯蔵タンク6とを連結する供給管9の外壁面にX線の照射装置22(図3参照)とその下流のフィルタ26(図3参照)等とからなるX線の照射手段および異物除去手段を併用することも可能である。
【0048】
(実施の形態4)
図5は実施の形態4を示し、ホッパの拡大断面図である。本実施の形態の射出成形装置は、実施の形態1のホッパ内に反射部材を付設したものであり、他の部分は実施の形態1と同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分の図と説明を省略する。また、図5においても、実施の形態1と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0049】
図5において、ホッパ5の内壁には、X線の照射装置12から直接照射されるX線照射領域に対応して、X線を反射する反射部材35が配設されている。反射部材35には、ステンレス板を用い、反射面35aを鏡面に仕上げ、直接照射されるX線の照射領域より若干拡大した面積に設定している。その他の射出成形装置の構成は実施の形態1と同一である。
【0050】
X線の照射装置12から照射されるX線は、反射部材35の反射面35aで反射し、反射光をホッパ5内に隈なく行き渡らせる。その他の射出成形方法は実施の形態1と同様である。
【0051】
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、ホッパ内に反射部材を配設しない状態に比べて、X線の吸収がないので、プラスチック材料に対してより充分な照射をすることができる。その結果、異物付きプラスチック材料におけるプラスチック材料と異物との分離効果を高めることができる。
【0052】
本実施の形態では、X線の直接照射領域に反射部材を配設したが、ホッパ内壁全周に反射部材を配設したり、反射面を乱反射するように乱反射面にすれば、さらにその効果が上がることはいうまでもない。
【0053】
(実施の形態5)
図6は実施の形態5を示し、ホッパへの照射装置の取付け機構の正面図である。本実施の形態の射出成形装置は、実施の形態1とホッパへの照射装置の取付け構造のみが異なり、他の部分は実施の形態1と同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分の図と説明を省略する。また、図6においても、実施の形態1と同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0054】
図6において、ホッパ5の外周には、略リング形状をし、その両端に突起36aを有する止め金具36が嵌着され、止め金具36は突起36aを止めネジ37で締めることにより、ホッパ5の下部外周に固定されている。止め金具36は、X線の照射装置12を固定するための2ヶ所に図示しないネジ孔を穿設し屈曲した形状のアングル42を立設している。外観形状が箱形状のX線の照射装置12の下面には、一体的にステー39が延設され、その壁面にはアングル42の図示しないネジ孔に対応する長穴40が形成されている。アングル42の図示しないネジ孔には、ステー39の長孔40を介して2本の止めネジ41が螺合し、X線の照射装置12を固定するようになっている。なお、長孔40は、ホッパ5側にX線の照射装置12を押し付ける押圧力を調整可能なように、水平方向の長孔となっている。箱形状のX線の照射装置12の全外周面には、鉛入りネオプレン系ゴムからなる緩衝材38が接着固定されている。緩衝材38には、X線の照射装置12とホッパ5との間におけるX線の照射を妨げないように、ホッパ5の照射孔13(図2参照)に対応するように貫通孔(図示省略)が穿設されている。X線の照射装置12は、緩衝材38を押圧し密着してホッパ5に取付けられるように、長孔40にて位置調整され、ネジ41で固定されるようになっている。
【0055】
本実施の形態によれば、実施の形態1の効果に加え、ホッパ5の側壁に緩衝材38を介してX線の照射装置12を密着固定することができ、X線をホッパ5内で反射または吸収して止めるので、X線の照射装置12とホッパ5との隙間からX線が漏洩することはない。また、緩衝材38自体は、鉛入りネオプレン系ゴムからなっているので、X線を吸収し漏洩させない。
【0056】
本発明の実施の形態では、射出成形装置に使用されるプラスチック材料に対し、X線(波長が50Å以下、例えば1Å前後の電磁波)もしくは真空紫外線(波長が2000〜50Å)の電磁波を照射することによって、このプラスチック材料の近辺に発生するイオンによりプラスチック材料およびこれに付着する異物の静電気を中和し、両者を中性にして分離するとともに、分離した異物をプラスチック材料との質量差によって浮遊させた状態で排除していた。このようにして得られる異物を除去したプラスチック材料は、射出成形用材料として使用できる他に、圧縮成形用材料や押し出し成形用材料として使用することができる。
【0057】
また、本発明の実施の形態では、プラスチック材料を射出成形によって成形する形態において、ホッパ内の下方側から空気を吹き上げてプラスチック材料を拡散させるとともに、X線もしくは真空紫外線の電磁波を照射して静電気を中和していたが、真空紫外線の場合にはO2、N2、CO2に吸収されやすくなるために、前記を除くArガス、Heガス等の気体を空気に替えて使用してもよい。また、実施の形態2で述べた供給管および実施の形態3で述べた貯蔵タンクにおいて(即ちプラスチック材料供給装置において)、真空紫外線の電磁波を照射するときには、O2、N2、CO2を除くAr、He等の気体を流しつつ静電気の中和を行ってもよい。
【0058】
なお、本発明の実施の形態から、つぎにような技術的思想が導き出される。
(付記)
(1) 帯電したプラスチック材料にX線もしくは真空紫外線を照射した後、このプラスチック材料を用いて成形することを特徴とするプラスチック成形品の成形方法。
【0059】
付記(1)によれば、X線もしくは真空紫外線の照射により帯電したプラスチック材料は中性化し、中性化したプラスチック材料によって成形が行われるので、プラスチック材料に付着した異物等を除去し、品質上の欠陥がないプラスチック成形品を得ることができる。
【0060】
(2) 帯電したプラスチック材料と異物とにX線もしくは真空紫外線を照射し、異物を除去した後のプラスチック材料を用いて成形することを特徴とするプラスチック成形品の成形方法。
【0061】
付記(2)によれば、X線もしくは真空紫外線の照射により帯電したプラスチック材料は中性化し、プラスチック材料と異物とが分離して異物が除去され、異物を除去した後のプラスチック材料によって成形が行われるので、品質上の欠陥がないプラスチック成形品を得ることができる。
【0062】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、X線もしくは真空紫外線の照射により帯電したプラスチック材料は中性化して異物が分離し、異物を分離した後のプラスチック材料によって射出成形が行われるので、プラスチック材料に付着した異物を除去し、品質上の欠陥がない成形品を得ることができる。
【0063】
請求項2または3に係る発明によれば、X線もしくは真空紫外線の照射により帯電したプラスチック材料は中性化し、プラスチック材料と異物とが分離して異物が除去され、異物を除去した後のプラスチック材料によって射出成形が行われるので、品質上の欠陥がない成形品を得ることができる。
【0064】
請求項3に係る発明によれば、上記効果に加え、清浄化された後のプラスチック材料が射出筒に供給され、溶解および射出が行われるので、確実に品質上の欠陥がない成形品を得ることができる。
【0065】
請求項4に係る発明によれば、X線もしくは真空紫外線の照射手段によって帯電したプラスチック材料が電気的に中性にされて異物が分離し、異物除去手段によって異物が射出成形装置内から排除されるので、品質上の欠陥がない成形品を成形することができる。
【0066】
請求項5、6または7に係る発明によれば、収納手段に収納されたプラスチック材料は、拡散手段によって収納手段内で舞い上げられ、収納手段に取付けられたX線もしくは真空紫外線の照射手段によって舞い上がったプラスチック材料を電気的に中性にさせて異物を分離させ、異物除去手段によって異物が射出成形装置内から排除されるので、品質上の欠陥がない成形品を成形することができる。
【0067】
請求項6に係る発明によれば、上記効果に加え、X線もしくは真空紫外線を収納手段内で反射または吸収して止めるので、射出成形装置外へのX線もしくは真空紫外線の漏洩を防止することができる。
【0068】
請求項7に係る発明によれば、上記効果に加え、X線もしくは真空紫外線の照射装置から照射されたX線もしくは真空紫外線は、反射部材で反射し、反射光は収納手段の内部に隈なく行き渡るので、プラスチック材料と異物との分離が効率良く行われる。
【0069】
請求項8に係る発明によれば、帯電したプラスチック材料と異物またはプラスチック材料粉とが付着した状態から、X線もしくは真空紫外線を照射すると、それぞれが中和されて、電気的に中性の状態の物質となり、プラスチック材料と異物またはプラスチック材料粉とが互いに分離し、清浄化されたプラスチック材料が得られるので、射出成形の他に、圧縮成形や押し出し成形等においても、品質上の欠陥がない成形品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の射出成形装置全体の概略構成図である。
【図2】実施の形態1のプラスチック材料供給装置周辺の拡大断面図である。
【図3】実施の形態2のX線の照射装置および異物除去手段を取着した供給管の縦断面図である。
【図4】実施の形態3のX線の照射装置および異物除去手段を取着した貯蔵タンク付近の一部を破載した構成図である。
【図5】実施の形態4のホッパの拡大断面図である。
【図6】実施の形態5のホッパへの照射装置の取付け機構の正面図である。
【図7】従来技術のプラスチック成形品の射出成形装置の正面図である。
【符号の説明】
15 異物付きプラスチック材料
16 プラスチック材料
E X線
Claims (8)
- 帯電したプラスチック材料にX線もしくは真空紫外線を照射した後、このプラスチック材料を用いて射出成形することを特徴とする射出成形方法。
- 帯電したプラスチック材料と異物とにX線もしくは真空紫外線を照射し、異物を除去した後のプラスチック材料を用いて射出成形することを特徴とする射出成形方法。
- X線もしくは真空紫外線の照射および異物の除去は、射出成形装置の射出筒へのプラスチック材料の供給前に行うことを特徴とする請求項2記載の射出成形方法。
- 帯電したプラスチック材料を電気的に中性にするためのX線もしくは真空紫外線の照射手段と、該X線もしくは真空紫外線の照射手段により電気的に中性にされたプラスチック材料から異物を除去する異物除去手段とを有することを特徴とする射出成形装置。
- プラスチック材料を収納する収納手段と、該収納手段に取付けられて帯電したプラスチック材料を電気的に中性にするためのX線もしくは真空紫外線の照射手段と、前記収納手段内でプラスチック材料を舞い上げて拡散する拡散手段と、前記収納手段に取付けられて電気的に中性にされたプラスチック材料から異物を除去する異物除去手段とを有することを特徴とする射出成形装置。
- 前記収納手段は、X線もしくは真空紫外線の漏洩防止手段を有することを特徴とする請求項5記載の射出成形装置。
- 前記収納手段は、X線もしくは真空紫外線の照射範囲と対応する位置に反射部材を設けたことを特徴とする請求項5記載の射出成形装置。
- プラスチック材料にX線もしくは真空紫外線を照射して、前記プラスチック材料に電気的に付着した異物またはプラスチック材料粉およびプラスチック材料を電気的に中性にすることにより分離し、異物またはプラスチック材料粉が付着していないプラスチック材料を得ることを特徴とするプラスチック材料の清浄化方法。
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