JP4253179B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹脂フィルム特に、長尺状の配線板用樹脂フィルムをレーザ加工して樹脂フィルムを開口することのできるレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
配線板の絶縁層となる樹脂フィルムあるいは樹脂フィルムと導体層が積層されてなるフィルム配線板の樹脂層の一部を除去して加工などを行うレーザ加工装置として、X-YスキャナとX-Yステージからなるレーザ加工装置が知られている(特許文献1)。
これは、X-Yスキャナによってパルスレーザビームの照射位置を、更にX-Yステージによってそのステージに固定されている被加工材料をそれぞれ位置決めし、被加工物上の決められた点にレーザ照射して加工を行うものである。しかしながら、このような装置で長尺状の配線板用樹脂フィルム材料をレーザ加工しようとした場合、X-Yステージ上に全ての長尺状材料を固定することは困難であり、長尺状材料の一部を固定すれば、レーザ加工の際にX-Yステージを駆動した場合に、例えばX-Yステージを長尺状材料の長手方向とは垂直方向に移動する場合には、長尺状材料がねじれて皺になったり、折れたりして不良品となる場合が考えられる。
【0003】
また、送り出しリールと、加工テーブルと、巻き取りリールから構成されるレーザ加工装置も知られている(特許文献2)。
この場合、長尺状の材料は、長手方向にのみ移動するため、前述のような長尺状材料のねじれが発生することはないが、一つのレーザ加工ヘッドにてレーザ加工される範囲は通常30mm×30mm、大きくても50mm×50mmの範囲であり、長尺状材料の幅方向の加工するべき長さがこの範囲を超えた場合には、該公報に記載があるように、加工ヘッドを複数設ける必要があり、加工ヘッドを複数設けることは、それにかかる光学系等の数量も多く必要となり、高価な装置となる。
また、加工ヘッドをXY方向可動にすると、光走査に同期したマスク位置制御などが必要になり複雑かつ高価になることを考慮して、加工テーブルをXY方向に移動可能にし、帯状ワーク移動方向の直交方向に、加工テーブルの移動と共にリール手段を直動させる直動手段を設けるようにしたレーザ加工装置も提案されている(特許文献3)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−333575号公報(請求項1)
【特許文献2】
特開平11−192575号公報(請求項2、段落0013)
【特許文献3】
特開2001−105170号公報(段落0017、0019)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明は、上記したような従来の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、長尺状の配線板用樹脂フィルム材料を、皺を発生させたり傷つけたりすることなく、連続的に搬送して精度良くレーザ加工を行うことのできる簡易なレーザ加工装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、レーザ発振器と、被加工フィルムの搬送方向に往復移動可能に設けられた加工テーブルと、レーザビームを被加工フィルムの幅方向に走査する走査手段と、被加工フィルムを搬送するフィルム搬送手段とを備え、レーザビームを被加工フィルムに走査しながら照射して被加工フィルムを加工テーブルとともに移動させつつ、被加工フィルムとしての長尺状の樹脂フィルムを加工するレーザ加工装置であって、
加工テーブルを昇降させる昇降手段と、
被加工フィルムのレーザ照射側に昇降可能に設けられ、走査されるレーザビームの両端部を遮断する照射領域特定部材と、
下降させた加工テーブルと被加工フィルムとの間に向けてガスを吹き込むガス噴射手段とを設け、
被加工フィルムを加工する際には、加工テーブルと照射領域特定部材とで被加工フィルムを挟持し、
下降させた加工テーブルと被加工フィルムとの間に向けてガスを吹き込むガス噴射手段とを設け、
所定領域の加工が終了した被加工フィルムを加工テーブルから離間させる際は、加工テーブルを下降させるとともに照射領域特定部材を上昇させ、さらに被加工フィルムと加工テーブルとの間に向けてガスを吹き込むことを特徴とするレーザ加工装置である。
【0007】
また、上記レーザ加工装置において、1)被加工フィルムにイオンを照射して除電する除電手段を備えること、2)レーザ発振装置がCO2レーザであること、3)被加工フィルムのレーザ照射側に位置し、レーザビームの照射範囲を画定する照射領域特定部材を備えること、又は、4)被加工フィルムが長尺状の配線板用樹脂フィルムであることは本発明の好ましい態様である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明のレーザ加工装置(全体として符号1で示す。)の構成を示す一例である。
本発明のレーザ加工装置1で加工される被加工フィルム2には、長尺状の配線板用樹脂フィルムが適当である。長尺状の配線板用樹脂フィルムとは、少なくともレーザ加工される樹脂フィルム層が含まれる材料であり、銅層等の導体層と一体となったものであっても良く、またその導体層がパターニングされたものであっても良い。
【0009】
本発明のレーザ加工装置1に使用されるレーザ発振装置3は、連続もしくはパルス発振が可能なレーザ発振装置3であればよく、例えばYAGレーザなどが挙げられるが、好ましくはCO2レーザである。レーザ発振装置3から発振するレーザビームLの波長は、被加工フィルム2の吸収特性に合わせて選ぶことができるが、ポリイミド樹脂を含む樹脂フィルムのほとんどが吸収することのできる波長である9.2〜9.7μmの範囲であることが好ましい。
【0010】
レーザ発振装置3から発振されたレーザビームLは、ミラー4などを介して固定された1個の加工ヘッド6に導かれる。ミラー4の構成、配置及び個数などについては、特に限定されるものではなく、レーザ発振装置3から出力されたレーザビームLを加工ヘッド6に導くものであれば良い。また、本発明では、該加工ヘッド6が1個であり、所定位置に固定されている。
加工ヘッド6は、レーザ発振装置3から発振されたレーザビームLを、主に適正なエネルギ密度に制御して被加工フィルム2へと導くためのものであるが、図1では、集光レンズなどの光学レンズで構成される加工ヘッド6にレーザビームLを単方向又は双方向に走査する走査手段5が付帯された例を示している。走査されたレーザビームLは、光学レンズによって集光される。
【0011】
レーザビームLの走査手段5は、レーザビームLを連続的に一方向のみ(例えば、図1中Y方向)に走査可能な手段であれば特に限定されるものではないが、例えば、複数の反射ミラーからなる回転体であるポリゴンミラーによる方法を用いて、レーザビームLを一定幅で単方向に走査してもよく、又は、一つの反射ミラーが回転往復運動するガルバノミラーによる方法を用いて、レーザビームLを一定幅で双方向に走査しても良い。いずれにしても、レーザビームLの走査幅が50mm以上300mm以下となるような走査方法を用いることがよい。走査幅が50mm未満であると、レーザ加工すべき長尺状の被加工フィルム2によってはその加工範囲を満たすことができなくなる場合があり、300mmを超える走査幅は、走査手段5の有効範囲を超えるか、又は対応する光学レンズなどの適正な性能の範囲を超えるので、精度良いレーザ加工を行うことが困難となる。
【0012】
加工テーブル7は、長尺状の被加工フィルム2のうち少なくともレーザ加工する部分を支持するためのものであり、被加工フィルム2にレーザビームLを照射する際に被加工フィルム2が振動したりしないように固定される。レーザビームL照射中に被加工フィルム2が振動したりして移動すると、レーザビームL照射位置が、被加工フィルム2の加工すべき範囲からずれるばかりでなく、加工ヘッド6から被加工フィルム2までの距離が変化することにより、照射されるレーザビームLのエネルギ密度が変化することとなり、適正なレーザ加工が行えなくなる。
【0013】
被加工フィルム2の次の加工すべき領域が加工テーブル7の上方に来るまでの搬送時には、加工テーブル7は被加工フィルム2と接触しないように離間させるためシリンダ9を下降させてZ方向の下方向に移動している。加工すべき領域が加工テーブルの上方に来た時点で、被加工フィルム2の搬送を一旦停止し、シリンダ9の上昇により加工テーブル7をZ方向の上方向に移動させて被加工フィルム2を支持する。この搬送時に被加工フィルム2を上方下に移動させて加工テーブル7と接触しないように離間させる方法も考えられるが、被加工フィルム2の搬送方向以外の方向への移動を極力減らすことにより、長尺状の被加工フィルム2への必要以上の応力を軽減でき、ねじれなどによる皺の発生を防ぐことが有利である。
【0014】
被加工フィルム2の加工すべき領域が所定位置に来たとき、搬送が一旦停止されて加工テーブル7の上面に接触して支持されるが、その際、他の手段を付加的に用いて固定しても良い。固定の方法は特に限定されるものではないが、例えば加工テーブル7に設けられた穴を介した真空吸引の方法などは、被加工フィルム2に傷をつけることが少ないので好ましい方法である。
【0015】
被加工フィルム2を支持固定した加工テーブル7は、走査手段5によるレーザビームLの走査方向(Y方向)とは略直角(直角を含む)のX方向に一定速度で移動する。そのとき、加工テーブル7に支持固定されていない部分の被加工フィルム2に必要以上の応力がかかって切れたりしないように、例えば、被加工フィルム2の巻き出し装置10、巻き取り装置11などを設けたり、更に、被加工フィルムがたわまないようにテンションリールなどの装置を設けることが望ましい。ただし、加工テーブル7はY方向には移動しないので、長尺状の被加工フィルム2がねじれて皺になったりすることはない。
【0016】
図2は加工テーブル7の平面図であり、照射領域特定部材18を備えた場合を示している。19は加工テーブル7が停止している状態での走査されたレーザビームLの照射軌跡を表しているが、レーザ加工の際には、加工テーブル7が一定速度でX方向に移動しながら、加工ヘッド6から連続的に出力され、かつ走査されたレーザビームLが、レーザビームLの走査幅と加工テーブル7の移動距離で決められる範囲全面に照射されることとなる。この時、走査されたレーザビームLが隙間無く被加工フィルム2に照射されるよう、走査速度及び加工テーブル7の移動速度が制御される。この間レーザビームLは加工ヘッド6から連続的に出力され、かつ連続的に走査されるが、この1回のビーム連続走査によって、加工テーブル7に支持された被加工フィルム2の加工すべき範囲へのレーザビームLの照射を終了し、その時点で例えばシャッター機構などでレーザビームLが被加工フィルム2に照射されないようにした後、被加工フィルム2を搬送し、次の加工すべき範囲へレーザビームLを照射する工程に移る。
【0017】
本発明では、加工ヘッド6から連続的に出力されるレーザビームLを単方向又は双方向に走査して、この1回のビーム連続走査によって、走査幅と加工テーブル7の搬送方向の長さで決められる範囲全面にレーザビームLを照射しようとするものであり、走査幅は前述した通り50mm以上300mm以下が好ましい。加工テーブル7の長さには下限はないが、長尺状の材料を加工する場合、1回のビーム連続走査による加工面積が大きく取れることによって効率が向上するため、50mm以上が好ましいが、加工テーブル7の長さが1000mmを超えると、レーザ加工装置1自体が大きなものになり好ましくない。つまり、1回のビーム連続走査によって、50mm×50mmの範囲以上、300mm×1000mmの範囲以下領域を照射できることがよい。
【0018】
長尺状の被加工フィルム2の中には、フィルムの幅の両端に貫通穴であるガイド穴が設けられたものもあるが、このような材料をレーザ加工する場合には、フィルムの両端にあるガイド穴にレーザビームLが照射されて、加工テーブル7を傷つけないよう、レーザビームLを遮蔽することがよい。あるいは、例えば走査手段4としてガルバノミラーを用いた場合には、走査の端部はレーザビームLの折り返し点となるため、レーザビームのエネルギ密度が局部的に大きくなる場合があり、このような部分が被加工フィルム2に照射されると、所望のレーザ加工ができない場合があり、このような時にも、走査の両端が被加工フィルム2に照射されないよう、レーザビームLを遮蔽することがよい。
【0019】
照射領域特定部材18は、走査されたレーザビームLが被加工フィルム2へ照射される範囲を限定するためのものであり、特に走査されたレーザビームLの両端部を遮蔽するために用いられる。この照射領域特定部材18は、レーザビームLが照射されても加工されたり、変形したりすることの無い材料から構成されることが望ましく、例えばこの構成材料としては、レーザビームLを反射する少なくとも金あるいは銅で被覆された材料であるか、レーザビームLを吸収する表面を荒らしたアルミニウムや黒鉛などが挙げられる。また、材料の内部に冷却水が通るようにした水冷式にしても良い。照射領域特定部材18のサイズ及び形状は特に限定されないが、被加工フィルム2の加工すべき領域と、レーザビームLの走査幅に合わせて最適な形状とサイズのものを選択すればよい。
【0020】
被加工フィルム2へレーザ照射している間には、照射領域特定部材18は少なくとも被加工フィルム2のレーザ照射側に位置する必要があり、好ましくは加工ヘッド6と被加工フィルム2の間に位置するのであるが、必ずしも被加工フィルム2に接触している必要は無く、また、被加工フィルム2の搬送時には、被加工フィルム2に接触しない位置に移動することができるものであることが望ましい。
【0021】
1回のビーム連続走査によって、加工テーブル7に支持された被加工フィルム2の加工すべき範囲へのレーザビームの照射が終了した後、次の加工すべき範囲を加工テーブル7の上方にくるように被加工フィルム2を搬送するが、その際に被加工フィルム2を支持していた加工テーブル7は、Z方向の下方向に移動し、搬送される被加工フィルム2と接触しないようにする。この際、被加工フィルム2は加工テーブル7と密着しているため、例えば静電気などにより、加工テーブル7を下方向に移動しただけでは、被加工フィルム2が加工テーブル7の表面から離れない場合があり、被加工フィルム2が加工テーブル7と接触して傷がついたりする場合がある。そこで、ガス噴射ノズル100により被加工フィルム2を搬送するために加工テーブル7をZ方向の下方に移動させる時に被加工フィルム2と加工テーブル7の間に向けてガスを吹き込み、被加工フィルム2が加工テーブル7の表面からの離間を容易にする。
【0022】
ガス噴射ノズル100で噴射するガスは、窒素、アルゴンなどの不活性ガスやフィルターなどを用いて得られるクリーンエアーが考えられる。また、ガスをドライヤーなどで乾燥させて使用しても良い。
さらに、このときの噴射量は1〜数百NL/minと被加工フィルムの性質に合わせ調整することが好ましい。
【0023】
また、絶縁層である樹脂層から構成される被加工フィルム2がもつ静電気を除去して、前述の加工テーブル7から被加工フィルム2を離れやすくするため、被加工フィルムにイオンを照射する除電装置200を設けても良い。
除電装置200は、少なくとも被加工フィルム2に、該被加工フィルム2を除電するためのイオンを照射する手段であり、絶縁層である樹脂層から構成される被加工フィルム2がもつ静電気を除去し、前述の加工テーブル7から被加工フィルム2を容易に離れるようにし、また、被加工フィルム2に埃やレーザ加工の際に発生した煤などの異物を付着させないようにする為のものである。
なお、イオンの照射は被加工フィルム2のレーザ照射面側と加工テーブル面側の両側に照射しても良いが、静電気の発生しやすい加工テーブル面側に照射するのが効果的である。
また、除電装置200をガス噴射ノズル100と別個に設けても良いし、ガス噴射ノズル100の配管に例えばイオナイザを配設し、イオン化されたガスをガス噴射ノズル100から噴射しても良い。
さらに、ガス噴射ノズル100及び除電装置200は加工テーブルの大きさや形状によっては複数を設けることができる。
【0024】
【実施例】
次に、実施例を基に本発明をさらに詳細に説明する。
波長9.6μmのレーザビームLを出力する連続発振のCO2レーザ発振装置3と、レーザビームLを双方向に走査するための走査手段5としてガルバノミラーと、走査されたレーザビームを集光して、かつレーザビームが被加工フィルムの表面に対して略垂直に入射するための複数の光学レンズから構成される加工ヘッド6と、レーザビームLの走査方向とは略直角方向に一定速度で移動可能な幅100mm×長さ500mmのワークサイズを持つ加工テーブル7と、加工テーブル7の上方に設けられた銅被覆の照射範囲特定部材18と、被加工フィルム2を加工テーブル7の上記移動方向と同じ方向に搬送するための巻き出し装置10及び巻き取り装置11とガス噴射ノズル100と、除電装置200とから構成されるレーザ加工装置1を用いた。
【0025】
加工テーブル7は、ベース8上に配置された2つの昇降シリンダ9によって取り付けられている。ベース8はサーボモータなどの駆動機構により被加工フィルム2の搬送方向である図1のX方向に移動可能であり、また、昇降シリンダ9は図1のZ方向に昇降可能である。したがって、ベース8とシリンダ9の動作によって、加工テーブル7はX方向に移動可能であるとともに、Z方向へ昇降可能となっている。
照射領域特定部材18はベース8に取り付けられたブラケット20に設けられた昇降用シリンダ21と照射領域特定部材18に取り付けられたブラケット22を介してZ方向に昇降可能に配置されている。
巻き出し装置10はロール状に巻かれた被加工フィルム2を支持する巻き出しリール12と被加工フィルム2の加工時に移動する被加工フィルム2の移動量を吸収する為、昇降可能に設けられた巻き取りダンサローラ13を備えている。また、巻き取り装置11も同様に、加工が終了した被加工フィルム2を巻き取って支持する巻き取りリール14と被加工フィルム2の加工時に移動する被加工フィルム2の移動量を吸収させるため、昇降可能に設けられた巻き取りダンサローラ15を備えている。
また、加工テーブル7の被加工フィルム2の搬送方向における上流側と下流側にはそれぞれ巻き出しローラ16と巻き取りローラ17が配置され、加工時に加工テーブル7と一体となってX方向に移動して、被加工フィルム2に張力を与えて撓まないようにしている。
なお、巻き出しリール12及び巻き取りリール14には図示していない駆動手段が設けられており、巻き出しダンサローラ13及び巻き取りダンサロール15の高さ位置を検出して昇降量分だけ巻き出し及び巻き取りを行うように制御される。
【0026】
ガス噴射ノズル100は、図3で示すように加工テーブル7に設けられた昇降シリンダ101に取り付けられており、この昇降シリンダ101の動作によりガス噴射ノズル100は、ガスを噴射する上昇位置と、被加工フィルム2を加工もしくは搬送する時に被加工フィルム2と接触することがないように退避する下降位置とに昇降可能となっている。
なお、ガス噴射ノズル100を昇降可能としているのは、被加工フイルム2が搬送中に万が一撓んだとしてもガス噴射ノズル100と接触して傷付くのを防ぐためであり、被加工フイルム2と干渉しない位置に固定して設けても良い。
ガス噴射ノズル100は、図示しないクリーンエア供給手段よりクリーンエアを被加工フィルム2の下面と加工テーブル7の上面との間に噴射するようになっている。
除電装置200はガス噴射ノズル100と隣接して設けられ、被加工フィルム2の加工テーブル面側にイオンを照射するよう配置されている。
【0027】
以上の構成を有するレーザ加工装置1の動作について説明する。
被加工フィルム2を加工する際には、加工テーブル7は上昇位置にあり、また、照射領域特定部材18は下降位置にあって被加工フィルム2を狭持している。
巻き出しダンサローラ13及び巻き取りダンサローラ15は基準の高さにセットされ、被加工フィルム2が撓まないようにテンションを与えている。
レーザ発振装置3から発振されたレーザビームLは反射ミラー4、走査装置5、加工ヘッド6を介してY方向の双方向に走査されて被加工フィルム2に照射される。尚、19がレーザビームLの走査軌跡を示す。
【0028】
レーザビームLの照射が開始されると、ベース8をX方向(図1の右方向)に移動させて加工テーブル7、照射領域特定部材18、巻き出しローラ16、巻き取りローラ17等とともに被加工フィルム2をX方向に移動させて被加工フィルム2の加工処理を行う。
この時、巻き出しリール12及び巻き取りリール14は駆動させず、被加工フィルム2の移動量は巻き出しダンサローラー13及び巻き取りダンサローラ15の昇降により吸収する。すなわち、巻き出しローラ13は被加工フィルム2が移動することにより上昇し、巻き取りローラ15は逆に下降する。
加工が進行してベース8が所定量移動すると、レーザビームLの照射及びベース8の移動を停止して被加工フィルム2への加工が終了する。
【0029】
そして、加工テーブル7と照射領域特定部材18は被加工フィルム2を狭持した状態のままベース8を加工時とは逆の方向へ移動させて加工を始めた位置まで戻し、次に、加工テーブル7を下降させ、照射領域特定部材18を上昇させて、被加工フィルム2から両者を離間させてから、被加工フィルム2を次の加工領域が加工テーブル7上に到達するまで搬送させる。
【0030】
なお、巻き出し装置10と巻き取り装置11にはそれぞれダンサロールの高さ位置を検出するセンサ(図示せず)が取り付けられており、巻き出しダンサローラ13と巻き取りダンサローラ15が基準の高さとなるように、巻き出しリール12と巻き取りリール14を駆動するようになっている。
【0031】
次に、図3に基づいて加工処理が終了した被加工フイルム2の搬送動作について説明する。
被加工フイルム2へのレーザビームの照射が終了した時点では、照射領域特定部材18とガス噴射ノズル100は下降位置にあり、加工テーブル7は上昇位置にある。(図3の(a))
被加工フイルム2を搬送する際には、まず、照射領域特定部材18を上昇させるとともに、ガス噴射ノズル100を上昇させてクリーンガスを噴射し、除電装置200を作動させて被加工フィルム2にイオンを照射する。(図3の(b))
【0032】
次に、加工テーブル8を下降させた後、クリーンガスの噴射及びイオンの照射を停止する。(図3の(c))
続いて、ガス噴射ノズル100を下降させる。(図3の(d))
それから、被加工フィルム2を搬送させる。なお、被加工フィルム2の搬送時にガスの噴射を停止するのは搬送される被加工フィルム2の姿勢がガスにより乱れるのを防ぐためである。(図3の(e))
そして、被加工フィルム2が所定量搬送されると再度被加工フィルム2を狭持するために、加工テーブル7を上昇させるとともに、照射領域特定部材18を下降させる。
【0033】
続いて、本発明のレーザー加工装置を用いた実験結果を説明する。
幅70mm、長さ20mのポリイミドで構成される厚み0.05mmの樹脂フィルムの両面に厚み18μmの銅箔が一体化されており、一側の銅箔に直径0.1mmから2.0mmまでの複数の円形の開口パターンがエッチングの手法で形成されている長尺状の被加工フィルムのレーザ加工を行った。同じ構成とサイズであり、樹脂フィルムの構成だけが、異なるポリイミドを用いている複数の被加工フィルムのレーザ加工も行った。
まず、長尺状の被加工フィルムのパターンがエッチングされている面にレーザビームが照射されるように被加工フィルムを配置し、その加工すべき範囲が、加工テーブル上方に来るまで被加工フィルムを搬送させた。そのとき、加工テーブルを、搬送される被加工フィルムに接触しない位置まで下降させ、照射範囲特定部材を、搬送される被加工フィルムに接触しない位置まで上昇させた。被加工フィルムの加工すべき範囲が加工テーブル上方に来た時点で、被加工フィルムの搬送を一時停止させ、加工テーブルを上昇させて、加工テーブルに設けられた複数の穴を介して真空ポンプによる吸引の方法で被加工フィルムを加工テーブルに固定し、同時に、被加工フィルムの幅方向の両端からそれぞれ5mmづつを覆うための照射範囲特定部材を、被加工フィルム位置まで下降させた。
【0034】
レーザ発振装置に設けられたシャッター装置を開けて、加工ヘッドに導かれたレーザビームが走査装置により幅70mm幅に双方向に走査され、複数の光学レンズを経たレーザビームを被加工フィルムに照射開始すると同時に、被加工フィルムを固定した加工テーブルを、一定速度で、レーザビームの走査方向とは略直角方向に移動を開始した。加工テーブルが490mm移動したところで加工テーブルの移動を停止した。この1回のビーム連続走査による60mm×490mmの範囲の被加工フィルムへのレーザ照射が完了後、前記ノズルからクリーンエアを被加工フィルムと加工テーブルの間に向けて吹き込みながら、加工テーブルを被加工フィルムと接触しない位置まで下降させ、次の加工すべき範囲が加工テーブル上方に来るまで被加工フィルムを搬送した。被加工フィルム20mの全てのレーザ加工が終了するまで、上記搬送、レーザ照射を繰り返した。
【0035】
複数種類の被加工フィルムは別々にレーザ加工したが、そのときの加工テーブルの移動速度、つまり、レーザ加工速度は0.6〜1.0m/分の速度であった。
レーザ加工が終了したそれぞれの被加工フィルムには、摺り傷などは観測されず、また、煤や埃などの異物の吸着も目視では観測されなかった。さらに、ねじれたために起こる皺などは見られず、被加工フィルム片面側に設けられた銅箔の開口部に露出した部分の樹脂層のみレーザ加工により除去され、良好なレーザ加工が行えたことが確認された。
【0036】
【発明の効果】
本発明のレーザ加工装置及び方法によれば、被加工フィルムに傷を発生させたり、煤や埃を付着させたりすることなく、レーザ加工を連続的に高精度で行える安価な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のレーザ加工装置の構成を示す一例の模式図
【図2】 本発明のレーザ加工装置を構成する加工テーブルの平面図
【図3】 被加工フィルム搬送時の動作を示す動作図
【符号の説明】
1 レーザ加工装置
2 被加工フィルム
3 レーザ発振装置
4 反射ミラー
5 走査装置
6 加工ヘッド
7 加工テーブル
8 ベース
9 昇降シリンダ
18 照射領域特定部材
21 昇降シリンダ
100 ガス噴射ノズル
101 昇降シリンダ
200 除電装置

Claims (4)

  1. レーザ発振器と、被加工フィルムの搬送方向に往復移動可能に設けられた加工テーブルと、レーザビームを被加工フィルムの幅方向に走査する走査手段と、被加工フィルムを搬送するフィルム搬送手段とを備え、レーザビームを被加工フィルムに走査しながら照射して被加工フィルムを加工テーブルとともに移動させつつ、被加工フィルムとしての長尺状の樹脂フィルムを加工するレーザ加工装置であって、
    加工テーブルを昇降させる昇降手段と、
    被加工フィルムのレーザ照射側に昇降可能に設けられ、走査されるレーザビームの両端部を遮断する照射領域特定部材と、
    下降させた加工テーブルと被加工フィルムとの間に向けてガスを吹き込むガス噴射手段とを設け、
    被加工フィルムを加工する際には、加工テーブルと照射領域特定部材とで被加工フィルムを挟持し、
    所定領域の加工が終了した被加工フィルムから加工テーブルを離間させる際は、加工テーブルを下降させるとともに、照射領域特定部材を上昇させ、さらに被加工フィルムと加工テーブルとの間に向けてガスを吹き込むことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 被加工フィルムにイオンを照射して除電する除電手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. レーザ発振装置がCO2レーザである請求項1又は2記載のレーザ加工装置。
  4. 樹脂フィルムが長尺状の配線板用樹脂フィルムである請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のレーザ加工装置。
JP2002363479A 2002-12-16 2002-12-16 レーザ加工装置 Expired - Lifetime JP4253179B2 (ja)

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