JP4252261B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関し、特に遊技の進行に関連した演出を制御する回路を、複数の基板に分けて構成したものに関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ遊技機は、一般に、遊技盤に遊技球を打ち出し、この打ち出した遊技球が入賞口を通過することで入賞と判定され、賞球としての遊技球を払い出すものである。また、例えば遊技球がスタートチャッカと呼ばれる入賞口を通過した場合には、所定の抽選を行い、その抽選で当選した場合には、アタッカと呼ばれる入賞口を一定期間開放状態として入賞の発生しやすい状態を作り出している。さらに、抽選の結果によっては、次の抽選での当選確率を高くする制御を行っているものもある。
【0003】
このようにして進行する遊技を盛り上げるため、パチンコ遊技機では様々な演出が行われている。演出としては、例えばスタートチャッカへの入賞があったときには液晶表示装置上で図柄を変動表示させ、この変動表示の結果によって抽選に当選したのかどうかを示す特図ゲームがある。遊技の進行に合わせて遊技盤の内外に設けられたランプ類の点灯による光による演出もある。さらに、遊技の進行に合わせてスピーカから音声を出力することによる演出もある。これら画像、光及び音声による演出は、互いに同期して行われる場合がある。
【0004】
上記したようにパチンコ遊技機では、本来の遊技の進行の他に様々な演出が行われるものとなっているが、演出の実行によって本来の遊技の進行が妨げられることがないように、遊技の進行を制御するための遊技制御基板と演出の実行を制御するための演出制御基板とを別々に設けて、遊技制御基板にかかる負荷を軽減しているものが多い。
【0005】
近年のパチンコ遊技機では、演出の態様も複雑化される傾向にあり、演出の実行のために演出制御基板にかかる負荷が大きなものとなっている。そこで、演出の実行による負荷を分散させるため、画像による演出を行うもの、光による演出を行うもの、及び音声による演出を行うものというように複数の演出制御基板に分けて構成するようになっている。この場合、複数の演出制御基板のそれぞれに遊技制御基板からのコマンドを同報で送信することで、画像、光及び音声による演出が互いに同期して行われるようにしていた。
【0006】
また、画像、光及び及び音声による演出を行うための演出手段は、遊技の興趣を向上させるための演出を目的として使用されるだけでなく、遊技に関する様々な情報を報知することを目的としても使用される。複数の種類が異なる演出手段を用いて情報の報知を行う場合、従来のパチンコ遊技機では、遊技制御基板から複数の演出制御基板に同報でコマンドを送信して、画像、光及び音声による情報の報知が互いに同期して行われるようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、実行される演出を完全に機械任せとするのではなく、遊技者の選択を反映させられるようにすれば、遊技の興趣を向上させることができる。この場合、遊技者による選択手段の操作に関する選択信号は、遊技制御基板に外部から信号を入力するのは不正防止の観点から好ましくないため、演出制御基板に直接入力されることとなる。
【0008】
1つの演出制御基板で画像、光及び音声による演出や情報の報知を行うのであれば、異なる種類の演出手段を用いて行う演出や情報の報知の同期に関して問題が発生することはない。しかしながら、処理負荷の分散のために画像、光及び音声による演出手段をそれぞれ制御する演出制御基板を互いに分けて構成した場合、いずれか1の演出制御基板にのみ指示信号を入力したのでは、異なる種類の演出手段で行われる演出や情報の報知について同期をとることが難しくなってしまう。
【0009】
一方、複数の演出制御基板のそれぞれに選択信号を入力する場合、選択手段からそれぞれの基板に配線が延びることとなる。一般に複数の演出制御基板は隣接して配置されるが、選択手段とは離れているので、選択手段から各演出制御基板とを結ぶには、全体として長い複雑な配線が必要となる。しかも、遊技機内に長い配線を張り巡らせた場合には、外部からのノイズあるいは他の配線が発生するノイズの影響を受けやすくなるという問題もある。
【0010】
さらに、複数の演出基板のそれぞれに選択信号を入力すると、一部の種類の演出が遊技者の選択に関わらないような場合であっても、演出制御基板のそれぞれが入力された指示信号に基づく処理を別々に行わなければならないこととなる。このため、全体としての処理が複雑なものとなり、開発工数がかかってしまうという問題も発生する。
【0011】
本発明は、遊技者の選択を複数種類の演出手段での演出に反映させる遊技機において、各演出手段の制御に必要な処理負荷を分散させると共に、遊技者から指示があった旨の報知を各演出手段において同期して行う遊技機を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明にかかる遊技機は、
遊技の進行を制御する遊技制御手段(遊技制御基板101(特に制御部110))と、遊技者の指示により内容を変化可能な演出を行う第1演出手段(可変表示部4)を制御する第1演出制御手段(表示制御基板301(特に制御部))と、前記第1演出手段と異なる種類の該第1演出手段の演出と同期して行われる演出を行う第2演出手段(スピーカ15)を制御する第2演出制御手段(音制御基板302(特に制御部))とを含み、前記遊技制御手段、前記第1演出制御手段及び前記第2演出制御手段を別個に配置した遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
遊技者の指示を検出し、指示検出信号を前記第1演出制御手段に前記遊技制御手段を介さないで出力する指示検出手段(左側センサ16L、右側センサ16R)をさらに備え、
前記遊技制御手段は、
遊技において大当たりを発生させるか否かを抽選により決定する決定手段(CPU111(ステップS26))と、
前記決定手段の決定結果を報知するとともに、該決定結果が報知されるまでの内容を遊技者の指示により変化可能な結果報知演出を行わせるための演出コマンドであって前記決定手段の決定結果を特定することが可能な演出コマンド(特別図柄表示用のコマンド)を前記第1演出制御手段に送信する演出コマンド送信手段(CPU111(ステップS28))を備え、
前記第1演出制御手段は、
前記遊技制御手段が送信した演出コマンドを受信したときに、該受信した演出コマンドに基づく結果報知演出を前記第1演出手段を用いて実行する第1演出実行手段(表示制御基板301の制御部(ステップS105))と、
前記演出コマンドを、前記第2演出制御手段に転送するコマンド転送手段(表示制御基板301の制御部(ステップS104))と、
前記第1演出手段において結果報知演出を実行しているときに前記指示検出手段からの前記指示検出信号が入力されたときに、該入力された指示検出信号の内容をその後に該第1演出手段で実行される結果報知演出の内容に反映させることにより遊技者から指示があった旨を報知する第1報知制御手段(表示制御基板301の制御部(ステップS305、S312))と、
前記指示検出手段からの前記指示検出信号が入力されたときに、指示検出コマンドを前記第2演出制御手段に送信する指示検出コマンド送信手段(表示制御基板301の制御部(ステップS304、S307、S311、S314))とを備え、
前記第2演出制御手段は、
前記コマンド転送手段が転送した演出コマンドを受信したときに、該受信した演出コマンドに基づく結果報知演出を前記第2演出手段を用いて実行する第2演出実行手段(音制御基板302の制御部)と、
前記第2演出手段において結果報知演出を実行しているときに前記指示検出コマンドを受信したときに、該受信した指示検出コマンドの内容をその後に該第2演出手段で実行される結果報知演出の内容に反映させることにより遊技者から指示があった旨を報知する第2報知制御手段(音制御基板302の制御部(ステップS222))とを備え、
前記結果報知演出において前記指示検出手段からの前記指示検出信号が入力されたか否かに関わらずに前記演出コマンドにより特定される前記決定手段の決定結果を報知する(図12(f)と図14(c))
ことを特徴とする。
【0013】
上記遊技機では、第1演出手段と第2演出手段とを、それぞれ第1、第2演出制御手段が別々に行っているので、第1、第2演出手段の制御に必要な処理負荷を分散させることができる。また、遊技者の指示は指示検出手段によって検出され、第1演出制御手段に入力されるが、このときに指示検出コマンドが第1演出制御手段から第2演出制御手段へと送信される。そして、指示検出信号の入力によって第1演出手段から、指示検出コマンドの受信によって第2演出手段から、それぞれ遊技者の指示があった旨の報知を同期して行うことができる。また、遊技者が指示を行った内容を、第1、第2演出手段のそれぞれで実行される結果報知演出に反映させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、遊技制御手段から第1の演出制御手段に、第1の演出制御手段から第2演出制御手段に送られる演出コマンドに基づいて第1、第2演出手段での結果報知演出の実行中において、遊技者からの指示があった旨を報知することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0014】
上記遊技機において、
前記指示検出コマンドは、前記第2演出手段により実行されるべき報知の内容を特定することが可能な情報を含むものとしてもよい。
【0015】
この場合、遊技者からの指示があった旨の第2手段からの報知について、その報知の内容を第1演出制御手段で決定することとなり、第1、第2演出手段からの報知内容を合わせることができる。
【0016】
上記遊技機において、
前記指示検出コマンドは、前記指示検出手段を用いて遊技者が行った指示の内容を特定することが可能な指示情報を含むものとしてもよい。
【0017】
この場合において、 前記指示情報は、遊技者が前記指示検出手段により指示を行ったときの演出の種類を特定することが可能な情報を含むものとすることができる。
また、前記指示検出手段は、複数の選択肢の中から遊技者が指示した選択肢を検出する選択肢検出手段(左側センサ16L、右側センサ16R)を含む場合には、
前記指示情報は、前記選択肢検出手段により検出された遊技者の指示した選択肢を特定することが可能な情報を含むものとすることができる。
【0018】
これらの場合、遊技者からの指示の内容(例えば、遊技者が指示を行ったときの演出の種類や、遊技者が指示した選択肢)に応じて第2演出手段からの報知を行うことができる。
【0019】
上記遊技機において、
前記コマンド転送手段は、前記遊技制御手段から受信したコマンドのうちの所定のコマンドを前記第2演出制御手段に転送するものとすることができる。
【0021】
上記遊技機において、
前記指示検出手段により所定期間において複数回の遊技者の指示が検出され、新たに検出された遊技者の指示が前回検出された指示と異なるときに、前記第1演出手段と前記第2演出手段の少なくとも一方により、前回に指示が検出されたときの報知と異なる態様で報知を行うものとすることができる。
【0022】
この場合、遊技者からの指示に変化が生じたかどうかを、第1演出手段からの報知態様の違いによって、或いは第2演出手段からの報知態様の違いによって、分かり易く示すことができる。
【0023】
上記遊技機において、
前記指示検出手段により所定期間において複数回の遊技者の指示が検出されたときに、遊技者の指示が検出される毎に、前記第1演出手段と前記第2演出手段とにより報知を行うものとすることができる。
【0024】
この場合、遊技者からの指示があった旨を、その指示がある度に、第1、第2演出手段から報知することができる。
【0025】
上記遊技機において、
前記第2演出手段は、例えば、音声を出力する音声出力手段から構成されたものとすることができる。
【0026】
この場合、音声出力手段からの音声による報知で、遊技者からの指示があった旨を聴覚的に分かり易く示すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0027】
上記遊技機において、
前記第1報知制御手段は、前記第1演出実行手段が実行する演出の内容を変化可能なときにおいて前記指示検出信号が入力されたときに、遊技者から指示があった旨を報知し、
前記指示検出コマンド送信手段は、前記第1演出実行手段が実行する演出の内容を変化可能なときにおいて前記指示検出信号が入力されたときに、前記指示検出コマンドを前記第2演出制御基板に送信するものとすることができる。
【0029】
上記遊技機において、
前記第1演出制御手段と前記第2演出制御手段とは、互いに隣接して配置されていることが好ましい。
【0030】
この場合、第1、第2演出制御手段の間の配線は、比較的短くて済む。指示検出手段からの配線は、第1演出制御手段にのみ延ばせばよい。このため、指示検出手段がどのような位置に配置されていたとしても、遊技機全体として必要な配線の長さを最小限にすることができるので、配線構造が複雑なものとならない。また、配線が受けるノイズの影響も最小限に抑えることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の説明において図柄の仮停止とは、図柄が一定期間継続的に更新表示を停止して、揺動、拡大縮小或いは変形している状態のことをいう。
【0032】
図1は、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。図2は、図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。パチンコ遊技機1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を指示固定する遊技機用枠(ガラス扉枠)20とから構成されている。遊技盤2は、ガイドレールによって囲まれたほぼ円形状の遊技領域を形成している。
【0033】
遊技盤2の遊技領域のほぼ中央位置には、可変表示装置3が配置されている。可変表示装置3は、LCDからなる可変表示部4が設けられている。可変表示部4は、特図ゲームの保留記憶を表示するための特別図柄保留記憶表示部4aを前面側の画像とし、特図ゲームを行うための特別図柄表示部4bを後面側の画像として、これらの画像を重ね合わせて表示する。特別図柄表示部4bは、特図ゲームに伴って、背景画像、キャラクタ画像、特別図柄等を表示する。
【0034】
このパチンコ遊技機1では、特図ゲームに使用される特別図柄としては、通常の特別図柄として円形の図形中に表示される「0」から「9」までの10種類の数字を用意している。特別図柄表示部4bには、左、中及び右の3つの表示領域で特別図柄が変動表示され、特図ゲームは、これら3つの領域で同じ数字が揃って停止することによって大当たりとなる。大当たり表示態様を構成する特別図柄の種類によっては、以降の特図ゲームにおける大当たり確率を高くする確率変動大当たりとなる。もっとも、後述する代打リーチパターンを含む所定のリーチ演出表示に発展した場合には、特別図柄が変動表示される領域が必ずしも左、中及び右の3つに分かれて表示されるとは限らない。
【0035】
可変表示装置3の可変表示部4の上側中央には、特図ゲームにおけるリーチ演出や、大当たり演出の際に駆動される役物11と、役物11の駆動に伴って発光する役物飾りランプ12a、12bとが設けられている。役物11及び役物飾りランプ12a、12bの左右には、例えば遊技者が特図ゲームにおいて表示されるキャラクタ画像等を選択するために用いられる、反射型センサからなる左側及び右側センサ16L、16Rが設けられている。可変表示装置3の可変表示部4の下側には、普図ゲームの保留記憶を表示するための普通図柄保留記憶表示部10が設けられている。
【0036】
可変表示装置3の可変表示部4の左上、右上、左横及び右横には、装飾ランプ13a、13b、13c、13dがそれぞれ設けられている。可変表示装置3を離れて遊技盤2の遊技領域の左右側にも、それぞれ装飾ランプ13e、13fが設けられている。装飾ランプ13a〜13fは、リーチ演出や大当たり演出の際に、例えば特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って発光し、画像に加えて光による演出で遊技興趣を高めるようにするものである。
【0037】
可変表示装置3の下方位置には、電動チューリップ型役物(普通電動役物)6を兼用する特別図柄始動口(スタートチャッカ)5が配設されている。特別ゲームは、特別図柄始動口5を遊技球が通過することによって開始される。特別図柄始動口5の両側には、遊技球の通過により普図ゲームを開始させるための通過ゲート7a、7bが設けられている。特別図柄始動口5及び通過ゲート7a、7bの遊技球の通過は、それぞれ最大4つまで保留記憶され、保留記憶されている数が特別図柄保留記憶表示部4a及び普通図柄保留記憶表示部(ゲート通過記憶表示器)10に表示される。
【0038】
特別図柄始動口5の下側には、大当たり発生時にソレノイド等を駆動することで開放動作を行う大入賞口(第1種特別電動役物:アタッカ)8が配設されている。大入賞口8は、特別図柄始動口5への入賞に基づいて特図ゲームが行われた結果大当たりとなった場合に、開放動作を行う。この開放動作は、遊技球が大入賞口8の内部の特定領域(図示せず)を通過することを条件として、断続的に最大15回継続して行う。また、通過ゲート7aの左側と下側、通過ゲート7bの下側と右側には、遊技球の通過によって賞球が払い出される入賞口9a〜9dが設けられている。
【0039】
ガラス扉枠20には、遊技領域を囲むようにして複数の遊技効果LED14a〜14hが設けられている。また、ガラス扉枠20の上部左右側(遊技効果LED14a、14bの内側)には、スピーカ15a、15bが設けられている。特別図柄表示部4bに表示される画像の変化に伴って、またはこの画像とは独立して、遊技効果LED14a〜14hが発光し、スピーカ15a、15bから音声が出力される。この光及び音声による演出でも遊技興趣が高められている。
【0040】
ガラス扉枠20の遊技領域の下側には、遊技領域に打ち出す遊技球を供給するための打球供給皿21が設けられている。その下側には、打球供給皿21への払い出しができなくなった賞球を払い出すための余剰球受皿22が設けられている。その右側には、遊技領域に遊技球を打ち出す発射モータ(図示せず)を駆動するための打球操作ハンドル23が設けられている。
【0041】
ガラス扉枠20の遊技領域の左側には、払い出しを完了していない賞球があることを示す賞球ランプ17が、遊技領域の上側には、払い出すべき賞球が切れてしまったことを報知する球切れランプ18が設けられている。また、パチンコ遊技機1の左側には、プリペイドカードを挿入し、遊技球の貸し出しを受けるためのプリペイドカードユニット200が設けられている。
【0042】
さらに、図2に示すように、ガラス扉枠20の背面側には、賞球を払い出すための球払出装置105と、球払出装置105が払い出し可能な賞球がなくなったことを検出するための球切れスイッチ52が設けられている。また、球払出装置105からオーバーフローした遊技球の貯留が満タンになったことを検出する満タンスイッチ53(図2には不図示:図3参照)が設けられている。
【0043】
上記の各部を制御するための制御基板として、遊技制御基板101と、表示制御基板301、音制御基板302及びランプ制御基板303と、払出制御基板104とも、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。各部に電力を供給するための電源基板100も、ガラス扉枠20の背面側に配設されている。音制御基板302及びランプ制御基板303は、表示制御基板301と隣接して配置されているため、この間の配線は非常に短いものとなっている。
【0044】
表示制御基板301、音制御基板302及びランプ制御基板303は、ユニット化されてガラス扉枠20の背面側に配設されていてもよい。表示制御基板301、音制御基板302及びランプ制御基板303は、また、物理的に1つの基板上の異なる領域に形成されたものでもよく、この場合、音制御基板302及びランプ制御基板303を表示制御基板301に接続するための配線は、基板上のプリント配線であってもよい。図3は、各基板100、101、104、301〜303を含む、パチンコ遊技機1の制御回路の構成を示すブロック図である。
【0045】
遊技制御基板101は、パチンコ遊技機1における遊技の進行全体の流れを制御するためのメイン側の制御基板であり、CPU(Central Processing Unit)111、RAM(Random Access Memory)112、ROM(Read Only Memory)113及びI/O(Input/Output)ポート114を含む1チップマイクロコンピュータからなる基本回路110を搭載している。また、遊技制御基板101は、スイッチ回路120、ソレノイド回路130、情報出力回路140及びアドレスデコード回路150を搭載している。
【0046】
CPU111は、計時機能、タイマ割り込み機能、及び乱数発生機能を備え、ROM113に記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する制御を行うと共に、パチンコ遊技機1の制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。RAM112は、CPU111がプログラムを実行する際の作業領域として使用される。ROM113は、CPU111が実行するプログラムや固定的なデータを記憶する。I/Oポート114は、基本回路110に接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
【0047】
スイッチ回路120は、通過ゲート7a、7bを通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ37、特別図柄始動口5を通過した遊技球を検出するための始動口スイッチ35、大入賞口8を通過した遊技球を検出するためのカウントスイッチ38、大入賞口8の特定領域を通過した遊技球を検出するためのVカウントスイッチ30、及び入賞口9a〜9dを通過した遊技球を検出するための入賞口スイッチ39に接続されている。また、満タンスイッチ53、球切れスイッチ52、及び球払出装置105が払い出した賞球をカウントするための賞球カウントスイッチ51にも接続されている。
【0048】
スイッチ回路120は、各スイッチ37、35、38、30、39、53、52及び51から出力されてくる入力信号を、ローパスフィルタ等を通してパルス波として整形した後に、バッファゲート等によって増幅し、I/Oポート114に出力して、CPU111に入力させるものである。
【0049】
ソレノイド回路130は、電動チューリップ型役物6を駆動するためのソレノイド45、大入賞口8の開閉を駆動するためのソレノイド48、及び大入賞口8の内部にあり、遊技球を特定領域に寄せるためのシーソー(図示せず)を駆動するためのソレノイド40に接続されている。ソレノイド回路130は、I/Oポート114から出力される制御信号に基づいて、ソレノイド40、45及び48に駆動制御信号(励磁信号)を出力する。
【0050】
情報出力回路140は、I/Oポート114から出力された制御信号に基づいて、大当たりの発生中を示す大当たり情報、確率変動状態にあることを示す確変情報、特図ゲームの始動に関する情報である始動情報、支払われた賞球に関する情報である賞球情報等の各種情報を、パチンコホール(遊技店)の管理コンピュータに対して出力する。
【0051】
アドレスデコード回路150は、CPU111から出力されたアドレス信号を入力し、デコードする。デコードした結果、CPU111の制御対象がRAM112、ROM113及びI/Oポート114のいずれであるかを選択するための信号を、CPU111に出力する。
【0052】
表示制御基板301は、CPU、RAM及びROMを含む制御部を有し、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに基づいて、特図ゲーム及び普図ゲームを含む各種の演出を制御する。表示制御基板301は、可変表示部4に接続されており、特別図柄表示部4bに特図ゲームにおける画像を表示させ、特別図柄保留記憶表示部4aに保留記憶の表示をさせる。表示制御基板301は、左側及び右側センサ16L、16Rに接続されており、この検出信号を受け付け入力する。
【0053】
表示制御基板301は、音制御基板302及びランプ制御基板303に接続されており、表示制御基板301から音制御基板302及びランプ制御基板303への一方向で、コマンドを送信する。表示制御基板301からのコマンドの送信としては、遊技制御基板101から送られてきたコマンドのうち所定のもの(音制御基板302及びランプ制御基板303の音声やランプ類の演出に関わるもの)が単純にスルーされて音制御基板302及びランプ制御基板303に送られる場合の他に、左側及び右側センサ16Lから検出信号が入力されたときに表示制御基板301の制御部により生成される検出信号コマンドが音制御基板302に送られる場合がある。この検出信号コマンドの詳細については、後述する。
【0054】
音制御基板302は、CPU、RAM及びROMを含む制御部を有している。音制御基板302は、スピーカ15(15a、15b)に接続されており、その制御部が表示制御基板301から送られてきたコマンドに従って音声再生処理を行い、内部に設けられたドライバ回路によってスピーカ15を駆動して、演出のための音声を出力させる。
【0055】
ランプ制御基板303は、CPU、RAM及びROMを含む制御部を有している。ランプ制御基板303は、遊技効果LED14(14a〜14h)、賞球ランプ17、球切れランプ18、装飾ランプ13、役物飾りランプ12(12a〜13f)、ゲート通過記憶表示器10(これらをまとめてランプ類と呼ぶ)に接続されており、その制御部が表示制御基板301を介して遊技制御基板101から送られてきたコマンドに従って、内部に設けられたドライバ回路によってランプ類を発光させ、光による演出や遊技の状況に関する情報の報知を行う。ランプ制御基板303は、また、役物用ソレノイド41にも接続されており、表示制御基板301を介して遊技制御基板101から送られてきたコマンドに従って、内部に設けられたドライバ回路が役物用ソレノイド41に駆動制御信号を出力し、役物11を駆動させる。
【0056】
払出制御基板104は、球払出装置105とプリペイドカードユニット200とに接続されており、遊技球の貸し出しのために必要な情報をプリペイドカードユニット200との間でやりとりし、また、球払出装置105に貸し出された遊技球または入賞により賞球として払い出される遊技球を払い出させるための制御回路を備えている。
【0057】
図4(a)は、表示制御基板301により生成され、音制御基板302に送られる検出信号コマンドの例を示す図である。検出信号コマンド(後述する設定クリアコマンドを除く)が音制御基板302に送られるのは、遊技者の選択を促す画面が特別図柄表示部4bに表示されている場合において、表示制御基板301の制御部が左側または右側センサ16L、16Rから遊技者の選択による検出信号の入力を受け付けた場合である。
【0058】
図4(a)に示す検出信号コマンド500は、検出信号の入力を受け付けたときに表示されていた表示画面の種別に関する情報(以下、表示画面情報)501と、左側センサ16Lと右側センサ16Rとのいずれの検出信号であるか、すなわち遊技者の選択内容に関する情報(以下、選択内容情報)502と、内容変化フラグ503とを含んでいる。内容変化フラグ503は、遊技者の指示内容に変化があったときにセットされる。なお、表示画面情報501としては、後述する遊技開始時画面や代打リーチパターンにおける打者選択画面などを識別するための情報が入れられる。
【0059】
図4(b)は、表示制御基板301内の制御部のRAMに設定されるフラグの例を示す図である。RAM510には、特図ゲーム種別フラグ511と、実行中の特図ゲームに関する各種フラグ512とを、それぞれ設定するための領域がある。特図ゲーム種別フラグは、遊技開始画面における遊技者の選択に従って設定されるフラグであり、特図ゲームにおいて使用されるキャラクタ画像の種別(「野球」か「ソフトボール」か)を示すものである。この種別は、デフォルトでは「野球」に設定される。
【0060】
実行中のゲームに関するフラグとしては、特図ゲームにおける変動表示パターンを示すパターンフラグ513と、特図ゲームの途中の選択画面における遊技者の選択に従って設定される表示態様フラグ514とがある。パターンフラグ513は、遊技制御基板101から送られてくる特別図柄表示用のコマンドの種別に従って設定される数ビットのフラグである。表示態様フラグ514の状態によって、選択画面以降の特図ゲームの表示態様が決まる(もっとも、表示結果が変わることはない)。
【0061】
図4(c)は、音制御基板302内の制御部のRAMに設定されるフラグの例を示す図である。音制御基板302のRAMには、音声態様フラグ520が設定され、音声態様フラグ520としては、特図ゲーム種別フラグ521と、遊技中フラグ522と、表示態様フラグ523とが含まれている。特図ゲーム種別フラグ521及び表示態様フラグ523は、表示制御基板301側の特図ゲーム種別フラグ511及び表示態様フラグ514と実質的に同じであり、表示制御基板301から送られてくる検出信号コマンド500に従って設定される。
【0062】
遊技中フラグ522は、遊技が進行している状態にあるかどうかを示すフラグである。遊技中フラグ522は、遊技制御基板101からのコマンドの受信が一定期間ないときに表示制御基板301から設定クリアコマンドを受信した場合に遊技開始時(非遊技中)の状態に設定され、表示制御基板301が遊技制御基板101から転送した何らかのコマンドを受信した場合に遊技中の状態に設定される。また、音制御基板302が設定クリアコマンドを受信した場合には、表示状態フラグ523もデフォルトの状態に戻される。
【0063】
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における遊技動作について説明する。なお、パチンコ遊技機1における動作としては、ランプ類の発光、役物11の駆動などを含んでいるが、この実施の形態においては、ランプ類の発光や役物11の駆動による演出は、画像の表示及び音声の出力による演出との間で同期合わせの対象となっていないため、説明を省略することとする。
【0064】
図5は、遊技制御基板101の基本回路110内のCPU111が実行する処理を示すフローチャートである。パチンコ遊技機1の電源が投入されると、図4(a)に示すメイン処理が実行されることとなる。
【0065】
メイン処理では、まず初期設定処理が行われる(ステップS11)。初期設定処理では、後述する割り込み処理を実行するタイミングを規定するタイマ割り込み時間(例えば、2msec)をCPU111に設定する処理が行われる。これにより、電源投入等によるリセット後、最初の割り込み処理が実行されるタイミングを規定するための計時が開始される。また、初期設定処理においては、種々のタイマをセットするための処理も行われる。
【0066】
初期設定処理が終了すると、この電源投入前に生じた電源エラーによる電源遮断時における状態のバックアップがされていないかどうかを判定する(ステップS12)。電源遮断時における状態のバックアップがされていれば、バックアップされていた状態を復元して、電源エラーの前の状態に復帰する(ステップS13)。そして、復帰した電源エラーの前の状態からの処理を継続して行う。
【0067】
電源遮断時における状態のバックアップがされていなければ、RAM112を初期化すること、及び各種フラグの初期化などの処理が行われる(ステップS14)。次に、表示制御基板301、音制御基板302、ランプ制御基板303、払出制御基板104などのサブ基板などに初期化コマンドを送信し、これらのサブ基板の状態を初期化させる(ステップS15)。
【0068】
サブ基板の初期化が行われると、確定図柄(予定停止図柄)を決定するための表示図柄乱数、及び特図ゲームの変動表示パターンを決定するための変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS16)。さらに、特図ゲームで大当たりとするかどうかを決定するための大当たり乱数に設定すべき初期値を決定する初期値決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS17)。ステップS15でサブ基板の初期化が終了した後には、ステップS16及びS17の処理が無限ループで繰り返して実行されることとなる。この間にタイマ割り込みが入ると、図5(b)のタイマ割り込み処理が実行され、タイマ割り込み処理が終了すると、再度ステップS16及びS17の無限ループの処理が実行されることとなる。
【0069】
タイマ割り込み処理では、まずゲートスイッチ37、始動口スイッチ35、カウントスイッチ38、Vカウントスイッチ30等の状態を入力し、各入賞口や通過ゲートに対する入賞があったか否かを判定するスイッチ処理を行う(ステップS21)。始動口スイッチ35により始動入賞が検出された場合には、このスイッチ処理において始動記憶処理が実行される。具体的には、始動口スイッチ35により始動入賞が検出されると、そのタイミングで大当たり判定用の乱数値が抽出され、始動記憶用の特別図柄判定用バンクにその抽出値が記憶される。これにより始動記憶がなされる。始動記憶用の特別図柄判定用バンクは、バンク0〜3の4カ所から構成されており、この4カ所のバンクによって最大4個の始動記憶が可能となる。よって、始動入賞が検出された際に全てのバンクに記憶がある場合には、その始動入賞が無効とされる。
【0070】
次に、パチンコ遊技機1の内部に備えられている自己診断機能によって種々の異常診断を行い、その結果に応じて必要ならば警報を発生させる等の処理を含むエラー処理を行う(ステップS22)。
【0071】
さらに、大当たり乱数を更新する処理が行われ(ステップS23)、初期値決定用乱数を更新する処理が行われ(ステップS24)、表示図柄乱数及び変動パターン決定用乱数を更新する処理が行われる(ステップS25)。ここで、初期値決定用乱数は、大当たり乱数の値が周期的に更新されるのを避けるために、例えば大当たり乱数の値が最大値に達した後に最初に行われるタイマ割り込み処理で、大当たり乱数の値として設定する初期値を決定するための乱数である。
【0072】
ステップS23〜S25における各種の乱数値の更新が終了すると、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。この特別図柄プロセス処理では、入賞確認処理が行われた後に、上記した各種の乱数を抽出して、特図ゲームの結果を大当たり表示態様とするか、特図ゲームにおいて最終的に停止して確定する図柄(確定図柄)をどの図柄とするか、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示パターンをどのパターンとするか、などの抽選を行う処理が含まれる。また、これらの抽選結果に基づいて、後述するステップS28で表示制御基板301へ伝送する特別図柄表示用のコマンドを生成する処理も行われる。
【0073】
次に、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。この普通図柄プロセス処理では、普通図柄を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0074】
次に、特別図柄コマンド処理を行う(ステップS28)。この特別図柄コマンド処理は、ステップS26において特別図柄表示用のコマンドが生成されていれば、これを基本回路110から表示制御基板301へ伝送する処理である。ここで伝送されるコマンドは、変動表示パターンや確定図柄に関する情報を含んでいる。次に、普通図柄コマンド処理を行う(ステップS29)。この普通図柄コマンド処理は、普通図柄を表示制御するためのコマンドを基本回路110から表示制御基板301へ伝送する処理である。
【0075】
次に、情報出力回路140を介して確変情報、大当たり情報、始動情報、賞球情報等の情報を外部に出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。次に、ソレノイド45、48、40を励磁制御するための制御信号をソレノイド回路130に出力するソレノイド出力処理を行う(ステップS31)。次に、基本回路110から払出制御基板104に賞球個数信号と賞球可能信号とを送信して、賞球の払出指令を行うための賞球処理を行う(ステップS32)。
【0076】
次に、保留記憶処理を行う(ステップS33)。この保留記憶処理は、例えば、特別図柄始動口5に遊技球の入賞があって保留記憶が増加した場合や特別図柄の変動が開始されて保留記憶が減少した場合などの保留記憶数が変化した場合に、保留記憶数の表示変更を指示するための保留記憶数コマンドを基本回路110から表示制御基板301へ伝送する処理である。このステップS33の処理が終了すると、前述したステップS16及びS17の無限ループの処理に戻る。
【0077】
以上示した処理により、遊技制御基板101の側では、特別図柄始動口5への遊技球の通過によって抽選を行い、その結果が大当たりとなった場合に、大入賞口8を一定期間断続的に開放させる。また、入賞によって遊技球を払い出したり、抽選結果によっては、次の抽選確率を変動させたりする動作を行っている。
【0078】
一方、表示制御基板301内の制御部は、遊技制御基板101から送られてくるコマンドに従って、特別図柄表示部4bにおける特別図柄の変動表示処理を含む各種の表示処理を行うと共に、音制御基板302及びランプ制御基板303に所定のコマンドをスルーして送信し、音声の出力、あるいはランプ類の発光や役物11の駆動を行わせている。また、左側及び右側センサ16L、16Rの検出信号に基づいて検出信号コマンドを生成して音制御基板302に送信し、音制御基板302の制御部が出力する音声を変化させるようにしている。
【0079】
図6は、表示制御基板301の制御部が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。表示制御基板301の側では、遊技制御基板101から送られてくるコマンドを受信したかどうかを判定判定している(ステップS101)。遊技制御基板101からのコマンドを受信していれば、コマンドの受信間隔を計時するタイマを再起動し、0から計時をやり直す(ステップS102)。
【0080】
次に、遊技制御基板101から送られてきたと判定したコマンドの種類が何であるかを判定する(ステップS103)。遊技制御基板101から受信したコマンドの種類が特別図柄表示用のコマンドのうちの代打リーチパターンコマンドであった場合には、このコマンドをそのままの状態で音制御基板302に転送する(ステップS104)。続けて、特図ゲームとして代打リーチパターンによる表示処理を行う(ステップS105)。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0081】
遊技制御基板101から受信したコマンドの種類が他のコマンドであった場合には、それぞれのコマンドの種類に応じた処理(詳細は省略)を実行する(ステップS106)。その後、ステップS101の処理に戻る。なお、ステップS106の処理において、コマンドの種類(特に他の特別図柄表示用のコマンド)によっては、ステップS104と同様のコマンドの転送が含まれている。また、代打リーチパターン以外で特図ゲーム中に遊技者の選択を含む変動表示パターンがあるならば、そのような変動表示パターンに関する特別図柄表示用のコマンドを受信した場合には、後述するような遊技者の選択、さらにはその場面と選択結果とを含む検出信号コマンドの送信も含まれている。
【0082】
ステップS101において遊技制御基板101からのコマンドを受信していなった場合には、ステップS102で計時されたタイマが所定時間を計時したかどうか、すなわち前回のコマンド受信から一定時間を経過したかどうかを判定する(ステップS107)。前回のコマンド受信から一定時間を経過していなければ、ステップS101の処理に戻り、次にまたコマンドが送られてきたかどうかを判定することとなる。
【0083】
前回のコマンド受信から一定時間を経過した場合には、制御部内のRAMに設定された特図ゲーム種別コマンドをデフォルトの状態に戻す(ステップS108)。音制御基板302における選択状態の設定をクリアさせるための設定クリアコマンド(検出信号コマンドの一種)を音制御基板302に送信する(ステップS109)。
【0084】
こうしてデフォルトの状態に戻された特図ゲーム種別コマンドに従って、後述する遊技開始時画面を特別図柄表示部4bに表示する(ステップS110)。さらに、遊技の開始に先立って特図ゲームをどのような種別で行うかを設定するための遊技開始時処理を行う(ステップS111)。遊技開始時処理の詳細については、後述する。そして、ステップS101の処理に戻る。
【0085】
図7(a)は、音制御基板302内の制御部が実行する選択状態設定処理を示すフローチャートである。選択状態設定処理では、表示制御基板301から送られてくる設定クリアコマンドを受信したかどうかを判定する(ステップS201)。設定クリアコマンドを受信した場合には、制御部のRAM内に設定された音声態様フラグの設定を全てクリアし、デフォルトの状態に戻す(ステップS202)。そして、ステップS201の処理に戻る。
【0086】
設定クリアコマンドを受信していない場合には、設定クリアコマンド以外の他の検出信号コマンドを受信したかどうかを判定する(ステップS203)。他の検出信号コマンド(後述する特図ゲーム完了コマンドを含む)を受信した場合には、その検出信号コマンドの内容に従ってRAM内の音声態様フラグを設定またはクリアする(ステップS204)。そして、ステップS201の処理に戻る。いずれの検出信号コマンドも受信していなければ、そのままステップS201の処理に戻る。
【0087】
図7(b)は、音制御基板302内の制御部が実行する報知音出力処理を示すフローチャートである。報知音出力処理では、後述するタイミングで表示制御基板301から送られてくる検出信号コマンド500を受信したかどうかを判定する(ステップS221)。検出信号コマンド500を受信していなければ、ステップS221の処理を繰り返し、検出信号コマンドの受信を待機する。
【0088】
検出信号コマンド500を受信した場合には、その検出コマンドに従って報知音をスピーカ15から出力する(ステップS222)。ここで、検出信号コマンド500には、表示画面情報501と、選択内容情報502と、内容変化フラグ503とが含まれている。この3つから、どのような態様の報知音を出力すればよいかが一義的に定まる。
【0089】
また、受信した検出信号コマンド500に含まれる内容変化フラグ503によって、遊技者の選択内容に変化が生じたかどうかを判定する(ステップS223)。遊技者の選択内容に変化がなければ、ステップS221の処理に戻る。一方、遊技者の選択内容に変化が生じていた場合には、RAMに設定される表示態様フラグ523の状態を検出信号コマンド500に含まれる選択内容情報502に従って変化させる(ステップS224)。そして、ステップS221の処理に戻る。
【0090】
なお、フローチャートには示していないが、音制御基板302の制御部は、遊技制御基板101から送信され、表示制御基板301から転送されてくるコマンドに基づく音声出力による演出も行っている。特図ゲーム種別コマンドが転送されてきた場合には、後述する特図ゲーム完了コマンドを受信するまで、これをRAM内に設定しておく。音制御基板302の制御部は、RAM内に設定した特図ゲーム種別コマンド等や音声態様フラグ520の状態に基づいて、図7に示したフローチャートの処理と並行して、表示制御部301の制御部で制御する特図ゲームの演出表示に合わせた音声の出力を行っている。つまり、指示検出コマンド500を受信した場合、内容変化フラグ503が設定されていれば、表示画面情報501と選択内容情報502とに基づいて、音声による演出の内容も変化することとなる。
【0091】
次に、ステップS111の遊技開始時処理について詳しく説明する。図8は、この遊技開始時処理を詳細に示すフローチャートであり、これは表示制御基板301の制御部が行う処理である。図9は、遊技開始時処理における表示画面とこれに伴って出力される音声の説明図である。なお、遊技開始時画面では、普通図柄及び特別図柄の表示ではないが、後面の特別図柄表示部4bに表示されるものとする。また、遊技開始時画面が表示されるときには、前面側の特別図柄保留記憶表示部4aにおける表示はない。
【0092】
遊技開始時処理が行われる際には、図9(a)に示す遊技開始時画面402が初期状態として特別図柄表示部4bに表示される。この遊技開始時画面402は、野球選択枠402aとソフトボール選択枠402bとを含み、そのいずれかを遊技者が選択するようになっている。また、特図ゲーム種別フラグ511、521は、デフォルトで「野球」を示す状態に設定されており、初期状態の画面では、野球が選択状態になっていることが示されている(図では、実線の表示で示す)。
【0093】
遊技開始時処理では、左側センサ16Lから検出信号の入力を受け付けたかどうかを判定する(ステップS301)。図9(b)及び(c)は、左側センサ16Lから検出信号の入力があった場合を示している。左側センサ16Lから検出信号の入力を受け付けた場合には、特図ゲーム種別フラグ511が「野球」を示す状態に設定されているかどうかを判定する(ステップS302)。
【0094】
特図ゲーム種別フラグ511が「野球」を示す状態に設定されている場合には、図9(b)に示すように、「野球」の表示領域を明滅表示させて、遊技者の選択があったことを表示画面上で報知する(ステップS303)。また、表示画面情報501として遊技開始時画面、選択内容情報502として野球、内容変化フラグ503として変化なしを示す検出信号コマンド500を音制御基板302に送信する(ステップS304)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、図9(b)に示すように、「ピッ!」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0095】
特図ゲーム種別フラグ511が「野球」を示す状態に設定されていない場合(後述するように少なくとも1回、前回に右側センサ16Rから検出信号の入力があった場合となる)には、特図ゲーム種別フラグ511を「野球」に設定変更する(ステップS305)。また、図9(c)に示すように、「野球」の表示領域を図9(b)の場合とは異なる態様で明滅表示させて、遊技者の選択があり、しかも選択内容に変化があったことを表示画面上で報知する(ステップS306)。
【0096】
さらに、表示画面情報501として遊技開始時画面、選択内容情報502として野球、内容変化フラグ503として変化ありを示す検出信号コマンド500を音制御基板302に送信する(ステップS307)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、図9(c)に示すように、「ピッ!野球。」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0097】
また、左側センサ16Lから検出信号の入力を受け付けていない場合には、右側センサ16Rから検出信号の入力を受け付けたかどうかを判定する(ステップS308)。図9(d)及び(e)は、右側センサ16Rから検出信号の入力があった場合を示している。右側センサ16Rから検出信号の入力を受け付けた場合には、特図ゲーム種別フラグ511が「ソフトボール」を示す状態に設定されている(前回に右側センサ16Rから検出信号が入力されている)かどうかを判定する(ステップS309)。
【0098】
特図ゲーム種別フラグ511が「ソフトボール」を示す状態に設定されている場合には、図9(d)に示すように、図9(b)の場合と同様の態様で「ソフトボール」の表示領域を明滅表示させて、遊技者の選択があったことを表示画面上で報知する(ステップS310)。また、表示画面情報501として遊技開始時画面、選択内容情報502としてソフトボール、内容変化フラグ503として変化なしを示す検出信号コマンドを音制御基板302に送信する(ステップS311)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、図9(d)に示すように、「ピピッ!」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0099】
特図ゲーム種別フラグ511が「ソフトボール」を示す状態に設定されていない場合には、特図ゲーム種別フラグ511を「ソフトボール」に設定変更する(ステップS312)。また、図9(e)に示すように、図9(c)の場合と同様の態様で「ソフトボール」の表示領域を明滅表示させて、遊技者の選択があり、しかも選択内容に変化があったことを表示画面上で報知する(ステップS313)。
【0100】
さらに、表示画面情報501として遊技開始時画面、選択内容情報502としてソフトボール、内容変化フラグ503として変化ありを示す検出信号コマンド500を音制御基板302に送信する(ステップS314)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、図9(e)に示すように、「ピピッ!ソフトボール。」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。そして、ステップS301の処理に戻る。
【0101】
次に、ステップS105の代打パターン表示処理について詳しく説明する。図10は、この代打リーチパターン表示処理を詳細に示すフローチャートである。図11は、代打リーチパターン表示処理中で行われる打者選択処理(後述)を詳細に示すフローチャートである。これらは、表示制御基板301の制御部が実行する処理である。図12乃至図14は、代打パターンにおける表示画面とこれに伴って出力される音声の説明図である。
【0102】
図12乃至図14は、いずれも遊技開始画面402において「野球」が選択された場合(遊技者が特に指定しなかった場合を含む)を示している。図12は、代打リーチパターンの全体の流れを示している。図13は、打者選択処理中で遊技者の選択があった場合を示している。図14は、打者選択処理中で遊技者がデフォルトと異なる選択を行った場合における代打リーチパターンの表示画面を示している。なお、図12乃至図14においても、可変表示部4の前面側の画像である特別図柄保留記憶表示部4aは本発明と関係がないため図示を省略し、後面側の画像である特別図柄表示部4bだけを表示している。
【0103】
代打リーチパターン表示処理では、特図ゲーム種別フラグ511に従って、特図ゲームで使用する特別図柄及びキャラクタ図柄を選択する。ここでは、「野球」の図柄が選択される(ステップS401)。次に、図12(a)に示すように、特別図柄表示部4bにある左、中及び右の3つの特別図柄401L、401C、401Rを上から下にスクロール表示させるなどして変動を開始させる(ステップS402)。
【0104】
特別図柄401L、401C、401Rの変動を開始した後、図12(b)に示すように、一定時間が経過する毎に左の特別図柄401Lを仮停止させ(ステップS403)、右の特別図柄401Rを仮停止させる(ステップS404)。この時点で、左と右の特別図柄401L、401Rが同一の種類のもので揃ったリーチ表示態様となる。
【0105】
リーチ表示態様となったところで、図12(c)に示すように、代打リーチパターンにおけるリーチ演出画面403を特別図柄表示部4bに表示させる(ステップS405)。このリーチ演出画面403は、特別図柄401L、401Rが上隅にそれぞれ表示され、残りの領域が打者のキャラクタがバッターボックスに入ろうとする状態が表示されるものである。その後、詳細を後述する打者選択処理を行い(ステップS406)、この代打選択処理において、図12(d)に示すような、残り制限時間ゲージ405を含む打者選択画面404が表示されることととなる。
【0106】
図12(d)では、遊技者の最終的な選択によって、表示態様フラグ514が代打しない(右打者となった)とした状態で、ゲージ405が示すように選択制限時間が経過した場合を示している。こうして選択制限時間が経過すると、図12(e)に示すように、この時点での表示態様フラグ514に従って続きのリーチ演出画面405aによる画面上の演出(右打者による演出)を続けてを実行する(ステップS407)。
【0107】
リーチ演出画面405aにおいて未だ変動状態にある中の特別図柄401Cを、さらに一定期間が経過した後に(図では大当たり表示態様であるが、ハズレ表示態様としても可)仮停止させる(ステップS408)。そして、図12(f)に示すように表示状態を元の状態に戻し、特別図柄401L、401C、401Rを完全に停止させて、特図ゲームの表示態様を確定する(ステップS409)。
【0108】
さらに、次の特図ゲームにおいて遊技者の選択と異なる画像表示や音声出力がなされないように、表示態様フラグ514をデフォルトの状態に戻し(ステップS410)、音制御基板302でも表示態様フラグ523をデフォルトの状態に戻させるように、表示制御基板301から音制御基板302に特図ゲーム完了コマンドを送信する(ステップS411)。そして、代打リーチパターンにおける変動表示処理を終了する。
【0109】
以下、ステップS406の打者選択処理を詳しく説明する。打者選択処理では、予め定められた打者選択のための制限時間内にあるかどうかを判定する(ステップS501)。打者選択のための制限時間を経過していた場合には、このフローチャートの処理を終了し、図10の代打リーチパターン表示処理に復帰する。次に説明する処理で遊技者が行った選択は、この制限時間の経過によって確定し、ステップS407で説明したリーチ演出表示が行われることとなる。一方、打者選択のための制限時間内にある場合には、図12(d)に示した打者選択画面404を特別図柄表示部4bに表示する(ステップS502)。
【0110】
次に、左側センサ16Lから検出信号の入力を受け付けたかどうかを判定する(ステップS503)。図13(a)及び(f)は、左側センサ16Lから検出信号の入力があった場合を示している。左側センサ16Lから検出信号の入力を受け付けた場合には、表示態様フラグ514が右打者(代打しない場合)の状態を示しているか左打者(代打するが選択されていた場合)の状態を示しているかを判定する(ステップS504)。
【0111】
表示態様フラグ514が右打者の状態を示している場合には、図13(a)に示すように、代打「しない」の選択肢領域を明滅表示させて、遊技者の選択があったことを表示画面上で報知する(ステップS505)。また、表示画面情報501として打者選択画面、選択内容情報502として代打しない、内容変化フラグ503として変化なしを示す検出信号コマンド500を音制御基板302に送信する(ステップS506)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、図13(a)に示すように、「ピッ!」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。図13(b)に示すように、一定期間だけリーチ演出画面406aの表示をして、打者選択画面404の表示に戻す(ステップS507)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0112】
一方、表示態様フラグ514が左打者の状態を示している場合には、図13(f)に示すように、図13(a)とは異なる態様で代打「しない」の選択肢領域を明滅表示させて、遊技者の選択があったことを表示画面上で報知する(ステップS508)。また、表示態様フラグ514の状態を左打者を示す状態に設定変更する(ステップS509)。
【0113】
さらに、表示画面情報501として打者選択画面、選択内容情報502として代打しない、内容変化フラグ503として変化ありを示す検出信号コマンド500を音制御基板302に送信する(ステップS510)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、図13(f)に示すように、「ピッ!代打なし!」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。ここでも、図13(b)に示すような、リーチ演出画面406aの表示が一定期間行われる(ステップS511)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0114】
ステップS503で左側センサ16Lからの検出信号の入力を受け付けていなかった場合には、右側センサ16Rから検出信号の入力を受け付けたかどうかを判定する(ステップS512)。図13(c)及び(e)は、右側センサ16Rから検出信号の入力があった場合を示している。右側センサ16Rから検出信号の入力を受け付けた場合には、表示態様フラグ514が右打者の状態を示しているか左打者の状態を示しているかを判定する(ステップS513)。
【0115】
表示態様フラグ514が右打者の状態を示している場合には、図13(c)に示すように、図13(f)と同様の態様で代打「する」の選択肢領域を明滅表示させて、遊技者の選択があり、しかも選択内容に変化があったことを表示画面上で報知する(ステップS514)。また、表示態様フラグ514の状態を右打者を示す状態に設定変更する(ステップS515)。
【0116】
さらに、表示画面情報501として打者選択画面、選択内容情報502として代打する、内容変化フラグ503として変化ありを示す検出信号コマンド500を音制御基板302に送信する(ステップS516)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、図13(c)に示すように、「ピピッ!代打!」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。図13(d)に示すように、左打者(代打)によるリーチ演出画面406bの表示を一定期間だけしてから、打者選択画面404の表示に戻す(ステップS517)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0117】
表示態様フラグ514が左打者の状態を示している場合には、図13(e)に示すように、図13(a)と同様の態様で代打「する」の選択肢領域を明滅表示させて、遊技者の選択があったことを表示画面上で報知する(ステップS518)。
【0118】
また、表示画面情報501として打者選択画面、選択内容情報502として代打する、内容変化フラグ503として変化なしを示す検出信号コマンド500を音制御基板302に送信する(ステップS519)。この検出信号コマンド500に基づいて、音制御基板302の制御部は、「ピピッ!」という報知音をスピーカ15から出力させることとなる。ここでも、図13(d)に示すような、リーチ演出画面406aの表示が一定期間行われる(ステップS520)。そして、ステップS501の処理に戻る。
【0119】
なお、図14(a)に示すように、遊技者が代打(左打者)を選択した状態で、ステップS401で打者選択のための制限時間が経過したときには、図14(b)に示すように、ステップS401で表示態様フラグ514に従って続きのリーチ演出画面405bによる画面上の演出(左打者による演出)が続けて実行される。そして、図14(c)に示すように、図12(f)に示した場合と同様に特図ゲームの表示態様が確定される。
【0120】
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、特図ゲームにおける表示態様を遊技開始時画面402または打者選択画面404において遊技者が選択できるようになっている。表示制御基板301が直接制御する演出(情報の報知を含む)は、特別図柄表示部4bを含む可変表示部4への画像の表示だけであり、音声出力による演出(情報の報知を含む)は、表示制御基板301とは別に設けられた音制御基板302が行うようになっている。さらにランプ類による演出(情報の報知を含む)は、ランプ制御基板303が行うようになっている。これにより、演出(情報の報知を含む)に関する処理負荷を分散させることができる。
【0121】
また、遊技開始時画面402や打者選択画面404が表示されている際には、遊技者の指示による左側センサ16Lまたは右側センサ16Rからの検出信号の入力を受け付けることが可能になる。左側センサ16L及び右側センサ16Rからの検出信号は、表示制御基板301に入力されることとなっているが、入力受付可能なときにおいて検出信号の入力があると、検出信号コマンド500が表示制御基板301から音制御基板302に送信されることとなる。そして、遊技者の指示があった旨は、表示制御基板301の制御によって表示画面上で、音制御基板302の制御によって音声で、互いに同期して報知されるものとなる。特に遊技者の指示があった旨が音声でも報知されることは、聴覚的にも分かり易い報知を行うことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0122】
ここで、検出信号コマンド500は、表示場面情報501と、選択内容情報502と、内容変化フラグ503とを含んでいる。音制御基板302の制御部がスピーカ15から出力すべき報知音は、表示場面情報501、選択内容情報502及び内容変化フラグ503に基づいて一義的に特定することができるものであり、表示制御基板301の制御部の決定で、画面表示による報知と音声による報知との内容を合わせることができる。また、検出信号コマンド500が表示場面情報501を含むことで、報知音も特別図柄表示部4bにおける表示に対応したものとなり、検出信号コマンド500が選択内容情報502を含むことで、報知音も遊技者が指示した選択肢に対応したものとなる。
【0123】
また、遊技者の指示による左側センサ16Lまたは右側センサ16Rからの検出信号の受け付ければ、表示制御基板301の制御部は、表示画面上での報知を行う。このときには、検出信号コマンド500が必ず音制御基板302に送られることとなり、音制御基板302の制御部は、スピーカ15からの報知音を出力する。すなわち、遊技者が何らかの指示を行えば、表示画面上及び音声でその都度報知が行われることとなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
【0124】
代打リーチパターンなどの特図ゲームにおいては、遊技者の指示による左側センサ16Lまたは右側センサ16Rからの検出信号の入力を受け付け可能としている。そして、特図ゲームの実行中において遊技者の指示による左側センサ16Lまたは右側センサ16Rからの検出信号の入力があると、これが報知されるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、検出信号の入力の受け付けや、これに伴う検出信号コマンド500の送信によって、表示態様フラグ514、523の設定変更がなされ(遊技者の指示に変化がある場合)、特別図柄表示用のコマンドに基づく演出(画面表示及び音声出力)の内容に反映されるので、演出態様が豊富なものとなり、遊技の興趣を向上させることができる。
【0125】
そして、表示制御基板301と音制御基板302とは、隣接して配置されているので、表示制御基板301と音制御基板302との間の配線は、比較的短くて済む。一方、左側及び右側センサ16L、16Rの配置位置は、これらの基板301、302の配置位置とは離れているが、センサ16L、16Rの検出信号を表示制御基板301にだけ入力させればよいので、比較的長くなる配線の数は最低限でよい。このため、配線構造も複雑にならず、ノイズの影響も最小限に抑えることができる。
【0126】
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
【0127】
上記の実施の形態では、特図ゲームに関する遊技者の選択が行われるのは、遊技開始時画面402が表示されているときと代打リーチパターンにおいて打者選択画面404が表示されているときとの2通りであった。これ以外の場合、例えば他の変動表示パターンの実行中にも、遊技者の選択を促す選択画面を表示させるものとしてもよい。いずれの場合も、遊技者の選択が左側または右側センサ16L、16Rによって検出された場合には、その際における表示画面情報501、選択内容情報502及び内容変化フラグ503を含む検出信号コマンド500を音制御基板302に送るものとすればよい。
【0128】
検出信号コマンド500を受け取った音制御基板302の制御部は、その検出信号コマンド500から遊技者の指示内容を認識することができ、また、その中の表示画面情報501、選択内容情報502及び内容変化フラグ503の3つからどのような音声による報知を行えばよいかを一義的に決めることができる。なお、上記の検出信号コマンド500は、表示画面情報501、選択内容情報502及び内容変化フラグ503の3つを含んでいたが、例えば異なる表示画面や異なる選択内容でも、音声報知される内容が同じとなる場合には、単に報知のために出力すべき音声の内容を特定可能な情報のみを含むものであってもよい。
【0129】
上記の実施の形態では、遊技開始時画面402または打者選択画面404における遊技者の選択は、反射型センサからなる左側及び右側センサ16L、16Rで検出するものとしていた。しかしながら、遊技者の選択を検出し、その検出信号を表示制御基板301に入力させるための手段はこれに限られず、専用のボタンやタッチパネル等であってもよい。
【0130】
上記の実施の形態では、パチンコ遊技機1の制御回路は、遊技制御基板101から表示制御基板301、表示制御基板301から音制御基板302という方向でコマンドが送られると共に、左側及び右側センサ16L、16Rの検出信号は、表示制御基板301へと入力されるように構成されていた。しかしながら、遊技制御基板101、表示制御基板301、音制御基板302、左側及び右側センサ16L、16Rの関係は、図3に示したような構成に限られるものではない。
【0131】
図15(a)及び(b)は、制御回路の構成の変形例を示す図である。図15(a)の例では、遊技制御基板101から表示制御基板301と音制御基板302の両方にコマンドが送られ、左側及び右側センサ16L、16Rの検出信号が表示制御基板301へ入力されるようになっている。つまり、遊技制御基板101からのコマンドが表示制御基板301から転送されるのではなく、遊技制御基板101から音制御基板302に直接送られる。
【0132】
図15(b)の例では、遊技制御基板101から表示制御基板301、表示制御基板301から音制御基板302という方向でコマンドが送られると共に、左側及び右側センサ16L、16Rの検出信号が表示制御基板301へと入力されるようになっている。この場合、音制御基板302から表示制御基板301へ検出信号コマンドが送信されることとなる。これらの構成でも、上記の実施の形態と同様に、表示制御基板101の画像による演出と音制御基板302の音声による演出とを同期させることが可能となる。
【0133】
上記の実施の形態では、画像による演出を制御する表示制御基板301から音声による演出を制御する音制御基板302に検出信号コマンドを送信するものとし、画像による演出と音声による演出とが同期されるようにしていた。これに対して、ランプ制御基板303にも表示制御基板301から検出信号コマンドを送信し、ランプ類の発光による演出も同期させるようにしてもよい。さらに、画像、音声、光以外の種類の演出についても、演出制御基板が分かれて構成されたものに対しては、本発明を適用することができる。
【0134】
上記の実施の形態では、プリペイドカードによって球貸しを行うカードリーダ(CR:Card Reader)式の第1種パチンコ遊技機を例にとって説明したが、画像表示装置を有するものであれば、例えば第2種或いは第3種に分類されるパチンコ遊技機や、一般電役機、またはパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であってもよい。さらには、プリペイドカードによって球貸しを行うCR式パチンコ遊技機(CR機)だけでなく、現金によって球貸しを行うパチンコ遊技機(現金機)にも適用可能である。また、パチンコ遊技機だけでなく、画像表示装置に表示される画像、リール背面側のランプの発光、リールの外部に配置されたランプ類、或いはスピーカから出力される音声など、複数種類の演出を行い、演出の種類毎に演出制御基板を分けて構成したスロットマシン等のパチンコ遊技機以外の遊技機にも適用することができる。
【0135】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、第1、第2の演出手段の制御に必要な処理負荷を分散でき、また、遊技者からの指示があった旨を第1、第2演出手段のそれぞれから同期して報知することができる。また、遊技者からの指示を、第1、第2演出手段による結果報知演出に反映させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0136】
請求項2の発明によれば、第2演出手段からの報知の内容も第1演出制御手段で決定することとなり、第1、第2演出手段からの報知内容を合わせることができる。
【0137】
請求項3の発明によれば、遊技者からの指示の内容に応じて第2演出手段から報知を行うことができる。
【0138】
請求項4の発明によれば、遊技者が指示を行ったときの演出の種類に応じて第2演出手段から報知を行うことができる。
【0139】
請求項5の発明によれば、遊技者が指示した選択肢に応じて第2演出手段から報知を行うことができる。
【0141】
請求項7の発明によれば、遊技者からの指示に変化が生じたかどうかを、第1演出手段および/または第2演出手段からの報知態様の違いによって分かり易く示すことができる。
【0142】
請求項8の発明によれば、遊技者からの指示があった旨を、その指示がある度に、第1、第2演出手段から報知することができる。
【0143】
請求項9の発明によれば、音声による報知で、遊技者からの指示があった旨を聴覚的に分かり易く示すことができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0144】
請求項10の発明によれば、遊技機全体に必要な配線構造を複雑化させることがなく、ノイズの影響も最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるパチンコ遊技機の正面図である。
【図2】図1のパチンコ遊技機のガラス扉(前面扉)の背面側の構造を示す図である。
【図3】図1のパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【図4】(a)は、検出信号コマンドの例を示す図であり、(b)及び(c)は、それぞれ表示制御基板、音制御基板に設定されるフラグを示す図である。
【図5】(a)は、遊技制御基板の基本回路内のCPUが実行するメイン処理を示すフローチャートであり、(b)は、タイマ割り込み処理を示すフローチャートである。
【図6】表示制御基板内の制御部が実行するコマンド受信待機処理を示すフローチャートである。
【図7】音制御基板内の制御部が実行する選択状態設定処理と報知音出力処理とを示すフローチャートである。
【図8】表示制御基板内の制御部が実行する遊技開始時処理を示すフローチャートである。
【図9】遊技開始時における演出の実行を説明する図である。
【図10】表示制御基板内の制御部が実行する代打リーチパターン表示処理を示すフローチャートである。
【図11】図10の打者選択処理を詳細に示すフローチャートである。
【図12】代打リーチパターンにおける演出の実行を説明する図である。
【図13】代打リーチパターンにおける演出の実行を説明する図である。
【図14】代打リーチパターンにおける演出の実行を説明する図である。
【図15】変形例にかかるパチンコ遊技機の制御回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機
3 可変表示装置
4 可変表示部
16L 左側センサ
16R 右側センサ
101 遊技制御基板
301 表示制御基板
302 音制御基板
Claims (10)
- 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、遊技者の指示により内容を変化可能な演出を行う第1演出手段を制御する第1演出制御手段と、前記第1演出手段と異なる種類の該第1演出手段の演出と同期して行われる演出を行う第2演出手段を制御する第2演出制御手段とを含み、前記遊技制御手段、前記第1演出制御手段及び前記第2演出制御手段を別個に配置した遊技機であって、
遊技者の指示を検出し、指示検出信号を前記第1演出制御手段に前記遊技制御手段を介さないで出力する指示検出手段をさらに備え、
前記遊技制御手段は、
遊技において大当たりを発生させるか否かを抽選により決定する決定手段と、
前記決定手段の決定結果を報知するとともに、該決定結果が報知されるまでの内容を遊技者の指示により変化可能な結果報知演出を行わせるための演出コマンドであって前記決定手段の決定結果を特定することが可能な演出コマンドを前記第1演出制御手段に送信する演出コマンド送信手段を備え、
前記第1演出制御手段は、
前記遊技制御手段が送信した演出コマンドを受信したときに、該受信した演出コマンドに基づく結果報知演出を前記第1演出手段を用いて実行する第1演出実行手段と、
前記演出コマンドを、前記第2演出制御手段に転送するコマンド転送手段と、
前記第1演出手段において結果報知演出を実行しているときに前記指示検出手段からの前記指示検出信号が入力されたときに、該入力された指示検出信号の内容をその後に該第1演出手段で実行される結果報知演出の内容に反映させることにより遊技者から指示があった旨を報知する第1報知制御手段と、
前記指示検出手段からの前記指示検出信号が入力されたときに、指示検出コマンドを前記第2演出制御手段に送信する指示検出コマンド送信手段とを備え、
前記第2演出制御手段は、
前記コマンド転送手段が転送した演出コマンドを受信したときに、該受信した演出コマンドに基づく結果報知演出を前記第2演出手段を用いて実行する第2演出実行手段と、
前記第2演出手段において結果報知演出を実行しているときに前記指示検出コマンドを受信したときに、該受信した指示検出コマンドの内容をその後に該第2演出手段で実行される結果報知演出の内容に反映させることにより遊技者から指示があった旨を報知する第2報知制御手段とを備え、
前記結果報知演出において前記指示検出手段からの前記指示検出信号が入力されたか否かに関わらずに前記演出コマンドにより特定される前記決定手段の決定結果を報知する
ことを特徴とする遊技機。 - 前記指示検出コマンドは、前記第2演出手段により実行されるべき報知の内容を特定することが可能な情報を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。 - 前記指示検出コマンドは、前記指示検出手段を用いて遊技者が行った指示の内容を特定することが可能な指示情報を含む
ことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技機。 - 前記指示情報は、遊技者が前記指示検出手段により指示を行ったときの演出の種類を特定することが可能な情報を含む
ことを特徴とする請求項3に記載の遊技機。 - 前記指示検出手段は、複数の選択肢の中から遊技者が指示した選択肢を検出する選択肢検出手段を含み、
前記指示情報は、前記選択肢検出手段により検出された遊技者の指示した選択肢を特定することが可能な情報を含む
ことを特徴とする請求項3または4に記載の遊技機。 - 前記コマンド転送手段は、前記遊技制御手段から受信したコマンドのうちの所定のコマンドを前記第2演出制御手段に転送する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記指示検出手段により所定期間において複数回の遊技者の指示が検出され、新たに検出された遊技者の指示が前回検出された指示と異なるときに、前記第1演出手段と前記第2演出手段の少なくとも一方により、前回に指示が検出されたときの報知と異なる態様で報知を行う
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記指示検出手段により所定期間において複数回の遊技者の指示が検出されたときに、遊技者の指示が検出される毎に、前記第1演出手段と前記第2演出手段とにより報知を行う
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記第2演出手段は、音声を出力する音声出力手段から構成される
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の遊技機。 - 前記第1演出制御手段と前記第2演出制御手段とは、互いに隣接して配置されている
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の遊技機。
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