JP4252254B2 - 中空パネルの補強構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空パネルの補強構造に関し、主として複数枚のパネルによって中空の箱型閉じ断面に構成された車両ボディの中空パネル(例えば、ピラー、ロッカーパネル、ルーフサイドパネル等)と、その中空パネルを補強するために中空パネルの内部に装着された補強具とを備えて構成される中空パネルの補強構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
中空パネルの補強構造は、一般に中空パネルの内部に補強具が装着された構造であって、例えば特開2001−08739号公報にその構造が開示されている。
この公報にかかる補強具は、発泡性基材を外部の熱によって発泡させて中空部を充填する発泡体により構成されている。そしてその補強具は、長手方向の中心部分が第一の発泡体により構成され、両端部分が第一の発泡体よりも低剛性の発泡体からなる第二の発泡体から構成されるものであった。したがって中空パネルに外力が加わった際には、補強具を有する部分と、補強具を有さない部分との境目にある第二の発泡体によって応力が集中しにくくなっていた。その結果、中空パネルは、応力集中部分から破損するおそれが少なくなり、全体としての剛性が高められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしこの従来構造は、高剛性の発泡体と低剛性の発泡体とを有する構造であって、少なくとも二種以上の発泡体を準備する必要があった。また発泡体の種類が異なることで複数の発泡倍率を考慮しながら補強具を構成する必要があって設計が煩わしいなどの問題があった。
そこで本発明は、補強具を有する部分と、補強具を有さない部分との境目に生じる応力集中が小さい構造であって、その構造が容易に構成され得る中空パネルの補強構造を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明は、上記各請求項に記載の通りの構成を備える中空パネルの補強構造であることを特徴とする。
請求項1、2に記載の発明によれば、中空パネルと補強具との間には、中空パネルが外力を受けた際に、中空パネルと補強具との変形を許容する空間部が形成されており、空間部は、補強具の長手方向の両端側に向かって除々に大きくなるように形成されている。
【0005】
すなわち補強具の長手方向の中心側は、空間部が小さい、あるいは空間部が存在しておらず、中空パネルと補強具とが変形しにくい。一方両端側には、両端側に向かって除々に大きくなる空間部が形成されている。そのため中空パネルと補強具は、端部に近いほど変形しやすい。したがって中空パネルに外力が加わった場合、補強具を有する部分と、補強具を有しない部分との境目に生じる応力集中が小さくなる。かくして中空パネルは、全体としての剛性が高くなる。
またその構成は、空間部という容易な構成によって構成されている。例えば補強具の形状を考慮するのみで空間部を所望の大きさに構成できる。かくして中空パネルの補強構造は、容易に構成され得る。
【0006】
さらに請求項1、2に記載の発明によれば、補強具は、発泡性基材を外部加熱により発泡させて形成した発泡体と、発泡性基材の発泡方向を規制する規制部材とを備えて形成されている。
したがって補強具は、発泡体を発泡させる前に予め中空パネルの内部に装着させ、その後に発泡させることで中空パネルの内部を充填させることができる。かくして補強具は、中空パネルの形状に柔軟に対応させることができる。
また請求項1に記載の発明によれば、規制部材は、略V字状であって、中空パネルの長手方向に沿って傾斜する一対の傾斜面と、該一対の傾斜面を接続する底壁面と、底壁面に設けられた孔を有している。発泡体は、未発泡の状態で一対の傾斜面と底壁面との間に設けられ、発泡することで孔を貫通して中空パネルの一側面に接着する部分と、一対の傾斜面と中空パネルの他側面との間で発泡して中空パネルの他側面に接着する部分とを有している。そして空間部は、傾斜面と中空パネルの間に形成される。
また請求項2に記載の発明によれば、規制部材は、中空パネルの長手方向の両端部が先細り状になるように一端部が接続された二対の傾斜面と、傾斜面の他端部を接続する一対の側壁面と、各側壁面に設けられた孔を有している。発泡体は、未発泡の状態で二対の傾斜面の間に設けられ、発泡することで一の側壁面の孔を貫通して中空パネルの一側面に接着する部分と、他の側壁面の孔を貫通して中空パネルの他側面に接着する部分とを有している。そして空間部は、傾斜面と中空パネルの間に形成される。
【0007】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を図1,2にしたがって説明する。
補強構造1は、図1に示すように中空パネル2と、中空パネル2を補強するために中空パネル2の内部に装着された補強具3を主体に構成されている。
中空パネル2は、図1に示すように略筒状であって、中心軸側に中空室22を有する。なおこの中空パネル2は、車両ボディのセンタピラー、フロントピラー、クォータピラー、ルーフサイドパネルなどに利用される中空構造物である。
この中空パネル2は、図1に示すようにインナパネル21とアウタパネル20を主体に構成されており、それぞれの端縁に設けられたフランジ21a,20a同士をスポット溶接にて接合することで、中空の箱型閉じ状に構成されている。
【0008】
補強具3は、図1に示すように外部の熱によって発泡する発泡性材料から形成される発泡体30a(30)と、その発泡性材料の発泡方向を規制する規制部材31とを主体に構成されている。
図1では、未発泡状態の発泡体30aを示しており、図2では、外部の熱によって発泡した後の発泡体30を示している。
この発泡性材料は、金属面に対して接着性に優れた熱可塑性合成樹脂材料(例えば、エポキシ系樹脂)を主成分として形成されており、この主成分に発泡剤やガラス繊維等の強化剤を混合して形成さている。
また発泡性材料は、車両ボディの焼き付け塗装の際の熱(例えば110℃〜190℃前後の温度)によって発泡して、高剛性の発泡体となる材料である。このような発泡性材料としては、例えば特開平8−208871号公報、特開平11−158318号公報に開示されている。
【0009】
一方、規制部材31は、硬質合成樹脂によって形成、あるいは強化繊維等の強化材を混入させた硬質合成樹脂、または鋼板などによって形成されている。
規制部材31は、図1に示すように略板状に形成されており、矢印X方向からの形状が略V字状に形成されている。すなわち規制部材31は、長手方向に沿って高さ(矢印Z方向)が変化する傾斜面31a,31bを両端側に備えている。
また規制部材31は、図1に示すように傾斜面31a,31b間を接続する底壁面31cと、底壁面31cに設けられた孔31dとを有する。したがって未発泡の発泡体30aを発泡させると、その一部は、図2(b)に示すように孔31dを貫通してインナパネル21に接着する。
【0010】
発泡体30は、未発泡の状態で中空パネル2の内部、すなわちインナパネル21とアウタパネル20の間に装着され、その後に塗装用の熱が加えられることで発泡する。そしてその発泡方向は、規制部材31によって規制されるため、発泡体30は、図2(b)に示すように中空パネル2の内部を充填する。
すなわち発泡体30のアウタパネル20の上面(20b)側は、図2(a)に示すように規制部材31によって規制されておらず、発泡することでアウタパネル20に当接(接着)する。その長さは、図2(a)に示すように補強具3の長手全長に渡っており、幅方向は、図2(b)〜(d)に示すように上面20b全体に渡っている。
【0011】
また発泡体30のインナパネル21側は、図2(a)に示すように長手方向のほぼ中央部分のみが当接(接着)している。そして発泡体30の充填領域は、両端側に向かうに連れて除々に小さくなっている。
また発泡体30と中空パネル2の間には、発泡体30が充填されない空間部32a,32bが形成されている。換言すると空間部32a,32bは、規制部材31と中空パネル2との間に形成されている。
【0012】
また発泡体30は、図2(b)に示すように補強具3の長手方向の略中心位置において中空パネル2を遮断している。そして図2(c)(d)に示すように長手方向の端部に近づくにつれて発泡体30の領域が減り、空間部32bの領域が増えている。すなわち空間部32a,32bは、図2(a)に示すように発泡体30の長手方向の端部に向かって除々に大きくなるように形成されている。
【0013】
また空間部32a,32bは、外力に対して踏ん張ることができないため、中空パネル2に外力が加わった際に、中空パネル2と補強具3の変形を許容する(容易にする)。そのため中空パネル2と補強具3は、補強具3の長手方向の端部近傍ほど外力によって変形しやすい。
したがって外力F(例えば、前面衝突、後面衝突、側突などの車両外方からの外力)がアウタパネル20に加わった場合、補強具3の長手方向の中央位置では、補強具3が外力Fをアウタパネル20からインナパネル21に伝えるとともに、アウタパネル20とインナパネル21を変形させないように作用する。そのため中央位置寄りの中空パネル2と補強具3は、ほとんど変形することなくその外力Fを受け止める。
【0014】
一方、長軸方向の両端寄りの中空パネル2と補強具3は、空間部32a,32bを有するために外力Fによって変形しやすく、その変形のしやすさは、空間部32a,32bの大きさに比例する。
したがって中空パネル2と補強具3には、外力Fによって応力が生じるとともに、その応力は、長手方向の端部に向けて除々に小さくなっている。そのため補強具3を有する部分と有さない部分との境界に生じる応力集中が小さくなる。そして中空パネル2は、応力集中が小さくなることから、応力集中部分を破壊起点とする破壊が生じにくくなっている。
【0015】
また中空パネル2に外力Fが加わった場合は、その外力Fによる衝突エネルギーが補強具3と中空パネル2による変形によって吸収される。そして補強具3と中空パネル2の変形は、補強具3の長手方向の端部側で生じやすい。
したがって衝突エネルギーは、中空パネル2の長手方向に分散されやすく、中空パネル2と補強具3の広い範囲で吸収される。かくして中空パネル2は、全体としての剛性が向上されている。
【0016】
また空間部32a,32bは、発泡体30を充填しないことで形成するため容易に構成される。すなわち補強具3の形状、とりわけ規制部材31の形状を考慮するのみで容易に所望の空間部32a,32bを構成することができる。かくして補強構造1は、容易に構成される。
また補強具3は、未発泡の発泡体30aを発泡させることで中空パネル2の内部を充填させるため、補強具3を中空パネル2に容易に取付けることができるとともに、補強具3を中空パネル2の形状に容易に対応させることができる。
【0017】
また空間部32a,32bによって補強具3は、その材料の量を少くすることができる。そのため補強具3を軽量化にできるとともにコストダウンを図るこのも可能である。
なお補強具3は、発泡体30を発泡させる前に接着剤や規制部材31に設けられたクリップなどによって中空パネル2に装着されている。
【0018】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2を図1,3にしたがって説明する。
この実施の形態2にかかる補強構造は、実施の形態1と補強具のみが異なる。そのため同一部分及び同一作用についてはその説明を割愛する。また同一部材については、同一番号を利用して説明する。
補強構造10の補強具4は、図3に示すように発泡性材料から形成される発泡体40と、規制部材41とを主体に構成されている。
【0019】
規制部材41は、図3(a)に示すように上から(図1の矢印Z方向から)の断面形状が略菱形であって、長手方向の両端が先細り状に形成されている。
すなわち規制部材41は、図3(a)に示すように傾斜面41a〜41dを両端側に二つずつ備えており、これら傾斜面41a〜41dは、インナパネル21の側面(図の上端ないし下端)から幅中心側に向けて傾斜する。
【0020】
また規制部材41は、図3(a)に示すように傾斜面41a,41cの間、及び傾斜面41b,41dの間を接続する側壁面41e,41eを有する。そして側壁面41eには、図3(b)に示すように孔41fが設けられている(図1の孔31dと同様に形成されている)。
したがって発泡性材料(発泡体40)を発泡させると、発泡性材料が孔41fを貫通する。そのため発泡体40は、インナパネル21とアウタパネル20に当接(接合)する。
【0021】
したがって発泡体40は、図3(b)に示すように長手方向のほぼ中心位置においてアウタパネル20とインナパネル21間(中空部)をほぼ遮断する。
また発泡体40の領域は、図3(a)に示すように規制部材31によって規制されている。そのため規制部材31と中空パネル2の間には、発泡体40が充填されないことで形成された空間部42(42a〜42d)が形成されている。
そして各空間部42は、図3(a)に示すように長手方向の両端側に向かって除々に厚み方向に厚くなっている。
逆に発泡体40は、図3(a)に示すように幅方向にその厚みが薄くなっている。しかし発泡体40は、中空パネル2の幅中心寄りに対しては、長手方向のほぼ全長に渡って延出している。
【0022】
また発泡体40の高さ方向は、図3(b)〜(d)に示すようにインナパネル21の底面21bとアウタパネル20の底面20bとを架橋している。したがって発泡体40は、中空パネル2の幅中心位置においては、ほぼ全長に渡ってインナパネル21とアウタパネル20間を架橋している。
したがって補強具4は、図1に示すようにアウタパネル20がインナパネル21へ潰れることを長手方向の全長に渡って防止している。
一方、空間部42は、中空パネル2と補強具4とを外力Fによって変形しやすくするものである。そのため中空パネル2と補強具4は、補強具4の長手方向の両端近傍ほど変形しやすい。
【0023】
したがって外力Fがアウタパネル20に加わった場合、補強具4の中央位置において最も中空パネル2が潰れにくく、長軸方向の両端寄りは、中空パネル2と補強具4とが外力Fによって除々に変形しやすい構造になっている。したがって補強具4を有する部分と有さない部分との境界によって生じる応力集中が小さくなっている。
また外力Fによる衝突エネルギーは、中空パネル2の長手方向に分散され、中空パネル2と補強具4の広い範囲で吸収される。かくして中空パネル2は、全体としての剛性が向上されている。
また空間部42は、発泡体40を充填しないことで形成されているため、補強構造10の剛性は、容易な構造によって向上されている。
【0024】
参考例1
参考例1を図4にしたがって説明する。
参考例1にかかる補強構造は、実施の形態1と補強具のみが異なる。そのため同一部分及び同一作用についてはその説明を割愛する。また同一部材については、同一番号を利用して説明する。
補強構造11の補強具5は、図5に示すように発泡性材料から形成される発泡体50と、規制部材51とを主体に構成されている。
【0025】
規制部材51は、図4に示すように左右両端側に先細り状に形成された端部51a,51cと、これら端部51a,51c間を架橋する架橋部51bとを有する。
架橋部51bは、図4に示すように未発泡の発泡体50が装着され、発泡体50が発泡される際においては、図5を参考に示すように端部51a,51c間が離間することを防ぐ。
【0026】
端部51a,51cは、図4に示すように架橋部51b側に発泡体50の発泡方向を規制する発泡規制面51eを有する。したがって発泡体50は、図5に示すように端部51a,51cに設けられた発泡規制面51e間において発泡し、中空パネル2の充填領域を充填する。
したがって発泡体30は、図5に示すように長手方向のほぼ中心位置においてアウタパネル20とインナパネル21間(中空部)をほぼ充填する。
【0027】
また端部51a,51cは、発泡規制面51eから長手方向の先端に向けて先細り状に形成されている。そのため端部51a,51cと中空パネル2の中空壁面との間には、図5に示すように空間部52(52a〜52d)が形成されている。
そして各空間部52は、図5に示すように長手方向の両端側に向かって除々に大きくなっている。すなわち空間部52は、長手方向の端部に向けて除々に厚み方向に厚くなっている。
なお発泡体50と規制部材51は、高さ方向においてアウタパネル20とインナパネル21とを架橋している(図への記載は省略している)。
【0028】
したがって外力Fがアウタパネル20に加わった場合、補強具5の中央位置において最も中空パネル2が潰れにくく、長軸方向の両端寄りは、中空パネル2と補強具5とが外力Fによって除々に変形しやすい構造になっている。したがって補強具5を有する部分と有さない部分との境界によって生じる応力集中が小さくなっている。
また外力Fによる衝突エネルギーは、中空パネル2の長手方向に分散され、中空パネル2と補強具5の広い範囲で吸収される。かくして中空パネル2は、全体としての剛性が向上されている。
また空間部52は、発泡体50を充填しないことで形成されているため、補強構造10の剛性は、容易な構造によって向上されている。
【0029】
また端部51a,51cの下端面には、図4に示すように中空パネル2に取付くためのクリップ51dが設けられている。このクリップ51dは、図4に示すように突出状に形成されており、中空パネル2に設けられた孔状の取付部21cに嵌合されて取付く。
また端部51a,51cは、図4に示すように略三角柱状に形成されいるが、その内部は、図5に示すように中実であってもよいが、好ましくはハニカム構造、格子構造などの中空部分を多く有する構造である。この構造によると補強具5を軽量にすることができるためである。
【0030】
参考例2
参考例2を図6にしたがって説明する。
参考例2にかかる補強構造は、実施の形態1と補強具のみが異なる。そのため同一部分及び同一作用についてはその説明を割愛する。また同一部材については、同一番号を利用して説明する。
補強構造12の補強具6は、図6に示すように剛性の高い樹脂を素材として形成された樹脂構造物である。
【0031】
補強具6は、図6(a)に示すように長手方向の両端側に先細り状に形成された端部6a,6bを有する。
端部6a,6bは、図6(a)に示すように幅方向(図1のX方向)の長さが除々に減る形状であって、補強具6の上方からの形状は、図6(b)に示すように略菱形に構成されている。
この補強具6は、中空パネル2の中空室22内に対して、接着剤や補強具6自体に設けられたクリップなどによって取付けられる。そして補強具6の端部6a,6bと中空パネル2の間には、図6(b)に示すように空間部60(60a〜60d)が形成されている。
【0032】
そして各空間部60は、図6(b)に示すように長手方向の両端側に向かって除々に大きくなっている。すなわち空間部60は、長手方向の端部に向けて除々に厚み方向に厚くなっている。
したがって外力Fがアウタパネル20に加わった場合、補強具6の中央位置において最も中空パネル2が潰れにくく、長軸方向の両端寄りは、中空パネル2と補強具6とが外力Fによって除々に変形しやすい構造になっている。したがって補強具3を有する部分と有さない部分との境界によって生じる応力集中が小さくなっている。
【0033】
また外力Fによる衝突エネルギーは、中空パネル2の長手方向に分散され、中空パネル2と補強具6の広い範囲で吸収される。かくして中空パネル2は、全体としての剛性が向上されている。
また空間部60は、補強具6の形状によって所望形状に構成され得る。そのため補強構造12の剛性は、容易な構造によって向上されている。
また空間部60によって補強具6は、その材料の量を少くすることができる。そのため補強具6を軽量化にできるとともにコストダウンを図るこのも可能である。
【0034】
参考例3
参考例3を図7にしたがって説明する。
参考例3にかかる補強構造は、実施の形態1と補強具のみが異なる。そのため同一部分及び同一作用についてはその説明を割愛する。また同一部材については、同一番号を利用して説明する。
補強構造13の補強具7は、図7に示すように剛性の高い樹脂を素材として形成された樹脂構造物である。
【0035】
補強具7は、その側方(図1の矢印X方向)からの形状が図7(b)に示すように逆三角形状に構成されている。
すなわち補強具7は、図7(a)に示すように長手方向の両端側に先細り状に形成された端部7a,7bを有し、端部7a,7bは、その高さ方向(図1のZ方向)長さが除々に減る形状である。
また補強具7は、中空パネル2の中空室22内に対して、接着剤によって取付けられたり、あるいは補強具7に形成されたクリップが中空パネル2の取付部に取付けられるなどして中空パネル2に装着されている。そして補強具7の端部7a,7bと中空パネル2の中空壁面との間には、図7(b)に示すように空間部70(70a,70b)が形成されている。
【0036】
そして各空間部70は、図7(b)に示すように長手方向の両端側に向かって除々に大きくなっている。すなわち空間部70は、長手方向の端部に向けて除々に高さ方向に厚くなっている。
また補強具7は、外力が加わりやすいアウタパネル20の上端面(20b)に対して長手方向に渡って当接、あるいはほとんど隙間のない状態で配設されている。一方インナパネル21の下端面(21b)に対しては略中央部分のみが当接、あるいはほとんど隙間のない状態で配設されている。
【0037】
したがって外力Fがアウタパネル20に加わった場合、補強具7の中央位置において最も中空パネル2が潰れにくく、長軸方向の両端寄りは、中空パネル2と補強具7とが外力Fによって除々に変形しやすい構造になっている。したがって補強具3を有する部分と有さない部分との境界によって生じる応力集中が小さくなっている。
また外力Fによる衝突エネルギーは、中空パネル2の長手方向に分散され、中空パネル2と補強具7の広い範囲で吸収される。かくして中空パネル2は、全体としての剛性が向上されている。
【0038】
また空間部70a,70bは、補強具7の形状によって所望形状に構成され得る。そのため補強構造13の剛性は、容易な構造によって向上されている。
また空間部70a,70bによって補強具7は、その材料の量を少くすることができる。そのため補強具7を軽量化にできるとともにコストダウンを図るこのも可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る中空パネルの補強構造によると、補強具を有する部分と、補強具を有さない部分との境目に生じる応力集中が小さい構造であって、その構造が容易に構成され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 中空パネルと補強具の斜視図である。
【図2】 実施の形態1にかかる補強構造のX方向から見た側方断面図であって、補強構造の幅中心位置における断面図(a)、図(a)のA1−A1線断面図(b)、図(a)のA2−A2線断面図(c)、及び図(a)のA3−A3線断面図(d)である。
【図3】 実施の形態2にかかる補強構造のZ方向から見た下方断面図であって、補強構造の高さ中心位置における断面図(a)、図(a)のB1−B1線断面図(b)、図(a)のB2−B2線断面図(c)、及び図(a)のB3−B3線断面図(d)である。
【図4】 参考例1にかかる中空パネルと補強具の斜視図である。
【図5】 参考例1にかかる補強構造のZ方向から見た下方断面図であって、補強構造の高さ中心位置における断面図である。
【図6】 参考例2にかかる補強具の斜視図(a)と、補強構造のZ方向から見た下方断面図であって、補強構造の高さ中心位置における断面図(b)である。
【図7】 参考例3にかかる補強具の斜視図(a)と、補強構造のX方向から見た側方断面図であって、補強構造の幅中心位置における断面図(b)である。
【符号の説明】
1,10,11,12,13…補強構造
2…中空パネル
3,4,5,6,7…補強具
20…アウタパネル
21…インナパネル
22…中空室
30,30a,40,50…発泡体
31,41,51…規制部材
32a,32b,42,52,60,70…空間部

Claims (2)

  1. 中空パネルの内部に補強具を装着することで前記中空パネルを補強した中空パネルの補強構造であって、
    前記中空パネルと前記補強具との間には、前記中空パネルが外力を受けた際に、前記中空パネルと前記補強具との変形を許容する空間部が形成されており、前記空間部は、前記補強具の長手方向の両端側に向かって除々に大きくなるように形成され
    前記補強具は、発泡性基材を外部加熱により発泡させて形成した発泡体と、前記発泡性基材の発泡方向を規制する規制部材とを備え、
    前記規制部材は、略V字状であって、前記中空パネルの長手方向に沿って傾斜する一対の傾斜面と、該一対の傾斜面を接続する底壁面と、前記底壁面に設けられた孔を有し、
    前記発泡体は、未発泡の状態で前記一対の傾斜面と前記底壁面との間に設けられ、発泡することで前記孔を貫通して前記中空パネルの一側面に接着する部分と、前記一対の傾斜面と前記中空パネルの他側面との間で発泡して前記中空パネルの他側面に接着する部分とを有し、
    前記空間部は、前記傾斜面と前記中空パネルの間に形成されることを特徴とする中空パネルの補強構造。
  2. 中空パネルの内部に補強具を装着することで前記中空パネルを補強した中空パネルの補強構造であって、
    前記中空パネルと前記補強具との間には、前記中空パネルが外力を受けた際に、前記中空パネルと前記補強具との変形を許容する空間部が形成されており、前記空間部は、前記補強具の長手方向の両端側に向かって除々に大きくなるように形成され、
    前記補強具は、発泡性基材を外部加熱により発泡させて形成した発泡体と、前記発泡性基材の発泡方向を規制する規制部材とを備え
    前記規制部材は、前記中空パネルの長手方向の両端部が先細り状になるように一端部が接続された二対の傾斜面と、前記傾斜面の他端部を接続する一対の側壁面と、前記各側壁面に設けられた孔を有し、
    前記発泡体は、未発泡の状態で前記二対の傾斜面の間に設けられ、発泡することで前記一の側壁面の孔を貫通して前記中空パネルの一側面に接着する部分と、前記他の側壁面の孔を貫通して前記中空パネルの他側面に接着する部分とを有し、
    前記空間部は、前記傾斜面と前記中空パネルの間に形成されることを特徴とする中空パネルの補強構造。
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