JP4250336B2 - 化粧用製剤 - Google Patents
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Description
本発明は、末端イソシアナート基を有する少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーおよびイソシアナート基に対して反応性の基を有する少なくとも1種のポリマーから成る、少なくとも1種の水溶性または水分散可能な架橋ポリウレタンを含む化粧用製剤に関する。
【0002】
美容術において、毛髪のセット、構造改善および造型のために、皮膜形成性を有するポリマーが使用されている。これらのヘアトリートメント剤は、一般にアルコールまたはアルコールと水とから成る混合物中の皮膜形成剤の溶液を含んでいる。
【0003】
整髪剤は、一般に水−アルコール性溶液の形で毛髪上に噴霧される。溶剤の揮発の後、毛髪は残留しているポリマーの相互の接触点において所望の形に保持される。ポリマーは、一方では毛髪から洗い流すことができるように親水性でなければならないが、しかし他方ではポリマーで処理された毛髪が高い空気中の湿気でもその形を保持し、またたがいに粘着しないように疎水性でなければならない。できるだけ効率的な整髪作用を得るためには、比較的高い分子量および比較的高いガラス転移温度(少なくとも15℃)を有するポリマーの使用がなかでも望ましい。
【0004】
整髪剤の配合の場合に、その他に、揮発性有機化合物(VOC=揮発性有機化合物)の大気中への放出を制限するための環境規則に基づいて、アルコールおよび噴射剤含有量の低下が必要であることを考慮しなければならない。
【0005】
ヘアトリートメント剤への別の実際的な要求は、毛髪に自然な外観および光沢を与えることであり、これは例えば生まれつき著しく剛いかおよび/または暗色の毛髪の場合に該当する。
【0006】
ポリシロキサン、例えばポリジメチルシロキサン、およびポリシロキサン誘導体をヘアケア剤中に使用することは公知である。
【0007】
欧州特許出願公開(EP−A)第017122号明細書は、毛髪の櫛とき性、柔軟性および豊満性の改善のために洗髪剤およびヘアトリートメント剤中へのポリシロキサン−アンモニウム誘導体の使用を記載している。
【0008】
欧州特許出願公開(EP−A)第729742号明細書は、A)アミノ変性シリコーンターポリマーおよびB)第四級アンモニウム塩をベースとする少なくとも1種のカチオン性でシリコーンを含まないコンディションニング剤をベースとするヘアトリートメント剤を記載している。
【0009】
上記の両者の出版物に記載されている、非共有結合によりセット用ポリマーに結合しているポリシロキサンの使用の際の欠点は、貯蔵の間およびそれを毛髪上に適用した後に配合物の混合分離がしばしば起きることである。
【0010】
欧州特許出願公開(EP−A)第408311号明細書は、a)エチレン性不飽和の親水性モノマーおよびb)ポリシロキサン基を有するエチレン性不飽和モノマーから成る単位を有するコポリマーのヘアケア製品への使用を記載している。
【0011】
欧州特許出願公開(EP−A)第412704号明細書は、ビニルポリマーをベースとする骨格に一価のシロキサンポリマー単位を有するグラフトコポリマーをベースとするヘアケア剤を記載している。乾燥後に、ポリマーは、不連続でシリコーンを含有する相および連続でシリコーンを含まない相に分離する。
【0012】
WO93/03703明細書は、下記のものを含むヘアスプレー組成物を記載している:a)界面活性剤0.1〜2質量%、b)少なくとも300000の数平均分子量を有するイオン性樹脂0.5〜15質量%およびc)液状キャリヤー。ここで、イオン性樹脂はシリコーン含有モノマーを包含し、その際、樹脂は乾燥後に不連続性のシリコーン含有相およびシリコーンを含まない連続相に分離する。
【0013】
欧州特許出願公開(EP−A)第362860号明細書は、アルコール変性シリコーンエステル誘導体およびこれらを含む化粧用組成物を記載している。
【0014】
これらの出版物のいずれも、窒素含有基を介するセット用ポリマーへのシロキサン基の共有結合を有するポリウレタンをベースとするセット用ポリマーを記載していない。殊に、シロキサン基を含む水溶性または水分散可能な架橋ポリウレタンは記載されていない。さらに、これらのポリマーは、VOCが少ない配合物を製造するためには、適応が著しく制限される。
【0015】
水溶性または水分散可能なポリウレタンを、その皮膜形成性および水/エタノール中での一般に低い粘度に基づいて、化粧品中に使用することは公知である。すなわち、米国特許(US−A)第4743673号明細書は、ポリマー骨格中のカルボキシ基を有する親水性ポリウレタンポリマーを記載している。これらのカルボキシ基の生成のために、ポリマー骨格に結合したエステル基を、強塩基を用い、30〜60分間加熱して鹸化する。しかしその際、カルボン酸エステル成分のエステル基の鹸化だけでなく、またポリウレタン鎖内に含まれるエステル基も鹸化される。そのため、ポリウレタン鎖の開裂およびポリウレタン鎖の分子量の著しい低下となる。確かにヘアスプレーへのポリウレタンの使用は記載されている。しかし実際には、これらのポリウレタンを含む皮膜は、毛髪用化粧品のためには使用できない、それというのもこれらは水に不溶性であるかまたは分子量が低すぎて、不満足なセット作用しか有していないからである。
【0016】
ドイツ特許出願公開(DE−A)第4225045号明細書およびWO94/03515号明細書は、水溶性または水中に分散可能なアニオン性ポリウレタンの整髪剤としての使用を記載している。これらのポリウレタンは、
a)1分子あたり2個またはそれ以上の活性水素原子を有する、少なくとも1種の化合物、
b)酸基または塩の基を有する少なくとも1種のジオールおよび
c)少なくとも1種のジイソシアナート
から構成されている。
【0017】
これらのポリウレタンに基づく整髪剤ポリマーは、弾性に関して改善の必要があり、また一般に添加剤を加えないと快適な手触りとはならない。
【0018】
ドイツ特許出願公開(DE−A)第4241118号明細書は、化粧品および医薬製剤中の助剤としての非架橋のカチオン性ポリウレタンおよびポリ尿素の使用を記載している。
【0019】
欧州特許出願公開(EP−A)第619111号明細書は、有機ジイソシアナート、ジオールおよび式
【0020】
【化3】
【0021】
〔式中、Aは水素原子またはC1〜C20−アルキル基を表す〕の2,2−ヒドロキシメチルで置換されているカルボキシレートをベースとするポリウレタンの整髪剤中への使用を記載している。カルボン酸基の少なくとも一部は、ここで有機または無機の塩基を用いて中和されている。これらのポリウレタンをベースとする皮膜は軟弱かつ粘着性であり、これに基づく整髪剤は、これについて改善の必要がある。
【0022】
最後に記載した出版物中に記載のポリウレタンは、整髪剤ポリマーへの要求事項を部分的にしか満足できない。すなわち、毛髪の望ましい柔軟性は、すべての上記のポリウレタンベースの製品の場合に改善の必要がある。
【0023】
欧州特許出願公開(EP−A)第636361号明細書は、化粧用に認容性のキャリヤー中に、少なくとも1種のポリシロキサン単位およびアニオン性またはカチオン性基を有する少なくとも1種のポリウレタンおよび/またはポリ尿素単位を有する重縮合体をベースとする少なくとも1種の疑似ラテックス(Pseudolatex)を含む化粧用組成物を記載している。水溶性または水分散可能な架橋ポリウレタンは記載されていない。WO97/25021号明細書は、同様の開示内容を有している。この化粧用製剤は、なかでもケラチン性物質の処理のために適している。しかし、この皮膜形成剤の洗い流し性は、満足ではない。さらに、これらは高いシロキサンの割合のために、毛髪用ポリマーに要求されるセット作用も有していない。
【0024】
ドイツ特許出願公開(DE−A)第19541329号明細書およびWO97/17052号明細書は、式I
〔A−(X)n〕n-・〔HmB〕m+ I
〔式中、
Aは、化粧用に認容できる脂肪族、脂環式または芳香族基を表し、これはシロキサン単位および/またはフッ素含有単位を有していてもよく、
Xは、カルボキシレート基、スルホネート基、ホスフェート基またはホスホネート基を表し、
Bは、シロキサン単位および/またはフッ素含有単位を有していてもよい化粧用に認容できるアミン塩基を表し、
nは、1〜30を表し、かつ
mはアミンBの結合価を表す〕
の水溶性または水分散可能な塩を含むヘアトリートメント剤を記載している。
【0025】
これらのシロキサン含有塩、シロキサンを含まない整髪用ポリマーおよびシリコーン油をベースとするヘアスプレー配合物は、容易に、例えば機械的な負荷により毛髪表面から剥離する皮膜となる。従って、これらの配合物のセット作用は、改善の必要がある。
【0026】
ドイツ特許出願公開(DE−A)第19541326号明細書およびWO97/17386号明細書は、末端酸基を有する水溶性または水分散可能なポリウレタン、その製造およびその使用を記載している。これによると、水溶性または水分散可能な末端イソシアナート基を有するポリウレタンプレポリマーを、アミノスルホン酸またはアミノカルボン酸、殊にはタウリン、アスパラギン酸およびグルタミン酸と反応させる。これらのポリウレタンをベースとするヘアスプレーは、まだ改善の必要がある。殊に、高い噴射気体含有量および/または高い有機溶剤含有量および場合により非常に小さい微粒子を得るための噴霧微細化剤を同時に使用したヘアスプレーの配合の際に問題を生じることがある。
【0027】
欧州特許出願公開(EP−A)第492657号明細書は、線状ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン−ブロックコポリマーを反復単位として含む、スキンケアおよびヘアケア製品中に使用するための化粧用製剤を記載している。シロキサン含有またはシロキサンを含まないポリウレタンプレポリマーをベースとする水溶性または水分散可能な架橋ポリウレタンは、この文献中には記載されていない。
【0028】
欧州特許出願公開(EP−A)第277816号明細書は、一方の鎖末端にヒドロキシル基2個および他端にトリメチルシリル基1個を有し、一般式
【0029】
【化4】
【0030】
〔式中、Rは水素、メチルまたはエチルを表し、かつnは0〜4000の値を表す〕のポリジメチルシロキサン、ならびにこれを用いて変性されたポリウレタンを記載している。その際これらは、シロキサン含有側鎖およびポリウレタン骨格を有する「グラフトコポリマー」の種類の変性ポリウレタンのみである。この変性ポリウレタンの毛髪用化粧品中への使用は記載されていない。
【0031】
欧州特許出願公開(EP−A)第0389386号明細書は、医薬調製剤の制御された放出のために適する、組み込まれたウレタン単位を有する線状ジオルガノポリシロキサン−ポリエステル−ブロックコポリマーを記載している。
【0032】
欧州特許出願公開(EP−A)第0687459号明細書は、モノエチレン性不飽和シロキサンマクロモノマーと少なくとも1種のポリウレタンコポリマーおよび/またはポリ尿素コポリマーとのラジカル法グラフト共重合により得られる水性ポリマー分散液をベースとするヘアトリートメント剤を記載している。末端イソシアナート基を有するポリウレタンプレポリマーおよびイソシアナート基に対して反応性の基を有するポリマーから成る架橋ポリウレタンは、この文献中には記載されていない。
【0033】
欧州特許出願公開(EP−A)第0773246号明細書は、
A)末端イソシアナート基を有する水溶性または水分散可能なポリウレタンプレポリマーおよび
B)遊離アミノ基を有するタンパク質
から成る水溶性または水分散可能なグラフトポリマーを記載している。
【0034】
これらは、化粧品中の助剤および殊には改善された洗い流し性を有する整髪剤として適する。タンパク質の使用は、これが保存剤による安定化を必要とし、また天然物質としてしばしば変動する製品特性を有するという欠点を有する。
【0035】
本発明は、一方では整髪剤として使用でき、しかし他方では良好な洗い流し性(再分散性)を有する、ポリウレタンに基づく新規の化粧用製剤、殊にはヘアトリートメント剤を提供するという課題に基づいていた。有利には、これらは毛髪に滑らかさおよび柔軟性を与えなければならない。
【0036】
意外にも、この課題は、末端イソシアナート基を有する少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーおよびイソシアナート基に対して反応性の基を有する少なくとも1種のポリマーから反応生成物を製造し、その際、成分の少なくとも1種はシロキサン基を有する、少なくとも1種の水溶性または水分散可能な架橋ポリウレタンを含む化粧製剤により解決されることが見出された。
【0037】
従って、本発明の対象は、
A)末端イソシアナート基を有する少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーおよび
B)ヒドロキシル基、第一級および第二級アミノ基および/またはカルボキシル基から選ばれている、イソシアナート基に対して反応性の基を有する少なくとも1種のポリマー
から成り、その際、成分A)および/またはB)の少なくとも1種が水溶性または水分散可能であり、かつ成分A)および/またはB)の少なくとも1種が少なくとも1個のシロキサン基を有する、少なくとも1種の水溶性または水分散可能な架橋ポリウレタン、およびその塩を含む化粧用製剤である。
【0038】
ポリウレタンプレポリマーA)
成分A)は、有利には
a)56から300の範囲内の分子量を有し、1分子あたり活性水素原子2個を有する少なくとも1種の化合物、
b)1分子あたり活性水素原子2個を有する少なくとも1種のポリマー、
c)場合によりポリシロキサン、
d)場合により、1分子あたり活性水素原子2個および少なくとも1個のイオノゲン性またはイオン性基を有する少なくとも1種の化合物
e)少なくとも1種のジイソシアナート
から成るポリウレタンプレポリマーである。
【0039】
成分a)は、有利にはジオール、ジアミン、アミノアルコール、およびこれらの混合物である。これらの化合物の分子量は、有利には約56〜280の範囲内にある。希望する場合には、上記の化合物の3モル%まではトリオールまたはトリアミンにより置換されていてもよい。
【0040】
有利には、成分a)としてジオールを使用する。使用できるジオールは、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメチロール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコールまたはヘキサエチレングリコールおよびこれらの混合物である。有利にはネオペンチルグリコールおよび/またはシクロヘキサンジメチロールを使用する。
【0041】
好適なアミノアルコールは、例えば2−アミノエタノール、2−(N−メチルアミノ)エタノール、3−アミノプロパノール、4−アミノブタノール、1−エチルアミノブタン−2−オール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、4−メチル−4−アミノペンタン−2−オールなどである。
【0042】
好適なジアミンは、例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタンおよび1,6−ジアミノヘキサンならびにポリアルキレンオキシドのアンモニアを用いるアミノ化により製造できるα,ω−ジアミノポリエーテルである。
【0043】
成分b)は、有利には、約300〜5000、有利には約400〜4000、殊には500〜3000の範囲内の数平均分子量を有するポリマーである。使用できるポリマーb)は、例えばポリエステルジオール、ポリエーテルオール(Polyetherol)およびこれらの混合物である。ポリエーテルオールは、有利にはポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランなど、エチレンオキシドおよびポリプロピレンオキシドから成るブロックコポリマーまたはエチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレンオキシドから成るブロックコポリマーであり、これらはアルキレンオキシド単位がランダムに分布しているかまたはブロックの形で一緒に重合されて含まれている。有利には、成分b)として、ポリテトラヒドロフラン、ポリエステルジオールおよびこれらの混合物を使用する。
【0044】
好適なポリテトラヒドロフランb)は、酸性触媒、例えば硫酸またはフルオロ硫酸の存在下におけるテトラヒドロフランのカチオン重合により製造できる。このような製造方法は、専門家には公知である。
【0045】
使用できるポリエステルジオールb)は、有利には約400〜5000、有利には500〜3000、殊には600〜2000の数平均分子量を有する。
【0046】
ポリエステルジオールとして、通常ポリウレタンの製造のために使用されるあらゆるものが該当し、殊には芳香族ジカルボン酸、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、Na−スルホイソフタル酸またはK−スルホイソフタル酸など、脂肪族ジカルボン酸、例えばアジピン酸またはコハク酸など、および脂環式ジカルボン酸、例えば1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸または1,4−シクロヘキサンジカルボン酸をベースとするものである。ジオールとしては、殊には脂肪族ジオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,4−ジメチロールシクロヘキサン、ならびに式
【0047】
【化5】
【0048】
〔式中、R10はHまたはCH3を表し、またR11はC1〜C18−アルキル(殊にはC1〜C12−アルキルまたはC1〜C8−アルキル)を表す〕の分子量3000以下を有するポリ(メタ)アクリレートジオールが該当する。このようなジオールは、通常の方法で製造ができ、また市場で入手できる〔ゴルトシュミット社(Fa. Goldschmidt)のテゴマー(Tegomer) (R) タイプMD、BDおよびOD〕。
【0049】
有利には、芳香族および脂肪族ジカルボン酸および脂肪族ジオールをベースとするポリエステルジオールであり、殊には芳香族ジカルボン酸が、全ジカルボン酸部分の10〜95モル%、殊には40〜90モル%および有利には50〜85モル%(残りは脂肪族ジカルボン酸)で構成されているものである。
【0050】
殊に有利なポリエステルジオールは、フタル酸/ジエチレングリコール、イソフタル酸/1,4−ブタンジオール、イソフタル酸/アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール、5−NaSO3−イソフタル酸/フタル酸/アジピン酸/1,6−ヘキサンジオール、アジピン酸/エチレングリコール、イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコール、イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコール/ジエチレングリコール/ジメチロールシクロヘキサンおよび5−NaSO3−イソフタル酸/イソフタル酸/アジピン酸/ネオペンチルグリコール/ジエチレングリコール/ジメチロールシクロヘキサンからの反応生成物である。
【0051】
ポリシロキサンc)は、有利には式I
【0052】
【化6】
【0053】
〔式中、
R1およびR2は、たがいに独立してC1〜C4−アルキル、ベンジルまたはフェニルを表し、
XおよびYは、たがいに独立してOHまたはNHR3(式中、R3は水素、C1〜C6−アルキルまたはC5〜C8−シクロアルキルを表す)を表し、
mおよびnは、たがいに独立して2〜8を表し、
pは3〜50を表す〕
の化合物である。
【0054】
好適なアルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルなどである。好適なシクロアルキル基は、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどである。
【0055】
有利にはR1およびR2は、両方ともにメチルである。
【0056】
これらのポリシロキサンc)は、有利には、約300〜5000、有利には400〜3000の範囲内の数平均分子量を有する。
【0057】
好適なポリシロキサンc)は、また欧州特許出願公開(EP−A)第227816号明細書に記載されたポリジメチルシロキサンであり、これをここに引用する。
【0058】
1分子あたり活性水素原子2個および少なくとも1個のイオノゲン性またはイオン性基を有する好適な化合物d)は、例えばカルボキシレート基および/またはスルホネート基を有する化合物である。成分d)として、ジメチロールプロパン酸およびジメチロールプロパン酸を含む混合物が殊に有利である。
【0059】
イオノゲン性またはイオン性基を有する好適なジアミンおよび/またはジオールd)は、例えばジメチロールプロパン酸および式
【0060】
【化7】
【0061】
〔式中、RはいずれもC2〜C18−アルキレン基を表し、かつMeはNaまたはKを表す〕の化合物である。
【0062】
成分d)として、式
H2N(CH2)n−NH−(CH2)m−COO-M+
H2N(CH2)n−NH−(CH2)m−SO3 -M+
〔式中、mおよびnはたがいに独立して1〜8、殊には1〜6の整数を表し、かつMはLi、NaまたはKを表す〕の化合物、および式
H2N(CH2CH2O)p(CH2CH(CH3)O)q(CH2)n−NH−(CH2)m− SO3 -M+
〔式中、m、nおよびMは上記の意味を有し、pおよびqはたがいに独立して0〜50の整数を表し、その際、両変数pおよびqの少なくとも一方は>0である〕の化合物も使用できる。ここでアルキレンオキシド単位の順序は任意である。最後に挙げた化合物は、有利には約400〜3000の範囲内の数平均分子量を有する。
【0063】
成分d)として、窒素含有基を有する化合物を使用する場合には、カチオン性ポリウレタンが得られる。使用できる成分d)は、例えば一般式
【0064】
【化8】
【0065】
〔式中、
−同じかまたは異なっていてもよいR1およびR2は、C2〜C8−アルキレンを表し、
−同じかまたは異なっていてもよいR3、R6およびR7は、C1〜C6−アルキル、フェニルまたはフェニル−C1〜C4−アルキルを表し、
同じかまたは異なっていてもよいR4およびR5は、HまたはC1〜C6−アルキルを表し、
oは、1、2または3を表し、
X(-)は、塩素、臭素、ヨウ素、C1〜C6−アルキルスルフェートまたはSO4 2-/2を表す〕の化合物である。殊に有利には、N−(C1〜C6−アルキル)ジエタノールアミン、例えばメチルジエタノールアミンである。
【0066】
成分d)として、少なくとも1種の上記のアニオン性またはアニオノゲン性成分および少なくとも1種の上記のカチオン性またはカチオノゲン性成分とを有する混合物も好適である。従って有利には、ジメチロールプロパン酸とN−メチルジエタノールアミンとを含む混合物を使用する。
【0067】
成分e)は、慣用の脂肪族、脂環式および/または芳香族ジイソシアナート、例えばテトラメチレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、メチレンジフェニルジイソシアナート、2,4−トルイレンジイソシアナートおよび2,6−トルイレンジイソシアナートおよびこれらの異性体混合物、o−キシリレンジイソシアナートおよびm−キシリレンジイソシアナート、1,5−ナフチレンジイソシアナート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアナート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートおよびこれらの混合物、殊にはイソホロンジイソシアナートおよび/またはジシクロヘキシルメタンジイソシアナートである。希望する場合には、上記の化合物の3モル%まではトリイソシアナートにより置換されていてもよい。
【0068】
ポリウレタンプレポリマーA)の製造は、成分a)、b)および場合によりc)および/またはd)と成分e)の化合物の反応により行う。その際、温度は約60〜140℃、有利には約70〜100℃の範囲内である。反応は、無溶剤または好適な不活性の溶剤または溶剤混合物中で行うことができる。好適な溶剤は、非プロトン性極性溶剤、例えばテトラヒドロフラン、酢酸エチルエステル、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドおよび有利にはケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトンである。有利には、反応は不活性雰囲気中、例えば窒素中で行う。成分は、有利には、成分e)の化合物のNCO当量と、成分a)、b)、および存在する場合にはc)およびd)の活性水素原子の当量との比が、約1.0:1から1.4:1、有利には1.03:1から1.3:1、殊には1.05:1から1.25:1の範囲内にあるような量で使用する。得られたポリウレタンプレポリマーA)は、このためにまだ遊離のイソシアナート基を有する。
【0069】
有利には、ポリウレタンプレポリマーA)は、
−少なくとも1種の成分a)0.3〜15質量%、有利には0.5〜12質量%、
−少なくとも1種の成分b)0.5〜80質量%、有利には1〜65質量%、
−少なくとも1種の成分c)0〜30質量%、
−少なくとも1種の成分d)0〜25質量%、
−少なくとも1種の成分e)25〜60質量%、有利には35〜53質量%
を一緒に重合して含む。
【0070】
ポリシロキサン含有ポリウレタンプレポリマーは、有利には、少なくとも1種の成分c)を、成分a)〜e)の全量に対して0.1〜25質量%、殊には0.2〜20質量%、特には0.3〜15質量%を一緒に重合して含む。
【0071】
ポリウレタンプレポリマーが、1分子あたり少なくとも1個のイオノゲン性またはイオン性基を有する少なくとも1種の化合物d)を含む場合には、これは、成分a)〜e)の全量に対して有利には5〜25質量%、殊に有利には8〜20質量%の量を一緒に重合して含む。
【0072】
ポリマーB)
本発明による製剤中に使用される架橋して水溶性または水分散可能なポリウレタンの製造は、少なくとも1種の上記のポリウレタンプレポリマーA)と、少なくとも1種のポリマーB)との反応により行われる。
【0073】
有利には、ポリマーB)は、
B1)少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和モノマーを一緒に重合して含んでおり、追加的に1分子あたりイソシアナート基に対して反応性の少なくとも1個の基を有するポリマー、
B2)ポリエステル
B3)シリコーン−ポリ(アルキレンオキシド)−コポリマー
およびこれらの混合物から選ばれる。
【0074】
有利にはポリマーB1)は、下記のもの:
f)追加的に1分子あたりイソシアナート基に対して反応性の少なくとも1個の基を有する、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和モノマー、
g)場合により、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸および/またはジカルボン酸とC1〜C22−アルカノールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸および/またはジカルボン酸とモノ−C1〜C22−アルキルアミンおよびジ−C1〜C22−アルキルアミンとのアミド、ビニルアルコールおよびアリルアルコールとC1〜C40−モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、C2〜C8−モノオレフィン、少なくとも2個の共役二重結合を有する非芳香族炭化水素およびこれらの混合物から選ばれている、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和モノマー、
h)場合により、N−ビニルアミド、N−ビニルラクタム、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の第一級アミド、ビニル置換およびアリル置換複素芳香族化合物およびこれらの混合物から選ばれている、少なくとも1種のα,β−エチレン性不飽和モノマー、
i)場合により、ラジカル重合が可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合および少なくとも1個のイオノゲン性またはイオン性基を1分子あたり有する、少なくとも1種の別のモノマー
を一緒に重合して含んでいる。
【0075】
好適なモノマーf)は、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などと、C1〜C20−アルカンジオールとのエステルである、これには、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルエタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルアクリレート、3−ヒドロキシ−2−エチルヘキシルメタクリレートなどが挙げられる。有利には、ヒドロキシエチルアクリレートおよびヒドロキエチルメタクリレートを使用する。好適なモノマーf)は、また上記の酸とトリオールおよびポリオール、例えばグリセリン、エリトリトール、ペンタエリトリトール、ソルビトールとのエステルである。
【0076】
好適なモノマーf)は、さらに上記のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸と、第一級または第二級アミノ基を有するC2〜C12−アミノアルコールとのエステルおよびアミドである。これには、アミノアルキルアクリレートおよびアミノアルキルメタクリレートおよびそのN−モノアルキル誘導体、例えばN−C1〜C8−モノアルキル基を有するもの、例えばアミノメチルアクリレート、アミノメチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、N−メチルアミノメチルアクリレート、N−メチルアミノメチルメタクリレート、N−エチルアミノメチルアクリレート、N−エチルアミノメチルメタクリレート、N−(n−プロピル)アミノメチル(メタ)アクリレート、N−イソプロピルアミノメチル(メタ)アクリレートおよび有利にはt−ブチルアミノエチルアクリレートおよびt−ブチルアミノエチルメタクリレートが挙げられる。これにはさらに、N−(ヒドロキシ−C1〜C12−アルキル)(メタ)アクリルアミド、例えばN−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0077】
好適なモノマーf)は、また上記のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸と、少なくとも2個の第一級または2個の第二級あるいは1個の第一級および1個の第二級アミノ基を有するジアミンおよびポリアミンとのアミドである。これには、例えばアクリル酸およびメタクリル酸(以下には語「(メタ)」で表す)との相当するアミド、例えばアミノメチル(メタ)アクリルアミド、アミノエチル(メタ)アクリルアミド、アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、エチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、エチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、メチルアミノ−n−ブチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0078】
好適なモノマーg)は、実質的に疎水性の非イオン性モノマーである。これには、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸と、C1〜C22−アルカノール、有利にはC1〜C18−アルカノールとのエステル、例えばアクリル酸および/またはメタクリル酸とメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、2−エチルヘキサノール、ドデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどとのエステルが挙げられる。
【0079】
好適なモノマーg)は、さらにα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸と、アルキル基1個あたり炭素原子1〜22個、有利には炭素原子1〜18個を有するモノアルキルアミンおよびジアルキルアミンとのアミドである。これには、例えばN−C1〜C22−アルキル(メタ)アクリルアミド、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−(n−プロピル)(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−(t−ブチル)(メタ)アクリルアミド、N−ペンチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヘプチル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられる。
【0080】
好適なモノマーg)は、さらにギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n−酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、o−クロロスチレン、ビニルトルエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテルなどである。
【0081】
好適なモノマーh)は、実質的に親水性の非イオン性モノマーである。これには、例えばN−ビニルアミド、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミドなどが挙げられる。有利にはN−ビニルホルムアミドを使用する。
【0082】
好適なモノマーh)は、さらにN−ビニルラクタムおよびこれらの誘導体であり、これらは例えば1個またはそれ以上のC1〜C6−アルキル置換基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチルなどを有していることができる。これには、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニル−5−メチル−2−ピロリドン、N−ビニル−5−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−6−メチル−2−ピペリドン、N−ビニル−6−エチル−2−ピペリドン、N−ビニル−7−メチル−2−カプロラクタム、N−ビニル−7−エチル−2−カプロラクタムなどが挙げられる。
【0083】
好適なモノマーh)は、さらに上記のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の第一級アミド、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、エタクリルアミドなどである。
【0084】
好適なモノマーh)は、さらにビニル置換およびアリル置換の複素芳香族化合物、例えば2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、2−アリルピリジン、4−アリルピリジン、および有利にはN−ビニル複素芳香族、例えばN−ビニルイミダゾール、N−ビニル−2−メチルイミダゾールなどである。
【0085】
化合物i)は、1分子当たり少なくとも1個のイオノゲン性またはイオン性基を有し、これらは有利にはカルボキシレート基および/またはスルホネート基およびこれらの部分的または全体的な塩基を用いて中和して得られる塩、ならびに部分的または全体的なプロトン化および四級化されていてもよい第三級アミン基から選ばれている。中和のために好適な塩基またはプロトン化のための酸および四級化のためのアルキル化剤は、以下に本発明によるポリウレタンの製造に関連して挙げられている。
【0086】
好適なモノマーi)は、例えば上記のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸およびその半エステルおよび無水物、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノブチルなどである。有利にはアクリル酸、メタクリル酸およびこれらのアルカリ金属塩、例えばこれらのナトリウム塩およびカリウム塩を使用する。
【0087】
好適なモノマーi)は、さらにアクリルアミドアルカンスルホン酸およびこれらの塩、例えば2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらのアルカリ金属塩、例えばこれらのナトリウム塩およびカリウム塩である。
【0088】
別の好適なモノマーi)は、上記のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸と、アミン窒素にC1〜C8−ジアルキル化したC2〜C12−アミノアルコールとのエステルである。これには、例えばN,N−ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。有利にはN,N−ジメチルアミノプロピルアクリレートおよびN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートを使用する。
【0089】
好適なモノマーi)は、さらに、上記のα,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸およびジカルボン酸と、1個の第三級および1個の第一級または第二級アミノ基を有するジアミンとのアミドである。これには、例えばN−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕−アクリルアミド、N−〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕メタクリルアミド、N−〔3−(ジメチルアミノ)プロピル〕アクリルアミド、N−〔3−(ジメチルアミノ)プロピル〕メタクリルアミド、N−〔4−(ジメチルアミノ)ブチル〕アクリルアミド、N−〔4−(ジメチルアミノ)ブチル〕メタクリルアミド、N−〔2−(ジエチルアミノ)エチル〕アクリルアミドなどが挙げられる。
【0090】
有利には、ポリマーB1)は、成分f)に追加して少なくとも1種の成分g)および/またはh)、ならびに場合により成分i)を一緒に重合して含む。
【0091】
有利には、ポリマーB1)は、
−少なくとも1種の成分f)0.05〜15質量%、有利には0.1〜10質量%、
−少なくとも1種の成分g)0〜99.9質量%、
−少なくとも1種の成分h)0〜99.9質量%、
−少なくとも1種の成分i)0〜50質量%、有利には0.1〜46質量%、
を一緒に重合して含む。
【0092】
有利には、成分g)およびh)の合計量は、30〜99.9質量%、殊には40〜99.5質量%、特には50〜99.5質量%の範囲内にある。
【0093】
有利な実施態様によると、ポリマーB1)は、
−少なくとも1種の成分f)0.1〜10質量%、有利には0.5〜5質量%、
−少なくとも1種の成分h)50〜99.9質量%、有利には60〜99.5質量%、
−少なくとも1種の成分i)0〜40質量%、有利には0〜35質量%、
を一緒に重合して含む。
【0094】
別の有利な実施態様によると、ポリマーB1)は、
−少なくとも1種の成分f)0.1〜10質量%、有利には0.5〜5質量%、
−少なくとも1種の成分g)50〜99.9質量%、有利には60〜90質量%、
−少なくとも1種の成分i)0〜50質量%、有利には10〜46質量%、
を一緒に重合して含む。
【0095】
別の有利な実施態様によると、ポリマーB1)は、
−少なくとも1種の成分f)0.1〜10質量%、有利には0.5〜5質量%、
−少なくとも1種の成分g)0.1〜99.9質量%、有利には0.1〜90質量%、
−少なくとも1種の成分h)0.1〜99.9質量%、有利には0.1〜99.5質量%、
−少なくとも1種の成分i)0〜50質量%、有利には0〜46質量%、
を一緒に重合して含む。
【0096】
ポリマーB1)の製造は、慣用で専門家には公知の方法により行う。これには、バルク重合および有利には溶液重合が挙げられる。重合温度は、通常30〜120℃、有利には40〜100℃である。重合媒体は、有機溶剤のみから成っていても、あるいは水と少なくとも1種の水と混合可能な有機溶剤との混合物から成っていることもできる。有利な有機溶剤は、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、ケトン、例えばアセトンおよびメチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどである。溶液重合は、バッチ法でも供給法(Zulaufverfahren)の形で、モノマー供給法、段階法および勾配法も含めて行うことができる。有利には、一般に場合により重合バッチの一部を装入し、重合温度まで加熱し、引き続いて重合バッチの残部を通常1個または複数の別々の供給口から、連続的、段階的または重合ゾーンの重合を継続するために濃度低下を考慮にいれて加える供給法である。
【0097】
ラジカル重合の開始剤として、ラジカル重合に好適なアゾ化合物が該当する。これには、脂肪族または脂環式アゾ化合物、例えば2,2′−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カルバモイルアゾ)イソブチロニトリル、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)およびこれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩、例えばナトリウム塩、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチラート、2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)および後に挙げた2つの化合物の酸付加塩、例えばジヒドロクロリドが挙げられる。
【0098】
さらに、開始剤として過酸化水素、還元剤と組み合わせたヒドロペルオキシドおよび過酸が該当する。好適なヒドロペルオキシドは、例えばt−ブチルヒドロペルオキシド、t−アミルヒドロペルオキシド、クメンヒドロペルオキシドおよびピナンヒドロペルオキシドであり、いずれも例えばヒドロキシメタンスルフィン酸の塩、鉄(II)塩またはアスコルビン酸と組み合わせる。好適な過酸は、殊にはアルカリ金属ペルオキシジスルフェートである。
【0099】
使用される開始剤量は、モノマーに対して、一般に約0.02〜15モル%、有利には0.05〜3モル%の範囲内にある。
【0100】
低い分子量を望む場合には、これは重合バッチに調整剤を添加して調整できる。調整剤として、例えばアルデヒド、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒドおよびイソブチルアルデヒド、ギ酸、ギ酸アンモニウム、硫酸ヒドロキシアンモニウムおよびリン酸ヒドロキシアンモニウムが好適である。さらに、調整剤として、有機的に結合している硫黄を含むもの、例えばジ−n−ブチルスルフィド、ジ−n−オクチルスルフィド、ジフェニルスルフィドなど、あるいは硫黄をSH−基の形で含む調整剤、例えばn−ブチルメルカプタン、n−ヘキシルメルカプタンまたはn−ドデシルメルカプタンも使用できる。好適には、また水溶性で硫黄含有の重合調整剤、例えば亜硫酸水素塩および二亜硫酸塩も適する。さらに、調整剤として、アリル化合物、例えばアリルアルコールまたはアリルブロミド、ベンジル化合物、例えばベンジルクロリドまたはハロゲン化アルキル、例えばクロロホルムまたはテトラクロロメタンも適する。
【0101】
希望する場合にはポリマー溶液に重合反応に続いて1種またはそれ以上の重合開始剤を加え、重合を完了させるために重合溶液を例えば重合温度または重合温度以上の温度まで加熱する。好適には、上記のアゾ開始剤であるが、しかしその他の慣用の水溶液中のラジカル重合のために適する開始剤、例えば過酸化物、ヒドロペルオキシド、ペルオキソジスルフェート、過炭酸塩、ペルオキソエステルおよび過酸化水素である。これにより、重合反応は、より高い変換率、例えば99.9%まで進行する。重合の際に発生する溶液は、場合により従来技術による相応する乾燥法により固体粉末に転換できる。有利な方法は、例えば噴霧乾燥、噴霧流動床乾燥、ロール乾燥およびバンド乾燥である。同様に、凍結乾燥および凍結濃縮を適用できる。所望の場合には、溶剤を慣用の方法、例えば減圧下の蒸留により部分的または完全に除去し、場合により引き続くポリマーB1)とポリウレタンプレポリマーA)との反応のために使用した溶剤と交換することもできる。その際、有利には、活性水素原子を有する溶剤中で製造したヒドロキシル基を有するポリマーB1)をA)との反応の前に乾燥し、引き続いて活性水素原子を有していない溶剤または溶剤混合物中で使用する。
【0102】
有利には、成分B2)は、芳香族ジカルボン酸または芳香族ジカルボン酸無水物をベースとするポリエステル、例えばドイツ特許出願公開(DE−A)第2637167号明細書、欧州特許出願公開(EP−A)第000171号明細書中、および殊にはドイツ特許出願公開(DE−A)第4224761明細書中に記載のものであり、これらをここに全体を引用する。殊には、成分B2)は、数平均分子量500〜1000を有するポリエステルジオールおよび芳香族ジカルボン酸またはポリカルボン酸またはこれらのカルボン酸の無水物、有利には無水トリメリト酸をベースとするポリエステルである。ポリエステルジオール成分の製造のための有利なジオールは、上記の成分a)およびb)として記載のジオール、ポリエステルジオールおよびポリエーテルオールである。有利なポリエステルジオールのカルボン酸成分は、芳香族ジカルボン酸、例えばフタル酸、イソフタル酸またはテレフタル酸である。
【0103】
有利には、成分B3)は、一般式II
【0104】
【化9】
【0105】
〔式中、
nおよびoは、たがいに独立して0〜200の整数を表し、その際、nとoとの和は3以上であり、
R4、R5およびR8は、たがいに独立してC1〜C8−アルキル、ベンジル、フェニルまたは式III
−(CH2)r−O−(CH2CH2O)p(CH2CH(CH3)O)q−H (III)
(ここで、式III中、アルキレンオキシド単位の順序は任意であり、
rは、1〜8の整数を表し、
pおよびqは、たがいに独立して0〜200の整数を表し、その際pとqとの和は>0である)の基を表し、
R6およびR7は、たがいに独立してC1〜C8−アルキル、ベンジルまたはフェニルを表し、
その際、式IIの化合物は、少なくとも一般式IIIの基2個を有する〕の化合物である。
【0106】
有利には、nとoとの和は、式IIの化合物の分子量が約300〜30000の間にあるように選定する。
【0107】
有利には、式IIの化合物のアルキレンオキシド単位の総数、すなわち式III中のpとqとの和は、約3〜200、有利には5〜180の範囲内にある。
【0108】
有利には、基R6およびR7は、たがいに独立して、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、オクチル、2−エチルヘキシル、デシル、ドデシルおよびオクタデシル、シクロヘキシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチル、トリル、キシリルなどから選定される。
【0109】
有利には、基R4またはR5の少なくとも1個、殊には基R4およびR5の両者がメチルを表す。
【0110】
好適なポリマーB3)は、国際的自由名(internationalen Freinamen)であるジメチコーン(Dimethicon)として知られているシリコン−ポリ(アルキレンオキシド)−コポリマーであり、これはゴルトシュミット社の商標テゴプレン(Tegopren)(R)、ワッカー社(Fa. Wacker)のベルシル(Belsil)(R)6031およびヴィトコ社(Fa. Witco)のシルヴェット(Silvet)(R)Lである。
【0111】
本発明によるポリウレタンの製造は、ポリウレタンプレポリマーA)とポリマーB)との反応により行う。その際、成分A)のNCO当量と成分B)の活性水素原子の当量との比は、一般に約20:1〜1:1、有利には10:1〜1:1、殊には10:1〜1.01:1の範囲内にある。反応の際の温度は、一般に約10〜150℃、有利には約20〜90℃の範囲内である。反応は、有利には好適な不活性溶剤または溶剤混合物中で行うことができる。好適な溶剤は、上記のポリウレタンプレポリマーA)の製造に記載してある。成分B)としてヒドロキシル基を有するポリマーB1)またはB3)またはヒドロキシル基含有またはカルボン酸基含有ポリエステルB2)を使用する場合には、反応温度は、有利には約60〜150℃の範囲内にある。ここで、反応は、有利には活性水素原子を有していない溶剤または溶剤混合物中で行われる。有利にはケトン、例えばアセトン、メチルエチルケトンおよびこれらの混合物を使用する。成分B)として、イソシアナート基に対して反応性の基として主としてまたはすべてが第一級および/または第二級のアミノ基を有するポリマーB1)を使用する場合には、反応温度は、有利には約20〜80℃の範囲内にある。この場合には、反応は、所望の場合には活性水素原子を有していてもよい溶剤または溶剤混合物中で行うことができる。その際上記のものの他に、有利にはアルコール、例えばメタノールおよびエタノール、アルコールと水の混合物ならびにアルコール類と上記のケトンとの混合物が使用される。有利には、本発明によるポリウレタンの製造のために、成分A)またはB)の一方の溶液を、慣用で専門家には公知の反応器、例えば攪拌反応器中に装入する。第二の成分を次いで有利には同様に溶液の形で加え、反応を添加の終了後に混合物のNCO含有量が一定となるまで続ける。得られたポリウレタンがまだ遊離イソシアナート基を有する場合には、これを引き続いてアミン、有利にはアミノアルコールを加えて不活性化する。好適なアミノアルコールは上記のものであり、有利には2−アミノ−2−メチル−1−プロパノールである。
【0112】
酸基を有するポリウレタンは、塩基を用いて部分的または完全に中和することができる。アミン基を有するポリウレタンは、部分的または完全にプロトン化または四級化されていてよい。
【0113】
通常、得られたポリウレタンの塩は、中和されていないポリウレタンよりも良好な水溶性または水中への分散性を有する。ポリウレタンの中和のための塩基として、アルカリ金属塩基、例えばカセイソーダ、カセイカリ、ソーダ、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸水素カリウムおよびアルカリ土類金属塩基、例えば水酸化カルシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウムならびにアンモニアおよびアミンが使用できる。好適なアミンは、例えばC1〜C6−アルキルアミン、有利にはn−プロピルアミンおよびn−ブチルアミン、ジアルキルアミン、有利にはジエチルプロピルアミンおよびジプロピルメチルアミン、トリアルキルアミン、有利にはトリエチルアミンおよびトリイソプロピルアミン、C1〜C6−アルキルジエタノールアミン、有利にはメチルジエタノールアミンまたはエチルジエタノールアミンおよびジ−C1〜C6−アルキルエタノールアミンである。ヘアトリートメント剤中の使用の際に殊には、酸基を有するポリウレタンの中和のためには、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、ジエチルアミノプロピルアミンおよびトリイソプロパノールアミンが実証されている。酸基を有するポリウレタンの中和は、また複数の塩基の混合物、例えばカセイソーダとトリイソプロパノールアミンとの混合物を用いて行うこともできる。中和は、使用目的に応じて、部分的、例えば20〜40%または完全、すなわち100%まで行うことができる。
【0114】
アミン基またはプロトン化または四級化したアミン基を有するポリウレタンは、そのカチオン基のために、一般に容易に水または水−アルコール混合物中に可溶性または少なくとも乳化剤の助けをかりなくても分散可能である。帯電したカチオン基は、存在する第三級アミン窒素から、例えばカルボン酸、例えば乳酸または鉱酸、例えばリン酸、硫酸および塩酸を用いるプロトン化により、または例えばアルキル化剤、例えばC1〜C4−アルキルハロゲン化物またはC1〜C4−アルキルスルフェートを用いる四級化のいずれかにより製造できる。このようなアルキル化剤の例は、塩化エチル、臭化エチル、塩化メチル、臭化メチル、硫酸ジメチルおよび硫酸ジエチルである。
【0115】
好適な実施態様によると、ポリウレタンは、酸基でもアミノ基でも有することができる。酸基およびアミノ基の差の量(|ΔSZ−AZ|)は、その際、有利には約15〜150、有利には30〜100の範囲内にある。その際、酸価およびアミン価は、いずれもmgKOH/g試験物質として定義される。
【0116】
ポリウレタン製造の際に水と混合可能な有機溶剤を使用する場合には、これを引き続いて慣用の専門家には公知の方法、例えば減圧下の蒸留により除去できる。溶剤分離の前に、ポリウレタンに追加して水を加えることができる。溶剤を水を用いて置換した後に、ポリマーの溶液または分散液が得られ、これから所望の場合には、ポリマーを慣用の方法、例えば噴霧乾燥により得ることができる。
【0117】
本発明による製剤中に使用するポリウレタンは、組み込んだ成分の全質量に対するシロキサン含有量が、一般式Iおよび/またはIIの組み込んだ化合物の質量割合に相当して、約0.05〜30質量%、有利には0.05〜25質量%、殊には0.05〜20質量%、特には0.1〜20質量%を有する。そのK値〔E.フィケンチャー(E. Fikentscher)により, Cellulose Chemie 13(1932)58-64ページ、N−メチルピロリドン中の1%溶液で測定〕は、一般に約15〜90、殊には20〜60の範囲内にある。そのガラス転移温度は、一般に少なくとも0℃、有利には少なくとも20℃、殊に有利には少なくとも25℃、特には少なくとも30℃である。本発明によるポリウレタンが2点またはそれ以上のガラス転移温度を有する場合には、その少なくとも1点は、上記の範囲内にある。有利には、他の点は上記の温度範囲より下にある。
【0118】
5〜25質量%、有利には7〜20質量%の範囲内のシロキサン含有量を有する少なくとも1種のポリウレタンを含む製剤は、有利には疎水性製品、殊にはシリコーンのための可溶化剤として、およびヘアトリートメント剤のための添加剤として使用される。約0.05〜15質量%の範囲内のシロキサン含有量を有する少なくとも1種のポリウレタンを含む製剤は、有利にはヘアトリートメント剤、殊にはヘアスプレーの形で使用される。
【0119】
本発明による製剤中に含まれるポリウレタンは、化粧品および医薬中の助剤として、殊にはケラチン含有表面(毛髪、皮膚および爪)への被覆剤としてまたは被覆剤中で、および固体状剤形のための被覆剤および/または結合剤として使用できる。その他にもこれらは、繊維産業、製紙産業、印刷産業、皮革産業および接着剤産業のための被覆剤としてまたは被覆剤中で使用できる。これらは、殊に毛髪用化粧品として使用できる。上記のポリウレタンは、またクリーム中で、および錠剤被覆剤および錠剤結合剤として使用できる。これらは、また化粧用製品、例えばスティック形の化粧品製品のため、例えばデオドラント・スティック(Deostift)、メイクアップ・スティックなどの製造の際の結合剤および接着剤としても好適である。
【0120】
本発明による化粧用製剤は、殊にはケラチン含有表面(毛髪、皮膚および爪)への被覆剤に好適である。その中に使用される化合物は、水溶性または水分散可能である。本発明による製剤中に使用する化合物が水分散可能である場合には、これは通常1〜250nm、有利には1〜150nmの粒径を有する水性ミクロ分散液の形で使用することができる。製剤の固体含有量は、その際、通常約0.5〜20質量%、有利には1〜12質量%の範囲内にある。これらのミクロ分散液は、通常、その安定化のために乳化剤も界面活性剤も必要としない。
【0121】
有利には、本発明による製剤は、ヘアトリートメント剤の形、殊にはヘアスプレーの形であることができる。その際、整髪剤として使用する場合には、製剤は有利には少なくともガラス転移温度Tg≧20℃、有利には≧30℃を有するポリウレタンを含んでいる。このポリマーのK値は、有利には23〜90、殊には25〜60の範囲内にある。
【0122】
一般に、本発明による製剤は、ポリウレタンを製剤の全質量に対して0.2〜20質量%の範囲内の量で含む。
【0123】
有利には、ヘアトリートメント剤である。これらは通常水性分散液の形またはアルコール性または水−アルコール性溶液として存在する。好適なアルコールの例はエタノール、プロパノール、イソプロパノールなどである。
【0124】
さらに、本発明によるヘアトリートメント剤は、一般に慣用の化粧用助剤、例えば軟化剤、例えばグリセリンおよびグリコール、皮膚軟化剤、香料、UV吸収剤、着色剤、静電防止剤、櫛通り改善剤、保存剤および消泡剤を含む。
【0125】
本発明による製剤をヘアスプレーとして配合する場合には、これらは十分な量の噴射剤、例えば低沸点炭化水素またはエーテル、例えばプロパン、ブタン、イソブタンまたはジメチルエーテルを含む。噴射剤として、また圧縮気体、例えば窒素、空気または二酸化炭素も使用できる。その際、噴射剤の量は、VOCを不必要に高くしないように低く保つことができる。その際、これは、一般に製剤の全質量に対して55質量%を越えない。しかし、所望の場合には、85質量%またはこれ以上の高いVOC含有量も可能である。
【0126】
上記のポリウレタンは、他の毛髪用ポリマーと組み合わせて製剤中に使用できる。このようなポリマーは、殊には下記のものである:
−非イオン性、水溶性または水分散可能なポリマーまたはオリゴマー、例えばポリビニルカプロラクタム、例えばルヴィスコル・プラス(Luviskol Plus)(BASF)またはポリビニルピロリドンおよびそのコポリマー、殊にはビニルエステル、例えば酢酸ビニルとのコポリマー、例えばルヴィスコルVA37(BASF)、ポリアミド、例えばイタコン酸および脂肪族ジアミンをベースとするもの、
−両性または双性イオン性ポリマー、例えば商標アンフォマー(Amphomer)(R) (Delft National)として入手できるオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/t−ブチルアミノエチルメタクリレート/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート−コポリマー、ならびに双性イオン性ポリマー、例えばドイツ特許出願(DE)第3929973号、ドイツ特許出願(DE)第2150557号、ドイツ特許出願(DE)第2817369号およびドイツ特許出願(DE)第3708451号の各明細書中で公開されているものである。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸−コポリマーならびにアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/メタクリル酸−コポリマーおよびこれらのアルカリ金属塩およびアンモニウム塩は、有利な双性イオン性ポリマーである。さらに、好適な双性イオン性ポリマーは、メタクロイルエチルベタイン/メタクリレート−コポリマーであり、これは商標アメルセット(Amersette)(R)(AMERCHOL)として市場で入手でき、またヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびアクリル酸から成るコポリマー〔ヨルダポン(Jordapon)(R)〕も好適である。
【0127】
−アニオン性ポリマー、例えば酢酸ビニル/クロトン酸−コポリマー、例えば商標レジン(Resyn)(R)(NATIONAL STARCH)、ルヴィセット(Luviset)(R)(BASF) およびガフセット(Gafset)(R)(GAF)として販売されているもの、ビニルピロリドン/ビニルアクリレート−コポリマー、例えば商標ルヴィフレックス(Luviflex)(R)(BASF)として入手できるもの。有利なポリマーは、商標ルヴィフレックス(R) VBM−35(BASF)として入手できるビニルピロリドン/アクリレート−ターポリマー、アクリル酸/エチルアクリレート/N−t−ブチルアクリルアミド−ターポリマー(例えば商標ウルトラホルド(Ultrahold)(R)ストロング (BASF)として販売されている)、ならびにルヴィマー(Luvimer)(R)(BASF、t−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよびメタクリル酸から成るターポリマー)、または
−カチオン性(四級化)ポリマー、例えばN−ビニルラクタムおよびその誘導体(N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタムなど)をベースとするカチオン性ポリアクリレートコポリマー、ならびに慣用のカチオン性ヘアコンディショナーポリマー、例えばルヴィクアット(Luviquat)(R)(ビニルピロリドンとビニルイミダゾリウムメトクロリドから成るコポリマー)、ルヴィクアット(R) ホルド(四級化N−ビニルイミダゾール、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタムから成るコポリマー)、メルクワット(Merquat)(R)(ジメチルジアリルアンモニウムクロリドをベースとするポリマー)、ガフクワット(Gafquat)(R)(ポリビニルピロリドンと第四級アンモニウム化合物との反応から生成する第四級ポリマー)、ポリマーJR(カチオン基を有するヒドロキシエチルセルロース)、ポリクアテルニウム−タイプ(Polyquaternium-Type)(CTFA- 商標)など。
【0128】
−非イオン性シロキサン含有、水溶性または水分散可能なポリマー、例えばポリエーテルシロキサン、例えばテゴプレン(Tegopren)(R)(ゴルトシュミット社)またはベルシル(Belsil)(R)(ワッカー社)。
【0129】
本発明によるシロキサン基含有架橋ポリウレタンは、他のシロキサンを含まないアミド基含有毛髪用ポリマーとの混合物として使用できる。これには、例えばドイツ特許出願公開(DE−A)第4225045号明細書に記載のポリウレタン、上記のビニルピロリドン/アクリレート−ターポリマーおよびアクリル酸/エチルアクリレート/N−t−ブチルアクリルアミド−ターポリマー(例えばBASF株式会社のウルトラホルド(R)ストロング)、ドイツ特許出願公開(DE−A)第4241118号明細書に記載のカチオン性ポリウレタン、上記のアミド基を有する両性ポリマー(例えばアンフォマー(R))および殊には少なくとも30質量%の割合のアミド基含有モノマー、例えばN−ビニルラクタムを有するコポリマー(例えばBASF株式会社のルヴィスコル(R)プラスおよびルヴィスコル(R)VA37)が挙げられる。
【0130】
他の毛髪用ポリマーは、有利には製剤の全質量に対して10質量%以下の量で含まれる。
【0131】
有利なヘアトリートメント剤は、下記のものを含む:
a)水溶性または水分散可能な少なくとも1種のシロキサン含有ポリウレタン0.5〜20質量%、
b)水および水と混合可能な溶剤、有利にはC2〜C5−アルコール、殊にはエタノール、およびこれらの混合物から選ばれている溶剤40〜99質量%、有利には50〜98質量%、
c)噴射剤、有利にはジメチルエーテル0〜50質量%、
d)a)とは異なり、水溶性または水分散可能な少なくとも1種の毛髪用ポリマー0〜15質量%、
e)少なくとも1種の水に不溶性のシリコーン0〜0.2質量%、
f)少なくとも1種の非イオン性、シロキサン含有、水溶性または水分散可能なポリマー0〜2質量%、
ならびに慣用の添加剤。
【0132】
本発明による製剤は、成分d)として、少なくとも1種の他の水溶性または水分散可能な毛髪用ポリマーを含むことができる。その際、この成分の割合は、一般に製剤の全質量に対して約0.1〜15質量%、有利には0.1〜10質量%である。その際有利には、シロキサン基を一緒に重合して含んでいない水溶性または水分散可能なポリウレタンを使用することができる。
【0133】
本発明による製剤は、成分e)として、少なくとも1種の水に不溶性のシリコーン、殊にはポリジメチルシロキサン、例えばゴルトシュミット社のアビル(Abil) (R)タイプを含むことができる。その際、これらの成分の割合は、一般に、製剤の全質量に対して約0.0001〜0.2質量%、有利には0.001〜0.1質量%である。
【0134】
本発明による製剤は、成分f)として、少なくとも1種の非イオン性、シロキサン含有、水溶性または水分散可能なポリマー、殊にはその際、上記のポリエーテルシロキサンから選択されているものを含むことができる。これらの成分の割合は、一般に、製剤の全質量に対して約0.001〜2質量%である。
【0135】
本発明による製剤は、追加して場合により消泡剤、例えばシリコーンをベースとするものを含むことができる。消泡剤の量は、一般に製剤の全質量に対して約0.001質量%以下である。
【0136】
本発明による製剤は、一方では毛髪に望ましい固定性を与え、他方ではポリマーが容易に洗い落とすことができる(再分散可能である)という利点を有する。さらに、ヘアスプレーとして配合する場合であっても、VOC含有量85質量%以下、有利には60質量%以下を有するヘアトリートメント剤およびまた純粋に水性の配合物も製造できる。
【0137】
下記の制限されない実施例により、本発明をより詳細に説明する。
【0138】
実施例
実施例1〜4
ポリウレタンプレポリマー製造
攪拌機、滴下漏斗、温度計、還流冷却器および窒素中で操作するための装置を備えた攪拌装置中に、ポリエステルジオール(Mn=1000g/モル、イソフタル酸、アジピン酸およびヘキサンジオールから製造)、ネオペンチルグリコール、場合によりジメチロールプロパン酸(実施例1、2および4)および場合によりN−メチルジエタノールアミン(実施例4)を表1に記載の量でメチルエチルケトン中(得られた反応溶液の固体含有量約75%)に、温度約70℃に加熱し攪拌しながら溶かした。引き続いて、攪拌しながら表1に記載の量のイソホロンジイソシアナートを滴加し、これにより反応温度は上昇した。次いで、内部温度85℃において、反応混合物を、混合物のイソシアナート基含有量が実際的に一定(約0.5〜1%)になるまで攪拌し、引き続いて攪拌しながら室温まで冷却した。次いで場合により温度約30℃において、表1記載の量のポリシロキサンジアミン(Mn=900g/モル、ゴルトシュミット社のテゴマー(R) A−Si2122をメチルエチルケトン中の80%溶液として)(実施例1、2、3)を上記のようにして製造したポリウレタンプレポリマー中に加えた。次いで混合物をさらに30分間反応させた。すべての場合に、反応混合物をメチルエチルケトンを用いて40質量%に薄めた。
【0139】
【表1】
【0140】
1)イソフタル酸、アジピン酸、ヘキサンジオールから成るポリエステルジオール、Mn=1000g/モル
2)ポリシロキサンジアミン、Mn=900g/モル(ゴルトシュミット社のテゴマー(R)A−Si2122)
3)NPG=ネオペンチルグリコール
4)DMPA=ジメチロールプロパン酸
5)MDEA=N−メチルジエタノールアミン
6)IPDI=イソホロンジイソシアナート。
【0141】
実施例5〜21
ポリマーB1)の製造
供給1:表2記載のモノマー混合物 300g
溶剤: 30g
実施例5、6、8〜13、17〜21:エタノール
実施例7、14〜16:エタノール/水(1:1)
供給2:2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 0.6g
エタノール 150g
供給3:2,2′−アゾビス(2−メチルブチロニトリル) 3.0g
エタノール 150g
還流冷却器および2基の別々の供給装置を備えた攪拌装置内に、供給1(表2記載のモノマー混合物)の20質量%、供給2の12質量%およびエタノール120gを装入し、混合物を約75℃に加熱した。粘度上昇から認めることができる重合開始の後、供給1の残部を4時間以内および供給2の全部を5時間以内に加え、その際、内部温度は約70〜75℃に維持した。引き続いて、供給3を2時間以内に加え、その際、内部温度は約80℃に上昇した。添加が終わった後、さらに約5時間、この温度で追加重合した。このようにして得られたポリマーは、更に残留モノマー含有量の低下のための処理をしなくてもポリウレタン製造のために使用できる。著しく低い残留モノマー含有量を有するポリマーは、供給3の代わりに、例えばエタノール150g中の2,5−ビス−(t−ブチルペルオキシ−2,5−ジメチルヘキサン)(アクゾ・ノーベル社(Fa. Akzo Nobel)のトリゴノックス(Trigonox) (R)101)を2時間以内に反応混合物に加え、引き続いてさらに約5時間、温度約130℃で反応混合物の自発圧力下で追加重合させて得られた。
【0142】
実施例5〜8のヒドロキシル基含有ポリマーを重合に引き続いて噴霧乾燥により乾燥し、次いでさらに反応させるためにこのポリマーのメチルエチルケトン中の40質量%溶液を製造した。
【0143】
実施例14〜16のエタノール/水(1:1)から成る溶剤混合物中で製造したポリマーの場合には、減圧下、約40℃における蒸留により溶剤を除去し、次いでさらに反応させるためにエタノール中の40質量%溶液を製造した。
【0144】
その他のポリマーのエタノール性溶液は、追加のエタノール添加により同様に40質量%に調整した。
【0145】
【表2】
【0146】
1)VP=ビニルピロリドン
2)VCap=ビニルカプロラクタム
3)t.−BA=t−ブチルアクリレート
4)EHMA=エチルヘキシルメタクリレート
5)HEMA=ヒドロキシエチルメタクリレート
6)t.−BAEMA=t−ブチルアミノエチルメタクリレート
7)MAS=メタクリル酸
8)AMPS−Na=アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩
9)DMAPMA=ジメチルアミノプロピルメタクリレート
10)MAS−Na=メタクリル酸のナトリウム塩。
【0147】
実施例22および23
ポリエステルB2)の製造
攪拌機、内部温度計、降下冷却器(Absteigende Kuehler) および窒素中の操作のための装置を備えた四つ口フラスコ中に、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメチロール、場合によりポリプロピレングリコール(Mn=600g/モル)(実施例23)およびネオペンチルグリコールを表3記載の量で、ならびにオルトチタン酸テトラブチル100ppmを触媒として装入した。ゆるやかな窒素気流内で、反応混合物を温度約80℃に加熱し、攪拌しながら溶かした。次いで、表3記載の量のイソフタル酸を加え、引き続いて2時間160℃に加熱した。引き続いて温度を20℃/時間で上昇させ、約220℃において、酸価が15以下に低下するまで反応水を留去した。引き続いて表3記載の量の無水トリメリト酸および追加の触媒100ppmを加え、さらに4時間、温度約200℃および約10mmHgの減圧下でさらに反応させた。約70℃に冷却した後、淡黄色のポリエステルが得られ、これをメチルエチルケトンを用いて70%溶液に配合した。
【0148】
【表3】
【0149】
1)IPS=イソフタル酸
2)NPG=ネオペンチルグリコール
3)CHDM=1,4−シクロヘキサンジメチロール
4)DEG=ジエチレングリコール
5)PPG=ポリプロピレングリコール;MG約600g/モル
6)TMSA=無水トリメリト酸
7)N−メチルピロリドン中の1%溶液として測定。
【0150】
実施例24〜28および46〜48
ポリウレタン製造
攪拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた攪拌装置中に、表4記載のような実施例1、2または4からのポリウレタンプレポリマーの40質量%溶液(メチルエチルケトン中)を装入し、60℃に加熱した。引き続いて実施例24〜28においては、表4記載のような実施例5〜8からのヒドロキシル基を有するポリマーB1)の40質量%溶液(同様にメチルエチルケトン中)を混合した。反応混合物を温度約85℃において混合物のイソシアナート基含有量が実質的に一定になるまで攪拌した(約2時間)。引き続いて、水を反応混合物に加え、また2−アミノ−2−メチルプロパノールを用いて中和した(pH約8.0)。次いでメチルエチルケトンを真空中、40℃において留去し、これによりポリウレタンの水分散液が得られた。
【0151】
実施例46〜48においても同様に操作し、その際、ヒドロキシル基を有するポリマーB1)の代わりにシリコーン−ポリ(アルキレンオキシド)−コポリマーB3)(ワッカー社のベルシル(R) 6031)をメチルエチルケトン中の40質量%溶液として使用した。
【0152】
粉末状生成物を噴霧乾燥により得ることができる。
【0153】
実施例29〜43
攪拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた攪拌装置中に、表4記載のような実施例1〜3からのポリウレタンプレポリマーの40質量%溶液(メチルエチルケトン中)を装入した。次いで、温度約30℃において表4記載のようなポリマーB1)(または混合物、実施例43)をエタノール中40質量%溶液の形で混合させた。次いで、反応混合物を周辺温度において約1時間攪拌した。引き続いて、水を反応混合物に加え、また反応混合物を2−アミノ−2−メチルプロパノールを用いて中和した(pH約8.0)。次いで、メチルエチルケトンを真空中、40℃において留去し、これによりポリウレタンの水分散液が得られた。
【0154】
粉末状生成物を噴霧乾燥により得ることができる。
【0155】
実施例44および45
攪拌機、滴下漏斗、温度計および還流冷却器を備えた攪拌装置中に、表4記載のような実施例2または3からのポリウレタンプレポリマーの40質量%溶液(メチルエチルケトン中)を装入し、70℃に加熱した。引き続いて、表4記載の量のポリエステルB2)(実施例22および23から)のメチルエチルケトン中70質量%溶液を混合した。次いで、イソシアナート基含有量=0となるまで、温度約70℃において反応混合物を攪拌した(約2時間)。引き続いて、まだ含まれている遊離カルボン酸基を2−アミノ−2−メチルプロパノールを用いて中和した(pH約8.2)。次いで水を反応混合物に加え、メチルエチルケトンをシリコーン消泡剤1滴の添加下に40℃において留去し、これにより安定な水分散液が得られた。
【0156】
粉末状生成物を噴霧乾燥により得ることができる。
【0157】
【表4】
【0158】
使用例
実施例49〜69
VOC含有量97質量%を有するエーロゾル−ヘアスプレー配合物:
実施例24〜27、29〜36、38〜46によるポリウレタン 3.00質量%
エタノール 62.00質量%
ジメチルエーテル 34.96質量%
香料、添加剤 適量。
【0159】
実施例70〜90
VOC含有量90質量%を有するコンパクトなエーロゾル−ヘアスプレー−配合物
実施例24〜27、29〜36、38〜46によるポリウレタン 10.00質量%
エタノール 55.00質量%
ジメチルエーテル 34.96質量%
香料、添加剤 適量
実施例91〜111
VOC含有量80質量%を有するヘアスプレー−配合物
実施例24〜27、29〜36、38〜46によるポリウレタン 5.00質量%
エタノール 45.00質量%
水 15.00質量%
ジメチルエーテル 34.96質量%
香料、添加剤 適量。
【0160】
実施例112〜126
VOC含有量55質量%を有するヘアスプレー−配合物
実施例24〜27、29〜36、38〜46によるポリウレタン 5.00質量%
エタノール 20.00質量%
水 40.00質量%
ジメチルエーテル 34.96質量%
香料、添加剤 適量。
【0161】
実施例127〜141
VOC含有量0を有するポンプ−ヘアスプレー−配合物
実施例24〜27、29〜36、38〜46によるポリウレタン 10.00質量%
水 89.97質量%
香料、添加剤 適量。
【0162】
皮膜の評価:
すべての上記ヘアスプレー−配合物は、良好なたわみ性および良好な平滑性を有する透明の固体皮膜を与えた。高いシロキサン割合を有する製造例28、37、47および48のポリウレタンは、著しく柔軟で容易に粘着する皮膜を与えた。これらのポリウレタンは、単独では整髪用ポリマーとして適当ではないが、しかしこれらは、添加剤として他のセット用ポリマーと一緒にして著しく良好な性質を有するシリコーン含有ヘアスプレーに配合できる。これは、下記の本発明による実施例(L)ならびに比較例(VL)1〜16により証明される。
【0163】
実施(比較)例(V)L1〜16
実施例37、47および48からのポリウレタンを単独で、慣用のシロキサンを含まない整髪用ポリマーとの混合物の形で、ならびに場合により水に不溶性のシリコーンの添加下に5質量%エタノール性溶液に配合した。この配合物の組成を表6に記載した。これらをガラス板上に塗布し、得られた皮膜を表5記載の基準5種で試験し、1〜4の評点で評価した。皮膜の評価を表7に記載する。
【0164】
比較例として、本発明により使用するシロキサンの変性にも使用される従来技術で公知の慣用のシロキサンを含まない整髪用ポリマーの純粋の95質量%溶液を用いた(VL1〜VL3)。比較例として、さらに実施例37、47および48のポリウレタンの純粋の95質量%溶液を用いた(VL4〜VL6)。別の比較例として、本発明により使用するシロキサンの変性にも使用された一価カルボン酸および二価ポリジメチルシロキサンジアミンからなる塩の95質量%溶液も用いた(VL7)。
【0165】
【表5】
【0166】
【表6】
【0167】
1)いずれもエタノール中の5質量%溶液
2)N−ビニルラクタムをベースとするアミド基含有の慣用の整髪用ポリマー(BASF株式会社のルヴィスコル(R) VA37)
3)t−ブチルアクリレート、エチルアクリレートおよびメタクリル酸をベースとする整髪用ポリマー(BASF株式会社のルヴィマー(R) 100P)
4)ポリエステルジオール(イソフタル酸、アジピン酸およびヘキサンジオールから製造、Mg=1000g/モル)、ジメチロールプロパン酸およびイソホロンジイソシアナートからのポリウレタン
5)テゴマー(R) A−Si2122(ゴルトシュミット社)と乳酸とからなる塩
6)ゴルトシュミット社のアビル(R)200
【0168】
【表7】
Claims (11)
- 水溶性または水分散可能な下記の成分A)と下記の成分B)からなる架橋ポリウレタン少なくとも1種またはその塩を含むことを特徴とする、ヘアトリートメント配合物であって、下記の成分A)のNCO当量と、下記の成分B)の活性水素原子の当量との比が、20:1から1:1の範囲内にある、ヘアトリートメント配合物;
A)末端イソシアナート基を有するポリウレタンプレポリマー少なくとも1種、その際、成分A)が、
a)ジオール、ジアミンおよびアミノアルコールから選ばれている、56から300の範囲内の分子量を有し、1分子あたり活性水素原子2個を有する化合物少なくとも1種0.3〜15質量%、
b)1分子あたり活性水素原子2個を有するポリエステルジオール少なくとも1種0.5〜80質量%、
c)ポリシロキサン0〜30質量%、
d)ジメチロールプロパン酸、N−(C1〜C6−アルキル)ジエタノールアミンおよびそれらの混合物から選ばれている、1分子あたり活性水素原子2個およびイオノゲン性またはイオン性基少なくとも1個を有する化合物少なくとも1種0〜25質量%
e)ジイソシアナート少なくとも1種25〜60質量%
から成るポリウレタンプレポリマー少なくとも1種であり、その際、a)+b)+c)+d)+e)の総計は100質量%であり、および
B)ヒドロキシル基、第一級および第二級アミノ基および/またはカルボキシル基から選ばれているイソシアナート基に対して反応性の基を有するポリマー少なくとも1種、その際、ポリマーB)が
B1)α,β−エチレン性不飽和モノマー少なくとも1種を一緒に重合して含んでおり、追加的に1分子あたり、ヒドロキシル基、第一級および第二級アミノ基および/またはカルボキシル基から選ばれているイソシアナート基に対して反応性の基少なくとも1個を有するポリマー
B2)数平均分子量500〜1000を有するポリエステルジオールと、芳香族ジカルボン酸またはポリカルボン酸またはその無水カルボン酸とをベースとするポリエステル
B3)シリコーン−ポリ(アルキレンオキシド)−コポリマー
およびこれらの混合物から選ばれており、その際、成分A)および/またはB)の少なくとも1種が水溶性または水分散可能であり、かつ成分A)および/またはB)の少なくとも1種がシロキサン基少なくとも1個を有する。 - 成分e)の化合物のNCO当量と、成分a)、b)、c)およびd)の活性水素原子の当量との比が、1.01:1から1.4:1の範囲内にある、請求項1または2に記載の配合物。
- ポリマーB1)が、
f)追加的に1分子あたりイソシアナート基に対して反応性の基少なくとも1個を有する、α,β−エチレン性不飽和モノマー少なくとも1種0.05〜15質量%、
g)α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸および/またはジカルボン酸とC1〜C22−アルカノールとのエステル、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸および/またはジカルボン酸とモノ−C1〜C22−アルキルアミンおよびジ−C1〜C22−アルキルアミンとのアミド、ビニルアルコールおよびアリルアルコールとC1〜C40−モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、C2〜C8−モノオレフィン、共役二重結合少なくとも2個を有する非芳香族炭化水素およびこれらの混合物から選ばれている、α,β−エチレン性不飽和モノマー少なくとも1種0〜99.9質量%、
h)N−ビニルアミド、N−ビニルラクタム、α,β−エチレン性不飽和モノカルボン酸の第一級アミド、ビニル置換およびアリル置換複素芳香族化合物およびこれらの混合物から選ばれている、α,β−エチレン性不飽和モノマー少なくとも1種0〜99.9質量%、
i)1分子あたりラジカル重合が可能なα,β−エチレン性不飽和二重結合とイオノゲン性またはイオン性の基少なくとも1個とを有する、別のモノマー少なくとも1種0〜50質量%
を一緒に重合して含んでいる、請求項1に記載の配合物。 - ポリマーB2)が、数平均分子量500〜1000を有するポリエステルジオールと無水トリメリト酸とをベースとするポリエステルである、請求項1に記載の配合物。
- ポリマーB3)が、一般式II
nおよびoは、たがいに独立して0から200までの整数を表し、その際、nとoとの和が3以上であり、
R4、R5およびR8は、たがいに独立してC1〜C8−アルキル、ベンジル、フェニルまたは式III
−(CH2)r−O−(CH2CH2O)p(CH2CH(CH3)O)q−H (III)
の基を表し、
その際、式III中で、アルキレンオキシド単位の順序は任意であり、
rは、1〜8の整数を表し、
pおよびqは、たがいに独立して0から200までの整数を表し、その際、pとqとの和が0を越え、
R6およびR7は、たがいに独立してC1〜C8−アルキル、ベンジルまたはフェニルを表し、
その際、式IIの化合物は少なくとも2個の一般式IIIの基を有する〕
の化合物である、請求項1に記載の配合物。 - 成分A)のNCO当量と、成分B)の活性水素原子の当量との比が、10:1から1:1の範囲内にある、請求項1から6までのいずれか1項に記載の配合物。
- ポリウレタンが、組み込まれている成分の全質量に対して0.05〜30質量%の式Iおよび/またはIIのシロキサン含有化合物の割合を有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載の配合物。
- 5〜20質量%の範囲内のシロキサン含有量を有するポリウレタン少なくとも1種を、ヘアトリートメント剤のための添加剤として含んでいる、請求項8記載の配合物。
- 0.05〜15質量%の範囲内のシロキサン含有量を有するポリウレタン少なくとも1種を、ヘアスプレーの形で含んでいる、請求項8記載の配合物。
- a)請求項1から8までのいずれか1項に定義されている、水溶性または水分散可能なポリウレタン少なくとも1種0.5〜20質量%、
b)水および水と混合可能な溶剤およびこれらの混合物から選ばれている溶剤40〜99質量%、
c)噴射剤0〜50質量%、
d)a)とは異なり、水溶性または水分散可能な毛髪用ポリマー少なくとも1種0〜15質量%、
e)水に不溶性のシリコーン少なくとも1種0〜0.2質量%、
f)非イオン性でシロキサンを含んでおり、水溶性または水分散可能なポリマー少なくとも1種0〜2質量%
を含む、請求項10記載の配合物。
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