JP4248867B2 - 色覚変換処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、入力された画像の色を変換する色覚変換処理方法および装置に関するもので、例えば、年齢等に応じて見え方の異なる色をシミュレーションするために用いることができる色覚変換処理方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
製品開発や様々な環境の構築において、「ユニバーサルデザイン」という概念が提唱されており、今後の普及が見込まれている。このユニバーサルデザインとは、あらゆる体格、年齢、障害の有無・度合いなどに関わらず、誰もが普遍的に利用できる製品を提供し、あるいは環境を構築することを目的とするものである。
【0003】
視覚、特に色覚に関して、上記のユニバーサルデザインの観点から重要な原則は、誰にでも公平に使用できること、簡単で直感的にわかること、必要な情報がすぐに理解できること、うっかりエラーや危険につながらないデザインが提供されることなどである。
人間の視覚特性は年齢の要因によって大きく変化するものであり、加齢に伴って、例えば、色合いの判別能力が衰えたり、眩しさを強く感じるようになったり、明暗に順応しにくくなったりするという現象が起こる。
【0004】
上記のような年齢に応じた視覚特性の変化を前提とするとき、年齢によって色の見え方がどのように異なるかということを誰もが正しく認識できるようにするためのシミュレーションは、ユニバーサルデザインを実現する上で重要な技術のひとつである。
【0005】
ここで、従来技術では、目の水晶体の加齢変化を取り入れて高齢者の黄変化した色の見えを生成することによって、異なる年代間の色の見えを体験できる画像処理装置が考案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平7−65230号公報
【特許文献2】
特開平10−3253号公報
【特許文献3】
特開平10−319929号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来技術では、次のような問題がある。
まず、第1に、観察者自身の視覚特性の個人差まで較正することのできる測定装置及び、その視覚特性を表した画像を印刷できる装置は、従来は存在しなかった。
また、第2に、高齢者の色の見えは実際には黄変化などしておらず、加齢変化に対して色恒常性が成立していることは明らかであるため、従来技術で述べた画像処理装置では異なる年代の色の見えを正しく再現することはできない。正しい年代間色覚変換を行うためには、色恒常性を考慮した色覚変換処理装置が必要となる。
【0008】
さらに、高価な測色器を用いることなく、また個人ごとの色の認識の違いをも考慮した忠実な色覚変換ができるようになることが望まれる。
さらにまた、人間の活動環境内等に存在する様々な物体について、その測色値や分光分布を個別に数多く測定してデータを準備しておくことなく、これらの色を適切に色覚変換して、その結果を印刷したり、ディスプレイ装置へ表示することが望まれる。
【0009】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、年代間色覚変換などの色覚変換処理を正確に行い、その結果を印刷できる色覚変換処理装置および色覚変換処理方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、本発明は、係数記憶手段に、画素値R,G,Bそれぞれに対応する観察者固有の輝度の算出用の係数を前記観察者毎に記憶し、変換輝度比記憶手段に、ディスプレイ装置に表示された前記画素値それぞれによる単色が年代間の輝度分光感度の比の絶対値に相当する分光透過率を持つフィルタを透過した色と、前記画素値を複数用いた色と、が同色に見える際の前記単色の画素値と前記画素値を複数用いた場合のR,G,B値との関係によって算出された前記画素値毎の変換輝度比を前記観察者毎に記憶し、前記係数記憶手段に記憶されている係数を用いて、入力された画像に含まれる画素の画素値を基に当該画素の輝度値を求める第1の過程と、第1の過程において求められた輝度値と、前記変換輝度比記憶手段に記憶されている変換輝度比とを用いて画素輝度の減衰率を求める第2の過程と、前記輝度値と前記減衰率とを基に減衰した輝度値を求める第3の過程と、この減衰した輝度値を基に当該画素の変換後の印刷用画素値を求める第4の過程と、前記画像を前記印刷用画素値で印刷する第5の過程とを有することを特徴とする色覚変換処理方法を要旨とする。
【0011】
また、本発明の色覚変換処理方法では、前記第1の過程においては、前記画素の各原色の画素値を基に各原色の輝度値を求めるものであり、前記第2の過程においては、各原色に共通な前記減衰率を求めるものであり、前記第3の過程においては、各原色の輝度値と前記減衰率とを基に、各原色の減衰した輝度値を求めるものであり、前記第4の過程においては、各原色の前記減衰した輝度値を基に画素の各原色の変換後の印刷用画素値を求めるものであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の色覚変換処理方法では、前記第1の過程において前記画素値を基に前記輝度値を求めた演算の逆演算を用いて、前記第4の過程において前記減衰した輝度値を基に前記変換後の印刷用画素値を求めることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の色覚変換処理方法では、前記第1の過程においては、前記画素値に関する関数を用いて前記輝度値を求めることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の色覚変換処理装置は、画素値R,G,Bそれぞれに対応する観察者固有の輝度の算出用の係数を前記観察者毎に記憶する係数記憶手段と、ディスプレイ装置に表示された前記画素値それぞれによる単色が年代間の輝度分光感度の比の絶対値に相当する分光透過率を持つフィルタを透過した色と、前記画素値を複数用いた色と、が同色に見える際の前記単色の画素値と前記画素値を複数用いた場合のR,G,B値との関係によって算出された前記画素値毎の変換輝度比を前記観察者毎に記憶する変換輝度比記憶手段と、前記係数記憶手段に記憶されている係数を用いて、入力された画像に含まれる画素の画素値を基に当該画素の輝度値を求める第1処理手段と、前記第1処理手段によって求められた輝度値と、前記変換輝度比記憶手段に記憶されている変換輝度比とを用いて画素輝度の減衰率を求める第2処理手段と、前記輝度値と前記減衰率とを基に減衰した輝度値を求める第3処理手段と、この減衰した輝度値を基に当該画素の変換後の印刷用画素値を求める第4処理手段と、前記画像を前記印刷用画素値で印刷する第5処理手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の色覚変換処理装置においては、前記第1処理手段は、前記画素の各原色の画素値を基に各原色の輝度値を求めるものであり、前記第2処理手段は、各原色に共通な前記減衰率を求めるものであり、前記第3処理手段は、各原色の輝度値と前記減衰率とを基に、各原色の減衰した輝度値を求めるものであり、前記第4処理手段は、各原色の前記減衰した輝度値を基に画素の各原色の変換後の印刷用画素値を求めるものであることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の色覚変換処理装置においては、前記第4処理手段は、前記第1処理手段が前記画素値を基に前記輝度値を求める演算の逆演算を用いて、前記減衰した輝度値を基に前記変換後の印刷用画素値を求めるものであることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の色覚変換処理装置においては、前記第1処理手段は、前記画素値に関する関数を用いて前記輝度値を求めることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のコンピュータプログラムは、画素値R,G,Bそれぞれに対応する観察者固有の輝度の算出用の係数を前記観察者毎に記憶する係数記憶手段と、ディスプレイ装置に表示された前記画素値それぞれによる単色が年代間の輝度分光感度の比の絶対値に相当する分光透過率を持つフィルタを透過した色と、前記画素値を複数用いた色と、が同色に見える際の前記単色の画素値と前記画素値を複数用いた場合のR,G,B値との関係によって算出された前記画素値毎の変換輝度比を前記観察者毎に記憶する変換輝度比記憶手段と、を備えた色覚変換処理装置のコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、前記係数記憶手段に記憶されている係数を用いて、入力された画像に含まれる画素の画素値を基に当該画素の輝度値を求める第1の過程と、第1の過程において求められた輝度値と記憶されている変換輝度比とを用いて画素輝度の減衰率を求める第2の過程と、前記輝度値と前記減衰率とを基に減衰した輝度値を求める第3の過程と、この減衰した輝度値を基に当該画素の変換後の印刷用画素値を求める第4の過程と、前記画像を前記印刷用画素値で印刷する第5の過程との処理をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の色覚変換処理方法は、観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者ごとにデータベースに記憶しておき、入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の観察者に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、前記データベースを参照することにより、第2の観察者に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の色覚変換処理方法は、観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者の年代ごとにデータベースに記憶しておき、入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の年代に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、前記データベースを参照することにより、第2の年代に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷することを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の色覚変換処理装置は、観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者ごとに記憶したデータベースを備え、入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の観察者に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、前記データベースを参照することにより、第2の観察者に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷することを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の色覚変換処理装置は、観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者の年代ごとに記憶したデータベースを備え、入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の年代に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、前記データベースを参照することにより、第2の年代に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷することを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明のコンピュータプログラムは、観察者に見せる色とこの色に対応する観察者の応答値との関係を観察者の年代ごとに記憶したデータベースを参照して色覚変換処理を行うためのコンピュータプログラムであって、入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の年代に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求める処理と、前記データベースを参照することにより、第2の年代に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求める処理と、前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求める処理と、前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷する処理とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しこの発明の一実施形態について説明する。
まず、最初に、ディスプレイ装置個体別および観察者個人別の特性データを取得し、記録しておく方法について説明する。なお、本実施形態では、赤と緑と青の3種類の原色を組み合わせて各画素を表示するディスプレイ装置を用いることを前提とする。また、以下では、赤の画素値を「R」、緑の画素値を「G」、青の画素値を「B」とする。また、これらの画素値の範囲は、0≦R≦1,0≦G≦1,0≦B≦1とする。
各画素値R,G,Bと、これら画素値にそれぞれ対応する輝度Y,Y,Y
とは、例えば次に示す式(1)で表わされる関係を有する。
【0025】
【数1】
Figure 0004248867
【0026】
ここで、a,b,c,a,b,c,a,b,cは係数であり、次のような方法で、これらの係数の値を決定する。
まず、a:b:cの比と、a:b:cの比と、a:b:cの比とを求めるために次に述べる測定を行う。図1は、上記の係数比決定のための測定システムの装置構成を示すブロック図である。図1において、符号101は制御装置であり、この制御装置101は、測定のための赤の画素値Ri(0≦Ri≦1)およびRj(0≦Rj≦1)の信号を出力する。102はディスプレイ装置であり、このディスプレイ装置102は、制御装置101から出力される赤の画素値RiおよびRjに応じた表示を画面上に行う。104は、分光特性がフラットであり、かつ透過率αが既知である中性濃度フィルタである。ディスプレイ装置102の画面の一部分はこの中性濃度フィルタ104でおおわれている。
【0027】
また、103は、制御装置101に対する入力を行うための入力装置である。ディスプレイ装置102の画面を見る観察者は、この入力装置103から入力を行うことによって画素値Riの値を自由に変えることができるようになっている。
【0028】
図2は、図1に示したディスプレイ装置102の表示画面を観察者側から見たときの正面図である。図2に示すように、ディスプレイ装置の画面には、領域105−1および105−2が並んで表示される。ここで、領域105−1には画素値Rjの赤が表示され、領域105−2には画素値Riの赤が表示される。なお、中性濃度フィルタ104は、領域105−2のみをおおうように配置されているため、領域105−1に表示された色はそのまま観察者の目に届き、領域105−2に表示された色は中性濃度フィルタ104を透して観察者の目に届く。
【0029】
観察者は、画面表示を見ながら入力装置103を操作して画素値Rを変え、領域105−1と105−2とが同じ明るさに見えるように調節する。このとき、これら両領域の輝度は等しいため、次に示す式(2)が成立する。
【0030】
【数2】
Figure 0004248867
【0031】
上記のような測定を、異なる2レベルの画素値Rjについて行うことにより、2組の(Ri,Rj)の値のペアが得られるため、これらの画素値を式(2)に適用することによって、3変数a,b,cに関する連立一次方程式が得られる。よって、この方程式を解くことによって、a:b:cの比が求められる。
なお、緑の画素値および青の画素値について同様の測定をして、方程式を解くことにより、それぞれ、a:b:cの比とa:b:cの比とが求められる。
【0032】
次に、赤、緑、青それぞれの係数相互間の比を求めるために、次に述べる測定を行う。図3は、各原色間の係数比決定のための測定システムの装置構成を示すブロック図である。図3において、符号111は制御装置であり、この制御装置111は、画素値0とB(0≦B≦1)とを所定の周期で交互に繰り返す青の表示のためのパルス信号と、画素値0とR(0≦R≦1)とを所定の周期で交互に繰り返す赤の表示のためのパルス信号とを出力する。また、ディスプレイ装置102は、制御装置111が出力する赤および青の表示のためのパルス信号に基づき、画面上の同一の領域に赤および青の表示を行う。なお、上記パルス信号の周波数は、数ヘルツ(Hz)から数十ヘルツの範囲とする。
【0033】
また、113は、制御装置111に対する入力を行うための入力装置である。ディスプレイ装置102の画面を見る観察者は、この入力装置113から入力を行うことによって画素値Rの値を自由に変えることができるようになっている。
【0034】
図4は、図3に示した制御装置111が出力する青および赤の表示のためのパルス信号の波形を示すタイミングチャートである。図4に示すように、青の表示の画素値がBとなっている時間には赤の表示の画素値は0であり、青の表示の画素値が0となっている時間には赤の表示の画素値はRである。従って、ディスプレイ装置102の画面上の表示領域には、青と赤が交互に表示される。
観察者は、この表示を見ながら、点滅によるちらつき度合いが最も小さくなるように、Rの値を調整する。また、Bの輝度を変えて同様な調整を行うことを何度か繰り返し、赤と青との等輝度点を求める。等輝度となったとき、次の式(3)が成立する。
【0035】
【数3】
Figure 0004248867
【0036】
既にa:b:cの比とa:b:cの比とが求まっており、また、図3に示した測定システムによって式(3)におけるRとBの具体的な値が得られているため、係数a,b,c,a,b,c相互間の比も求められる。
さらに、緑と赤の組み合わせ、あるいは緑と青の組み合わせについて、上の青と赤の表示と同様の表示を行って測定することにより、係数a,b,c,a,b,c,a,b,c相互間の比が求められる。
なお、本実施形態では、輝度の絶対値は必要でなく、輝度の相対値のみを用いて以降の処理を行うことができるため、例えば、青の最大輝度YB,MAXを1とすれば、式(1)より次の式(4)が得られ、各係数の値が決定される。
【0037】
【数4】
Figure 0004248867
【0038】
このようにして求められた係数の値は、ディスプレイ装置および観察者固有のプロファイルとして、記憶装置に記憶しておく。
【0039】
次に、年代間色覚変換を実現するための変換輝度比を求める方法について説明する。図5は、上記の変換輝度比を求めるための測定システムの装置構成を示すブロック図である。図5において、符号121は制御装置であり、この制御装置121は、画素値R,G,Bを表わす信号を出力する。ディスプレイ装置102の画面上では、2つの領域が並んで表示されており、その一方の領域には、画素値Rの赤の色が表示される。ここでは、便宜上R=1とする。また、画面上のもう一方の領域には、制御装置121から出力される画素値R,G,Bに基づく三原色、すなわちそれぞれ赤、緑、青を混合した色が表示される。
【0040】
上記の2つの領域のうち、画素値Rの赤が表示された側の領域は、フィルタ124でおおわれている。このフィルタ124は、年代間の輝度分光感度の比の絶対値に相当する分光透過率を持つものである。このフィルタ124は、例えば、屈折率の異なる少なくとも2種類の光学薄膜のうち同一光学薄膜を連続積層させないで基板上に複数積層した水晶体模擬光学フィルタであって、積層される光学薄膜を、周期的に繰り返しがないようにして積層していることを特徴とするものである。なお、このようなフィルタについては、特開2000−241624号公報に詳しく説明されている。
【0041】
また、123は入力装置であり、観察者は、この入力装置123を用いることによって上記画素値R,G,Bを調節できるようになっている。
そして、観察者は、ディスプレイ装置に表示された2つの領域を見ながら、画素値R,G,Bを調節することによって、両者が同じ色に見えるようにカラーマッチングを行う。R=1としたため、両者の色がマッチしたときの画素値R,G,Bを用いると、赤に関する変換輝度比Kは、輝度の加法則により、次の式(5)で表わされる。
【0042】
【数5】
Figure 0004248867
【0043】
理想的なフィルタと実際に使用するフィルタとで視感透過率が異なる場合は、フィルタの透過率を事前に測定しておくことにより、その比β(=理想的フィルタの視感透過率/実際のフィルタの視感透過率)を用いて、式(5)の右辺で表わされる値にこのβを乗じることによって変換輝度比Kを求めることができる。
【0044】
また、上でKを求めたのと同様の方法により、緑に関する変換輝度比K、および青に関する変換輝度比Kも求めることができる。
【0045】
次に、高齢者の色の見えの恒常性を維持したうえで輝度値を変換する方法について説明する。測色学的に、今回の色の恒常性の維持とは近似的に光の色度を変えないことで実現でき、これは、三原色、すなわち赤、緑、青それぞれの画素値R,G,Bの比を維持することと等価である。従って、この比を維持したまま、輝度のみを先に求めた変換輝度比K,K,Kに従って変化させるには、式(1)で示される輝度値Y,Y,YをK倍にするようなR,G,Bに置き換えればよい。ここで、Kは減衰率であり、次の式(6)で表わされる。
【0046】
【数6】
Figure 0004248867
【0047】
つまり、K倍した輝度値として、
Y’=K*Y
Y’=K*Y
Y’=K*Y
なるY’,Y’,Y’を求め、式(1)の関係を用いて、次の式(7)に示す方程式を得る。
【0048】
【数7】
Figure 0004248867
【0049】
そして、式(7)の2次方程式をそれぞれR’,G’,B’について解く。このようにして得られたR’,G’,B’が変換後の赤、緑、青の画素値である。そして、ここに述べた画像内の全画素に対して行うことにより、色恒常性を考慮した年代間色覚変換画像処理を実現できる。
このように、高価な測定器を使用することなく、測色学的に正確な年代間色覚変換処理が可能となる。
【0050】
なお、コンピュータを用いることによって、上記のような年代間色覚変換処理を行う装置を実現できる。このコンピュータは、中央処理装置と、記憶装置と、入出力装置とを備えている。入出力装置は、原画像のデータとして画素値R,G,Bを読み込むとともに、変換後の画像のデータとして画素値R’,G’,B’を出力する。記憶装置には、測定によって得られた係数a,b,c,a,b,c,a,b,cや、年代間の変換輝度比K,K,Kを予め記憶させておく。また、記憶装置にはコンピュータプログラムも記憶させておき、前記の中央処理装置がこのコンピュータプログラムを読み出して実行するようにする。
【0051】
図6は、上記のコンピュータプログラムの処理手順を示すフローチャートである。以下、図6の流れに沿って説明する。
まず、ステップS1において、1画素分の画素値(R,G,B)を読み取る。次に、ステップS2において、予め記憶装置に記録されていた係数a,b,c,a,b,c,a,b,cを用いて、式(1)により、上記画素値(R,G,B)に対応する輝度値Y,Y,Yを求める。つまり、ここでは、画素値の二次関数として輝度値が表わされており、この二次関数を用いて輝度値を求める。
【0052】
そして、ステップS3において、予め記憶装置に記録されていた変換輝度比K,K,Kを用いて、式(6)により、減衰率Kを求める。
次にステップS4において、上記減衰率Kを輝度値Y,Y,Yに乗じることにより、それぞれ、減衰した輝度値Y’,Y’,Y’を求める。これらの減衰した輝度値Y’,Y’,Y’と、式(1)とから、変換後の画素値R’,G’,B’それぞれについての2次方程式が得られる。
【0053】
そして、ステップS5において、これらの2次方程式をそれぞれ解くことにより、変換後の画素値(R’,G’,B’)の値が求まる。つまり、このステップS5においては、ステップS2における演算の逆演算を用いて、減衰した輝度値から変換後の画素値を求める。
ステップS6においては、この変換後の画素値を書き込む。
【0054】
ステップS7においては、ステップS1〜S6で述べた画素値変換の処理が対象としている画像の全画素について終了したかどうかを判定する。終了していない場合は、次の画素について、ステップS1に戻って処理を継続する。終了した場合は、図6のフローチャートに示す処理全体を終了する。
【0055】
次に、年代間のカラースケーリングやカラーネーミングの実験データから、色度を微調整することにより、より実際に近い年代間色覚変換を行う方法について説明する。
【0056】
「カラースケーリング」とは、色を数値化して表現する心理物理学的手法である。なお、この「カラースケーリング」を特に「エレメンタルカラースケーリング」と呼ぶこともある。このカラースケーリングでは、ディスプレイ装置に色光を表示する。この色光を色刺激と呼ぶ。そして、観察者が表示された色刺激を見て、赤、緑、黄、青、白、黒の各色要素がどの程度含まれているかを判断し、その結果を例えば0〜10の範囲の数値として応答する。なお、観察者は、赤と緑と黄と青の各色要素の合計を例えば10とするように、また、白と黒の各色要素の合計を10とするように、予め指示を受けているとする。
これを様々な色刺激に対して行い、応答値のデータを収集する。また、様々な年代の観察者について、このデータを収集する。
【0057】
図7は、上記のカラースケーリングの結果として収集されるデータの構造を示す概略図である。図示するように、このデータでは、ある色刺激とそれに対する応答値とが1行のレコード(例えば符号201で示すレコード)で表わされる。ここで、色刺激の画素値R,G,Bはそれぞれ0〜1の範囲の数値とする。また、応答値の赤、緑、黄、青、白、黒はそれぞれ0〜10の範囲の数値とする。
これらのレコードは観察者を識別する情報と関連付けられており、さらに、図示しないデータによってこの観察者識別情報と当該観察者の年代(例えば、「20代」、「30代」、・・・・・・、「70代」など)とが関連付けられている。
各年代の観察者に対して、充分な種類の色刺激を見せる実験を行うことにより、図7に示す構造のデータを得るようにする。
【0058】
図7に示すデータをもとに、年代間で対応する色の関係を求める方法は、次の通りである。ここでは、年代GN(例えば20代)の色刺激(R,G,B)に対して、年代GN(例えば70代)の色刺激(R,G,B)を求める方法を説明する。
まず、図7のデータから、色刺激(R,G,B)に対応する応答値(赤,緑,黄,青,白,黒)を抽出する。もし色刺激(R,G,B)のデータがない場合には、データ補間により適切な応答値を求める。そして、上記応答値(赤,緑,黄,青,白,黒)に最も近い応答値(赤,緑,黄,青,白,黒)を年代GNのデータ中から選択する。ここで、応答値が「最も近い」とは、例えば次の式(8)で表わされる応答値間の距離dが最も小さいことである。
【0059】
【数8】
Figure 0004248867
【0060】
以上のようにして、カラースケーリングの実験で得られるデータをもとに年代間の色変換の微調整を行うことができる。これをまとめると、観察者に見せる色刺激とこの色刺激に対応する観察者の応答値との関係を観察者の年代ごとに予めデータベースに記憶しておき、入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより第1の年代に関するデータの中から前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、前記データベースを参照することにより、第2の年代に関するデータの中から前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、前記第2の応答値に対応する第2の画素値を求めるということになる。
【0061】
但し、観察者の年代ごとに色刺激と応答値との関係をデータベースに記憶しておく代わりに、観察者個人ごとに色刺激と応答値との関係をデータベースに記憶しておき、上記と同様の手順により、年代間の色覚変換ではなく個人間の色覚変換を行うことも可能である。
【0062】
また、「カラーネーミング」とは、観察者の判断により、ある色がどの色名に相当するものであるかを対応付ける手法である。なお、この「カラーネーミング」を特に「カテゴリカルカラーネーミング」と呼ぶこともある。ここで、色名は、予め与えられた限定的な種類の色名とし、一例としては赤、緑、青、黄、桃、茶、橙、紫、白、黒、灰の11色の色名を用いる。つまり、観察者は、実験環境において見せられた色が与えられた色名のうちのどれにあたるかを強制的に選ぶ。前述のカラースケーリングに加えてさらに、このようなカラーネーミングの実験データを用いて、年代間の色変換の調整を行うようにしても良い。
【0063】
次に、外界の色を捉えて、色恒常性を考慮しながら年代間での色覚変換を行う方法について説明する。図8は、外界の色を捉えて変換する色覚変換処理装置の構成を示すブロック図である。図8において、符号301はパーソナルコンピュータ、302および303は被写体を撮影するためのカメラ、304はカメラ302に取り付けられたフィルタである。また、305および306は、それぞれ元画像と色覚変換後の変換画像とを表示するためのディスプレイ装置である。また、307は、元画像と色覚変換後の変換画像を用紙などに印刷する印刷装置である。
【0064】
なお、フィルタ304としては、図5に示したフィルタ124と同様に、年代間の水晶体分光透過率の比に相当する分光透過率を持つものを用いる。また、カメラ302および303は、ルータ条件を満たすものである。ここで、ルータ条件を満たすとは、撮像して得られる色の値(R,G,B)の一次変換によって表色値(X,Y,Z(CIEXYZ))を完全に記述できることである。つまり、そのような一次変換を表わす3行3列の変換行列をAとしたとき、
(X,Y,Z) = A (R,G,B)
(R,G,B)= A−1 (X,Y,Z)
という記述ができることである。ここで、添字「t」は転置を表わし、A−1はAの逆行列を表わす。
【0065】
パーソナルコンピュータ301が備える変換処理手段3011は、変換行列Aを用いて、カメラ302によって得られた画素値(R,G,B)を変換し、(X,Y,Z)を求める。一方、変換処理手段3012は、同じく変換行列Aを用いて、カメラ303によって得られた画素値(R,G,B)を変換し、(X,Y,Z)を求める。色恒常性を維持した上で輝度値を変換するため、輝度比算出手段3013は、式(6)を用いて輝度比Kを算出する。そして、画素値変換手段3014が、この輝度比Kを用いて、前述の方法と同様の方法で画素値(R,G,B)をもとに変換後の画素値(R’,G’,B’)を求める。この変換は全画素について行われる。
【0066】
そして、印刷用画素値処理手段3015は、変換処理手段3012及び画素値変換手段3014より出力された元画像と変換後の画像の画素値を、印刷装置307で印刷するためのCMYK系の画素値(印刷用画素値)に変換して印刷装置307に出力する。そして、印刷装置307が当該元画像及び変換後の画像を印刷用紙に印刷する。
ここで、本実施形態においては、印刷用画素値処理手段3015が画素値変換手段3014の出力をCMYK系の画素値に変換して印刷装置307に出力している。しかし、印刷用画素値処理手段3015が変換処理手段3012と輝度比算出手段3013の出力を直接受付けて、その出力をCMYK系の画素値に変換するようにしても良い。
このようにして、外界の色を忠実に年代間色覚変換することが可能となる。
尚、元画像や変換後の画像がディスプレイ装置305、306に表示されるようにしてもよい。
【0067】
また、変換後の画像の画素値をCMYK系の画素値へと変換する処理については、一般的に、RGB系の画素値をROUT、GOUT、BOUTとすると、ROUT、GOUT、BOUTを表色値(CIE(Comission Internationale de l'Eclairage)XYZやCIELABなどの色を表す値)に変換し、その表色値を、LUT(Look Up Table)と補間法を用いて最終的にCMYK系の画素値へと変換する。上述のLUTはC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の各色のインクを様々な網点面積率で組合せて印刷した多数の色見本を作成した時の、当該インクの網点面積比率と、当該色見本を測色器で計測した際の表色値とを対応付けた表である。尚、このRGB系の画素値をCMYK系の画素値へ変換する過程は公知の技術である。
【0068】
以上、図6や図8などを用いて説明した色覚変換処理は、前述のようにコンピュータプログラムとして提供し、コンピュータがこのプログラムを読み込んで実行するようにしても良いし、半導体集積回路によってハードウェアデバイスとして利用できる形態で提供しても良い。また、コンピュータプログラムとして提供する場合は、他の画像処理関係などのコンピュータプログラムから容易に利用できるように、プラグインとして提供したり、通信ネットワークを介して分散処理を行うための分散オブジェクトとして提供したりしても良い。
【0069】
最後に、上述した年代間色覚変換処理を応用したシミュレーション装置について説明する。図9は、そのシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。図9において符号501は画像入力部、502は色覚変換処理部、503は表示部、511は係数データベース、512は評価データベースである。
係数データベース511には、画素値から輝度値を求める際に必要な係数の値のデータが記憶されている。また、評価データベース512には、前記のカラースケーリングやカラーネーミングの実験の結果得られたデータが格納されている。
【0070】
画像入力部501は、CMYK系あるいはRGB系などの画像データを記録媒体から読み取ったり通信によって外部から受信したりする。色覚変換処理部502は、画像入力部501から画像データを受け取り、また係数データベース511や評価データベース512に格納されたデータを参照する。そして、色覚変換処理部502は、利用者からの指定等によって得られる利用者の年代GNとシミュレーション対象となる年代GNとを用いて、前記画像データを年代間色覚変換する処理を行い、その変換後の画像データを表示部503に渡す。これを受けて、表示部503は、入力された原画像と変換後の画像とを画面上に並べて表示する。尚、表示部503に表示するのではなく、印刷装置を用いて原画像と変換後の画像とを並べて用紙に印刷するようにしても良い。
【0071】
図10は、上記のシミュレーション装置による表示例を示す概略図である。図10において、符号521はディスプレイ装置の画面、522−1は画面521に表示されている原画像、522−2は同じく画面521に表示されている変換後の画像である。
【0072】
このように、変換前の画像と変換後の画像を並べて表示することにより、利用者は両者を容易に比較することができる。また、このようなシミュレーション装置を工業デザインや商業デザインを行うためのデザイン支援装置に組み込むことにより、これを利用するデザイナは、あらゆる年代の人にとって対象となっているデザインがどのように見えているかを容易に確認することができる。従って、例えば、色の組み合わせ等により見にくかったりデザイン効果が薄れたりする場合にも、それを事前に確認してデザインを修正することができる。
【0073】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高価な測定器を必要とせずに、数枚のフィルタのみを用いた心理物理学的手法を用いることにより、観察者の個人差も考慮した上で、任意の表示機器の較正を行うことが可能となる。
また、本発明によれば、視覚特性の異なる観察者間で、相互の色の見えを数値的に変換し、印刷用紙やディスプレイ上へ画像として表示することができる、色恒常性を考慮した色覚変換処理装置を提供することができる。
【0075】
また、応用として、実際には黄変化していない高齢者の色の見えを忠実に再現することのできる、色恒常特性を組み込んだ色覚変換画像処理装置を提供することが可能となる。
また、印刷用紙やディスプレイ装置上に表示された色光(色刺激)に対して、観察者がカラースケーリングを行うことによって、観察者の個人差の影響を補正し、年代間カラースケーリングデータを用いて年代間色覚変換を実現することが可能となる。
さらに、分光記録カメラ等の高価な装置を使わずに、外界の色を忠実に年代間色覚変換して印刷用紙などに出力することが可能となる。
【0076】
また、このような年代間色覚変換処理を応用してシミュレーション装置を構成することにより、あらゆる年代の利用者が、あるデザイン等について他の年代の人にどのように見えるものであるかを事前に確認することができるため、年代等によって見にくいデザインを予めチェックすることができ、「ユニバーサルデザイン」を容易に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態により画素値をもとに輝度を算出する際に必要な係数比を決定するための測定システムの装置構成を示すブロック図である。
【図2】 図1に示したディスプレイ装置(102)の表示画面を観察者側から見たときの正面図である。
【図3】 同実施形態により画素値をもとに輝度を算出する際に必要な係数の原色間の比を決定するための測定システムの装置構成を示すブロック図である。
【図4】 同実施形態により、図3に示した制御装置(111)が出力する表示のためのパルス信号の波形を示すタイミングチャートである。
【図5】 同実施形態による年代間色覚変換に必要な変換輝度比を求めるための測定システムの装置構成を示すブロック図である。
【図6】 同実施形態による年代間色覚変換処理を実現するコンピュータプログラムの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】 同実施形態により、カラースケーリングの結果として収集されるデータの構造を示す概略図である。
【図8】 同実施形態により、外界の色を捉えて変換する色覚変換処理装置の構成を示すブロック図である。
【図9】 同実施形態による年代間色覚変換処理を応用したシミュレーション装置の構成を示すブロック図である。
【図10】 図9に示した表示部(503)による画面表示の例を示す概略図である。
【符号の説明】
101 制御装置
102 ディスプレイ装置
103 入力装置
104 中性濃度フィルタ
111 制御装置
113 入力装置
121 制御装置
123 入力装置
124 フィルタ
301 パーソナルコンピュータ
302,303 カメラ
304 フィルタ
305,306 ディスプレイ装置
307 印刷装置
501 画像入力部
502 色覚変換処理部
503 表示部
511 係数データベース
512 評価データベース
3011,3012 変換処理手段
3013 輝度比変換手段
3014 画素値変換手段
3015 印刷用画素値処理手段

Claims (14)

  1. 係数記憶手段に、画素値R,G,Bそれぞれに対応する観察者固有の輝度の算出用の係数を前記観察者毎に記憶し、
    変換輝度比記憶手段に、ディスプレイ装置に表示された前記画素値それぞれによる単色が年代間の輝度分光感度の比の絶対値に相当する分光透過率を持つフィルタを透過した色と、前記画素値を複数用いた色と、が同色に見える際の前記単色の画素値と前記画素値を複数用いた場合のR,G,B値との関係によって算出された前記画素値毎の変換輝度比を前記観察者毎に記憶し、
    前記係数記憶手段に記憶されている係数を用いて、入力された画像に含まれる画素の画素値を基に当該画素の輝度値を求める第1の過程と、
    第1の過程において求められた輝度値と、前記変換輝度比記憶手段に記憶されている変換輝度比とを用いて画素輝度の減衰率を求める第2の過程と、
    前記輝度値と前記減衰率とを基に減衰した輝度値を求める第3の過程と、
    この減衰した輝度値を基に当該画素の変換後の印刷用画素値を求める第4の過程と、
    前記画像を前記印刷用画素値を用いて印刷する第5の過程と
    を有することを特徴とする色覚変換処理方法。
  2. 前記第1の過程においては、前記画素の各原色の画素値を基に各原色の輝度値を求めるものであり、
    前記第2の過程においては、各原色に共通な前記減衰率を求めるものであり、
    前記第3の過程においては、各原色の輝度値と前記減衰率とを基に、各原色の減衰した輝度値を求めるものであり、
    前記第4の過程においては、各原色の前記減衰した輝度値を基に画素の各原色の変換後の印刷用画素値を求めるものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の色覚変換処理方法。
  3. 前記第1の過程において前記画素値を基に前記輝度値を求めた演算の逆演算を用いて、前記第4の過程において前記減衰した輝度値を基に前記変換後の印刷用画素値を求めることを特徴とする請求項1または2に記載の色覚変換処理方法。
  4. 前記第1の過程においては、前記画素値に関する関数を用いて前記輝度値を求めることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の色覚変換処理方法。
  5. 画素値R,G,Bそれぞれに対応する観察者固有の輝度の算出用の係数を前記観察者毎に記憶する係数記憶手段と、
    ディスプレイ装置に表示された前記画素値それぞれによる単色が年代間の輝度分光感度の比の絶対値に相当する分光透過率を持つフィルタを透過した色と、前記画素値を複数用いた色と、が同色に見える際の前記単色の画素値と前記画素値を複数用いた場合のR,G,B値との関係によって算出された前記画素値毎の変換輝度比を前記観察者毎に記憶する変換輝度比記憶手段と、
    前記係数記憶手段に記憶されている係数を用いて、入力された画像に含まれる画素の画素値を基に当該画素の輝度値を求める第1処理手段と、
    前記第1処理手段によって求められた輝度値と、前記変換輝度比記憶手段に記憶されている変換輝度比とを用いて画素輝度の減衰率を求める第2処理手段と、
    前記輝度値と前記減衰率とを基に減衰した輝度値を求める第3処理手段と、
    この減衰した輝度値を基に当該画素の変換後の印刷用画素値を求める第4処理手段と、
    前記画像を前記印刷用画素値を用いて印刷する第5処理手段と
    を具備することを特徴とする色覚変換処理装置。
  6. 前記第1処理手段は、前記画素の各原色の画素値を基に各原色の輝度値を求めるものであり、
    前記第2処理手段は、各原色に共通な前記減衰率を求めるものであり、
    前記第3処理手段は、各原色の輝度値と前記減衰率とを基に、各原色の減衰した輝度値を求めるものであり、
    前記第4処理手段は、各原色の前記減衰した輝度値を基に画素の各原色の変換後の印刷用画素値を求めるものである
    ことを特徴とする請求項5に記載の色覚変換処理装置。
  7. 前記第4処理手段は、前記第1処理手段が前記画素値を基に前記輝度値を求める演算の逆演算を用いて、前記減衰した輝度値を基に前記変換後の印刷用画素値を求めるものであることを特徴とする請求項5または6に記載の色覚変換処理装置。
  8. 前記第1処理手段は、前記画素値に関する関数を用いて前記輝度値を求めることを特徴とする請求項5から7までのいずれかに記載の色覚変換処理装置。
  9. 画素値R,G,Bそれぞれに対応する観察者固有の輝度の算出用の係数を前記観察者毎に記憶する係数記憶手段と、
    ディスプレイ装置に表示された前記画素値それぞれによる単色が年代間の輝度分光感度の比の絶対値に相当する分光透過率を持つフィルタを透過した色と、前記画素値を複数用いた色と、が同色に見える際の前記単色の画素値と前記画素値を複数用いた場合のR,G,B値との関係によって算出された前記画素値毎の変換輝度比を前記観察者毎に記憶する変換輝度比記憶手段と、を備えた色覚変換処理装置のコンピュータに実行させるコンピュータプログラムであって、
    前記係数記憶手段に記憶されている係数を用いて、入力された画像に含まれる画素の画素値を基に当該画素の輝度値を求める第1の過程と、
    第1の過程において求められた輝度値と、前記変換輝度比記憶手段に記憶されている変換輝度比とを用いて画素輝度の減衰率を求める第2の過程と、
    前記輝度値と前記減衰率とを基に減衰した輝度値を求める第3の過程と、
    この減衰した輝度値を基に当該画素の変換後の印刷用画素値を求める第4の過程と、
    前記画像を前記印刷用画素値を用いて印刷する第5の過程と
    の処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  10. 観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者ごとにデータベースに記憶しておき、
    入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の観察者に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、
    前記データベースを参照することにより、第2の観察者に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、
    前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、
    前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の色覚変換処理方法。
  11. 観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者の年代ごとにデータベースに記憶しておき、
    入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の年代に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、
    前記データベースを参照することにより、第2の年代に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、
    前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、
    前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項4に記載の色覚変換処理方法。
  12. 観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者ごとに記憶したデータベースを備え、
    入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の観察者に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、
    前記データベースを参照することにより、第2の観察者に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、
    前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、
    前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷する
    ことを特徴とする請求項5〜請求項8に記載の色覚変換処理装置。
  13. 観察者に見せる色と、この色に対応する観察者の応答値との関係を観察者の年代ごとに記憶したデータベースを備え、
    入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の年代に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求め、
    前記データベースを参照することにより、第2の年代に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求め、
    前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求め、
    前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷する
    ことを特徴とする請求項5〜請求項8に記載の色覚変換処理装置。
  14. 観察者に見せる色とこの色に対応する観察者の応答値との関係を観察者の年代ごとに記憶したデータベースを参照して色覚変換処理を行うための請求項9に記載のコンピュータプログラムであって、
    入力された画像に含まれる画素の第1の画素値をキーとして前記データベースを参照することにより、第1の年代に関するデータの中から、前記第1の画素値に対応する第1の応答値を求める処理と、
    前記データベースを参照することにより、第2の年代に関するデータの中から、前記第1の応答値に最も近い第2の応答値を求める処理と、
    前記第2の応答値に対応する第2の印刷用画素値を求める処理と、
    前記画像を前記第2の印刷用画素値で印刷する処理と
    をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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