JP4248179B2 - 水晶体嚢リング及び水晶体嚢リングシステム - Google Patents
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Description
本発明は、水晶体嚢リング、及び、水晶体嚢リングとリング導入器とから構成された組立体に関する。
【0002】
より正確には、本発明は、水晶体嚢の本来の円形形状を維持するため、水晶体を除去した後水晶体嚢内に装着される弾性変形可能なリングに関し、特に続いて行われる水晶体嚢内への眼内インプラントの設置がしやすいものに関するが、これに限定されるものではない。
【0003】
いわゆる“白内障”の手術では、莢膜又は水晶体嚢と称される水晶体の被膜を保護しつつ、水晶体を除去するということが知られている。しかしながら、水晶体嚢は、毛様小帯として知られる繊維状帯を介して眼の内壁に結合された非常に薄い膜からできており、この膜が一定の円形形状に保持されない傾向にある。
【0004】
また、水晶体を除去した後は、水晶体嚢内に眼内インプラントを設置することが知られている。ここで用いられる眼内インプラントは、略円形の光学部と、眼内インプラントの光学軸が眼の光学軸にほぼ一致するよう当該眼内インプラントの光学部を中心に設置する機能を果たす、弾性変形可能な触覚部とを必須要素として有する。触覚部が適切に機能を果たすこと、即ち触覚部が光学部を中心に保持するのを確実にするためには、触覚部の自由端で押圧される水晶体嚢の周縁が円形形状を維持していなければならず、特に、毛様小帯が破損したり水晶体嚢が縮んだりすることがないよう、水晶体嚢内に皺を形成しないようにするのが重要である。
【0005】
水晶体嚢の円形形状を保持させるため、通常ポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなる弾力性のあるリングを導入するという提案が既になされており、このようなリングの弾性伸長が水晶体嚢の形状保持の機能を果たす。また水晶体嚢を構成する膜がリングにより押圧されることで、副次的に、水晶体嚢を不明瞭にして患者の視力を低下させる原因となる寄生細胞の増殖を防止又は少なくとも抑制される。このような水晶体嚢リングは特に欧州特許0884031号に開示されており、この公報ではリングは対称形状であると記載されている。リングが対称形状であると、リングを装着する際に水晶体嚢内に皺を形成しないようにすることができない。さらに、リングが対称形状の場合は、水晶体嚢の周縁全体に亘ってほぼ一定の力をかけることができない。
【0006】
本発明の目的は、皺を形成しないようにしながら水晶体嚢内に装着できると共に、水晶体嚢の周縁にかかる力をより効率的に分布させ、さらに効率よく水晶体嚢を本来の円形形状に維持することのできるような形状の水晶体嚢リングを提供することである。
【0007】
この目的を達成するため、本発明は、操作手段を備えた第1端と第2端とを有する湾曲部を備え、湾曲部は、湾曲部を互いに均等な2つの部分に分ける面と、面と直交する方向にほぼ一定の厚みと、外側エッジ及び内側エッジとを有しており、無負荷状態で面内にあるとき、湾曲部の外側エッジが中心O・水晶体嚢の半径とほぼ等しい半径Rである円に点Aでほぼ接するように配置されると共に外側エッジが円の外側に位置する水晶体嚢リングであって、湾曲部はさらに第1端から、外側エッジにおける点Aよりも第2端に近い位置に位置する点Bまでの第1ブランチと点Bから第2端までの第2ブランチとを備え、湾曲部の長さはほぼ中心Oの円の円周長さ以上で、第1ブランチの外側エッジは中心Oに一致しない中心O’・Rより大きく1.10Rよりも小さい半径R’の円の一部により画定され、湾曲部における第2ブランチの外側エッジは点Bで中心O’の円の一部と滑らかに接続する中心Oの双曲うずまき線の一部により画定されており、中心O及び点Aを接続する中位径と中心O及び第1ブランチの外側エッジ上の点Mを結ぶ直線部分OMとがなす中心角が中位径と中心O及び第2ブランチの外側エッジ上の点M’を結ぶ直線部分OM’とがなす中心角に等しくなる点Mについて、すべての直線部分OM’が直線部分OMより長く、第2ブランチの外側エッジ上のすべての点M’における曲率半径が半径R’よりも大きいことを特徴とする水晶体嚢リングを提供する。
【0008】
水晶体嚢リングが、水晶体嚢の半径よりも若干大きい半径を持つ円の一部を形成する第1ブランチと、双曲うずまき線を形成する第2ブランチとを備えているのが理解されるであろう。上記第1ブランチは、水晶体嚢内に最初に挿入されるものである。この第1ブランチは、水晶体嚢の半径に近い半径を持つ半円とほぼ一致するため、水晶体嚢内に装着するのが容易である。そして双曲うずまき線を形成する第2ブランチが水晶体嚢内に設置されたときにのみ、水晶体嚢リングは第2ブランチにおいて著しい弾性変形を生じる。さらに、水晶体嚢リングの第2ブランチが双曲うずまき線の形状であるので、この第2ブランチにおける水晶体嚢の径より大きい部分の径は漸次的にのみ増加する。これにより、水晶体嚢リングの第2ブランチは漸次的に圧縮されるため、第2ブランチを設置しやすく、そしてリング全体の装着がより容易になる。
【0009】
さらに、水晶体嚢の形状を維持するための水晶体嚢リングにおける弾性変形が、略半円形を形成する水晶体嚢リングの第2ブランチに沿って分布するため、水晶体嚢に負荷された力がより効率的に分布し、水晶体嚢内に皺を形成してしまうという問題を回避できる。
【0010】
眼内そして水晶体嚢内へと水晶体嚢リングを装着する際の装着方法に関して、また別の問題が存在している。一般に略2.5〜4mmの小さな直径のカニューレが末端に備えられたリング導入器を用い、小さなサイズの切開部から、水晶体嚢リングを眼内に装着するという方法が知られている。水晶体嚢リング全体をカニューレ内に挿入し且つその後カニューレの端部を眼内に設置して水晶体嚢リング全体をカニューレから眼内へ排出できるようにするためにリング導入器はワイヤを備え、さらにそのワイヤの端部にはフックが備えられており、水晶体嚢リングの少なくとも一端が上記フックを受けるのに適したものとなっている。水晶体嚢リングの端部をリング導入器のフックに取り付けるのにある程度の作業が必要であるが、水晶体嚢リングの直径及びリング導入器におけるワイヤ端部のフックの直径が小さいので作業は非常に困難である。
【0011】
このように、水晶体嚢リングを眼内に装着するために、当該水晶体嚢リングをリング導入器に取り付ける場合において大きな問題が存在している。
【0012】
本発明に係るもう1つの目的は、上述した従来のような作業が必要のない、水晶体嚢リングとこのリングと共働するリング導入器とを備えたシステムを提供することである。
【0013】
本発明に係る水晶体嚢リングシステムは、異なる曲率半径を持つ2つの非対称形ブランチを備えた水晶体嚢リングと、水晶体嚢内に水晶体嚢リングを装着するためのリング導入器とを備え、リング導入器は軸方向通路が形成されたカニューレとリング操作機構を持つ本体とを含み、リング操作機構は軸方向通路に引き込まれたフレキシブルワイヤを備え、フレキシブルワイヤは、一時的に水晶体嚢リングに固定するために水晶体嚢リングの操作手段と共働するのに適した操作部材を備えた第1端と、フレキシブルワイヤを軸方向通路内で移動させるための手段に固定された第2端とを有し、操作部材が操作手段に固定されているとき、水晶体嚢リングはその第2ブランチに応力が加えられることがないように第2端から第2ブランチの適切な長さだけカニューレの軸方向通路に引き込まれることを特徴とする。
【0014】
上記発明によると、カニューレ内に一部分挿入される水晶体嚢リングのブランチは従来技術によるものに比べてはるかに大きい曲率半径を持つため、当該ブランチの一端をリング導入器のカニューレ内に取り付けてできた組立体を、手術の際使用するまで保管することが可能である。
【0015】
このように水晶体嚢リングの第2ブランチが大きな曲率半径を持つため、当該第2ブランチに著しい変形が分布することなく、第2ブランチの端部をカニューレ内に保持した状態を維持できる。従来の標準的なタイプの水晶体嚢リングの両端には著しい湾曲が形成されており、リングの当該端部で応力が上昇し、ある一定時間経過後に強度が著しく低下する傾向にあるため、従来技術では上記のように第2ブランチの端部がカニューレ内に保持された状態を維持できない。
【0016】
本発明における他の特徴や効果は、非制限の実施例として挙げられる本発明に係る様々な実施形態についての以下の説明によって、より明確となるであろう。以下の説明は添付図面を参酌するものである。
【0017】
先ず図1を参照しつつ、本発明に係る水晶体嚢リングにおける静止状態、即ち無負荷状態の形状について説明していく。本発明に係る水晶体嚢リングは、眼内インプラント、特に眼内インプラントの触覚部を製作するのに広く用いられている、生物学的適合性を有する材料であるPMMAからなるのが好ましい。
【0018】
水晶体嚢リング10は、中心O、リングを装着する水晶体嚢の半径とほぼ等しい半径Rを持つ円Cにおいて画定される。水晶体嚢リング10は、点Aで接するように当該円Cの外側に配置されている。より正確には、円Cは水晶体嚢リング10の外側エッジ12と接するものであり、水晶体嚢リングはさらに内側エッジ14を備えている。水晶体嚢リングは、第1端16と第2端18とを有する湾曲部を備えている。本実施形態において、水晶体嚢リングの幅、即ち外側エッジ12と内側エッジ14との間隔は一定であり、例えば0.17mmとしてよい。水晶体嚢リングの湾曲部を互いに均等な2つの部分に分ける面に垂直方向の厚みはほぼ一定で、例えば0.17mmとしてよい。そして水晶体嚢リングを操作するための操作孔24,26を形成するように、第1端16及び第2端18に相当する末端部20,22のみが拡幅されている。また、水晶体嚢リングの“主要”部分とは、水晶体嚢リングの末端部20,22を除いた長さの部分を意味するものとする。
【0019】
水晶体嚢リングは、その形状の画定に関して、第1端16から、接点Aから円Cの中心角bだけ離れた外側エッジの点Bまで延在する第1ブランチ30を備えている。ここで、中心角bは1°〜15°の範囲内であるのが好ましく、点Bは中位径AA’に関して後述の第2ブランチ側に位置している。水晶体嚢リングはまた、点Bから第2端18まで延在する第2ブランチ32を備えている。
【0020】
第1ブランチ30は全体として中心O’半径R’の円弧34と一致しており、中心O’は通常中心Oと一致しないものとする。半径R’は、R〜1.10Rの範囲内である(R<R’<1.10R)。円弧34の中心O’に関する中心角aは180°未満で、好ましくは120°より大きい。
【0021】
水晶体嚢リングの第1ブランチ30は通常、半円より若干小さく且つ水晶体嚢の半径より若干大きな半径R’を持つ円弧を形成することが理解されるであろう。
【0022】
水晶体嚢リングにおける第2ブランチ32の外側エッジ12は双曲うずまき線、より正確には中心Oの双曲うずまき線の一部によって画定されている。図示されている実施形態においては、極座標における双曲うずまき線部分の式はr=17/q(q:中心角)となっている。
【0023】
水晶体嚢リングの第1及び第2ブランチ30,32が上記のような形状であるため、円Cの中位径AA’と角度xをなす位置にある第2ブランチ32の外側エッジ上の点M’、及び、中位径AA’と上記と同じ角度xをなす位置にある第1ブランチ30の外側エッジ上の点Mを考慮すると、常に間隔OM’は間隔OMより長いのが理解されるだろう。また、第2ブランチ32の曲率半径は、第1ブランチ30の曲率半径よりはるかに大きく、点Bから水晶体嚢リングの第2端18に向けて増加しているのが理解されるだろう。
【0024】
水晶体嚢リングにおける2つのブランチが上述した形状であることから、水晶体嚢リングは水晶体嚢内に容易に装着可能であることが理解されるであろう。
【0025】
図2は、リング導入器40を示す。リング導入器40は、カニューレ46を固定する円錐形部分44を末端に備えた円筒体42を含み、ここで用いるカニューレは円弧46を形成している。ピストン48は、円筒体42内において移動可能であり、手動操作ヘッド50と、ピストン48が動くとカニューレ46内で移動可能となるワイヤ54の端部に固定された第2端52とを有している。後にさらにより詳しく説明するように、このワイヤ54の端部には、操作孔26を介して水晶体嚢リングの第2端18を固定可能とするフック56が備えられている。ピストン48の段部60とリング導入器の円筒体の段部62との間に配置されている復帰バネ58は、ワイヤ54をカニューレ46内へと引き込むよう付勢する。後述の理由により、リング導入器40は、円筒体の穿孔68とピストン48の内径70とに嵌合可能なスタッド66を含む除去可能なクリップ型部材64を、取り付けるようにする。クリップ型部材64を取り付けると、ピストン48とリング導入器のワイヤ54のフックとが正確な位置で静止保持され、ワイヤ54のフックはカニューレの開口部46aから長さlだけ内側に入った配置となる。
【0026】
図4は、水晶体嚢リング10が取り付けられ、水晶体嚢リングの第2端18がフック56を介してワイヤ54に取り付けられてカニューレの端部を通過した状態のリング導入器40を示す。図5により明確に示すように、水晶体嚢リング10の第2ブランチ32の第2端は、著しい応力を受けることなくカニューレ46内に収容されるよう、カニューレ46内にl以上の長さ分引き込まれている。既に説明したように、本実施形態に係る水晶体嚢リング10の第2ブランチ32の第2端における曲率半径は従来技術によるものに比べてはるかに大きいため、上記のような特に望ましい結果が得られる。
【0027】
長さlは、4〜5mmの範囲内であるのが好ましい。
【0028】
図6は、リング導入器のワイヤ54に設けられたフック56についての好適な一実施形態の詳細図である。このフックは、ワイヤ54をある角度に折り曲げた屈曲端部により構成されている。屈曲端部の屈曲角度cは、ワイヤの主要部に関して45〜90°の範囲内にある。フックがこのような形状であるため、水晶体嚢リングの端部がカニューレ46内にある限り、フックは水晶体嚢リングの操作孔26内に保持されるのが理解されるであろう。そして外科医はリング導入器を操作するだけで、水晶体嚢リングの端部をカニューレ外へと引き出し、リング導入器から水晶体嚢リングを排出することができる。
【0029】
好適な実施形態において、カニューレは長さ1.1mm及び0.6mmの軸を持つ楕円形断面の内孔を有する。また、ワイヤ54の直径は0.3mm、操作孔26の直径は0.4mmであるのが好ましい。
【0030】
水晶体嚢リングの第2端がリング導入器のカニューレ内に設置され且つリング導入器のワイヤ54に連結された、水晶体嚢リング10とリング導入器とから構成された組立体は、水晶体嚢リングの端部に応力が負荷されないため、長期に亘って保管可能であることが理解できるであろう。このようなリング導入器と水晶体嚢リングとから構成された組立体は、殺菌用ガス(エチレンオキシドガス)を通過可能とするシールが施されたユニット内に設置される。
【0031】
このように、外科医が患者の水晶体嚢内に水晶体嚢リングを装着しようとするとき、水晶体嚢リングは既にリング導入器のワイヤ54に連結された状態となっている。外科医がクリップ型部材64を除去するという動作をするだけで、ピストン48は復帰バネの付勢力で後方に移動し、水晶体嚢リング10全体がカニューレ46内に引き込まれる。そして外科医は、患者の眼内に予め形成された切開部からカニューレの端部46aを挿入する。ここで、眼内の切開部ではピストンを押圧できるようになっており、これにより、上述のように水晶体嚢周縁の本来の形状に相当する略半円形状である第1ブランチが水晶体嚢内に先ず挿入された後少しずつ水晶体嚢リング全体が引き込まれて、水晶体嚢リングが漸次排出されるようになっている。
【0032】
図7、図7A、及び図7Bは、リング導入器についての第2の実施形態を示す。本実施形態においては、内部で移動可能なピストン72を備えた円筒体70を含んでいる。円筒体70の円錐形部分74は、図2のカニューレ46と同様のカニューレ76に嵌合するようになっている。復帰バネ78は、ピストン72を円錐形部分74から離れる方向に付勢するものである。フックワイヤ80はピストンの端部72aに固定され、カニューレ76内で移動可能になっている。
【0033】
ピストン72は、分割リング86と移動つまみ88とから構成された移動部材84を収容するための環状溝82を有する。移動つまみ88は、ピストン72と共に平行移動し且つ回転自在となっている。また移動つまみ88は、リング導入器の円筒体70に形成された細長溝90内に貫挿されている。この細長溝90の形状は、図7Bにより明確に示されている。細長溝は、リング導入器本体の軸に平行な直進部92と偏向部84とを有する。直進部92は、円錐形部分近傍の点Eと点F(図7参照)との間に延在している。移動つまみ88が点Eにあるとき、フックワイヤ80はカニューレの外側に十分に引き出され、フックワイヤから水晶体嚢リングを取り外しできる状態である。移動つまみ88が点Fにあるときは、水晶体嚢リング全体がカニューレ76内に収容された状態である。この状態が水晶体嚢リング装着開始のときの配置である。
【0034】
細長溝の偏向部94は、収容位置を確定するものである。細長溝の偏向部94は点G,H間に延在する第1ブランチ96を備えており、この点Gが、上述のように水晶体嚢リングのわずかな部分のみがカニューレ内に収容されるという水晶体嚢リングの収容位置に相当する。第2ブランチ98は、点Hから直進部92に繋がる点Iまで延在している。
【0035】
収容位置において、点Hに屈曲部が形成されているため、移動つまみ88は復帰バネ78により付勢されながら点Gに静止状態で保持される。
【0036】
外科医は、このリング導入器を用いるとき、移動つまみ88が偏向部94の屈曲部Hを通過するまでピストン72のヘッドを押圧する必要がある。そして、復帰バネ78の付勢力を受けながら、移動つまみ88をこの位置から溝部96、直進部92に沿わせて点Fに至らせる。こうして、水晶体嚢リングは完全にカニューレ内に引き込まれる。以上のように、組立体は水晶体嚢リングを導入可能にされている。
【0037】
外科医はピストン72のヘッドを押圧するだけでよく、これにより移動つまみ88が直進部92に沿って移動し、水晶体嚢リングはリング導入器のカニューレから排出されることになる。
【0038】
移動つまみ88が点Eに到達すると、水晶体嚢リングはフックワイヤ80の端部から外れて患者の眼内に完全に装着される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る水晶体嚢リングの平面図である。
【図2】 リング導入器の第1の実施形態についての縦断面図である。
【図3A】 図2のリング導入器をロックするための部材を示す斜視部分断面図である。
【図3B】 図2のリング導入器をロックするための部材を示す斜視部分断面図である。
【図4】 水晶体嚢リングがリング導入器のカニューレ内に設置されていく状態を示す部分縦断面図である。
【図5】 図4の詳細としてカニューレ内における水晶体嚢リングの端部の配置を示す図である。
【図6】 水晶体嚢リングをカニューレ内に取り付ける部材についての一実施形態を示す図である。
【図7】 リング導入器の第2の実施形態についての縦断面図である。
【図7A】 図7のA−A線に関する断面図である。
【図7B】 図7に示すリング導入器についての部分斜視図である。
Claims (10)
- 操作手段(24,26)を備えた第1端(16)と第2端(18)とを有する湾曲部(10)を備え、前記湾曲部は、前記湾曲部を互いに均等な2つの部分に分ける面と、前記面と直交する方向にほぼ一定の厚みと、外側エッジ及び内側エッジ(12,14)とを有しており、無負荷状態で前記面内にあるとき、前記湾曲部の前記外側エッジ(12)が中心O・水晶体嚢の半径とほぼ等しい半径Rである円に点Aでほぼ接するように配置されると共に前記外側エッジ(12)が前記円の外側に位置する水晶体嚢リングであって、
前記湾曲部はさらに前記第1端(16)から、前記外側エッジにおける前記点Aよりも前記第2端に近い位置に位置する点Bまでの第1ブランチ(30)と前記点Bから前記第2端(18)までの第2ブランチ(32)とを備え、前記湾曲部の長さはほぼ前記中心Oの円の円周長さ以上で、前記第1ブランチの前記外側エッジは前記中心Oに一致しない中心O’・Rより大きく1.10Rよりも小さい半径R’の円の一部により画定され、前記湾曲部における前記第2ブランチの前記外側エッジは前記点Bで前記中心O’の円の一部と滑らかに接続する中心Oの双曲うずまき線の一部により画定されており、
前記中心O及び前記点Aを接続する中位径と前記中心O及び前記第1ブランチの前記外側エッジ上の点Mを結ぶ直線部分OMとがなす中心角が前記中位径と前記中心O及び前記第2ブランチの前記外側エッジ上の点M’を結ぶ直線部分OM’とがなす中心角に等しくなる点Mについて、すべての前記直線部分OM’が前記直線部分OMより長く、
前記第2ブランチの前記外側エッジ上のすべての前記点M’における曲率半径が前記半径R’よりも大きいことを特徴とする水晶体嚢リング。 - 前記湾曲部の少なくとも前記第2端(18)が前記面内において拡幅された末端部(22)を含んでおり、前記末端部には前記操作手段を形成する操作孔(26)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の水晶体嚢リング。
- 2つの湾曲した前記部分の結合点Bは、前記中位径に関して前記第2ブランチ側に位置することを特徴とする請求項1又は2に記載の水晶体嚢リング。
- 前記湾曲部(10)の主要部分における前記外側エッジ(12)と前記内側エッジ(14)との間隔がほぼ一定であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水晶体嚢リング。
- 前記湾曲部の前記第1ブランチ(30)における前記外側エッジと前記内側エッジとの間隔がほぼ一定の幅eであり、前記湾曲部の前記第2ブランチ(32)における前記外側エッジと前記内側エッジとの間隔が、点Bから前記第2端(18)近傍へとeよりも大きい幅e’まで増加していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水晶体嚢リング。
- 前記第1ブランチの前記外側エッジを画定する前記中心O’の円の前記一部に対応した中心角(a)が120°より大きく180°未満であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の水晶体嚢リング。
- ポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の水晶体嚢リング。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の水晶体嚢リング(10)と、
水晶体嚢内に前記水晶体嚢リングを装着するためのリング導入器(40)とを備え、
前記リング導入器(40)は軸方向通路が形成されたカニューレ(46,76)とリング操作機構を持つ本体(42,70)とを含み、
前記リング操作機構は前記軸方向通路内側に引き込まれたフレキシブルワイヤ(54,80)を備え、前記フレキシブルワイヤは、一時的に前記水晶体嚢リングを固定するために前記水晶体嚢リングの操作手段(26)と共働するのに適した操作部材(56)が設けられた第1端と、前記フレキシブルワイヤを前記軸方向通路内で移動させるための手段(48,72)に固定された第2端とを有し、
前記操作部材が前記操作手段に固定されているとき、前記水晶体嚢リングはその前記第2ブランチに応力が加えられることがないように前記第2端から前記第2ブランチの適切な長さだけ前記カニューレの軸方向通路内側に引き込まれることを特徴とする水晶体嚢リングシステム。 - 前記リング導入器と、前記カニューレ内側に引き込まれた前記水晶体嚢リングとを収納する容器をさらに備えていることを特徴とする請求項8に記載の水晶体嚢リングシステム。
- 前記容器はガスによる殺菌が可能な材料からなることを特徴とする請求項9に記載の水晶体嚢リングシステム。
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