JP4247877B2 - 破砕装置の供給振動フィーダ用シュータ - Google Patents

破砕装置の供給振動フィーダ用シュータ Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、破砕装置の供給振動フィーダ用シュータに関し、特には2方向に排出するシュータの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、破砕装置の供給振動フィーダ用シュータについては、例えば特許文献1に自走式破砕機の排出シュート装置が記載されている。
【0003】
図9は従来の排出シュート装置を搭載した自走式破砕機1の構成の一例を示す一部断面側面図である。図9において、クローラ式の走行体2にはジョークラッシャ式の破砕機3と、破砕機3に被破砕材料を供給する供給振動フィーダ5を有するホッパ4とが搭載されている。供給振動フィーダ5は、被破砕材料を篩い分ける篩6を有している。破砕機3の下方には、製品(破砕物)を外部に搬出するベルトコンベア式の排出装置7が配置されている。また、供給振動フィーダ5の篩6の下方には、排出シュート装置60が設けられている。この排出シュート装置60を構成する第1シュート61には、第2シュート62と第3シュート63とが二股状に接続して設けられている。第2シュート62の排出口の下方には排出装置7が配置されており、また第3シュート63の排出口の下方にはズリ排出装置8が配置されている。
【0004】
図10は、上記排出シュート装置60の構成を示す詳細図である。図10において、第2シュート62と第3シュート63との二股分岐部には、水平な回転軸70が設けられており、回動軸70には、第1シュート61から第2シュート62への通路と、第1シュート61から第3シュート63への通路とを選択的に切り換える開閉板71が固設されている。前記回動軸70の端部には、回動軸70を回動操作する手動レバー72が設けられ、手動レバー72の長手方向のほぼ中央部に係止板73が回動自在に取付けられている。第3シュート63の外壁に係止ピン64が設けられており、係止板73にはこの係止ピン64に係合する穴部74が設けられている。穴部74は、手動レバー72の回動操作中は係止ピン64に係合しつつ摺動する長穴部75と、この長穴部75の端部に、長手方向に対してほぼ直角方向に設けられ、かつ開閉板71が通路切換完了位置に達したときに係止ピン64に係止する凹部76とから構成されている。
【0005】
次に作動について説明する。ホッパ4に投入された被破砕材料は篩6付きの供給振動フィーダ5によって破砕機3に供給され、破砕機3で破砕されて規定粒度の製品となり、排出装置7上に落下して搬出される。被破砕材料の一部は篩6により篩い分けられて第1シュート61に落下する。この篩い分けられた被破砕材料の中には、良質の製品と、例えば土混じりの非製品とがある。作業者はこれを見分けて手動レバー70を操作して開閉板71を回動させ、第1シュート61からの通路を第2シュート62または第3シュート63に切り換える。良質の製品は第2シュート62から排出装置7に送られ、製品として搬出される。また、非製品は第3シュート63からズリ排出装置8により外部に排出される。
【0006】
上記特許文献1による自走式破砕機の排出シュート装置60によれば、前述の作業において、開閉板71が振動等によりばたつくことは無く、製品と非製品との混合や、騒音の発生を防止できるとしている。
【0007】
【特許文献1】
実用新案登録第3076725号公報(第6頁、第1図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成においては、以下のような問題点がある。前述の説明においては、篩い分けられた被破砕物を良質の製品と非製品とに分別するとしているが、篩い分けられる被破砕物の種類によっては、良質の製品のみがあって分別の必要の無い場合が多い。このため、通常時には、第2シュート62を有していない1方向シュートを用いている。図11は従来の一例の、1方向シュート65の側面図である。図11において、1方向シュート65は第1シュート61と第2シュート62とより構成されている。そして、従来は、通常時には上記1方向シュート65を用い、作業内容によって図10に示すような2方向切換可能な排出シュート装置60に組み換えていた。ところが、1方向シュート65から前記排出シュート装置60に組み換えるためには、ホッパ4を取り外す必要があるので、多大の工数を要する。また、この組換えのために、1方向シュート65と排出シュート装置60とを常に保管しておく必要があり、これらの装置が大型であるため広い保管場所を必要とするといった問題もある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、1方向シュートと、2方向シュートとの組み換えが容易であり、大型部品を保管する必要の無い、破砕装置の供給振動フィーダ用シュータを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、第1発明は、砕機と、破砕機に被破砕物を供給すると共に、被破砕物を分別する篩を有する供給振動フィーダと、破砕機の排出口の下方に設けられた排出装置とを有する破砕装置の供給振動フィーダ用シュータにおいて、前記供給振動フィーダの下方に設けられ、分別された被破砕物を1方向にある前記排出装置に排出し、さらに、他方向を向いた開口部を有する取付部が設けられたシュータと、前記1方向への通路と他方向への通路とを切り換える開閉板と該開閉板を作動する手動レバーとを備えた通路切換装置を有し、前記取付部に着脱可能に取付けられて、前記分別された被破砕物を他方向へ向けて排出する他方向シュータと、を有する構成としている。
【0011】
第1発明によると、シュータに、他方向に向けて被破砕物を排出する他方向シュータを取付けることができる。すなわち、必要に応じて1方向に排出する1方向シュータにしたり、あるいは、そのシュータに他方向シュータを取付けて2方向シュータにすることが容易にできる。そのため、従来のように、1方向シュータと、1方向シュータと他方向シュータとを一体構成した2方向シュータとを予め用意し、要求に応じて組み換える必要は無い。したがって、組み換えのための工数が大幅に低減されると共に、大型の装置をストックする必要も無く、組立性の向上、コストの低減が図れる。
【0015】
また、他方向シュータを着脱すると、シュータへの通路と、他方向シュータへの通路とを切り換える通路切換装置も同時に着脱される。したがって、1方向シュータと2方向シュータとの組み換えが、短時間で、容易に可能となり、作業性の向上、コストの低減が図れる。
【0016】
発明は、第発明記載の破砕装置の供給振動フィーダ用シュータにおいて、前記他方向シュータは、前記シュータ及び他方向シュータの内部を点検するための点検窓と、該点検窓を覆う、着脱自在な点検蓋とを有し、該点検蓋は前記開閉板の他方向シュータへの通路を閉じる位置決めストッパを備え、該点検蓋を取り外した時に、前記開閉板は、少なくとも前記点検窓の下縁部近傍まで開口可能な構成としている。
【0017】
第4発明によると、位置決めストッパを点検蓋と共に取り外し、開閉板を、少なくとも点検窓の下縁部近傍まで開口することができる。そのため、シュータおよび他方向シュータの内部の点検、清掃等が容易に行え、作業性を向上できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る破砕装置の供給振動フィーダ用シュータの実施形態について、図面を参照して詳述する。
【0019】
図1は、本発明の第1実施形態の、通路切換装置30を備えた2方向のシュート装置10の側面図であり、図2は図1のA矢視図であり、図3はシュート装置10の構成を示す分解斜視図である。図1、図2、図3において、略矩形断面のシュータ11の、一面の上部には、開口部13と、左右一対のアングル材の取付フランジ14,14とを有する取付部12が設けられている。シュータ11の、前記開口部13の反対側の内面上部には、他方向位置決めストッパ15が固設されている。側面視三角形の他方向シュータ20は左右一対の側面板21,21を有し、両側面板21,21は下部に固設された縁板22,23により互いに接続されている。他方向シュータ20の、側面板21の周囲の三面は開放されており、それぞれシュータ11との接続口24、点検窓25、及び排出口26を形成している。接続口24の左右外側にはアングル材の取付フランジ27,27が設けられ、点検窓25の左右外側にはフランジ28,28が形成されている。他方向シュータ20の取付フランジ27,27は、シュータ11の取付フランジ14,14にボルト16により締着されている。他方向シュータ20には、通路切換装置30が取付けられている。
【0020】
次に、通路切換装置30の構成について、図4のシュート装置10の側面断面図を参照して説明する。図4において、他方向シュータ20のシュータ11との接合部の下端部には、回動軸31が、側面板21に取付けられた軸受33により、回動自在に取付けられている。回動軸31には開閉板32の下端部が固設されており、回動軸31の端部には手動レバー34の基端部が取付けられている。手動レバー34の長手方向のほぼ中央部には、係止板35がピン36により回動自在に取付けられ、また側面板21の外面には係止板35に係合する係止ピン39が固設されている。係止板35には、その長手方向に沿って、一方が開放された溝37が形成されており、該溝37には長手方向の所定の位置に、直角方向に凹部38が設けられている。前記係止ピン39はこの溝37に係合しつつ摺動し、開閉板32が通路切換完了位置に達すると係止ピン39は凹部38に入り込み係止するようになっている。
【0021】
図1、図2、図3において、他方向シュータ20のフランジ28,28には、点検窓25を覆う上下2枚の点検蓋40,41がボルト44により締着され、上側の点検蓋40には、開閉板32用の位置決めストッパ43が固設されている。点検蓋40,41にはそれぞれ、着脱時に把持するための2個のハンドル42,42が設けられている。また、他方向シュータ20の排出口26の下方には、ズリ排出装置8が配置されている。
【0022】
次に、作動について説明する。図1に示すように、手動レバー34を上向き位置にすると、開閉板32はシュータ11側の他方向位置決めストッパ15に突き当たり、他方向シュータ20への通路は開かれ、シュータ11への通路は閉じられる。このとき係止板35の凹部38は、係止ピン39に係合して開閉板32の位置を固定するので、開閉板32のばたつきを防止する。
【0023】
図4はシュータ11への通路を開いた状態を示すシュート装置10の側面断面図である。図4において、手動レバー34を下向き位置にすると、開閉板32は他方向シュータ20の、点検蓋40の位置決めストッパ43に突き当たり、シュータ11への通路は開かれ、他方向シュータ20への通路は閉じられる。このとき係止板35の凹部38は、係止ピン39に係合して開閉板32の位置を固定する。
【0024】
図5は、シュート11及び他方向シュート20の内部を点検するときの状態を示す、シュート装置10の側面断面図である。図5において、上側の点検蓋40を取り外すと、位置決めストッパ43が無くなるため、開閉板32は更に他方向シュータ20側に回動可能となり、その先端部がズリ排出装置8に当る位置で止まる。このとき、係止板35の溝37は、一方が開放されているので係止ピン39から抜け出す。この状態では、さらに下側の点検蓋41を取り外すと、点検窓25は全開となり、シュート11の内部まで容易に点検、清掃が可能になる。開閉板32を元の位置に戻す場合には、手動レバー34を上方に回動させながら、係止板35の溝37を係止ピン39に係合させる。
【0025】
図6は、他方向シュータを装着していない状態での1方向シュート装置10aの側面図であり、図7は図6のB矢視図である。図6、図7において、図3に示すシュータ11の取付部12には、点検カバー部50が取付けられている。点検カバー部50は、開口部13を覆うカバー51と、点検蓋53とを有する。カバー51はボルト55でシュータ11の左右取付フランジ14,14に締着されている。カバー51は中央部に点検窓52を有し、点検窓52を覆う点検蓋53がカバー51にボルト56により締着されている。点検蓋53には一対のハンドル54,54が設けられている。シュート11内を点検する場合には、ボルト56を外し、ハンドル54を持って点検蓋53を外す。
【0026】
本発明の破砕装置の供給振動フィーダ用シュータは上記のような構成としたため、以下のような効果が得られる。
シュータ11に他方向シュータ20を着脱可能に取付けるための取付部12を設けると共に、他方向シュータ20に、シュータ11への通路と他方向シュータ20への通路とを選択的に切り換える通路切換装置30を設けた。そのため、1方向シュート装置10aと2方向シュート装置10との間での組み換えが、シュート装置10,10a全体を取り外すことなく、短時間で容易に行える。したがって、従来のように1方向シュート装置と2方向シュート装置とを予め用意する必要は無く、よって大型の装置をストックしておくための保管場所を低減でき、また作業効率を向上できる。
シュータ11に設けた、他方向シュータ20を取付けるための取付部12にカバー51を取付け、該カバー51に点検窓52を設けて点検蓋53で覆う構成とした。そのため、点検蓋53は小型軽量になり、例えばシュータ11等に被破砕材料が詰まった場合のシュータ内部の点検、清掃時に着脱が容易である。また、構造が簡単になり、コストの低減が図れる。
他方向シュータ20に点検窓25を設け、点検蓋40に開閉板32の位置決めストッパ43を設けた。そのため、点検蓋40を取り外すと開閉板32は下方に回動して点検窓25を全開にすることができる。したがって、シュータ11の内部まで点検、清掃が可能になる。また、点検蓋を上下2枚構成にしたため個別の点検蓋40,41が軽量化され、着脱作業が容易になる。
【0027】
図8は第2実施形態の通路切換装置30aを備えた2方向のシュート装置10bの側面断面図である。図8において、手動レバー34に取付けられた係止板35aには、所定長さの長穴37aが形成されている。開閉板32を回動させて長穴37aの先端部が係止ピン39に当ったときに、開閉板32の先端部は点検窓25の縁板22の近傍に位置し、停止するようになっている。
したがって、点検窓25は全開となり、シュータ11の内部まで点検、清掃が可能である。本案では、係止板35aが係止ピン39に常に係合しているため、開閉板32を元の位置に戻す場合に係止板35aと係止ピン39とを係合させる作業が不要になり、作業がさらに容易になる。なお、長穴37aの長さを更に長くすることにより、開閉板32を更に下方まで開くことは可能である。
【0028】
なお、上記実施形態では、シュータの形状が略矩形断面で、他方向シュータの形状が側面視略三角形とした例で説明したが、形状はこれに限定されない。
また、他方向シュータを着脱自在に取付可能とする取付部の位置をシュータの上部としたが、位置は限定しない。さらに、この取付部の開口部形状も矩形に限定するものではない。
また、ジョークラッシャ式の破砕機を搭載した自走式破砕機に本発明のシュート装置を適用する例で説明したが、他の形式の破砕機を搭載したものにも適用でき、さらに定置式破砕機でも構わない。
【0029】
以上説明したように、本発明によると、シュータに他方向シュータを着脱可能に取付ける構成とし、一方、他方向シュータには2つの通路を選択的に切り換える通路切換装置を設けたため、1方向シュート装置と2方向シュート装置との間での組み換えが非常に容易に、短時間で行える。したがって、1方向シュート装置と、これに取付可能な小型の他方向シュータを予め用意すればよいので、これらの保管場所を低減でき、また組立作業効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の2方向のシュート装置の側面図である。
【図2】図1のA矢視図である。
【図3】第1実施形態の2方向のシュート装置の斜視図である。
【図4】シュート装置の作動を説明する側面断面図である。
【図5】シュート装置の作動を説明する側面断面図である。
【図6】本発明に係る1方向のシュート装置の側面図である。
【図7】図6のB矢視図である。
【図8】第2実施形態の2方向のシュート装置の側面断面図である。
【図9】従来の排出シュート装置を搭載した自走式破砕機の側面図である。
【図10】従来の排出シュート装置の側面図である。
【図11】従来の1方向シュートの側面図である。
【符号の説明】
3…破砕機、5…供給振動フィーダ、6…篩、7…排出装置、8…ズリ排出装置、10,10a,10b…シュート装置、11…シュータ、12…取付部、13…開口部、14…取付フランジ、15…他方向位置決めストッパ、20…他方向シュータ、21…側面板、22,23…縁板、24…接続口、25…点検窓、26…排出口、27…取付フランジ、28…フランジ、30,30a…通路切換装置、31…回動軸、32…開閉板、33…軸受、34…手動レバー、35,35a…係止板、37…溝、37a…長穴、38…凹部、39…係止ピン、40,41…点検蓋、42,54…ハンドル、43…位置決めストッパ、50…点検カバー部、51…カバー、52…点検窓、53…点検蓋。

Claims (2)

  1. 砕機(3)と、
    破砕機(3)に被破砕物を供給すると共に、被破砕物を分別する篩(6)を有する供給振動フィーダ(5)と、
    破砕機(3)の排出口の下方に設けられた排出装置(7)とを有する破砕装置の供給振動フィーダ用シュータにおいて、
    前記供給振動フィーダ(5)の下方に設けられ、分別された被破砕物を1方向にある前記排出装置(7)に排出し、さらに、他方向を向いた開口部 (13) を有する取付部 (12) が設けられたシュータ(11)と、
    前記1方向への通路と他方向への通路とを切り換える開閉板 (32) と該開閉板 (32) を作動する手動レバー (34) とを備えた通路切換装置 (30,30a) を有し、前記取付部 (12) に着脱可能に取付けられて、前記分別された被破砕物を他方向へ向けて排出する他方向シュータ (20) と、
    を有することを特徴とする破砕装置の供給振動フィーダ用シュータ。
  2. 請求項記載の破砕装置の供給振動フィーダ用シュータにおいて、
    前記他方向シュータ(20)は、前記シュータ(11)及び他方向シュータ(20)の内部を点検するための点検窓(25)と、
    該点検窓(25)を覆う、着脱自在な点検蓋(40,41)とを有し、
    該点検蓋(40)は前記開閉板(32)の他方向シュータ (11) への通路を閉じる位置決めストッパ(43)を備え、該点検蓋(40)を取り外した時に、前記開閉板(32)は、少なくとも前記点検窓(25)の下縁部近傍まで開口可能なことを特徴とする破砕装置の供給振動フィーダ用シュータ。
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