JP4247735B2 - ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法 - Google Patents

ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4247735B2
JP4247735B2 JP2002263674A JP2002263674A JP4247735B2 JP 4247735 B2 JP4247735 B2 JP 4247735B2 JP 2002263674 A JP2002263674 A JP 2002263674A JP 2002263674 A JP2002263674 A JP 2002263674A JP 4247735 B2 JP4247735 B2 JP 4247735B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mdi
polymeric mdi
polymethylene polyphenylene
polyphenylene polyisocyanate
coloration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002263674A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004099523A (ja
Inventor
孝喜 城野
仁史 矢口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Polyurethane Industry Co Ltd filed Critical Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Priority to JP2002263674A priority Critical patent/JP4247735B2/ja
Publication of JP2004099523A publication Critical patent/JP2004099523A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4247735B2 publication Critical patent/JP4247735B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(以下ポリメリックMDIと略記する)は極めて反応性に富む化合物であり、ポリウレタンフォーム、エラストマー、接着剤、塗料、シーリング剤等広範囲な分野で使用されている。ポリメリックMDIの工業的な製造方法は、酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとの縮合により得られるポリアミン混合物を、溶媒の存在下ホスゲンと反応させ(以下ホスゲン化と略記する)、更には、生成物からジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDIと略記する)を減圧蒸留により分離し、更に必要に応じてMDI含有量や粘度を調整するという方法が一般的である。このホスゲン化を経て製造されるため、酸分及び加水分解性塩素(以下HCと略記する)等の不純物を有することになり、この不純物が多いとイソシアネート基の反応性が低下することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
酸分及びHCを低減するために数多くの方法が提案されている。工業的に最も有利な方法は、減圧高温下での加熱処理による方法である。しかし、ポリメリックMDIは、この高温下での処理やMDI分離時の加熱によって着色し、またこのポリメリックMDIを用いたポリウレタン樹脂の着色原因にもなるため。このことから、着色が少なく、また酸分やHCの少ないポリメリックMDIが求められている。
【0004】
ポリメリックMDIの色相改善について、様々な方法が提案されている。例えば特許文献1では、アニリンとホルムアルデヒドとの縮合反応時において、生成したポリアミンを循環させることで、ポリアミン混合物の
着色を低下させ、ひいてはポリメリックMDIの着色を低下させる方法が提案されている。特許文献2では、生成したポリメリックMDIを炭素数8以上脂肪族炭化水素を用いて、180℃以上で抽出してタール分を除去する方法が提案されている。しかし、前者の方法では、HCの原因となる2級アミンの生成量が増大しやすく、ひいてはポリメリックMDIの反応性が低下しやすい。後者では新たに抽出溶媒やタール分の処理という問題が発生する。
【0005】
【特許文献1】
特開昭63−227609号公報
【特許文献2】
特開昭60−58955号公報
【0006】
【発明を解決するための手段】
本発明者等は、工業的に経済的かつ簡単な方法でポリメリックMDIの着色を減少させるべく鋭意検討した結果、驚くべきことに着色したポリメリックMDIにテトラアルコキシシラン系化合物を加えて加熱処理すると脱色し、非常に色相の優れたポリメリックMDIとなること、及び着色の少ないポリメリックMDIに対して同様な処理を施すと、着色の進行が極めて少ないことを見出し本発明に至った。
【0007】
すなわち本発明は、テトラアルコキシシランをポリメリックMDIに対して0.001〜10質量%添加し、30〜220℃で加熱処理することを特徴とする、ポリメリックMDIの着色を低減する方法である。
【0008】
【発明の実施の手段】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明に使用されるポリメリックMDIは、酸触媒の存在下でアニリンとホルムアルデヒドとの縮合により得られるポリアミン混合物を、溶媒の存在下でホスゲン化を行って得られる、重合度の異なるポリイソシアネート混合物である。更には、必要に応じて、ホスゲン化生成物からMDIを減圧蒸留により分離し、更に必要に応じてMDI含有量や粘度を調整したものである。このポリメリックMDIの組成は原料であるポリアミン混合物の組成あるいは蒸留によって抜き出されるMDI量等によって異なるが、本発明はいかなる組成のポリメリックMDIにも利用できる。代表的な組成を示すと、極微量の2,2′−MDI、0.1〜40質量%の2,4′−MDI、10〜80質量%の4,4′−MDI、20〜70質量%のベンゼン環が3個以上の高分子同族体(以下、3核体以上のP−MDIと略記)が挙げられる。
【0009】
本発明に用いられるテトラアルコキシシランは、アルコキシル基が1種からであっても複数種から成り立つものであってもよい。好ましいアルコキシル基は、炭素数が1〜4であり、特にエトキシ基が好ましい。市販品としては、コルコート製のエチルシリケート28P等が挙げられる。
【0010】
なお、テトラアルコキシシランのオリゴマーでは、着色低減の効果が小さいばかりか、沈殿発生の原因になる場合があるので好ましくない。
【0011】
テトラアルコキシシラン及び/又はそのオリゴマーの添加量については、ポリメリックMDIに対して0.001質量%未満では、脱色の度合いが小さく、10質量%を超えると不溶解物を生成しやすくなる。本発明では、0.005〜5質量%が好ましい。
【0012】
処理温度は30〜220℃であり、高温になるほど処理時間は短くなる。過剰の加熱処理は着色の原因になるおそれがあるので、30〜100℃の温度が好ましい。更に好ましくは30〜80℃で2〜3日の処理条件である。
【0013】
本発明の方法は、着色したポリメリックMDIを脱色するだけでなく、着色の小さいポリメリックMDIに上記の処理を施すと着色の進行が極めて少ないポリメリックMDIが得られることが分かった。
【0014】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されるものではない。なお「%」は全て「質量%」を意味する。
【0015】
実施例1
200mlのガラス瓶に、ポリメリックMDI−1を100g入れ、そこへ、テトラメチルシリケートを1g添加し、良く振った後、80℃のオーブンに3日間入れて、室温に冷却してから液の状態を観察した。着色の程度はL*値で判定した。結果を表1に示す。
【0016】
実施例2〜11、比較例1〜7
実施例1で使用したポリメリックMDI−1を用いて、添加剤の種類・量を振って添加し、加熱後の液の状態を観察した。着色の程度はL*値で判定した。結果を表1〜3に示す。
【0017】
【表1】
Figure 0004247735
【0018】
【表2】
Figure 0004247735
【0019】
【表3】
Figure 0004247735
【0020】
実施例1〜11、比較例1〜7、表1〜3において
テトラエチルシリケートオリゴマー:
テトラエチルシリケートの加水分解重縮合物、平均重合度=5
MeOH:
メタノール
L−5340:
シリコン整泡剤(ジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックポリマー、日本ユニカー製)
SZ−1642:
シリコン整泡剤(ジメチルシロキサン−ポリオキシアルキレンブロックポリマー、日本ユニカー製)
ポリメリックMDI−1の品質
NCO含量=31.0%
25℃での粘度=175mPa・s
2,2′−MDI=痕跡
2,4′−MDI=1%
4,4′−MDI=39%
3核体以上のP−MDI=60%
酸度=0.014%
HC=0.072%
L*=36
L*の測定方法
JIS Z8729に準拠、スガ試験機製多光源分光測色計MSC−IS−2B型、d=5mmセル使用、サンプル量4〜5ml、液温25℃、環境温度25℃にて測定。
【0021】
実施例12
200mlのガラス瓶に、ポリメリックMDI−2を100g入れ、そこへ、テトラエチルシリケートを1g添加し、良く振った後、80℃のオーブンに3日間入れた後、一旦室温に冷却した。その後40℃のオーブンにいれて、経時変化を観察した。結果を表4に示す。
【0022】
比較例8
テトラエチルシリケートを用いない以外は実施例12と同様にして試験した。結果を表3に示す。
【0023】
【表4】
Figure 0004247735
【0024】
実施例11、比較例7、表4において
ポリメリックMDI−2の品質
NCO含量=31.0%
25℃での粘度=165mPa・s
2,2′−MDI=痕跡
2,4′−MDI=1%
4,4′−MDI=40%
3核体以上のP−MDI=59%
酸度=0.010%
HC=0.057%
L*=74
【0025】
【発明の効果】
本発明は、工業的に経済的かつ簡単な方法で、酸分やHC等の不純物が少ないポリメリックMDIの着色を減少させることができ、工業的に大量に製造されるポリメリックMDIの製造方法の一工程として有利な方法である。

Claims (1)

  1. テトラアルコキシシランを、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートに対して0.001〜10質量%添加し、30〜220℃で加熱処理することを特徴とする、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法。
JP2002263674A 2002-09-10 2002-09-10 ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法 Expired - Fee Related JP4247735B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002263674A JP4247735B2 (ja) 2002-09-10 2002-09-10 ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002263674A JP4247735B2 (ja) 2002-09-10 2002-09-10 ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004099523A JP2004099523A (ja) 2004-04-02
JP4247735B2 true JP4247735B2 (ja) 2009-04-02

Family

ID=32263331

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002263674A Expired - Fee Related JP4247735B2 (ja) 2002-09-10 2002-09-10 ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4247735B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9545543B2 (en) 2014-06-27 2017-01-17 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball manufacturing method
US9776046B2 (en) 2015-12-22 2017-10-03 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
US10046208B2 (en) 2015-12-21 2018-08-14 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4606918B2 (ja) * 2005-03-25 2011-01-05 三井化学株式会社 安定化された脂肪族及び/または脂環族イソシアナートを含有する組成物
CN101415671A (zh) * 2006-03-30 2009-04-22 日本聚氨酯工业株式会社 二苯基甲烷系异氰酸酯组合物
KR20110004411A (ko) * 2008-04-01 2011-01-13 바스프 에스이 오존 함유 가스를 사용하여 폴리이소시아네이트의 색을 라이트닝화하는 방법
TWI530510B (zh) 2012-11-01 2016-04-21 旭化成化學股份有限公司 聚異氰酸酯組成物及異氰酸酯聚合物組成物

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59172450A (ja) * 1983-03-18 1984-09-29 Mitsui Toatsu Chem Inc 有機イソシアナ−トの品質改良方法
DE4111212A1 (de) * 1991-04-06 1992-10-08 Bayer Ag Verfahren zur konditionierung und/oder reinigung von organischen isocyanaten
DE4124318A1 (de) * 1991-07-23 1993-01-28 Bayer Ag Verfahren zur reinigung von polyisocyanaten, die so gereinigten polyisocyanate und ihre verwendung
JP3036975B2 (ja) * 1992-07-23 2000-04-24 三井化学株式会社 メチレン架橋ポリフェニレンポリイソシアネートの脱色方法
JP3518052B2 (ja) * 1995-04-24 2004-04-12 日本ポリウレタン工業株式会社 着色の低減した有機イソシアネートの製造方法
JPH11116545A (ja) * 1997-10-07 1999-04-27 Mitsui Chem Inc 経時着色の改善されたジフェニルメタンジイソシアネート及びその製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9545543B2 (en) 2014-06-27 2017-01-17 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball manufacturing method
US10137334B2 (en) 2014-06-27 2018-11-27 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball manufacturing method
US10046208B2 (en) 2015-12-21 2018-08-14 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
US10335641B2 (en) 2015-12-21 2019-07-02 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball
US9776046B2 (en) 2015-12-22 2017-10-03 Bridgestone Sports Co., Ltd. Golf ball

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004099523A (ja) 2004-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3012008A (en) Polyisocyanate compositions
JP3154631B2 (ja) メチレン架橋ポリフェニレンポリアミンの製造方法
JPH0557977B2 (ja)
US3097191A (en) Polyisocyanate compositions
JP3540000B2 (ja) 有機カルボジイミドの製造方法およびプラスチックの安定剤としてのそれらの使用
CA2107699A1 (en) Process for reducing impurity levels in methylene diphenylamines
KR20220039858A (ko) 폴리티올 화합물의 제조 방법, 경화성 조성물의 제조 방법, 및 경화물의 제조 방법
JP4247735B2 (ja) ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法
US3471543A (en) Sequential production of polyisocyanate compositions
CN111533895B (zh) 一种含硅聚酯多元醇及其制备方法
EP0482490B1 (en) Fractionation process of reaction mixture containing methylene bridged polyphenylene polyisocyanate
JP4116550B2 (ja) 残留イソシアネートの減少方法
JP4096080B2 (ja) イソシアナート基とウレタン基とを含むプレポリマーの製造方法
JP4114198B2 (ja) ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートの着色低減方法
JP2008508269A (ja) ポリイソシアネートの製造法
JPH05320297A (ja) 淡色ポリイソシアネートに基づくフォームのためのポリアミンの製造方法
US3163666A (en) x j jxx
JP3226597B2 (ja) 有機イソシアネートの状態調整および/または精製方法
KR102256867B1 (ko) 폴리이소시아네이트의 품질 개선 방법 및 이를 통해 품질이 개선된 폴리이소시아네이트
US5349082A (en) Toluene diisocyanate residue
JPS59172450A (ja) 有機イソシアナ−トの品質改良方法
US3028433A (en) Process for improving polypropylene glycols
JP4920186B2 (ja) メチレン架橋ポリフェニレンポリイソシアネートの製造方法
JPH1036470A (ja) 低温貯蔵安定性に優れたポリイソシアネート組成物及びその製造方法
CN115894902B (zh) 一种透明尼龙树脂及其制备方法和应用

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050907

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20081222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120123

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150123

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees