JP4247607B2 - 内視鏡の鉗子栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用等として用いられる内視鏡に設けられ、鉗子その他の処置具を挿通するための処置具挿通チャンネルにおいて、処置具導入口の口金に着脱可能に装着される鉗子栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
体腔内に挿入されて、医療検査等を行う内視鏡は、術者等が手で把持して操作を行う本体操作部に体腔内への挿入部を連設し、さらに本体操作部に光源装置等に着脱可能に接続されるユニバーサルコードを連結して設けることにより大略構成されるものである。挿入部の先端部には体腔内を照明するための照明部と、この照明部から照射される照明下で体腔内の検査を行う観察部とを備えている。
【0003】
例えば、内視鏡による検査の結果、患部等が発見されたときには、所要の処置を行うことができ、また組織細胞のサンプリング等も行えるようにしたものもある。このために、内視鏡には鉗子その他の処置具を挿通するための処置具挿通チャンネルが設けられる。処置具挿通チャンネルは、その先端が照明部及び観察部と共に挿入部の先端部に開口している。一方、処置具の処置具挿通チャンネルへの導入は本体操作部側で行なわれる。このために、本体操作部または本体操作部と挿入部との連結部に処置具導入口が形成される。
【0004】
体腔内の圧力は大気圧より高いため、また処置具挿通チャンネルを吸引通路と兼用することがある等の点で、処置具導入口を常時開口させておくことはできない。このために、処置具導入口に口金を設けて鉗子栓を装着して、この処置具導入口を密閉する構成とするのが一般的である。そして、処置具を使用する場合に、鉗子栓を口金から取り外すのではなく、鉗子栓に逆流防止弁を設けて、この逆流防止弁を開くことにより処置具を挿入するように構成するのが一般的である。しかも、処置具挿通チャンネルの内部は使用の都度洗浄されること等から、鉗子栓は処置具導入口の口金に着脱可能に装着される。
【0005】
処置具挿通チャンネル内に挿通される処置具としては、例えば鉗子等のように外径の大きい処置具が挿通されることもあり、またチューブ等の外径の小さい処置具が挿通されることもある。つまり、処置具挿通チャンネル内に挿通される処置具の太さは種類等により様々である。鉗子栓に設けられる開閉弁としては、処置具を挿入しても処置具の周囲を密閉状態に保持できるようになっているのが理想的である。しかしながら、処置具導入口の口径に近いような太い処置具を挿入したときにも、またそれより遥かに細い処置具を挿入したときにも、完全に密閉性が確保される鉗子栓は未だ開発されていない。
【0006】
この種の鉗子栓として、ゴム等の弾性部材で形成して、処置具導入口を覆う壁部を設け、この壁部を貫通するようにスリットを形成して、このスリットを構成する接合壁面を密着させることによって、吸引操作時等において、処置具導入口を閉塞状態に保持する逆流防止機能を発揮させるようになし、弾性部材を変形させて、スリットの接合壁面を離間させて、処置具を挿通する通路を形成するように構成し、しかもこのスリットを形成した部位より処置具の挿入方向前方側の位置に処置具導入口の口径より小さい開口径を有する絞り通路を形成したものは、従来から知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平7−100097号公報(第2−4頁、図1、図3−5)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
鉗子栓において、スリットで構成される逆流防止弁においては、処置具が挿入される都度スリットが押し開かれ、かつこのスリットを構成する接合壁面が処置具の外周面と摺動することになる。従って、頻繁に処置具を挿脱するると、接合壁面に変形や損傷が発生して、スリットによる逆流防止機能が低下することになる。特に、鉗子栓の材料としての弾性部材の硬度にばらつきがあったり、スリットの加工精度が変化したりすると、高い圧力が作用したときにおけるスリットの密閉機能の安定性が得られなくなる。
【0009】
ここで、処置具挿通チャンネルを介して体内から吸引を行う際に、特に吸引を行っている状態から吸引を停止する状態に切り替えたときに、鉗子栓に高い圧力が作用する。処置具挿通チャンネルは挿入部の全長以上の長さを有するものであるのに対して、処置具挿通チャンネルにおける吸引通路への接続部から処置具導入口に至る管路の長さは極めて短いものとなっている。吸引操作を行って、処置具挿通チャンネル内に吸引通路側への吸引物質の引き込み力が作用している状態から吸引を停止したときに、処置具挿通チャンネル内の吸引物質が慣性力により処置具挿通チャンネル内への引き込みが継続する。その結果、吸引遮断後に引き込まれる吸引物質は処置具導入口側に流れようとして、鉗子栓には高い圧力が作用することになる。
【0010】
このような高い圧力がスリットに作用しても、吸引物質のせき止め機能を安定的に発揮させ、鉗子栓の外側に滲み出さないようにするには、スリットを形成する接合壁面の密着性を高める必要がある。このためには、例えばスリットの形成部の厚みを大きくして、スリットの深さを深くすることが考えられる。しかしながら、単にスリットを深くしただけでは、スリットを構成する接合壁面の密着性自体は向上するが、軟性のチューブ等を挿入するのが困難になることから、スリットを深くするのには限度がある。また、鉗子栓の素材や加工精度に基づく機能上でのばらつきが増大することになり、安定した逆流防止機能を発揮させることができないという問題点がある。
【0011】
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型でコンパクトな構成によって、スリットにより構成される逆流防止弁としての機能を高め、かつこの逆流防止機能を安定した状態で発揮できるようにすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、全体が弾性部材からなり、内視鏡に設けた処置具挿通路の処置具導入口に着脱可能に装着され、前記処置具導入口の通路より小さい孔径となった絞り通路を設けた栓本体と、この栓本体に着脱可能に連結され、常時には相互の接合壁面が密着状態となり、これら接合壁面間を離間させることにより処置具が挿通される通路を形成するスリットを設けた弁部材とからなる内視鏡の鉗子栓であって、前記弁部材は前記栓本体に圧縮状態で嵌合されるものであり、かつ前記弁部材には、その栓本体の絞り通路と対面する先端面側に所定の深さを有する凹部が形成されており、この凹部は、前記スリットの長さ寸法より大きな直径の円筒状内壁を有するものであり、かつこの円筒状内壁の内側に前記スリットの長さ寸法とほぼ一致する直径の底面部を有し、かつ前記円筒状内壁の深さ寸法とほぼ同じか、それより大きな高さ寸法を有する円錐状突出部が形成されており、前記スリットはこの円錐状突出部を貫通するように形成されていることをその特徴とするものである。
【0013】
以上のように、処置具導入口側からの逆流を防止する逆流防止弁として、弁部材にスリットを設けるが、このスリットを構成する接合壁面の密着性を確保するために、機械的に密着させる部位と、圧力の作用により密着性を高める部位とが形成される。即ち、スリットのうち、弁部材における凹部までの部位は、弁部材が栓本体に圧縮状態で嵌合されることから、スリットを構成する接合壁面が相互に圧着される。また、凹部内に位置する円錐状突出部にはこのような圧接力は作用しないが、吸引操作を行っている間及び吸引を停止した直後に処置具導入口に作用する圧力を受ける。その結果、この円錐状突出部に形成されているスリットを構成する接合壁面を密着させる方向に圧力が作用することになる。これら2つの機能のバランスにより逆流防止機能を発揮させるようにしている。従って、鉗子栓を構成する弾性部材の硬度が変化しても、安定した逆流防止機能を発揮する。つまり、鉗子栓の硬度が高い場合には、スリットを構成する接合壁面の機械的に強固な圧接力を保持し、また鉗子栓の硬度が低い場合には、機械的な圧接強度は低下するものの、円錐状突出部に作用する圧力によるスリットの密着機能が向上する。
【0014】
弁部材は栓本体に着脱可能に連結されており、鉗子栓に処置具を挿通させた状態から引き抜く際には、弁部材を栓本体から分離させる方向の力が作用する。弁部材と栓本体とを強固に連結させ、乱暴に処置具を引き抜いても、弁部材が栓本体から逸脱しないようにするには、その嵌合部を長くしなければならない。従って、この弁部材の先端面から円錐状突出部を延在させると、鉗子栓の軸線方向の長さが極めて長くなってしまう。特に、円錐状突出部への圧力による密閉性をより高めるには、円錐状突出部の高さをできるだけ高くする必要があるので、弁部材がさらに長尺化することになる。しかしながら、弁部材の先端部に凹部を形成して、この凹部内に円錐状突出部を設けているので、弁部材の栓本体への嵌合長を十分に取り、かつ円錐状突出部の高さを高くすることができる。この円錐状突出部の高さは凹部の深さとほぼ一致させるのが望ましいが、この凹部から多少突出していても良い。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、図1に内視鏡の全体構成図を示す。図中において、1は本体操作部、2は挿入部、3はユニバーサルコードである。挿入部2は、本体操作部1への連結側から大半の長さ分は体腔内の挿入経路が曲がっている場合に、その曲がり方向に沿って自在に曲がる軟性部2aとなっており、この軟性部2aには、アングル部2b及び先端硬質部2cが順次連結されている。先端硬質部2cには内視鏡観察手段を構成する照明部と観察部(共に図示せず)とが設けられており、アングル部2bは先端硬質部2cを挿入経路に沿ってガイドしたり、かつ先端硬質部2cに設けた内視鏡観察手段の視野を変えたりするために、所望の方向に向けて湾曲操作できるようになっている。このアングル部2cの湾曲操作は本体操作部1に設けたアングル操作手段4によって遠隔操作で行なわれる。
【0016】
内視鏡は前述した内視鏡観察手段によって、体腔内を観察するだけではなく、内視鏡検査の結果発見された患部に対する処置や組織のサンプリング等も行えるようになっている。このために、本体操作部1には処置具導入部5が設けられ、この処置具導入部5から先端硬質部2cまでの部位には処置具挿通チャンネル6が設けられており、この処置具挿通チャンネル6の先端は照明部及び観察部等と共に先端硬質部2cに開口している。従って、鉗子その他の処置具を処置具導入部5から処置具挿通チャンネル6に挿通させて、先端硬質部2cから所定の長さ導出させることによって、所望の処置を施すことができるようになる。
【0017】
処置具挿通チャンネル6は、また、吸引通路としても利用されるものである。従って、処置具挿通チャンネル6には本体操作部1内で吸引通路7が接続されており、この吸引通路7は本体操作部1からユニバーサルコード3に導かれて、その先端は吸引ポンプを有する吸引装置(図示せず)に接続されている。そして、本体操作部1内において、吸引通路7の途中位置には吸引バルブ8が設けられており、この吸引バルブ8を手指等で操作することによって、吸引操作を行えるようになっている。つまり、常時においては、処置具挿通チャンネル6と吸引装置とが遮断されており、吸引バルブ8を押し込むように操作することによって、吸引装置と処置具挿通チャンネル6とを接続して、この処置具挿通チャンネル6に負圧吸引力を作用させるようにしている。
【0018】
このように構成することによって、内視鏡検査が行われる体腔内に体液や汚物が存在していると、吸引バルブ8を操作することによって、それらを処置具挿通チャンネル6から吸引通路に排出・除去して、体腔内の観察条件を良好にする。この状態で、体腔内の検査を行い、その結果患部等が存在すると、鉗子その他の処置具を処置具導入部5から処置具挿通チャンネル6内に挿入して、適宜の処置が施されることになる。
【0019】
そこで、図2に、本体操作部1の処置具挿通チャンネル6と吸引通路7との分岐部の断面構造を示す。この図2において、10は分岐通路構成体を示し、この分岐通路構成体10には、処置具挿通チャンネル6の基端部と、吸引通路7の先端部とが接続されている。また、この分岐通路構成体10には処置具導入部5に向けて斜め上方に延在させた連結パイプ11が連結されており、この連結パイプ11に口金12が連結されている。そして、口金12は処置具導入部5から突出しており、この口金12の突出部に鉗子栓13が着脱可能に取り付けられている。従って、鉗子等の処置具は、鉗子栓13を介して口金12から連結パイプ11を経て分岐通路構成体10内に導かれ、この分岐通路構成体10から処置具挿通チャンネル6の内部に挿入されることになる。
【0020】
処置具導入部5に装着した口金12は、少なくとも吸引作業を行っている間は密閉状態に保持させる必要がある。また、処置具が使用される際には、そのままで処置具を挿入できなければならない。さらに、処置具挿通チャンネル6の内部は体液等の吸引物質等で汚損されることから、使用後には、処置具挿通チャンネル6の内部を洗浄しなければならない。よって、処置具導入部5における口金12に鉗子栓13が着脱可能に取り付けられて、この鉗子栓13は常時には密閉状態に保たれ、かつ必要に応じて処置具が挿通できる構造となっている。
【0021】
図3に鉗子栓13の口金12への装着状態の断面を、また図4に口金12から取り外した状態の平面をれぞれ示す。これらの図から明らかなように、鉗子栓13は、全体がゴム等の弾性部材で形成されており、栓本体20と弁部材21とを有し、これら栓本体20と弁部材21との間は扁平な帯状の折り返し用の連結帯片22により連結されている。なお、栓本体20と弁部材21とは別部材で形成することもできる。
【0022】
栓本体20は全体として概略円筒状の部材からなり、一端側から内側に向けて円環状に突出する第1の円環状突出部23が形成されており、また中間部には中央に絞り通路24を形成した隔壁25が設けられ、さらに他端部には弁部材21の係止部となる第2の円環状突出部26が形成されている。そして、第1の円環状突出部23と隔壁25との間には第1の円環状凹部27が、また隔壁25と第2の円環状突出部26との間には第2の円環状凹部28が形成されている。
【0023】
一方、弁部材21は本体板29の端面から突出部30を連設したものから構成され、この突出部30の外周面には円環状溝31が形成されている。従って、弁部材21は、その突出部30が栓本体20の第2の円環状凹部28内に嵌合され、またその円環状溝31の上下の壁により栓本体20の第2の円環状突出部26を挟持するようにして固定される。さらに、本体板29において、突出部30の突出方向とは反対側の面は、概略凹半球形状の処置具ガイド部32が形成されており、この処置具ガイド部32の底部に突出部30側に貫通するスリット33が形成されている。このスリット33は連結帯片22の延在方向に対して直交する方向に所定の長さを有するものである。
【0024】
そして、弁部材21における突出部30の処置具ガイド部32を設けた側とは反対側の端面、つまり弁部材21を栓本体20に組み込んだ状態で、この栓本体20の隔壁25に対面する先端面には凹部34が形成されている。この凹部34は、円環状溝31を設けた部位にまでは至らない深さを有し、かつスリット33の長さより大きな直径の円環状内壁35を有するものである。
【0025】
また、この円環状内壁35により囲まれた円筒形状の空間内には、円錐状突出部36が設けられている。そして、図5からも明らかなように、この円錐状突出部36は、その底面がスリット33を直径とするものであり、かつ高さは凹部34の深さとほぼ同じか、またはこの凹部34から僅かに突出する寸法を有するものである。そして、スリット33はこの円錐状突出部36の先端まで形成されている。
【0026】
以上のように構成される鉗子栓13において、栓本体20における第1の円環状凹部27の部分は、口金13の先端に設けた固定用突出部14と係合するようにして、鉗子栓13が口金13に着脱可能に装着される。しかも、後述するように、鉗子栓13における弁部材21は栓本体20に着脱されるが、装着時における栓本体20と口金13との連結強度は、弁部材21の栓本体20への連結強度より高いものとする。従って、栓本体20の第1の円環状突出部23と第1の円環状凹部27との部位がかなり大きく圧縮変形されるようにして口金13に装着される。
【0027】
前述のようにして栓本体20が口金13に装着された状態で、弁部材21が着脱可能に装着される。そして、装着状態で安定的に保持し、鉗子等の処置具の挿脱時にみだりに弁部材21が分離しないように抜け止めする機能を発揮させるために、栓本体20の係止部を構成する第2の円環状突出部26を、弁部材21における本体板29とそれと対面する突出部30との間に挟持させる。従って、第2の円環状突出部26の厚み寸法は本体部29と突出部30との間に形成される円環状溝31の溝幅寸法より大きくなっている。その結果、弁部材21の装着時には第2の円環状突出部26は圧縮され、この圧縮分により弁部材21は栓本体20に連結した状態に保持される。しかも、その間の気密性が良好となる。
【0028】
栓本体20を構成する第2の円環状突出部26は、弾性変形した状態で、その上下から弁部材21の本体板29の下面と突出部30との間に挟持されているので、弁部材21は栓本体20に嵌合した状態でみだりに動かないように、実質的に一体物となるように保持される。従って、図6に示したように、弁部材21のスリット33及び栓本体20の絞り通路24を介して種々の処置具を挿脱する際に、弁部材21が栓本体20に対して相対的な動きが生じることはない。
【0029】
その結果、先端に把持爪を有する鉗子等のように、腰が強く、しかも外径の大きな処置具を処置具挿通チャンネル6に挿通させた状態から、急激に処置具導入部5から引き抜くように操作しても、弁部材21と栓本体20との間に相対的な動きが生じることがなく、第2の円環状突出部26と円環状溝31との間の嵌合状態が常に安定的になる。従って、繰り返し処置具を挿脱しても、この嵌合部に変形等が生じることがなく、開閉弁21が栓本体20から逸脱するおそれはない。
【0030】
ここで、鉗子栓13を処置具導入部5における口金12に装着した状態では、弁部材20に設けたスリット33を構成する両側の接合壁面33a,33a間が相互に確実に密着していなければならない。しかも、このスリット33は鉗子その他の処置具を挿通する毎に開閉され、かつ処置具は接合壁面33aに沿って摺動する。この摺動を円滑にするために、鉗子栓13に潤滑剤を含浸させる等の措置を施すこともできるが、繰り返し処置具を挿通させると、接合壁面33aが磨耗したり、変形したりする。その結果、スリット33の接合壁面33a,33a間の密閉性が低下して、その間に隙間が生じる。
【0031】
以上のことから、繰り返し処置具を挿通させても、スリット33を構成する接合壁面33a,33a間を密閉状態に保持させて、処置具挿通チャンネル6は吸引通路としても利用され、体内からの吸引物質を吸引する際に処置具挿通チャンネル6内を負圧にしても、スリット33に密閉性が確保されて、吸引物質が鉗子栓13の外部に滲み出ないようにする。このために、スリット33による逆流防止機能としては、上部側では外力の作用により接合壁面33a,33a間を機械的に密着させるようになし、下部側は内部に圧力が作用したときに、圧接力が作用するようにしている。
【0032】
即ち、弁部材21における突出部30の円環状溝31の部位は栓部材20の第2の円環状突出部26により圧縮されるように組み込まれるので、この圧縮力によって、スリット33における接合壁面33a,33a間の密着性が高められる。従って、スリット33のうち、上部側U、つまり処置具ガイド部32から所定の長さ分はスリット33における接合壁面33a,33a間は押し付け力による機械的な密着性が確保される。
【0033】
スリット33の下部側D、つまり円錐状突出部36の部位においては、接合壁面33a,33aは相互に密着する方向の外力が作用しない。しかしながら、前述したように、吸引状態から吸引を停止したときに、処置具導入部5内には高い圧力が作用することから、この圧力が円錐状突出部36における傾斜した外周面に作用することになる。その結果、この外周面には、その傾斜角に応じて接合壁面33a,33a間を密着させる方向の分力が生じることになり、しかも圧力が高くなればなるほど、密着力が増大する。
【0034】
円錐状突出部36における密閉性は、頂角が小さくなればなるほどより大きくなる。そして、円錐状突出部36の底面は、実質的にスリット33の長さと一致するようにしているので、円錐状突出部36の頂角を小さくするには、円錐状突出部36の高さ寸法をできるだけ大きくする必要がある。この円錐状突出部36は弁部材21の突出部30に形成した凹部34内に設けられているので、弁部材21全体としての軸線方向の長さを短縮でき、コンパクト化が図られることになる。
【0035】
以上のように、スリット33に対する圧縮力による密着性と、圧力の作用により得られる密着性とのバランスで逆流防止機能を発揮させるようにしているので、逆流防止機能がより向上することになる。また、鉗子栓20の弾性度合いやスリット33の加工精度に多少ばらつきがあっても、安定した逆流防止機能を発揮することになる。
【0036】
しかも、スリット33内に処置具Tを挿通させた状態で、処置具導入部5内の圧力が高くなった場合には、図7に示したように、円錐状突出部36はこの処置具Tの外周面に密着するようになるので、スリット33の密閉性が高くなる。而して、処置具Tの外径が絞り通路24の内径より大きい場合には、この部位で密閉性が確保されることから、処置具の挿通状態でスリット33の密閉性が必要なのは絞り通路24の内径より小さい場合であり、このような小径の処置具Tを挿通する際には、図6から明らかなように、スリット33のうち、円錐状突出部36の部位での密着性がより高くなることから、処置具Tを挿通させたときにおいても、体液等の処置具導入部5外への流出を確実に防止できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、小型でコンパクトな構成によって、スリットにより構成される逆流防止弁としての機能を高め、かつこの逆流防止機能を安定した状態で発揮する等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉗子栓が装着される内視鏡の一例を示す全体構成図である。
【図2】本発明の実施の一形態である鉗子栓を処置具導入部に装着した状態での本体操作部の要部断面図である。
【図3】図2における処置具導入部への鉗子栓状態の断面図である。
【図4】鉗子栓の平面図である。
【図5】栓本体と弁部材とを組み合わせた状態での図3のX−X位置での断面図である。
【図6】鉗子栓に処置具を挿入させた状態での断面図である。
【図7】弁部材の図6のY−Y断面図である。
【符号の説明】
1 本体操作部 2 挿入部
5 処置具導入部 6 処置具挿通チャンネル
7 吸引通路 12 口金
13 鉗子栓 20 栓本体
21 弁部材 23 第1の円環状突出部
24 絞り通路 25 隔壁
26 第2の円環状突出部 27 第1の円環状凹部
28 第2の円環状凹部 29 本体板
30 突出部 31 円環状溝
33 スリット 33a 接合壁面
34 凹部 35 円環状内壁
36 円錐状突出部
Claims (1)
- 全体が弾性部材からなり、内視鏡に設けた処置具挿通路の処置具導入口に着脱可能に装着され、この処置具導入口の通路より小さい孔径となった絞り通路を設けた栓本体と、この栓本体に着脱可能に連結され、常時には相互の接合壁面が密着状態となり、これら接合壁面間を離間させることにより処置具挿通用の通路を形成するスリットを設けた弁部材とからなる内視鏡の鉗子栓において、
前記弁部材は前記栓本体に圧縮状態で嵌合されるものであり、
かつ前記弁部材には、その栓本体の絞り通路と対面する先端面側に所定の深さを有する凹部が形成されており、
この凹部は、前記スリットの長さ寸法より大きな直径の円筒状内壁を有するものであり、
かつこの円筒状内壁の内側に前記スリットの長さ寸法とほぼ一致する直径の底面部を有し、かつ前記円筒状内壁の深さ寸法とほぼ同じか、それより大きな高さ寸法を有する円錐状突出部が形成されており、
前記スリットはこの円錐状突出部を貫通するように形成されていること
を特徴とする内視鏡の鉗子栓。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003144578A JP4247607B2 (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 内視鏡の鉗子栓 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003144578A JP4247607B2 (ja) | 2003-05-22 | 2003-05-22 | 内視鏡の鉗子栓 |
Publications (2)
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