JP4247453B2 - 容器用キャンペーンラベル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料用金属缶などの容器の表面に貼着される容器用キャンペーンラベルに関する。
【0002】
【従来の技術】
商品の販売促進のために、景品等の応募券などになるキャンペーンラベルを容器に貼付した飲料やビールが販売されている。
従来のキャンペーンラベルは、ラベル基材の片面に粘着剤層を有し、他面に応募券や応募方法、キャンペーンの内容等の表示などが印刷されたタックラベルにより形成されていた。
一方、従来、くじ等の当たり外れや、ゲーム用のカード等において、表示事項を覆い隠す手法として、コイン等で削り取り可能な隠蔽層(いわゆるスクラッチ)を形成したものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記キャンペーンラベルは多くの商品に使用されるため、商品を差別化する機能が低下し、PR効果も少なくなっていたため、このようなキャンペーンラベルに前記スクラッチ手法を用いることを検討した。ところが、キャンペーンラベルのラベル基材上に単にスクラッチ層を設けたものでは、スクラッチが表面に露出しているため、金属缶などの容器に貼付すると、該容器の生産ライン上で容器同士が擦れあったり、ラインプレッシャー(多数の容器によるコンベア上での押圧力)によりスクラッチが削れたり傷つくことがある。また、上記従来のスクラッチラベルを貼付した商品を店頭に陳列した場合、いたずらでスクラッチが削り取られるおそれもある。さらに、上記スクラッチラベルを貼付した飲料缶などを自動販売機で販売する場合、飲料缶の排出ラインでスクラッチが傷つき、削り取る楽しみが失われるケースも生じる。
【0004】
したがって、本発明の目的は、スクラッチ手法を用いたキャンペーンラベルであって、該ラベルを貼付した容器の生産ラインや商品の流通過程においてスクラッチ層が容易に剥離することのない容器用キャンペーンラベルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、スクラッチ層上にスクラッチ層を被覆するカバーラベルを積層すると、例えばラベルの貼着された飲料缶同士が擦れあってもスクラッチ層が容易には剥がれ落ちないことを見いだし、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、ラベル基材の一方の面に接着剤層、他方の面に第1剥離層を介してスクラッチ層が設けられたキャンペーンラベルであって、前記スクラッチ層の上に、第2剥離層を介して、さらに該スクラッチ層を被覆するカバーラベルが積層されており、前記カバーラベルが、ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に設けられた接着剤層と、前記ラベル基材の他方の面に設けられた印刷層とで構成されている容器用キャンペーンラベルを提供する。
本発明はさらに、ラベル基材の一方の面に接着剤層、他方の面に第1剥離層を介してスクラッチ層が設けられたキャンペーンラベルであって、前記スクラッチ層の上に、さらに該スクラッチ層を被覆するカバーラベルが積層されており、前記カバーラベルが、ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面の両側部に設けられた接着剤層と、前記ラベル基材の他方の面に設けられた印刷層とで構成されており、カバーラベルを構成するラベル基材と印刷層との積層体の幅方向両側部に、カバーラベルを構成する接着剤層の形成部位よりも内方で且つスクラッチ層の形成部位よりも外方の位置に、前記幅方向と直交する方向に延びる切り取り用のミシン目が形成されている容器用キャンペーンラベルを提供する。
本発明はさらに、カバーラベルの印刷層側の表面に、シリコーン系剥離剤又は透明フィルムからなる表面層が設けられている請求項1又は2に記載の容器用キャンペーンラベルを提供する。
上記カバーラベルは、例えば、ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に設けられた接着剤層と、前記ラベルの基材の他方の面に設けられた印刷層とで構成できる。なお、本発明における前記スクラッチ層とは、コイン等で削り取り可能な被膜を意味する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は本発明のキャンペーンラベルの一例の断面を模式的に示した図である。図2は本発明のキャンペーンラベルの他の例の断面を模式的に示した図である。図中、同一の部材や部分には同一の符号が付されている。
【0008】
図1の例では、矩形状の第1ラベル基材1の一方の面に第1接着剤層2が設けられていると共に、他方の面に、第1印刷層3及び第1剥離層4を介して、中央部にスクラッチ層5が設けられており、さらに、スクラッチ層5の上に、第2剥離層6を介してカバーラベル11が積層されている。そして、前記カバーラベル11は、第2剥離層6側(スクラッチ層5側)から順に、第2接着剤層7、第2ラベル基材8、第2印刷層9及び表面層10とで構成されている。
【0009】
第1ラベル基材1及び第2ラベル基材8としては、自己支持性を有するものであればよく、例えば、紙;合成紙(例えば、ポリエステル合成紙、ポリオレフィン合成紙など);ポリエステルフィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのフィルム)、オレフィン系フィルム(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体等のポリプロピレン系樹脂などのフィルム)、ポリスチレン系フィルムなどのプラスチックフィルム;これらの積層体などが挙げられる。前記プラスチックフィルムは、無延伸フィルム、一軸若しくは二軸延伸フィルムの何れであってもよいが、延伸フィルム、特に二軸延伸フィルムを用いる場合が多い。なお、カバーラベル11としては、第1印刷層3のうちスクラッチ層5により隠蔽された部分の文字等の隠蔽性を向上するため、不透明な第2ラベル基材8を用いたり第2印刷層9によって着色した構成にするのが好ましい。
【0010】
上記各ラベル基材1,8の厚みは、基材としての強度やラベルとしたときの貼付作業性などを損なわない範囲で適宜選択でき、例えば5〜200μm、好ましくは20〜100μm程度である。また、ラベル基材1,8の各面には、接着性や印刷性を向上させるため、コロナ放電処理、プラズマ処理、火炎処理、酸処理などの慣用の表面処理が施されていてもよい。
【0011】
第1接着剤層2及び第2接着剤層7を構成する接着剤としては、ラベルなどの分野で慣用の接着剤を使用することができる。好ましい接着剤には、被着体から剥離可能な接着剤、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の慣用の感圧接着剤などが含まれる。これらの接着剤層2,7の厚みは、接着性等を考慮して適宜設定できるが、一般には5〜100μm、好ましくは10〜30μm程度である。
【0012】
第1印刷層3は、例えば「当たり」などの応募の資格があることを示す文字や記号等を施した層であり、前記第1ラベル基材1の少なくともスクラッチ層5に対応する部位に、例えば紫外線硬化型インキ(UVインキ)などの公知乃至慣用のインキを用い、凸版輪転印刷等の通常の印刷法により形成できる。第1印刷層の厚みは、例えば0.5〜8μm、好ましくは1〜5μm程度である。なお、図1の例では、第1印刷層3は第1ラベル基材1の両面のうち第1接着剤層2とは反対側の面に形成されているが、第1ラベル基材1が透明フィルムである場合には、第1接着剤層2側に形成されていてもよい。
【0013】
第1剥離層4は、スクラッチ層5のコイン等による削り取り作業を簡易化する機能を有し、第1印刷層3上(第1印刷層がラベル基材1のうち第1接着剤層2側に形成されている場合には、第1ラベル基材1上)の少なくともスクラッチ層5に対応する部位に形成される。第1剥離層4は、例えば、シリコーン系剥離剤などの公知乃至慣用の剥離剤を含むワニスなどを慣用のコーティング法で塗工することにより形成できる。第1剥離層4の厚みは、例えば0.3〜10μm、好ましくは0.5〜5μm程度である。なお、第1剥離層4は必ずしも設けなくてもよい。
【0014】
スクラッチ層5は、前記「当たり」などの応募資格を示す文字や記号等を隠蔽する機能を有するとともに、コイン等により削り取り可能な層である。この層は、アルミニウム粉や酸化チタンなどの隠蔽性の高い顔料をビヒクルに練り込んだ銀色インキ、濃白インキなどを慣用の印刷法(例えば、凸版印刷、平版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、転写印刷など)又はコーティング法を用いて、印刷又は塗布することにより形成できる。
【0015】
第2剥離層6は、第2接着剤層7のスクラッチ層5などに対する接着力を調整しカバーラベル11の剥離性を向上させて、スクラッチ層5の表面を簡単に露出させる機能を有する。この層は、例えば、シリコーン系剥離剤などの公知乃至慣用の剥離剤を含むワニスなどを慣用のコーティング法を用いて、少なくともスクラッチ層5上に塗工することにより形成できる。第2剥離層6の厚みは、例えば0.3〜10μm、好ましくは0.5〜5μm程度である。なお、第2剥離層6は、スクラッチ層5が第2接着剤層7に対して剥離性を有する場合には、必ずしも設けなくてもよい。
【0016】
第2印刷層9は、応募券の存在を知らせるため、人の注意を引くような文字、記号、模様、色彩などを施した層であり、慣用のUVインキ等を用いて通常の印刷法(例えば、凸版印刷、平版印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷など)により形成できる。第2印刷層9は、スクラッチ層5の下の文字等を確実に隠匿するため、全面に着色した層とするのが好ましい。第2印刷層9の厚みは、例えば1〜8μm、好ましくは2〜5μm程度である。なお、第2印刷層9は、第2ラベル基材8が透明フィルムである場合には、第2ラベル基材8の両面のうち第2接着剤層7側に設けてもよい。
【0017】
表面層10は、第2印刷層9を保護する機能の他、本発明のキャンペーンラベルを貼付した容器(例えば、金属缶など)が生産ラインで詰まりなどの工程不良を起こすのを防止する機能を有する。従って、表面層10は滑り性及び耐磨耗性に優れた材質で構成するのが好ましく、例えば、シリコーン系剥離剤などを含む透明なワニス等を塗布(例えば、厚さ0.3〜10μm、好ましくは0.5〜5μm)したり、例えば、ポリエステル系フィルム、ポリプロピレン系フィルム等の透明フィルム(例えば、厚さ5〜30μm、好ましくは9〜20μm)を積層することにより形成できる。なお、表面層10は必ずしも設ける必要はない。
【0018】
一方、図2に示されるキャンペーンラベルは、矩形状の第1ラベル基材1の一方の面に第1接着剤層2が設けられているとともに、他方の面の中央部分に、第1印刷層3及び第1剥離層4を介してスクラッチ層5が設けられており、さらに、スクラッチ層5の上に、カバーラベル11が積層されている。前記カバーラベル11は、第2ラベル基材8と、該第2ラベル基材8の一方の面(スクラッチ層5側の面)の幅方向(横方向)の両側部に設けられた第2接着剤層7と、第2ラベル基材8の他方の面に順に設けられた第2印刷層9及び表面層10とで構成されている。そして、カバーラベル11を構成する第2ラベル基材8と第2印刷層9と表面層10との積層体の幅方向両側部には、前記第2接着剤層7の形成部位よりも内方で且つ前記スクラッチ層5の形成部位よりも外方の位置に、前記幅方向と直交する方向(縦方向)に延びる切り取り用のミシン目12が形成されている。
【0019】
この例では、カバーラベル11は前記ミシン目12に沿って切り取られるので、第2接着剤層7を構成する接着剤としては、第1ラベル基材1に対して強固に接着できる接着剤(例えば、エチレン酢酸ビニル系のホットメルト接着剤、アクリル系粘着剤など)を使用するのが好ましい。
【0020】
上記図1及び図2の各キャンペーンラベルの第1接着剤層2の表面には、通常、剥離性を有するセパレータが貼り合わされており、容器に貼り付ける際には、このセパレータを剥がして使用に供される。ただし、第1接着剤層2を感熱性接着剤により形成した場合は、セパレータは不要となる。キャンペーンラベルの容器等への貼付は、慣用のラベル貼付機などを用いて行うことができる。なお、ラベルの形状、大きさは、貼付すべき容器等の種類に応じて適宜選択される。
【0021】
上記構成のキャンペーンラベルによれば、スクラッチ層5がカバーラベル11により被覆されているので、キャンペーンラベルが貼付された容器等の生産ラインにおいて、容器同士の接触等によりスクラッチ層が削れたり、傷ついたりすることがない。また、自動販売機で販売する場合にも、商品収納部から落下して取り出し口に達するまでの間にスクラッチ層が傷つき、削り取る楽しみが殺がれるということもない。さらに、商品を店頭に陳列した場合に、いたずらによりスクラッチ層が剥がされるおそれもない。すなわち、前記キャンペーンラベルを用いると、商品が消費者の手に渡るまでスクラッチ層が確実に保護される。
【0022】
そして、消費者は、商品を購入した後、図1の例ではカバーラベル11全体を剥離することにより、また図2の例ではカバーラベル11に付されたミシン目12に沿ってカバーラベル11の中央部を切り取ることにより、スクラッチ層5を露出させ、そのスクラッチ層5をコイン等で削り取ることにより、スクラッチ層5によって隠蔽された文字等を読みとることができる。その後、応募要領に従い、例えば、キャンペーンラベルを容器から剥がし、第1接着剤層2の接着性を利用して葉書などに貼付し、応募することができる。
【0023】
本発明のキャンペーンラベルは、広範な容器に適用できるが、スクラッチラベルが表面に露出している場合に特に問題が生じやすい(従って、本発明によりスクラッチ層の保護効果が著しく現れる)金属缶やボトル類、とりわけ飲料用缶等の金属缶の胴部に貼付するキャンペーンラベルとして有用である。
【0024】
【発明の効果】
本発明のキャンペーンラベルによれば、スクラッチ層上に該スクラッチ層を被覆するカバーラベルが積層されているので、ラベルを貼付した容器等の生産ラインや流通過程においてスクラッチ層が衝撃やいたずら等により剥離するのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のキャンペーンラベルの一例の断面を模式的に示した図である。
【図2】本発明のキャンペーンラベルの他の例の断面を模式的に示した図である。
【符号の説明】
1 第1ラベル基材
2 第1接着剤層
3 第1印刷層
4 第1剥離層
5 スクラッチ層
6 第2剥離層
7 第2接着剤層
8 第2ラベル基材
9 第2印刷層
10 表面層
11 カバーラベル
12 ミシン目

Claims (3)

  1. ラベル基材の一方の面に接着剤層、他方の面に第1剥離層を介してスクラッチ層が設けられたキャンペーンラベルであって、前記スクラッチ層の上に、第2剥離層を介して、さらに該スクラッチ層を被覆するカバーラベルが積層されており、前記カバーラベルが、ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面に設けられた接着剤層と、前記ラベル基材の他方の面に設けられた印刷層とで構成されている容器用キャンペーンラベル。
  2. ラベル基材の一方の面に接着剤層、他方の面に第1剥離層を介してスクラッチ層が設けられたキャンペーンラベルであって、前記スクラッチ層の上に、さらに該スクラッチ層を被覆するカバーラベルが積層されており、前記カバーラベルが、ラベル基材と、該ラベル基材の一方の面の両側部に設けられた接着剤層と、前記ラベル基材の他方の面に設けられた印刷層とで構成されており、カバーラベルを構成するラベル基材と印刷層との積層体の幅方向両側部に、カバーラベルを構成する接着剤層の形成部位よりも内方で且つスクラッチ層の形成部位よりも外方の位置に、前記幅方向と直交する方向に延びる切り取り用のミシン目が形成されている容器用キャンペーンラベル。
  3. カバーラベルの印刷層側の表面に、シリコーン系剥離剤又は透明フィルムからなる表面層が設けられている請求項1又は2に記載の容器用キャンペーンラベル。
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