JP4247038B2 - 衝撃吸収複合材構造及びその製造方法並びにそれを用いた走行体又は航行体 - Google Patents

衝撃吸収複合材構造及びその製造方法並びにそれを用いた走行体又は航行体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する樹脂と繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造及びその製造方法並びにそれを用いた走行体又は航行体に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、航空機の座席周り等や、自動車の座席周り、バンパー周り、各種構造部材に、衝撃エネルギーを吸収するエネルギー吸収部材が用いられる(特許文献1、特許文献2等)。このエネルギー吸収部材には、衝撃エネルギーを良好に吸収できる性能の他、一般に軽量、高剛性であることが要求されることから、樹脂と補強繊維との複合材料、いわゆる繊維強化プラスチック(以下、FRPと言うこともある。)、中でも炭素繊維強化プラスチック(以下、CFRPと言うこともある。)が適しているとされている。このようなエネルギー吸収部材においては、エネルギー吸収部材のある部位、たとえば部材端部を起点に、局部破壊を生じさせ、その局部破壊を利用してエネルギーを吸収するエネルギー吸収メカニズムが考えられる。
【0003】
また、自動車における耐衝撃性は、主に前面衝突が懸念されており、その対策としては、ボンネットの中に鉄鋼製フロントサイドメンバーと言われる部材を配置し、前面衝突の際に部材が圧壊することでエネルギー吸収を図るようにしている。
【0004】
一方、ヘリコプタにおいては、不時着による衝撃が懸念され、その対策としては床下に耐衝撃性部材を配置することとなる。
しかし、自動車のボンネットの長さに比べ、ヘリコプタの床下構造は床下のクリアランス確保等の為、高さが制限されていた上に、近年では広いキャビン容積を確保する為、床下燃料タンクのニーズも高まり、耐衝撃性部材を配置するストロークおよび面積の制限が厳しい、という問題がある。
そのため、従来よりも高いエネルギー吸収効率が求められる。
【0005】
このため、従来においては、エネルギー吸収部材として、繊維を積層させた積層型複合材において、繊維の素材や繊維配向による影響を評価し、初期荷重のピークを抑えるために、破壊のきっかけの起点となるイニシエータを設ける等の提案がなされている(特許文献3乃至5)。
【0006】
一方、樹脂と繊維との複合材構造において、層間及び接合面の剪断強度を含めた面外強度(剥離強度)を向上させるために、ニードリングを用いた複合材料用繊維基材の提案がある(特許文献6)。
【0007】
【特許文献1】
特開昭60−109630号公報
【特許文献2】
特開昭62−17438号公報
【特許文献3】
特開平6−300068号公報
【特許文献4】
特開平6−341477号公報
【特許文献5】
特開平7−217689号公報
【特許文献6】
特開2003−39429号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献3乃至5のエネルギー吸収部材の提案では、内側に外側よりも強度の高い補強繊維を用いて繊維の配向によりエネルギー吸収性能を高めたり(特許文献3)、材料特性を選定してエネルギー吸収能力を高めたり(特許文献4)、又は長手方向の一端部の強化繊維層間に、層間の接着を阻害する剥離助層を埋設させて、所定部位に確実かつ円滑に逐次破壊を生じさせることの提案はあるが、一旦エネルギー吸収部材が衝撃を受けた後には、その破壊の進展は素材任せになっているという問題がある。
【0009】
また、特許文献6の複合材料用繊維基材の提案では、層間及び接合面の強度の向上を図り、曲げ強度の向上に寄与するが、エネルギー吸収部材のような圧縮を受けた際に樹脂を破壊しつつ衝撃を吸収させるために制御するものではなく、これを単にエネルギー吸収部材として適用しても部材として強度が強いものとなっているので、効果的に衝撃を吸収できるものではない。
【0010】
本発明は、上記問題に鑑み、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収しつつその破壊の進行を制御することができる衝撃吸収複合材構造及びその製造方法並びにそれを用いた走行体又は航行体を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する樹脂と繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造であって、衝撃荷重がかかる端部から、その荷重がかかる方向の所定位置をこえたところで、ニードリング又はスティッチングや3次元織物を傾斜的又は段階的に施してなることを特徴とする衝撃吸収複合材構造にある。
【0012】
第2の発明は、第の発明において、初期荷重の際には衝撃による破壊が進行し、積層体の剥離途中から衝撃を持ち応え、衝撃吸収力の低下を防止することを特徴とする衝撃吸収複合材構造にある。
【0013】
第3の発明は、第1又は2の発明において、衝撃吸収複合材構造が筒状体、柱状体、角筒、円錐、角錐、円錐台又は角錐台のいずれかであることを特徴とする衝撃吸収複合材構造にある。
【0014】
第4の発明は、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造の製造方法において、繊維積層体に樹脂を含浸してなる衝撃吸収複合材構造に衝撃荷重がかかる端部から、その荷重がかかる方向の所定位置をこえたところで、ニードリング又はスティッチングや3次元織物を傾斜的又は段階的に施すことを特徴とする衝撃吸収複合材構造の製造方法にある。
【0015】
第5の発明は、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造の製造方法において、繊維積層体に衝撃荷重がかかる端部から、その荷重がかかる方向の所定位置をこえたところで、ニードリング又はスティッチングや3次元織物を傾斜的又は段階的に施し、その後樹脂を含浸することを特徴とする衝撃吸収複合材構造の製造方法にある。
【0016】
第6の発明は、第1乃至3のいずれか一つの衝撃吸収複合材構造を有することを特徴とする走行体にある。
【0017】
第7の発明は、第1乃至3のいずれか一つの衝撃吸収複合材構造を有することを特徴とする航行体にある。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0019】
本実施の形態にかかる衝撃吸収複合材構造は、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する樹脂と繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造であって、上記衝撃吸収複合材構造に層間強度向上手法を傾斜的又は段階的に施してなるものである。
【0020】
ここで、本発明で衝撃吸収複合材構造とは、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収するものであり、補強繊維を複数積層した繊維積層体と樹脂とからなるものをいう。
そして、衝撃がかかると積層体を構成する一部分の積層部が開裂し、繊維の曲げに対する抵抗力により自己破壊によりその衝撃を吸収することとなる。
【0021】
本発明では、この層間構造において、層間強度向上手法を傾斜的又は段階的に施すようにしており、これにより破壊途中からの衝撃を持ち応えて層間強度の向上を図るようにしている。
【0022】
ここで、層間強度向上手法とは、例えばニードリング又はスティッチングや3次元織物等を挙げることができる。
【0023】
なお、イニシエータ部分及び自己破壊の開始初期には衝撃を吸収する必要性から衝撃吸収複合材構造の軸端部から所定位置までは、層間強度向上手法を施さないようにするとよい。
【0024】
以下に、図1及び図2を参照して、この層間強度向上手法を適用した衝撃吸収複合材構造の構成を説明する。図3は衝撃荷重と変位との関係図である。
図1に示すように、一例として円筒型形状の衝撃吸収複合材構造11を用いている。図2は図1のA−A断面図であり、層間強度向上手法として上記衝撃吸収複合材構造にニードリング12を用いて層間補強領域13を施し、破壊の進行が一気に進まないようにその強度を補強している。
【0025】
ここで、本実施の形態では、衝撃荷重Fの荷重軸方向である図中上端から下端に向けて漸次その間隔を縮めるようにしてニードリング12による層間補強領域13を形成するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、一定間隔でニードリングを施してもよいし、また、適宜その間隔を広げたり狭めたりするようにして、目的の衝撃吸収効率を向上させるようにしている。
【0026】
なお、本実施の形態では、自己破壊の開始初期には衝撃を効果的に吸収するために、衝撃吸収複合材構造11の軸端部から所定位置Xまでは、層間強度向上手法を施さないようにした。
【0027】
そして、図3に示すように、本実施の形態のような層間補強領域13を設けた場合には、その実線で示すように、初期荷重がかかった後においても、衝撃荷重を一定期間に亙って保持することができ、一定荷重で破壊が進展することとなる。この結果、エネルギー吸収量が増大することとなる。
これに対し、ニードリング等の層間補強領域を設けない場合には、その破線で示すように、破壊の開始時には大きな荷重がかかり、その後破壊が一気に進行し、エネルギー吸収は急激に小さくなり、破壊途中からは衝撃を保持することができないものであった。
【0028】
この結果、層間補強領域を施した場合では、エネルギー吸収量が90kJ/kgとなり、層間補強を施さない場合のエネルギー吸収量が60kJ/kgに較べると、50%もエネルギー吸収量が増大した。
【0029】
なお、鉄鋼の比吸収エネルギー量は30kJ/kgであり、アルミニウムでは30〜70kJ/kg、炭素繊維強化プラスチックでは60〜70kJ/kg(自動車の材料構成の推移と各種材料の衝撃特性、三石洋之(日本自動車研究所)、自動車研究、第18巻、第9号(1996年9月))とされているので、本発明による衝撃吸収複合材構造はこれらの衝撃吸収材料以上のエネルギー吸収量を有するものとなる。
【0030】
よって、例えばヘリコプタ等のような耐衝撃部材を配置するストローク及び面積等の制限が厳しいところにおいても良好な耐衝撃部材として適用することができる。
【0031】
図4は、ニードリングを施した場合の回数を変化させ、ニードリングを施さない場合と比較した結果である。
試験の供試体としては、繊維配向(+45/0/−45/0/0/−45/0/+45)積層体のプリプレグ(繊維:炭素繊維、樹脂:エポキシ樹脂)を用い、静的圧壊試験を実施した。供試体は図1と同様の円筒形であり、直径が50mm、高さが75mmのものを用いた。
ニードリングは円筒体の上端部から5mmの位置から下端部まで一定ピッチで行った。ニードリング回数は0回/cm2、27回/cm2と50回/cm2とを行った。
その結果を図4に示す。
【0032】
図4に示すように、ニードリング回数の増加により荷重(kN)保持率に向上がみられ、耐衝撃性を一定期間に亙って保持できることが確認できた。
【0033】
本発明による層間強度向上手法を傾斜的又は段階的に施すのはその目的に応じて適宜変更するようにすればよく、特に限定されるものではないが、層間強度向上手法の適用パターンの一例を図5に示す。
なお、図5は縦軸がニードリング密度(回/cm2)であり、横軸が荷重軸方向(L)である。
【0034】
図5(a)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後は図2に示すように徐々にニードリングの間隔を疎状態から密状態(ニードリングピッチを徐々に狭めた)としたものである。
図5(b)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後ニードリングの間隔一定間隔で施したものである。
図5(c)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後ニードリングの間隔を密状態とした後、途中から疎状態に変更しその後また密状態でニードリングを施したものである。
図5(d)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後ニードリングの間隔を密状態とした後、途中から疎状態に変更しその後は一定間隔でニードリングを施したものである。
図5(e)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後ニードリングの間隔を疎状態から密状態とし、今度は密状態から疎状態としたものである。なお、端部にはニードリングを施さず、破壊開始部を設けた。
図5(f)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後ニードリングの間隔を密状態の一定間隔としたものである。なお、端部にはニードリングを施さず、破壊開始部を設けた。
図5(g)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後ニードリングの間隔を疎状態と密状態とを交互に繰り返して最後は密状態としたものである。なお、端部にはニードリングを施さず、破壊開始部を設けた。
図5(h)は、所定位置Xまではニードリングを施さず、その後ニードリングの間隔を密状態から徐々に疎状態とし、その後また除所に密状態としたものである。なお、端部にはニードリングを施さず、破壊開始部を設けた。
【0035】
なお、傾斜的又は段階的にニードリング補強領域を形成するパターンは上述したものに限定されるものではない。
【0036】
また、上記パターンはニードリングの間隔を規定しているが、それ以外にニードリングの回数を場所毎に変化させるようにしてもよい。
【0037】
また、図6はニードリングの挿入回数と圧縮強度との関係図である。
図6から判るように、ニードリング回数を75回/cm2以上と多くした場合には、圧縮強度の低下がみられたので、必要回数以上にニードリングを施すと強度低下となる。
【0038】
ここで、本発明の衝撃吸収複合材構造を構成する繊維積層体の繊維材料としては、特に限定されるものではないが、例えば炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維、アラミド繊維(ケブラー(登録商標)等)、芳香族ポリアミド繊維、アルミナ繊維、炭化珪素繊維又はボロン繊維等を挙げることができる。
【0039】
また、衝撃吸収複合材構造を構成する樹脂材料としては、特に限定されるものではないが、例えばエポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート(ビニルエステル)樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、グアナミン樹脂、フラン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリジアリルフタレート樹脂、アミノ樹脂等の熱硬化性樹脂を挙げることができる。
また、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン610、ナイロン612などのポリアミド、またはこれらポリアミドの共重合ポリアミド、また、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、またはこれらポリエステルの共重合ポリエステル、さらに、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルファイド、ポリフェニレンオキシド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリオレフィン等、さらにまた、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー等に代表される熱可塑性エラストマー等を挙げることができる。
さらには、上述の範囲を満たす樹脂として、例えばアクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム等のゴムを用いることもでき、さらには、上記の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、ゴムから選ばれた複数を配合してなる配合樹脂を用いるようにしてもよい。
【0040】
また、本発明にかかる衝撃吸収複合材構造は図1に示したような円筒体形状に限定されるものではなく、例えば円筒の頂部を円錐状あるいは球面状に形成した円筒の他に、角筒、円錐、角錐、円錐台、角錐台、あるいは、横断面が楕円の筒、さらにはフランジ部を備えた円筒(又は角筒)等の筒状形状としてもよい。また、筒状形状以外に例えば円柱、角柱の柱形状とするようにしてもよい。さらに、一個の部材から構成するようにしてもよいが、これに限定されるものではなく、複数の部材を重ねて、あるいは組み合わせて構成するようにしてもよい。
【0041】
また、衝撃吸収複合材構造の衝撃荷重軸方向の一端部又は両端部に破壊のきっかけの起点となるイニシエータを設けるようにしてもよい。
【0042】
以下に本発明にかかる衝撃吸収複合材構造の製造例について説明する。
図7は、プリプレグを製造し、その後ニードリングを施し、オートクレーブにより加圧成形した例を示す。
図7に示すように、衝撃吸収複合材構造の製造方法は、樹脂と繊維積層体とからなるプリプレグを所定長さに切断する切断工程(S11)と、その後これらを積層する積層工程(S12)と、積層体に層間強度手法としてニードリングを施すニードリング工程(S13)と、ニードリングを施した積層体を治具に装着する治具装着工程(S14)と、治具に装着した後に、加圧しつつ加熱硬化させる加圧・加熱硬化工程(S15)と、治具から取り出し、切断し、加工する切断・加工工程(S16)とから構成されている。
これにより、耐衝撃性が向上した衝撃吸収複合材構造を得ることができる。
【0043】
図8は、真空樹脂注入成形法により成形した例を示す。
図8に示すように、衝撃吸収複合材構造の製造方法は、繊維積層体を所定長さに切断する切断工程(S21)と、その後これらを積層する積層工程(S22)と、積層体に層間強度手法としてニードリングを施すニードリング工程(S23)と、ニードリングを施した積層体を治具に装着する治具装着工程(S24)と、樹脂と脱泡させる脱泡工程(S25)と、脱泡した樹脂を予備加熱する予備加熱工程(S26)と、上記治具に装着した繊維に、予備簿加熱工程(S26)で予備加熱した樹脂を供給し、含浸し、加熱硬化させる樹脂含浸・加熱硬化工程(S27)と、治具から取り出し、切断し、加工する切断・加工工程(S28)とから構成されている。
これにより、耐衝撃性が向上した衝撃吸収複合材構造を得ることができる。
【0044】
本発明の衝撃吸収複合材構造の適用例を図9及び図10に示す。
図9はヘリコプタの概略図であり、機体21内に搭乗者22が座席23に座っている状態を示す。
図10(a)は、図9のa部拡大部分であり、搭乗者22の座席23の取付け台24に衝撃吸収複合材構造を適用したものである。本適用例は、床面25と座席客部23aとの間に衝撃吸収複合材構造11からなる取付け台24を設けたものである。
【0045】
図10(b)は、図9のa部拡大斜視図であり、搭乗者22の座席の客部23aに衝撃吸収複合材構造を耐衝撃性部材として適用したものである。
【0046】
図10(c)は、図9のb部拡大部分であり、機体21の床下から張り出した衝撃吸収構造部26に衝撃吸収複合材構造を耐衝撃性部材として適用したものである。
【0047】
図10(d)は、図9のc部拡大部分であり、車輪式降着装置27のショックストラット内部28に衝撃吸収複合材構造を耐衝撃性部材として適用したものである。
【0048】
以上説明したように、本発明にかかる衝撃吸収複合材構造は、例えばヘリコプタ等のような航行体の座席周り等や、各種構造部材に、衝撃エネルギーを効率よく吸収するエネルギー吸収部材として適用することができる。また、航行体のみならず、例えば自動車等の走行体の座席周り、バンパー周り等の耐衝撃吸収部材に適用することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、衝撃荷重がかかる端部から、その荷重がかかる方向の所定位置をこえたところで、ニードリング又はスティッチングや3次元織物を傾斜的又は段階的に施してなるようにしたので、エネルギー吸収量を向上させることができ、衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収しつつその破壊の進行を一定時間制御することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態にかかる衝撃吸収複合材構造の斜視図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】衝撃吸収複合材構造にかかる衝撃荷重と変位との関係図である。
【図4】衝撃吸収複合材構造にかかる圧壊距離と荷重との関係図である。
【図5】層間強度向上手法のパターンの一例を示す図である。
【図6】ニードリング挿入回数と圧縮強度との関係を示す図である。
【図7】衝撃吸収複合材構造にかかる製造工程図である。
【図8】衝撃吸収複合材構造にかかる他の製造工程図である。
【図9】衝撃吸収複合材構造を適用したヘリコプタの模式図である。
【図10】図9の要部拡大図である。
【符号の説明】
11 衝撃吸収複合材構造
12 ニードリング
13 層間補強領域

Claims (7)

  1. 衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する樹脂と繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造であって、
    衝撃荷重がかかる端部から、その荷重がかかる方向の所定位置をこえたところで、ニードリング又はスティッチングや3次元織物を傾斜的又は段階的に施してなることを特徴とする衝撃吸収複合材構造。
  2. 請求項において、
    初期荷重の際には衝撃による破壊が進行し、積層体の剥離途中から衝撃を持ち応え、衝撃吸収力の低下を防止することを特徴とする衝撃吸収複合材構造。
  3. 請求項1又は2において、
    衝撃吸収複合材構造が筒状体、柱状体、角筒、円錐、角錐、円錐台又は角錐台のいずれかであることを特徴とする衝撃吸収複合材構造。
  4. 衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造の製造方法において、
    繊維積層体に樹脂を含浸してなる衝撃吸収複合材構造に衝撃荷重がかかる端部から、その荷重がかかる方向の所定位置をこえたところで、ニードリング又はスティッチングや3次元織物を傾斜的又は段階的に施すことを特徴とする衝撃吸収複合材構造の製造方法。
  5. 衝撃を受けた際には自己破壊によりその衝撃を吸収する繊維積層体からなる衝撃吸収複合材構造の製造方法において、
    繊維積層体に衝撃荷重がかかる端部から、その荷重がかかる方向の所定位置をこえたところで、ニードリング又はスティッチングや3次元織物を傾斜的又は段階的に施し、その後樹脂を含浸することを特徴とする衝撃吸収複合材構造の製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一つの衝撃吸収複合材構造を有することを特徴とする走行体。
  7. 請求項1乃至3のいずれか一つの衝撃吸収複合材構造を有することを特徴とする航行体。
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