JP4245747B2 - 加速度検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加速度検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
裏面側の中央部に重錘が設けられたダイアフラムと、ダイアフラムの外周部を支持する金属製のベースと、ダイアフラムの表面上に固定された加速度センサ素子とを具備する加速度検出装置が知られている。この種の加速度検出装置は、重錘に作用する加速度に基づくダイアフラムの変形に応じた加速度信号を加速度センサ素子が出力することにより所定の方向の加速度を検出する。一般的に、このような加速度検出装置は、重錘、ダイアフラム及びベースが絶縁樹脂製ケース内に収納された構造を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような加速度検出装置では、加速度センサ素子に電子機器等から電磁波等のノイズが侵入し、加速度を検出する際の基準値が変動してしまうという問題があった。
【0004】
本発明の目的は、ノイズの影響によって出力に誤差が生じるのを防ぐことができる加速度検出装置を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、加速度検出装置を回路基板に半田付けする際に半田に含まれるフラックスが加速度検出装置の内部に侵入するのを防ぐことができる 加速度検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の加速度検出装置は、重錘と、裏面側の中央部に重錘が設けられたダイアフラムと、ダイアフラムの外周部を支持する筒状の金属製のベースと、ダイアフラムの表面上に固定され、重錘に作用する加速度に基づくダイアフラムの変形に応じた加速度信号を出力する加速度センサ素子と、重錘,ダイアフラム及びベースを収納する絶縁樹脂製ケースと、絶縁樹脂製ケースに対して嵌合されて加速度センサ素子を覆う金属製のカバー部材とを具備している。そして、
ベースの外周面の一部を露出させる形状に絶縁樹脂製ケースを形成し、カバー部材が絶縁樹脂製ケースに嵌合された状態でベースの外周部の一部にバネ性を持って押し付けられる接触片をカバー部材に一体に設ける。なお、ここでいう加速度検出装置は、一軸(X軸)方向のみの加速度を検出する一軸加速度検出装置、二軸(X軸,Y軸)方向の加速度を検出する二軸加速度検出装置、三軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の加速度を検出する三軸加速度検出装置のいずれであってもよい。本発明によれば、金属製のカバー部材に一体に設けられた接触片とベースとが接合されるため、カバー部材及びベースのいずれかを接地することにより、カバー部材及びベースが電磁波等のノイズのシールド部材の役割を果たす。そのため、加速度センサ素子のほぼ全周囲に亘ってノイズが侵入するのを防ぐことができる。特に本発明では、ベースにバネ性を持ってカバー部材の接触片を押し付けるので、カバー部材の取付と同時にカバー部材とベースとの電気的な接続を完了することができ、しかもベースとカバー部材の接触片との接触が確実になる。
【0007】
ベースには、接触片が嵌合する嵌合凹部を形成するのが好ましい。このような嵌合凹部を設ければ、ベースとカバー部材の接触片との接触がより確実になる。
【0008】
ベースの外周部に周方向に連続して延び外側に向って開口する環状の溝部を形成すれば、ベースをインサートとして絶縁樹脂製ケースをインサート成形する場合に、溝部に絶縁樹脂製ケースの樹脂が充填されて、ベースの絶縁樹脂製ケースからの抜け止めを図ることができる。この場合、溝部の一部により、前述のカバー部材の接触片を勘合する嵌合凹部を構成すればよい。
【0009】
絶縁樹脂製ケースの周壁部には、外側に向って開口する1個以上の凹部を形成し、カバー部材には、カバー部材が絶縁樹脂製ケースに対して嵌合されたときに、1個以上の凹部にバネ性を持って嵌合させられる1個以上の凸部を一体に設けるのが好ましい。このようにすれば、絶縁樹脂製ケースの周壁部にバネ性を持ってカバー部材の凸部を嵌合するので、カバー部材の取付により簡単にカバー部材を絶縁樹脂製ケースに固定することができる。
【0010】
加速度センサ素子に含まれる複数の電極は複数の端子金具を用いて外部に電気的に接続することができる。端子金具を用いる場合には、例えば、ダイアフラムの表面と同じ側に位置する表面と、この表面の反対側に位置する裏面とを有するように絶縁樹脂製ケースを形成し、端子金具の一方の端部が絶縁樹脂製ケースの表面から露出し他方の端部が絶縁樹脂製ケースの裏面から突出するように複数の端子金具をインサートとして絶縁樹脂製ケースをインサート成形すればよい。この場合、ダイアフラム上から複数の端子金具の一方の端部の近傍まで延びる延長部を有するように加速度センサ素子を構成し、延長部に形成された複数の電極と複数の端子金具の一方の端部とをそれぞれ電気的に接続すればよい。
【0011】
重錘、ダイアフラム及びベースを金属材料により一体に成形された単体ユニットとして構成すれば、単体ユニットをインサートとして絶縁樹脂製ケースをインサート成形することができる。また、このように単体ユニットとして構成すれば、重錘のダイアフラムに対する取付け位置を一定にでき、加速度検出装置の測定精度の低下を抑制することができる。
【0012】
また、絶縁樹脂製ケースには、複数の端子金具の他方の端部が絶縁樹脂製ケースの裏面から突出する方向と同じ方向に突出する複数個のスペーサを形成するのが好ましい。このようにすれば、加速度検出装置を回路基板に取付ける際に絶縁樹脂製ケースの裏面と回路基板との間にスペーサによって空隙部を形成することができる。そのため、加速度検出装置の端子金具を回路基板に半田付けする際に半田に含まれるフラックスが絶縁樹脂製ケース等を伝って加速度検出装置の内部に侵入するのを防ぐことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1〜4は、三軸加速度検出装置に適用した本発明の実施の形態の加速度検出装置を一部破断した状態で示す正面図、平面図、側面図及び背面図である。図2及び図3に示すように、この加速度検出装置は、ダイアフラム1と、重錘3と、ベース5と、ダイアフラム1の重錘3が取り付けられた面側とは反対側の面上に固定された加速度センサ素子7とを備えている。これらの各部材は、絶縁樹脂製ケース9内に収納されており、この絶縁樹脂製ケース9には、内部に複数の端子金具11A〜11Hが配置されると共に金属製のカバー部材13が嵌合されている。
【0014】
ダイアフラム1,重錘3及びベース5は、真鍮からなる金属材料により一体に成形された単体ユニット10として構成されている。ダイアフラム1は、円板形状を有している。重錘3は、円柱形状を有しており、その軸線の延長部分がダイアフラム1の中心を通るように配置されている。ベース5は円筒形状を有しており、ダイアフラム1の外周部を支持している。また、ベース5の外周部には、周方向に連続するV字溝5aが形成されている。この単体ユニット10は、複数の端子金具11A〜11Hと共に絶縁樹脂製ケース9を成形するときにインサートとして用いられる。
【0015】
この例では、加速度センサ素子7として、図5の平面図及び図6の裏面図に示すように圧電セラミックス基板7aの表面に三軸加速度検出用の加速度検出用電極パターンE1 が形成され、裏面に対向電極パターンE0 が形成されて構成された圧電型三軸加速度センサ素子を用いている。
【0016】
圧電セラミックス基板7aの裏面及び対向電極パターンE0 は、エポキシ等の合成樹脂材料からなる接着剤層によってダイアフラム1の表面に接合されている。圧電セラミックス基板7aは、輪郭形状がほぼ四角形をなしており、図1及び図3に示すように、ダイアフラム1上に位置する本体部7bと、絶縁樹脂製ケース9上を本体部7bから複数の端子金具11A〜11Hの近傍まで延びる延長部7cとを有している。圧電セラミックス基板7aの対向する2つの辺部に位置する延長部7cの縁部には、図5及び図6に示すように、4つの半円状の凹部7d〜7gと4つの半円状の凹部7h〜7kとがそれぞれ等間隔に形成されている。この圧電セラミックス基板7aは、内部に応力が加わると自発分極電荷が発生するように電極に対応した部分に分極処理が施されている。分極処理については後に説明する。圧電セラミックス基板7aは、重錘対向領域8Aと、ベース対向領域8Bと、重錘対向領域8Aとベース対向領域8Bとの間に位置する中間領域8Cとを有している。重錘対向領域8Aに対応する部分には重錘3が位置しており、ベース対向領域8Bに対応する部分にはベース5が位置している。中間領域8Cは、重錘対向領域8Aを囲む第1の応力発生領域8C1と、第1の応力発生領域8C1とベース対向領域8Bとの間に位置する第2の応力発生領域8C2とから構成されている。第1の応力発生領域8C1は、重錘3に加速度が作用したときに変形して内部に応力が発生する領域であり、表面側に加速度検出用電極パターンE1の加速度検出用電極EX1〜EZ4が形成されている。この第1の応力発生領域8C1は、重錘3に対して圧電セラミックス基板7aの基板面と平行な方向(X軸方向またはY軸方向)に加速度が作用すると、重錘3の重心を中心として点対称に異なった状態(引っ張り応力が加わった状態と、圧縮応力が加わった状態と)に変形する。また、重錘3に対して圧電セラミックス基板7aの基板面と直交する方向(Z軸方向)に加速度が作用すると、第1の応力発生領域8C1の各部は同じ状態に変形する。第2の応力発生領域8C2は、第1の応力発生領域8C1に比べて僅かな応力しか発生しない領域である。なお、図5において、8Dは第1の応力発生領域8C1と第2の応力発生領域8C2との境界線(変曲線)である。
【0017】
圧電セラミックス基板7aの表面及び裏面に形成された加速度検出用電極パターンE1及び対向電極パターンE0は、いずれもスクリーン印刷により形成されている。加速度検出用電極パターンE1は、図5に示すように、X軸方向検知電極パターン15とY軸方向検知電極パターン17とZ軸方向検知電極パターン19とを有している。X軸方向検知電極パターン15は、一対のX軸方向加速度検出用電極EX1,EX2とX軸出力電極OXとが接続線L1〜L3により直列に接続された構造を有している。一対のX軸方向加速度検出用電極EX1,EX2は、後に説明するY軸方向検知電極パターン17の一対のY軸方向加速度検出用電極EY1,EY2及びZ軸方向検知電極パターン19の4つのZ軸方向加速度検出用電極EZ1〜EZ4と共に、重錘対向領域8Aを囲む環状の列を形成している。一対のX軸方向加速度検出用電極のそれぞれの電極EX1,EX2は、X軸方向仮想線XLに対して線対称になり且つ重錘対向領域8Aと第1の応力発生領域8C1とに跨がる矩形に近い形状を有している。
【0018】
Y軸方向加速度検出用電極パターン17は、一対のY軸方向加速度検出用電極EY1,EY2とY軸出力電極OYとが接続線L4により直列に接続された構造を有している。一対のY軸方向加速度検出用電極のそれぞれの電極EY1,EY2もX軸方向加速度検出用電極EX1及びEX2と同様に、Y軸方向仮想線YLに対して線対称になり且つ重錘対向領域8Aと第1の応力発生領域8C1とに跨がる矩形に近い形状を有している。
【0019】
Z軸方向加速度検出用電極パターン17は、4つのZ軸方向加速度検出用電極EZ1〜EZ4及びZ軸出力電極OZが、これらの順に接続線L5によって直列に接続された構造を有している。Z軸方向加速度検出用電極EZ1〜EZ4は、それぞれ一対のX軸方向加速度検出用電極EX1,EX2及び一対のY軸方向加速度検出用電極EY1,EY2の各電極の間に配置されるように形成されている。Z軸方向加速度検出用電極EZ1〜EZ4の各電極は、矩形に近い形状を有しており、X軸方向加速度検出用電極EX1及びEX2と同様に重錘対向領域8Aと第1の応力発生領域8C1とに跨がって形成されている。
【0020】
X軸出力電極OX,Y軸出力電極OY及びZ軸出力電極OZは、圧電セラミックス基板7aの3つの角部において、凹部7d,7h及び7kをそれぞれ囲むように形成されている。また、圧電セラミックス基板7aの残りの角部には、凹部7gを囲むようにアース電極OEが形成されている。アース電極OEには、X軸方向加速度検出用電極EX1に隣接する圧電セラミックス基板7aの縁部まで延びる延長部分21が接続されている。また、アース電極OEは、圧電セラミックス基板7aの側部及び裏面上に形成された図示しない導電性接着剤層を介してベース5と電気的に接続されている。
【0021】
圧電セラミックス基板7aの裏面上に形成された対向電極パターンE0は、図6に示すように、加速度検出用電極パターンE1の加速度検出用電極EX1〜EZ4と対向する環状の対向電極E0aと、対向電極E0aから圧電セラミックス基板7aの縁部に延びる延伸部E0bと、圧電セラミックス基板7aの4角に形成された裏面電極部E0c〜E0fとを有している。延伸部E0bの一部は、加速度検出用電極パターンE1の延長部分21の端部21aと対向しており、圧電セラミックス基板7aの側部を延びる接続部23を介して延長部分21の端部21aと電気的に接続されている。これにより、対向電極パターンE0に含まれる対向電極E0aはアース電極OEと電気的に接続されることになる。裏面電極部E0c〜E0fは、アース電極OE,X軸出力電極OX,Z軸出力電極OZ及びY軸出力電極OYと対向しており、圧電セラミックス基板7aの側部を延びる接続部を介してそれぞれ対向する各電極と電気的に接続されている。
【0022】
X軸方向加速度検出用電極EX1,EX2に対応する圧電セラミックス基板7aの各部分には、重錘3にZ軸方向の加速度が作用して各部分に同種類の応力が発生したときに重錘対向領域8Aの一方の側に位置する加速度検出用電極EX1と他方の側に位置する加速度検出用電極EX2とにそれぞれ逆極性の自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。また、Y軸方向加速度検出用電極EY1,EY2に対応する圧電セラミックス基板7aの各部分もX軸方向加速度検出用電極EX1,EX2に対応する圧電セラミックス基板7aの各部分と同様に、重錘3にZ軸方向の加速度が作用して各部分に同種類の応力が発生したときに重錘対向領域8Aの一方の側に位置するY軸方向加速度検出用電極EY1と他方の側に位置するY軸方向加速度検出用電極EY2とにそれぞれ逆極性の自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。また、Z軸方向加速度検出用電極EZ1〜EZ4に対応する圧電セラミックス基板7aの各部分は、重錘3にZ軸方向の加速度が作用して各部分に同種類の応力が発生したときにすべてのZ軸方向加速度検出用電極EZ1〜EZ4に同じ極性の自発分極電荷が現れるように分極処理が施されている。このため、重錘3に作用する加速度に基づいてダイアフラム1が変形すると圧電セラミックス基板7aが撓んで加速度検出用電極パターンE1と対向電極パターンE0との間に発生する自発分極電荷が変化して、重錘3に加わった三軸(X軸,Y軸,Z軸)方向の加速度が電流または電圧の変化として測定される。
【0023】
絶縁樹脂製ケース9は、その輪郭がほぼ直方体を呈しており、中央空洞部9aと、この中央空洞部9aと外部とに連通する側方空洞部9bとが内部に形成されている。中央空洞部9aは、図2及び図3において紙面の上下方向に絶縁樹脂製ケース9を貫通しており、ほぼ円柱形の単体ユニット収納部9cと、絶縁樹脂製ケース9の内周面に段部9dを形成するように、単体ユニット収納部9cより小さい径を有するほぼ円柱形の空隙部9eとを有している。単体ユニット10は、単体ユニット10のベース5の底面と段部9dとが当接するように単体ユニット収納部9c内に収納されている。また、単体ユニット収納部9cの内部には、単体ユニット10のベース5のV字溝5aに樹脂が入り込んで突起部9fが形成されている。本例では、単体ユニット10をインサートとして射出成形により絶縁樹脂製ケース9を一体成形しているため、段部9d及び突起部9fは、単体ユニット10の絶縁樹脂製ケース9からの抜け止めとして機能している。また、このように単体ユニット10をインサートとして絶縁樹脂製ケース9が成形されることにより、ベース5の外周面の一部5bは、絶縁樹脂製ケース9の側方空洞部9b内に露出される。また、絶縁樹脂製ケース9は、ダイアフラム1の表面と同じ側に位置してダイアフラム1の表面と面一に形成された表面9gと、表面9gの反対側に位置する裏面9hとを有している。表面9gには、前述した圧電セラミックス基板7aの延長部7cが載置されている。裏面9hには、後述する複数の端子金具11A〜11Hの他方の端部11f…が絶縁樹脂製ケース9の裏面9hから突出する方向と同じ方向に突出する複数個(この例では3個)のスペーサ9i…が形成されている。このようなスペーサ9i…を形成すれば、加速度検出装置を回路基板に取付ける際に絶縁樹脂製ケース9の裏面9hと回路基板との間にスペーサ9i…によって空隙部を形成することができる。そのため、加速度検出装置の端子金具11A〜11Hを回路基板に半田付けする際に半田に含まれるフラックスが絶縁樹脂製ケース9等を伝って加速度検出装置の内部に侵入するのを防ぐことができる。また、図2に示すように、絶縁樹脂製ケース9の外周部には、側方空洞部9bが開口する側面9kの下方部に外側に向って開口するほぼ矩形の凹部9jが形成されている。
【0024】
複数の端子金具11A〜11Hは、図3に示すように、いずれも同じほぼ円柱形状を有しており、絶縁樹脂製ケース9内において圧電セラミックス基板7aの凹部7d〜7kと対応する位置にそれぞれ配置されている。端子金具11A〜11Hの一つの端子金具は、一方の端部11aと長手方向中央部とにそれぞれ長手方向と直交する方向に突出する円環状の鍔部11c,11dを有している。これにより、一方の端部11aの端面11eの面積は、長手方向と直交する端子金具の断面積よりも大きくなる。また、長手方向中央部の鍔部11dは、端子金具11A〜11Fの絶縁樹脂製ケース9からの抜け止めとして機能している。これら複数の端子金具11A〜11Hは、一方の端部11aの端面11eが絶縁樹脂製ケース9の表面9g上に露出し他方の端部11fが絶縁樹脂製ケース9の裏面から突出するように絶縁樹脂製ケース9内に配置されている。複数の端子金具11A〜11Hの各端面11eのほぼ半部(半円部分)は、圧電セラミックス基板7aの凹部7d〜7k内から外側に露出している。そして、図1及び図3に示すように、複数の端子金具11A〜11Hの内、圧電セラミックス基板7aの角部に位置する4つの端子金具11A,11D,11E,11Hの各一方の端面11e…は、圧電セラミックス基板7aの延長部7cに形成された電極OX,OY,OZ,OEと導電性接着剤からなる導電部25…によって電気的に接続されている。また、この例では、複数の端子金具11A〜11Hの内、他の4つの端子金具11B,11C,11F,11Gの各一方の端面11e…は、圧電セラミックス基板7aの縁部と単に接触しているが、これらの端面11e…は、接着剤によって圧電セラミックス基板7aの縁部と接続してもよい。なお、これらの端子金具11B,11C,11F,11Gは、ダミー端子を構成している。
【0025】
カバー部材13は、ほぼ矩形の上壁部13aとほぼ矩形の4つの側壁部13b〜13eとを有する一面開口の箱形状を有しており、ステンレスにより一体に形成されている。このカバー部材13は、上壁部13aが加速度センサ素子7の上方に位置し、側壁部13b〜13eが絶縁樹脂製ケース9の側面と当接するように、絶縁樹脂製ケース9に対して嵌合された状態で加速度センサ素子7を覆っている。図2及び図3に示すように、絶縁樹脂製ケース9の側面9k(絶縁樹脂製ケース9の側方空洞部9bが形成された側面)と当接するカバー部材13の側壁部13bには、接触片13f及び凸部13gがプレス加工により一体に形成されている。接触片13fは、側壁部13bの一部が開口部13hを形成してベース5側に起立するように絶縁樹脂製ケース9の側方空洞部9b内を延びており、側壁部13bの面と直交する方向に伸びる起立部13f1と、起立部13f1の端部で円弧状に曲げられた接触部13f2とを有している。接触部13f2は、ベース5のV字溝5aの一部(側方空洞部9b内に露出する部分)により構成される嵌合凹部に嵌合されており、これにより、カバー部材13は、ベース5に電気的に接続されている。前述したように、アース電極OEは、図示しない導電性接着剤層を介してベース5と電気的に接続されているので、カバー部材13は、ベース5と共にアース電極OEと電気的に接続されて接地されることになる。特に本例では、カバー部材13が絶縁樹脂製ケース9に嵌合された状態で接触部13f2が起立部13f1のバネ性でベース5に押し付けられるので、カバー部材13の取付と同時にカバー部材13とベース5との電気的な接続を完了することができ、しかもベース5とカバー部材13の接触片13fとの接触が確実になる。
【0026】
凸部13gは、カバー部材13の側壁部13bの一部が折り曲げられて形成されている。この凸部13gは、絶縁樹脂製ケース9の側面9kに形成された凹部9jに嵌合されて、カバー部材13を絶縁樹脂製ケース9に固定する役割を果たしている。このような固定方法によれば、絶縁樹脂製ケース9にバネ性を持ってカバー部材13の凸部13gを嵌合するので、カバー部材13の取付によりカバー部材13を絶縁樹脂製ケース9に簡単に固定することができる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、金属製のカバー部材に一体に設けられた接触片とベースとが接合されるため、カバー部材及びベースのいずれかを接地することにより、カバー部材及びベースが電磁波等のノイズのシールド部材の役割を果たす。そのため、加速度センサ素子のほぼ全周囲に亘ってノイズが侵入するのを防ぐことができる。特に本発明では、ベースにバネ性を持ってカバー部材の接触片を押し付けるので、カバー部材の取付と同時にカバー部材とベースとの電気的な接続を完了することができ、しかもベースとカバー部材の接触片との接触が確実になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の加速度検出装置を一部破断した状態で示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態の加速度検出装置を一部破断した状態で示す平面図である。
【図3】本発明の実施の形態の加速度検出装置を一部破断した状態で示す側面図である。
【図4】本発明の実施の形態の加速度検出装置の背面図である。
【図5】本発明の実施の形態の加速度検出装置に用いる加速度センサ素子の平面図である。
【図6】本発明の実施の形態の加速度検出装置に用いる加速度センサ素子の裏面図である。
【符号の説明】
1 ダイアフラム
3 重錘
5 ベース
7 加速度センサ素子
9 絶縁樹脂製ケース
9j 凹部
10 単体ユニット
11A〜11H 端子ユニット
13 カバー部材
13f 接触片
13g 凸部
OE アース電極
Claims (7)
- 重錘と、
裏面側の中央部に前記重錘が設けられたダイアフラムと、
前記ダイアフラムの外周部を支持する筒状の金属製のベースと、
前記ダイアフラムの表面上に固定され、前記重錘に作用する加速度に基づく前記ダイアフラムの変形に応じた加速度信号を出力する加速度センサ素子と、
前記重錘、前記ダイアフラム及び前記ベースを収納する絶縁樹脂製ケースと、
前記絶縁樹脂製ケースに対して嵌合されて前記加速度センサ素子を覆う金属製のカバー部材とを具備し、
前記絶縁樹脂製ケースは、前記ベースの外周面の一部を露出させる形状に形成され、
前記カバー部材には、前記カバー部材が前記絶縁樹脂製ケースに嵌合された状態で前記ベースの前記外周部の一部にバネ性を持って押し付けられる接触片が一体に設けられており、
前記ベースには、前記接触片が嵌合する嵌合凹部が形成されていることを特徴とする加速度検出装置。 - 前記絶縁樹脂製ケースは、前記ベースをインサートとしてインサート成形されており、前記ベースの外周部には周方向に連続して延び外側に向って開口する環状の溝部が形成され、前記溝部の一部が前記嵌合凹部を構成していることを特徴とする請求項1に記載の加速度検出装置。
- 前記絶縁樹脂製ケースの周壁部には、外側に向って開口する1個以上の凹部が形成されており、
前記カバー部材には、前記カバー部材が前記絶縁樹脂製ケースに対して嵌合されたときに、前記1個以上の凹部にバネ性を持って嵌合させられる1個以上の凸部が一体に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の加速度検出装置。 - 前記絶縁樹脂製ケースは、前記ダイアフラムの前記表面と同じ側に位置する表面と、前記表面の反対側に位置する裏面とを有しており、
前記絶縁樹脂製ケースは、一方の端部が前記絶縁樹脂製ケースの前記表面から露出し他方の端部が前記絶縁樹脂製ケースの前記裏面から突出する複数の端子金具をインサートとしてインサート成形されており、
前記加速度センサ素子は、前記ダイアフラム上から前記複数の端子金具の前記一方の端部の近傍まで延びる延長部を有しており、
前記延長部に形成された複数の電極と前記複数の端子金具の前記一方の端部とがそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする請求項1、2または3に記載の加速度検出装置。 - 前記重錘、前記ダイアフラム及び前記ベースは、金属材料により一体に成形された単体ユニットとして構成されていることを特徴とする請求項2に記載の加速度検出装置。
- 前記絶縁樹脂製ケースには、前記複数の端子金具の前記他方の端部が前記絶縁樹脂製ケースの前記裏面から突出する方向と同じ方向に突出する複数個のスペーサが形成されていることを特徴とする請求項4に記載の加速度検出装置。
- 重錘と、
裏面側の中央部に前記重錘が設けられたダイアフラムと、
前記ダイアフラムの外周部を支持する筒状の金属製のベースと、
前記ダイアフラムの表面上に接着剤層を介して固定され、圧電セラミック基板の一方の面上に加速度検出用電極パターンが形成され、他方の面に前記加速度検出用電極パターンと対向する対向電極パターンが形成された加速度センサ素子と、
前記重錘、前記ダイアフラム及び前記ベースを収納する絶縁樹脂製ケースと、
前記絶縁樹脂製ケースに対して嵌合されて前記加速度センサ素子を覆う金属製のカバー部材と、
一方の端部が前記ダイアフラムの前記表面と同じ側に位置する前記絶縁樹脂製ケースの 表面から露出し、他方の端部が前記ダイアフラムの前記表面の反対側に位置する前記絶縁樹脂製ケースの裏面から突出する複数の端子金具とを具備し、
前記重錘、前記ダイアフラム及び前記ベースは、金属材料により一体に成形された単体ユニットとして構成され、
前記絶縁樹脂製ケースが前記複数の端子金具及び前記単体ユニットをインサートとしてインサート成形されており、
前記絶縁樹脂製ケースは、前記ベースの外周面の一部を露出させる形状に形成された周壁部を備えており、
前記周壁部には、外側に向かって開口する1個以上の凹部が形成されており、
前記カバー部材には、前記カバー部材が前記絶縁樹脂製ケースに嵌合された状態で前記ベースの前記外周部の一部にバネ性を持って押し付けられる接触片と、前記絶縁樹脂製ケースの前記1個以上の凹部にバネ性を持って嵌合させられる1個以上の凸部が一体に設けられており、
前記加速度センサ素子は、前記ダイアフラム上から前記複数の端子金具の前記一方の端部の近傍まで延びる延長部を有しており、
前記延長部に形成された複数の電極と前記複数の端子金具の前記一方の端部とがそれぞれ電気的に接続されていることを特徴とする加速度検出装置。
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