JP4245496B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
そして、発射ハンドルを回すと発射装置が作動し、上皿に収容されている遊技球が遊技盤へ発射される。その遊技球が入賞口に入賞すると、入賞を検出した主制御基板が、賞球の払出しを指示する賞球コマンドを払出制御基板へ送信し、払出制御基板が駆動信号を上記払出装置へ出力し、払出装置が作動して所定個数の遊技球が賞球として上皿に払出される。
しかし、そのような対策を講じることにより、前述した不正行為を発見することができるようになったが、払出装置が2つ必要であるため、2つの払出装置を設けるために必要なコストがパチンコ機の製造コスト削減を妨げる大きな要因となってきた。また、2つの払出装置が占めるスペースが大きいため、その周囲の設計変更の自由度が小さくなってしまうという問題も浮上した。
そこで、再び払出装置を1つに統合し、その払出装置から払出された賞球および貸球を兼用で検出するセンサを設ける構成を考えた。
流路切換ユニット700は、図示しない排出ユニットの球流路にそれぞれ接続する二系統の流路を備えるが、図ではそのうちの一系統のみを示しており、もう一系統は、図に示される一系統の裏側に重なった形で備えられている。流路切換ユニット700は、ケーシング701を備えており、そのケーシング701には、導入路702から排出路705に至る遊技球流路が備えられている。導入路702は、賞球が導入される賞球流路703と、貸球が導入される貸球流路704とに分岐している。賞球流路703には賞球検出センサ713が、貸球流路704には貸球検出センサ714がそれぞれ備えられており、通過した遊技球の数が流路別にカウントされる。
また、賞球流路703と貸球流路704の分岐部には、流路切換弁720が設けられている。流路切換弁720は流路切換ソレノイド730により駆動され、流路切換ソレノイド730が非通電状態では図示の状態にあり、流路切換弁720が貸球流路704の入口を閉鎖する。また、流路切換ソレノイド730が通電すると流路切換弁720が回動し、賞球流路703の入口を閉鎖する。
遊技球発射装置により発射された遊技球が入賞口に入賞すると、その入賞した遊技球は入賞検出手段により検出され、入賞検出手段は入賞検出信号を出力する。その入賞検出信号は賞球数信号出力手段に入力され、賞球数信号出力手段は賞球数を示す賞球数信号を出力する。また、遊技者が操作手段を操作すると貸球の払出し要求を示す貸球要求信号が発生する。その貸球要求信号および賞球数信号は払出制御手段に入力され、その払出制御手段は貸球要求信号または賞球数信号に基づいて払出装置を制御する。
払出装置から払出される賞球および貸球は、払出球検出手段により検出され、その払出球検出手段は検出結果を示す払出検出信号を出力する。また、識別信号出力手段は、払出装置が賞球を払出していない期間および貸球を払出している期間は第1の信号を出力し、払出装置が賞球を払出している期間は第2の信号を出力し、かつ、払出装置が賞球または貸球を前記所定個数連続して払出すときの前記休止時間の期間は、その休止時間が始まるまで出力していた一方の信号を他方の信号に切替え、その休止時間が終わったときは、それまで切り替えていた前記他方の信号を前記一方の信号に戻す。払出検出信号と、第1の信号または第2の信号とは計数手段に入力され、その計数手段は払出検出信号と、第1の信号または第2の信号とに基づいて、払出装置から払出された賞球および貸球をそれぞれ識別して計数する。
計数手段は、払出検出信号と、第1の信号または第2の信号とに基づいて、払出装置から払出された賞球および貸球をそれぞれ識別して計数するため、払出された賞球を計数すべきところを誤って貸球を計数してしまうことがない。
しかも、払出装置が1つで済むため、製造コストを低減することもできる。
従って、請求項1に記載の発明によれば、貸球の払出しを誤って賞球の払出しとして判定することがなく、かつ、製造コストを低減することができるパチンコ機を実現することができる。
ところで、払出装置に備えられたモータやソレノイドなどは、所定時間以上連続動作すると、過熱により、モータやソレノイド自身の耐久性が低下したり、それらの取付箇所周辺の樹脂部品が溶融してしまうおそれがある。
そこで、払出装置は、賞球または貸球を連続して払出す場合は、所定数払出す毎に休止時間を挟んでいる。
また、識別信号出力手段は、払出装置が賞球を払出していない期間および貸球を払出している期間は第1の信号を出力し、払出装置が賞球を払出している期間は第2の信号を出力し、かつ、払出装置が賞球または貸球を前記所定個数連続して払出すときの前記休止時間の期間は、その休止時間が始まるまで出力していた一方の信号を他方の信号に切替え、その休止時間が終わったときは、それまで切り替えていた前記他方の信号を前記一方の信号に戻す。
つまり、計数手段は、払出検出信号を入力していないときに第1および第2の信号の一方が他方に切替わったことを認識することにより、払出装置が休止時間になったために賞球または貸球の払出しが停止しているのであって、球噛みや球補給の不具合などにより払出検出信号が停止しているのではないと判定することができる。
[全体の主要構成]
まず、この実施形態のパチンコ機の主要構成について図1および図2を参照して説明する。図1は、そのパチンコ機の外観を正面から見た説明図である。図2(A)は図1に示すパチンコ機と接続されたプリペイドカードユニットを正面から見た説明図であり、図2(B)は図1に示すパチンコ機に備えられた度数表示パネルを拡大して示す説明図である。
パチンコ機1には、外殻を構成する外枠2が設けられており、その外枠2にはガラス枠3が開閉可能に取付けられている。ガラス枠3の内側には遊技盤5が設けられており、外枠2の前面右下方には、遊技盤5へ遊技球を発射する発射装置を操作する発射ハンドル15aが回動可能に取付けられている。ガラス枠3の左下方には、賞球や貸球が供給される賞球・貸球供給口6aが形成されており、その賞球・貸球供給口6aの供給側には、その賞球・貸球供給口6aから供給された賞球や貸球を収容する上受け皿6が設けられている。上受け皿6の前面には、度数表示パネル80が取付けられている。上受け皿6の下方には、上受け皿6の収容可能数を超えて流下した賞球や上受け皿球抜きレバー6bの操作により上受け皿6から排出された遊技球などを排出する排出口7aが形成されている。排出口7aの排出側には、その排出口7aから排出された遊技球を収容する下受け皿7が設けられている。また、外枠2の前面上部には、払出された賞球または貸球の誤差が所定値以上になったときに点灯する払出異常報知LED4が設けられている。
プリペイドカードをカード挿入口98に挿入した状態で、貸出ボタン81を1回押す毎に、設定されている貸出金額分の貸球が上受け皿6に払出され、プリペイドカードに記録されている残り度数が減少する。たとえば、1回に付き500円分の貸球が払出されるように設定されている場合は、貸出ボタン81を1回押すと500円分の貸球が払出され、残り度数が5度数減少する。また、減少した残り度数は度数表示部84に表示される。残り度数が設定されている貸出金額より少ないときに貸出ボタン81を押した場合は、残り度数がゼロになるまで貸球が払出される。
次に、遊技盤5の主要構成について図3を参照して説明する。図3は遊技盤5の主要構成を示す正面説明図である。
遊技盤5の略中央には、センターケース30が備えられている。センターケース30には、複数の特別図柄(たとえば、0〜9の数字を表現した図柄)を表示する特別図柄表示装置32が設けられている。特別図柄表示装置32は、複数の特別図柄を所定の順序で画面上に表示する(以下、その表示を特別図柄の変動表示という)。変動表示の手法は複数あり、たとえば複数の特別図柄を縦方向に配列した図柄列を画面の横方向3個所の表示領域においてそれぞれ上から下に向けて移動させる手法がある。
センターケース30の下方には、第1種始動口27を内部に有する普通電動役物28が設けられている。遊技球が第1種始動口27に入賞すると、特別図柄表示装置32が特別図柄の変動表示を開始する。また、遊技球が第1種始動口27に入賞すると、所定個数(たとえば、4個)の賞球が払出される。なお、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1種始動口27に入賞した場合は、その入賞による特別図柄の変動表示が保留され、その保留された変動表示は、現在行われている変動表示終了後に行われる。保留されている数(以下、特別図柄始動記憶数という)は特別図柄表示装置32の画面に数字や記号などで表示される。
その他遊技盤5には、風車24、LEDにより装飾された装飾風車46、発射された遊技球を遊技領域へ案内する案内レール16、遊技盤5の上方角部を装飾するコーナー飾り11、側部を装飾するサイド飾り20、どこにも入賞しなかった遊技球をアウト球として回収するアウト口45などが設けられている。なお、図示しないが、遊技盤5の盤面には、多くの遊技釘が打ち込まれており、発射された遊技球は遊技釘に衝突することによって流下方向が変化し、入賞口に入賞したり、右ゲート25または左ゲート26を通過したりする。
次に、パチンコ機1の主な電気的構成についてそれをブロックで示す図4を参照して説明する。
パチンコ機1には、主制御基板100が設けられており、その主制御基板100には、マイクロプロセッサ110が搭載されている。マイクロプロセッサ110は、メインCPU112と、ROM114と、RAM116とを備える。メインCPU112は、入賞の発生の検出、入賞数の演算、賞球および貸球の払出個数の監視、払出すべき賞球または貸球の数と実際に払出された賞球または貸球の数との誤差の演算、誤差の演算結果に基づく報知、大当りかハズレかの判定(以下、大当り判定という)、特別図柄の変動表示内容の決定など、遊技の進行に必要な主な制御および処理を行う。
ROM114には、メインCPU112が各種制御などを実行するための各種制御プログラム、制御プログラム実行時に参照する各種テーブルなどが記録されている。RAM116は、メインCPU112の処理結果などの遊技中に発生する各種データ、ROM114から読出された制御プログラムなどを一時的に格納し、電源遮断時に停電直前の遊技状態を示すデータなどをバックアップして記憶するバックアップ領域を備える。
また、払出制御基板200には、電源基板71、発射モータ15eを駆動するための発射モータ駆動基板15c、遊技枠情報端子基板52および払出中継基板55が電気的に接続されている。発射モータ駆動基板15cには、発射モータ駆動基板15cから発射モータ15eへ駆動信号を出力させるための発射スイッチ(SW)15dが電気的に接続されている。
盤面中継基板51には、普通電動役物28の両翼を開閉駆動する普通電動役物ソレノイド(SL)28aと、普通図柄表示装置34と、右ゲート25を通過した遊技球を検出する右ゲートスイッチ(SW)25a、左ゲート26を通過した遊技球を検出する左ゲートスイッチ(SW)26a、大入賞口41に入賞した遊技球を検出する大入賞口スイッチ(SW)41a、右入賞口22に入賞した遊技球を検出する右入賞口スイッチ(SW)22a、左入賞口23に入賞した遊技球を検出する左入賞口スイッチ(SW)23a、右下入賞口14に入賞した遊技球を検出する右下入賞口スイッチ(SW)14a、左下入賞口44に入賞した遊技球を検出する左下入賞口スイッチ(SW)44aおよび大入賞口中継基板50である。
電源基板71は、AC24V(50Hz/60Hz)の主電源70から電源の供給を受け、各基板および装置へ動作電源を供給する。図示しないが、電源基板71には、パチンコ機1の電源のON・OFFを行う電源スイッチ(SW)と、RAM116,216のバックアップ領域に記憶されているデータをクリアするためのRAMクリアスイッチとが設けられている。
次に、主制御基板および払出制御基板のハードウエア構成について図5ないし図9を参照して説明する。
図5は主制御基板および払出制御基板のハードウエア構成をブロックで示す説明図である。図6は主制御基板および払出制御基板に設けられた格納領域の説明図である。図7は賞球の払出個数が4個に設定されている入賞口(たとえば、第1種始動口27)に入賞したときにONする4個入賞スイッチ、賞球の払出個数が7個に設定されている入賞口(たとえば、右入賞口22、左入賞口23など)に入賞したときにONする7個入賞スイッチ、賞球コマンドおよび転送信号の出力タイミングを示すタイムチャートである。図8は払出装置62に設けられた後部払出センサ62b、前部払出センサ62aおよび払出モータ62cの動作タイミングを示すタイムチャートである。図9は払出装置62の払出動作のタイミングと、賞球および貸球のどちらを払出しているモードであるかを示す識別信号の変化のタイミングとを示すタイムチャートである。
図6に示すように、RAM116の格納領域の一部は、払出すべき賞球数の合計数を格納する賞球総数格納領域R1と、払出個数を監視すべき賞球数を格納する賞球監視数格納領域R2と、払出個数を監視すべき貸球数を格納する貸球監視数格納領域R3と、賞球および貸球の払出個数の誤差を格納する誤差格納領域R4とに設定されている。メインCPU112は、入賞が発生すると、その入賞に対応した賞球数を賞球総数格納領域R1に格納し、新たな入賞が発生すると、その入賞に対応した賞球数を賞球総数格納領域R1に格納されている賞球数に加算する。
また、RAM216の格納領域の一部は、払出すべき賞球または貸球の総数を格納する総払出数格納領域R5と、払出装置62が連続して払出す払出数を格納する払出数格納領域R6とに設定されている。サブCPU212は、メインCPU112から送信された賞球コマンドを受信する毎に、その賞球コマンドにより示される払出すべき賞球数を総払出数格納領域R5に格納し、新たな賞球数が発生する毎に、その発生した賞球数を総払出数格納領域R5に格納されている総払出数に加算する。
また、1個の賞球または貸球の払出しを検出する毎に払出数格納領域R6に格納されている払出数が1減算される。
また、RAM116の賞球監視数格納領域R2には、払出装置62が賞球を払出すモード(以下、賞球払出モードという)になっているときに払出数格納領域R6に格納されている払出数と同じ払出数が設定され、貸球監視数格納領域R3には、払出装置62が貸球を払出すモード(以下、貸球払出モードという)になっているときに払出数格納領域R6に格納されている払出数と同じ払出数が設定される。
また、1個の貸球の払出しを検出する毎に貸球監視数格納領域R3に格納されている貸球監視数が1減算され、貸球の払出しが終了したときに貸球監視数格納領域R3に残っている数を誤差として誤差格納領域R4に格納する。また、新たに貸球の誤差が発生した場合は、その誤差を誤差格納領域R4に格納されている誤差に加算する。
遊技球が入賞口に入賞し、入賞口スイッチがONすると、メインCPU112は、入賞の発生と判定し、その入賞口に対応して設定されている賞球数を賞球総数格納領域R1に格納する。このとき、既に賞球総数格納領域R1に所定の賞球総数が格納されている場合は、その所定の賞球総数に新たな賞球数を積算する。続いてメインCPU112は、上記賞球数の払出しを指示する賞球コマンドを出力する。その賞球コマンドは、図5に示すメインCPUバス102を通って出力ポート104を介して払出制御基板200の入力バッファ202に蓄積される。そして、メインCPU112は、賞球コマンドを出力してから所定のタイミングになると転送信号を出力する。その転送信号が、メインCPUバス102、出力ポート104、払出制御基板200の入力バッファ202を介してサブCPU212のトリガ入力に入力されると、入力バッファ202を通過した賞球コマンドが、サブCPUパラレルポート206、入力ポート208、サブCPUバス218を介してサブCPU212に取込まれる。
たとえば、総払出数格納領域R5に総払出数15個が格納されている場合は、払出数格納領域R6には払出数15個が設定される。また、総払出数格納領域R5に総払出数45個が格納されている場合は、払出数格納領域R6には上限の25個が設定される。
たとえば、500円単位で貸球が払出される設定がされている場合は、貸出ボタン81を1回押すと、100円分25個の貸球の払出しが5回繰り返され、500円分の125個の貸球が払出される。
また、前部払出センサ62aおよび後部払出センサ62bは、遊技球を検出したときに、遊技球を検出したことを示す払出検出信号をサブCPU212およびメインCPU112へ送信する。サブCPU212は、払出検出信号を受信する毎に払出数格納領域R6に格納されている払出数を1減算する。メインCPU112は、賞球払出モードになっているときに払出検出信号を受信すると、賞球監視数格納領域R2に格納されている賞球監視数から1減算し、貸球払出モードになっているときに払出検出信号を受信すると、貸球監視数格納領域R3に格納されている貸球監視数から1減算する。
つまり、メインCPU112は、賞球払出モードになっているときに賞球監視数を減算し、貸球払出モードになっているときに貸球監視数を減算することができるため、貸球の払出しを誤って賞球の払出しとして減算してしまうおそれがない。
次に、入賞または貸球要求の発生から、賞球または貸球の払出しまでの流れについて図10ないし図14を参照して説明する。
図10はメインCPU112が実行する払出監視処理の流れを示すフローチャートであり、図11は図10の続きを示すフローチャートである。図12はサブCPU212が実行する払出制御開始処理の流れを示すフローチャートである。図13はサブCPU212が実行する払出動作開始処理の流れを示すフローチャートである。図14は図13の続きを示すフローチャートである。
メインCPU112は、大入賞口スイッチ41a、第1種始動口スイッチ27aなどのスイッチから出力される入賞検出信号の変化に基づいて、入賞有りか否かを判定し(図10のステップ(以下、Sと略す)4)、入賞有りと判定した場合は(S4:Yes)、その入賞により払出すべき賞球数を判定する(S6)。続いてメインCPU112は、S6において判定した賞球数の払出しを命令する賞球コマンドをサブCPU212へ送信する(S8)。続いてメインCPU112は、賞球総数格納領域R1に格納されている賞球総数にS6において判定した賞球数を加算し、その加算結果を新たな賞球総数として賞球総数格納領域R1に格納する(S10)。続いてメインCPU112は、払出制御基板200から受信する払出信号がONしたか否か、つまり賞球または貸球が払出されたか否かを判定する(S12)。
続いてメインCPU112は、S16において格納した動作モードが賞球払出モードであったか否かを判定し(S18)、賞球払出モードであったと判定した場合は(S18:Yes)、賞球監視数が設定されていることを示す賞球監視数設定フラグがリセットされているか否かを判定する(S20)。
また、メインCPU112は、賞球総数が25個未満であると判定した場合は(S24:No)、その賞球総数を賞球監視数に設定し(S28)、賞球総数を0にする(S30)。
メインCPU112は、上記のように賞球監視数を設定すると、賞球監視数設定フラグをセットし(S36)、先のS12において払出検出信号のONを検出しているため、S28またはS32において設定した賞球監視数から1を減算し、それを新たな賞球監視数とする(S38)。また、メインCPU112は、賞球監視数設定フラグがリセットされていない、つまり賞球の払出しを監視中であると判定した場合は(S20:No)、賞球監視数から1を減算する(S38)。
そしてメインCPU112は、払出検出信号がONしていない、つまり賞球および貸球のいずれも払出されていないと判定した場合は(S12:No)、先のS16においてRAM116に格納されている動作モードをAに設定し(図11のS48)、サブCPU212から受信している識別信号のレベルがHレベルかLレベルかを判定する(S50)。続いてメインCPU112は、S50において識別信号のレベルがHレベルであると判定した場合は、現在の動作モードとして賞球払出モードをBに設定し、識別信号のレベルがLレベルであると判定した場合は、現在の動作モードとして貸球払出モードをBに設定する(S52)。
つまり、S54では、賞球の払出しを終了した後の最小休止時間T3が開始されたか否か、あるいは、25個の貸球の払出しを終了した後の休止時間T2が開始されたか否かを判定する。
なお、賞球監視数が0になっているのに払出検出信号がONした場合は、賞球が過剰に払出されているため、誤差は+(プラス)となる。また、賞球監視数が0になっていないのに払出検出信号がONしなくなった場合は、賞球が不足しているため、誤差は−(マイナス)となる。
なお、貸球監視数が0になっているのに払出検出信号がONした場合は、貸球が過剰に払出されているため、誤差は+(プラス)となる。また、貸球監視数が0になっていないのに払出検出信号がONしなくなった場合は、貸球が不足しているため、誤差は−(マイナス)となる。
続いてメインCPU112は、誤差格納領域R4に格納されている誤差が50を超えているか否かを判定し(S70)、50を超えていると判定した場合は(S70:Yes)、タイマT1作動フラグがセットされているか否かを判定する(S74)。ここで、タイマT1作動フラグがセットされていると判定した場合は(S74:Yes)、タイマT1のカウント値から1を減算し(S76)、タイマT1のカウント値が0になったか否か(10秒になったか否か)を判定する(S78)。ここで、タイマT1のカウント値が0になったと判定した場合は(S78:Yes)、払出異常報知LED4(図1)の点灯指示のコマンドをランプ制御基板300へ送信する(S80)。これにより、払出異常報知LED4が点灯し、払出異常を外部に報知することができる。
また、誤差が(−50個)を下回っている場合も払出異常報知LED4を点灯し、払出異常を外部に報知する(S72:Yes、S74〜S80)。
また、タイマT1のカウントを開始してから10秒に達する前に、誤差が50個を超えておらず、かつ、(−50個)を下回っていない状態になった場合は(S70:No、S72:No)、払出異常報知LED4を点灯しないで次の処理へ移行する。
なお、タイマT1により計測する時間は、パチンコ機1が設置されている島の上部に流れる球供給路から、パチンコ機1の裏側上方に設けられた球タンクに遊技球が供給され、その遊技球が払出装置62に供給されるまでに要する時間として十分な長さに設定する。つまり、払出検出信号がONしなくなったのは、パチンコ機1に遊技球が供給されていないことに起因するものである可能性があるため、払出検出信号がONしなくなってから所定時間待ってから、払出異常か否かを判定する。メインCPU112が上記払出監視処理を実行するためのコンピュータプログラムは、ROM114に格納されている。
サブCPU212は、貸球切れ検出スイッチ61および賞球切れ検出スイッチ73からの検出信号に基づいて、払出し可能な貸球および賞球が途切れていないか否かを判定し(図12のS92)、途切れていないと判定した場合は(S92:No)、下皿満杯検出スイッチ72からの検出信号に基づいて、下受け皿7が満杯状態になっているか否かを判定する(S94)。ここで、満杯状態になっていないと判定した場合は(S94:No)、メインCPU112から送信された賞球コマンドを受信したか否かを判定し(S96)、受信したと判定した場合は(S96:Yes)、その受信した賞球コマンドにより示される賞球数を総払出数格納領域R5に格納されている総払出数に加算することにより、総払出数を更新する(S98)。
つまり、S100ないしS104では、受信した賞球コマンドに基づいて賞球を払出すことができる状態になっているか否かを判定する。
続いてサブCPU212は、総払出数格納領域R5に格納されている総払出数が25個以上であるか否かを判定し(S108)、25個以上であると判定した場合は(S108:Yes)、連続払出上限値の25個を払出数に設定する(S122)。また、総払出数が25個未満であると判定した場合は(S108:No)、その総払出数を払出数に設定する(S110)。
つまり、S114ないしS118では、受信した貸球要求信号に基づいて貸球を払出すことができる状態になっているか否かを判定する。
続いてサブCPU212は、未払い数がないと判定した場合は(S118:No)、識別信号のレベルをL(ロー)に設定する(S120)。つまり、貸球の払出しを開始する状態になったことをメインCPU112へ知らせる。続いてサブCPU212は、貸球を25個単位で払出すため、払出数に25個を設定する(S122)。
サブCPU212は、払出モータ62cへ駆動信号であるパルス信号を出力し、払出モータ62cを駆動する(図13のS130)。続いてサブCPU212は、前部払出センサ62aまたは後部払出センサ62bがONしているか否か、つまりいずれかの払出センサからの払出検出信号がONしているか否かを判定し(S132)、ONしていると判定した場合は(S132:Yes)、その払出センサによる遊技球の検出が正常か否かを判定する(S134)。たとえば、払出球検出信号がONしている時間が所定時間以上である場合は、検出部分で球詰まりが発生して検出時間が長くなっていると推定し、異常と判定し、所定時間未満である場合は正常と判定する。ここで異常と判定した場合は、再度、払出モータ62cを駆動させて払出動作(払出リトライ動作)を行わせる(S136)。
続いてサブCPU212は、払出装置62が賞球または貸球を連続で25個払出したか否かを判定し(図14のS150)、連続で25個払出していないと判定した場合は(S150:No)、識別信号をLに設定する(S152)。つまり、払出装置62が休止時間T3の休止を開始したことをメインCPU112に知らせる。
続いてサブCPU212は、タイマT3のカウンタに100をセットする(S154)。タイマT3は、払出装置62の休止時間T3を計測し、この実施形態では、休止時間T3は、2ms×100=0.2秒である。続いてサブCPU212は、タイマT3のカウント値から1を減算する(S156)。
続いてサブCPU212は、タイマT2のカウンタに150をセットする(S162)。タイマT2は、払出装置62の休止時間T2を計測し、この実施形態では、休止時間T2は、2ms×150=0.3秒である。続いてサブCPU212は、タイマT2のカウント値から1を減算する(S164)。
なお、休止時間T3またはT2を計測中でも、メインCPU112から賞球コマンドが送信されれば、それを受信し、その賞球コマンドにより示される賞球数を総払出数に加算する(図12のS96およびS98)。
そして、サブCPU212は、休止時間T3およびT2の計測が終了すると(図12のS100:No、S102:No、S114:No、S116:No)、次の賞球または貸球を払出す(図12のS104〜S110、S118〜S122、図13、図14)。
なお、サブCPU212が前記払出制御開始処理および払出動作開始処理を実行するためのコンピュータプログラムは、ROM214に格納されている。
(1)以上のように上記第1実施形態のパチンコ機1を使用すれば、メインCPU112は、払出検出信号および識別信号に基づいて、払出装置62から払出された賞球および貸球をそれぞれ識別して計数するため、払出された賞球を計数すべきところを誤って貸球を計数してしまうことがない。
しかも、払出装置が1つで済むため、製造コストを低減することもできる。
従って、貸球の払出しを誤って賞球の払出しとして判定することがなく、かつ、製造コストを低減することができるパチンコ機を実現することができる。
(2)また、賞球および貸球の誤差が50個を超えた、あるいは、(−50)個を下回ったことを報知できる。
(3)さらに、誤差の許容範囲をプラスおよびマイナスの両方に亘って設定しているため、払出装置62の払出精度の誤差がプラス方向またはマイナス方向へふらついた場合であっても、それによって払出異常の報知がされないようにすることができる。
つまり、払出装置62の払出精度の誤差によって頻繁に報知がされてしまうおそれがない。
また、誤差が、プラスおよびマイナスの一方に蓄積しても、その後、他方に蓄積することにより、結果として誤差が相殺されれば、収支の面からは極端に払出しに異常が発生しているとはいえないから、プラスおよびマイナスの両方に誤差の許容範囲を広げることにより、誤差による報知が頻繁に発生することがないため、パチンコ機を円滑に運用することができる。
従って、報知があったときに賞球または貸球の払出しを中断させ、誤差の原因を調べ、その原因を取り除くようにすれば、誤差による遊技者または遊技店の被害を小さくすることができる。
(5)また、サブCPU212は、休止時間が開始されたときに識別信号のレベルを切替えるため、メインCPU112は、その切替を認識することにより、払出装置62が休止時間になっていることを検知することができる。
したがって、メインCPU112は、払出検出信号を検出していない状態において、上記切替が行われたことを認識すれば、払出装置62が休止時間になったために賞球または貸球の払出しが停止しているのであって、球噛みや球補給の不具合などにより払出検出信号が停止しているのではないと判定することができる。
次に、この発明の第2実施形態について図15を参照して説明する。図15は、この実施形態のパチンコ機に備えられたメインCPU112が実行する払出監視処理の一部を示すフローチャートである。この実施形態のパチンコ機は、賞球および貸球の誤差をそれぞれ個別に演算するとともに、各誤差が所定値に達した場合に個別に報知することを特徴とする。なお、賞球または貸球の誤差の演算から報知までの処理以外は、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同じ構成および機能であるため、その同じ部分の説明を省略し、同じ構成については同じ符号を用いる。
メインCPU112は、前述の第1実施形態にて説明した払出監視処理のS4〜S46(図10)およびS48〜S68(図11)と同じ処理を実行する。ただし、S58では、賞球監視数格納領域R2に格納されている賞球監視数を、誤差格納領域R4に格納されている賞球誤差に加算し、それを新たな賞球誤差として誤差格納領域R4に格納する。また、S62では、貸球監視数格納領域R3に格納されている貸球監視数を、誤差格納領域R4に格納されている貸球誤差に加算し、それを新たな貸球誤差として誤差格納領域R4に格納する。
また、賞球誤差または貸球誤差が(−50個)を下回っている場合も、賞球払出異常報知LEDおよび貸球払出異常報知LEDの一方または両方を点灯させる(S71:Yes、S74〜S79)。
なお、メインCPU112が上記払出監視処理を実行するためのコンピュータプログラムは、ROM114に格納されている。
(1)以上のように上記第2実施形態のパチンコ機1を使用すれば、払出すべき賞球の数と計数された賞球の数との誤差と、払出すべき貸球の数と計数された貸球の数との誤差とを個別に演算し、誤差が所定値に達したことを個別に報知することができるため、賞球および貸球のどちらに誤差が発生したのかを識別することができる。
したがって、賞球に誤差が発生したことが分かった場合は、入賞の検出から賞球の払出しに至るまでに関係する部分を対象として誤差の原因を調査し、その原因を取り除くことができる。また、貸球に誤差が発生したことが分かった場合は、貸球要求信号の発生から貸球の払出しに至るまでに関係する部分を対象として誤差の原因を調査し、その原因を取り除くことができる。
つまり、賞球と貸球とで誤差の原因を個別に調査し、その原因を個別に取り除くことができる。
(2)また、賞球または貸球が所定個数連続して払出され、休止時間T3またはT2が開始される毎に賞球および貸球の誤差をそれぞれ演算し、各誤差がそれぞれ50個を超えた、あるいは、(−50)個を下回ったことを報知することができる。
従って、報知があったときに賞球または貸球の払出しを中断させ、誤差の原因を調べ、その原因を取り除くようにすれば、誤差による遊技者または遊技店の被害を小さくすることができる。
なお、上記第2実施形態のパチンコ機は、賞球または貸球の誤差の演算から報知までの処理以外は、前述の第1実施形態のパチンコ機1と同じ構成および機能であるため、前述の第1実施形態の効果(1)、(3)および(5)を奏することができる。
(1)前記各実施形態では、識別信号をHレベルまたはLレベルに切り替えることにより、賞球払出モードであるか貸球払出モードであるかを識別する内容を説明したが、どちらのモードであるかを示すコマンドをサブCPU212からメインCPU112へ送信する構成でもよい。
(2)前記実施形態において記載した数値は一例であり、他の数値に変更することもできる。たとえば、連続払出上限値を25個以外の数値に設定することもできる。また、賞球の連続払出上限値を貸球の連続払出上限値と異なる数値に設定することもでき、それに伴って賞球監視数を変更することもできる。さらに、払出異常報知LEDを点灯させるか否かの基準となる誤差は、50個または(−50個)以外の数値でもよい。
さらに、前記各実施形態では、タイマT1の計測時間として10秒を設定したが、パチンコ機の仕様に応じて変更することができる。また、タイマT2,T3により計測する時間も、払出モータ62cの性能、その取付箇所の材質、構造などに応じて変更することができる。
(3)LEDの点滅パターンを異ならせることにより、賞球および貸球のどちらの払出しに異常が発生したのかを報知することもできる。また、複数色を発光するLEDを使用し、その発光色により、払出しに異常が発生した方を報知することもできる。なお、LEDは、1つでも複数でもよい。
(請求項1)
大入賞口41、特定領域、第1種始動口27、右入賞口22、左入賞口23、右下入賞口14および左下入賞口44が入賞口に対応し、大入賞口スイッチ41a、特定領域スイッチ42a、第1種始動口スイッチ27a、右入賞口スイッチ22a、左入賞口スイッチ23a、右下入賞口スイッチ14aおよび左下入賞口スイッチ44aが入賞球検出手段に対応する。また、賞球コマンドが賞球数信号に対応し、メインCPU112が賞球数信号出力手段に対応する。さらに、貸出ボタン81が操作手段に対応し、サブCPU212が払出制御手段に対応する。前部払出センサ62aおよび後部払出センサ62bが払出球検出手段に対応する。
サブCPU212が実行する払出制御開始処理のS106、S120(図12)および払出動作開始処理のS152、S160(図14)が、識別信号出力手段として機能する。また、メインCPU112が実行する払出監視処理のS14〜S46(図10)が計数手段として機能する。
32 特別図柄表示装置
41 大入賞口(入賞口)
41a 大入賞口スイッチ(入賞球検出手段)
62 払出装置
62a 前部払出センサ(払出球検出手段)
62b 後部払出センサ(払出球検出手段)
112 メインCPU112(賞球数信号出力手段)
212 サブCPU(払出制御手段)
Claims (1)
- 入賞口が設けられた遊技盤と、
この遊技盤へ遊技球を発射する遊技球発射装置と、
この遊技球発射装置により発射され、前記入賞口へ入賞した遊技球を検出して入賞検出信号を出力する入賞球検出手段と、
前記入賞検出信号を入力し、その入力した入賞検出信号に基づいて賞球数を示す賞球数信号を出力する賞球数信号出力手段と、
貸球の払出し要求を行うときに遊技者が操作する操作手段と、
賞球または貸球を休止時間を挟んで所定個数連続して払出す払出装置と、
前記操作手段の操作に基づいて発生した貸球の払出し要求を示す貸球要求信号、または、前記賞球数信号を入力し、その入力した貸球要求信号または賞球数信号に基づいて前記払出装置の払出動作を制御する払出制御手段と、
前記払出装置から払出される賞球の検出および貸球の検出を兼用するとともに、その検出結果を示す払出検出信号を出力する払出球検出手段と、
前記払出装置が前記賞球を払出していない期間および前記貸球を払出している期間は第1の信号を出力し、前記払出装置が前記賞球を払出している期間は第2の信号を出力し、かつ、前記払出装置が前記賞球または貸球を前記所定個数連続して払出すときの前記休止時間の期間は、その休止時間が始まるまで出力していた一方の信号を他方の信号に切替え、その休止時間が終わったときは、それまで切り替えていた前記他方の信号を前記一方の信号に戻す識別信号出力手段と、
前記払出検出信号と、前記第1の信号または第2の信号とを入力し、その入力した払出検出信号と、前記第1の信号または第2の信号とに基づいて、前記払出装置から払出された賞球および貸球をそれぞれ識別して計数する計数手段と、
を備えたことを特徴とするパチンコ機。
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