JP4244749B2 - ハイドロフォーミング性およびバーリング性に優れた溶接鋼管およびその製造方法 - Google Patents

ハイドロフォーミング性およびバーリング性に優れた溶接鋼管およびその製造方法 Download PDF

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本発明は、自動車の構造部材や足回り部材などの使途に好適な溶接鋼管に係り、とくにハイドロフォーミングにおける加工性(ハイドロフォーミング性)および穴あけ後その穴をポンチで拡げるバーリングにおける加工性(バーリング性)の改善に関する。
自動車用の構造部材として、種々の断面形状をもつ中空部材が使用されているが、従来、このような中空部材の製造方法としては、鋼板のプレス加工によって成形した部品同士をスポット溶接で接合して製造する方法が採用されてきた。
しかし、最近、自動車の構造部材用中空部材には、衝突時のより高い衝撃吸収能を有することが要求され、一層高強度化された素材が使用されるようになっている。このため、従来のプレス成形による方法では、成形欠陥がなく、また形状・寸法精度に優れた部材を製造することが次第に困難になってきている。
このような問題を解決するための新しい成形方法として、最近、ハイドロフォーミングが注目されている。ハイドロフォーミングは、鋼管の内部に高圧液体を注入して所望形状の部材に成形する成形方法であり、鋼管の断面寸法を拡管加工などにより変化させて、複雑な形状の部材を一体成形でき、強度・剛性を高めることができる優れた成形法である。
ところで、このハイドロフォーミングに供される鋼管としては、容易に強度が得られ、かつ安価であるC:0.10〜0.20質量%の低、中炭素鋼板からなる電縫鋼管が用いられることが多かった。しかしながら、このような低、中炭素鋼板からなる電縫鋼管にハイドロフォーミングを施すと、電縫鋼管自体の加工性がよくないために、十分な拡管を行うことができないという問題があった。
このような問題点に対し、電縫鋼管の加工性を高めるために、素材として、炭素量を著しく低減した極低炭素鋼板を用いることが考えられる。しかし、極低炭素電縫鋼管の場合には、ハイドロフォーミング性はよいものの、鋼管製造時の溶接熱により、シーム部近傍の結晶粒が粗大化して軟化するため、拡管時の変形がシーム部近傍に局部的に集中して、素材が持つ高延性を十分に発揮できないという問題がある。このため、ハイドロフォーミングに十分耐えられる素材特性とシーム部品質を有する溶接鋼管が強く要望されている。
この要望に応じて、特許文献1に、質量%で、C:0.05〜0.2 %、Si:1.0 %以下、Mn:1.5 %以下、P:0.1 %以下、S:0.01%以下、Al:0.1 %以下、N:0.01%以下を含み、あるいはさらに、A群および/またはB群(A群:Cr:0.1 %以下、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Cu:1.0 %以下、Ni:1.0 %以下、Mo:1.0 %以下、B:0.01%以下のうちの1種または2種以上、B群:Ca:0.02%以下、REM :0.02%以下のうちの1種または2種)を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する溶接鋼管であって、引張強さ(以下、TSと記す。)が400MPa以上、n値とr値の積、n×rが0.22以上であることを特徴とするハイドロフォーミング性に優れた溶接鋼管が提案されている。この溶接鋼管は、前記組成の溶接鋼管を素材鋼管として、該素材鋼管に加熱処理または均熱処理を施したのち、累積縮径率:35%以上で、 圧延終了温度:500 〜900 ℃とする絞り圧延(好ましくはAr3変態点以下の温度域における累積縮径率が20%以上)を施すことにより製造される。
特開2003−49245号公報
一方、近年、ハイドロフォーミング性のみならず、ハイドロフォーミング後に、バーリングと呼ばれる、穴あけ後その穴をポンチで拡げるという厳しい加工を受けても割れが発生しにくい特性すなわちバーリング性にも優れた溶接鋼管が要求されるようになってきた。しかし、前記特許文献1に記載された溶接鋼管は、ハイドロフォーミング性には優れるものの、バーリング性の点では不十分であった。
そこで、本発明は、ハイドロフォーミング性に加えバーリング性にも優れるTS400MPa以上の溶接鋼管をその適切な製造方法とともに提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために、前記特許文献1に記載された溶接鋼管をベースとして鋭意検討し、その結果、C、Sの低減と組織における第2相(:フェライト相以外の相)の分率の低減により局部伸びが増加して十分なバーリング性を確保でき、また、Cの低減による強度低下をMn、Siの増量により補償してTS≧400MPaを確保できることを見いだし、本発明をなした。
すなわち、本発明は、質量%で、C:0.01%以上0.05%未満、Si:1.5%以下、Mn:0.2〜3.5%、S:0.002%未満、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、組織が全部ベイニティックフェライト組織、または、ポリゴナルフェライト組織:1〜40体積%を含み残部がベイニティックフェライト組織からなり、かつ、長手方向に垂直な断面(C断面)でのフェライトの(110)面のインバース強度比が2.0以上、あるいはさらに円周方向に垂直な断面(L断面)でのフェライトの(200)面のインバース強度比が2.0以上の集合組織を有することを特徴とするハイドロフォーミング性およびバーリング性に優れた引張強さ400MPa以上の溶接鋼管である。
本発明では、前記組成に加えてさらに、A群: Cr:0.1 %以下、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちの1種または2種以上、および/または、B群:Ca:0.02%以下、REM :0.02%以下のうちの1種または2種、を含有してもよい。
また、本発明は、質量%で、C:0.01%以上0.05%未満、Si:1.5%以下、Mn:0.2〜3.5%、P:0.1%以下、S:0.002%未満、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含み、あるいはさらに、A群: Cr:0.1 %以下、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちの1種または2種以上、および/または、B群:Ca:0.02%以下、REM :0.02%以下のうちの1種または2種、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する溶接鋼管を素材鋼管として、該素材鋼管に加熱処理または均熱処理を施したのち、累積縮径率:30%以上で、 圧延終了温度:650〜900℃とする絞り圧延を施すことを特徴とするハイドロフォーミング性およびバーリング性に優れた引張強さ400MPa以上の溶接鋼管の製造方法である。この製造方法では、絞り圧延後の鋼管を3℃/s以上の平均冷却速度で400℃以下まで冷却する。
本発明によれば、適正な圧延集合組織を形成し、強度を落とすことなく、高r値化、高n値化、高延性化を達成できるので、優れたハイドロフォーミング性が得られ、かつ、第2相の分率が低減して局部伸びが向上するので、優れたバーリング性が得られる。
まず、本発明で用いる鋼の組成を上記のように規定した理由について説明する。以下、組成に関する質量%は単に%と記す。
C:0.01%以上0.05%未満
Cは、鋼の強度増加に寄与する元素であるが、0.05%以上含有すると第2相の分率が増加して局部伸びが低下し、バーリング性が悪化する。一方、0.01%未満の含有では、所望の引張強さを確保することが困難になる。このため、Cは0.01%以上0.05%未満の範囲とした。
Si:1.5%以下
Siは、鋼の強度を増加させる元素であり、所望の強度に応じて好ましくは0.01%以上含有させるが、過剰に含有すると、表面性状の顕著な悪化を招き、ハイドロフォーミング性が低下する。このため、本発明ではSiは1.5%以下とした。なお、好ましくは1%以下である。
Mn:0.2〜3.5%
Mnは、表面性状および溶接性を低下させることなく、強度を向上させる元素であり、低C量の範囲で所望の強度を確保するために、0.2%以上とした。一方、3.5%を超えて含有すると、ハイドロフォーミング時の限界拡管率の低下を招き、ハイドロフォーミング性が低下する。このため、Mnは3.5%以下に限定した。なお、好ましくは、0.2〜2%である。
S:0.002%未満
Sは、鋼中で非金属介在物として存在し、この非金属介在物を起点としてハイドロフォーミング後のバーリング時に穴広げの歪が小さい段階で穴の周縁に亀裂が発生しやすいため、バーリング性を悪化させる。このバーリング性の悪化を防止するために、Sは0.002%未満に制限する必要がある。また、更なるバーリング性向上の観点から、Sは0.001%以下とすることが好ましい。なお、Sの非金属介在物は、ハイドロフォーミング時に鋼管が破断(バースト)する起点となってハイドロフォーミング性を低下させるため、それを防ぐべく特許文献1ではS量を0.01%以下としているが、より加工の厳しいバーリングに対しては本発明で規定する如くS量の上限を特許文献1よりも格段に低くする必要がある。
Al:0.1%以下
Alは、脱酸剤として作用するとともに、結晶粒の粗大化を抑制する有用な元素であり、0.01%以上含有することが望ましい。しかし、0.1%を超えて含有すると、バーリング時の亀裂の発生起点となりやすい酸化物系介在物量が増加し、バーリング性が悪化するので、Alは0.1%以下とした。
本発明では、上記した素材鋼管に、まず、加熱処理または均熱処理が施される。素材鋼管に施す加熱処理の温度条件は、とくに限定されないが、700〜1100℃とすることが、後述する絞り圧延条件を満足するために好ましい。もっとも、素材鋼管の製造が温間または熱間で行われ、絞り圧延に際し、充分な温度を保有している場合には、管温度分布の均熱化のために均熱処理を施すのみで充分である。素材鋼管の保有する温度が低い場合には加熱処理を施すことはいうまでもない。
N:0.01%以下
Nは、Alと結合して結晶粒を微細化する元素であり、このためには0.001 %以上含有することが望ましいが、0.01%を超えて含有すると、延性を劣化させる。このため、Nは0.01%以下とした。
A群:Cr:0.1%以下、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちの1種または2種以上
Cr、Ti、Nb、Cu、Ni、Mo、Bは、いずれも延性を損なうことなく、強度を向上させることができる有用な元素であり、必要に応じ選択して含有できる。このような効果は、Cr、Ti、Nb、Cu、Ni、Moでは0.01%以上の含有で、Bでは0.0001%以上の含有で顕著に認められるが、Crで0.1%を、Ti、Nbで0.05%を、Cu、Ni、Moで1%を、Bで0.01%を超えて含有してもその効果が飽和し、含有量に見合う効果が期待できず、経済的に不利になるほか、かえって、延性、溶接性や鋼の熱間加工性および冷間加工性を低下させる。このため、Cr:0.1%以下、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下とすることが好ましい。
B群:Ca:0.02%以下、REM :0.02%以下のうちの1種または2種
Ca、REM は、いずれも非金属介在物の形態を球状とし、ハイドロフォーミング性を向上させる作用を有する元素であり、必要に応じ選択して含有できる。このような効果は、Ca、REM ともに0.0020%以上の含有で顕著となる。一方、0.02%を超えて含有すると、介在物量が多くなりすぎて清浄度が低下する。このため、Ca、REM ともに0.02%以下とすることが好ましい。なお、Ca、REM の両者を併用する場合には合計量で0.03%以下とすることが好ましい。
上記した成分以外の残部はFeおよび不可避的不純物である。不可避的不純物のうち、Pは0.05%以下、Oは0.01%以下が許容される。
次に、本発明の溶接鋼管は、組織の全部がベイニティックフェライト組織、または、その体積率1〜40%の部分がポリゴナルフェライト組織で置き換わった組織となっているものである。この組織とすることで、第2相分率が低減し、局部伸びが向上してバーリング性に優れたものとなる。なお、強度と延性のバランスの観点から、ポリゴナルフェライト組織の平均結晶粒径は5μm以下であることが好ましい。ここで、鋼管の組織は、長手方向に垂直な断面(C断面)をナイタールで腐食して現出させた組織を光学顕微鏡で観察して標準組織と比較することにより同定され、該同定された組織に係る体積率や平均結晶粒径は画像解析装置を用いて測定される。
また、本発明の溶接鋼管は、高r値化、高n値化の観点から、長手方向に垂直な断面でのフェライトの(110)面のインバース強度比が2.0以上、あるいはさらに円周方向に垂直な断面でのフェライトの(200)面のインバース強度比が2.0以上の集合組織を有するものとした。これにより、優れたハイドロフォーミング性が得られる。ここで、インバース強度比は、測定試料にX線を照射し、得られた各結晶面からの回折強度を測定し、結晶方位がランダムな試料の回折強度との比をとることにより求められる。
上記の組成、組織および集合組織を有する本発明の溶接鋼管は、TS400MPa以上の高強度を有し、ハイドロフォーミング性とバーリング性に優れる。ハイドロフォーミング性は、ハイドロフォーミング加工装置(例えば特許文献1の図2に示されたもの)を用いて軸方向圧縮を付与した自由バルジ試験を行って限界拡管率を測定し、その値で評価される。ここで、限界拡管率=(dmax−d0)/d0(×100%);dmax:バースト(破断)時の最大外径(=バースト部分の周長/円周率)、d0:試験前の外径、である。一方、バーリング性は、図1に示すような穴拡げ試験により評価される。すなわち、ハイドロフォーミング後の管から切り出して平板化した試験片1に初期径Φ0=10mmの穴2を打ち抜き、この穴2にポンチ3を下方から押し込んで穴径を拡げていき、穴2の周縁に生じた亀裂が板厚を貫通した時点でポンチ3の押し込みを停止して、拡がった穴2の径Φを測定し、式:(Φ−Φ0)/Φ0(×100%)で穴拡げ率を算出し、その値で評価される。
次に、本発明溶接鋼管の製造方法について説明する。
本発明では、上記した組成を有する溶接鋼管を素材鋼管として用いるが、この素材鋼管の製造手段はとくに限定されない。帯鋼を、冷間あるいは温間または熱間でロール成形あるいは曲げ加工してオープン管とし、該オープン管の両エッジ部を、誘導加熱を利用し融点以上に加熱しスクイズロールで衝合溶接する電気抵抗溶接法、あるいは、前記オープン管の両エッジ部を、誘導加熱を利用し融点未満の固相圧接温度域に加熱しスクイズロールで衝合圧接する固相圧接法、あるいは鍛接法、などがいずれも好適に用いることができる。なお、素材鋼管の製造に使用する帯鋼は、上記した組成の鋼を溶製した後、連続鋳造法あるいは造塊−分塊法によりスラブとし、該スラブを、熱間圧延により熱延鋼板とするか、さらに冷間圧延−焼鈍により冷延鋼板とした、熱間圧延鋼板、あるいは冷間圧延鋼板が好適に利用できる。
さらに、上記の加熱処理または均熱処理に次いで、累積縮径率:30%以上で、 圧延終了温度:650〜900℃とする絞り圧延が施される。
この絞り圧延において、累積縮径率が30%に満たないと、所望の組織および集合組織が得られず、ハイドロフォーミング性、バーリング性が低下してしまうので、累積縮径率は30%以上とした。累積縮径率の上限については、特に限定されないが、偏肉の低減や生産性の観点から95%程度とするのがよい。
また、圧延終了温度が650℃未満の場合、または900℃を超える場合も、所望の組織および集合組織が得られず、ハイドロフォーミング性、バーリング性が低下してしまうので、圧延終了温度は、650〜900℃とした。
上記の絞り圧延は、レデューサと称される、複数の孔型圧延機をタンデムに配列した絞り圧延装置を用いることにより、効率良く実施することができる。
さらに、本発明では、組織を微細化して強度、延性をより向上させる観点から、絞り圧延後の鋼管を3℃/s以上の平均冷却速度で400℃以下の温度域に設けた冷却停止温度まで冷却する。ここでいう平均冷却速度は、圧延終了温度から上記冷却停止温度までの間の平均冷却速度である。このような圧延後冷却は、上記レデューサの出側に水スプレーやミストを吹き付ける装置を配置し、適宜の条件に設定して稼動させることにより、容易に実施することができる。
表1に示す組成の鋼板(熱延鋼板または焼鈍済み冷間圧延鋼板)を、表2に示す条件でオープン管状にロール成形した後、管周方向の両端を誘導加熱により加熱し衝合接合して、溶接鋼管とした。
これら溶接鋼管を素材鋼管(素管)として表2に示す条件で絞り圧延を行い、表2に示すサイズの製品鋼管(製品管)を得た。得られた製品鋼管について、以下の調査を行った。
・JIS 11号引張試験片実質を採取し、引張試験を行って降伏強さYS、引張強さTS、伸びElを測定した。
・JIS 12号A引張試験片を採取し(試験方向は長手方向に平行)、引張試験を行って次式によりn値、r値を測定した。
n=ln(σ10/σ5)/ln(ε10/ε5)
ここで、σ,εは真応力,真歪、下付添字は測定段階での公称歪の%値である。
r=ln(W0/W)/ln(t0/t)≒ln(W0/W)/ln(L/(L00))
ここで、t,W,Lは板厚、板幅、ゲージ長、下付添字は測定段階での公称歪の%値であり、x=6〜7%、L0=2mmとした。
・前述のハイドロフォーミング加工装置を用いて軸方向圧縮を付与した自由バルジ試験を行って限界拡管率を測定した。
・拡管率40%までハイドロフォーミングした後、前述の穴拡げ試験を行って穴拡げ率を測定した。
・前述の方法で組織および集合組織を調査した。
上記調査により得られた結果を表3に示す。なお、表3にはYR(=YS/TS)も示した。
Figure 0004244749
Figure 0004244749
Figure 0004244749
本発明例は、いずれも所望の組織および集合組織が得られ、TSが400MPaであって、優れたハイドロフォーミング性およびバーリング性を具備するものとなっている。なお、本発明例の溶接鋼管の組織は、例えば図2に示すように、比較例よりも微細でかつ第2相の分率が低かった。
穴広げ試験の概要を示す説明図である。 (a)は本発明例No.1、(b)は比較例No.13の溶接鋼管の組織を示す光学顕微鏡写真の複写図である。
符号の説明
1 試験片
2 穴
3 ポンチ

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.01%以上0.05%未満、Si:1.5%以下、Mn:0.2〜3.5%、S:0.002%未満、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含み、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有し、組織が全部ベイニティックフェライト組織、または、ポリゴナルフェライト組織:1〜40体積%を含み残部がベイニティックフェライト組織からなり、かつ、長手方向に垂直な断面でのフェライトの(110)面のインバース強度比が2.0以上、あるいはさらに円周方向に垂直な断面でのフェライトの(200)面のインバース強度比が2.0以上の集合組織を有することを特徴とするハイドロフォーミング性およびバーリング性に優れた引張強さ400MPa以上の溶接鋼管。
  2. 前記組成に加えてさらに、A群: Cr:0.1 %以下、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちの1種または2種以上、および/または、B群:Ca:0.02%以下、REM :0.02%以下のうちの1種または2種、を含有することを特徴とする請求項1記載のハイドロフォーミング性およびバーリング性に優れた引張強さ400MPa以上の溶接鋼管。
  3. 質量%で、C:0.01%以上0.05%未満、Si:1.5%以下、Mn:0.2〜3.5%、P:0.1%以下、S:0.002%未満、Al:0.1%以下、N:0.01%以下を含み、あるいはさらに、A群: Cr:0.1 %以下、Nb:0.05%以下、Ti:0.05%以下、Cu:1%以下、Ni:1%以下、Mo:1%以下、B:0.01%以下のうちの1種または2種以上、および/または、B群:Ca:0.02%以下、REM :0.02%以下のうちの1種または2種、を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる組成を有する溶接鋼管を素材鋼管として、該素材鋼管に加熱処理または均熱処理を施したのち、累積縮径率:30%以上で、 圧延終了温度:650〜900℃とする絞り圧延を施し、さらにその後3℃/s以上の平均冷却速度で400℃以下まで冷却することを特徴とするハイドロフォーミング性およびバーリング性に優れた引張強さ400MPa以上の溶接鋼管の製造方法。
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