JP4244711B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に係り、特に、像担持体から記録材に画像を転写する転写速度と、記録材に転写された画像を定着する定着速度とを異ならせて画像形成を行う画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の画像形成装置として、例えば感光体や中間転写体等の像担持体上に形成されたトナー像を転写装置で記録材上に転写し、記録材上に転写されたトナー像を定着装置で加熱定着するようにしたものが知られている。このような画像形成装置にあっては、転写後の記録材を安定した状態で定着装置に搬送する目的で、通常、転写装置と定着装置との間に、搬送ベルト等からなる搬送装置が設けられる。
【0003】
この種の画像形成装置では、生産性の確保という観点から、記録材として最も使用頻度の高い用紙(例えば普通紙)に対する画像形成プロセスを標準とし、転写装置における記録材の搬送速度(以下、転写速度という)、搬送装置における記録材の搬送速度(以下、搬送速度という)、および定着装置における記録材の搬送速度(以下、定着速度という)が略一定となるように装置設計を行う。このような装置設計を行った場合、例えば記録材として厚紙を使用する場合には、転写装置における記録材へのトナー像の転写および搬送装置における記録材の搬送には問題を生じないが、定着装置では厚紙の熱容量が普通紙よりも大きいことから、定着熱量が不足し、トナー像を構成するトナーが加熱溶融されないまま記録材上に残留してしまうおそれがあった。
【0004】
そこで、記録材が例えば普通紙の場合には搬送速度および定着速度を転写速度と略同速に設定する一方、記録材が例えば厚紙の場合には転写速度よりも定着速度を遅く設定することで、記録材が定着装置で加熱される時間を長く確保するようにした技術が存在する(特許文献1参照)。そして、この特許文献1には、記録材の先端が定着装置に突入する前であってその後端が転写装置から排出されるまでの間は搬送速度を転写速度と略同速に設定し、この記録材の後端が転写装置から排出された後であってその先端が定着装置に突入するまでの間に搬送速度を定着速度と略同速に変更し、記録材の先端が定着装置から排出された後であってその後端が搬送装置から排出されるまでの間は搬送速度を定着速度と略同速に設定することが記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−171277号公報(第4-5頁、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した画像形成装置では、記録材の後端が搬送装置から排出されるまで搬送速度が定着速度と略同速に設定されることになり、その間は転写速度で搬送されてくる次の記録材を搬送装置に供給することができない。これを具体的に説明すると、転写速度で搬送される次の記録材が定着速度で駆動され前の記録材を搬送している搬送装置に突入すると、記録材に次の記録材が追突したり、あるいは、次の記録材が搬送装置上でたるみ、ループを形成してしまうといった問題が生じる。
このため、従来においては、転写速度に対して定着速度を低速に設定する場合に、記録材と次の記録材との間の供給間隔を広く設定せざるを得ず、生産性が著しく低下していた。
【0007】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、転写速度に対して定着速度を低下させる場合にも、生産性の低下を抑制することにある。
また、本発明の他の目的は、複数の定着速度を有する場合にも、各定着速度における生産性の低下を抑制することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、像担持体に形成された画像を記録材に転写する転写部と、転写部で記録材に転写された画像を定着する定着部と、記録材の搬送方向長さが異なる複数の搬送ベルトを有し、複数の搬送ベルトを用いて転写部から定着部まで記録材を搬送する搬送部とを含んでいる。
【0009】
ここで、複数の搬送ベルトをそれぞれ独立に駆動する駆動部をさらに含むことを特徴とすることができる。また、転写部の記録材出口から定着部の記録材入口までの距離が、搬送可能な最大サイズの記録材より長く設定されていることを特徴とすることができる。さらに、定着部にて定着される記録材の搬送速度と転写部にて転写される記録材の搬送速度とが異なる場合に、複数の搬送ベルトを構成する各搬送ベルトがそれぞれ1枚の記録材のみを搬送することを特徴とすることができる。
【0010】
また、他の観点から捉えると、本発明の画像形成装置は、像担持体に形成された画像を記録材に転写する転写部と、転写部で記録材に転写された画像を定着する定着部と、転写部から排出された記録材を定着部に搬送する搬送部とを備え、この搬送部は、記録材の搬送方向上流側に設けられる上流側搬送ベルトと、上流側搬送ベルトに隣接して記録材の搬送方向下流側に設けられ、上流側搬送ベルトよりも記録材の搬送方向長さが短い下流側搬送ベルトとを有することを特徴としている。
【0011】
ここで、定着部における記録材の定着速度を転写部における記録材の転写速度と略同速に設定する高速モードと、定着速度を転写速度よりも低速に設定する低速モードとを有していることを特徴とすることができる。また、上流側搬送ベルトの記録材入口から下流側搬送ベルトの記録材入口までの距離と下流側搬送ベルトの記録材入口から下流側搬送ベルトの記録材出口までの距離との比が、低速モードにおける転写速度と定着速度との比に略等しいことを特徴とすることができる。
【0012】
さらに他の観点から捉えると、本発明の画像形成装置は、像担持体に形成された画像を記録材に転写する転写部と、転写部で記録材に転写された画像を定着する定着部と、転写部から排出された記録材を搬送する第一搬送部と、第一搬送部から排出された記録材を定着部に搬送する第二搬送部と、第一搬送部が記録材の搬送に寄与する第一の搬送寄与範囲および第二搬送部が記録材の搬送に寄与する第二の搬送寄与範囲の長さの比と、転写部における転写速度および定着部における定着速度の比とが略等しくなるよう、第一搬送部および第二搬送部を制御するコントローラとを含んでいる。
【0013】
ここで、第一の搬送寄与範囲は、転写部の記録材出口から第二搬送部の記録材入口までの領域より選定され、第二の搬送寄与範囲は、第一搬送部の記録材出口から定着部の記録材入口までの領域より選定されることを特徴とすることができる。また、コントローラは、記録材の種類に応じて定着速度を設定すると共に、第一の搬送寄与範囲および第二の搬送寄与範囲を変更することを特徴とすることができる。さらに、転写部に記録材を供給する供給部をさらに含み、コントローラは、記録材の種類に応じて定着速度を設定すると共に、供給部による記録材供給間隔を変更することを特徴とすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、実施の形態について詳細に説明する。
―実施の形態1―
図1は実施の形態1に係る画像形成装置を示している。これは所謂タンデム型、中間転写型の画像形成装置であって、例えば電子写真方式にて各色成分トナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(具体的には10Y,10M,10C,10K)と、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)保持させる像担持体としての中間転写ベルト20と、中間転写ベルト20上に転写された重ね画像を記録材としての用紙Pに二次転写(一括転写)させる転写部としての二次転写装置30と、二次転写された画像を記録材としての用紙P上に定着させる定着部としての定着装置70とを備えている。
【0015】
本実施の形態において、各画像形成ユニット10は、矢線A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、感光体ドラム11を帯電する帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像を可視像化する現像器14、感光体ドラム11上の各色成分トナー像を中間転写ベルト20に転写する一次転写ロール15及び感光体ドラム11上の残留トナーを除去するドラムクリーナ16などの電子写真用デバイスを順次配設したものである。
【0016】
また、中間転写ベルト20は、複数(本実施の形態では5つ)の支持ロール21〜25に掛け渡され、矢線B方向に回動するようになっている。ここで、支持ロール21は中間転写ベルト20の駆動ロール、支持ロール22、25は従動ロール、支持ロール23が中間転写ベルト20の張力を調整するテンションロール、支持ロール24が後述するように二次転写装置30のバックアップロールである。ここで、中間転写ベルト20は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の導電剤を適当量含有させたものを用い、その体積抵抗率が108〜1014Ω・cmとなるように形成され、その厚みは例えば0.1mmに設定される。さらに、一次転写ロール15には、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが印加されるようになっており、感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト20に夫々順次静電吸引され、中間転写ベルト20上に重ねトナー像が形成される。
【0017】
更に、二次転写装置30は、中間転写ベルト20のトナー担持面側に圧接配置される二次転写ロール31と、中間転写ベルト20の裏面側に配置されて二次転写ロール31の対向電極をなすバックアップロール24とを備えており、このバックアップロール24には二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール32が当接配置されている。本実施の形態において、二次転写ロール31は、表面にカーボンを分散したウレタンゴムのチューブ、内部はカーボンを分散した発泡ウレタンゴムからなり、さらにロール表面にフッ素コートを施し、その体積抵抗が103〜1010Ωでロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば30°(アスカC)に設定される。また、バックアップロール24は、表面にカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムからなり、その表面抵抗率が7〜10logΩ/□でロール径が28mmとなるように形成され、硬度は例えば70°(アスカC)に設定される。
【0018】
さらに、二次転写ロール31からみて中間転写ベルト20の移動方向下流側には二次転写後の中間転写ベルト20表面を除電する除電器33が、さらにその下流側には中間転写ベルト20表面をクリーニングするベルトクリーナ34が設けられている。一方、二次転写ロール31からみて中間転写ベルト20の移動方向上流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ35が配設され、また、イエローの画像形成ユニット10Yの上流側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)36が配置されている。この基準センサ36は、中間転写ベルト20の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づくコントローラとしての制御部100からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始するように構成されている。なお、制御部100にはUI(ユーザインターフェース)110が接続されており、ユーザからの指示を受け付けるようになっている。
【0019】
更に、用紙搬送系は、用紙トレイ40からの用紙Pを給紙ロール41にて所定のタイミングで繰り出して搬送ロール42で搬送し、供給部としてのレジストレーションロール(レジストロール)43で一旦位置決め停止させた後、所定のタイミングで二次転写位置へと送り込むようになっている。そして、二次転写後の用紙Pを搬送部としてのベルト搬送ユニット80を介して定着装置70へと搬送するようになっている。ここで、ベルト搬送ユニット80は、二次転写装置30側に設けられる第一搬送部としての第一ベルト搬送装置50と、定着装置70側に設けられる第二搬送部としての第二ベルト搬送装置60とを有している。
【0020】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作像プロセスについて説明する。ユーザにより例えばUI110のスタートスイッチ(図示せず)がオン操作されると、所定の作像プロセスが実行される。具体的に述べると、例えばこの画像形成装置をデジタルカラー複写機として構成する場合には、図示しない原稿台にセットされる原稿をカラー画像読み取り装置(図示せず)により読み取り、その読み取り信号を画像信号処理によってデジタル画像信号に変換してメモリに一時的に蓄積し、その蓄積されている四色(Y,M,C,K)のデジタル画像信号に基づいて各色のトナー像形成を行わせる。
【0021】
すなわち、画像信号処理によって得られた各色のデジタル画像信号に基づいて画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)をそれぞれ駆動する。そして、各画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kでは、帯電器12により一様に帯電された像担持体としての感光体ドラム11にデジタル画像信号に応じた静電潜像をレーザ露光器13にてそれぞれ書き込ませる。そして、形成された各静電潜像を各色のトナーが収容される現像器14により現像して各色のトナー像を形成させる。なお、この画像形成装置をカラープリンタとして構成する場合には、外部から入力される画像信号に基づいて各色のトナー像作成を行わせるようにすればよい。
【0022】
そして、各感光体ドラム11に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト20とが接する一次転写位置で、各一次転写ロール15に印加される一次転写バイアスによって感光体ドラム11から中間転写ベルト20の表面に一次転写される。このようにして中間転写ベルト20に一次転写されたトナー像は中間転写ベルト20上で重ね合わされ、中間転写ベルト20の回動に伴って二次転写位置へと搬送される。一方、用紙Pは、レジストロール43によって所定のタイミングで二次転写装置30の二次転写位置へと搬送され、中間転写ベルト20(バックアップロール24)に対して二次転写ロール31が用紙Pをニップする。そして、二次転写ロール31とバックアップロール24との間に形成される二次転写電界の作用で、中間転写ベルト20に担持された重ねトナー像が用紙Pに二次転写される。その後、トナー像が転写された用紙Pは、ベルト搬送ユニット80によって定着装置70へと搬送され、トナー像の定着が行われる。一方、二次転写後の中間転写ベルト20は、除電器33によって残留電荷が除電され、また、ベルトクリーナ34によって残留トナーが除去される。
【0023】
図2は、上述した画像形成装置のうち、二次転写装置30、ベルト搬送ユニット80(第一ベルト搬送装置50、第二ベルト搬送装置60)および定着装置70を拡大した図である。これらのうち、レジストロール43には、このレジストロール43を所定のタイミングで駆動するレジストロール駆動モータ43aが取り付けられている。
【0024】
また、第一ベルト搬送装置50は、多数の穿孔(図示せず)が設けられた上流側搬送ベルトとしての無端状の第一搬送ベルト51と、この第一搬送ベルト51を張架する駆動ロール52および従動ロール53と、駆動ロール52を介して第一搬送ベルト51を回動させる駆動部としての第一搬送ベルト駆動モータ54と、第一搬送ベルト51の内側に設けられ、この第一搬送ベルト51によって搬送される用紙P(図示せず)を図示しない穿孔を介して第一搬送ベルト51に吸着させる吸引ファン55とを有している。第一搬送ベルト駆動モータ54はステッピングモータからなり、第一搬送ベルト51の回動速度(以下、第一ベルト搬送速度という)VB1を可変できるようになっている。
【0025】
さらに、第二ベルト搬送装置60も、上述した第一ベルト搬送装置50と同様、多数の穿孔(図示せず)が設けられた下流側搬送ベルトとしての無端状の第二搬送ベルト61と、この第二搬送ベルト61を張架する駆動ロール62および従動ロール63と、駆動ロール62を介して第二搬送ベルト61を回動させる駆動部としての第二搬送ベルト駆動モータ64と、第二搬送ベルト61の内側に設けられ、この第二搬送ベルト61によって搬送される用紙P(図示せず)を図示しない穿孔を介して第二搬送ベルト61に吸着させる吸引ファン65とを有している。第二搬送ベルト駆動モータ64はステッピングモータからなり、第二搬送ベルト61の回動速度(以下、第二ベルト搬送速度という)VB2を可変できるようになっている。
【0026】
本実施の形態では、ベルト搬送ユニット80の第一搬送ベルト51および第二搬送ベルト61を、それぞれ独立した異なる速度で回動させることが可能となっている。また、用紙P(図示せず)の搬送方向上流側に配設される第一搬送ベルト51に対し、搬送方向下流側に配設される第二搬送ベルト61の搬送方向長さを短くしている。
【0027】
また、定着装置70は、図示しないハロゲンランプ等の加熱源(図示せず)を内蔵する回転可能な加熱ロール71と、この加熱ロール71に対向して圧接配置される無端状の加圧ベルト72と、加熱ロール71を回転駆動する加熱ロール駆動モータ73とを有している。加熱ロール駆動モータ73はDCブラシレスモータからなり、加熱ロール71の回転速度(以下、定着速度という)VFを可変できるようになっている。なお、駆動ロール21(図1参照)によって回動せしめられる中間転写ベルト20の回動速度(以下、転写速度という)VTは、常時一定(266mm/sec)である。
【0028】
さらに、二次転写装置30と第一ベルト搬送装置50との間、第一ベルト搬送装置50と第二ベルト搬送装置60との間、第二ベルト搬送装置60と定着装置70との間には、それぞれ、第一搬送ガイド44、第二搬送ガイド45、第三搬送ガイド46が配設されている。さらにまた、第三搬送ガイド46の下側には、第二搬送ベルト61から排出された用紙P(図示せず)を検知する出口センサ90が取り付けられている。
【0029】
次に、本実施の形態における二次転写装置30、第一ベルト搬送装置50、第二ベルト搬送装置60および定着装置70の位置関係について説明する。なお、以下の説明では、二次転写装置30における用紙出口を二次転写部出口C1、第一ベルト搬送装置50における用紙入口を第一搬送ベルト入口C2、第一ベルト搬送装置50における用紙出口を第一搬送ベルト出口C3、第二ベルト搬送装置60における用紙入口を第二搬送ベルト入口C4、第二ベルト搬送装置60における用紙出口を第二搬送ベルト出口C5、定着装置70の用紙入口を定着部入口C6と呼ぶことにする。ここで、用紙入口あるいは用紙出口とは、所定の装置に対して用紙Pが突入する部位あるいは用紙Pが排出される部位をいう。これらのうち、第一搬送ベルト入口C2が第一搬送ベルト51の上流側端部にないのは、二次転写装置30から排出された用紙P(図示せず)が第一搬送ガイド44により第一搬送ベルト51に対して斜め下方に搬送されることで、その先端が第一搬送ベルト51の中途部位に突入するためである。
【0030】
本実施の形態では、二次転写部出口C1−第一搬送ベルト入口C2間が63mm、第一搬送ベルト入口C2−第一搬送ベルト出口C3間が163mm、第一搬送ベルト出口C3−第二搬送ベルト入口C4間が85mm、第二搬送ベルト入口C4−第二搬送ベルト出口C5間が116mmに設定されている。また、二次転写部出口C1から第二搬送ベルト出口C5までの距離は427mmあり、この画像形成装置で使用可能な最大サイズの用紙P(図示せず、本実施の形態ではA3SEF(搬送方向長さが420mm))の長さ以上となっている。
【0031】
図3は、用紙Pの搬送制御を行う制御部100の制御ブロックを示してる。なお、制御部100は、用紙Pの搬送制御の他、各感光体ドラム11(図1参照)への作像制御や一次転写および二次転写における転写制御等も行う。制御部100のCPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに従い、RAM103との間で適宜データのやりとりを行いながら処理を実行する。また、CPU101は、内蔵されるタイマ104に基づいて処理の開始、終了タイミングの設定も行う。そして、この制御部100には、入力インターフェース105を介して、UI110から用紙種情報が、出口センサ90から用紙検知情報が入力される。また、制御部100は、出力インターフェース106を介して、レジストロール駆動モータ43a、第一搬送ベルト駆動モータ54、第二搬送ベルト駆動モータ64、加熱ロール駆動モータ73を駆動制御する。
【0032】
次に、各画像形成モードにおける転写速度VT、第一ベルト搬送速度VB1、第二ベルト搬送速度VB2、定着速度VFの関係について説明する。
[普通紙モード]
高速モードとしての普通紙モードにおいては、転写速度VT=266mm/secに対し、第一ベルト搬送速度VB1、第二ベルト搬送速度VB2、定着速度VFが転写速度VTと同じ266mm/secに設定される。
【0033】
[中厚紙モード]
低速モードとしての中厚紙モードにおいては、転写速度VT=266mm/secに対し、定着速度VFがこの転写速度VTよりも遅い216mm/secに設定され、第一ベルト搬送速度VB1および第二ベルト搬送速度VB2が用紙Pの搬送状態に応じて転写速度VTと定着速度VFとの間でそれぞれ独立して適宜切り替えられる。図4は、中厚紙モードにおける二次転写部出口C1から定着部入口C6に至る搬送経路中の用紙Pの位置と、第一搬送ベルト51の第一ベルト搬送速度VB1および第二搬送ベルト61の第二ベルト搬送速度VB2との関係を示すタイミングチャートである。なお、ここでは、A3SEFの用紙Pが連続搬送される場合について説明する。また、実際には、第一搬送ベルト51を駆動する第一搬送ベルト駆動モータ54、および、第二搬送ベルト61を駆動する第二搬送ベルト駆動モータ64の加速あるいは減速のための時間が必要になるが、加速、減速に要する時間は共に約100msec程度と同じであるため、図4に示すタイミングチャートでは、第一搬送ベルト51および第二搬送ベルト61の加減速時間についての記載を省略している。
【0034】
1枚目の用紙Pの先端P1Lが二次転写部出口C1から排出されるタイミングでは、第一ベルト搬送速度VB1および第二ベルト搬送速度VB2が転写速度VTに設定されている。これにより、1枚目の用紙Pは、転写速度VTで第一搬送ベルト51および第二搬送ベルト61上を搬送される。次に、1枚目の用紙Pの先端P1Lが出口センサ90によって検知されるタイミングで、第一ベルト搬送速度VB1および第二ベルト搬送速度VB2が共に転写速度VTから定着速度VFに減速される。なお、1枚目の用紙Pの先端P1Lが出口センサ90によって検知されるタイミングでは、この1枚目の用紙Pの後端P1Tが二次転写部出口C1から既に排出されており、この1枚目の用紙Pが二次転写装置30および定着装置70の両者に共にニップされていない状態にある。また、1枚目の用紙Pの先端P1Lが出口センサ90によって検知されると、タイマ104(図3参照)が計時を開始する。そして、定着速度VFで搬送される1枚目の用紙Pは、同じく定着速度VFで駆動される定着装置70の定着部入口C6に突入し、1枚目の用紙P上に転写されたトナー像が定着される。
【0035】
その後、1枚目の用紙Pの後端P1Tが第一搬送ベルト出口C3から排出された直後のタイミングで、第一ベルト搬送速度VB1が定着速度VFから転写速度VTに増速される。本実施の形態では、用紙Pの先端が出口センサ90で検知されてからその後端が第一搬送ベルト出口C3より排出されるまでの所要時間を予め計算してROM102に格納してあり、タイマ104による計時時間がこの所要時間に到達したときに第一ベルト搬送速度VB1を増速している。また、第一ベルト搬送速度VB1を増速する前に2枚目の用紙Pの先端P2Lが二次転写部出口C1から既に排出され始めており、第一ベルト搬送速度VB1が増速された直後に、この2枚目の用紙Pの先端P2Lが第一搬送ベルト入口C2に突入する。この用紙供給タイミングは、レジストロール駆動モータ43aの駆動開始タイミングを変更することによって調整される。
【0036】
さらに、1枚目の用紙Pの後端P1Tが第二搬送ベルト出口C5から排出された直後のタイミングで、第二ベルト搬送速度VB2が定着速度VFから転写速度VTに増速される。本実施の形態では、用紙Pの先端が出口センサ90で検知されてからその後端が第二搬送ベルト出口C5より排出されるまでの所要時間を予め計算してROM102に格納してあり、タイマ104による計時時間がこの所要時間に到達したときに第二ベルト搬送速度VB2を増速している。そして、第一搬送ベルト51上を転写速度VTで搬送される2枚目の用紙Pは、第二ベルト搬送速度VB2が定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、その先端P2Lが第二搬送ベルト入口C4に突入する。
【0037】
次に、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されるタイミングで、第一ベルト搬送速度VB1および第二ベルト搬送速度VB2が再び転写速度VTから定着速度VFに減速される。なお、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されるタイミングでは、この2枚目の用紙Pの後端P2Tが二次転写部出口C1から既に排出されており、この2枚目の用紙Pが二次転写装置30および定着装置70の両者に共にニップされていない状態にある。また、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されると、タイマ104がリセットされて計時を開始する。そして、定着速度VFで搬送される2枚目の用紙Pは、同じく定着速度VFで駆動される定着装置70の定着部入口C6に突入し、用紙P上のトナー像が定着される。なお、2枚目の用紙Pの先端P2Lが定着部入口C6に突入する前に、1枚目の用紙Pの後端P1Tは既に定着部入口C6を通過しており、1枚目の用紙Pに2枚目の用紙Pが追突するといった事態は生じない。
【0038】
また、2枚目の用紙Pの後端P2Tが第一搬送ベルト出口C3から排出された直後のタイミングで、第一ベルト搬送速度VB1が定着速度VFから転写速度VTに増速される。なお、第一ベルト搬送速度VB1を増速する前に3枚目の用紙Pの先端P3Lが二次転写部出口C1から既に排出され始めており、第一ベルト搬送速度VB1が定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、この3枚目の用紙Pの先端P3Lが第一搬送ベルト入口C2に突入する。
【0039】
さらに、2枚目の用紙Pの後端P2Tが第二搬送ベルト出口C5から排出された直後のタイミングで、第二ベルト搬送速度VB2が定着速度VFから転写速度VTに増速される。なお、3枚目の用紙Pの先端P3Lが出口センサ90によって検知されるタイミングでは、この3枚目の用紙Pの後端P3Tが二次転写部出口C1から既に排出されており、この3枚目の用紙Pが二次転写装置30および定着装置70の両者に共にニップされていない状態にある。そして、第一搬送ベルト51上を転写速度VTで搬送される3枚目の用紙Pの先端P3Lは、第二ベルト搬送速度VB2が定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、第二搬送ベルト入口C4に突入する。
【0040】
次に、3枚目の用紙Pの先端P3Lが出口センサ90によって検知されるタイミングで、第一ベルト搬送速度VB1および第二ベルト搬送速度VB2が再び転写速度VTから定着速度VFに減速される。また、3枚目の用紙Pの先端P3Lが出口センサ90によって検知されると、タイマ104(図3参照)がリセットされて計時を開始する。そして、定着速度VFで搬送される3枚目の用紙Pは、同じく定着速度VFで駆動される定着装置70の定着部入口C6に突入し、用紙P上のトナー像が定着される。なお、3枚目の用紙Pの先端P3Lが定着部入口C6に突入する前に、2枚目の用紙Pの後端P2Tは既に定着部入口C6を通過しており、2枚目の用紙Pに3枚目の用紙Pが追突するといった事態は生じない。
以降、同様のプロセスで、二次転写装置30から定着装置70に対する用紙搬送が行われる。
【0041】
このように、中厚紙モードでは、前の用紙Pの後端(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第一搬送ベルト51から排出されるのに伴って第一ベルト搬送速度VB1が増速され、その直後に次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が第一搬送ベルト51に突入する。また、前の用紙Pの後端(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第二搬送ベルト61から排出されるのに伴って第二ベルト搬送速度VB2が増速され、その直後に次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が第二搬送ベルト61に突入する。
また、各タイミングにおいて、第一搬送ベルト51あるいは第二搬送ベルト61には、用紙Pが1枚だけ搬送されるようになっており、定着速度VFで搬送される用紙Pと転写速度VTで搬送される用紙Pとが第一搬送ベルト51あるいは第二搬送ベルト61で同時に搬送されることはない。
【0042】
次に、このような設定を実現するための条件について説明する。
中厚紙モードでは、図4に示すように、次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が第一搬送ベルト入口C2から第一搬送ベルト出口C3に至る第一の距離L1を第一ベルト搬送速度VB1=転写速度VT(266mm/sec)で搬送される時間T1と、前の用紙Pの後端(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第一搬送ベルト出口C3から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離L2を第二ベルト搬送速度VB2=定着速度VF(216mm/sec)で搬送される時間T2とが等しくなっている。
【0043】
つまり、T1=L1/VT、T2=L2/VF、T1=T2の関係を有していることになり、これらより、
L1:L2=VT:VF
の関係が導かれる。すなわち、上述した関係を満足するためには、第一の距離L1と第二の距離L2との長さの比を、転写速度VTと定着速度VFとの比に等しくすればよいことがわかる。中厚紙モードでは、上述したように転写速度VTが266mm/secに、定着速度VFが216mm/secに設定される。また、図2を参照すると、第一搬送ベルト入口C2から第一搬送ベルト出口C3に至る第一の距離L1が248mmに、第一搬送ベルト出口C3から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離L2が201mmになっていることがわかる。したがって、転写速度VT:定着速度VF=266/216≒1:0.81、第一の距離L1:第二の距離L2=248:201≒1:0.81となり、L1:L2=VT:VFの関係を満足していることが理解される。
【0044】
なお、この説明では、第一搬送ベルト51と第二搬送ベルト61との間、具体的には、第一搬送ベルト出口C3から第二搬送ベルト入口C4へと至る部位が第一の距離L1、第二の距離L2の両者に含まれている。用紙Pは、その先端が第二搬送ベルト入口C4に到達するまでは第一搬送ベルト51のみによって第一ベルト搬送速度VB1=転写速度VTで搬送され、一方、その後端が第一搬送ベルト出口C3から排出された後は第二搬送ベルト61のみによって第二ベルト搬送速度VB2=定着速度VFで搬送されることになる。したがって、第一搬送ベルト出口C3から第二搬送ベルト入口C4へと至る部位は、用紙Pの搬送状態によって第一搬送ベルト51の一部とみなすこともできるし、第二搬送ベルト61の一部とみなすこともできる。つまり、第一搬送ベルト入口C2から第一搬送ベルト出口C3に至る第一の距離L1は、第一搬送ベルト51による実質的な搬送長さ(第一の搬送寄与範囲)として把握することができ、第一搬送ベルト出口C3から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離L2は、第二搬送ベルト61による実質的な搬送長さ(第二の搬送寄与範囲)として把握することができる。
【0045】
このように、中厚紙モードでは、第一搬送ベルト入口C2から第一搬送ベルト出口C3に至る第一の距離L1と第一搬送ベルト出口C3から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離L2との長さの比を、転写速度VTと定着速度VFとの比と略等しく設定することで、前の用紙Pの後端と次の用紙Pの先端との間隔(用紙間隔)を極力短くしながら、前の用紙Pの後端と次の用紙Pの先端とを衝突させることなく、用紙Pの搬送を行うことが可能になる。このため、転写速度VTに対して定着速度VFを低下させざるを得ない中厚紙モードにおいても、生産性の低下を抑制することができる。
【0046】
[厚紙モード]
低速モードとしての厚紙モードにおいては、転写速度VT=266mm/secに対し、定着速度VFがこの転写速度VTよりも著しく遅い99mm/secに設定され、第一ベルト搬送速度VB1および第二ベルト搬送速度VB2が用紙Pの搬送状態に応じて転写速度VTと定着速度VFとの間で適宜切り替えられる。図5は、厚紙モードにおける二次転写部出口C1から定着部入口C6に至る搬送経路中における用紙Pの位置と、第一搬送ベルト51の第一ベルト搬送速度VB1および第二搬送ベルト61の第二ベルト搬送速度VB2との関係を示すタイミングチャートである。なお、ここでは、厚紙モードと同様、A3SEFの用紙Pが連続搬送される場合について説明する。また、図5においても、第一搬送ベルト51および第二搬送ベルト61の加減速についての記載は省略している。
【0047】
厚紙モードでは、上述した中厚紙モードとは異なり、前の用紙Pの後端(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第二搬送ベルト61に突入する(第二搬送ベルト入口C4に到達する)のに伴って第一ベルト搬送速度VB1が定着速度VFから転写速度VTに増速され、その直後に次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が二次転写部出口C1から排出される。なお、前の用紙Pの後端(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第二搬送ベルト61から排出される(第二搬送ベルト出口C5から排出される)のに伴って第二ベルト搬送速度VB2が増速され、その直後に次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が第二搬送ベルト61に突入する(第二搬送ベルト入口C4に到達する)点は中厚紙モードと同様である。
【0048】
次に、このような設定を実現するための条件について説明する。
厚紙モードでは、図5に示すように、次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が二次転写部出口C1から第二搬送ベルト入口C4に至る第一の距離Laを第一ベルト搬送速度VB1=転写速度VT(266mm/sec)で搬送される時間Taと、前の用紙Pの後端(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第二搬送ベルト入口C4から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離Lbを第二ベルト搬送速度VB2=定着速度(216mm/sec)で搬送される時間Tbとが等しくなっている。
【0049】
つまり、Ta=La/VT、Tb=Lb/VF、Ta=Tbの関係を有していることになり、これらより、
La:Lb=VT:VF
の関係が導かれる。すなわち、上述した関係を満足するためには、第一の距離Laと第二の距離Lbとの長さの比を、転写速度VTと定着速度VFとの比に等しくすればよいことがわかる。厚紙モードでは、上述したように転写速度VTが266mm/secに、定着速度VFが99mm/secに設定される。また、図2を参照すると、二次転写部出口C1から第二搬送ベルト入口C4に至る第一の距離Laが311mmに、第二搬送ベルト入口C4から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離Lbが116mmになっていることがわかる。したがって、転写速度VT:定着速度VF=266/99≒1:0.37、第一の距離La:第二の距離Lb=311:116≒1:0.37となり、La:Lb=VT:VFの関係を満足していることが理解される。
【0050】
つまり、厚紙モードでは、二次転写部出口C1から第二搬送ベルト入口C4に至る第一の距離Laを第一搬送ベルト51による実質的な搬送長さ(第一の搬送寄与範囲)とし、第二搬送ベルト入口C4から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離Lbを第二搬送ベルト61による実質的な搬送長さ(第二の搬送寄与範囲)としている。
【0051】
このように、厚紙モードでは、二次転写部出口C1から第二搬送ベルト入口C4に至る第一の距離Laと第二搬送ベルト入口C4から第二搬送ベルト出口C5に至る第二の距離Lbとの長さの比を、転写速度VTと定着速度VFとの比と略等しく設定することで、前の用紙Pの後端と次の用紙Pの先端との間隔(用紙間隔)を極力短くしつつ、前の用紙Pの後端と次の用紙Pの先端とを衝突させることなく、用紙Pの搬送を行うことが可能になる。このため、転写速度VTに対して定着速度VFを著しく低下させざるを得ない厚紙モードにおいても、生産性の低下を抑制することができる。
【0052】
また、厚紙モードでは、中厚紙モードの場合と第一搬送ベルト51および第二搬送ベルト61の実質的な搬送長さ(第一の搬送寄与範囲、第二の搬送寄与範囲)を異ならせて把握することで、定着速度VFの違いに対応している。これにより、一つの転写速度VTに対して複数の定着速度VFが存在する場合にも、各定着速度VFにおける生産性の低下を抑制することができる。なお、第一搬送ベルト51の実質的な搬送長さについては、二次転写部出口C1から第二搬送ベルト入口C4までの範囲内より適宜選定することができる。また、第二搬送ベルト61の実質的な搬送長さについては、第二搬送ベルト入口C4から定着部入口C6までの範囲内より適宜選定することができる。
【0053】
ここで、図6は、従来の画像形成装置(二次転写装置30と定着装置70との間に1つのベルト搬送装置が設けられるもの)の厚紙モードにおける二次転写部出口C1から定着部入口C6に至る搬送経路中の用紙Pの位置と、搬送ベルトのベルト搬送速度VBとの関係を示すタイミングチャートである。つまり、転写速度VT=266mm/secに対し、定着速度VFがこの転写速度VTよりも著しく遅い99mm/secに設定され、ベルト搬送速度VBが用紙Pの搬送状態に応じて転写速度VTと定着速度VFとの間で適宜切り替えられる。なお、図6においては、ベルト搬送装置の用紙入口を搬送ベルト入口C2a、用紙出口を搬送ベルト出口C5aと呼ぶことにする。また、搬送ベルト入口C2aから搬送ベルト出口C5aまでの長さは、第一搬送ベルト入口C2から第二搬送ベルト出口C5までの長さと同じ364mmとしている。
【0054】
従来の画像形成装置では、1枚目の用紙Pの後端P1Tが搬送ベルト出口C5aから排出されるまで、ベルト搬送速度VBを定着速度VFに維持しなければならず、その分、2枚目の用紙Pの先端P2Lが搬送ベルト入口C2aに到達するタイミングを遅らせなければならない。このため、本実施の形態と比較して用紙の給紙間隔を広げる必要があること、つまり、生産性が低下することが理解される。これを具体的に説明すると、この従来の画像形成装置では、用紙PとしてA3SEFを連続搬送する場合の用紙間ギャップ(二次転写部出口C1に前の用紙Pの後端が到達してから次の用紙Pの先端が到達するまでの時間)が4313msec(搬送ベルトの速度変更時間を加味すると4413msec)必要となるのに対し、本実施の形態に係る画像形成装置では、用紙間ギャップが3141msec(搬送ベルトの速度変更時間を加味すると3241msec)あればよいことになる。したがって、用紙排出時間間隔(二次転写部出口C1から前の用紙Pの先端が排出されてから次の用紙Pの先端が到達するまでの時間)は、420/266+4.413≒5.992secから420/266+3.241≒4.820secに短縮できることになり、生産性は5.992/4.820≒1.243と略24%アップすることがわかる。
【0055】
―実施の形態2―
本実施の形態は、実施の形態1略同様であるが、三つのベルト搬送装置からなるベルト搬送ユニット80を用いている点が実施の形態1とは異なる。なお、本実施の形態において、実施の形態1と同様にものについては、実施の形態1と同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0056】
図7は、二次転写装置30、ベルト搬送ユニット80(第一ベルト搬送装置120、第二ベルト搬送装置130、第三ベルト搬送装置140)および定着装置70を拡大した図である。
【0057】
第一ベルト搬送装置120は、多数の穿孔(図示せず)が設けられた無端状の第一搬送ベルト121と、この第一搬送ベルト121を張架する駆動ロール122および従動ロール123と、駆動ロール122を介して第一搬送ベルト121を回動させる駆動部としての第一搬送ベルト駆動モータ124と、第一搬送ベルト121の内側に設けられ、この第一搬送ベルト121によって搬送される用紙P(図示せず)を図示しない穿孔を介して第一搬送ベルト121に吸着させる吸引ファン125とを有している。第一搬送ベルト駆動モータ124はステッピングモータからなり、第一搬送ベルト121の回動速度(以下、第一ベルト搬送速度という)VBaを可変できるようになっている。
【0058】
また、第二ベルト搬送装置130も、上述した第一ベルト搬送装置120と同様、多数の穿孔(図示せず)が設けられた無端状の第二搬送ベルト131と、この第二搬送ベルト131を張架する駆動ロール132および従動ロール133と、駆動ロール132を介して第二搬送ベルト131を回動させる駆動部としての第二搬送ベルト駆動モータ134と、第二搬送ベルト131の内側に設けられ、この第二搬送ベルト131によって搬送される用紙P(図示せず)を図示しない穿孔を介して第二搬送ベルト131に吸着させる吸引ファン135とを有している。第二搬送ベルト駆動モータ134はステッピングモータからなり、第二搬送ベルト131の回動速度(以下、第二ベルト搬送速度という)VBbを可変できるようになっている。
【0059】
さらに、第三ベルト搬送装置140も、上述した第一ベルト搬送装置120や第二ベルト搬送装置130と同様、多数の穿孔(図示せず)が設けられた無端状の第三搬送ベルト141と、この第三搬送ベルト141を張架する駆動ロール142および従動ロール143と、駆動ロール142を介して第三搬送ベルト141を回動させる駆動部としての第三搬送ベルト駆動モータ144と、第三搬送ベルト141の内側に設けられ、この第三搬送ベルト141によって搬送される用紙P(図示せず)を図示しない穿孔を介して第三搬送ベルト141に吸着させる吸引ファン145とを有している。第三搬送ベルト駆動モータ144はステッピングモータからなり、第三搬送ベルト141の回動速度(以下、第三ベルト搬送速度という)VBcを可変できるようになっている。
【0060】
本実施の形態では、ベルト搬送ユニット80の第一搬送ベルト121、第二搬送ベルト131および第三搬送ベルト141を、それぞれ独立した異なる速度で回動させることが可能となっている。また、第一搬送ベルト121に対し、用紙搬送方向下流側に配設される第二搬送ベルト131の搬送方向長さを短くすると共に、この第二搬送ベルト131に対し、さらに用紙搬送方向下流側に配設される第三搬送ベルト141の搬送方向長さを短くしている。ここで、第一搬送ベルト121を上流側搬送ベルトとしてみれば、第二搬送ベルト131を下流側搬送ベルトとして把握することができる。また、第二搬送ベルト131を上流側搬送ベルトとしてみれば、第三搬送ベルト141を下流側搬送ベルトとして把握することもできる。なお、本実施の形態では、第一搬送ベルト121と第二搬送ベルト131との間、および、第二搬送ベルト131と第三搬送ベルト141との間が比較的狭くなっているため、特に搬送ガイドは設けられていない。
【0061】
次に、本実施の形態における二次転写装置30、第一ベルト搬送装置120、第二ベルト搬送装置130、第三ベルト搬送装置140および定着装置70の位置関係について説明する。なお、以下の説明では、二次転写装置30における用紙出口を二次転写部出口D1、第一ベルト搬送装置120における用紙入口を第一搬送ベルト入口D2、第一ベルト搬送装置120における用紙出口を第一搬送ベルト出口D3、第二ベルト搬送装置130における用紙入口を第二搬送ベルト入口D4、第二ベルト搬送装置130における用紙出口を第二搬送ベルト出口D5、第三ベルト搬送装置140における用紙入口を第三搬送ベルト入口D6、第三ベルト搬送装置140における用紙出口を第三搬送ベルト出口D7、定着装置70の用紙入口を定着部入口D8と呼ぶことにする。
【0062】
本実施の形態では、二次転写部出口D1−第一搬送ベルト入口D2間が84mm、第一搬送ベルト入口D2−第一搬送ベルト出口D3間が163mm、第一搬送ベルト出口D3−第二搬送ベルト入口D4間が30mm、第二搬送ベルト入口D4−第二搬送ベルト出口D5間が127mm、第二搬送ベルト出口D5−第三搬送ベルト入口D6間が30mm、第三搬送ベルト入口D6−第三搬送ベルト出口D7間が97mmに設定されている。また、二次転写部出口D1から第三搬送ベルト出口D7までの距離は531mmあり、この画像形成装置で使用可能な最大サイズの用紙P(図示せず、本実施の形態ではA3SEF(搬送方向長さが420mm))の長さ以上となっている。
【0063】
図8は、用紙Pの搬送制御を行う制御部100の制御ブロックを示している。制御部100のCPU101は、ROM102に記憶されたプログラムに従い、RAM103との間で適宜データのやりとりを行いながら処理を実行する。また、CPU101は、内蔵されるタイマ104に基づいて処理の開始、終了タイミングの設定も行う。そして、この制御部100には、入力インターフェース105を介して、UI110から用紙種情報が、出口センサ90から用紙検知情報が入力される。また、制御部100は、出力インターフェース106を介して、レジストロール駆動モータ43a、第一搬送ベルト駆動モータ124、第二搬送ベルト駆動モータ134、第三搬送ベルト駆動モータ144および加熱ロール駆動モータ73を駆動制御する。
【0064】
次に、各画像形成モードにおける転写速度VT、第一ベルト搬送速度VBa、第二ベルト搬送速度VBb、第三ベルト搬送速度VBc、定着速度VFの関係について説明する。
[普通紙モード]
普通紙モードにおいては、転写速度VT=266mm/secに対し、第一ベルト搬送速度VBa、第二ベルト搬送速度VBb、第三ベルト搬送速度VBc、定着速度VFが転写速度VTと同じ266mm/secに設定される。
【0065】
[中厚紙モード]
中厚紙モードにおいては、転写速度VT=266mm/secに対し、定着速度VFがこの転写速度VTよりも遅い216mm/secに設定され、第一ベルト搬送速度VBa、第二ベルト搬送速度VBbおよび第三ベルト搬送速度VBcが用紙Pの搬送状態に応じて転写速度VTと定着速度VFとの間でそれぞれ独立して適宜切り替えられる。図9は、中厚紙モードにおける二次転写部出口D1から定着部入口D8に至る搬送経路中の用紙Pの位置と、第一搬送ベルト121の第一ベルト搬送速度VBa、第二搬送ベルト131の第二ベルト搬送速度VBb、第三搬送ベルト141の第三ベルト搬送速度Vbcとの関係を示すタイミングチャートである。なお、ここでは、A3SEFの用紙Pが連続搬送される場合について説明する。また、実際には、第一搬送ベルト121を駆動する第一搬送ベルト駆動モータ124、第二搬送ベルト131を駆動する第二搬送ベルト駆動モータ134、および、第三搬送ベルト141を駆動する第三搬送ベルト駆動モータ144の加速あるいは減速のための時間が必要になるが、加速、減速に要する時間は共に約100msec程度と同じであるため、図9に示すタイミングチャートでは、第一搬送ベルト121、第二搬送ベルト131および第三搬送ベルト141の加減速時間についての記載を省略している。
【0066】
1枚目の用紙Pの先端P1Lが二次転写部出口D1から排出されるタイミングでは、第一ベルト搬送速度VBa、第二ベルト搬送速度VBb、第三ベルト搬送速度VBcが転写速度VTに設定されている。これにより、1枚目の用紙Pは、転写速度VTで第一搬送ベルト121、第二搬送ベルト131、第三搬送ベルト141上を搬送される。次に、1枚目の用紙Pの先端P1Lが出口センサ90によって検知されるタイミングで、第一ベルト搬送速度VBa、第二ベルト搬送速度VBbおよび第三ベルト搬送速度VBcがすべて転写速度VTから定着速度VFに減速される。なお、1枚目の用紙Pの先端P1Lが出口センサ90によって検知されるタイミングでは、この1枚目の用紙Pの後端P1Tが二次転写部出口D1から既に排出されており、この1枚目の用紙Pが二次転写装置30および定着装置70の両者に共にニップされていない状態にある。また、1枚目の用紙Pの先端P1Lが出口センサ90によって検知されると、タイマ104(図8参照)が計時を開始する。そして、定着速度VFで搬送される1枚目の用紙Pは、同じく定着速度VFで駆動される定着装置70も定着部入口D8に突入し、1枚目の用紙Pに転写されたトナー像が定着される。
【0067】
その後、1枚目の用紙Pの後端P1Tが第一搬送ベルト出口D3から搬出された直後のタイミングで、第一ベルト搬送速度VBaが定着速度VFから転写速度VTに増速される。本実施の形態では、用紙Pの先端が出口センサ90で検知されてからその後端が第一搬送ベルト出口D3より排出されるまでの所要時間を予め計算してROM102に格納してあり、タイマ104による計時時間がこの所要時間に到達したときに第一ベルト搬送速度VBaを増速している。また、第一ベルト搬送速度VBaを増速する前に2枚目の用紙Pの先端P2Lが二次転写部出口D1から既に排出され始めており、第一ベルト搬送速度VBaが増速された直後に、この2枚目の用紙Pの先端P2Lが第一搬送ベルト入口D2に突入する。この用紙供給タイミングは、レジストロール駆動モータ43aの駆動開始タイミングを変更することによって調整される。
【0068】
さらに、1枚目の用紙Pの後端P1Tが第二搬送ベルト出口D5から排出された直後のタイミングで、第二ベルト搬送速度VBbが定着速度VFから転写速度VTに増速される。本実施の形態では、用紙Pの先端が出口センサ90で検知されてからその後端が第二搬送ベルト出口D5より排出されるまでの所要時間を予め計算してROM102に格納してあり、タイマ104による計測時間がこの所要時間に到達したときに第二ベルト搬送速度VBbを増速している。そして、第一搬送ベルト121上を転写速度VTで搬送される2枚目の用紙Pは、第二ベルト搬送速度VBbが定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、その先端P2Lが第二搬送ベルト入口D4に突入する。
【0069】
さらにまた、1枚目の用紙Pの後端P1Tが第三搬送ベルト出口D7から排出された直後のタイミングで、第三ベルト搬送速度VBcが定着速度VFから転写速度VTに増速される。本実施の形態では、用紙Pの先端が出口センサ90で検知されてからその後端が第三搬送ベルト出口D7より排出されるまでの所要時間を予め計算してROM102に格納してあり、タイマ104による計測時間がこの所要時間に到達したときに第三ベルト搬送速度VBcを増速している。そして、第一搬送ベルト121および第二搬送ベルト131を転写速度VTで搬送される2枚目の用紙Pは、第三ベルト搬送速度VBcが定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、その先端P2Lが第三搬送ベルト入口D6に突入する。
【0070】
次に、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されるタイミングで、第一ベルト搬送速度VBa、第二ベルト搬送速度VBbおよび第三ベルト搬送速度VBcが再び転写速度VTから定着速度VFに減速される。なお、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されるタイミングでは、この2枚目の用紙Pの後端が二次転写部出口D1から既に排出されており、この2枚目の用紙Pが二次転写装置30および定着装置70の両者に共にニップされていない状態にある。また、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されると、タイマ104がリセットされて計時を開始する。そして、定着速度VFで搬送される2枚目の用紙Pは、同じく定着速度VFで駆動される定着装置70の定着部入口D8に突入し、用紙P上のトナー像が定着される。なお、2枚目の用紙Pの先端P2Lが定着部入口D8に突入する前に、1枚目の用紙Pの後端P1Tは既に定着部入口D8を通過しており、1枚目の用紙Pに2枚目の用紙Pが追突するといった事態は生じない。
【0071】
また、2枚目の用紙Pの後端P2Tが第一搬送ベルト出口D3から排出された直後のタイミングで、第一ベルト搬送速度VBaが定着速度VFから転写速度VTに増速される。なお、第一ベルト搬送速度VBaを増速する前に3枚目の用紙Pの先端P3Lが二次転写部出口D1から既に排出され始めており、第一ベルト搬送速度VBaが定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、この3枚目の用紙Pの先端P3Lが第一搬送ベルト入口D2に突入する。
【0072】
さらに、2枚目の用紙Pの後端P2Tが第二搬送ベルト出口D5から排出された直後のタイミングで、第二ベルト搬送速度VBbが定着速度VFから転写速度VTに増速される。なお、3枚目の用紙Pの先端P3Lが出口センサ90によって検知されるタイミングでは、この3枚目の用紙Pの後端P3Tが二次転写部出口D1から既に排出されており、この3枚目の用紙Pが二次転写装置30および定着装置70の両者に共にニップされていない状態にある。そして、第一搬送ベルト121上を転写速度VTで搬送される3枚目の用紙Pの先端P3Lは、第二ベルト搬送速度VBbが定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、第二搬送ベルト入口D4に突入する。
【0073】
さらにまた、2枚目の用紙Pの後端P2Tが第三搬送ベルト出口D7から排出された直後のタイミングで、第三ベルト搬送速度VBcが定着速度VFから転写速度VTに増速される。そして、第一搬送ベルト121および第二搬送ベルト131を転写速度VTで搬送される2枚目の用紙Pは、第三ベルト搬送速度VBcが定着速度VFから転写速度VTに増速された直後に、その2枚目の用紙Pの先端P2Lが第三搬送ベルト入口D6に突入する。
【0074】
次に、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されるタイミングで、第一ベルト搬送速度VBa、第二ベルト搬送速度VBbおよび第三ベルト搬送速度VBcが再び転写速度VTから定着速度VFに減速される。なお、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されるタイミングでは、この2枚目の用紙Pの後端が二次転写部出口D1から既に排出されており、この2枚目の用紙Pが二次転写装置30および定着装置70の両者に共にニップされていない状態にある。また、2枚目の用紙Pの先端P2Lが出口センサ90によって検知されると、タイマ104がリセットされて計時を開始する。そして、定着速度VFで搬送される3枚目の用紙Pは、同じく定着速度VFで駆動される定着装置70の定着部入口D8に突入し、用紙P上のトナー像が定着される。なお、3枚目の用紙Pの先端P3Lが定着部入口D8に突入する前に、2枚目の用紙Pの後端P2Tは既に定着部入口D8を通過しており、2枚目の用紙Pに3枚目の用紙Pが追突するといった事態は生じない。
以降、同様のプロセスで、二次転写装置30から定着装置70に対する用紙搬送が行われる。
【0075】
次に、このような設定を実現するための条件について説明する。
中厚紙モードでは、図9に示すように、次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が第一搬送ベルト入口D2から第二搬送ベルト入口D4に至る第一の距離L1を第一ベルト搬送速度VBa=転写速度VT(266mm/sec)で搬送される時間T1と、前の用紙P(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第一搬送ベルト出口D3から第二搬送ベルト出口D5に至る第二の距離L2を第二搬送ベルト速度VBb=定着速度VF(216mm/sec)で搬送される時間T2とが等しくなっている。
【0076】
また、次の用紙Pの先端(例えば2枚目の用紙Pの先端P2L)が第二搬送ベルト入口D4から第三搬送ベルト入口D6に至る第三の距離L3を第一ベルト搬送速度VBa=転写速度VT(266mm/sec)で搬送される時間T3と、前の用紙P(例えば1枚目の用紙Pの後端P1T)が第二搬送ベルト出口D5から第三搬送ベルト出口D7に至る第四の距離L4を第三ベルト搬送速度VBc=定着速度VF(216mm/sec)で搬送される時間T4とが等しくなっている。
【0077】
前者では、T1=L1/VT、T2=L2/VF、T1=T2の関係を有していることになり、これらより、
L1:L2=VT:VF
の関係が導かれる。すなわち、上述した関係を満足するためには、第一の距離L1と第二の距離L2との長さの比を、転写速度VTと定着速度VFとの比に等しくすればよいことがわかる。中厚紙モードでは、上述したように転写速度VTが266mm/secに、定着速度VFが216mm/secに設定される。また、図7を参照すると、第一搬送ベルト入口D2から第二搬送ベルト入口D4に至る第一の距離L1が193mmに、第一搬送ベルト出口D3から第二搬送ベルト出口D5に至る第二の距離L2が157mmになっていることがわかる。したがって、転写速度VT:定着速度VF=266/216≒1:0.81、第一の距離L1:第二の距離L2=193:157≒1:0.81となり、L1:L2=VT:VFの関係を満足していることが理解される。
【0078】
一方、後者では、T3=L3/VT、T4=L4/VF、T3=T4の関係を有していることになり、これらより、
L3:L4=VT:VF
の関係が導かれる。すなわち、上述した関係を満足するためには、第三の距離L3と第四の距離L4との長さの比を、転写速度VTと定着速度VFとの比に等しくすればよいことがわかる。中厚紙モードでは、上述したように転写速度VTが266mm/secに、定着速度VFが216mm/secに設定される。また、図7を参照すると、第二搬送ベルト入口D4から第三搬送ベルト入口D6に至る第三の距離L3が157mmに、第二搬送ベルト出口D5から第三搬送ベルト出口D7に至る第四の距離L4が127mmになっていることがわかる。したがって、転写速度VT:定着速度VF=266/216≒1:0.81、第一の距離L1:第二の距離L2=157:127≒1:0.81となり、L1:L2=VT:VFの関係を満足していることが理解される。
【0079】
このように、中厚紙モードでは、第一搬送ベルト入口D2から第二搬送ベルト入口D4に至る第一の距離L1と第一搬送ベルト出口D3から第二搬送ベルト出口D5に至る第二の距離L2との長さの比、および、第二搬送ベルト入口D4から第三搬送ベルト入口D6に至る第三の距離L3と第二搬送ベルト出口D5から第三搬送ベルト出口D7に至る第四の距離L4との長さの比を、転写速度VTと定着速度VFとの比と略等しく設定することで、前の用紙Pの後端と次の用紙Pの先端との間隔(用紙間隔)を極力短くしながら、前の用紙Pの後端と次の用紙Pの先端とを衝突させることなく、用紙Pの搬送を行うことが可能になる。このため、転写速度VTに対して定着速度VFを低下させざるを得ない中厚紙モードにおいても、生産性の低下を抑制することができる。
【0080】
また、用紙Pとして中厚紙よりもさらに厚い厚紙を使用するために、定着速度VFをさらに低下させるような場合においても、第一搬送ベルト121、第二搬送ベルト131および第三搬送ベルト141の速度変更タイミングを適宜調整することで、生産性の低下を抑制することができる。
【0081】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写速度に対して定着速度を低下させる場合にも、生産性の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態に係る画像形成装置を示す図である。
【図2】 実施の形態1におけるベルト搬送ユニットの拡大図である。
【図3】 実施の形態1における制御部の制御ブロック図である。
【図4】 中厚紙モードにおけるタイミングチャートである。
【図5】 厚紙モードにおけるタイミングチャートである。
【図6】 従来の画像形成装置の厚紙モードにおけるタイミングチャートである。
【図7】 実施の形態2におけるベルト搬送ユニットの拡大図である。
【図8】 実施の形態2における制御部の制御ブロック図である。
【図9】 中厚紙モードにおけるタイミングチャートである。
【符号の説明】
10(10Y,10M,10C,10K)…画像形成ユニット、20…中間転写ベルト、30…二次転写装置、40…用紙トレイ、43…レジストレーションロール(レジストロール)、43a…レジストロール駆動モータ、50…第一ベルト搬送装置、51…第一搬送ベルト、54…第一搬送ベルト駆動モータ、60…第二ベルト搬送装置、61…第二搬送ベルト、64…第二搬送ベルト駆動モータ、70…定着装置、73…加熱ロール駆動モータ、80…ベルト搬送ユニット、90…出口センサ、100…制御部、110…UI、VT…転写速度、VF…定着速度、VB1…第一ベルト搬送速度、VB2…第二ベルト搬送速度、C1…二次転写部出口、C2…第一搬送ベルト入口、C3…第一搬送ベルト出口、C4…第二搬送ベルト入口、C5…第二搬送ベルト出口、C6…定着部入口
Claims (2)
- 像担持体に形成された画像を第一の速度にて記録材に転写する転写部と、
前記転写部で前記記録材に転写された画像を前記第一の速度よりも低速の第二の速度で定着する定着部と、
前記転写部から排出された前記記録材を前記定着部に搬送する搬送部とを備え、
前記搬送部は、
前記転写部よりも前記記録材の搬送方向下流側に設けられ、前記第一の速度または前記第二の速度で駆動される第一の搬送ベルトと、
前記第一の搬送ベルトよりも前記記録材の搬送方向下流側に設けられ、当該第一の搬送ベルトよりも当該記録材の搬送方向長さが短く設定され、前記第一の速度または前記第二の速度で駆動される第二の搬送ベルトと、
前記第二の搬送ベルトよりも前記記録材の搬送方向下流側であって前記定着部よりも当該記録材の搬送方向上流側に設けられ、当該第二の搬送ベルトよりも当該記録材の搬送方向長さが短く設定され、前記第一の速度または前記第二の速度で駆動される第三の搬送ベルトと
を有し、
前記第一の搬送ベルトの記録材入口から前記第二の搬送ベルトの記録材入口までの距離と当該第一の搬送ベルトの記録材出口から当該第二の搬送ベルトの記録材出口までの距離との比が、前記第一の速度と前記第二の速度との速度比に略等しく、且つ、当該第二の搬送ベルトの記録材入口から前記第三の搬送ベルトの記録材入口までの距離と当該第二の搬送ベルトの記録材出口から当該第三の搬送部材の記録材出口までの距離との比が、当該速度比に略等しいこと
を特徴とする画像形成装置。 - 前記第一の搬送ベルト、前記第二の搬送ベルト、前記第三の搬送ベルトは、前記転写部によって前記第一の速度で搬送される前記記録材と接触している場合には当該第一の速度で、前記定着部によって前記第二の速度で駆動される当該記録材と接触している場合には当該第二の速度で、それぞれ個別に駆動されることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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