JP4244477B2 - 高炉操業方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、炉熱の管理、制御を高精度で行うことにより操業の安定維持を図る高炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高炉操業は、原燃料コストの合理化を追及すべく、PCI(微粉炭吹き込み)の実施等を含め、厳しい条件下で行われている。このような状況下においては、とりわけ日々の操業の安定維持管理、特に炉熱の安定維持管理が重要となる。したがって、高炉の安定操業確保のためには、炉熱低下予知技術の確立が重要である。
【0003】
従来、高炉における炉熱の予測は、一般に、高炉操業者が過去に習得した経験や高炉に設置された種々のセンサーからの情報を基に、コンピューターシステムを介した統計解析手法、あるいは化学工学的手法に基づく簡略モデルを用いて行われてきた。例えば、特公平6−35605号公報には、高炉操業中に求めたソリューションロスカーボン量および炉頂ガス成分中の窒素量移動平均値を複数のいき値と比較した統計学的総合評価に従い高炉炉熱低下を予測する方法が開示されている。
【0004】
しかし、これら従来の方法では、高炉操業者の能力や経験等による個人差があり、また過去における操業に関する膨大なデータの蓄積等が必要である。さらに、高炉の炉況は時の経過と共に変化するため、統計解析の解析条件、ならびに簡略モデルの計算条件等も必要に応じて改良していく必要がある。
【0005】
また、高炉内の反応および炉熱の動向は、羽口への送風条件や原料の装入条件等の操作量の変化や、原料性状の変化、荷下がり状況などの外乱因子等によって、時々刻々、非定常的に変化するものであり、上記の方法、すなわち操業者の経験や各種センサーからの情報に基づく統計解析手法等によるのでは、高炉内における反応の異常および炉熱状況を検知し、また、その時間的変化を予測して、これに対処するための操業アクションを時々刻々実行することは、極めて困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような状況に鑑みなされたもので、炉熱の管理、制御を高精度で行うことにより操業の安定維持を図る高炉操業方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、下記の高炉操業方法にある。
【0008】
高炉内の流動、伝熱に加え、炉内で生じる主要な反応の速度を考慮し、炉内の気体、固体および液体の状態変化を追跡できる高炉数学モデルに刻々の操業データとして装入物条件、送風条件および炉体伝熱条件を入力して計算される炉内反応量が、操業データとしてさらに炉頂ガス組成を入力して算出される実績の炉内反応量に一致するように、前記高炉数学モデルの炉内反応速度を修正しつつ刻々の操業データを用いて計算した予測開始時点における溶銑温度の計算値と、前記予測開始時点における操業条件を維持した場合の予測完了時点における溶銑温度の計算値との差分値である第1の差分値を求め、この第1の差分値が、あらかじめ過去のある一定操業期間における実績の溶銑温度と前記高炉数学モデルを用いて計算した予測の溶銑温度との差分値である第2の差分値を前記一定操業期間の各時点で算出し、この第2の差分値を集計して求めた標準偏差で定めた管理いき値の範囲を逸脱すると予測された場合、炉熱低下を回避するための操業条件の変更を行う高炉操業方法。
【0009】
なお、炉熱低下を回避するための操業条件の変更の方法を前記高炉数学モデルを用いて計算し、その方法に基づいて操業条件の変更を行ってもよい。
【0010】
ここで、「炉内で生じる主要な反応」とは、後に具体的に反応式で示すが、鉱石の間接還元反応、水素還元反応および直接還元反応をいう。
【0011】
「刻々の操業データ」とは、前記の高炉内で生じる反応の反応量を計算するために必要なデータで、これについても後述する。
【0012】
「予測開始時点」とは、通常は現時点、厳密には、溶銑温度の予測計算が開始された最新の時点をいう。
【0013】
「予測完了時点」とは、予測開始時点から、例えば4時間先、あるいは8時間先の時点をいう。
【0014】
また、「管理いき値」とは、後に詳細に説明するが、本発明の高炉操業方法に使用する高炉数学モデルの予測精度を示す指標である。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の高炉操業方法(以下、「本発明方法」ともいう)について具体的に説明する。
【0016】
図1は本発明方法で使用するモデル(炉内で生じる主要な反応を考慮した高炉数学モデルで、以下、単に「高炉数学モデル」という)の構成を模式的に示す図である。
【0017】
図示したように、羽口8から吹き込まれた熱風はコークス5と反応してその温度が上昇し、コークス層1を通って炉頂へ到る間に、コークスをガス化する(図中の「コークスガス化」参照)。ガス化により発生するCOとH2 によって鉱石層2を形成する鉱石はFe2 O3 の状態からFe3 O4 、FeOないしFeの状態に還元される(図中の「間接還元」参照)。還元された鉱石は半溶融状態になり、逆V字状に堆積しているコークス層1の表面に融着帯3を形成するが、高温の環境下にあってさらに還元が進み(図中の「直接還元」参照)、鉱石は溶銑となって(図中の「浸炭反応」参照)、滴下帯4を通過して炉底に滴下し、湯溜まり部7を形成する。
【0018】
この高炉数学モデルは、炉底の溶銑の湯留まり部を除く有効反応部で生じる高炉内現象を取り扱う。具体的には、高炉内の流動、伝熱に加え、前記の図1に示した高炉内で生じる主要な反応(以下、単に「炉内反応」ともいう)を考慮し、これを速度論的に取り扱う。すなわち、刻々の操業データを用いてこれら個々の反応の刻々の反応速度を求め、これらの反応の反応量(炉内反応量)を計算する。ここで、高炉内の流動とは、気体、固体および液体の流れを意味し、伝熱とは、主に異相間(気体と固体間、気体と液体間、および固体と液体間)における伝熱(つまり、熱交換)、各相内での熱移動、および前記の炉内反応に伴う反応熱の各相への伝搬をいう。
【0019】
これら高炉内の流動、伝熱、および炉内反応を考慮した物質移動は、一般に、微小時間におけるそれらの状態変化を組み込んだ支配方程式で記述される。
【0020】
図2は本発明方法で使用する高炉数学モデルの基本解析フローである。このモデルに、前記の刻々の操業データとして、炉頂での装入物条件、羽口への送風条件、および炉体壁での伝熱条件を与える。炉頂での装入物条件とは、O/C比(装入原料における「鉱石/コークス」質量比)、鉱石およびコークスの組成、ならびに、鉱石およびコークスの粒径であり、羽口への送風条件とは、送風量、送風温度、湿分、酸素富化量、ならびに、補助燃料(微粉炭、タール等)量とその成分であり、また、炉体壁での伝熱条件とは、耐火物の厚みおよび物性(密度、比熱、熱伝導率)、ならびにステーブ等を含めた炉体壁の強制冷却能力である。
【0021】
これら刻々の操業データを与えると、モデルに基づいて高炉内の流動、伝熱、および炉内反応を考慮した物質移動に関する支配方程式の非定常計算が行われ、高炉内の各相(気体、固体および液体)の炉内における状態分布(すなわち、炉内の温度分布、鉱石の還元分布等)、炉頂ガス情報(すなわち、排ガスのガス組成および排ガス温度)、出銑情報(すなわち、出銑量、出銑(溶銑)温度および溶銑成分)、炉体壁内の温度分布等が予測値として刻々出力される。換言すると、この高炉数学モデルは実炉操業と基本的に同じ動作を行う完全自立型のシミュレータとして構成されている。
【0022】
なお、湯留まり部は、コークスが充満し、その間隙に溶銑が一定量滞留する湯留まり内部とそれを囲む側壁および炉底の耐火物から構成されるとし、出銑温度は、有効反応部からの出銑量および出銑温度を境界条件として、湯留まり内部を均一混合槽で、熱放散のみが生起するとして算出される。
【0023】
この高炉数学モデルを用いて行う炉熱予測方法を、図3に示した炉熱予測の解析ロジックに基づいて説明する。
【0024】
高炉数学モデルでは、前記の図2で説明したように、実績の操業条件、すなわち装入物条件、送風条件および炉体伝熱条件が刻々の操業データとして読み込まれ、図1に示した主要な反応について速度論的に炉内反応量の計算が行われ、それに基づいて炉内部状態(各相の炉内温度分布、溶銑温度等)の計算が行われる(「炉熱の将来予測のループ」参照)。なお、炉体伝熱条件のうち、刻々の操業データとして読み込まれるのは、強制冷却による炉体熱放散量である。
【0025】
一方、モデルの基本機能としてモデルに取り込まれていない未解明の現象(荷下がり降下不良、不均一なガス流れ分布等)も含んだ実績の炉内状況変化をモデルに反映させるために、実績の炉頂ガス情報(炉頂ガス組成)が新たにモデルの入力データとして取り込まれ、実績の炉内反応量(以下、単に「実績反応量」という)が算出される。そして、この実績反応量と、前記の速度論的に計算された炉内反応量(これを、「計算反応量」という)との比較がなされ、両者が一致するようにモデルの反応速度(高炉数学モデルで反応量の算出に使用する反応速度で、「理論反応速度」という)が時々刻々適応修正され、図示するように、前記の炉内反応量の計算にフィードバックされる。
【0026】
ここで、モデルで取り扱う反応、つまり、上記の時々刻々適応修正される反応は、下記の (1)式〜 (3)式に示す鉱石の間接還元反応、 (4)式〜 (6)式に示す鉱石の水素還元反応、および (7)式〜 (9)式に示す鉱石の直接還元反応である。なお、これら鉱石の間接還元反応、水素還元反応および直接還元反応のトータルとしての反応量を(10)式〜(12)式に示した。
【0027】
(鉱石の間接還元反応)
Rh :3Fe2 O3 +CO→2Fe3 O4 +CO2 ・・・(1)
Rm : Fe3 O4 +CO→3FeO+CO2 ・・・(2)
Rw : FeO +CO→ Fe +CO2 ・・・(3)
(鉱石の水素還元反応)
Rh′:3Fe2 O3 +H2 →2Fe3 O4 +H2 O ・・・(4)
Rm′: Fe3 O4 +H2 →3FeO+H2 O ・・・(5)
Rw′: FeO +H2 → Fe +H2 O ・・・(6)
(鉱石の直接還元反応)
Rsr : FeO(liquid)+C→Fe(liquid)+CO ・・(7)
(ソリューションロス反応)
Rsl : CO2 +C→2CO ・・・(8)
Rsl′: H2 O+C→ CO+H2 ・・・(9)
(間接還元反応のトータル量)
RI =Rh+Rm+Rw−Rsl ・・・(10)
(水素還元反応のトータル量)
RH =Rh′+Rm′+Rw′−Rsl′ ・・・(11)
(直接還元反応のトータル量)
RD =Rsr +Rsl +Rsl′ ・・・(12)
また、前記の計算反応量と実績反応量とを一致させるように行う反応速度の修正は、上記の(10)式〜(12)式に示した鉱石の間接還元反応のトータル量RI 、鉱石の水素還元反応のトータル量RH および鉱石の直接還元反応のトータル量RD が、実績の炉頂ガス情報(炉頂ガス組成)と装入物条件、送風条件および炉体伝熱条件から算出される実績の鉱石の間接還元反応のトータル量RI 、鉱石の水素還元反応のトータル量RH および鉱石の直接還元反応のトータル量RD にそれぞれ一致するように理論反応速度(すなわち、前記 (1)〜 (9)の各反応の反応速度)を修正しつつ収束計算を実施することにより行われる。なお、反応速度の修正は、反応速度定数を修正することにより行われる。
【0028】
上記の適応修正されたその都度の理論反応速度を使用して、炉内状態、すなわち各相の炉内温度分布、溶銑温度等が計算される。
【0029】
以上述べた操作を、時々刻々、操業データに基づいて実行し、高炉内の熱的状態の代表値として溶銑温度をとって炉熱の現状推定を行う。これを、図3中に、「反応速度の修正と炉熱現状推定のループ」として表示した。なお、上記の収束計算は、時間Δt(操業データのサンプリング周期)毎に行い、刻々の溶銑温度の変化を予測する。
【0030】
一方、同じく図3の「炉熱の将来予測のループ」では、着目する時点(ここでは、溶銑温度の予測計算が開始された時点を指す)における操業条件を維持した場合の、すなわち、炉頂ガス情報は読み込まず、溶銑温度の予測計算の開始時の操作条件と適応修正した反応速度を維持した場合の炉内状態の変化を予測計算し、着目した時点から例えば4時間後、あるいは8時間後までの溶銑温度を予測する。
【0031】
そして、本発明方法では、炉内反応速度を修正しつつ計算した着目した時点(溶銑温度の予測計算の開始時点)における溶銑温度の計算値と、前記着目した時点における操業状態を維持した場合の予測完了時点(着目した時点から、例えば4時間先、あるいは8時間先の時点)における計算値との差分値(すなわち、溶銑温度(炉熱)の変化幅)を求め、この差分値があらかじめ定めた管理いき値の範囲を逸脱すると予測された場合、炉熱低下を回避するための操業条件の変更を行うのである。具体的には、送風量、酸素富化量、調湿量、補助燃料量、コークス比等を適宜変更する。
【0032】
前記の管理いき値とは、本発明方法で使用する高炉数学モデルの予測精度を示す指標である。具体的には、図4に一例を示すように、あらかじめ過去のある一定操業期間における実績の溶銑温度とモデルを用いて計算した予測の溶銑温度(この例では、8時間先までの予測溶銑温度)との差分値(溶銑温度の変化幅、つまり誤差)を前記一定操業期間の各時点で算出し、この差分値を集計して求めた標準偏差である。なお、この場合は、標準偏差、つまり管理いき値は10である。
【0033】
図5は、この管理いき値の範囲を予測開始時点から完了時点にわたって模式的に示した図である。図中に示した±10℃の範囲内が管理いき値の範囲に相当する。なお、実績の出銑(溶銑)温度は●印で示した。本発明方法では、予測開始時点における溶銑温度の計算値と予測完了時点における計算値との差分値がこの管理いき値の範囲から外れると予測された場合、炉熱低下が起こる可能性が極めて高い(信頼度 70%の確からしさで可能性が高い)と判断して、炉熱低下回避のため操業条件を変更する。
【0034】
管理いき値の設定に際しては、過去の操業データを基に実績の溶銑温度とモデルで計算される予測溶銑温度との差分値のサンプル数(N数)をできるだけ多く集計して、その標準偏差を求めることが望ましい。
【0035】
上記本発明の高炉操業方法によれば、炉熱の予測と炉熱低下の予知を時々刻々の操業データに基づいて行う(計算する)ので、精度よく炉熱低下を検知できるとともに、それを回避するための操業条件の変更を迅速に実施することが可能となる。また、その操業条件の変更が正しかったか否かをその後の計算結果から容易に判断することができるので、操業者の操業操作、特に炉熱制御に関する操作についての教育にも有効である。
【0036】
なお、前記の差分値が、管理いき値の範囲を逸脱すると予測された場合、警告を発するようにしておけば、差分値の前記の変化を見落とすおそれがなく、その変化に常に注意を払う必要もなくなるので、望ましい。
【0037】
本発明方法では、さらに、炉熱低下を回避するための操業条件の変更の方法を前記高炉数学モデルを用いて計算し、操業者がその方法に基づいて操業条件を変更できるようにすることも可能である。また、あらかじめ高炉数学モデルを用いて計算された各操作量(送風量、酸素富化量、調湿量、補助燃料量、コークス比等)に対する溶銑温度の変化量およびそれに到達するまでの時間(応答時間)を基準データとして定量的に求めておき、この基準データを基に、溶銑温度をその管理目標範囲内に納めるのに必要な操作変更量を求める方法を採ってもよい。
【0038】
なお、その場合、いずれの操作変更(すなわち、操業条件の変更)の方法を実行するかは、操業者の判断に委ねられる。ただし、操業条件の変更が自動的に行われるようにあらかじめ定めておくことも可能であり、望ましい。
【0039】
本発明方法を実施するにあたっては、高炉内の流動、伝熱、およびモデルで取り扱う反応に関する支配方程式の非定常計算を時々刻々行う必要があるが、現在のコンピュータの演算スピードをもってすれば、充分可能である。
【0040】
上記本発明方法によれば、炉熱低下を容易に、時々刻々予知し、操業条件の変更を迅速に実施することができるので、本発明方法を実炉の炉熱管理システムに組み込めば、炉熱の安定に大きく寄与することができる。
【0041】
【実施例】
実炉(炉内容積:5000m3 )において、本発明方法の有効性を調査した。
【0042】
結果の一例を図6に示す。
【0043】
溶銑温度の予測は2時間毎に実行し、炉内反応速度を修正しつつ計算した予測開始時点における溶銑温度の計算値と、前記予測開始時点における操業状態を維持した場合の予測完了時点(8時間先の時点)における溶銑温度の計算値との差分値(図中にΔTとして表示)を実績の溶銑温度の推移とともに示した。なお、このΔTの推移を示した図において、縦軸のΔT=10(℃)およびΔT=−10(℃)の位置から横軸に平行に引いた破線は、管理いき値を示している。
【0044】
図示した例は、炉熱、すなわち実績の溶銑温度が低下したので(図中に矢印Aで表示)、操業条件を変更してコークス比を増加(すなわち、O/C比(図では、Ore/Cokeと表示)を減少)させた場合で(図中に矢印Bで表示)、その後、矢印Cで示したように、溶銑温度が上昇した。この場合、溶銑温度の低下を確認して実際にコークス比を増加させた時点よりも早い時点で、差分値(ΔT)に炉熱低下の兆しが見えている。すなわち、ΔTの推移を示した図において、ΔTが管理いき値の範囲を逸脱すると予測された時点(図中に矢印Dで表示した時点)であり、この時点と実績の溶銑温度の低下が始まった時点とはよく対応している。
【0045】
この結果から、予測開始時点における溶銑温度の計算値と予測完了時点における溶銑温度の計算値との差分値により炉熱低下の予知が可能であることが明らかであり、この手法を用いる本発明方法によれば、炉熱低下を回避するための操業条件の変更を迅速に実施することができる。
【0046】
【発明の効果】
本発明の高炉操業方法によれば、炉熱低下を容易に、時々刻々予知することができるので、炉熱の管理を高精度で行い、炉熱低下に対する処置を迅速に行うことが可能である。この高炉操業方法を炉熱管理システムに組み込めば、炉熱の安定に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法に使用する高炉数学モデルの構成図である。
【図2】本発明方法に使用する高炉数学モデルの基本解析フローである。
【図3】炉内反応速度を考慮した高炉数学モデルによる炉熱予測の解析ロジックを示す図である。
【図4】本発明方法に使用する管理いき値の定義を示す図である。
【図5】本発明方法に使用する溶銑温度についての管理いき値の範囲を予測開始時点から完了時点にわたって模式的に示した図である。
【図6】本発明方法を実炉に適用した結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1:コークス層
2:鉱石層
3:融着帯
4:滴下帯
5:コークス
6:炉心コークス
7:湯溜まり部
8:羽口
Claims (1)
- 高炉内の流動、伝熱に加え、炉内で生じる主要な反応の速度を考慮し、炉内の気体、固体および液体の状態変化を追跡できる高炉数学モデルに刻々の操業データとして装入物条件、送風条件および炉体伝熱条件を入力して計算される炉内反応量が、操業データとしてさらに炉頂ガス組成を入力して算出される実績の炉内反応量に一致するように、前記高炉数学モデルの炉内反応速度を修正しつつ刻々の操業データを用いて計算した予測開始時点における溶銑温度の計算値と、前記予測開始時点における操業条件を維持した場合の予測完了時点における溶銑温度の計算値との差分値である第1の差分値を求め、この第1の差分値が、あらかじめ過去のある一定操業期間における実績の溶銑温度と前記高炉数学モデルを用いて計算した予測の溶銑温度との差分値である第2の差分値を前記一定操業期間の各時点で算出し、この第2の差分値を集計して求めた標準偏差で定めた管理いき値の範囲を逸脱すると予測された場合、炉熱低下を回避するための操業条件の変更を行うことを特徴とする高炉操業方法。
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