JP4244449B2 - デジタルプリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル画像データを得て、これを記録紙に印刷するデジタルプリンタに関る。
【0002】
【従来の技術】
デジタルプリンタは、各画素毎の階調値をデジタルデータにより記述した静止画像データをホストコンピュータ等(以下、ホストと称す)から受け取り、これをライン毎に順次印刷し、最終的に1枚の静止画像を記録紙上に得るものである。
この種のデジタルプリンタでは、印字を行う際、主に電力容量を抑制する目的で1ライン中の全印字画素を同時通電せずに、複数回に分割して印字する場合がある。すなわち、この場合、同時に通電される画素数を制限しているので、必要な電流供給量が一定値以下に制限され、この結果、電源部に要求される電力容量を押さえる事ができ、サイズ、コスト等の面で有利となる。
図5に分割印字を行うデジタルプリンタの信号処理回路のブロック図を示す。また、図6に階調数Lのときの各信号の動作を表すタイミングチャートを示す。印字データを分割する手段としてはさまざまな方法が考えられるが、以下に述べる例ではデータマスク信号を用いてヘッドへの画像データをマスクする方法を示す。また、一例としてここでは分割数は4とする。
【0003】
まず、デジタルプリンタによる印字が開始されると、画像データを保持しているホストから画像データが1ラインずつ順次信号処理回路部へ転送される。送られてきた1ライン分の画像データはメモリーコントローラ2の制御信号に従い、 ラインメモリ 1に記憶される。1ライン分の記憶が終了すると、メモリコントローラ 2はラインメモリ 1からのデータ読み出しの制御を始め、ラインの先頭画素のデータから順番に一画素づつデータをデータコンパレータ 3へ送り出す。この読み出し動作は、ラインの最後の画素の読み出しが終了すると再び先頭画素からの読み出しを開始する。以降、印字階調数分の回数だけ、ラインデータの読み出しを繰り返す。
データコンパレータ 3にはラインメモリ 1から読み出される画素データと共に、レベルカウンタ 4からの階調データが入力される。このレベルカウンタ 4はラインメモリ 1からのラインデータ読み出しが開始されると共に、カウント値0からカウントを開始し、分割数カウンタ10からのカウント終了信号が入力される毎に1づつカウントアップする。そして、カウント値が印字階調数の値に達するまでカウントアップを続ける。
【0004】
データコンパレータ 3では、ラインメモリ 1からの画像データと、レべルカウント値を比較し、[画像データ値>レべルカウント値]が成り立つ場合は1(Highレベル信号)を出力し、現在のレべルカウント値が示す階調数において、その画素は印字画素となる。上記式が成り立たない場合は0(Lowレベル信号)を出力し、印字画素とならない事となる。このデータコンパレータ 3からの出力はANDゲート 14を通りサーマルヘッドへ向かって印字データとなる。
上記分割数カウンタ 10でのカウント値は、各階調印字の開始のたびに0にリセ ットされる。ラインデータの読み出し期間で1づつカウントアップし、0から3までカウントして今の階調の印字が終了する。そして、次の階調の印字開始で再び0にリセットされる。カウント値はデータマスク選択部 13へ入力される。ま た、分割数カウンタ10はカウントが終了して次の階調に移るたびに、カウント終了の信号をレベルカウンタ 4へ送り、レベルカウンタ 4をカウントアップさせる。
【0005】
一方、データマスク生成部 12では、図6に示すのデータマスク0〜3に示す 通り、ライン読み出し期間を丁度4当分するように、4つのデータマスク信号を生成する。各データマスクは、データマスク選択部 13へ入力され、ここで分割 数カウンタ10のカウント値に応じて1つのマスク信号が選択される。選択されたマスク信号は、データコンパレータ 3からの画素データと共にANDゲート 14へ入力される。図6ではデータマスク0が選択された場合を示している。
以上の様にして、各階調毎に4回のライン印字が行われ、各回では異なるデータマスクが選択され、データコンパレータ 3からの画像データがANDゲート 14にてマスクされるため、ラインを構成する印字画素が各階調において複数の組 に時分割されてサーマルヘッドへ転送される事となる。
【0006】
このようにして、第1ラインのデータ読み出しが全印字階調にわたって終了すると、ラインデータのサーマルヘッドへの1ライン分のデータ転送が終了したことになる。メモリコントローラ 2は引き続き、ホストからの第2ラインのデータのラインメモリ 1への書き込み、続いて読み出しを行う。図5に示す信号処理回路は同様の信号処理を行ってサーマルヘッドへ画像データを転送し続ける。同様にして、第3ライン、第4ライン・・・と順次読み出し書き込みを繰り返し、全ラインデータを処理し終わって、1画面分の画像データの処理を終了する。カラー印字の場合は、この動作を3画面分繰り返し、イエロー、マゼンタ、シアンの印刷三原色分の印字を行って、カラー画像を得る。
【0007】
ここで図7にサーマルヘッドの構造の概要を示す。
サーマルヘッドは1ラインドット数×1bitのレジスタREよりなるレジスタ群を2本持っている。第1レジスタ群 21の各レジスタREはサーマルヘッド SHの各発熱体 25に対応しており、レジスタREの保持値によって発熱体 25 の通電をONにするかOFFにするかが決定される。サーマルヘッドSHは、ANDゲート14(図5参照)からの1ビット幅のシリアルの画像データを受け取り、シフトレジスタの構成をした第1レジスタ群 21に順次蓄積していく。1ラ イン分のデータの蓄積が完了すると、図示しないサーマルヘッド制御部からのレジスタセット信号により第1レジスタ群 21のデータは第2レジスタ群 22 に移 される。次に、第2レジスタ群22のデータ値に応じて発熱体 25が通電され、分 割印字1回分の印字が行われる。同時に第1レジスタ群 21への、次の1ライン 分のデータの書き込みが行われる。通電時間は、図示しないサーマルヘッド制御部からの通電パルス幅制御信号のパルス幅によって制御され、第2レジスタ群22の各レジスタの真偽値と、通電パルス幅制御信号とを各ANDゲート23にてAND演算した信号が通電スイッチ素子24に入力され、この入力値が真のときに発熱体 25の通電が行われる構成となっている。
以上に述べた制御方法では、分割数を固定としているが、特公昭62−58584号公報に示される技術では、ラインを複数の区間に分割し、印字画素数の総計に応じて、同時に通電する区画数を可変とする制御方法が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このように、上述したような従来の分割印字の方法を用いた場合、1ラインの印字画素をいくつかに分割して時間をずらせて印字を行うため、同時通電ドット数を制限して消費電力を押さえることができるという利点を有する。
しかしながら、この従来の方法では、隣接した画素同士の集まりを一かたまりとしてブロック分けて分割を行っているが、この分割ブロック毎に印字ドット数が異なるため、電源への負荷がブロック毎に異なり、この結果、この負荷の違いが電源の出力電圧の変動を生ぜしめて、印字濃度に影響を及ぼすため、ブロック間でわずかな濃度の違いを生じさせるという問題があった。また、この結果、特にブロックの境界部分において顕著に目立つ濃度むらを生じ、画質の劣化を起こすという問題もあった。
本発明は、以上のような問題点に着目し、これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明の目的は、負荷変動によって生じる濃度むらを画面上に分散させるようにして画質を向上させることができるデジタルプリンタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、各画素が多階調のデータを持ったデジタル画像データを受け取り、これをラインヘッドによって階調毎にインクの転写の有無を制御する事で、多階調の濃度差を持つ印字画素からなるラインを記録紙上に得、ラインヘッドの走査によって複数のラインを記録紙上に記録する事によって画像を印字するデジタルプリンタにおいて、各階調毎に印字を行う画素の数をカウントする手段と、前記カウント手段によるカウント値と同時印字画素数として予め規定した画素数とを照らし合わせて画素を複数のグループに分割する手段と、この分割数を決定する手段と、想定される全分割数に対応し、且つ各グループにおける印字画素をライン全体に分散させるための複数のデータマスク信号を常時生成する手段と、前記分割数を決定する手段で決定した分割数を記憶する分割数レジスタと、ライン画素データにおけるライン読み出し期間の開始のタイミングでカウントアップする分割数カウンタと、前記分割数レジスタの値と前記分割数カウンタの値とに基づいて前記データマスク信号の内の1つを選択するデータマスク選択部と、を有し、前記分割数に応じて各階調の印字を複数の分割印字期間に分け、各分割印字期間においては、前記データマスク選択部にて選択したデータマスク信号と印字データ信号との論理演算によって、各階調の印字を複数回に分割して印字するようにしたものである。
これにより、分割数に応じて、印字画素がライン全体に分散されるようにデータマスク信号が選択されるので、負荷変動によって生じる濃度むらが画面上に分散されることになり、従って、従来のように印字画素をブロック単位で分割する場合に比べて、濃度むらが目立ちにくくなり、画質の向上を図ることが可能となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るデジタルプリンタの一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係るデジタルプリンタの信号処理系を示すブロック図、図2はラインメモリの動作概要を説明するタイムチャート、図3は信号処理系の各信号の動作を説明する為のタイムチャート、図4はデータマスク選択部によって選択されるデータマスク信号と、分割数レジスタ値、分割数カウンタ値との対応を説明するための図である。尚、ここでは1ラインの画素数を512dot、同時印字画素数を128dot、従って最大分割数を4、各画素の階調数を256階調とする場合を例にとって説明する。
【0011】
また、先に説明した従来の構成図と同一部分については同一符号を付して説明する。まず、各階調毎に印字を行う画素の数をカウントする手段はブロック7よりなり、前記カウント手段によるカウント値と同時印字画素数として予め規定した画素数とを照らし合わせて分割数を決定する手段はブロック8よりなり、想定される全分割数に対応し、且つ各グループにおける印字画素をライン全体に分散させるための複数のデータマスク信号を常時生成する手段はブロック12よりなる。また、図示するように、このデジタルプリンタの信号処理系は、図5において示された従来のデジタルプリンタの信号処理系で含まれたような、ラインメモリ1、メモリコントローラ2、データコンバータ3、レベルカウンタ4、分割数カウンタ10、データマスク生成部12、データマスク選択部13及びANDゲート14の他に、第2のデータコンパレータ5、第2のレベルカウンタ6、印字ドットカウンタ7、分割数判定部8、分割数レジスタ9及び分割数カウントコンパレータ11を有している。
【0012】
上記第2のデータコンパレータ5及びレベルカウンタ6は、第1のデータコンパレータ3及びレベルカウンタ4に対してパラレルに設けられる。上記印字ドットカウンタ7は、今の階調レベルで印字すべきドット(画素)数をカウントする。上記分割数判定部8は、カウントされた印字画素数に応じて1ライン画素データに対する分割数を求めるように動作する。上記分割数レジスタ9は、上記求めた分割数をあるタイミングに従って記憶する。上記分割数カウントコンパレータ11は、上記分割数レジスタ9の値と上記分割数カウンタ10の値とを比較して、両者が一致した時にレベルカウント信号を出力する。また、本実施例のデータマスク生成部12は、従来例で説明したような種類のデータマスク信号(図6参照)ではなく、図3に示すようにmask10、20、21、30、31、32、40、41、42、43で示されるような10種類の信号を常時生成している。
【0013】
次に、本実施例の動作の説明を述べる。
まず、ラインメモリ1の動作の説明をすると、このラインメモリ 1は、画像データのホストから送られる画像データの1ライン分を記憶する容量、すなわち8bit×512dot の容量をを持つ。図2に示すように各ライン印字期間のはじめに、ラインメモリ 1への1ライン分の画像データの書き込みが行われる。この書き込みが完了すると、読み出し期間に入る。
この読み出しは各階調毎に、その階調における分割数の回数分(例えば256回)だけ1ライン分のデータが順次読み出される。以後この1ライン分のデータの読み出し期間を、ライン読み出し期間T1とする。また、ライン読み出し期間T1が終了後、次のライン読み出し期間を開始するまでの間に、メモリ読み出しを行わない短い期間を設けるが、以後これを休止期間T2とする。ライン読み出し期間T1と休止期間T2をあわせて、階調印字周期T3とする。
【0014】
この階調印字周期T3を階調数分繰り返し行い、1ライン分の印字が終了する。その後、引き続き次のライン印字期間のメモリ書き込み、読み出しが順次行われる。こうして、最終ラインまでのメモリ書き込み、読み出し動作が終了して、1画面分の画像の印字が完了する。
カラー印字の場合は、この動作を3画面分繰り返し、イエロー、マゼンタ、シアンの印刷三原色分の印字を行って、カラー画像を得る。
次に、図3に本実施例の動作を説明するタイミングチャートを示し、これを図1も参照しつつ説明する。
【0015】
まず、レベルカウンタ 4のカウント値は、常にレベルカウンタ6のカウント値より1だけ少ない値をとるようになっている。現在、レベルカウンタ 4の値がL−1、レベルカウンタ 6の値がLとなったとする。尚、各レベルカウンタ4、6のカウントアップは、分割数カウントコンパレータ11からのレベルカウント信号により行われる。
上記ラインメモリ 1から読み出される画像データは1画素ずつ順にデータコンパレータ3 及び5 へ入力される。このデータコンパレータ3及び5では、その画像データとレベルカウンタ4及び6の値が比較され、[レベルカウンタ値<画像データ]となったとき、真=Highレベル信号、それ以外の場合は偽=Lowレベル信号を出力する。そして、レベルカウンタ4からはANDゲート14へ、データコンパレータ5 からの出力は印字ドットカウンタ 7へ入る。
【0016】
この印字ドットカウンタ 7は、データコンパレータ5の比較結果が“真”となったデータの数をカウントする。このカウント値は随時、分割数判定部 8へ送られる。
この分割数判定部 8は2bitのレジスタ(図示せず)を内部に持ち、各ライン読み出し期間の開始時に0にリセットされる。この分割数判定部8は、印字ドットカウンタ 7からのカウント値が、0から同時印字画素数である128までの間であれば0、129から同時印字画素数の2倍である256までの間であれば1、257から同時印字画素数の3倍である384までの間であれば2、385から全印字画素数である512までの間であれば3をそれぞれ出力する。
上記分割数判定部 8からの出力値は分割数レジスタ9へ入力される。このレジスタ9は、分割数カウントコンパレータ11からレベルカウント信号が出力されたときに分割数判定部 8の出力値をメモリする。この値は図3では例として値3をとっているが、これは、階調L−1での分割数が4分割である事を想定している。
【0017】
一方、分割数カウンタ 10は、レベルカウント信号により0にリセットされ、 各ライン読み出し期間の開始のタイミングでカウントアップする。このカウント値は分割数カウントコンパレータ 11へ入力される。
この分割数カウントコンパレータ 11へは、上記分割数カウンタ 10のカウン ト値及び上記分割数レジスタ 9のメモリ値がそれぞれ入力される。この分割数カウントコンパレータ 11では、入力される両者の値を、各休止期間中において比 較する。この比較の結果、両者が等しかった場合には、レベルカウント信号を出力する。このレベルカウント信号は前述した通り、レベルカウンタ4、レベルカ ウンタ6をカウントアップさせ、分割数レジスタ 9に分割数判定部 8からの出力 値をメモリし、また、分割数カウンタ 10の値を0にリセットする。上記レベル カウント信号が出力された段階で、階調数L−1における分割数カウンタ10の値が0から3に当たる計4つの階調印字周期にわたった4分割印字が終了する。
【0018】
そして、各ライン読み出し期間ではデータマスク生成部12からデータマスク信号として、図3に示したmask10,20,21,30,31,32,40,41,42,43の計10本の信 号が常時生成されており、データマスク選択部 13へ入力される。このデータマ スク選択部 13は、分割数レジスタ9の値及び分割数カウンタ 10からの値によ って、上記10本の信号の内の1本を選択してANDゲート 14へ出力する。図 4に、分割数レジスタ値、及び分割数カウンタ値と、選択されるデータマスク信号との対応関係を示す。尚、図4中において[−]は無効を示し、例えば分割レジスタ値が0の場合には、分割数カウント値が1、2、3になることはない。
【0019】
上記データマスク信号は、図3に示すように、mask10と、mask20、21と、mask30、31、32と、mask40、41、42、43の4つの群になっている。この内、後者の3つの群は、上記順列に従って、パルス間幅が1パルス幅(画素に対応)ずつ大きくなっており、また、群内では1パルス幅ずつ位相をずらしている。これにより、データマスク信号は、分割値に応じて2画素おき、3画素おき、あるいは4画素おきにANDゲート 14によって画像 データがサーマルヘッドへ送られる様にマスクする波形になっている。このため、各印字動作時において、印字画素が隣接せず分散するようになり、連続して隣接する画素の集まりのブロック単位で印字していた場合に発生する、ブロック単位での濃度むらが発生せず、ライン上に分散するため、濃度むらを目立たなくさせる。
【0020】
以上の様にして、階調数L−1では、4分割印字が行われる。階調L−1印字終了後、階調Lの印字に移る。この時、レベルカウント信号により、階調数Lに対する分割数が分割数レジスタ 9にメモリされる。図3の例では分割数レジスタ9の値が2、すなわち3分割となる。階調数Lに対する分割数の判定は、前記の通り、階調L−1での分割印字が行われている間、これと平行して行われている。この分割数レジスタ9の値と分割数カウンタ10の値により、データマスク選択部 13ではデータマスク信号が選択され、順次出力される。この時、レベルカ ウンタ4はカウント値Lとなっており、階調値Lの印字データがデータコンパレ ータ3 より順次出力され、ANDゲート 14にてマスクされた後、サーマルヘッ ドへ送られる。
この時、レベルカウンタ6は値L+1となっており、階調値Lでの印字動作中 、次回に印字を行う階調数L+1での分割数の判定を平行して行う。
【0021】
以上の動作を全512階調数にわたり行い、1ライン分の画像出力を完了する。
尚、レベルカウンタ4のカウント値は、レベルカウント6のカウント値より1 だけ少ない値をとるが、各ライン印字期間の最初の階調を印字する階調印字周期において、レベルカウンタ6の値が0である時には、レベルカウンタ4の値は最 大階調数256以上の値、例えば511を取る。この結果、この階調印字周期ではデータコンパレータ3 からの出力はすべて”偽”となり、サーマルヘッドへは印字データが送られない。また、この階調周期では分割数レジスタ 9は0にセットされる。この結果、レベルカウンタ6の値0での階調印字周期は1回のみとなる。この期間は、階調数0での分割数の判定期間であり、画素の印字は行われない。この後、レベルカウンタ4の値=0,レベルカウンタ6の値=1の印字周期に移り、先ほどの分割数の判定結果に基づき階調数0の印字動作が行われる事になる。
【0022】
尚、以上の実施例では、ヘッドへのデータ線が複数存在する場合については触れなかったが、この場合はラインメモリ1からのデータ読み出しを分割数にあわせて高速に読み出すと共に、ANDゲート14の後、サーマルヘッドへ送られる前に、データを各データ線へ時分割で振り分ける機能を設ける事で対応できる。この場合、データマスク生成部 12で作る各データマスク信号は、図3に示した信 号と異なり、この方法での画像データの並びにあわせた波形に改変する必要がある。また、ブロック分割数が多く、ラインメモリ1からの読み出しスピードが追いつかない場合には、上記した構成の回路を複数並列に持つ事で対応できる。
また、データマスク信号の例として、図3では1ドットの画素を等間隔で分散させる形を示したが、これは一例であり、これにとらわれず、印字画素を画面上に分散させるためのさまざまなパターンを取り得るのは勿論である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のデジタルプリンタによれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
ラインを構成する画素データをいくつかに分割して印字を行うため、低電力化が図れ、サイズ、コスト等の面で有利である。
また、印字ドット数に応じて分割数を可変とするため、分割数を固定とする場合に比べて印字スピードを早める事ができる。
また、分割を行うに当たり、予め用意した例えば櫛の歯状のデータマスク信号を用いる事によって、従来の様にブロック単位で分割する場合に比べて、電源の負荷変動により生じる濃度むらを画面上に分散させるようにしているので、この濃度むらが目立ちにくくなり、画質の劣化を減少させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデジタルプリンタの信号処理系を示すブロック図である。
【図2】ラインメモリの動作概要を説明するタイムチャートである。
【図3】信号処理系の各信号の動作を説明する為のタイムチャートである。
【図4】データマスク選択部によって選択されるデータマスク信号と、分割数レジスタ値、分割数カウンタ値との対応を説明するための図である。
【図5】分割印字を行うデジタルプリンタの信号処理回路を示すブロック図である。
【図6】階調数Lのときの各信号の動作を表すタイミングチャートである。
【図7】サーマルヘッドの構造の概要を示す図である。
【符号の説明】
1…ラインメモリ、2…メモリコントローラ、3,5…データコンパレータ、4,6…レベルカウンタ、7…印字ドットカウンタ、8…分割数判定部、9…分割数レジスタ、10…分割数カウンタ、11…分割数カウントコンパレータ、12…データマスク生成部、13…データマスク選択部、14…ANDゲート、21…第1レジスタ群、22…第2レジスタ群、23…ANDゲート、24…通電スイッチ素子、25…発熱体。

Claims (1)

  1. 各画素が多階調のデータを持ったデジタル画像データを受け取り、これをラインヘッドによって階調毎にインクの転写の有無を制御する事で、多階調の濃度差を持つ印字画素からなるラインを記録紙上に得、ラインヘッドの走査によって複数のラインを記録紙上に記録する事によって画像を印字するデジタルプリンタにおいて、
    各階調毎に印字を行う画素の数をカウントする手段と、
    前記カウント手段によるカウント値と同時印字画素数として予め規定した画素数とを照らし合わせて画素を複数のグループに分割する手段と、
    この分割数を決定する手段と、
    想定される全分割数に対応し、且つ各グループにおける印字画素をライン全体に分散させるための複数のデータマスク信号を常時生成する手段と、
    前記分割数を決定する手段で決定した分割数を記憶する分割数レジスタと、
    ライン画素データにおけるライン読み出し期間の開始のタイミングでカウントアップする分割数カウンタと、
    前記分割数レジスタの値と前記分割数カウンタの値とに基づいて前記データマスク信号の内の1つを選択するデータマスク選択部と、を有し、
    前記分割数に応じて各階調の印字を複数の分割印字期間に分け、各分割印字期間においては、前記データマスク選択部にて選択したデータマスク信号と印字データ信号との論理演算によって、各階調の印字を複数回に分割して印字する事を特徴とするデジタルプリンタ。
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