JP4243749B2 - 共鳴トンネル半導体装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は共鳴トンネル半導体装置に関するものであり、例えば、高速ディジタル回路への応用が期待されている、負性微分抵抗を持つ共鳴トンネルダイオード(RTD)等のP/V特性を改善するためのバリア層の構成に特徴のある共鳴トンネル半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の情報処理装置の高速化・大容量化に伴い、情報処理装置を構成するディジタル回路の高速化が要請されており、この様な要請に応える高速ディジタル回路を構成する半導体デバイスとしては、負性微分抵抗を持つRTD等の共鳴トンネル現象を用いたデバイスが期待されているので、この共鳴トンネル現象を用いたデバイスの代表として、図8を参照して共鳴トンネルダイオード(RTD)を説明する。
【0003】
図8(a)参照
図8(a)は、従来のRTDの概略的断面図であり、半絶縁性GaAs基板51上に、MOCVD法(有機金属気相成長法)を用いて、i型GaAsバッファ層52、n型GaAsコンタクト層53、及び、RTD構成層を順次堆積させたのち、TiW上部電極54を形成し、このTiW上部電極54をマスクとしてRTD構成層をエッチングすることによってRTD素子部55を形成し、次いで、段切れ及びリフトオフを利用してAuGe/Au層56,57を堆積させて、n型GaAsコンタクト層53上に堆積した環状のAuGe/Au層57を下部電極としたものである。
【0004】
この場合、RTD素子部55は、n型InGaPエッチング停止層、n型GaAsスペーサ層、i型GaAsスペーサ層58、i型AlAs障壁層59、i型GaAs井戸層60、i型AlAs障壁層61、i型GaAsスペーサ層62、及び、n型InGaAsキャップ層を順次堆積した積層構造からなる。
【0005】
図8(b)参照
図8(b)は、RTDの伝導帯におけるエネルギーバンドの概略図であり、i型AlAs障壁層59,61の厚みは、電子がトンネルできるように、3〜4nm程度に充分薄く設計されている。
また、i型GaAs井戸層60の厚みは、ド・ブロイ波長と同程度かそれよりも薄く設計されており、井戸内に量子準位63が形成される。
【0006】
このRTDの両端に電界を印加し、負電圧側のフェルミ準位とi型GaAs井戸層60内の量子準位63が一致する点で、電子が量子準位63を経由して、正電圧側へ輸送され、印加した電圧値がこの値からずれると電流値は減少する。
つまり、負性微分抵抗特性を示すことになり、これが共鳴トンネル現象の原理である。
【0007】
図8(c)参照
図8(c)は、この様なRTDのI−V特性図であり、共鳴トンネル現象によるトンネル電流成分と、熱励起による余剰電流特性とが重畳したN字型の負性抵抗特性を示すことになる。
【0008】
この場合、2重障壁の障壁高、即ち、伝導帯端エネルギーの差ΔEc は大きいほど熱励起による余剰電流が減少し、ピーク電流とバレイ電流の比(P/V比)が増加し、また、デバイスの温度依存性も小さくなる。
【0009】
この様なRTDを集積回路内で用いる場合は、RTD本来の負性微分抵抗特性の大きさを示すP/V比がある程度大きいことが要求され、また、室温以上の高温下での特性も要求される。
【0010】
上述のRTDにおける井戸層を構成するGaAsに対する障壁層を構成するAlAsのΔEc は約1.0eVと充分高く、熱励起による余剰電流を減少させるのに適しているように予想される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の構成のRTDにおいては、図8(c)において破線で示すように予期したP/V特性及び温度依存特性が得られないという問題がある。
これは、AlGaAsのAl組成比が約0.5を超えると、X点における伝導帯の底Ec (X)がΓ点の伝導帯の底Ec (Γ)よりも低くなり、Γ−XのΔEc が小さくなり、これにより、余剰電流が増加し、P/Vが低下するためである。
【0012】
即ち、Γ点で見た場合には、障壁層の電位障壁は十分高いものの、X点で見た場合の電位障壁がかなり低くなるため、電子の一部はX点における電位障壁Ec (X)を超えて余剰電流が流れるためである。
また、それに伴い、電流- 電圧特性の温度依存性も大きくなってしまうという問題もある。
【0013】
したがって、本発明は、X点を経由した電子の流れを低減して、高いP/V比を確保し、温度依存性を小さくすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
図1は、本発明の原理的構成の説明図であり、ここで、図1を参照して本発明における課題を解決するための手段を説明する。
図1参照
上記目的を達成するための、本発明は、少なくとも一層の井戸層1の両側を一対の障壁層で挟み、同一バンド間をトンネルする共鳴トンネル半導体装置において、前記一対の障壁層の少なくとも一方をΓ点以外の点に伝導帯エネルギーの底を有する第1の障壁層2、Γ点における伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層2のΓ点における伝導帯エネルギー端より低く且つ前記Γ点以外の点の伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層2のΓ点以外の点における伝導帯エネルギー端より高い第2の障壁層3を含む少なくとも2層の障壁層で構成することを特徴とする。
【0015】
この様に、障壁層をΓ点以外の点における伝導帯エネルギーの底の高さが互いに異なる2層以上の半導体層で構成することによって、エネルギーギャップの大きな単層の障壁層で構成する場合よりもΓ点以外の点、例えば、X点における伝導帯エネルギーの底の高さEc (X)を高くすることができ、それによって、X点における電位障壁を超えて余剰電流が流れるのを抑制することができる。
【0016】
即ち、エネルギーギャップの大きな第1の障壁層2は、井戸層1及びスペーサ層5,6に対するΓ点における伝導帯エネルギー不連続量は大きいが、X点での伝導帯エネルギー端Ec1(X)がΓ点のそれEc (Γ)よりも小さい。
そこで、第1の障壁層2に近接するようにX点の伝導帯エネルギー端Ec2(X)が第1の障壁層2のそれEc1(X)よりも高い位置にある第2の障壁層3を設けることによって、障壁層のX点による電位障壁を超えた余剰電流を抑制することができる。
【0017】
したがって、障壁層を多層構造にすることにより、X点を経由した電流経路を減少させることができ、量子準位4を介した共鳴トンネル現象による電流が主になるので、余剰電流減少によるP/V比の増加及び温度依存性低減が可能になる。
【0018】
なお、井戸層1は単層に限られるものではなく、多層のMQW構造にしても良く、半導体装置もダイオードに限られるものではなく、トランジスタのベース構造等、トランジスタの一部として組み合わせて使用しても良く、また、一対の障壁層は対称構造である必要は必ずしもない。
【0019】
また、一対の障壁層の双方をΓ点以外の点に伝導帯エネルギーの底を有する第1の障壁層2及び前記第1の障壁層2とΓ点以外の点における伝導帯エネルギーの底の高さの高い第2の障壁層3で構成するとともに、第1の障壁層2が上記井戸層1に直接接するように設けても良いし、或いは、第2の障壁層3が上記井戸層1に直接接するように設けても良い。
【0020】
また、一つの障壁層の双方を、互いのΓ点以外の点における伝導帯エネルギーの底の高さが異なる3種類以上の障壁層から構成しても良く、その場合のΓ点以外の点、例えば、X点における伝導帯エネルギーの底の高さEc (X)の配置は、任意であるが、井戸層1に近いほうがX点における伝導帯エネルギーの底の高さEc (X)が小さくなるように、即ち、Γ点における伝導帯エネルギーの底の高さEc (Γ)が高くなるように配置することが望ましい。
【0021】
また、一つの障壁層を、Γ点以外の点の伝導帯エネルギーの底が連続的変化する半導体層、即ち、グレーデッド障壁層により構成しても良いものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
ここで、図2乃至図4を参照して、本発明の第1の実施の形態のRTDを説明する。
図2(a)参照
まず、半絶縁性GaAs基板11上に、MOCVD法を用いて、厚さが、例えば、200nmのi型GaAsバッファ層12、厚さが、例えば、100nmで、不純物濃度が5×1018cm-3のn型GaAsコンタクト層13、及び、RTD構成層14を順次堆積させる。
【0023】
この場合のRTD層は、厚さが、例えば、6nmのn型InGaPエッチング停止層15、厚さが、例えば、50nmで、不純物濃度が1×1019cm-3のn型GaAsスペーサ層16、厚さが、例えば、30nmでアンドープのi型GaAsスペーサ層17、厚さが、例えば、2nmのi型InAlAs障壁層18、厚さが、例えば、2nmのi型AlAs障壁層19、厚さが、例えば、4nmのi型GaAs井戸層20、厚さが、例えば、2nmのi型AlAs障壁層21、厚さが、例えば、2nmのi型InAlAs障壁層22、厚さが、例えば、30nmのi型GaAsスペーサ層23、及び、厚さが、例えば、50nmで不純物濃度が1×1019cm-3のn型InGaAsキャップ層24からなる。
なお、i型InAlAs障壁層18,22のIn組成は0.2である。
【0024】
図3(b)参照
次いで、スパッタ法を用いて厚さが、例えば、200nmのTiW層をウェハ全面に形成したのち、フォトリソグラフィ技術を用いてレジストパターン(図示を省略)を形成し、このレジストパターンをマスクとしてTiW層をドライエッチングすることによってTiW上部電極25を形成する。
【0025】
図3(c)参照
次いで、レジストパターンを除去したのち、TiW上部電極25をマスクとして、リン酸、過酸化水素、水の混合液からなるエッチャントを用いてウェット・エッチングすることによって、RTD構成層14をエッチングしてRTD素子部26を形成する。
【0026】
この場合、RTD構成層26を過剰エッチングしてTiW上部電極25にひさし状の張出部を形成するが、RTD構成層14の最下層のn型InGaPエッチング停止層15でエッチングは停止する。
次いで、このi型InGaPエッチング停止層15を塩酸及びリン酸の混合液を用いてエッチング除去することによって、n型GaAsコンタクト層13を露出させる。
【0027】
図3(d)参照
次いで、新たなリフトオフ用レジストパターン(図示を省略)を設け、厚さが、例えば、20nmのAuGe膜及び厚さが、例えば、200nmのAu膜を順次蒸着したのち、リフトオフ用レジストパターンを除去することによってAuGe/Au層27,28を形成する。
【0028】
次いで、例えば、400℃において10分間アロイ処理することによって、n型GaAsコンタクト層13上に、TiW上部電極25に対して自己整合的に形成された環状のAuGe/Au層28が下部電極となり、RTDの基本構成が完成する。
【0029】
図4参照
図4は、本発明の第1の実施の形態のRTDの伝導帯におけるエネルギーバンドの概略図であり、i型GaAs井戸層20がi型InAlAs障壁層18,20及びi型AlAs障壁層19,21の二重の障壁層に挟まれ、i型GaAs井戸層20の形成された量子準位29を介した共鳴トンネル電流が流れることになる。
【0030】
この場合、i型InAlAs障壁層18,22のX点における伝導帯エネルギー端Ec2(X)は、i型AlAs障壁層19,21のX点における伝導帯エネルギー端Ec1(X)より高い位置にあるので、X点における伝導帯エネルギー端により形成される電位障壁は、従来の単層のi型AlAs障壁層のX点における伝導帯エネルギー端Ec1(X)より形成される電位障壁より高くなるので、熱励起による余剰電流は抑制され、バレイ電流値が小さくなるのでP/V特性が改善される。
【0031】
また、X点における伝導帯エネルギー端により形成される電位障壁が従来より高くなることによって、熱励起に対して強くなるので温度依存性も小さくなり特性が向上する。
【0032】
次に、図5を参照して、本発明の第2の実施の形態のRTDを説明するが、障壁層の構成が異なるだけで他の構成は、上記第1の実施の形態と全く同様であるので、伝導帯側のエネルギーバンドのみを示す。
【0033】
図5参照
図5は、本発明の第2の実施の形態のRTDの伝導帯におけるエネルギーバンドの概略図であり、i型GaAs井戸層20をi型InAlAs障壁層18,20及びi型AlAs障壁層19,21の二重の障壁層により挟んだものであるが、この場合には、X点における伝導帯エネルギー端の高いi型InAlAs障壁層18,22を内側にしたものである。
【0034】
この場合も、全体としては、X点における伝導帯エネルギー端により形成される電位障壁は、従来の単層のi型AlAs障壁層のX点における伝導帯エネルギー端Ec1(X)より形成される電位障壁より高くなるので、熱励起による余剰電流は抑制され、バレイ電流値が小さくなるのでP/V特性が改善される。
【0035】
但し、この場合には、量子井戸内に形成される第2量子準位(図示を省略)と基底準位として示した量子準位29とのエネルギー差が上記の第1の実施の形態に比べて小さくなるので、余剰電流が多少多くなる可能性がある。
【0036】
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態のRTDを説明するが、障壁層の構成が異なるだけで他の構成は、上記第1の実施の形態と全く同様であるので、伝導帯側のエネルギーバンドのみを示す。
【0037】
図6参照
図6は、本発明の第3の実施の形態のRTDの伝導帯におけるエネルギーバンドの概略図であり、この第3の実施の形態においては、障壁層を、i型InAlAs障壁層18,20、i型AlAs障壁層19,21、及び、i型InAlAs障壁層30,31の三重の障壁層としたものである。
【0038】
この場合のi型InAlAs障壁層30,31のIn組成比は0.2であり、したがって、i型InAlAs障壁層30,31のX点における伝導帯エネルギー端Ec3(X)は、
c1(X)<Ec3(X)<Ec2(X)
となる。
【0039】
この場合も、全体としては、X点における伝導帯エネルギー端により形成される電位障壁は、従来の単層のi型AlAs障壁層のX点における伝導帯エネルギー端Ec1(X)より形成される電位障壁より高くなるので、熱励起による余剰電流は抑制され、バレイ電流値が小さくなるのでP/V特性が改善される。
【0040】
次に、図7を参照して、本発明の第4の実施の形態のRTDを説明するが、障壁層の構成が異なるだけで他の構成は、上記第1の実施の形態と全く同様であるので、伝導帯側のエネルギーバンドのみを示す。
【0041】
図7参照
図7は、本発明の第4の実施の形態のRTDの伝導帯におけるエネルギーバンドの概略図であり、この第4の実施の形態においては、障壁層を、i型InAlAsグレーデッド障壁層32,33で形成したものである。
【0042】
なお、この場合のi型InAlAsグレーデッド障壁層32,33は、例えば、In組成比が0.2のInAlAsからAlAsれ組成比が連続的に変化する。
したがって、i型InAlAsグレーデッド障壁層32,33のX点における伝導帯エネルギー端Ec (X)は、i型GaAs井戸層20から離れるにつれて高くなる。
【0043】
この場合も、全体としては、X点における伝導帯エネルギー端により形成される電位障壁は、従来の均一な単層のi型AlAs障壁層のX点における伝導帯エネルギー端Ec1(X)より形成される電位障壁より高くなるので、熱励起による余剰電流は抑制され、バレイ電流値が小さくなるのでP/V特性が改善される。
【0044】
以上、本発明の各実施の形態を説明してきたが、本発明は各実施の形態に記載した構成に限られるものではなく、各種の変更が可能である。
例えば、上記の各実施の形態においては、井戸層をi型GaAs層で構成しているが、i型InGaAs層で構成しても良いものであり、また、一番エネルギーギャップの大きな障壁層をAlAsで構成しているが、InAlAsとして良いものである。
【0045】
また、上記の各実施の形態においては、基板をGaAsとし、基本的にGaAsに格子整合する材料系によってRTDを構成しているが、基板をInPとし、基本的にInPに格子整合する材料系によってRTDを構成しても良いものである。
【0046】
また、上記の第3の実施の形態においては、各障壁層のX点における伝導帯エネルギー端の関係を、井戸層に近接する側から大−小−中としているが、この様な順序に限られるものではなく、大−中−小,中−大−小,中−小−大,小−大−中,小−中−大にしても良いものである。
【0047】
また、上記の第3の実施の形態においては、各障壁層を三重構造としているが、四重構造以上の多層構造で形成しても良いものである。
【0048】
また、上記の各実施の形態においては、両側の障壁層を対称構造としているが、対称構造に限られるものではなく、各障壁層のX点における伝導帯エネルギー端の関係を非対称にしても良いものであり、或いは、障壁層を構成する層数を非対称にしても良いものである。
【0049】
また、上記の各実施の形態においては、井戸層を一層としているが、一層に限られるものではなく、多層、即ち、MQW構造にしても良いものであり、それによって、P/V特性をさらに向上することができる。
【0050】
また、上記の各実施の形態においては、RTDとして説明しているが、共鳴トンネル構造をトランジスタと組み合わせることにより、3端子の共鳴トンネル素子としても良いものである。
【0051】
また、上記の各実施の形態においては、下部電極をTiW上部電極を利用して自己整合的に形成しているが、RTD素子部を形成する際に、結晶面方位によるエッチングの異方性を利用して断面形状が逆テーパ状のRTD素子部とし、このRTD素子部の形状を利用して下部電極を自己整合的に形成しても良いものである。
【0052】
また、上記の各実施の形態においては、単体のRTD構造として説明しているが、HEMT等の電界効果型化合物半導体素子或いはヘテロ接合バイポーラトランジスタ(HBT)等のバイポーラ型化合物半導体素子とモノリシックに集積化しても良いことは言うまでもなく、その場合に、半絶縁性化合物半導体基板上に、HEMT構成層等の化合物半導体素子構成層を成長させたのち、引き続いてRTD構成層を成長させ、このRTD成長層に対して上述の工程を行うことによってRTDを有する化合物半導体集積回路装置を構成することができる。
【0053】
また、上記の各実施の形態においては、RTDの下部電極を環状に形成しているが、必ずしも環状である必要はなく、RTD素子部の少なくとも一端に近接して設ければ良いものである。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、共鳴トンネル構造の障壁層を、Γ点に比べ、その他の点、例えば、X点の伝導帯エネルギー端が低い材料からなる多層構造によって構成しているので、Γ点以外の点を経由する余剰電流を減らすことが可能になり、それによって、P/V比が大きく、且つ、温度依存性の小さい化合物半導体装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理的構成の説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態のRTDの途中までの製造工程の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のRTDの図2以降の製造工程の説明図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のRTDの伝導帯のエネルギーバンドの概略図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態のRTDの伝導帯のエネルギーバンドの概略図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態のRTDの伝導帯のエネルギーバンドの概略図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態のRTDの伝導帯のエネルギーバンドの概略図である。
【図8】従来のRTDの説明図である。
【符号の説明】
1 井戸層
2 第1の障壁層
3 第2の障壁層
4 量子準位
5 スペーサ層
6 スペーサ層
11 半絶縁性GaAs基板
12 i型GaAsバッファ層
13 n型GaAsコンタクト層
14 RTD構成層
15 n型InGaPエッチング停止層
16 n型GaAsスペーサ層
17 i型GaAsスペーサ層
18 i型InAlAs障壁層
19 i型AlAs障壁層
20 i型GaAs井戸層
21 i型AlAs障壁層
22 i型InAlAs障壁層
23 i型InGaAsスペーサ層
24 n型InGaAsキャップ層
25 TiW上部電極
26 RTD素子部
27 AuGe/Au層
28 AuGe/Au層
29 量子準位
30 i型InAlAs障壁層
31 i型InAlAs障壁層
32 i型InAlAsグレーデッド障壁層
33 i型InAlAsグレーデッド障壁層
51 半絶縁性GaAs基板
52 i型GaAsバッファ層
53 n型GaAsコンタクト層
54 TiW上部電極
55 RTD素子部
56 AuGe/Au層
57 AuGe/Au層
58 i型GaAsスペーサ層
59 i型AlAs障壁層
60 i型GaAs井戸層
61 i型AlAs障壁層
62 i型GaAsスペーサ層
63 量子準位

Claims (5)

  1. 少なくとも一層の井戸層の両側を一対の障壁層で挟み、同一バンド間をトンネルする共鳴トンネル半導体装置において、前記一対の障壁層の少なくとも一方をΓ点以外の点に伝導帯エネルギーの底を有する第1の障壁層及び、Γ点における伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層のΓ点における伝導帯エネルギー端より低く且つ前記Γ点以外の点の伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層のΓ点以外の点における伝導帯エネルギー端より高い第2の障壁層を含む少なくとも2層の障壁層で構成することを特徴とする共鳴トンネル半導体装置。
  2. 上記一対の障壁層の双方をΓ点以外の点に伝導帯エネルギーの底を有する第1の障壁層及び、Γ点における伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層のΓ点における伝導帯エネルギー端より低く且つ前記Γ点以外の点の伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層のΓ点以外の点における伝導帯エネルギー端より高い第2の障壁層で構成するとともに、前記第1の障壁層が上記井戸層に直接接するように設けたことを特徴とする請求項1記載の共鳴トンネル半導体装置。
  3. 上記一対の障壁層の双方をΓ点以外の点に伝導帯エネルギーの底を有する第1の障壁層及び、Γ点における伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層のΓ点における伝導帯エネルギー端より低く且つ前記Γ点以外の点の伝導帯エネルギー端が前記第1の障壁層のΓ点以外の点における伝導帯エネルギー端より高い第2の障壁層で構成するとともに、前記第2の障壁層が上記井戸層に直接接するように設けたことを特徴とする請求項1記載の共鳴トンネル半導体装置。
  4. 少なくとも一層の井戸層の両側を一対の障壁層で挟み、同一バンド間をトンネルする共鳴トンネル半導体装置において、前記一対の障壁層の双方が、Γ点以外の点における伝導帯エネルギーの底の高さが互いに異なる3種類以上の障壁層からなることを特徴とする共鳴トンネル半導体装置。
  5. 少なくとも一層の井戸層の両側を一対の障壁層で挟み、同一バンド間をトンネルする共鳴トンネル半導体装置において、前記一対の障壁層の双方をΓ点以外の点の伝導帯エネルギーの底が連続的変化する半導体層により構成したことを特徴とする共鳴トンネル半導体装置。
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