JP4243191B2 - 変異型ablキナーゼドメイン - Google Patents

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    • C12N9/12Transferases (2.) transferring phosphorus containing groups, e.g. kinases (2.7)
    • C12N9/1205Phosphotransferases with an alcohol group as acceptor (2.7.1), e.g. protein kinases

Description

発明の詳細な説明
変異型Ablキナーゼドメイン
発明の分野:
本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Leu248、Gly250、Glu252、Tyr253、Val256、Glu258、Phe311、Ile313、Phe317、Met318、Met351、Glu355、Phe359、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396、Ser417、Glu459およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該変異型機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩による該チロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチド、該ポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物のスクリーニングのための該ポリペプチドの使用、該ポリペプチドをコード化する核酸分子、該核酸分子を含む組み換えベクターおよび宿主細胞、および該ポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物のスクリーニングで使用する該ポリペプチドの生成での該核酸分子の使用に関する。
発明の背景:
9番および22番染色体の長腕間の相互転座[Rowley J.D., Nature 243, 290-293 (1973)]によるフィラデルフィア染色体の形成から生じる常時活性型チロシンキナーゼであるBcr−Abl[Nowell P.C. and Hungerford D.A., Science 132, 1497 (1960)]は、慢性骨髄性白血病(CML)の実質的全類型および成人急性リンパ芽球性白血病(ALL)の最大20%に存在する特徴的分子異常として示された[Faderl S. et al., N Engl J Med 341, 164-172 (1999); Sawyers C.L., N Engl J Med 340, 1330-1340 (1999)]。Bcr−AblはマウスにおいてCMLを引き起こすのに足り[Daley G.Q. et al., Science 247, 824-830 (1990)]、かつその形質変換能はチロシンキナーゼ活性に完全に依存している。Bcr−Ablならびに血小板由来成長因子受容体のATP結合部位、およびc−kitチロシンキナーゼ[Lugo T.G. et al., Science 247, 1079 (1990)]での競合的阻害剤である化合物N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミド(以下、「STI571」としても言及される;STI571はEP0 564 409に記載され、そしてメタンスルホン酸塩の形でWO99/03854に記載される)は、慢性期および急性転化のCML、ならびにフィラデルフィア染色体陽性(Ph+)急性リンパ芽球性白血病(Ph+ALL)の臨床的異常および血液学的異常を非常に急激に逆にする能力があると示されてきた[Druker B.J. et al., N Engl J Med 344, 1031-1037 (2001); Druker B.J. et al., N Engl J Med 344, 1038-1042 (2001)]。ほとんど全ての慢性期CML患者が永続的に応答する一方で、CML急性転化およびPh+ALLの寛解は一時的であり、そしてほとんどの患者がSTI571での継続治療にもかかわらず数ヶ月後に再発する[Druker B. J. et al., N Engl J Med 344, 1038-1042 (2001)]。STI571に対する抵抗性のメカニズムは熱心な研究の対象である。
CMLまたはPh+ALLに罹患する患者のBcr−Abl遺伝子のキナーゼドメインに存在する変異が、該変異がSTI571による阻害に対するBcr−Ablチロシンキナーゼの抵抗性を導くという点で、STI571処置に対する該患者の生物学的抵抗性に起因すということは、当時としては驚くべき発見であった。
これらの発見は、例えば、STI571での処置に対する抵抗性に打ち勝つ能力のある新規化合物または化合物の組合せを見つける際に非常に価値がある。さらにかかる変異の認識は、それが例えば、患者が臨床的に再発する前に薬物抵抗性クローンの検出を可能とするという点で、Ph+白血病の診断においても非常に有益である。
定義:
本明細書の文章中、以下の表現、用語および略語は以下に定義される意味を有する。
表現「機能的キナーゼドメイン」において、用語「機能的」はそれぞれのキナーゼドメインがチロシンキナーゼ活性を有することを示す。好ましくは、かかる機能的キナーゼドメインのキナーゼ活性は天然のヒトAblキナーゼドメインの活性の範囲内である。
表現「機能的キナーゼドメインがSTI571またはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である」において、用語「抵抗性」は、STI571が天然のヒトAblキナーゼドメインのものより高い、すなわち、約0.025μMより高い、好ましくは約0.15μMより高い、より好ましくは約0.25μMより高い、最も好ましくは約5μMより高いIC50でそれぞれの機能的キナーゼドメインを阻害することを意味する。
表現「天然のヒトキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列」において、一部分「またはその本質的に類似の配列」は、キナーゼの機能性にとっては本質的でないアミノ酸変換、アミノ酸欠損および/またはアミノ酸付加を含む変異を含有する天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列、および上で定義された様に用語「機能的」および「抵抗性」の意味の範囲内でSTI571またはその塩による阻害に対する該抵抗性に言及する。
表現「別のアミノ酸により置換される」はある天然のアミノ酸の別の天然のアミノ酸による置換に言及する。
アミノ酸名は、1文字または3文字コードのいずれかを用いて記載されている。変異は、一般に認められる命名法、例えば、ともに、位置380のアラニンがスレオニンにより置換されることを示す「Ala380Thr」または「380Ala→Thr」により言及される。
配列番号:1は、天然のヒトAblタンパク質をコードするcDNAを表す(ヒトc−abl mRNA;GenBank受託番号:X16416)。
配列番号:2は、天然のヒトAblタンパク質のアミノ酸配列を表す(ヒトc−Abl;SwissProt受託番号:P00519)。
別に示されていなければ、あるアミノ酸に与えられた数は配列番号:2のアミノ酸の番号付けに言及する。上で定義された意味の範囲内の天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列に本質的に類似するアミノ酸配列においては、アミノ酸は配列番号:2のアミノ酸の番号付けに従って番号付けされる。
用語「単離」は、物質が本来の環境(例えば、それが天然に生じるなら天然の環境)から移されることを意味する。
「宿主細胞」は、任意の方法、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム沈殿法、マイクロインジェクション法、トランスフォーメーション法、ウイルス感染法等により細胞内に導入された異種性DNAを含有する原核細胞または真核細胞に言及する。
発明の説明:
本発明の実施において、分子生物学、微生物学の多くの通常の技術、および組み換えDNAが用いられる。これらの技術はよく知られており、そして例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Volumes I, II, and III, 1997 (F. M. Ausubel ed.); Sambrook et al., 1989, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.; DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes I and II, 1985 (D. N. Glover ed.); Oligonucleotide Synthesis, 1984 (M. L. Gait ed.); Nucleic Acid Hybridization, 1985, (Hames and Higgins); Transcription and Translation, 1984 (Hames and Higgins eds.); Animal Cell Culture, 1986 (R. I. Freshney ed.); Immobilized Cells and Enzymes, 1986 (IRL Press); Perbal, 1984, A Practical Guide to Molecular Cloning; the series, Methods in Enzymology (Academic Press, Inc.); Gene Transfer Vectors for Mammalian Cells, 1987 (J. H. Miller and M. P. Calos eds., Cold Spring Harbor Laboratory);およびMethods in Enzymology Vol. 154 and Vol. 155 (Wu and Grossman, and Wu, eds., respectively)に説明されている。
特に、本発明のポリペプチドは当該技術分野でよく知られた技術を用いる組み換えDNAテクノロジーにより生成され得る。当業者によく知られている方法を用いて、本発明のポリペプチドをコード化する配列および適当な転写/翻訳制御シグナルを含有する発現ベクターを構築するこができる。様々な宿主発現ベクターシステムを利用して本発明のポリペプチドを発現することができる。
(1)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Ile313、Met318、Leu370、Phe382およびHis396から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(2)本発明は特に、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Gly250、Tyr253、Glu258およびHis396から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(3)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Ile313、Phe317、Met318、Met351、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(4)本発明はさらに、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Ile313、Phe317、Met318、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(5)本発明は特に、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Glu258、Phe317、Met351、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸に置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(6)本発明はまた特に、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Glu258、Phe317、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性となっている)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(7)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似な配列(ここで、Met244、Phe317、Met351、Ile360、His361、Asp381およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性であり、かつ任意で、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Ile313、Met318、Leu370、Phe382およびHis396から選択される少なくとも1つの追加アミノ酸が別のアミノ酸により置換されている)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(8)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、アミノ酸Phe311が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(9)好ましい実施態様において、本発明は上記段落(8)に記載されている単離ポリペプチド(ここで任意で、Met244、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Ile313、Phe317、Met318、Met351、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つの追加アミノ酸が別のアミノ酸により置換されている)に関する。
(10)好ましい実施態様において、本発明は上記段落(8)に記載されている単離ポリペプチド(ここで任意で、Met244、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Ile313、Phe317、Met318、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つの追加アミノ酸が別のアミノ酸により置換されている)に関する。
(11)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似な配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Phe311、Ile313、Phe317、Met318、Met351、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(12)本発明はさらに、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Phe311、Ile313、Phe317、Met318、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(13)本発明は特に、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Glu258、Phe311、Phe317、Met351、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(14)本発明はまた特に、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Gly250、Tyr253、Glu258、Phe311、Phe317、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(15)本発明は非常に著しく、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Gly250、Tyr253、Glu258、Phe317およびHis396から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(16)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Leu248、Glu252、Gly250、Glu355、Phe359、His396、Ser417、Glu459から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(17)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Leu248、Gly250、Glu252、Glu355、Phe359、His396、Ser417、Glu459から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、かつ任意でMet244、Gly250、Tyr253、Val256、Glu258、Phe311、Ile313、Phe317、Met318、Met351、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396およびPhe486から選択される少なくとも1つの他のアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(18)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Leu248、Gly250、Glu252、Tyr253、Val256、Glu258、Phe311、Ile313、Phe317、Met318、Met351、Glu355、Phe359、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396、Ser417、Glu459およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(19)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Leu248、Gly250、Glu252、Tyr253、Val256、Glu258、Phe311、Ile313、Phe317、Met318、Glu355、Phe359、Ile360、His361、Leu370、Asp381、Phe382、His396、Ser417、Glu459およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(20)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Leu248、Gly250、Glu252、Tyr253、Glu258、Phe311、Phe317、Met351、Glu355、Phe359、His396、Ser417、Glu459およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(21)本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(ここで、Met244、Leu248、Gly250、Glu252、Tyr253、Glu258、Phe311、Phe317、Glu355、Phe359、His396、Ser417、Glu459およびPhe486から選択される少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸に置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(22)本発明の好ましい実施態様は、上記段落(1)〜(21)のいずれか1つに記載されている単離ポリペプチド(ここで、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列において、1個のアミノ酸が別のアミノ酸により置換されている)に関する。
(23)非常に好ましい実施態様において、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(Leu248Val、Gly250Ala、Glu252His、Glu355Gly、Phe359Val、His396Arg、Ser417TyrおよびGlu459Lysから選択される少なくとも1つのアミノ酸変異を含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(24)好ましい実施態様において、本発明は、上記段落(23)のいずれか1つに記載されている単離ポリペプチド(ここで、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列がMet244Val、Gly250Glu、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe311Leu、Phe317Leu、Met351Thr、His396ProおよびPhe486Serから選択される少なくとも1つの追加アミノ酸変異を含有し得る)に関する。
(25)好ましい実施態様において、本発明は、上記段落(23)のいずれか1つに記載されている単離ポリペプチド(ここで、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列がMet244Val、Gly250Glu、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe311Leu、Phe317Leu、His396ProおよびPhe486Serから選択される少なくとも1つの追加アミノ酸変異を含有し得る)に関する。
(26)第2の好ましい実施態様において、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(Met244Val、Leu248Val、Gly250Glu、Gly250Ala、Glu252His、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe311Leu、Phe317Leu、Met351Thr、Glu355Gly、Phe359Val、His396Pro、His396Arg、Ser417Tyr、Glu459LysおよびPhe486Serから選択される少なくとも1つのアミノ酸変異を含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(27)非常に好ましい実施態様において、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(Met244Val、Leu248Val、Gly250Glu、Gly250Ala、Glu252His、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe311Leu、Phe317Leu、Glu355Gly、Phe359Val、His396Pro、His396Arg、Ser417Tyr、Glu459LysおよびPhe486Serから選択される少なくとも1つのアミノ酸変異を含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(28)非常に好ましい実施態様において、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(Met244Val、Gly250Glu、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe311Leu、Phe317Leu、Met351Thr、His396ProおよびPhe486Serから選択される少なくとも1つのアミノ酸変異を含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに関する。
(29)本発明はさらに、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(Met244Val、Gly250Glu、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe311Leu、Phe317Leu、His396ProおよびPhe486Serから選択される少なくとも1つのアミノ酸変異を含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(30)本発明はさらに、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(Gly250Glu、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe317LeuおよびHis396Proから選択される少なくとも1つのアミノ酸変異を含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに非常に著しく関する。
(31)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Met351Thrを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(32)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Met244Valを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含み機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(33)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Gly250Gluを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(34)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Tyr253Hisを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(35)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Tyr253Pheを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(36)本発明はまた、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Glu258Glyを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(37)本発明はまた、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Phe311Leuを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(38)本発明はまた、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Phe317Leuを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(39)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異His396Proを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(40)本発明はまた、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Phe486Serを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(41)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Leu248Valを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(42)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Gly250Alaを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(43)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Glu252Hisを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(44)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Glu355Glyを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(45)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Phe359Valを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(46)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異His396Argを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(47)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Ser417Tyrを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(48)同様に、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列またはその本質的に類似の配列(アミノ酸変異Glu459Lysを含有し、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドに特に関する。
(49)別の実施態様において、本発明は上記段落(31)〜(48)のいずれか1つに記載されている単離ポリペプチド(ここで、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列は、Met244Val、Leu248Val、Gly250Glu、Gly250Ala、Glu252His、Tyr253His、Tyr253Phe、Glu258Gly、Phe311Leu、Phe317Leu、Met351Thr、Glu355Gly、Phe359Val、His396Pro、His396Arg、Ser417Tyr、Glu459LysおよびPhe486Serから選択される少なくとも1つのアミノ酸変異を含有し得る)に関する。
(50)好ましい実施態様において、本発明は、上記段落(1)〜(49)のいずれか1つに記載されている単離ポリペプチド(ここで、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列は配列番号:2のアミノ酸229〜500からなる)に関する。
(51)別の好ましい実施態様において、本発明は、上記段落(1)〜(50)のいずれか1つに記載されている単離ポリペプチドに関し、該ポリペプチドはBcr−Ablチロシンキナーゼである。
(52)さらに別の好ましい実施態様において、本発明は、該ポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物を選別するための、上記段落(1)〜(51)のいずれか1つの単離ポリペプチドの使用に関する。
(53)本発明はまた、上記段落(1)〜(51)のいずれか1つに記載されているポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列を含む単離核酸分子に関する。
(54)本発明は、該ポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物のスクリーニングで使用する上記段落(1)〜(51)のいずれか1つのポリペプチドの生成における上記段落(53)の核酸分子の使用にさらに関する。
(55)本発明はまた、上記段落(53)に記載されている核酸分子を含む組み換えベクターに関する。
(56)本発明は特に、組み換え発現ベクターである上記段落(55)に記載されている組み換えベクターにさらに関する。
(57)本発明はまた、上記段落(55)または(56)に記載されている組み換えベクターを含む宿主細胞に関する。
好ましくは、本発明は、天然のヒトAblキナーゼドメインのアミノ酸配列を含む機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチド(ここで、少なくとも1つのアミノ酸が別のアミノ酸により置換され、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩による該チロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である)に関する。
STI571の好ましい塩は、WO99/03854で記載されるメタンスルホン酸塩である。
本発明のポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物のスクリーニングは、例えば、当該技術分野で公知の任意のインビトロチロシンキナーゼリン酸化アッセイでの本発明の単離ポリペプチドの使用、および該アッセイでの本発明のポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物の潜在性の測定によりなされ得る。
当該技術分野において公知の高処理量スクリーニングアッセイを用いて、本発明のポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物の大きな化合物ライブラリーをスクリーニングし得る。
大きな化合物ライブラリーのランダムなスクリーニングに加えて、本発明のポリペプチドはまた、以下のスクリーニング方法で用いられ得る:本発明のポリペプチドの3次元構造は例えば、X線結晶解析により決定される。次に、本発明のポリペプチドの原子座標を用いて、可能性のある阻害剤をデザインする。この可能性のある阻害剤を次に合成し、そしてインビトロのチロシンキナーゼリン酸化アッセイにおいて本発明のポリペプチドのチロシンキナーゼ活性の該阻害能について試験する。
実施例:
以下の実施例は、範囲を制限することなく本発明を説明するものである。
実施例1:
Ablキナーゼドメインの多数の変異をAblキナーゼドメインに結合するSTI571の3つのモデルに基づき生成し、そしてこの変異体キナーゼをSTI571に対する感受性について評価した。
様々な点変異を、STI571関連2−フェニルアミノピリミジンAbl−特異的阻害剤と共に同時結晶化したAblキナーゼドメインのモデルに基づき発生させた[Schindler T. et al., Science 289, 1938-42 (2000)]。Ablの結晶構造によりSTI571の潜在的結合部位として同定したアミノ酸は、T315、M290、E286、K271およびD381およびM318でのペプチドバックボーンとの水素結合、ならびにI313、F382、V256、Y253およびL370との疎水性相互作用を含んでいる。変異を発生させて、AblキナーゼとSTI571との間の水素結合または疎水性相互作用の可能性を除去した[c−Ablアミノ酸220〜458からなるAblキナーゼドメインを、pGEX KG(Pharmacia)のBam HIサイトにサブクローン化した。Hemagglutin(12CA5)抗体認識標識を、Ablリン酸化ドメインとしてかつタンパク質発現の検出のためAblキナーゼドメインの5’末端で挿入した。キナーゼドメイン内の全変異を、適当な点変異を含有するプライマーでAblキナーゼpGEX KGプラスミドのポリメラーゼ連鎖反応増幅を用いて構築した]。
M318およびD381はペプチドバックボーンを介してSTI571と水素結合を形成することが予測されるので、該部位での変異は不適切である。変異のIC50値を表1に要約する[Ablキナーゼドメイン変異のGST融合タンパク質ならびに野生型Ablキナーゼを、指数関数的に増殖する形質転換DH5α細菌の1mMのイソプロピルフェニルチオガラクトシド(IPTG)での誘導により生成させた。細胞を、1%Triton−X 100、10μg/ml アプロチニン、1mM バナジン酸ナトリウム、1mM フェニルメチルスルホニルフッ化物および10μM βーメルカプトエタノールを含有するMT PBS(150mM NaCl、16mM NaHPO、4mM NaPO、pH7.3)での超音波処理により溶解した。GST−Ablキナーゼ変異体を、グルタチオンセファロースに一晩4℃で結合させることにより可溶化液から精製した。結合タンパク質を、0.5M LiClで2度、PBS(リン酸バッファー食塩水pH7.5)で2度、そしてAblキナーゼ洗浄バッファー(20mM Tris pH7.5、10mM MgCl)で1度洗浄した。結合タンパク質濃度を、続いてクーマシーブルー染色するSDS PAGEにより測定した。Ablキナーゼタンパク質および変異の全てを発現させ、そしてこの方法で精製した。500ngの結合タンパク質をそれぞれのキナーゼ反応に用いた。キナーゼ反応を30μlのAblのキナーゼバッファー(20mM Tris pH7.5、10mM MgCl、10μM バナジン酸ナトリウム、1μM DTT、1%ジメチルスルホキシド(DMSO))中で行った。キナーゼ反応に加える前に、STI571を3% DMSOに溶解した。Ablキナーゼ変異を、0μMから1μMの範囲の濃度のSTI571と共に10分間インキュベートし、その後10μCiのγ32P ATP(100μM 全ATP)を添加し、そしてキナーゼ反応を30分間続けさせた。反応をSDSローディングダイ中でボイルすることで終結させ、そして試料をSDS PAGE(等量のタンパク質添加液を抗Ablキナーゼドメイン抗体Ab−2(Santa Cruz)を用いる免疫ブロットにより示した)により分析した。Abl自己リン酸化シグナル強度をホスフォイメージャー(Molecular Dynamics)で定量し、そしてIC50値を決定した。]同様のキナーゼアッセイを用いて報告されたものと一致して、野生型AblキナーゼのIC50値は0.025μMであった。K271R、E286L、M290AおよびI313Gがキナーゼ不活性型変異を生じた。L370Gの変異はSTI571に対する感受性を変化させなかった。反対に、T315VはSTI571に対して減少した感受性を示した。この変異のIC50値は平均して0.30μMであり、野生型Ablキナーゼのものより約10倍高かった。野生型Ablと比べてSTI571に対するこの変異の減少した感受性は、阻害剤の第2級アミノ基とT315の側鎖との間の重要な水素結合を呈示する結晶構造からの推測と一致する。
結晶構造が利用できるようになる前は、変異を、既知のキナーゼドメイン構造に基づくAblに結合するSTI571のコンピューターモデリングによって生成させた。該変異を分析して、該変異が既知のAblキナーゼドメイン構造に適合できるか否かを決定した。例えば、SrcファミリーメンバーLckの結晶構造に基づくAblのコンピューターモデルを最初に分析した[Yamaguchi H. and Hendrickson W.A., Nature 384, 484 (1996)]Lckに基づくモデルから予測した結合点の変異を、SrcまたはFmsのいずれかの対応する残基に対して引き起こした(表2)。該変異の大部分がキナーゼ不活性型であるか、またはSTI571に対する感受性の変化を示さないかのいずれかであった。この結果は、AblキナーゼおよびSrcファミリーキナーゼのATP結合部位ポケットのアミノ酸配列の差よりむしろ形態的差がSTI571の特異性の原因であることを示す結晶構造からの推測を支持した。興味深いことに、A380Tの変異は、野生型AblキナーゼのIC50を10倍超えるSTI571結合についてのIC50を生じた。この残基はSchindler等のモデル[Schindler T. et al., Science 289, 1938-42 (2000)]で予測された結合点ではないが、隣接残基D381がSTI571との重要な水素結合を形成する。より小さなグリシンへのA380の変異がSTI571に対する感受性を変化させないため、若干大きな残基への変異がA380T変異の感受性の減少を説明できるSTI571結合表面の立体効果または小さな立体構造変化のいずれかを導入するようである。従って、Lckキナーゼから予測した全てを、Abl結晶構造により説明できる。
Ablキナーゼに結合するSTI571の第3のモデルを、線維芽細胞成長因子受容体(FGFR)のコンピューターモデリングから推定する[Mohammadi M. et al., Science 276, 955 (1997)]。このモデルにおいて、STI571は、Schindler等のモデルで見られるものと比べて逆の向きで結合する。加えて、E258、M318およびL248を含むいくつかの新たな潜在的結合点を同定した。該結合モデルは、STI571が結晶構造中の予測結合部位であるV256およびL370を結合することも予測する。該残基の変異を、STI571に対する該感受性について調べた(表3)。上記変異の多くと同様に、これらのうちいくつかがキナーゼ不活性型であった。興味深いことに、E258G変異が野生型Ablキナーゼのものより8倍高い、0.18μMのIC50値を示した。変異のSTI571の感受性の減少は、E258の水素結合能がSTI571とAblキナーゼとの間の相互作用に重要であり得ることを示す。
Figure 0004243191
表1.変異を水素結合形成能または疎水性のいずれかを失っている残基に対して引き起こした。STI571がM318およびD381のペプチドバックーンと水素結合するものと予測した。それゆえ、該残基の変異は行われなかった。多くの変異がキナーゼ不活性型Ablを生じた。L370GはSTI571に対する感受性を変化させなかった。T315Vの変異は野生型Ablキナーゼと比べて10倍、STI571に対する感受性が増加した。
Figure 0004243191
表2.Ablキナーゼドメイン変異は、阻害剤結合のLckコンピューターモデルに基づく。不活性型Ablキナーゼドメインの構造を、阻害剤結合Lckの結晶構造由来(Kinetix Pharmaceuticals由来)の情報を用いて形成した。変異をSrcまたはfmsのいずれかの対応残基に対して、STI571とのAblの予測結合点について起こさせた。変異のほとんどが、STI571に対する感受性の無変化またはキナーゼ不活性型Ablのいずれかを生じた。A380Tの変異は野生型Ablキナーゼと比べて10倍、STI571に対する感受性が減少した。このことは、変異型AblのSTI571結合表面の立体効果または立体構造変化に起因するようである。
Figure 0004243191
表3.Ablキナーゼドメイン変異は、阻害剤結合の線維芽細胞成長因子受容体モデルに基づく。変異を、水素結合または大きな疎水性側鎖を除くSTI571とのAblの予測結合点について行った。変異の多くはキナーゼ不活性型Ablを生じた。E258Gの変異は、野生型Ablキナーゼと比べて8倍、STI571に対する感受性が減少した。
さらなる構造研究が、Ablキナーゼドメインの残基Ile360およびHis361がSTI571の結合に関与することも明らかにした。それゆえ、該位置のアミノ酸変異がSTI571抵抗性をもたらす潜在性を有する。
実施例2:
STI571での治療前および薬物で治療中の再発時の6人の患者の臨床試料を、AblキナーゼドメインのATP結合ポケットおよび活性化ループ中の変異の存在について解析した。解析した患者のうち、
2人が進行期のCMLに罹患し(リンパ性急性転化、1人の患者;再発時の急性転化に進行する加速期CML、1人の患者)、3人の患者がPh+ALLに罹患し、そして1人の患者が混合型Ph+急性白血病に罹患していた(表4参照)。
Figure 0004243191
表4.臨床データ
Ph+:フィラデルフィア染色体陽性;ALL:急性リンパ芽球性白血病;CML:慢性骨髄性白血病;AP:加速期、骨髄の芽球のパーセンテージ>15%だが<30%に基づく;BC:急性転化、骨髄の芽球のパーセンテージ>30%に基づく;CHR:血液学的完全寛解、以下の全ての判定基準に基づく:骨髄中の芽球数<5%、末梢血を循環している芽球がない、絶対好中球数>1.5×10/L、血小板数>100×10/L、髄外所見なし;PCR:細胞遺伝学的部分寛解、5/100のPh染色体陽性分裂中期細胞の発見に基づく;RCP:慢性期への回帰、以下の全ての判定基準に基づく:血液または骨髄中の芽球のパーセンテージ<15%、末梢血または骨髄中の芽球+前骨髄球のパーセンテージ<30%、末梢血好塩基球<20%;Biph:骨髄およびリンパ球両方の表面マーカーの発現に起因する混合型疾患
STI571での治療前
**Ph+ALLの再発のため一日当たり800mgのSTI571を継続投与
***CML急性転化への急激な再発のため一日当たり600mgのSTI571を投与
#末梢血中芽球様細胞の持続および骨髄中>30%芽球細胞を伴う汎血球減少症
##10週間末梢血を循環している芽球がなくかつ絶対好中球数>1.0×10/Lだが、骨髄中の芽球数>5%持続
一日当たり600mgのSTI571
++再発(白血球数360×10/L、85%の芽球様細胞)のため一日当たり600mgのSTI571投与から800mgのSTI571に切り替え
§骨髄を検査していない
§§NLE:末梢血に白血病の所見なし、以下の発見に基づく:末梢血を循環している芽球がなく、完全好中球数>1.0×10/L、血小板数>20×10/L、骨髄を検査していない
精製した末梢血および/または骨髄細胞由来の全RNAを、RNAClean(Hybaid GmbH, Heidelberg, Germany)を用いて抽出した。臨床試料当たり10ngのRNA、ポジティブコントロールとして10pgのK562全RNAおよびネガティブコントロールとして鋳型を含まない反応液を、3’Abl特異的プライマー(5’−GCCAGGCTCTCGGGTGCAGTCC−3’)および5’Abl特異的プライマー(5’−GCGCAACAAGCCCACTGTCTATGG−3’)を用いる逆転写酵素ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)の対象とした。AMV逆転写酵素をファーストストランド合成のため、Expand high fidelity(Taq DNAポリメラーゼおよびプルーフリーディングポリメラーゼ;Roche Molecular Biochemicals, Mannheim, Germany)を増幅のために用いた。ヒトβ−アクチンは、フォワードプライマー5’−CCAAGGCCAACCGCGAGAAGATGAC−3’およびリバースプライマー5’−AGGGTACATGGTGGTGCCGCCAGAC−3’(Roche Molecular Biochemicals, Mannheim, Germany)を用いてコントロールとして働かせた。増幅579bpフラグメントを、2つのAbl特異的プライマー(5’−GCCAGGCTCTCGGGTGCAGTCC−3’および5’−CAAGTTCCCCATCAAATG−3’)および2つの別の5’Abl特異的プライマー(5’−GCGCAACAAGCCCACTGTCTATGG−3’および5’−ATGGAGGTGGAAGAGTTC−3’)をそれぞれ用いて、ABI3700シークエンサー(PE Biosystems, Foster City, CA, USA)で配列決定した。配列解析を、Lasergeneソフトウエア(DNA, Madison, USA)を用いて行った。患者および時間ポイント当たり2〜9回RT−PCR反応を行い、そして単独で解析した。それぞれの患者および時間ポイントで100%の配列同一性を示した。全体として、STI571−抵抗性疾患時に見られる6つの1点変異を除き、互いにおよびヒトc−Abl(GI:28236)の配列に対する全プローブの配列同一性は100%であった。
Figure 0004243191
表5.配列解析
一日当たり600mgのSTI571を投与されている1度目の再発
**一日当たり800mgのSTI571を投与されている2度目の再発
ヌクレオチド/アミノ酸残基がヒトc−Ablの最初のヌクレオチド/アミノ酸(受託番号:GI:28236)から番号付けされている
異なる時間ポイントの解析
6人の患者のうち、配列解析により5人の患者の臨床試料において1点変異の存在が明らかになった。5つの変異全部が、AblキナーゼドメインのATP結合部位(患者1、3、4、および6、表5参照)または活性化ループ(患者5)内にアミノ酸変換を生じ、抵抗性疾病発症時に得た試料においてのみ存在した。1人の患者(6番、表5参照)において、ATP結合部位の位置315(ヒトc−Ablの最初のアミノ酸GI:28236から番号付け)でのThr→Ile変換を導くヌクレオチド1091C→T(ヒトc−Ablの最初のヌクレオチドGI:28236から番号付け)でのヒトc−Ablキナーゼドメインの点変異を検出できた。興味深いことに、この患者は、より少量を投与されていた抵抗性疾病発症時にT315Iが存在したにも関わらず、STI571の一日の投与量が600〜800mgに増加した後、2度目の効果を経験していた(表4および表5参照)。Thr315の存在が、STI571が結合し、従ってAblを阻害する鍵となる要件であることを考慮すると[Schindler T. et al., Science 289, 1938-42 (2000)]、この観察は悪性クローンの成長の原因となる未変異型Bcr−Ablの存在を必要としなければならい。このことは、抵抗性疾病発症時に得た4つの試料全部の一塩基多型(SNP)解析がc−Ablの位置1091でのSNPの証拠を示し、クロマトグラフィーでT−シグナルの後ろでC−バックグラウンドとして明らかであり、そして600mgに不応時に得た試料と800mgに不応時に得た試料とを比較した際に、変異型転写物に伴って該多相性が優位に減少することは、正しいと思われる。この発見は、T315Iが多数のBcr−Abl分子に存在すると、STI571の生物学的活性を無くすことを強く示す。
患者番号4(表5参照)でヒスチジンに変換された位置253のチロシンは、アスパラギン322と水素結合して、所定の2β鎖間の折りたたまれたループを維持し、STI571との表面相補性を増加し、そしてさらにSTI571の芳香環とのファンデルワールス結合を維持するとわかっていた[Schindler T. et al., Science 289, 1938-42 (2000)]。
患者1および3において見られる点変異の両方は、それぞれ、患者1ではバリン(疎水性)への、そして患者3ではリジン(親水性、正に帯電)へのATP結合部位の位置255のグルタミン酸(親水性、負に帯電)の変換を生じる。STI571の芳香環の1つとの隣接バリン256の相互作用を考慮すると[Schindler T. et al., Science 289, 1938-42 (2000)]、該変換も薬物結合を損なう立体構造変化を導き得る。
患者5において見られる変異、位置396のヒスチジンのプロリンへの変換は、活性化ループ内に位置する。Ablの該領域は、His396のNH−末端に位置するアンカー領域を除いて、STI571と直接相互作用しないが、不活性型(閉環)構造においてはAblへのSTI571の特異的結合に必要である[Schindler T. et al., Science 289, 1938-42 (2000)]。該変異が、開環立体構造の活性化ループを安定化し得ると推測し得る。そしてそのことは、Ablの主要なリン酸化部位であるTyr393のリン酸化による開環立体構造を安定化後、STI571による阻害の影響を受けにくいことが示されている[Schindler T. et al., Science 289, 1938-42 (2000)]。
要するに、6人の患者の解析は、STI571に不応性のPh+白血病の場合、ATP−結合部位または活性化ループ内の変異がしばしば生じることを示す。従って、悪性クローンのBcr−Abl依存性増殖は、Bcr−Ablキナーゼ活性を変化させることなくBcr−AblへのSTI571の結合を損なわせることにより回復され得る。
実施例3:
PCRストラテジーを用いて、Bcr−AblcDNAのATP結合領域を増幅し、そして全領域を両方向に配列決定した。急性転化CML(骨髄性BC2人、リンパ球性BC2人)、加速期(1人)またはSTI571に対して血液学的抵抗性となった2度目の慢性期CML(1人)のためSTI571投与中の患者の4/6に、Bcr−Ablの変異を発見した。1人の患者は変異Thr315Ileを有していた。2人の患者は位置250での変異を有し、それはグルタミン酸をグリシンに置換したものであった。1人の患者はアミノ酸253での変異を有し、そしてヒスチジンをチロシンに置換したものであった。アミノ酸250は、アミノ酸315の様にはSTI571と水素結合せず、アミノ酸253の様には阻害剤とのファンデルワールス結合に関与しない。試料が利用可能な場合(3つの場合)、変異がSTI571治療前に存在せず、かつ正常Abl対立遺伝子に存在しないことを確認した。また、血液学的効果を示しそして維持しているが、STI571に対してはマイナーな細胞遺伝学的効果を示すだけか、または細胞遺伝学的効果を示さない移行期CML(5人)または慢性期CML(3人)の8人の患者のBcr−AblのATP結合領域を配列決定した。該患者の全てが、STI571治療の6〜9ヶ月後に変異の証拠を示さなかった。Bcr−Ablのいくつかの点変異が移行期CML患者で出現し、Bcr−AblへのSTI571結合を完全にまたは部分的に阻害するようであると推測する。
実施例4:
RT−PCRストラテジーを用いて、28患者のBcr−AblのAblキナーゼドメインを増幅し、そして配列決定した。5箇所のオーストラリアの施設での拡大アクセス研究に登録された253患者からSTI571−不応性およびSTI571−抵抗性患者を選択した。ねらいは、注意深く定義した臨床グループ内の後天的変異の生じる頻度およびタイミングの測定、Bcr−Ablキナーゼドメイン内の該分布の測定、および特定の変異と臨床的特徴との関連の決定であった。
研究デザイン
STI571−抵抗性患者(n=18)を、少なくとも3ヶ月間続いた血液学的完全寛解を喪失した者、または急性期CMLまたはPh+ALL再発へと移行した者として定義した。STI571−不応性患者(n=10)は、少なくとも6ヶ月の治療後、主要細胞遺伝学的効果を達成できなかった者であった。
血液からのRNAの抽出、逆転写およびDNA配列決定の方法は既に記載されている[Branford S. et al., Br. J. Haematol. 107, 587-599 (1999)]。ロングPCR法[Branford S. et al., Br. J. Haematol. 109, 635-637 (2000)]を用いて、Bcr−AblのAblキナーゼドメインを、フォワードプライマーBcrF(5’tgaccaactcgtgtgtgaaactc)およびリバースプライマーAblKinaseR(5’tccacttcgtctgagatactggatt)で増幅した。第2段PCRでは、フォワードプライマーAblKinaseF(5’cgcaacaagcccactgtct)およびリバースプライマーAblKinaseRを用いた。全キナーゼドメインを配列決定し、領域は863塩基を含んでいた(GenBank受託番号M14752)。
結果
STI571−抵抗性患者:
18人のSTI571−抵抗性患者のうち12人がBcr−AblのATP結合領域に変異を有していた(表6)。試料が利用可能であった9人の場合で、変異がSTI571治療を開始する前に存在せず、それぞれの場合で抵抗性の発現前であった3〜9ヶ月で試験した4人の場合で存在しないことを確認した。Bcr−Abl変異のない6人の抵抗性患者のうち3人が、再発時にクローン発生の証拠を示し、2人の場合では追加のフィラデルフィア(Ph)染色体を含んでいた。1人の患者は、再発時に変異と別のPh染色体の両方を有していた。
同定した6変異はT315I(n=3患者)、Y253H(n=1)、F317L(n=1)、E255K(n=4)、G250E(n=2)およびM351T(n=1)である。
18人のSTI571−抵抗性患者を、急性転化またはPh+ALL(n=8)へと再発したもの、加速期へと再発したもの(n=6)、および血液学的寛解の喪失の証拠を伴う依然慢性期のままの者(n=4)へとさらに分けることができた。急性転化/ALLへと直接再発した8人の患者のうち6人が変異を有していた。これらのうち3人では、T315I変異が存在した。加速期へと再発した6人の患者のうち2人が変異を有していた。慢性期へと再発した残りの4人の患者の全てが変異を有していた。
STI571−不応性患者:
10人の不応性患者のうちただ1人が変異を有していた(表6)。STI571治療前または処置開始後3ヶ月での変異の証拠はない。野生型Bcr−Ablと混ざって変異クローンが8ヶ月で出現し、そして変異クローンが11ヶ月で優性となるまで混在パターンで持続した。これまで、患者の抵抗性の臨床的証拠はない。
表6.STI571で処置された患者の臨床的経過および変異解析
Figure 0004243191
表6の続き
Figure 0004243191
表6の続き
Figure 0004243191
表6の続き
Figure 0004243191
F:女性;M:男性;m:月
NMは、Bcr−Ablのキナーゼ領域の両方向の配列決定に従って検出された変異がないことを示す。
はクローン発生を示す。
は2本鎖フィラデルフィア染色体を示す。
疾患状態/効果:1a)骨髄性急性転化 b)リンパ球性急性転化 c)Ph陽性ALL再発。2)加速期、3)慢性期、4)部分寛解(血液+骨髄の芽球<15%)、5)血液学的完全寛解(WBC<10.0、血小板<450、芽球なし、骨髄球+後骨髄球<5%、前骨髄球なし、異常関連症状かつ髄外異常なし)、6)メジャー細胞遺伝学的効果、7)細胞遺伝学的完全寛解
†処置開始以後の月数
‡患者を8ヶ月間研究対象としたが、STI571を経口ヒ素と月ごとに交代させた。そしてそれゆえ患者は、この期間中、STI571を4ヶ月間だけ投与された。
§Ph陽性ALL患者
さらなる研究により、Ph染色体陽性白血病に罹患するSTI571−抵抗性/不応性患者の2つの追加変異、すなわち、Met244ValおよびPhe486Serの存在が明らかになった。
別の研究では、オーストラリアおよびニュージーランドの12のセンターのCML患者を変異解析について試験した。試料をBCR−ABLレベルの分子評価のためまず集め、保存RNAが測定可能なレベルのBCR−ABLを含有し、かつ対照遺伝子レベルが未分解RNAを示したときのみ変異解析続けた。患者は、6ヶ月またはそれ以上のイマチニブ治療を受けたか、または抵抗性となり6ヶ月前に治療を終えたかのいずれかであった(n=2)。156患者由来の試料が利用可能であったが、12の試料のうち4つが低レベルのBCR−ABLのため、そして8つがRNAの質が十分でないため試験できなかった。残る144人の患者をイマチニブの開始時の異常段階によりグループ化した;APが40人、診断から12ヶ月以上であるとして定義された後期CPの64人、および診断から12ヶ月未満であるとして定義された初期CPの40人。16人の初期CP患者がインターフェロン治療に既に失敗し、そして24人がイマチニブ治療前、ヒドロキシ尿素を投与れているだけであった。イマチニブの効果を、フィラデルフィア染色体陽性細胞の数が35%未満ならメジャー細胞遺伝学的効果(MCR)、または35〜100%ならMCRなしのいずれかについて6ヶ月時での細胞遺伝学的解析により分類した。イマチニブ抵抗性を、少なくとも3ヶ月間続いた血液学的完全寛解(CHR)の喪失、加速期または急性期への変化を伴うCHRの喪失、または確立したCHRまたは細胞遺伝学的完全寛解(フィラデルフィア染色体陰性として定義されたCCR)の喪失として定義した。346のRNA試料を本明細書において既に記載した様に解析した。利用可能なRNAにより、患者を1〜15の異なる時間ポイント間で変異について試験した。それゆえ、イマチニブ治療の投与期間の中央値を、最後の時間ポイントの解析から決定した。AP患者のイマチニブ投与の中央値は9ヶ月(範囲4〜24)であり、後期CP患者の中央値は10ヶ月(範囲6〜24)であり、そして初期CP患者の中央値は14ヶ月(範囲5〜24)であった。
加速期患者のイマチニブ抵抗性
40人のAP患者のうち14人がイマチニブ抵抗性となり、5人が急性期への変化を伴い、8人がAPの再発を伴い、そして1人がCCRの喪失を伴っていた。変異を、イマチニブ治療の中央値である8ヶ月(範囲4〜13)で14人中12人(86%)の抵抗性患者で検出した。
後期慢性期患者(後期CP)のイマチニブ抵抗性
64人の後期CP患者のうち13人がイマチニブ抵抗性となり、5人が急性期への変化、6人がAPへの変化そして2人がMCRの喪失を伴っていた。変異を、イマチニブ治療の中央値である8ヶ月(範囲3〜18)で13人中11人(85%)の抵抗性患者で検出した。
初期慢性期患者(初期CP)のイマチニブ抵抗性
40人の初期CP患者のうち6人が抵抗性となり、1人が急性転化へと変化し、2人がAPへと変化し、2人がCCRを喪失し、そして1人がMCRを喪失した。抵抗性患者で変異を検出しなかった。
CMLの継続期間および変異の発生
6ヶ月以内にメジャー細胞遺伝学的効果(MCR)を達成した研究中の全患者を調べると、診断から4年より長く処置された者が、4年以内の処置であった者より9倍高い変異の発生率を有していた(22人中6人(27%)対72人中2人(3%))。6ヶ月以内にMCRを達成しなかった全患者を調べると、診断から4年より長く処置された者が、4年以内の処置であったものより2倍高い変異の発生率を有していた(22人中12人(54%)対28人中7人(25%))。変異の最高発生率は、診断から4年より長く処置されたAP患者で、かつ6ヶ月までにMCRを達成できなかったAP患者においてであった(12人中8人、67%)。この研究では、144人のうち27人の患者が変異を発生した。変異を有する27人の患者のイマチニブ治療の開始前のCMLの継続期間の中央値(5.3年、範囲1.1〜11)は、変異のない117人の患者のもの(1.3年、範囲0.02〜17.7)(p<0.0001)と統計的に異なった。
BCR−ABLキナーゼドメインの変異
表7に、27人の患者で検出されたBCR−ABLキナーゼドメインの17の異なる変異を列挙する。全点変異が存在し、そしてそれはアミノ酸244から486に関与する728のヌクレオチド配列内に位置していた。7人の患者が2〜4の変異を有し、そして1人の患者が位置252でのグルタミンからヒスチジンへとアミノ酸を変化させる同一のヌクレオチドでの2つの異なる変異を有していた。N−末端でのL248VおよびキナーゼドメインのC−末端でのS417Y、E459KおよびF486Sの変異はこれまでに発表されていない。最初の3つの変異は、G250E変異も有する1人のイマチニブ抵抗性患者において全て検出された。
表7.BCR−ABLキナーゼドメインの変異
Figure 0004243191
7人の患者が複数変異を有した
実施例5:
抵抗性の4つの分子メカニズムおよび染色体メカニズムを、慢性期(CP、n=136)、加速期(AP、n=80)、骨髄性急性転化(BC、n=73)、およびリンパ球性BC(n=1)の慢性骨髄性白血病(CML)のためSTI571で処置された計290人の患者の中からSTI571単独療法(一日あたり400〜800mg経口)に対して不応性または抵抗性の42人の患者(pts)(男性21人、女性21人;平均年齢60歳、範囲26〜70歳)において調べた。患者を6つの多施設試験での第II相研究へと追加した。STI571治療前、抵抗性患者は骨髄性BC(n=28)またはリンパ球性BC(n=1)、AP(n=9)、またはCP(n=4)であった。治療の継続期間の中央値は123日(範囲13〜741)であった。STI571前および抵抗性時に、Bcr−Abl転写物の発現を、末梢血リンパ球において、定量的RT−PCRにより、ゲノムBcr−Ablのコピー数を相間蛍光インサイツハイブリダイぜーション(IP−FISH)により、そしてクローン核型進化(clonal karyotypic evolution)を分裂中期細胞遺伝学により、測定した。Bcr−AblのチロシンキナーゼドメインのSTI571結合部位を、抵抗性芽球由来のcDNAから配列決定した。結果:(i)比Bcr−Abl/グリセロアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼで発現したBcr−Abl転写物の平均レベルは、STI571治療前は4.6%(0.1〜43%)であり、そして抵抗性(ns)時では5.3%(0.07〜100)であった。3/21の患者は、>10倍のBcr−Ablの過剰発現を示した;(ii)Bcr−Ablのゲノム増幅をIP−FISHにより調べた2/21患者で発見した;(iii)クローン進化を生じる追加染色体異常を7/23患者において観察し、そのうち5人が異数性に発生した;(iv)AblチロシンキナーゼドメインのATP結合部位の点変異を6/40患者において検出した。変異は、結合部位の立体構造を変化させるアミノ酸置換(Y253F、n=1;E255K、n=2;E255V、n=1;T315I、n=2)を導く。変異をDNA制限酵素切断分析により確認し、そして治療前の試料から除去した。Bcr−Ablの再活性化を、リン酸化Crklの平均的群である63%(範囲38〜77%)で、STI571に対する非感受性を示す点変異を有する5人の患者でのCrkl免疫ブロットにより確認した。Ablの自己リン酸化アッセイは、野生型Ablの0.025μMからY253Fの0.5μM、E255Kの0.4μM、E255Vの>0.5μM、およびT315Iの0.30μMのSTI571に対するIC50の増加を示した。
さらなる研究により、Ph染色体陽性白血病に罹患するSTI571−抵抗性/不応性患者の追加変異、すなわち、Leu248Val、Glu252His、Tyr253His、Met351Thr、Glu355GlyおよびHis396Argの存在が明らかになった。
実施例6:
材料および方法
患者
インターフェロンα(INF−α)に抵抗性かまたは不寛容である71人のCML患者を、3つの多センターでの第2相治験においてSTI571で処置した。3ヶ月の治療後、彼らのうち34人がSTI571に対して血液学的および細胞遺伝学的効果(すなわち、正常血球数およびPh陽性分裂中期細胞が65%より多い)を示したが、一方で29人が細胞遺伝学的効果を示さなかった。彼らのうち慢性期の16人および加速期の8人を含む24人をAbl遺伝子変異について解析した。5人の残りの患者について利用可能な材料はなかった。
RT−PCR−RLPアッセイ
RNA抽出。全RNAを、製造元の指示によりTRizol試薬(Life Technologies、UK)で凍結した一定分量の107人の末梢血リンパ球から抽出した。RNAペレットを10μlのRNAseフリーの水に再溶解し、そして量を紫外線蛍光分析法により評価した。
逆転写。cDNAを既に記載された様に20μlの反応混合液中1μgの全RNAから合成した[Morschhauser F. et al., J. Clin. Oncology 18, 788-794 (2000)]。
412bpフラグメントのPCR増幅を、2μlのcDNA(100ngの全RNAに対応)、1×TaqGold反応バッファー(Applied Biosystem、USA)、1.5mM MgCl、250μMの各dATP、dCTP、dGTP、dTTP(Pharmacia、Sweden)、0.5UのAmpliTaq Goldポリメラーゼ(Applied Biosystem、USA)、および50pmolのプライマーF2:5’−GAG GGC GTG TGG AAG AAA TA−3’およびR2:5’−GCT GTG TAG GTG TCC CCT GT−3’で行った。用いたサーモサイクリングの条件は、94℃で12分、続いて94℃、1分間の変性、57℃、1分間のアニーリング、72℃、1分間の伸長の35サイクル、および72℃、5分の最終伸長ステップであった。
LP解析。PCR産物の1/5を5Uの制限酵素Dde I(Roche、Switzerland)により切断し、2.5%のエチジウムブロマイド染色アガロースゲルで電気泳動した。
DNA抽出
ゲノムDNAを、製造元の指示によりQIAmp DNAミニキット(Qiagen、Germany)を用いて5×10の末梢血単核細胞(PBMC)から抽出した。量を紫外線蛍光分析法により測定した。
配列解析
キナーゼおよびATP−ループAblドメインの全体(アミノ酸242から395)を、アニーリング60℃でフォワードプライマーF3:5’−CAT CAC CAT GAA GCA CAA GC−3’およびリバースプライマーR2を用いて、上記の反応混合液およびPCR条件でcDNA上で増幅した。
QIAquick PCR精製カラム(Qiagen、Germany)での精製後、462bpのPCRフラグメントを、自動ABI377シークエンサーでTaq−Dyeターミネーター配列決定のABIプロトコールに従い配列決定した。配列を配列解析ソフトウエアV3.3および配列ナビゲーターソフトウエアV1.0.1(Applied Biosystem、USA)で解析した。配列決定を両鎖で行った。
検出変異を通常は、DNA由来の207bpのPCR産物両鎖の配列決定により確認した。PCR条件は上記のものであり、アニーリング60℃でフォワードプライマーF4:5’−GTC CTC GTT GTC TTG TTG GC−3’およびリバースプライマーR4:5’−CCC CTA CCT GTG GAT GAA GT−3’を用いた。
ASO−PCRアッセイ
変異型または野生型配列を、以下の対立遺伝子特異的およびリバースプライマーを用いて、上記50μlの反応混合液およびPCR条件でDNA上で行った非競合的PCR反応で特異的に増幅した。Thr315Ile変異に対して、F315C:5’−GCC CCC GTT CTA TAT CAT CAC−3’またはF315T:5’−CCC GTT CTA TAT CAT CAT−3’およびR1:5’−GGA TGA AGT TTT TCT TCT CCA G−3’(64℃でアニーリング;158bpのPCR産物);Phe311Leu変異に対して、F311T:5’−CAC CCG GGA GCC CCC GT−3’またはF311C:5’−CAC CCG GGA GCC CCC GC−3’およびR4(64℃でアニーリング;174bpのPCRフラグメント)。
このアッセイの感度を、100ngの健常対照DNAにおける抵抗性時の100ngの患者のDNAの10倍限界希釈の増幅によりそれぞれの変異について測定した。
Thr315Ile変異の解析
Thr315Ile変異を、24人のSTI571抵抗性患者のCからT塩基への変化により誘導されたDde I制限酵素部位の欠損の研究により調べた。解析を、診断時および抵抗性時の412bpのPCRフラグメントのcDNA増幅後に行った。
STI571に対して抵抗性を有する加速期の3人のCML患者では、Dde I切断パターンは2つの集団のAbl転写物を示した。野生型配列は、それぞれ171bpおよび36bpの2つのフラグメントにより特徴付けられ、そして変異型配列は207bpの未切断フラグメントにより特徴付けられた。バンド輝度の差は、1人の患者について小集団の変異型転写物、そして2人以上の患者について大集団の変異型転写物を示した。このRT−PCR−RLPアッセイにより、207bpの未切断フラグメントのみを該患者で検出したので、診断時にThr315Ile変異型転写物を検出できなかった。解析を、STI571で3ヶ月治療後の細胞遺伝学的完全寛解の16人の患者でも行った。該患者のうち全てで、Thr315Ile変異が存在しなかった。
DNAおよびRNAの直接的配列解析
24人のSTI571抵抗性患者において、AblキナーゼドメインおよびATP−ループ領域を、抵抗性時およびSTI571治療前のPCR DNAおよびcDNA産物(それぞれ、207bpのF4R4−PCRフラグメントおよび462bpのF3R2−PCRフラグメント)から直接的に配列決定した。配列決定データにより、既にRT−PCR−RLPが検出した3人中2人の患者のThr315Ile変異を確認したが、より低レベルの変異型転写物を有する残りの患者では失敗した。それぞれの患者のヘテロ接合体の割合を、RT−PCR−Rパターンにより、クロマトグラフィー1次配列データの特異的Cシグナル幅とTシグナル幅との比較により表す。
21人の残りの患者のうち2人が、2つのまだ未報告の変異を示した:12ヶ月のSTI571治療後の加速期の1人の患者は、TからC塩基への変換により誘導されたPhe311Leu置換を有しており、そして18ヶ月のSTI571治療後の慢性期の1人の患者は、TからC塩基への変換により誘導されたMet351Thr変異を有していた。
この直接的配列決定法により、Glu255アミノ酸に影響する変異を検出しなかった。
ASO−PCRモニタリング
変異検出の感度を増加するために、ASO−PCRアッセイを開発した。ASO−PCRモニタリングは、Thr315Ile、Phe311LeuまたはMet351Thr変異を有する患者では、該変異がSTI571処置前に存在したことを示し、該点変異がSTI571処置前に存在したという証拠を提供した。変異型細胞のこの期間で増加した集団を、エチジウムブロマイド染色アガロースゲルのPCRシグナル輝度により、解析した変異の3つで示した。この最後の結果は、治療の間の変異型細胞の機能的STI571抵抗性によるクローン選択を強く示す。変異型Abl遺伝子の特異的PCR条件フラグメント産物を、10000倍希釈後でさえ検出し、非常に高感度のASO−PCR試験へと発展させた:10ngのDNAが約15000細胞を表すと仮定し、15000の野生型細胞で1.5のAbl変異型細胞を検出できた。予測されたとおり、それぞれの希釈ポイントについて、未変異型細胞のシグナル輝度が常に残っていた。アッセイの高特異性を、健常DNA対照由来の変異型検出Abl配列の欠損によりそれぞれの変異について示した。
実施例7:
この実施例では、イマチニブメシレート処置に対して細胞遺伝学的抵抗性または血液学的抵抗性のいずれかとなった43人のCML患者(該疾病の慢性期18人および移行期25人)を研究した。移行期の患者を期間の中央値である3ヶ月の間イマチニブメシレートで処置し、そして慢性期の患者を期間の中央値である13ヶ月の間処置した。BCR−ABL融合物(1300bp)を含む第1の増幅の後、ネスティッドPCRを行って、ATP結合ドメインを含む584bpのフラグメント、およびSH2およびSH3ドメインを含有する386bpのフラグメントを増幅した。PCR産物を、アミノ酸72〜180およびアミノ酸234〜396を含む異なるABLドメイン覆うことを可能として配列決定し、SH2/SH3およびATP結合ドメインをそれぞれ研究した。
43人の患者間のATP結合ドメインに関して、5ケースの変異を検出した。3患者(加速期1人そして急性転化2人)がT315I変異を表した。他の加速期の1人の患者において、E255K変異を検出した。1年より長い間イマチニブメシレートにより処置された細胞遺伝学的抵抗性患者(慢性期)において、研究により新たに記載するGly250Ala置換を発見した。SH2およびSH3ドメインに関して、研究した全43人のCML患者由来の異なる試料において変異を検出しなかった。
データにより、STI571で処置されたCML患者ではABL変異は疾病の加速期に限られないことを確認した。まだ発表されていない新たな点変異を報告する。
インビトロの変異誘発後、イマチニブメシレートに対する感受性の差を研究するねらいで、Ba/F3細胞株を操作して、野生型およびT315I、E255K、A250G変異を発現させた。予備的結果より、BaF/BCR−ABLT315Iから高レベルの抵抗性を確認した。他の機能的研究は研究室において進行中であり、そしてこれと比較されるであろう。

Claims (13)

  1. 配列番号:2のアミノ酸229〜500を含み、チロシン253がヒスチジンにより置換されているか、またはグリシン250がグルタミン酸により置換されている機能的キナーゼドメインを含む単離ポリペプチドであって、該機能的キナーゼドメインがN−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩によるそのチロシンキナーゼ活性の阻害に対して抵抗性である単離ポリペプチド。
  2. チロシン253がヒスチジンにより置換されている、請求項1に記載の単離ポリペプチド。
  3. グリシン250がグルタミン酸により置換されている、請求項1に記載の単離ポリペプチド。
  4. Bcr−Ablチロシンキナーゼである、請求項1〜のいずれか1つに記載の単離ポリペプチド。
  5. 該ポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物をスクリーンするための、請求項1〜4のいずれか1つに記載の単離ポリペプチドの使用。
  6. 請求項1〜4のいずれか1つに記載のポリペプチドをコード化するヌクレオチド配列を含む単離核酸分子。
  7. 該ポリペプチドのチロシンキナーゼ活性を阻害する化合物のスクリーニングで使用するためのポリペプチドの産生における請求項に記載の単離核酸分子の使用。
  8. 請求項に記載の核酸分子を含む組み換えベクター。
  9. 組み換え発現ベクターである請求項に記載の組み換えベクター。
  10. 請求項またはに記載の組み換えベクターを含む宿主細胞。
  11. N−[4−メチル−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−フェニル]−4−(4−メチル−ピペラジン−1−イルメチル)−ベンズアミドまたはその塩の処置に不応性または抵抗性の患者におけるBcr−AblのY253HまたはG250E変異を同定する方法であって、Bcr−AblのATP結合領域のヌクレオチド配列を決定し、そしてY253Hの同定の場合にはチロシン253がヒスチジンにより置換されているか、あるいはG250Eの同定の場合にはグリシン250がグルタミン酸により置換されているかを決定することを含む方法。
  12. Y253H変異の同定のために、チロシン253がヒスチジンにより置換されているかを決定することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. G250E変異の同定のために、グリシン250がグルタミン酸により置換されているかを決定することを含む、請求項11に記載の方法。
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