JP4243122B2

JP4243122B2 - 逆洗装置

Info

Publication number: JP4243122B2
Application number: JP2003086669A
Authority: JP
Inventors: 知志竹下; 昌幸山本
Original assignee: Metawater Co Ltd
Current assignee: Metawater Co Ltd
Priority date: 2003-03-27
Filing date: 2003-03-27
Publication date: 2009-03-25
Anticipated expiration: 2023-03-27
Also published as: JP2004290817A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハニカムフィルタの逆洗を十分に行うことができる逆洗装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
【特許文献１】
特開２０００−３５４７２５号公報
【０００３】
従来から高温の排ガス処理を行うのにセラミックからなるハニカムフィルタが利用されている。このハニカムフィルタは、ガス流路の入口側は開放され出口側は閉塞されるように各セルの端部を交互に目封じした構造であり、入口側より入った排ガスは出口側で流路を塞がれているために隔壁を通過することとなり、この時にろ過・除塵処理されるよう構成されている。一方、ろ過・除塵されて隔壁に付着したダストは反対側から高圧・大容量の圧縮空気等で逆洗することで目詰まりを改善し、長期間の運転を継続できるようにしている。
【０００４】
しかしながら、前記ハニカムフィルタの各セルは孔径が３〜６ｍｍと細く、しかも奥行き（フィルタ長さ）が約５０〜８０ｃｍ程度と長いため、逆洗した際の空気圧力がセルの途中で減衰しやすく、十分に逆洗効果を得ることができないという問題点があった。また、特許文献１に示されるように、従来は逆洗空気を供給する配管は複数個のハニカムフィルタに対して１個設けられた構造であるのが普通であり、全てのハニカムフィルタに逆洗空気を満遍なく均等に供給することが難しく、特に配管から近いハニカムフィルタは十分な逆洗効果が得られないという問題点があった。更には、高圧の圧縮空気を使用して多量に、短期間のサイクルで逆洗を行うと、運転中の排ガス処理系統に悪影響を及ぼしかねず、時にはハニカムフィルタの寿命に影響を及ぼすという問題点もあった。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来の問題点を解決して、全てのハニカムフィルタに対して逆洗処理を十分かつ確実に行うことができ、また簡単な構造であり製作コストを低減することができるハニカムフィルタ用の逆洗装置を提供することを目的して完成されたものである。
【０００６】
上記の課題を解決するためになされた本発明の逆洗装置は、各ハニカムフィルタの排ガス出口側全体を覆うように個々に形成したフード本体と、その上方に位置する逆洗ノズルとを備え、前記フード本体を下部直管部と該下部直管部よりも径の小さい上部直管部の２つの直管部からなるものとし、前記逆洗ノズルは、径形状が前記フードの径形状と同一である直管形状を有しており、逆洗エアを導入するフード上部直管部の上面開口部径は逆洗ノズル径の２〜３倍であり、逆洗ノズルから上部直管部の上面開口部までの距離を、逆洗ノズル径の４〜１０倍であって、前記逆洗ノズルとフード本体とを直列に配置したことを特徴とするものである。
【０００７】
また、逆洗エアを導入する上部直管部の上面開口部径を逆洗ノズル径の２〜３倍に設定するのが好ましく、これを請求項２に係る発明とし、逆洗ノズルから上部直管部の上面開口部までの距離を、逆洗ノズル径の４〜１０倍に設定するのが好ましく、これを請求項３に係る発明とする。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を参照しつつ本発明の好ましい実施の形態を示す。
図面は、本発明を焼却炉等から排出される高温の排ガス処理に用いるハニカムフィルタに適用した場合を示すもので、図１はセラミックフィルタ集塵装置を示す断面図、また図２は本発明の概略を示す正面図である。
【０００９】
図において、１はハニカムフィルタ２０の排ガス出口側全体を覆うように各フィルタ毎に１個ずつ取り付けられたフード本体、１０はこのフード本体１の上方に位置する逆洗ノズルである。そして、このフード本体１は下部直管部１ａと該下部直管部１ａよりも径の小さい上部直管部１ｂの２つの直管部から構成されたものとなっている。
【００１０】
このように、本発明はハニカムフィルタ２０の上部に２つの直管部から構成される特殊な形状を有するフード本体１を設置することにより、逆洗時においてフード本体内の内圧力を高め、フィルタ全周にわたって逆洗処理を十分かつ確実に行うのである。
即ち、図２に示されるように、逆洗ノズル１０よりフード本体内に供給された逆洗エアは、中心部付近はそのままの勢いでフィルタのろ過処理に使用され、外側部はフード本体内で反射する。この反射したエアは、フード本体１が逆洗エアの導入により上部開口部２がセルフシールされているためにフード本体１から漏れることがなく高い圧力を保ったままフード本体１の外側へ拡散していくこととなる。そして、高圧力エアの状態でフィルタの外周部をろ過処理することとなり、この結果、フィルタ全周にわたって逆洗処理を十分かつ均一に行うこととなる。
なお、通常の排ガス処理時においては、集塵処理したクリーンな排ガスはフード本体１の上部開口部２を通じて外部へ導かれる。
【００１１】
なお、前記のように反射したエアを高い圧力を保ったままフード本体１の外側へ拡散させるには、逆洗エアを導入する上部直管部の上面開口部径（Ｄ２）は逆洗ノズル径（Ｄ１）の２〜３倍に設定するのが好ましく、また上部直管部１ｂの高さ（ｈ）は５０〜１５０ｍｍ程度に設定するのが好ましい。
【００１２】
また、逆洗ノズル１０から上部直管部１ｂの上面開口部までの距離（Ｌ）を、逆洗ノズル径（Ｄ１）の４〜１０倍に設定するのが好ましい。このような設定にすることにより、エア圧力が中心から外周側にいくに従い圧力は低下するものの極端な低下ではなく、外周部でも高い圧力を維持することが可能となる。４倍未満では、外周側での圧力低下が著しく中心だけが吹き抜けている状態となり、一方、１０倍より大きくなると、全体的に圧力が低い値となり十分な逆洗効果が得らない。
なお、下部直管部１ａの径が２００ｍｍの場合における逆洗ノズル径（Ｄ１）と距離（Ｌ）との関係を４倍未満、４〜１０倍の範囲内、１０倍より大きい時、フードがない時に場合分けし、各場合の逆洗エア圧力値を中心からの距離との関係で調査した結果は図３のグラフに示す通りであり、本発明のものが外周部でも高い圧力を維持していることが確認できた。
【００１３】
このように本発明の逆洗装置は、ハニカムフィルタ２０の排ガス出口側全体を覆うように形成したフード本体１と、その上方に位置する逆洗ノズル１０とを備え、前記フード本体１を下部直管部１ａと該下部直管部１ａよりも径の小さい上部直管部１ｂの２つの直管部からなるものとしたものとしたので、逆洗ノズル１０より供給された逆洗エアは、中心部付近はそのままの勢いでフィルタのろ過処理に使用され、外側部はフード本体内で反射して高い圧力を保ったままフード本体１の外側へ拡散し、高圧力エアの状態でフィルタの外周部をろ過処理することとなる。この結果、外周部も含めフィルタ全周にわたって逆洗処理を十分かつ均一に行えることとなる。
【００１４】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は全てのハニカムフィルタに対して逆洗処理を十分かつ確実に行うことができ、また簡単な構造であり製作コストを低減することができるものである。
よって、本発明は従来の問題点を一掃した逆洗装置として、産業の発展に寄与するところは極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態を示す断面図である。
【図２】本発明のろ過処理時の状態を示す概略正面図である。
【図３】逆洗エア圧力値と中心からの距離との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
１フード本体
１ａ下部直管部
１ｂ上部直管部
１０逆洗ノズル
２０ハニカムフィルタ

Claims

各ハニカムフィルタの排ガス出口側全体を覆うように個々に形成したフード本体と、その上方に位置する逆洗ノズルとを備え、
前記フード本体を下部直管部と該下部直管部よりも径の小さい上部直管部の２つの直管部からなるものとし、
前記逆洗ノズルは、径形状が前記フードの径形状と同一である直管形状を有しており、逆洗エアを導入するフード上部直管部の上面開口部径は逆洗ノズル径の２〜３倍であり、逆洗ノズルから上部直管部の上面開口部までの距離を、逆洗ノズル径の４〜１０倍であって、
前記逆洗ノズルとフード本体とを直列に配置したことを特徴とする逆洗装置。